【発明の詳細な説明】
テトラヒドロ−β−カルボリン
本出願は1993年4月14日に出願した出願番号08/048,544の部
分継続出願である。
発明の分野
本発明は有機化学の分野に関する。本発明は新規なテトラヒドロ−β−カルボ
リン化合物、および5−HT1c受容体に対して高親和性を有する中間体を提供す
る。更に本発明は5HT2A、5HT2B、および/または5HT2C受容体活性を有
する7−置換トリプタミン化合物を提供する。
発明の背景
実質的な証拠は、5HT1C受容体モジュレーションと様々な病気および状態の
間に関係があることを支持する。5HT1C受容体はこの分野の研究者により5H
T2C受容体と最近名付けられた。Hoyer、Pharmacological Reviews(IUPHA
Rレセプター命名およびドラッグ分類委員会により1993年7月7日承認され
た草案)。本明細書では5−HT1C受容体は、今5HT2Cと名付けられた受容体
を言う。
5−HT1C受容体サブタイプは脈絡集網上皮細胞において最初に検出され、こ
れらの細胞により発現される唯一の5HT受容体サブタイプである。放射性リガ
ント結合を用いる5HT1Cの研究は5HT1C受容体と5HT2受容体との交差反
応のため複雑である。5−HT1Cと5−HT2とを区別する選択的、高親和性化
合物の発見は、つかまえどころのない、そして重要なターゲットである。Hartig
等、5−HT1C Receptor、Annals New York Academy of Science、149巻、
159頁。5−HT1C受容体に対して選択的な親和性を有する化合物は、5−H
T2受容体での活性に関連する副作用なしに、5−HT1C受容体が媒
媒介する状態の治療を提供することができる。そのような化合物は5−HT1C受
容体のキャラクタリゼーションを簡単にし、有用な新しい治療剤を提供すること
ができる。インビトロでは、m−クロロフェニルピペラジン(m−CPP)は、他
の5−HT受容体の場合よりも、5−HT1C部位に僅かに大きい親和性を有する
。しかし本発明の前には、5−HT1C選択性のリガンドは知られていなかった。
5−HT1C受容体の活性化は多くの挙動および生理学作用に関連している。T iPS
、11巻、181頁(1990年5月)。大脳辺縁系における5HT1C受
容体は、気分、挙動および幻覚誘発に影響し得る。Hartig等、5−HT1C Rece
ptor、Annals New York Academy of Science、149巻、159頁。5−HT1c
受容体のモジュレーションは精神分裂症および精神分裂病様障害に関連している
。Ugedo、L.等、Psychopharmacology、98巻、45頁(1989);Canton、
H.等、Eur.J.Pharmacol.、191巻、93頁(1990)。視床下部の5−
HT1C受容体は睡眠、食欲、体温調節、性的挙動、運動活性および神経内分泌機
能に影響し得る。Hartig等、5−HT1C Receptor、Annals New York Academy of Science
、149巻、159頁。さらに研究により5−HT1C受容体は活動力
減少を媒介し、ラットにおける採食の低下を起こし、不安発生効果を有すること
が示された。同書。薬剤によって誘発される陰茎の勃起は5−HT1Cによって媒
介されることが示されている。Psychopharmacology、101巻、57頁(199
0)。同様に5−HT1Cモジュレーションは陰茎強直症を治療しまたは予防し得
る。
他の研究はm−CPPを用いて5−HT1C受容体に関連する応答をキャラタラ
イズした。5−HT1Cに対する応答はこの方法によってキャラクタライズするの
が困難であるが、5−HT1C受容体は不安、強迫神経症、恐慌症、ジル・ド・ラ
・ツレット症候群および片頭痛の開始に影響することが研究によりわかった。T iPS
、11巻、181頁(1990年5月)。5−HT1C受容体は同様にアル
ツハイマー病に関与し得ることを研究は示した。同書。5−HT1C受容体は髄液
のバランスのモジュレーションに関与する。さらに5−HT1C受容体は痛みの感
覚に関連する。Zemlan,F.P等、Neurochem.Int.、16巻、507頁(199
0)。
さらに、5HT2A、5HT2Bまたは5HT2C受容体に親和性と選択性を有する
化合物は、5HT2A、5HT2Bおよび5HT2Cモデュレーションに関連する様々
な状態の治療に有用であり得る。例えば5HT2B受容体のモジュレーションに有
用である化合物は、イヒラシア(ichlasia)、高張性下部食道括約筋、タッチィ
ガストリア(tachygastria)、過敏性腸症候群に関連する高運動性、便秘、消化
不良、および/または5−HT2Bモジュレーションに関連する他の状態等の様々
な状態を患っている、または受けやすい患者を治療するのに有用である。最後に
5HT2Aのモジュレーションは精神分裂病、不安症、うつ病および片頭痛に関連
する。Koek,W.、Neuroscience and Biobehaviroal Reviews、16巻、95〜1
05ページ(1992)。
5−HT1C、5−HT2Aおよび/または5−HT2B受容体のモジュレーション
を可能にする化合物を有することは有利であろう。5−HT1C受容体に対する大
きい高親和性と5−HT2受容体に対する低親和性を有する化合物を有するのが
特に望ましいであろう。摂食障害、性障害、および5−HT2A、5−HT2Bおよ
び/または5−HT1Cモジュレーションに関連する他の疾患または状態の影響を
最小限にする化合物を有するのがさらに有利であろう。
本発明は5−HT1C受容体活性を有する一群の新規な化合物を提供する。本発
明は切望された選択的5−HT1C受容体アンタゴニスト活性を有する化合物をも
提供する。更に本発明の化合物は5−HT1C受容体の作用を確認し、5−HT1C
受容体モジュレーションに基づく治療剤を開発するのに有用な手段である。さら
に本発明は、下の式(I)の化合物を製造するための下の式(VI)の新規な中
間体を提供する。
本発明は5−HT1A、5−HT2Bおよび/または5−HT2C活性を有する下の
式(VII)の一群の新規なトリプタミン化合物を提供する。
従って本発明は式(I):
[式中、R1は水素またはC1〜C3アルキルであり;
R2は水素またはC1〜C6アルキルであり;
R3は水素またはC1〜C3アルキルであり;
R4はC5〜C8シクロアルキル、置換C5〜C8シクロアルキル、C5〜C8シク
ロアルケニル、置換C5〜C8シクロアルケニルであり;
Aは、
(式中、R6およびR7は独立に水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、
ハロ、ハロ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C2〜C6)アルケニル、COR5、C1
〜C10アルカノイル、CO2R5'、(C1〜C6アルキル)mアミノ、NO2、−S
R5またはOR5であり;
各R5は独立に水素またはC1〜C4アルキルであり;
R5'はC1〜C4アルキルであり;
R8はR6基、置換C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜
C8シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、C5〜C8シクロアルケニル、置換
C5〜C8シクロアルケニル、C5〜C8シクロアルケニル−(C1〜C3)アルキル
、C7〜C16アルールアルキルよりなる群から独立に選択され;または
R6およびR7は基Aの炭素原子と共に5〜8員炭素環を形成し、
mは1または2である。)からなる群から選択される。但し、
a) Aが式IVの基である場合には、R2は水素またはメチルであり、R4はフ
ェニルまたは置換フェニルであり、基R6、R7およびR8のいずれもCO2R5;
またはOR5であり得ず、そして基R6、R7およびR8の少なくとも1つは水素で
あり得ず;そして
b) Aが式IVの基である場合には、R6、R7またはR8のうちの一つはハロ
であり、R4はフェニルであり、フェニル置換基はOR5、OH、または水素であ
り、残りの2つのR6、R7またはR8はそれぞれ水素であり得ない。]
の化合物、薬学的に許容し得る塩またはそれらの溶媒和物に関する。
本発明はまた式(V):
[式中、R1は水素またはC1〜C3アルキルであり;
R2は水素またはC1〜C6アルキルであり;
R3は水素またはC1〜C3アルキルであり;
R4はC5〜C8シクロアルキル、置換C5〜C8シクロアルキル、C5〜C8シク
ロアルケニル、置換C5〜C8シクロアルケニルであり;
Aは、
(式中、R6およびR7は独立に水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、
ハロ、ハロ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C2〜C6)アルケニル、COR5、C1
〜C10アルカノイル、CO2R5'、(C1〜C6アルキル)mアミノ、NO2、−S
R5またはOR5であり;
mは1または2であり;
R5は独立に水素またはC1〜C4アルキルであり;
R5'はC1〜C4アルキルであり;
R8はR6基、置換C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜
C8シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、C5〜C8シクロアルケニル、置換
C5〜C8シクロアルケニル、C5〜C8シクロアルケニル−(C1〜C3)アルキル
、C7〜C16アリールアルキルよりなる群から独立に選択され;または
R6およびR7は基Aの炭素原子と共に5〜8員炭素環を形成する。)
よりなる群から選択される。]
の化合物、薬学的に許容し得る塩またはそれらの溶媒和物を用いる方法、および
それらを含む薬学的製剤をも提供する。
本発明は式(VI):
[式中、R3は水素またはC1〜C3アルキルであり;
Aは、
よりなる群から選択され;
R6およびR7は独立に水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、ハロ、
ハロ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C2〜C6)アルケニル、COR5、C1〜C10
アルカノイル、CO2R5'、(C1〜C6アルキル)mアミノ、NO2、−SR5また
はOR5であり;
R5は独立に水素またはC1〜C4アルキルであり;
R5'はC1〜C4アルキルであり;
R8はR6基、置換C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜
C8シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、C5〜C8シクロアルケニル、置換
C5〜C8シクロアルケニル、C5〜C8シクロアルケニル−(C1〜C3)アルキル
、C7〜C16アルールアルキルよりなる群から独立に選択され;
R9およびR10は、水素、C1〜C6アルキル、置換C3〜C8シクロアルキル、
C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、C5
〜C8シクロアルケニル−(C1〜C3)アルキル、C7〜C16アルールアルキル
よりなる群から独立に選択され;
R6およびR7は基Aの炭素原子と共に5〜8員炭素環を形成し;
R12は水素およびC1〜C3アルキルよりなる群から選択され;
mは1または2である。但し、Aが
(式中、R6およびR7は水素、ハロおよびOR5よりなる群から選択される。)
である場合は、R8は水素であり得ない。]
の有用な化合物、若しくは薬学的に許容し得る塩またはそれらの溶媒和物を提供
する。
発明の詳細な記述
本明細書で用いる「治療」の語は、上にあげた物理的およびまたは心的状態の
予防、または一旦発生した場合には発生した物理的および/または心的状態の改
善または除去を含む。
「中枢神経系への障害」という句は、脊髄、神経管、脳の硬膜への障害を含む
が、これに限定されない。中枢神経系への障害は陰茎強直、髄液不均衡および他
の5−HT1C不均衡、および中枢神経系障害から生じる関連する状態を含む。
本明細書で用いる「C1〜Cnアルキル」(n=2〜10)の語は、1〜特定し
た数の炭素原子を有する分枝または直鎖のアルキルを表わす。典型的なC1〜C6
アル
キル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル
、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等を含む。
本明細書で用いる「C2〜Cnアルケニル」(n=3〜10)の語は、2〜10
個の炭素原子および少なくとも一個の2重結合を有するオレフィン性不飽和の分
枝または直鎖の基を表す。該基は分枝または直鎖であり得る。そのような基の例
は、1−プロペニル、2−プロペニル(−CH2−CH=CH2)、1,3−ブタ
ンジエニル(−CH=CHCH=CH2)、1−ブテニル(−CH=CHCH2C
H3)、ヘキセニル、ペンテニル等を含む。
「ハライド」、「ハロゲン」および「ハロ」の語は、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素を含む。好ましいハロゲンは塩素である。
「ハロ(C1〜C6)アルキル」および「ハロ(C2〜C6)アルケニル」の語は
、1以上の利用し得る炭素原子に付いた1以上の独立に選択されたハロ原子を有
するアルキルまたはアルケニル置換基を言う。これらの語には、クロロメチル、
ブロモエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチレ
ニル、3−ブロモプロピル、3−ブロモ−1−プロペニル、2−ブロモプロピル
、2−ブロモ−1−プロペニル、3−クロロブチル、3−クロロ−2−ブテニル
、2,3−ジクロロブチル、クロロエチレニル、5−フルオロ−3−ペンテニル
、3−クロロ−2−ブロモ−5−ヘキセニル、3−クロロ−2−ブロモブチル、
トリクロロメチル、ジクロロエチル、1,4−ジクロロブチル、3−ブロモペン
チル、1,3−ジクロロブチル、1,1−ジクロロプロピル等が含まれる。より好
ましいハロー(C1〜C6)アルキル基は、トリクロロメチル、トリクロロエチル
、およびトリフルオロメチルである。最も好ましいハロー(C1〜C6)アルキル
はトリフルオロメチルである。
「C1〜C10アルカノイル」の語は式C(O)(C1〜C9)アルキル基を表す
。典型的なC1〜C10アルカノル基は、アセチル、プロパノイル、ブタノイル等
を含む。
「C1〜C6アルキル)mアミノ」(m=1〜2)の語は、基のアルキル部分が直
鎖また分枝であるモノ−またはジアルキルアミノ基を言う。そのような基の例は
メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、2−プロピル
アミ
ノ、1−プロピルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミ
ノ、メチル−n−プロピルアミノ、t−ブチルアミノ等である。
「C3〜Cnシクロアルキル」(n=4〜8)の語は、シクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチ
ルを表す。
「置換(C5〜Cn)シクロアルキル」の語は、シクロアルキル基が、水素、C1
〜C6アルキル、NO2、ハロ、ハロ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C2〜C6)
アルケニル、C2〜C6アルケニル、CO2R5、(C1〜C6アルキル)mアミノ、
−SR5およびOR5よりなる群から独立に選択される1〜4個の置換基で置換さ
れている、上に記載したシクロアルキル華を言う。
「C3〜C8シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル」の語は、C3〜C8シクロ
アルキル基により末端炭素で置換された直鎖のアルキル基を言う。典型的なシク
ロアルキルアルキル基には、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、3
−シクロペンチルプロピル等が含まれる。
「C5〜C8シクロアルケニル」の語は、5〜8個の炭素原子を有するオレフィ
ン性不飽和の環、例えばフェニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘキセニル、
シクロペンテニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロヘキサジエニ
ル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタトリエニル等を表す。
「置換(C5〜C8)シクロアルケニル」の語は、シクロアルケニル基が、水素
、C1〜C6アルキル、NO2、ハロ、ハロ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C2〜C6
)アルケニル、C2〜C6アルケニル、COR5、C1〜C10アルカノイル、C7〜
C16アルールアルキル、CO2R5、(C1〜C6アルキル)mアミノ、−SR5およ
びOR5よりなる群から独立に選択された1〜4の置換基で置換された、上に記
載したシクロアルケニル基を言う。
「C5〜C8シクロアルケニル−(C1〜C3)アルキル」の語は、C5〜C8シク
ロアルケニル基により末端炭素で置換された直鎖のC1〜C3アルキル基を表す。
「アリール」の語は、フェニルまたはナフチルを表す。アリール基は未置換で
もよく、またはC1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、置換C3〜C8シク
ロ
アルキル、C2〜C6アルケニル、C3〜C8シクロアルキル−(C1〜C3)アルキ
ル、フェニル、C5〜C8シクロアルケニル、置換C5〜C8シクロアルケニル、C5
〜C8シクロアルケニル−(C1〜C3)アルキル、COR5、C1〜C10アルカノ
イル、OR5およびC7〜C16アリールアルキルよりなる群から独立に選択された
1または2の置換基を有してもよい。置換基はアリール環の任意の利用可能な位
置にあってよい。
「C7〜C16アリールアルキル」の語は、アルキル基が直鎖(例えばベンジル
、フェネチル、3−フェニルプロピルまたはフェニル−t−ブチル)また分枝で
あるアリール−(C1〜C10)アルキル置換基を言う。アルキル部分は付着点で
親分子に結合する。
「5−HT1C受容体の選択的結合」の語は、5−HT2受容体を結合するより
も、5−HT1C受容体を大きい程度に結合する方法を言う。
「プロトン酸」とは酸性の水素を有する酸を言う。好ましいプロトン酸は水性
媒体中の塩酸、ギ酸、過塩素酸、硫酸、およびリン酸を含む。最も好ましいプロ
トン酸は塩酸、硫酸、およびギ酸である。
「有機溶媒」の語は、ハロゲン化炭化水素、エーテル、トルエン、キシレン、
ベンゼンおよびテトラヒドロフラン等の炭素を含む溶媒を含む。
「アジテート(agitate)」の語は、攪拌、遠心、混合および他の類似の方法
等の技術を含む。
「非プロトン溶媒」の語は、酸性の水素を含まない中程度に大きい誘電率を有
する極性溶媒を言う。一般的なプロトン溶媒の例はジメチルスルホオキシド(D
MSO)、ジメチルホルムアミド、スルホラン、テトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル、メチル−t−ブチルエーテル、または1,2−ジメトキシエタンであ
る。
「プロトン溶媒」の語は、酸素に結合し、それ故かなり酸性である水素を含有
する溶媒を言う。一般的なプロトン溶媒には、水、メタノール、エタノール、2
−プロパノールおよび1−ブタノールを含む。
「不活性雰囲気」の語は、混合物が窒素またはアルゴンのような不活性ガスの
層が覆われている反応条件を言う。
本明細書で用いる略号は特に述べない限りその受容された意味を有する。例え
ば「Me」および「Et」は、それぞれメチル、エチルを表し、「t−Bu」はter
tiary−ブチルを表す。「RT」なる略号は特記しない限り室温または周囲温度
を表す。
「リガンド」の語は、5−HT1Cおよび/または5−HT2受容体により結合
されている化合物を言う。5−HT1C選択的リガンドとして有用な化合物は、5
−HT1C受容体部位を選択的に占めるのに用い得、または5−HT1C受容体部位
の選択的アゴニストとして作用し得る。同様に5−HT2Bまたは5−HT2A選択
的リガンドである化合物は、それぞれ5−HT2Aまたは5−HT2B受容体部位を
選択的に占めるのに用い得る。
「実質的に純粋」の語は、少なくとも約90モル%、より好ましくは少なくと
も約95モル%、最も好ましくは少なくとも98モル%の所望のエナンチオマー
または立体異性体が、他の可能な立体配置に比べて存在することを意図する。
本明細書において用いる「機能性腸障害」の語は、(1)腹病および/または
(2)乱れた排便の症状(急迫、張り、不完全な排便感、変化した糞便の形(コ
ンシステンシー)および変化した腸フリクエンシー/タイミング)および/また
は(3)鼓張(拡延)により表される機能性胃腸傷害を言う。「機能性腸障害」
の語は、過敏性腸症候群、過運動、イチラシア、高張性の下部食道括約筋、タッ
チィガストリア、便秘、過敏性腸症候群に関連する過運動を含むが、これらに限
定されない。
クレームした式(I)およびすべての化合物は様々な無機または有機酸と酸付
加塩を形成し得る。用いることができる典型的な酸は硫酸、塩酸、臭化水素酸、
リン酸、次リン酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、クエン酸、酢酸、マレイン
酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、ケイ皮酸、安息香酸、アスコルビン酸、マン
デル酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ト
リフルオロ酢酸、馬尿酸を含む。式(I)の化合物の薬学的に許容し得る酸付加
塩が特に好ましい。
本発明の化合物は5−HT1C受容体をモジュレートし、またはブロックするの
に有用である。本発明の化合物のあるものはその用途に好ましい。好ましい式(
I)の化合物は次の特徴を有する化合物である:
A) R1が水素である;
B) R2が水素またはメチルである;
C) R3が水素またはメチルである;
D) R4がC5〜C8シクロアルケニルまたは置換C5〜C8シクロアルケニルで
あり、置換基は水素、C1〜C6アルキル、NO2、ハロ、ハロ(C1〜C6)アル
キル、C2〜C6アルケニル、COR5、(C1〜C6アルキル)mアミノ、−SR5
およびOR5よりなる群から選択される;
E) Aが式IIIの基である;
F) Aが式IVの基であり、R6およびR7はC1〜C6アルキルまたはハロであ
り、R8は水素、C1〜C5アルキル、ハロ、C5〜C8シクロアルキル、フェニル
または置換フェニルである;
G) R2が水素である;
H) R3が水素である;
I) R4が置換C5〜C8シクロアルケニルであり、置換基は水素、NO2、ハロ
、(C1〜C6アルキル)mアミノおよびOR5よりなる群から選択される;
J) Aが式IVの基であり、R6は水素であり、R7およびR8はハロまたはC1
〜C4アルキルよりなる群から独立に選択される。
より好ましい種類は次の特徴を有する:A〜C、EまたはFおよびI。
最も好ましい種類の化合物は次の特徴を有する:AおよびG〜J。
選択的な5−HT1Cリガンドとしての使用に最も好ましい種類の化合物は次の
特徴を有する:A〜DおよびEまたはJ。
選択的な5−HT1Cリガンドとしての使用に最も好ましい種類の化合物は次の
特徴を有する:AおよびG−J。
式(I)の化合物は有用な中枢神経系活性を有する。表1はいくつかの式(I
)の化合物を説明する。表1の欄の項目中の用語は式(I)を参照する。表に用
いた「S1」、「S2」および「S3」なる項目はR4基の置換基を意味する。
R4欄中の式は単にR4の構造の核を意味する。R4S1、R4S2およびR4S3欄に
掲げた3つの置換基は、R4式中の水素原子のいずれかを置換して、所望の化合
物を与え得る。
R4についての略号は次のことを意味する。
下の式(VII)の構造を有する式(VI)の化合物若しくは薬学的に許容し
得る塩またはそれらの溶媒和物が、5−HT2A、5−HT2Bおよび/または5−
HT2C受容体をモジュレートするのに特に好ましい。
(式中、R8は水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、ハロ、ハロ(C1
〜C6)アルキル、ハロ(C2〜C6)アルケニル、COR5、C1〜C10アルカノ
イル、CO2R5'、(C1〜C6アルキル)mアミノ、NO2、−SR5、OR5、置
換C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル
−(C1〜C3)アルキル、C5〜C8シクロアルケニル、置換C5〜C8シクロアル
ケニル、C5〜C8シクロアルケニル−(C1〜C3)アルキル、およびC7〜C16
アリールアルキルよりなる群から選択され;
R5は独立に水素またはC1〜C4アルキルであり;
R5'はC1〜C4アルキルであり;
R9およびR10は、水素、C1〜C6アルキル、置換C3〜C8シクロアルキル、
C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル−(C1〜C3)アルキル、C5
〜C8シクロアルケニル−(C1〜C3)アルキル、C7〜C16アリールアルキル
よりなる群から独立に選択され;
R11はC1〜C4アルキル、OR5'、フルオロ、ブロモ、ヨードおよびクロロよ
りなる群から選択され;
R12は水素およびC1〜C3アルキルよりなる群から選択される。)
式VIIの化合物は5HT2A、5HT2Bおよび/または5HT2C受容体をモジ
ュレートするのに特に有用である。本発明の範囲にあるいくつかの化合物はその
用途に好ましい。表の形で掲げた次の本発明の態様および化合物の特徴を独立に
組合せて、本発明の様々な好ましい化合物および態様を得る。本発明の態様の好
ま
しい次のリストは本発明の範囲をいかなる方法においても限定することを意図す
るものではない。
A) R9およびR10がそれぞれ水素である。
B) R11がC1〜C3アルキルである。
C) R11がクロロ、フルオロまたはブロモである。
D) R11が−OCH3である。
E) R6がC1〜C4アルキルである。
F) R6がメチルである。
G) 1以上の式VIIの化合物を用いて5HT2A受容体を結合する方法。
H) 1以上の式VIIの化合物を用いて5HT2B受容体を結合する方法。
I) 1以上の式VIIの化合物を用いて5HT2C受容体を結合する方法。
J) 機能性の腸障害を治療するための1以上の式VIIの化合物の使用方法。
K) 機能性の腸障害を治療するための5HT2B受容体のモジュレーションに有
用な1以上の式VIIの化合物の使用方法。
L) 過敏性腸症候群を治療するための1以上の式VIIの化合物の使用方法。
M) 式VIIの化合物および1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含んでなる
薬学的製剤。
式VIの化合物の例には、6,7−ジメチル−1H−インドール−3−エタン
アミン、5−メチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミン、6−
メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−エタンアミン、6−ブロモ−7−
メチル−1H−インドール−3−エタンアミン、1−H−ベンズ(G)インドール
−3−エタンアミン、5−メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−エタン
アミン、7−クロロ−1H−インドール−3−エタンアミン、7−メトキシ−1
H−インドール−3−エタンアミン、7−フルオロ−1H−インドール−3−エ
タンアミン、7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミン、6−メチル−
7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミン、5−フルオロ−7−メトキ
シ−1H−インドール−3−エタンアミン、2−メチル−5−ニトロ−7−クロ
ロ−1H−インドール−3−エタンアミン、2−エチル−7−フルオロ−1H−
インドール−3−エタンアミン、2−メチル−7−フルオロ−N−ジメチルトリ
プタミン、7−クロロ−N−メチルトルプタミン、5−クロロ−7−メチル−N
−エチルトリプタミン、6−(1−プロペニル)−7−メトキシ−N−メチルトリ
プタミン、6−ジメチルアミノ−7−エトキシ−N−メチルトリプタミン、6−
(2−ブテニル)−7−エトキシ−1H−インドール−3−エタンアミン、4,7
−ジクロロ−1H−インドール−3−エタンアミン、5−メチルアミノ−7−プ
ロピル−1H−インドール−3−エタンアミン、5−メトキシ−7−エトキシ−
1H−インドール−3−エタンアミン、6−チオメチル−7−フルオロ−1H−
インドール−3−エタンアミン、5−クロロメチル−7−クロロ−1H−インド
ール−3−エタンアミン、5−シクロヘキシル−7−メチル−1H−インドール
−3−エタンアミン、5−ベンジル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタ
ンアミン、5−シクロプロピルメチル−7−フルオロ−1H−インドール−3−
エタンアミン、6−ブロモエチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタン
アミン、6−(クロロ−1−プロペニル)−7−エチル−1H−インドール−3−
エタンアミン、6−(2−シクロヘキセニル)−7−フルオロ−1H−インドール
−3−エタンアミン、2−メチル−5−メチル−7−クロロ−N−メチルトリプ
タミン、および2−メチル−7−クロロ−N−メチルトリプタミンを含むが、こ
れらに限定されない。
本発明は式、I、V、VIおよびVIIの化合物のラセミ混合物および実質的
に純粋な立体異性体を期待する。「エナンチオマー」の語は有機化学で通常用い
られているように用い、偏光面を回転する物質を示す。従って「−エナンチオマ
ー」は偏光面を左に回転させ、式IおよびVの左旋性の化合物を期待する。+お
よび−エナンチオマーはよく知られた古典的分割技術を用いて単離できる。その
ような方法を記述する1つの特に有用な文献はJacques等、Enatiomer,Racemates
,and Resolution(John Wiley and Sons 1981)である。適当な分割法は直
接結晶化、飛沫同伴、および光学活性な溶媒による結晶化を含む。Chrisey,L.A
.,Heterocycles 267巻、30頁(1990)。好ましい分割法は光学
活性な酸を用いた結晶化、またはA.I.Meyers.Loewe,M.F.等、Tetrahedron Letters
、3291巻、26頁(1985)、Meyers,A.I等、J.Am.Chem.Soc .
,4778巻、110頁(1988)の方法を用いる、実施例46に記載のキ
ラル合成による。好ましい光学活性な酸はショウノウスルホン酸および酒石酸の
誘導体である。
本発明はRおよびS立体配置の両方を包含する。「R」および「S」の語は有
機化学で一般に用いられるように本明細書中で用い、キラル中心の特異的な立体
配置を示す。R.T.MorrisonおよびR.N.Boyd、Organic Chemistry 138〜
139ページ(第4版、Allyn & Bacon Inc.、ボストン)およびOrchin等、The Vocabulary of Organic Chemistry
、126ページ(John Wiley and Sons,Inc.
)参照。
例えば本発明は、(−)−(S)−7−メチル−8−ブロモ−1−[(3,4−ジメ
トキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−
b]インドール;(−)−(S)−5,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−9H−ピリド[3,4−b]インドー
ル;(−)−(S)−5−フルオロ−6−メチル−1−[(2−クロロ−3,4−ジメ
トキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−
b]インドール;および(−)−(S)−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
[(3,4−ジメチルフェニル)メチル]−9H−ピリド[3,4−b]インドール等の
化合物を含むが、これらに限定されない。本発明はまた(+)−(S)−7−メチル
−8−ブロモ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール;(+)−(S)−5,7−ジメチル
−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−9
H−ピリド[(3,4−b]インドール;(+)−(S)−5−フルオロ−6−メチル−
1−[(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール;(−)−(R)−7−メチル−8−
ブロモ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール;(−)−(R)−5,7−ジメチル−1,
2,3,
4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−9H−ピリド[
3,4−b]インドール;(−)−(R)−5−フルオロ−6−メチル−1−[(2−ク
ロロ−3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H
−ピリド[3,4−b]インドール;および(−)−(R)−6−メチル−1,2,3,4
−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメチルフェニル)メチル]−9H−ピリド[3,
4−b]インドール;(+)−(R)−7−メチル−8−ブロモ−1−[(3,4−ジメ
トキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−
b]インドール;(+)−(R)−5,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−9H−ピリド[3,4−b]インドー
ル;(+)−(R)−5−フルオロ−6−メチル−1−[(2−クロロ−3,4−ジメ
トキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−
b]インドール;および(+)−(S)−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
1−[(3,4−ジメチルフェニル)メチル]−9H−ピリド[3,4−b]インドール
を含むがこれらに限定されない。
本発明の化合物は適当な溶媒と水和物および溶媒和物を形成することが知られ
ている。溶媒和物製造のための好ましい溶媒は水、アルコール、テトラヒドロフ
ラン、DMFおよびDMSOを含む。好ましいアルコールはメタノールおよびエ
タノールである。他の適当な溶媒は溶媒分子の大きさを基準にして選択し得る。
小さい溶媒分子は対応する溶媒和物形成を容易にするために好ましい。溶媒和物
また水和物は結晶化工程または塩形成工程中に典型的には形成される。溶媒和物
に関する1つの有用な文献はSykes、Peter、A Guidebook to Mechanism in Orga nic Chemistry
、6巻、56頁(1986、John Wiley & Sons、ニューヨーク)
である。本明細書に用いる「溶媒和物」の語は、一水和物および二水和物等の水
和物の形を含む。
本発明の化合物は当業界で理解されている化学的な方法を用いて製造し得る。
しかしながら本発明の式(I)の化合物を製造する最も好ましい方法はスキーム
Vの方法を用いる。式VIまたはVIIの化合物を製造する最も好ましい方法は
後でスキームIIで説明する。R9および/またはR10が水素でない化合物は対
応
するトリプタミンの直接アルキル化または還元的アルキル化を含む当業界で認識
された方法により製造し得る。R12がC1〜C3アルキルである化合物は還元的ア
ルキル化法を用いて製造し得る。
R2が水素である式Iの化合物は、式(i)のラクトン化合物をプロトン酸の存
在下に式(h)のアミンと接触させることにより調製し得る。このPictet−Speng
lerタイプの反応は一般的に適用可能であり、望ましい収量を与え、安定な中間
体を製造する。さらに反応生成物は典型的には所望の塩として直接単離してよい
。
本発明の化合物の出発物質として用い得る式(a)の化合物は当業界で知られ
ている販売者から購入でき、またはよく知られた化学技術を用いて製造してもよ
い。本発明の化合物の有用な出発物質として有用な式(b)の化合物はスキーム
Iにより示されるようにして製造し得る。R4基は上に定義した通りである。
本発明の化合物を製造する方法は次のパラグラフで詳細に議論する。
スキームIにおける化合物(a)は、所望の生成物に応じて、置換されていて
も置換されていなくてもよい。アザラクトン(b)出発物質の製造に必要な大部
分の式(a)の化合物は商業的に入手し得る。更なる置換された式(a)の化合物
は一般的な方法を用いて製造し得る。Furniss,B.S等、Vogel's Textbook of Pr actical Organic Chemistry
(John Wiley、ニューヨーク、1989)の特に9
89〜993ページを参照。
一般にスキームIの反応は無水酢酸中の化合物(a)、アセチルグリシンおよ
び酢酸ナトリウムの溶液を調製することにより開始する。反応は約2〜15時間
、約90〜110℃に一般的加熱する。反応混合物をほぼ周囲温度まで冷却し、
不活性条件下に約0〜10時間攪拌する。反応時間はR4基の置換度および望ま
しい反応の完結に応じて変化するであろう。
反応が終了したら混合物を氷中に攪拌しながら注ぐ。アザラクトン(b)を濾
過等の標準的な単離技術により単離し、減圧下に乾燥してもよい。
スキームII中の化合物(d)を式(I)の化合物の出発物質として用いる。こ
れらの化合物は商業的に入手することができ、またはトリプタミンに適用するよ
く知られたFisherのインドール合成を用いて製造してもよい。Fisher合成をスキ
ームIIにより示す。「A」は上に定義した通りである。
スキームIIに用いるクロロブタナール化合物はクロロブチリルクロライドの
水素化により調製し得る。他のハロブタノール化合物はスキームII水素に適し
ているかもしれない。水素化はPd/C等の触媒の使用により促進され得る。ス
キームIIIにおける出発物質(c)は購入してもよく、公知方法を用いて製造
してもよい。March,J.、Advanced Organic Chemistry Reactions、Mechanisms ,and Structure
、3版(John Wiley & Sons、ニユーヨーク、1985)の特に
1163ページを参照。
Fisher合成は炭酸ナトリウムのような適当な飽和塩基を、クロロホルムのよう
な有機溶媒中のヒドラジン塩の攪拌した懸濁液に加えることにより一般的に開始
する。ヒドラジン塩酸塩は一つの特に好ましいヒドラジン塩である。所望のヒド
ラジン遊離塩基を有機相で抽出する。その油をアルコールと水の溶液中に入れ、
酢酸ナトリウムのような適当な塩基で処理する。ハロブタナールを加え、窒素の
ような不活性ガスで管をパージする。生成した混合物を約90〜110℃に加熱
した油浴に置く。混合物は約17〜19時間加熱すべきである。混合物を周囲温
度まで冷却し、減圧下に濃縮する。残留物をクロロホルム/メタノールおよび炭
酸ナトリウム水溶液等の、適当な有機相および塩基性の水性の相に分配する。有
機相を濃縮し、得られた化合物(d)をフラッシュクロマトグラフのような標準
的方法により精製する。クロマトグラフィを用いるなら、生成物を含む画分を一
緒にし濃縮する。その油は約1%のアルコールを含むジエチルエーテル等の適当
な溶媒に溶解する。好ましいアルコールはメタノールである。混合物を乾燥HC
lガスのような乾燥した酸の気体で処理し、所望の化合物(d)の対応する酸付
加塩を製造する。
化合物(I)の化合物を製造する1つの方法はスキームIIIにより示されるP
ictet−Spengler反応を用いる、置換基は上に定義した通りである。
一般的にスキームIIIの反応は、エタノールまたはメタノール等の適当な溶
媒中で選択したアルデヒドと共に化合物(e)を約35〜50時間還流させるこ
とにより行う。沈澱した反応生成物(f)を濾過等の一般的単離方法により集め
、再結晶により精製してもよい。R1置換基を有する化合物が望ましいならその
反応の次に還元的アルキル化を行う。還元的アルキル化はスキームIVにより表
される。
プロトン酸とアルデヒドの溶液を化合物(f)の水溶液に一般的には加える。
最も好ましいプロトン酸はギ酸である。最も好ましいアルデヒドはホルムアルデ
ヒドである。当業者は他の適当な試薬を容易に選択して、還元的アルキル化を促
進することができる。生じた溶液を約4〜80時間還流する。還流後溶液を炭酸
カリウム等の適当な塩基を用いて塩基性にすべきである。所望の生成物をクロロ
ホルム等の適当な有機溶媒で次に抽出する。生成物を乾燥し、濃縮し、フラッシ
ュクロマトグラフィ等の公知方法により精製する。
R2が水素である式(I)の化合物を製造する好ましい方法はスキームVにより
示される上に記載した改変Pictet−Spengler反応を用いる。置換基は上に定義し
た通りである。
化合物(h)と化合物(i)を適当なプロトン酸水溶液中で接触させる。この工
程は不活性条件下に完了させ得る。化合物(h)および化合物(i)を大気または
不活性条件下に約20〜30時間還流させてもよい。好ましいプロトン酸は硫酸
および塩酸を含む。最も好ましい酸溶液は1N−HClである。直接的な単離が
有効でないなら、反応混合物を炭酸カリウム等の適当な塩基で中和し、その後ク
ロロホルム等の有機相で抽出してもよい。生成物は溶媒除去により、次にシリカ
ゲルクロマトグラフィ等のクロマトグラフ的単離または他の一般的な単離技術に
より単離し得る。典型的には生成物は酸付加塩として単離する。適当な塩の形は
上に議論している。
上に述べたように本発明の化合物は分割されたエナンチオマーとして存在し得
る。単独の(−)エナンチオマーは、下のスキームVIによって表されるA.I.
Meyersの化学分割法によって製造し得る。(+)エナンチオマーは上に議論した
公知の分割技術を用いて製造し得る。すべての置換基は上に定義した通りである
。
スキームVIにおいてCSAはショウノウスルホン酸を示す。ブチルホルマジ
ン(I)は公知の方法を用いてアミノ酸バリンから製造する。他のホルマジン化
合物も作用するであろう。工程1においては化合物(k)およびブチルホルマジ
ン(l)の溶液を約70〜80時間還流する。還流反応の生成物をフラッシュク
ロマトグラフィ等の標準的な単離法により精製できる。単離した油は更に精製す
ることなく使用し得る。
工程1で製造した化合物(m)をテトラヒドロフラン(THF)中のカリウム
ハイドライド(KH)の懸濁液に加える。テトラメチルエチレンジアミン(TM
EDA)および次にクロロメチルメチルエーテル(MOMCl)を工程2に示す
ように溶液に加える。その混合物を約1時間撹拌する。混合物を水で処理し、ジ
エチルエーテル等の適当な有機溶媒と水の間に分配する。生成物は有機相で抽出
し、炭酸カリウムで乾燥し、濃縮すべきである。生成した油は更なる精製なしに
次の工程で用いてもよい。
工程3においては、n−BuLiを乾燥THF中のホルマジンの撹拌した、冷却
した(約−76〜−80℃)溶液にゆっくり滴下する。その溶液を約1時間撹拌
し、次に乾燥THF中の該クロロ化合物を添加する。溶液をさらに約4〜5時間
温度を下げて撹拌する。その混合物を約4〜14時間室温まで冷却する。湿った
THFを加え、溶液を濃縮する。残留物をクロロホルム等の適当な有機溶媒に溶
解し、水で洗浄する。有機層を炭酸ナトリウム等の適当な乾燥剤で乾燥し、濃縮
し所望の生成物の沈澱を促進する。生成物をフラッシュクロマトグラフィにより
単離し、濃縮してもよい。生成した油を更なる精製なしに次の工程で用いてよい
。
工程4により表される脱保護反応は温度を下げて(約0℃)始まる。水、酢酸
、ヒドラジン水和物を化合物(o)に加える。反応温度を約60〜120時間約
−10〜−20℃に下げる。混合物を周囲温度まで温め、濃縮する。生成物をク
ロロホルム等の適当な有機相に溶解し、水で洗浄する。有機相を炭酸ナトリウム
等の適当な乾燥剤で乾燥し、粘稠な油まで濃縮する。その油をジエチルエーテル
等の適当な溶媒に溶解し、適当な有機または無機酸で処理して所望の酸付加塩を
得る。その塩を単離し、一般的な化学的方法により精製する。
所望の生成物がR3位置でアルキル基を有するならスキームVIIにより表さ
れる反応を用い得る。
スキームVIIにおいて炭酸ナトリウム等の適当な塩基の飽和溶液を化合物(
q)に加える。所望の化合物(q)の塩は上のスキームIIの方法により製造し得
る。その混合物を周囲温度で約1時間撹拌する。層分離し、水層をクロロホルム
等の適当な有機溶媒で抽出する。有機層を硫酸ナトリウム等の適当な乾燥剤で乾
燥し、濃縮する。残留物をトルエン等の適当な溶媒中に溶解し、無水フタル酸で
処理する。溶液を約10〜20時間アゼロトロープ乾燥により還流する。溶液を
冷却し、濃縮し、再結晶して、化合物(r)を得る。
次に工程では、化合物(r)をTHF中で混合する。乾燥THF中のポタシウ
ムハイドライド等の適当な塩基の冷却した(約0℃)懸濁液を化合物(r)の溶
液にゆっくり加える。塩基の添加後、混合物を約1時間撹拌する。テトラメチル
エチレンジアミン(TMEDA)、次にヨウ化メチル(MeI)等のハロアルキ
ルを加える。約1時間後、反応を水の添加により停止させ、次にジエチルエーテ
ル等の適当な有機層により抽出する。有機層を硫酸マグネシウム等の適当な乾燥
剤で乾燥させ濃縮する。
濃縮した化合物(s)の溶液は次工程に直接用い得る。それをメタノール等の
適
当な溶媒と接触させ、ヒドラジンで処理する。混合物を約2時間還流させる。混
合物を周囲温度まで冷却し、HCl等の濃い酸で処理する。混合物を次にアルコ
ールで処理し、約10〜20時間還流させる。好ましいアルコールはメタノール
、エタノールおよびブタノールを含む。周囲温度まで冷却後、混合物を適当な有
機および水相間に分配する。1つの適当な組合せはクロロホルムと炭酸ナトリウ
ム濃厚溶液である。水層を更に抽出し、有機層を合せ、乾燥し、濃縮する。生成
物をフラッシュクロマトグラフィにより精製し、濃縮し、所望の塩に変換しても
よい。生成した化合物(t)をスキームIIIまたはスキームVで用いて、所望
の式(I)の化合物を製造してもよい。
次の実施例は式(I)の化合物のあるものの製造を説明する。実施例は説明の
ためだけであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
カラムクロマトグラフィの方法は標準的なフラッシュクロマトグラフィ技術を
用いた。適当なフラッシュクロマトグラフィ技術を記載した1つのよく知られた
文献は、Still,W.C.、KahnおよびMitra、J.Org.Chem.、43巻、2932頁
(1978)である。生成物を含む画分を一般的には減圧下蒸発させて生成物を
得る。
施光度はメタノール、ピリジン、または他の適当な溶媒を用いて得た。
個々の化合物の塩酸塩は、メタノール等のアルコールを含むジエチルエーテル
または他の適当な溶媒混合物中に遊離塩基を置くことにより調製した。このエー
テル溶液を撹拌しながらジエチルエーテル中のHCl溶液を溶液が酸性になる迄
滴下した。或いはエーテル溶液を乾燥HClガスで処理した。
個々の化合物のマレイン酸塩は、酢酸エチルまたは他の適当な溶媒中に遊離塩
基を入れ、マレイン酸で処理することにより調製した。生成した沈澱を濾過し乾
燥して、遊離塩基の対応する塩酸塩またはマレイン酸塩を得た。
製造1 4−クロロブタナールの製造
4−クロロブチリルクロライド(300g、2.13モル)を乾燥THF(3
L)に溶解した。この溶液に2,6−ルチジン(252mL)、次いで5%Pd/
C(30g)を加えた。この混合物をParrハイドロジネーターに入れ、60psi
の水素下に6時間振とうした。その混合物を窒素でパージし、濾過し、触媒をT
HF(500mL)で洗い、室温で減圧下濃縮した。蒸留すると4−クロロブタ
ナール(148.3g)を無色の液体として得た。
実施例1 8−メチル−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−
テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドールの製造
無水酢酸(135mL)中の3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(24.5g
、0.15モル)、N−アセチルグリシン(17.4g、0.15モル)および酢
酸ナトリウム(121.1g、0.15モル)の溶液を100℃に12時間加熱し
た。反応混合物を周囲温度に冷却し、撹拌しながら氷(300mL)に注いだ。
生成物を濾過により単離し、水(3×50mL)およびジエチルエーテル(3×
50mL)で洗浄し、減圧下に乾燥した。
1N HCl(50mL)中の、上に調製したアザラクトン(1.35g、5.4
6ミリモル)および7−メチル−トリプタミン塩酸塩(1.15g、5.46ミリ
モル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間還流するまで加熱した。反応混合物を周
囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した
。合せた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィにか
けた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物を含む画分をプー
ルし、減圧下に濃縮した。残留物を1%のメタノールを含む酢酸エチル中に溶解
した。生成物をマレイン酸塩(730mg)として濾過により単離した。(融点=
168℃、分解)
実施例2 8−ブロモ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラ ヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩
クロロホルム(500mL)中の2−ブロモフェニル−ヒドラジン塩酸塩(2
5.8g、115ミリモル)の撹拌した懸濁液に、炭酸ナトリウム飽和水溶液(
500mL)を加えた。その混合物を30分撹拌し、クロロホルムで抽出した(
2×200mL)。合せた有機層を濃縮してそのヒドラジンの遊離塩基を黄色の
油として得た。この油をメタノール(100mL)中に溶解し、4−クロロブタ
ナール(12.3g、115ミリモル)でゆっくり処理した。混合物を封じるこ
とができる管に入れ、窒素で10分パージした。管を封じ、95℃に予熱した油
浴中に置いた。加熱は18時間続けた。得られた暗色の溶液を周囲温度まで冷却
し、減圧下に濃縮した。残留物をクロロホルム/メタノール(体積で75/25
)と炭酸ナトリウム水溶液間で分配した。有機相を濃縮し、粗インドールエタン
アミンをシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィ(溶出液としてクロロホル
ム中の0〜25%メタノールグラジエント)で精製した。生成物を含む画分を一
緒にし、濃縮した。その油を1%メタノールを含むジエチルエーテル(300m
L)に溶解し、乾燥HClガスで処理した。その塩酸塩を濾過により単離し、2
−プロパノール(50mL)およびジエチルエーテル(100mL)で洗浄し、乾
燥して7−ブロモトリプタミン塩酸塩(3.6g)を淡色固体として得た。その
ものは更なる精製なしに用いた。
1N HCl(100mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したようにして
製造)(1.16g、4.7ミリモル)および7−ブロモトリプタミン塩酸塩(1
.0g、3.6ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間還流まで加熱した。そ
の反応混合物を周囲温度まで冷却し、粗生成物を濾過により単離した。褐色固体
をイソプロピルアルコール中で粉砕し(3×50mL)、ジエチルエーテルで洗
浄した(3×50mL)。エタノールから再結晶して860mgの所望の生成物を塩
酸塩として得た。(融点=279〜281℃、分解)
実施例3 6,8−ジブロモ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3
,4− テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドールの製造
濃塩酸溶液(110mL)中の2,4−ジブロモアニリン(50.0g、0.2モ
ル)の撹拌した、冷却した(−5℃)溶液に、水(110mL)中の亜硝酸ナト
リウム(13.8g、0.2モル)を、温度を5℃以下に保つような速度で滴下し
た。添加完了後、混合物を5℃で30分間更に撹拌した。濃塩酸(全容積170
mL)中の塩化スズ一水和物(135.4g、0.6モル)の溶液を、再び温度を
5℃以下に保ちながら滴下した。添加を完了し、更に30分撹拌後、混合物を一
晩フリーザー中に置いた。沈澱した明るい褐色固体を濾過により単離し、冷ブラ
イン、次いで石油エーテル/ジエチルエーテル(容積で2/1)の溶液で洗浄し
た。この固体を、50%水酸化ナトリウム溶液/酢酸エチルの氷冷した混合物に
ゆっくり加えた。その混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸マグネシウム
で乾燥した。濾過後、溶液を400mLの全容積まで濃縮し、ジエチルエーテル
(1.5L)で希釈し、乾燥HClで処理した。生成物、2,4−ジブロモフェニ
ル−ヒドラジン塩酸塩(45.9g)を白色固体として単離し、更なる精製なし
に用いた。
クロロホルム(500mL)中の2,4−ジブロモフェニル−ヒドラジン塩酸塩
(22.0g、83ミリモル)の撹拌した懸濁液に炭酸カリウム飽和溶液(50
0mL)を加えた。混合物を30分撹拌し、クロロホルムで抽出した(2×20
0mL)。合せた有機層を濃縮し、そのヒドラジンの遊離塩基を黄色の油として
得た。この油をメタノール(163mL)に溶解し、4−クロロブタナール(8.
8g、83ミリモル)でゆっくり処理した。混合物を封じることが可能な管に入
れ、窒素で10分パージした。その管を封じ、95℃に予熱した油浴中に置いた
。加熱を18時間続けた。得られた暗色溶液を周囲温度まで冷却し、減圧下に濃
縮した。残留物をクロロホルム/メタノール(容積で75/25)と炭酸ナトリ
ウム水溶液の間に分
配した。有機層を濃縮し、その粗インドールエタンアミンをシリカゲル上でフラ
ッシュクロマトグラフィにより精製した(溶出液としてクロロホルム中の0〜2
5%メタノールグラジエント)。生成物を含む画分を集め、濃縮した。その油を
1%メタノールを含むジエチルエーテル(300mL)に溶解し、乾燥HClガ
スで処理した。その塩酸塩を濾過により単離し、2−プロパノール(50mL)
およびジエチルエーテル(100mL)で洗浄し、乾燥して7−ブロモトリプタ
ミン塩酸塩(1.5g)を淡色の固体として得た。そのものは更なる精製なしに
用いた。
1N HCl(65mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造)
(0.45g、1.82ミリモル)および5,7−ジブロモトリプタミン塩酸塩(
0.58g、1.64ミリモル)を窒素雰囲気下24時間還流するまで加熱した。
反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホ
ルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲル上でク
ロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物
を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%のメタノールを含む酢
酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。生成物はマレイン酸塩(340mg)
として濾過により単離した。(融点=177〜199℃、分解)
実施例4 6−メチル−8−ブロモ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)−メチル]−1,2 ,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩
濃塩酸溶液(200mL)中の2−ブロモ−4−メチルアニリン(50.54g
、0.272モル)の撹拌した、冷却した(−5℃)溶液に、水(200mL)中
の亜硝酸ナトリウム(18.9g、0.274モル)を、温度を5℃以下に保つよ
うな速度で滴下した。添加終了後、混合物を5℃で30分間更に撹拌した。濃塩
酸(全体積400mL)中の塩化スズ一水和物(185.4g、0.822モル)
の溶液を、再び温度を5℃以下に保って滴下した。滴下終了し更に30分撹拌後
に、混合物を一晩フリーザー中に置いた。沈澱した明るい褐色の固体を濾過によ
り単離し、冷ブライン、次に石油エーテル/ジエチルエーテル(容積で2/1)
の溶液で洗浄した。この固体を50%水酸化ナトリウム溶液/酢酸エチルの氷で
冷やした混合物にゆっくり加えた。その混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を
硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後溶液を400mlの全容積まで濃縮し、ジエ
チルエーテル(1.5L)で希釈し、乾燥HClで処理した。生成物、2−ブロ
モ−4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩(52.4g)を明るい褐色固体とし
て単離し、更に精製することなく使用した。
5−メチル−7−ブロモトリプタミン塩酸塩を、出発物質として2−ブロモ−
4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩(21g)を用いたことを除いて、実施例
3において記載したのと同様にして製造した(4.95g)。
1N HCl(80mL)中のアザラクトン(実施例5に記載のように製造)(
1.44g、6.07ミリモル)および5−メチル−7−ブロモトリプタミン塩酸
塩(1.12g、3.87ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間還流するま
で加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、粗生成物を濾過により単離した
。その褐色の固体をイソプロピルアルコール中で粉砕し(3×50mL)、ジエ
チルエーテルで洗浄した(3×50mL)。エタノールから再結晶して1.06g
の所望の生成物を淡色固体として得た。(融点=251〜253℃、分解)
実施例5 8−メトキシ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テト ラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドールの製造
THF(600mL)中の2−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(14.44
g、83ミリモル)の撹拌した、冷却した(0℃)懸濁液に、4−クロロブタナ
ール(9.0g、84ミリモル)、次にTHF(20mL)中のトリエチルアミン
(8.6g、85ミリモル)を滴下した。滴下が終了したら冷却用浴を取除き、
溶液を1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フィルターケーキをTHF(10
0mL)で洗浄した。合せた濾液を濃縮してオレンジ色のオイルを得、それをメ
タノール(150mL)および水(5mL)に溶解した。その溶液を封じることの
可能な管に移し、窒素で10分間パージした。その管を封じ、95℃に予熱した
油浴中に置いた。14時間加熱した後、反応混合物を周囲温度まで冷却し、減圧
下に濃縮した。残留物を炭酸カリウム飽和水溶液と、3:1のクロロホルム:2
−プロパノール間に分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。
残留物をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィにより精製した(溶出液と
してクロロホルム中の15%メタノール、0.2%NH4OH)。生成物を含む画
分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物をメタノールに溶解し、乾燥HClで
処理し、濃縮して7−メトキシトリプタミン塩酸塩(4.04g)を安定な発泡
物として得た。それは更に精製することなく用いた。
1N−HCl(120mL)中のアザラクトン(実施例1に記載のように製造
)(1.20g、4.85ミリモル)および7−メトキシプロタミン塩酸塩(1.
0g、4.4ミリモル)を窒素雰囲気下24時間還流するまで加熱した。反応混
合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホルムで
抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲル上でクロマト
グラフィにか
けた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物を含む画分をプー
ルし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタノールを含む酢酸エチルに溶解し、
マレイン酸で処理した。生成物を濾過によりマレイン酸塩(770mg)として単
離した。(融点=219〜220℃、分解)。
実施例6 6,8−ジフルオロ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)−メチル]−1,2,3, 4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドールの製造
クロロホルム(500mL)中の2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩
(18.5g、128ミリモル)の撹拌した懸濁液に、炭酸カリウム飽和溶液(
500mL)を加えた。混合物を30分撹拌し、クロロホルムで抽出した(2×
200mL)。合せた有機層を濃縮し、そのヒドラジンの遊離塩基を黄色の油と
して得た。この油を、メタノール(163mL)、水(36mL)および酢酸ナト
リウムの溶液(10.57g)に溶解し、4−クロロブタナール(13.7g、1
28ミリモル)でゆっくり処理した。混合物を封じることが可能な管に入れ、窒
素で10分パージした。その管を封じ、95℃に予熱した油浴中に置いた。加熱
を15時間継続した。得られた暗色の溶液を周囲温度まで冷却し、減圧下に濃縮
した。残留物を、クロロホルム/メタノール(容積で75/25)および炭酸ナ
トリウム水溶液間に分配した。有機層を濃縮し、粗インドールエタンアミンをシ
リカゲル上でフラッシュクロマトグラフィにより精製した(溶出液としてクロロ
ホルム中の0〜25%メタノー
ルグラジエント)。生成物を含む画分を合わせ、濃縮した。その油を1%のメタ
ノールを含むジエチルエーテル(300mL)に溶解し、乾燥HClガスで処理
した。その塩酸塩を濾過により単離し、2−プロパノール(50mL)およびジ
エチルエーテル(100mL)で洗浄し、乾燥して、7−ブロモトリプタミン塩
酸塩(6.3g)を淡色の固体として得、更に精製することなく使用した。
1N−HCl(70mL)中のアザラクトン(実施例1に記載のように製造)
(1.07g、4.33ミリモル)および5,7−ジフルオロトリプタミン塩酸塩
(1.0g、4.3ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下に65時間還流するまで加
熱した。その反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和
し、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリ
カゲル上でクロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4O
H)。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタノー
ルを含む酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。生成物をマレイン酸塩(
450mg)として濾過により単離した。(融点=164〜166℃、分解)。
実施例7 7−メチル−8−ブロモ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)−メチル]−1,2 ,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドールの製造
2−ブロモ−3−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩(23g)は、出発物質と
して2−ブロモ−3−メチルアニリンを用いたことを除いて、実施例4で2−ブ
ロモ−4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩について記載したように製造した。
6−メチル−7−ブロモトリプタミン塩酸塩は、出発物質として2−ブロモ−
3−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩を用いたことを除いて、実施例4で5−メ
チル−7−ブロモトリプタミン塩酸塩について記載したようにして製造した(2
.42g)。
1N HCl(150mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造
)(3.63g、14.7ミリモル)および6−メチル−7−ブロモ−トリプタミ
ン塩酸塩(4.25g、4.21ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下に18時間還
流するまで加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶
液で中和し、クロロホルムで抽出した。合せた有機層を減圧下に濃縮し、残留物
をシリカゲル上でクロマトグラフした(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4
OH)。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%のメタ
ノールを含む酢酸エチルに溶解し、乾燥HClで処理した。生成物を濾過により
塩酸塩(3.11g)として単離した。m/e=414。
実施例8 6−(1,1−ジメチルエチル)−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1 ,2,3,4−テトラヒドロ−1−9H−ピリド−[3,4−b]インドール塩酸塩
の
製造
5−(1,1−ジメチルエチル)−トリプタミン塩酸塩は、出発物質として、
4−(1,1−ジメチルエチル)−フェニルヒドラジン塩酸塩(6.00g)を用
いたことを除いて、実施例4で5−メチル−7−ブロモトリプタミン塩酸塩につ
いて記載したように製造した(2.95g)。
1N HCl(50mL)中のアザラクトン(実施例1に記載のように製造)(
1.25g、5.26ミリモル)および5−(1,1−ジメチルエチル)−トリプ
タミン塩酸塩(1.33g、5.26ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間
還流するまで加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、粗生成物を濾過によ
り単離した。その褐色の固体をイソプロピルアルコール中で粉砕し(3×50m
L)、ジエチルエーテルで洗浄した(3×50mL)。エタノールが再結晶して
0.74gの所望の生成物を淡色固体を得た。
実施例9 5−フルオロ−6−メチル−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)−メチル]−1, 2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドールの製造
3−フルオロ−4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩(21.4g)を、出発
物質として3−フルオロ−4−メチルアニリンを用いることを除いて、実施例4
で2−ブロモ−4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩について記載したようにし
て製造した。
4−フルオロ−5−メチルトリプタミン塩酸塩を、出発物質として3−フルオ
ロ−4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩を用いたことを除いて、実施例4で5
−メチル−7−ブロモトリプタミン塩酸塩について記載したようにして製造した
(2.20g)。
1N HCl(40ml)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造)
(0.76g、3.06ミリモル)および4−フルオロ−5−メチルトリプタミン
塩酸塩(0.70g、3.06ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下で24時間還流
するまで加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液
で中和し、クロロホルムで抽出した。合せた有機層を減圧下に濃縮し、残留物を
シリカゲル上でクロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%N
H4OH)。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メ
タノールを含む酢
酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。生成物を濾過によりマレイン酸塩(
60mg)として単離した。融点191〜194℃。
実施例10 7,8,9,10−テトラヒドロ−10−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]− 11H−ベンゾ[g]ピリド[3,4−b]インドールの製造
6,7−ベンゾトリプタミン塩酸塩を、出発物質として1−ナフチルヒドラジ
ン塩酸塩(6.00g)を用いたことを除いて、実施例4で5−メチル−7−ブ
ロモトリプタミンについて記載したのと同様に製造した(2.85g)。
1N HCl(40mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したようにして製
造)(1.51g、6.11ミリモル)および6,7−ベンゾトリプタミン塩酸塩
(1.50g、6.11ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間還流するまで
加熱した。
反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホ
ルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲル上でク
ロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物
を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタノールを含む酢酸
エチル中に溶解し、マレイン酸で処理した。生成物を濾過によりマレイン酸塩(
240mg)として単離した。m/e=373、融点187℃(分解)。
実施例11 6−シクロヘキシル−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)−メチル]−1,2,3, 4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の製造
4−シクロヘキシルフェニルヒドラジン塩酸塩(35.6g)を、出発物質と
して4−シクロヘキシルアニリンを用いたことを除いて、実施例4において2−
ブロモ−4−メチル−フェニルヒドラジン塩酸塩について記載したように製造し
た。
5−シクロヘキシルトリプタミン塩酸塩を、出発物質として4−シクロヘキシ
ルフェニルヒドラジン塩酸塩を用いたことを除いて、実施例4において5−メチ
ル−7−ブロモプロタミン塩酸塩について記載したようにして製造した。
1N HCl(30mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造)
(0.54g、2.18ミリモル)および5−シクロヘキシルトリプタミン塩酸塩
(0.6g、2.18ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下14時間還流するまで加
熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、
クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲ
ル上でクロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)
。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタノールを
含む酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。生成物をマレイン酸塩(14
0mg)として濾過により単離した。m/e=104
実施例12 5,8−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェ ニル)メチル]−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の製造
4,7−ジメチルトリプタミン塩酸塩を、出発物質として2,5−ジメチル−フ
ェニルヒドラジン塩酸塩(16.8g)を用いたことを除いて、実施例4におい
て5−メチル−7−ブロモトリプタミン塩酸塩について記載したのと同様に製造
した(0.94g)。
1N HCl(40mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したようにして製
造)(1.04g、4.21ミリモル)および4.7−ジメチルトリプタミン塩酸
塩(0.94g、4.21ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間還流するま
で加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和
し、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリ
カゲル上でクロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4O
H)。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタノー
ルを含む酢酸エチル中に溶解し、無水HClで処理した。生成物を濾過により塩
酸塩(370mg)
として単離した。m/e=349
実施例13 6−(1−メチルエチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキ シフェニル)メチル]−9H−ピリド[3,4b]インドールの製造
クロロホルム(250mL)中の4−イソプロピルフェニルヒドラジン塩酸塩
一水和物(15.3g、91.95ミリモル)の攪拌した懸濁液に炭酸ナトリウ
ム飽和溶液(250mL)を加えた。その混合物を30分攪拌し、クロロホルム
で抽出した(2×200mL)。合わせた有機層を濃縮してそのヒドラジンの遊
離塩基を黄色の油として得た。この油をメタノール(200mL)および水(5m
L)に溶解し、酢酸ナトリウム(6.72g、82ミリモル)および4−クロロ
ブタナール(8.7g、82ミリモル)で処理した。混合物を封じることが可能
な管に入れ、窒素で10分間パージした。その管を封じ、100℃に予熱した油
浴中に置いた。加熱は18時間続けた。生じた暗色の溶液を周囲温度まで冷却し
、減圧下に濃縮した。残留物をクロロホルム/メタノール(容積で75/25)
および炭酸ナトリウム水溶液間に分配した。有機層を濃縮し、粗インドールエタ
ンアミンをシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(溶出
液としてクロロホルム中の0〜25%メタノールグラジエント)。生成物を含む
画分を合わせ、濃縮した。その油を1%メタノールを含むジエチルエーテル(3
00mL)に溶解し、乾燥H
Clガスで処理した。塩酸塩を濾過により単離し、2−プロパノール(50mL
)およびジエチルエーテル(100mL)で洗浄し、乾燥して5−イソプロピル
トリプタミン塩酸塩(9.8g)を淡色の固体として得て、更に精製することな
く用いた。
1N HCl(40mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したようにして製
造)(1.55g、6.31ミリモル)および5−イソプロピルトリプタミン塩
酸塩(1.76g、7.37ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間還流ま
で加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和
し、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリ
カゲル上でクロマトグラフした(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4OH
)。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタノール
を含む酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。生成物は濾過によりマレイ
ン酸塩(310mg)として単離した。m/e=365、融点196〜200℃。
実施例14 6,8−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェ ニル)メチル]−9H−ピリド[3,4b]インドール塩酸塩の製造
5,7−ジメチルトリプタミン塩酸塩を、出発物質とし2,4−ジメチルフェニ
ルヒドラジン塩酸塩(15.0g)を用いたことを除いて、実施例4に5−メチ
ル−7−ブロモトリプタミン塩酸塩について記載したのと同様に製造した(2.
86g)。
1N HCl(70mL)中のアザラクトン(実施例1に記載のように製造)(
1.65g、6.67ミリモル)および5,7−ジメチルトリプタミン塩酸塩(
1.50g、6.67ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間還流するまで
加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、粗生成物を濾過により単離した。
その固体をエタノール/ヘキサン中で粉砕し(3×50mL)、ヘキサンで洗浄
した(3×50mL)。生成物を濾過により単離した(820mg)・m/e=35
0。
実施例15 5,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェ ニル)メチル]−9H−ピリド[3,4b]インドール塩酸塩の製造
4,6−ジメチルトリプタミン塩酸塩を、出発物質として3,5−ジメチルフェ
ニルヒドラジン塩酸塩(7.65g)を用いたことを除いて、実施例4において
5−メチル−7−ブロモプロタミン塩酸塩について記載したのと同様にして製造
した(1.06g)。
1N HCl(60mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造)
(1.16g、4.69ミリモル)および4,6−ジメチルトリプタミン塩酸塩
(1.05g、4.67ミリモル)を窒素雰囲気下24時間還流するまで加熱し
た。反応混合物を周囲温度まで冷却し、粗生成物を濾過により単離した。その固
体をエタノー
ル/ヘキサン中で粉砕し(3×50mL)、ヘキサンで洗浄した(3×50mL)
。生成物を濾過により単離した(770mg)。m/e=350。
実施例16 6,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェ ニル)メチル]−9H−ピリド[3,4b]インドールの製造
乾燥したジエチルエーテル(75mL)中の5,6−ジメチル−インドール(3
.69g、24.5ミリモル)の攪拌した。冷却した(0℃)溶液に、オキザリ
ルクロライド(3.8mL、43.0ミリモル)を2分かけて滴下した。さらに
30分攪拌後、明るい黄色の酸塩化物(5.99g)を濾過により単離し、乾燥
したジエチルエーテルで洗浄した。この酸塩化物を30%水酸化アンモニウムの
早く攪拌した水溶液(100mL)に少しづつ加えた。添加完了後、混合物を周
囲温度で30分更に攪拌し、粗生成物を濾過により単離した。THF/ジエチル
エーテルから再結晶して生成物(3.05g)を黄褐色固体として得た。
THF中のアミド(上で製造した)(3.05g、14.1ミリモル)の攪拌
し、還流した溶液にTHF中のリチウムアルミニウムハイドライド(3.07g
、81.3ミリモル)の懸濁液を1時間かけて滴下した。添加完了後、混合物を
14時間還流するまで更に加熱した。反応混合物を0℃まで冷却し、水(3.1
mL)、15%水酸化ナトリウム溶液(3.1mL)、水(9.3mL)の順で注
意深く処理した。その塩を濾過により除き、濾液を減圧下に濃縮した。残留物を
5%酢酸エチルを有するジエチルエーテル(80mL)中に溶解し、無水HCl
で処理した。その塩酸塩(2.65g)を濾過により単離し、乾燥したエーテル
で洗浄した。
1N HCl(60mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造)
(1.10g、4.45ミリモル)および5,6−ジメチルトリプタミン塩酸塩
(1.00g、4.45ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下に24時間還流する
まで加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中
和し、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシ
リカゲル上でクロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4
OH)。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタ
ノールを含む酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。その生成物を濾過に
よりマレイン酸塩(450mg)として単離した。
実施例17 6−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル) メチル]−9H−ピリド[3,4b]インドールの製造
乾燥ジエチルエーテル(250mL)中の5−エチルインドール(4.0g、
27.5ミリモル)の攪拌した、冷却した(0℃)溶液に、オキザリルクロライ
ド(4.8mL、55.1ミリモル)を2分かけて滴下した。さらに30分攪拌
後、明るい黄色の酸塩化物を濾過により単離し、乾燥ジエチルエーテルで洗浄し
た。この酸塩化物を30%水酸化アンモニウムの早く攪拌した溶液(200mL
)に少しづつ加えた。添加完了後、混合物を周囲温度で30分更に攪拌し、粗生
成物を濾過により黄褐色の固体(4.7g)として単離した。
THF中のアミド(上で合成した)(4.7g、21.8ミリモル)の攪拌し
た。
還流している溶液に、THF中のリチウムアルミニウムハイドライド(4.7g
、121ミリモル)の懸濁液を1時間かけて滴下した。添加が完了したら、混合
物をさらに14時間還流するまで加熱した。反応混合物を0℃まで冷却し、水(
4.7mL)、15%水酸化ナトリウム溶液(4.7mL)、水(14.1mL)
の順で注意深く処理した。その塩を濾過により除去し、濾液を減圧下に濃縮した
。残留物を5%の酢酸エチルを有するジエチルエーテル(80mL)に溶解し、
無水HClで処理した。その塩酸塩(4.02g)を濾過により単離し、乾燥エ
ーテルで洗浄した。
1N HCl(60mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造)
(1.10g、4.45ミリモル)および5,6−ジメチルトリプタミン塩酸塩
(1.00g、4.45ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下に24時間還流する
まで加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中
和し、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシ
リカゲル上でクロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4
OH)。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタ
ノールを含む酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。その生成物を濾過に
よりマレイン酸塩(520mg)として単離した。融点185℃(分解)。
実施例18 6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル) メチル]−9H−ピリド[3,4b]インドールの製造
1N HCl(60mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したようにして製
造)(0.91g、3.71ミリモル)および5−ブロモトリプタミン塩酸塩(
1.01g、3.7ミリモル)を窒素雰囲気下18時間還流まで加熱した。反応
混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホルム
で抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲル上でクロマ
トグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物を
含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタノールを含む酢酸エ
チルに溶解し、マレイン酸で処理した。生成物は濾過によりマレイン酸塩(80
0mg)として単離した。融点184〜188℃(分解)、m/e=403。
実施例19 7,8−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェ ニル)メチル]−9H−ピリド[3,4b]インドール塩酸塩の製造
6,7−ジメチルトリプタミン塩酸塩を、出発物質として2,2−ジメチルフェ
ニルヒドラジン塩酸塩(15.0g)を用いたことを除いて、実施例4に5−メ
チル−7−ブロモトリプタミン塩酸塩について記載したのと同様に製造した(2
.26g)。
1N HCl(70mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造)
(1.39g、5.62ミリモル)および6,7−ジメチルトリプタミン塩酸塩
(1.26g、5.61ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下に24時間還流する
まで加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中
和し、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を減圧下に濃縮し、残留物をシ
リカゲル上でクロマトグラフにかけた(溶出液として酢酸エチル/0.2%NH4
OH)。生成物を含む画分をプールし、減圧下に濃縮した。残留物を1%メタ
ノールを含む酢酸エチルに溶解し、無水HClで処理した。その生成物を濾過に
より塩酸塩(290mg)として単離した。m/e=350。
実施例20 6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメトキシフェニル) メチル]−9H−ピリド[3,4b]インドール塩酸塩の製造
1N HCl(100mL)中のアザラクトン(実施例1に記載したように製造
)(3.4g、12.4ミリモル)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(2.
0g、9.9ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下24時間還流するまで加熱した
。反応混合物を周囲温度まで冷却し、粗生成物を濾過により単離した。その固体
をエタノール中で粉砕し、ジエチルエーテルで洗浄した。生成物を濾過により塩
酸塩として単離した(3.2g)。融点245〜246℃(分解)。
実施例21 6−メチル−1−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メチル]−1,2,3,4 −テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の製造
無水酢酸(100mL)中の3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(20
.0g、0.10モル)、N−アセチルグリシン(11.9g、0.10モル)
および酢酸ナトリウム(8.4g、0.1モル)の溶液を100℃で2時間加熱
した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、攪拌しながら氷(300mL)に注い
だ。生成物を濾過により単離し、水(3×50mL)およびジエチルエーテル(
3×50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥した。
1N HCl(20mL)中のアザラクトン(上で製造した)(2.0g、7.
2ミリモル)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.1g、5.4ミリモル
)の懸濁液を窒素雰囲気下48時間還流するまで加熱した。反応混合物を周囲温
度まで冷却し、粗生成物を濾過により単離した。その固体をイソプロパノール中
で粉砕し、ジエチルエーテルで洗浄した。生成物を濾過により単離した(650
mg)。融点228〜229℃。
実施例22 6−メチル−1−[(2,3,4−トリメトキシフェニル)−メチル]−1,2,3,4 −テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の製造
アザラクトン(12.28g)は、2,3,4−トリメトキシベンズアルデヒド
(20.0g)を用いたことを除いて実施例21と同様に製造した。
1N HCl(20mL)中のアザラクトン(上に記載のように製造)(2.0
g、7.2ミリモル)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.1g、5.4
ミリモル)の懸濁液を窒素雰囲気下48時間還流するまで加熱した。反応混合物
を周囲温度まで冷却し、粗生成物を濾過により単離した。その固体をイソプロパ
ノールで粉砕し、ジエチルエーテル洗浄した。生成物を濾過により単離した(1
.36g)。融点214.5℃。
実施例23 6−メチル−1−[(2−メトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒド ロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
アザラクトン(16.42g)を、2−メトキシベンズアルデヒド(20.0
g)の使用を除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(20ml)中のアザラクトン(上記で調製した)(2.0g、9.
2mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.5g、6.9mmol)の懸濁液
を窒素雰囲気下で48時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度ま
で冷却し、粗生成物を濾過によって単離した。この固体をイソプロパノールでト
リチュレートし、ジエチルエーテルで洗浄した。この生成物を濾過によって単離
した(880mg、融点252.8℃)。
実施例24 6−メチル−1−[(2,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラ ヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
アザラクトン(7.55g)を、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(20.
0g)の使用を除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(20ml)中のアザラクトン(上記で調製した)(2.0g、8.
1mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.3g、6.1mmol)の懸濁液
を窒素雰囲気下で48時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度ま
で冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒に
した有機層を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた
(溶離液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物を含有する分画をプー
ルし、減圧下で濃縮した。この残留物を1%メタノールを含有する酢酸エチルに
溶解し、無水HClで処理した。この生成物を濾過によって塩酸塩として単離し
た(361mg、融点262.6℃)。
実施例25 6−メチル−1−[(2,5−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラ ヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
アザラクトン(13.21g)を、2,5−ジメトキシベンズアルデヒド(20
.0g)の使用を除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(20ml)中のアザラクトン(上記で調製した)(2.0g、8.
1mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.3g、6.1mmol)の懸濁液
を窒素雰囲気下で48時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度ま
で冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒に
した有機層を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた
(溶離液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物を含有する分画をプー
ルし、減圧下で濃縮した。この残留物を1%メタノールを含有する酢酸エチルに
溶解し、無水HClで処理した。この生成物を濾過によって塩酸塩として単離し
た(1.14g、融点262℃)。
実施例26 6−メチル−1−[(2,4,5−トリメトキシフェニル)メチル]−1,2,3
,4− テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
アザラクトン(8.36g)を、2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(
20.0g)の使用を除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(20ml)中のアザラクトン(上記で調製した)(2.0g、7.
2mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.1g、5.4mmol)の懸濁液
を窒素雰囲気下で48時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度ま
で冷却し、粗生成物を濾過によって単離した。この固体をイソプロパノールでト
リチュレートし、ジエチルエーテルで洗浄した。この生成物を濾過によって単離
した。エタノール/シクロヘキサンからの再結晶によって、生成物を得た(29
9mg、融点176.3℃)。
実施例27 6−(1−メチルエチル)−1−[(2,3,4−トリメトキシフェニル)メチル]−1
,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
1N HCl(20ml)中のアザラクトン(実施例22のように調製した)(
1.0g、3.61mmol)および5−イソプロピルトリプタミン塩酸塩(実施例
13のように調製した)(646mg、2.7mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で4
8時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリ
ウム飽和水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒にした有機層を減圧下
で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた(溶離液として酢酸
エチル/0.2%NH4OH)。生成物を含有する分画をプールし、減圧下で濃縮
した。この残留物を1%メタノールを含有する酢酸エチルに溶解し、無水HCl
で処理した。この生成物を濾過によって塩酸塩として単離した(315mg、融点
47.3℃)。
実施例28 6−メチル−1−[(3,4−ジメトキシ−5−ニトロフェニル)メチル]−1,2, 3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
アザラクトン(16.9g)を、3,4−ジメトキシ−5−ニトロベンズアルデ
ヒド(23.5g)の使用を除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(50ml)中のアザラクトン(上記で調製した)(2.8g、9.
6mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(2.0g、9.5mmol)の懸濁液
を窒素雰囲気下で72時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度ま
で冷却し、粗生成物を濾過によって単離した。この固体をイソプロパノール中で
粉砕し、ジエチルエーテルで洗浄した。この生成物を濾過によって塩酸塩として
単離した(3.44、融点239〜243℃、m/e=381)。
実施例29 6−メチル−1−[(3−ヨード−4,5−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2
,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドールの調製
攪拌し、冷却した(0℃)、ジメチルホルムアミド(50ml)中のヨードバニ
リン(10.0g、35.96mmol)溶液に、無水炭酸カリウム(20.0g、1
43.86mmol)を加え、次いでヨードメタン(3.11ml、50.0mmol)を加
えた。この混合物を周囲温度まで温め、14時間攪拌した。この混合物をジエチ
ルエーテル(500ml)中に注ぎ入れ、水(3×150ml)で洗浄した。この有
機相をMgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、3−ヨード−4,5−ジメト
キシベンズアルデヒド(9.5g)を黄色の油として得た。該生成物は放置する
と固化し、これをさらに精製せずに用いた。
アザラクトン(11.1g)を、3−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアルデ
ヒド(9.5g)の使用、およびN−アセチルグリシンの代わりに馬尿酸(6.4
1g)を用いることを除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(100ml)中のアザラクトン(上記で調製した)(2.2g、5
.0mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.0g、4.3mmol)の懸濁
液を窒素雰囲気下で48時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度
まで冷却し、水酸化ナトリウム飽和水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。
一緒にした有機層を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに
かけた(溶離液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物を含有する分画
をプールし、減圧下で濃縮した。この残留物を1%メタノールを含有する酢酸エ
チルに溶解し、マレイン酸で処理した。この生成物を濾過によってマレイン酸塩
として単離した(134mg、m/e=463)。
実施例30 6−メチル−1−[(3,4,−ジメトキシ−5−アミノーフェニル)メチル]−1, 2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール二塩酸塩の調
製
攪拌した、酢酸(40ml)中のニトロ化合物(実施例28で調製した)(3.
0g、7.2mmol)溶液に、活性亜鉛屑(4.64g)を加えた。この混合物を周
囲温度で2時間攪拌し、水(200ml)で希釈し。セライトに通して濾過した。
この濾液を水酸化アンモニウム水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。有機
相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。一緒にした有機相を
減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、無水HClで処理した。この生
成物を濾過によって単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、酢酸エチル中で粉砕し
て、生成物を二塩酸塩として得た(2.41g、融点230〜234℃、m/e
=351)。
実施例31 6−メチル−1−[(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)メチル]−1,2,3 ,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドールの調製
攪拌した、メタノール(100ml)中のバニリン(30.0g、197mmol)
溶液に、無水炭酸カリウム(13.7g、99mmol)を加え、次いで臭化アリル
(17.0ml、197mmol)を加えた。この混合物を還流温度に5時間加熱した
。この反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、中間体生成物(30.4g)を
油状固体として得、これをさらに精製せずに用いた。
アザラクトン(32.2g)を、3−メトキシ−4−アリルオキシベンズアル
デヒド(30.4g)の使用、およびN−アセチルグリシンの代わりに馬尿酸(
28.3g)を用いることを除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(40ml)およびエタノール(30ml)中のアザラクトン(上記
で調製した)(1.74g、5.2mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(
1.1g、5.2mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で18時間、還流温度に加熱した
。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、ク
ロロホルムで抽出した。一緒にした有機相を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲ
ルクロマトグラフィーにかけた(溶離液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)
。生成物を含有する分画をプールし、減圧下で濃縮した。この残留物を1%メタ
ノールを含有する酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。この生成物を濾
過によってマレイン酸塩として単離した(560mg、m/e=362)。この生
成物をさらに精製せずに使用した。
クロロホルム(100ml)中のマレイン酸塩(560mg、1.7mmol)懸濁液
に、炭酸カリウム飽和水溶液(100ml)を強く攪拌しながら加えた。層を分離
し、さらに水相をクロロホルム(2×100ml)で抽出した。一緒にした有機相
を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この遊離塩基をエタノ
ール中に溶解させ、ラネーニッケル触媒の存在下で水素化させた(25℃、60
PSI)。この触媒を濾過によって除去し、溶液を減圧下で濃縮して粘性の油を
得、これを酢酸エチルに溶解し、マレイン酸(140mg)で処理した。この粗生
成物を濾過によって単離した。温酢酸エチル中で粉砕し、ジエチルエーテルで洗
浄することによって、生成物をマレイン酸塩として得た(170mg、融点188
℃、m/e=365)。
実施例32 6−メチル−1−[(4−ジメチルアミノフェニル)メチル]−1,2,3,4−テト ラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール二塩酸塩の調製
攪拌し、冷却した(−78℃)、乾燥THF(150ml)中のメトキシメチル
トリフェニルホスホニウムクロライド(13.79g、40.02mmol)懸濁液に
、n−BuLi溶液(25.2g、1.6M、40.02mmol)をシリンジによって
滴下した。橙色の懸濁液を−78℃て15分間攪拌した。THF(75ml)中の
4−ジメチルアミノベンズアルデヒド(5.00g、3.35mmol)溶液をこのイ
リドに10分かけて滴下した。この反応混合物を周囲温度まで徐々に温め、14
時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和溶液(100ml)を加え、この混合物をジ
エチルエーテル(3×50ml)で抽出した。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム
上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(15%酢酸
エチル/ヘキサンで溶離する)によって、生成物をオレフィン異性体の混合物と
して得た(4.70g)。この生成物をさらに精製せずに用いた。
アセトニトリル(20ml)および1N HCl溶液(150ml)中の5−メチ
ルトリプタミン塩酸塩(891mg、4.23mmol)および1−メトキシ−4'−ジ
メチルアミノスチレン(1.00g、5.64mmol)の混合物を、還流温度に96
時間加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液
で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒にした有機相を減圧下で濃縮し、残留
物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた(溶離液として2.5%MeOH/ク
ロロホルム/0.2%NH4OH)。生成物を含有する分画をプールし、減圧下で
濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、無水HClで処理した。この生成
物を二塩酸塩として濾過によって単離した(354mg、275.4℃)。
実施例33 6−メチル−1−[(4−ジブチルアミノフェニル)メチル]−1,2,3,4−テト ラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール二塩酸塩の調製
攪拌し、冷却した(−78℃)、乾燥THF(150ml)中のメトキシメチル
トリフェニルホスホニウムクロライド(8.81g、25.7mmol)懸濁液に、n
−BuLi溶液(16.1ml、1.6M、25.7mmol)をシリンジによって滴下し
た。橙色の懸濁液を−78℃で15分間攪拌した。THF(75ml)中の4−ジ
ブチルアミノベンズアルデヒド(5.00g、2.14mmol)溶液をこのイリドに
10分かけて滴下した。この反応混合物を周囲温度まで徐々に温め、14時間攪
拌し
た。塩化アンモニウム飽和溶液(100ml)を加え、この混合物をジエチルエー
テル(3×50ml)で抽出した。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥さ
せ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘ
キサンで溶離する)によって、生成物をオレフィン異性体の混合物として得た(
3.47g)。この生成物をさらに精製せずに用いた。
アセトニトリル(20ml)および1N HCl溶液(150ml)中の5−メチ
ルトリプタミン塩酸塩(605mg、2.87mmol)および1−メトキシ−4'−ジ
ブチルアミノスチレン(1.00g、3.84mmol)の混合物を、還流温度に96
時間加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液
で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒にした有機相を減圧下で濃縮し、残留
物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた(溶離液として2.5%MeOH/ク
ロロホルム/0.2%NH4OH)。生成物を含有する分画をプールし、減圧下で
濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、無水HClで処理した。この生成
物を二塩酸塩として濾過によって単離した(476mg、融点266.6℃)。
実施例34 6−メチル−1−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1,2,3, 4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール二塩酸塩の調製
アザラクトン(0.330g)を、3−フルオロ−4−メトキシベンズアルデ
ヒド(5.0g)の使用を除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(20ml)中の上記で調製したアザラクトン(0.30g、1.3m
mol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(0.27g、1.3mmol)の懸濁液
を窒素雰囲気下で24時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度ま
で冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒に
した有機相を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた
(溶離液として酢酸エチル/0.2%NH4OH)。生成物を含有する分画をプー
ルし、減圧下で濃縮した。この残留物を1%メタノール含有の酢酸エチルに溶解
し、無水HClで処理した。この生成物を塩酸塩として濾過によって単離した(
170mg、m/e=324)。
実施例35 6−メチル−1−[(3,4−ジメチルフェニル)メチル]−1,2,3,4−テトラヒ ドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
アザラクトン(11.3g)を、3,4−ジメチルベンズアルデヒド(25.0
g)の使用を除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(80ml)中の上記で調製したアザラクトン(2.04g、9.5m
mol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(2.0g、9.5mmol)の懸濁液を
窒素雰囲気下で24時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度まで
冷却し、粗生成物を濾過によって単離した。この固体をエタノール中で粉砕し、
ジエチルエーテルで洗浄した。この生成物を塩酸塩として濾過によって単離した
(1.89g、m/e=304)。
実施例36 6−メチル−1−[(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2, 3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
アザラクトン(5.26g)を、2−クロロ−3,4−ジメトキシベンズアルデ
ヒド(10.45g)の使用を除いて、実施例21のように調製した。
1N HCl(30ml)中の上記で調製したアザラクトン(1.34g、4.7
6mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.0g、4.75mmol)の懸濁
液を窒素雰囲気下で24時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度
まで冷却し、粗生成物を濾過によって単離した。この固体をエタノール中で粉砕
し、ジエチルエーテルで洗浄した。この生成物を濾過によって単離した[1.1
9g、m/e=370、融点244℃(分解)]。
実施例37 6−メチル−1−[(2−クロロ−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)メチ ル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩 の調製
アザラクトン(12.4g)を、2−クロロ−3−メトキシ−4−ヒドロキシ
ベンズアルデヒド(12.0g)の使用を除いて、実施例21のように調製した
。
1N HCl(30ml)中の上記で調製したアザラクトン(1.29g、4.8
2mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.0g、4.75mmol)の懸濁
液を窒素雰囲気下で24時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度
まで冷却し、粗生成物を濾過によって単離した。この固体をエタノール中で粉砕
し、ジエチルエーテルで洗浄した。この生成物を濾過によって単離した[1.0
7g、融点240℃(分解)]。
実施例38 5−フルオロ−6−メチル−1−[(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)メ チル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸 塩の調製
1N HCl(80ml)中のアザラクトン(実施例36で調製した)(2.15
g、7.63mmol)および4−フルオロ−5−メチルトリプタミン塩酸塩(実施
例9で調製した)(1.0g、4.75mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で24時間
、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、粗生成物を濾過
によって単離した。この固体をエタノール中で粉砕し、ジエチルエーテルで洗浄
した。この生成物を塩酸塩として濾過によって単離した(1.39g、m/e=
388)。
実施例39 6−メチル−1−(シクロヘキシルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H −ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
エタノール(20ml)中のシクロヘキシルアセトアルデヒド(631mg、5.
00mmol)および5−メチルトリプタミン塩酸塩(1.0g、4.3mmol)の懸濁
液を窒素雰囲気下で36時間、還流温度に加熱した。この反応混合物を周囲温度
まで冷却し、粗生成物を濾過によって単離した。この固体をエタノール中で粉砕
し、ジエチルエーテルで洗浄した。この生成物を濾過によって単離した(731
mg、m/e=282、融点230℃)。
実施例40 (±)6−メチル−1−[(3,4−メトキシフェニル)−1−エチル]−1,2,3, 4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール(Z)−2−ブテンジオ エートの調製
攪拌し、冷却した(−20℃)、乾燥THF(2000ml)中のメトキシメチ
ルトリフェニルホスホニウムクロライド(118.9g、347mmol)懸濁液に
、カリウムt−ブトキシド(39.3g、350mmol)を少量ずつ加えた。橙色
の懸濁液を−20℃で30分間攪拌した。THF(500ml)中の3,4−ジメ
トキシアセトフェノン(50.0g、275mmol)溶液をこのイリドに30分か
けて滴下した。この反応混合物を周囲温度まで徐々に温め、2時間攪拌した。塩
化アンモニウム飽和溶液(500ml)を加え、この混合物をジエチルエーテル(
3×500ml)で抽出した。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、
減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサ
ンで溶離する)によって、生成物をオレフィン異性体の混合物として得た(48
.4g)。この生成物をさらに精製せずに用いた。
メタノール(12ml)および1N HCl溶液(108ml)中の5−メチルト
リプタミン塩酸塩(2.16g、10.3mmol)および1−メトキシ−2−メチル
−3',4'−ジメトキシスチレン(上記で調製した)(2.13g、10.3mmol
)の混合物を、還流温度に96時間加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷
却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒にした
有機相を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた(溶
離液として2.5%MeOH/クロロホルム/0.2%NH4OH)。生成物(上部
ジアステレオマー)を含有する分画をプールし、減圧下で濃縮した。この残留物
を酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した。この生成物をマレイン酸塩とし
て濾過によって単離した(260mg、融点187〜190℃)
実施例41 (±)6,7−ジメチル−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)−1−エチル]−1 ,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール(Z)−2−ブテ ンジオエートの調製
5,6−ジメチルトリプタミン塩酸塩(実施例16で調製した)(1.60g、
7.12mmol)を、クロロホルム中で、炭酸カリウム水溶液でもって、その遊離
塩基に変換した。この溶液を乾燥させ、1−メトキシ−2−メチル−3',4'−
ジメトキシスチレン(上記実施例40で調製した)(1.49g、7.14mmol)
およびトリフルオロ酢酸(1.62g、14.2mmol)で処理し、還流温度に96
時間加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液
で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒にした有機相を減圧下で濃縮し、残留
物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた(溶離液として2.5%MeOH/ク
ロロホルム/0.2%NH4OH)。生成物(上部ジアステレオマー)を含有する
分画をプールし、減圧下で濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、マレイ
ン酸で処理した。この生成物をマレイン酸塩として濾過によって単離した[56
0mg、m/e=364、融点177℃(分解)]。
実施例42 (±)6−エチル−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)−1−エチル]−1,2, 3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール(Z)−2−ブテンジ オエートの調製
5−エチルトリプタミン塩酸塩(実施例17で調製した)(2.0g、8.9mm
ol)を、クロロホルム中で、炭酸カリウム水溶液でもって、その遊離塩基に変換
した。この溶液を乾燥させ、1−メトキシ−2−メチル−3',4'−ジメトキシ
スチレン(上記実施例40で調製した)(1.86g、8.9mmol)およびトリフ
ルオロ酢酸(2.03g、17.8mmol)で処理し、還流温度に96時間加熱した
。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和し、ク
ロロホルムで抽出した。一緒にした有機相を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲ
ルクロマトグラフィーにかけた(溶離液として2.5%MeOH/クロロホルム/
0.2%NH4OH)。生成物(上部ジアステレオマー)を含有する分画をプール
し、減圧下で濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理し
た。この生成物をマレイン酸塩として濾過によって単離した(430mg、m/e
=364、融点192〜194℃)。
実施例43 (±)6−メチル−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)−1−プロピル]−1,2 ,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール(Z)−2−ブテン ジオエートの調製
メタンスルホン酸(203ml)に五酸リン(30.0g)を攪拌しながら徐々
に加えた。添加を完了した後、この混合物を、窒素雰囲気下で2時間、均一にな
るまでさらに攪拌した。この溶液に3,4−ジメトキシフェニルアセトニトリル
(50g、0.28mol)を1度に加え、次いで2−メチル−2,4−ペンタンジ
オール(72.1ml、0.56mol)を温度を25〜30℃に維持する速度で滴下
した(1時間)。添加の完了後、反応混合物を周囲温度で10時間攪拌し、氷(
500g)上に注いだ。温度を35℃以下に保つ速度で水酸化ナトリウム溶液(
50%)を加えて、この混合物を塩基性にした。この混合物をジエチルエーテル
(3×250ml)で抽出し、一緒にした有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ
、減圧下で濃縮して緑色の固体を得た。蒸留(Kugelrohr)によって、中間体生
成物(27.7g)を得、これをさらに精製せずに用いた。
攪拌し、冷却した(−78℃)、アルゴン雰囲気下のTHF(400ml)中の
上記調製した中間体生成物(27.2g、0.106mol)溶液に、n−ブチルリ
チウム溶液(68.7ml、ヘキサン中1.6M、0.11mol)をシリンジによって
15分かけて滴下した。添加の完了後、橙色の溶液を−78℃で30分間攪拌し
た。臭化エチル(8.18ml、0.10mol)をシリンジによって滴下し、得られ
た溶液を−78℃で45分間さらに攪拌した。n−ブチルリチウム(68.7ml
、ヘキサン中1.6M、0.11mol)を15分かけて滴下し、この橙色の溶液を
2時間攪拌した。この混合物を氷/水(500ml)中に注ぎ入れ、5N HCl
溶液でもって、pH2〜3に酸性化した。その混合物をジエチルエーテルで抽出
し(2×100ml)、これらの抽出物は捨てた。必要なら氷でこの混合物を冷却
しながら、水酸化ナトリウム(50%)でもってこの水相を塩基性にした。この
塩基性水相をジエチルエーテル(2×200ml)で抽出し、一緒にした有機性抽
出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、油性の固体として生
成物を得た(12.08g)。この生成物をさらに精製せずに用いた。
攪拌し、冷却した(−40℃)、THF(90ml)およびエチルアルコール(
90ml)中の上記生成物(12.0g、39.3mmol)に、5N HCl溶液をpH
7になるまで加えた。分離フラスコ中、ホウ水素化ナトリウム(2.12g、5
5.4mmol)溶液を、50%水酸化ナトリウムを1滴加えた水(20ml)に溶解
した。少量のホウ水素化ナトリウム溶液および5N HCl溶液を、反応混合物
に交互に、pHが6〜8であるように、温度を−35〜−45℃に維持するよう
な速度で加えた。添加の完了後、この反応混合物を周囲温度まで約2時間かけて
温めた。この反応混合物を水酸化ナトリウム溶液で塩基性にし、ジエチルエーテ
ル(3×100)で抽出した。一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグ
ネシウム上
で乾燥させた。濾過および溶媒の除去によって粗生成物(11.3g)を粘性の
油として得、これをさらに精製せずに用いた。
水(300ml)中の上記反応からの粗生成物(11.3g、36.8mmol)およ
びシュウ酸二水和物(15.1g、120mmol)の混合物を還流温度に12時間
加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却し、クロロホルム(2×100ml)で
抽出した。一緒にした有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し
てアルデヒドを橙色の油として得た。減圧下での蒸留(Kugelrohr)によって、
純粋なアルデヒドを淡色の油として得た(4.97g)。
エタノール(30ml)中の5−メチルトリプタミン塩酸塩(2.53g、12.
0mmol)および2−エチル−3',4'−ジメトキシフェニルアセトアルデヒド(
上記で調製した)(2.49g、12.0mmol)の混合物を還流温度に48時間加
熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で中和
し、クロロホルムで抽出した。一緒にした有機相を減圧下で濃縮し、残留物をシ
リカゲルクロマトグラフィーにかけた(溶離液として2.5%MeOH/クロロホ
ルム/0.2%NH4OH)。生成物(上部Rfジアステレオマー)を含有する分
画をプールし、減圧下で濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、マレイン
酸で処理した。この生成物をマレイン酸塩として濾過によって単離した(1.5
1g、
m/e=364)。
実施例44 2,6−ジメチル−1−[(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1 ,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
6−メチル−1−[(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2
,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩(実施例3
6で調製した)(500mg、1.23mmol)を水酸化ナトリウム(49mg、1.2
3mmol)で処理し、次いでギ酸(0.91ml)およびホルムアルデヒド水溶液(
0.18ml)で処理した。この混合物を還流温度に4時間加熱した。この反応混
合物を周囲温度まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物を炭酸カリウム水溶
液およびジエチルエーテルの間で分配した。この有機相を炭酸カリウム上で乾燥
させ、減圧下で濃縮した。この残留物を酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理
した。このマレイン酸塩を濾過によって単離し、酢酸エチル/ヘキサンからの再
結晶によって精製して、生成物を得た(240mg、m/e=385)。
実施例45 2−メチル−6−(1−メチルエチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3, 4−ジメトキシフェニル)メチル]−9H−ピリド[3,4−b]インドールマレー トの調製
6−(1−メチルエチル)−1−[(3,4−ジメトキシフェニル)メチル]−1,2
,3,4−テトラヒドロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール(Z)−2−ブテン
ジオエート(実施例13で調製した)(500mg、1.04mmol)水溶液を水酸
化ナトリウム(83mg、2.08mmol)で処理し、次いでギ酸(0.77ml)およ
びホルムアルデヒド水溶液(0.15ml)で処理した。この混合物を還流温度に
4時間加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、炭酸カリウム飽和水溶
液で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒にした有機層を減圧下で濃縮し、残
留物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた(溶離液として酢酸エチル/0.
2%NH4OH)。生成物を含有する分画をプールし、減圧下で濃縮した。この
残留物を1%メタノールを含有する酢酸エチルに溶解し、マレイン酸で処理した
。この生成物をマレイン酸塩として濾過によって単離した(130mg、m/e=
376)。
実施例46 (−)−(S)−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−[(3,4−ジメチル フェニル)メチル]−9H−ピリド[3,4−b]インドール塩酸塩の調製
攪拌した、乾燥キシレン(65ml)中の6−メチル-1,2,3,4−テトラヒド
ロ−9H−ピリド[3,4−b]インドール(3.14g、16.9mmol)溶液に、(
S)−N,N−ジメチル−N'−(1−tert−ブトキシ−3−メチル)−2−ブチ
ルホルムアミジン(3.79g、17.7mmol)を加え、次いで樟脳スルホン酸(
200mg)を加えた。得られた溶液を還流温度に72時間加熱した。この溶液を
周囲温度まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物をフラッシュシリカゲルク
ロマトグラフィーによって精製した(溶離液として1:3:6トリエチルアミン
:酢酸エチル:ヘキサン)。分画を含有する生成物をプールし、濃縮して生成物
ホルムアミジンを粘性の油として得た(5.99g)。この生成物をさらに精製
せずに用いた。
攪拌し、冷却した(0℃)、THF(10ml)中の水素化カリウム(25%オ
イルディスパージョン、829mg、20.2mmol)懸濁液に、THF(45ml)
中の上記調製したホルムアミジン(5.99g、16.8mmol)を加えた。この混
合物にテトラメチルエチレンジアミン(3.0ml、20.2mmol)を加え、次いで
クロロメチルメチルエーテル(1.9ml、25.2mmol)を加えた。この混合物を
さらに1時間攪拌し、水(50ml)で処理した。この混合物をジエチルエーテル
および水の間で分配し、層を分離した。この水相をジエチルエーテル(2×10
0ml)で抽出し、一緒にした有機相を炭酸カリウム上で乾燥させ、濃縮して生成
物を橙色の油として得た(6.73g)。これをさらに精製せずに用いた。
攪拌し、冷却した(−78℃)、乾燥THF(100ml)中の上記調製したホ
ルムアミジン(6.29g、8.4mmol)溶液に、n−BuLi(ヘキサン中1.7
M溶液、10.1ml、17.1mmol)を5分かけて滴下した。この溶液を−78℃
溶液で1時間さらに攪拌し、乾燥THF(15ml)中の1−クロロメチル−3,
4−ジメトキシベンゼン(3.35g、17.9mmol)で処理した。この溶液を−
78℃で4時間さらに攪拌し、周囲温度に一晩中温めた。湿潤THF(50ml)
を加え、この溶液を減圧下で濃縮した。この残留物をクロロホルムに溶解し、水
で洗浄した。この有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。この粗生成
物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した(溶離液として
1:3:6トリエチルアミン:酢酸エチル:ヘキサン)。分画を含有する生成物
(上部Rf)をプールし、濃縮して生成物を粘性の油として得た(3.92g、m
/e=550)。この生成物をさらに精製せずに用いた。
攪拌した、THF(70ml)中の上記調製したメトキシメチルインドール(3
.92g、7.13mmol)溶液に、2N HCl(20ml)を加えた。この混合物
を周囲温度で24時間攪拌し、ジエチルエーテルおよび水の間で分配した。この
水相をジエチルエーテル(2×50ml)で再度抽出し、一緒にした有機相をブラ
インで洗浄し、炭酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残留物を
THF(20ml)に溶解し、2N水酸化ナトリウム溶液(6ml)で処理した。2
時間後、この反応混合物をクロロホルム(2×100ml)で抽出した。この有機
相を炭酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(
溶離液として1:3:6トリエチルアミン:酢酸エチル:ヘキサン)によって、
生成物を粘性の油として得た(1.85g、m/e=505)。
攪拌し、冷却した(0℃)、エタノール(50ml)中の上記調製したホルムア
ミジン(1.37g、5.41mmol)溶液に、水(6ml)を加え次いで酢酸(6ml
)およびヒドラジン水和物(11ml)を加えた。この反応容器を冷凍庫(−10
0℃)に72時間置いた。この混合物を周囲温度まで温め、減圧下で濃縮した。
この粗生成物をクロロホルム(300ml)に溶解し、水(3×50ml)で洗浄し
た。この有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粘性の油を得た。この
油をジエチルエーテルに溶解し、無水HClで処理した。この塩酸塩(560mg
)を濾過によって単離した。エタノール(2×)からの再結晶により、一定の旋
光度の物質を得た。キラルHPLCからエナンチオマーの純度を>98%ee.
として確認した(m/e=336)。
比旋光度 @ 589nM=−118.0(ピリジン、C=1)
比旋光度 @ 365nM=−401.0(ピリジン、C=1)
実施例47 7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミン
2−ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩の試料(25.8g)を1N NaOHお
よびクロロホルムの間で分配した。この有機層を分離し、水性部分をクロロホル
ムで抽出した。一緒にした有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して遊離
ヒドラジンを油として得た。
この油をメタノール(100ml)中で攪拌し、その間4−クロロブチルアルデ
ヒド(12.3g)を加えた。得られた溶液を封じることが可能な試験管に移し
、窒素パージした。この試験管を封じ、反応混合物を95℃に維持した油浴中で
14時間加熱した。得られた混合物を冷却し、濃縮して残留物を得、これを1N
NaOHおよびクロロホルムの間で分配した。一緒にした有機抽出物を乾燥させ
、濃縮して油を得た。この油を、クロロホルム中0〜10%のメタノールの勾配
を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。生成物を含有する分画を濃縮
して油を得、これを少量のメタノール中に採り、エーテル性HClに加えた。固
体を集め、ジエチルエーテルで洗浄し、50℃で真空乾燥させた。
収量:7.32g
収率%:23%
融点:260〜262℃
元素分析値:C43.55;H4.41;N10.03
実施例48 7−フルオロ−1H−インドール−3−エタンアミン
所望の7−フルオロ−1H−インドール−3−エタンアミンを、2−フルオロ
フェニルヒドラジン塩酸塩(25.5g)を用いたことを除いて、実質的に下記
の実施例49に記載のように調製した。さらに、逆相HPLCにより最終精製し
た。
収量:4g
融点:187〜189℃
元素分析値:C55.12;H5.48;N12.60
実施例49 7−メトキシ−1H−インドール−エタンアミン
2−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩の試料(15.8g)および4−フタ
ルイミドブチルアルデヒドジエチルアセタールの試料(26.3g)をエタノー
ル中で攪拌した。この混合物を還流温度で2時間加熱した。この反応混合物を冷
却し、濃縮して残留物を得た。
得られた残留物をエタノール(750ml)に溶解し、ヒドラジン水和物(15
.5g)を加えた。この混合物を還流温度で14時間加熱した。5N HClの試
料(70ml)を加え、この混合物を冷却した。冷却した混合物を濃縮して残留物
を得た。この残留物を1N NaOHおよびクロロホルムの間で分配した。有機部
分を分離し、水性部分をクロロホルムで抽出した。一緒にした有機抽出物を乾燥
させ(Na2SO4)、濃縮して油を得た。この油を、クロロホルム中0〜10%
のメタノールの勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。生成物を
含有する分画を濃縮して油を得、これを少量のメタノール中に採り、エーテル性
HClに加えた。固体を集め、ジエチルエーテルで洗浄し、50℃で真空乾燥さ
せて、白色の固体を得た。
収量:7.5g(37%)
融点:198〜200℃
元素分析値:C58.46;H6.92;N12.22
実施例50 7−クロロ−1H−インドール−エタンアミン
2−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩の試料(10.0g)および4−フタル
イミドブチルアルデヒドジエチルアセタール(17.9g)を5N HCl(1ml
)をと共にエタノール(200ml)中で攪拌した。この混合物を濃縮して残留物
を得、これを少量の塩化メチレン中でスラリー化した。黄色の固体を集め、40
℃で真空乾燥させた。この固体をエタノール(500ml)中で攪拌した。ヒドラ
ジン水
和物(14g)を加え、この混合物を還流温度で14時間加熱した。5N HC
lの試料(60ml)を加え、この混合物を還流温度で1時間加熱した。この混合
物を冷却し、濃縮して残留物を得た。この残留物を1N NaOHおよびクロロホ
ルムの間で分配した。有機層を分離し、水層をクロロホルムで抽出した。一緒に
した抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して油を得た。この油を、0.2%水
酸化アンモニウムを含有するクロロホルム中0〜10%のメタノールの勾配を用
いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。生成物を含有する分画を濃縮して
油を得、これを少量のメタノールに採り、エーテル性HClに加えた。固体を集
め、ジエチルエーテルで洗浄し、50℃で真空乾燥させた。
収量:3.2g(25%)
融点:227〜229℃
元素分析値:C51.76;H5.29;N11.97
実施例51 5−メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−エタンアミン
所望の生成物を実質的に実施例50に記載のように調製した。
収量:4.3g(34%)
融点:279〜281℃
元素分析値:C54.05;H5.85;N11.33
実施例52 1−H−ベンズ(G)インドール−3−エタンアミン
1−H−ベンズ(G)インドール−3−エタンアミンを、実質的に実施例50
に記載の方法を用いて調製した。
収量:3.5g(17%)
融点:305〜307℃
元素分析値:C68.43;H6.30:N11.08
実施例53 6−メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−エタンアミンおよび6−ブロ モ−7−メチル−1H−インドール−3−エタンアミン
6−メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−エタンアミンを、実質的に
実施例50に記載のと同じ方法を用いて調製した。
収量:3.0g(24%)
融点:290℃
元素分析値:C54.10;H5.88;N11.66
6−ブロモ−7−メチル−1H−インドール−3−エタンアミンを、適当な出
発物質を用いて、実質的に実施例50に記載のように調製した。
収量:1.6g(56%)
融点:251℃
元素分析値:C45.85;H4.97;N9.71
実施例54 6−メチル−1H−インドール−3−エタンアミン
6−メチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミンの試料を、エ
タノールおよびトリエチルアミンの存在下、Pd/CH2に接触させた。得られた
物質を蒸発させ、塩基/CHCl3間で分配した。この有機相を乾燥させ、濃縮
し、そして乾燥させた。得られた物質をメタノールに溶解し、エーテル性HCl
に加えた。得られた物質を洗浄し、真空乾燥させた。
融点:232〜236℃
元素分析値:C62.84;H7.24;N13.20
実施例55 5−メチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミン
5−メチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミンの試料を、適
当な出発物質を用い、実質的に実施例47に記載の方法を用いて調製した。
収率:16%
5−メチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミン塩酸塩の試料
(0.6g)を遊離塩基に変換し、シリカゲルクロマトグラフィーにかけた。所
望の分画をプールし、蒸発させた。得られた物質を酢酸エチル中に採り、濾過し
、
エーテルおよびメタノール中のマレイン酸で希釈した。この生成物をエーテルを
用いて結晶化させ、濾過し、乾燥させた。
収率:67%
融点:185〜187℃
元素分析値:C49.09;H4.85;N7.71
実施例56 6,7−ジメチル−1H−インドール−3−エタンアミン
6,7−ジメチル−1H−インドール−3−エタンアミンの試料を、適当な出
発物質を用い、実質的に実施例47に記載の方法を用いて調製した。この6,7
−ジメチル−1H−インドール−3−エタンアミンを、K2CO3で処理し、3:
1 CHCl3/イソプロパノールで抽出することによって精製した。この有機相
を乾燥させ、蒸発させ、クロマトグラフィーにかけた。所望の分画をプールし、
蒸発させ、酢酸エチルと混合した。得られた物質をエーテルおよびメタノール中
のマレイン酸で希釈した。この固体をエーテル中で粉砕し、乾燥させた。
融点:171〜173℃
元素分析値:C63.20;H6.75;N8.98
実施例57 6−メチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミン
6−メチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミンの試料を、適
当な出発物質を用い、実質的に実施例47に記載の方法を用いて調製した。
収率:8.6%
6−メチル−7−ブロモ−1H−インドール−3−エタンアミンを沸騰エタノ
ールに溶解し、室温まで徐々に冷却した。この溶媒を減少させ、得られた物質を
濾過し、エーテルで洗浄した。得られた物質を再び濾過し、エーテルで洗浄して
所望の化合物を得た。
融点:288〜290℃
元素分析値:C45.54;H4.80;N9.47
上記のように、本発明の化合物はセロトニンまたは5−HT2A、5−HT2B、
および/または5−HT1C受容体での他のアゴニストの作用を遮断するのに有用
である。従って、本発明はまた、哺乳動物における5−HT2A、5−HT2Bまた
は5−HT1C受容体をブロックするための方法であり、各々5−HT2A、5−H
T2Bまたは5−HT1C受容体をブロックすることを必要とする哺乳動物に、受容
体をブロックする用量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法を提供
する。
用語「受容体をブロックする用量」は、哺乳動物の5−HT2A、5−HT2Bま
たは5−HT1C受容体をブロックするのに必要な化合物の量を意味する。活性化
合物は広範囲の用量にわたって有効である。例えば、1日用量は通常、約0.0
5〜250mg/kg(体重)の範囲内におさまる。成人の治療において、1回また
は分配用量において約0.5〜100mg/kgの範囲が好ましい。約5〜60mg/kg
および約10〜50mg/kgの範囲が特に好ましい。しかし、実際に投与される化
合物量は、治療すべき症状、投与すべき化合物の選択、年齢、体重、個々の患者
の反応、患者の症状の重度、および投与経路の選択を含む関連した状況を考慮し
て医師によって決定され、故に上記の用量範囲は本発明の範囲のいかなる制限も
意図しないことが理解されるであろう。経口、経皮、皮下、鼻孔内、筋肉内、お
よび静脈内経路のような種々の経路によって、該化合物を投与することができる
。
種々の生理学的機能が、5−HT1C受容体によって影響を及ぼされやすいこと
が示されている。故に、本発明の化合物を、これら受容体に関連する、哺乳動物
における種々の疾患を治療するのに用いることができる。該疾患には、睡眠障害
、病的飢餓および肥満症を含む摂食障害、体温調節、性的障害、機能亢進、過剰
攻撃性、アルコール中毒症、不安症、強迫観念症、鬱病、精神分裂病、精神分裂
病型疾患、恐慌症、ジル・ド・ラ・トゥーレット症候群、偏頭痛、およびアルツ
ハイマー病が含まれる。さらに、5−HT1C受容体の作用によって、本発明の化
合物は痛みの感覚を緩和するために有用であることが示される。従って、本発明
はまた、上記疾患を治療し、痛みの感覚を緩和するための方法も提供する。
本発明の化合物を用いて治療することのできる、さらに具体的な疾患の幾つか
の例には以下のものが含まれるが、それらに制限されない:(括弧内の数字はD
SM−III−R分類コードを指す)注意欠損機能亢進障害(314.01)、行動
障害(312.20、312.00、312.90)、アルツハイマー型一次性変
性痴呆、老年期開始(290.30、290.20、290.21、290.00)
、アルツハイマー型一次性変性痴呆、初老期開始(290.11、290.12、
290.13、290.10)、アルコール禁断症状せん妄症(291.00)、
アルコール幻覚症(291.30)、アルコール、アルコール中毒関連痴呆(2
91.20)、大麻、妄想症(292.11)、コカイン、中毒(305.60)
、幻覚剤、気分障害(292.84)、ニコチン禁断症状(292.00)、フェ
ンシクリジンまたは同様の作用をするアリールシクロヘキシルアミン中毒(30
5.90)、せん妄症(293.00)、痴呆症(294.10)、構造的妄想症
(293.81)、構造的幻覚症(293.82)、構造的気分障害(293.8
3)、構造的不安症(294.80)、構造的人格障害(310.10)、構造的
精神障害(294.80)、精神分裂病、緊張型(295.21、295.22、
295.23、295.24、295.25、295.20)、精神分裂病、混乱型
(295.11、295.12、295.13、295.14、295.15、29
5.00)、精神分裂病、妄想型(295.31、295.32、295.33、2
95.34、295.35、295.00)、精神分裂病、未分化型(295.91
、295.92、295.93、295.94、295.95、295.00)、精
神分裂病、残留型(295.61、295.62、295.63、295.64、2
95.65、295.60)、妄想性パラノイア様障害(297.10)、精神分
裂病型障害(295.40)、分裂感情型精神分裂病(295.70)、誘発精神
病性障害(297.30)、双極障害、混合(296.61、296.62、29
6.63、296.64、296.65、296.66、296.60)、双極障害
、繰型(296.41、296.42、296.43、296.44、296.45
、296.46、296.40)、双極障害、鬱型(296.51、296.52、
296.53、296.54、296.55、296.56、296.50)、成年
者鬱病、単発エピソ
ード(296.21、296.22、296.23、296.24、296.25、
296.26、296.20)、成年者鬱病、回帰型(296.31、296.32
、296.33、296.34、296.35、296.36、296.30)、強
迫観念症(300.30)、外傷後ストレス障害(309.89)、全身性不安症
(300.02)、心気症(300.07)、身体化障害(300.81)、雄性
勃起障害(302.72)、間欠性爆発性障害(312.34)、衝動制御障害(
312.39)、パラノイア(301.00)、分裂病質(301.20)、分裂
病的(301.22)、反社会的(301.70)、および境界線(301.83
)[アメリカ精神医学協会の命名法および統計において、Task Forceによって作
製された、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,3rd Ed .Revised
,(1980)]。
本発明の特に有用な態様の一つは、5−HT1C受容体に対する選択的リガンド
を提供することである。さらに、5−HT1Cに対する高い親和性を有する化合物
は通常、5−HT2受容体と交差反応性である。現在、5−HT1C受容体でアゴ
ニストの作用をブロックするために、上記に挙げた割合で本発明の化合物を用い
て、5−HT1C受容体を選択的にモジュレートすることができる。選択的親和性
によって、副作用をあまり伴わない治療を提供することができ、さらなる治療物
質の開発が促進されるであろう。
本発明の化合物は、該化合物の5−HT1C受容体に結合する親和力を測定する
5−HT1C受容体結合検定において、優れた活性を示すことが発見された。逆に
、選択的な5−HT1C活性を有する化合物は5−HT2受容体に対して低い親和
性を示した。故に、該化合物を5−HT2親和性について試験して、選択的5−
HT1C作用を測定した。該検定を以下の方法によって行なう。
I.5−HT1C親和性についての検定:
5−HT1C選択的化合物を、以下の生物学的検定法を用いて同定できる。5−
HT1C受容体に対して選択的親和性を有する化合物は、5−HT1C受容体検定に
おいて低いIC50、および5−HT2受容体検定においてより高いIC50を有す
る。表IIによって示されるように(下記)、実施例3、4、6、7、10、13
、15、および16において調製した化合物が特に5−HT1C選択性である。
IA.生物学的試薬の調製:
肉牛の脳を屠殺後直ぐに取り出し、脈絡叢を氷上で解剖した。体重125〜1
50gの雄性Sprague−Dawleyラット(Harlan Industries,Cumberland,IN)
を断首によって殺した。各々の脳を直ぐに取り出し、大脳皮質を氷上で解剖した
。組織を9倍の0.32モル/Lショ糖中でホモジナイズし、1,000×gで1
0分間遠心した。この上清を17,000×gで20分間遠心した。ペレットを
100倍容積の50mM Tris−HCl(pH7.4)中に懸濁し、37℃で10分
間インキュベートし、50,000×gで10分間遠心し、この方法を3回繰り
返した。最終ペレットを−70℃で凍結させ、2週間以内に用いた。使用に先立
って、ペレットを生理的緩衝液で再び水和させた。
II.検定法:
5−HT1Cおよび5−HT2受容体に対する放射性リガンド結合検定を記載の
方法に従って行なった。Hoyer D[Functional correlates of serotonin 5−H
T1 recognition sites,J.Receptor Res 8,59−81(1988)]およ
びHoyer D、Engel G、Kalkman HO[Molecular pharmacology of5−HT1 and
5−HT2 recognition site in rat and pig brain membranes:Radioligand
binding studies with[3H]5−HT,[3H]8−オハイオ−DPAT,(−
)[125I]iodocyanopindolol,[3H]mesulergine and[3H]ketanserin,E ur.J.Pharmacol.
118,13−23(1985)]によって記載されたよう
に、検定を行なうことができる。
5−HT1C受容体検定のために、増加する濃度の実験化合物、50mM Tris
HCl緩衝液(pH7.4)、およびトリチュレートしたメスレルギン(2.0nM
)(3Hリガンド)をポリスチレン・チューブ中、室温で混合した。37℃で2
0
分間プレインキュベートした再懸濁脈絡叢組織の添加によって、この反応を開始
させた。この反応混合物を37℃の水浴中15分間インキュベートした。
5−HT2受容体検定のために、増加する濃度の実験化合物、50mM Tris H
Cl緩衝液(pH7.4)、およびトリチュレートしたケタンセリン(1nM)(3
Hリガンド)をポリスチレン・チューブ中、室温で混合した。37℃で20分間
プレインキュベートした再懸濁大脳皮質組織の添加によって、この反応を開始さ
せた。この反応混合物を37℃の水浴中30分間インキュベートした。
5−HT1C検定において意外にも高い能力の本発明の化合物に適合させるため
に、多く化合物を選択した後、上記の検定を改良した。試薬の使用および分析時
間を最適化するため、該検定における実験化合物の濃度範囲を[0.1〜100
0(nM)]から[0.1〜100(nM)]に変化させた。表IIにおける100n
Mを越えるIC50値は、検定における実験化合物の濃度範囲の改変前に蓄積され
た。
Tris緩衝液(pH7.4)に予め浸したWhatman GF/Bガラスフィルターに通
す迅速な濾過(Brandel Cell Harvestor)によって、反応を終了させた。次いで
、このフィルターを氷冷Tris緩衝液(pH7.4)で2回洗浄した。洗浄したフィ
ルターをシンチレーション・バイアル中に置き、RedySolv(Brandel)(10ml
)を加え、試料をSearle D−300betaカウンターで計数した。平均および標
準誤差統計値を、任意のケースにおける3組の実験測定値について計算した。3
またはそれ以上の別個の測定値から平均値を得た。反応混合物についてのインキ
ュベーション時間は37℃で15分であった。
放射性リガンドの結合の50%阻害(IC50)を引き起こす濃度およびHill係
数を、コンピューター補助回帰分析によって得た。
5−HT1Cおよび5−HT2結合検定における本発明の幾つかの化合物の計算
結果を以下の表IIに挙げる。表において、1欄には計算した化合物の実施例番号
を、2および3欄には各々5−HT1Cおよび5−HT2受容体についてのIC50
値(nM)を挙げる。
本発明の幾つかの化合物およびトリプトアミン様中間体は、5−HT2B受容体
をモジュレートするのに有用である。5HT2B受容体に結合するのに最も有用な
化合物を、以下の方法を用いて同定することができる。さらに、5−HT2B活性
を証明するために有用なインビボ・モデルを以下に示す。
II.5−HT2Bについての放射性リガンド結合研究:
形質転換細胞からの膜の調製。クローン化したラットの5−HT2B受容体を発
現する懸濁細胞を、4℃15分間2,200×gでの遠心によって回収する[Kur
sar,J.D.,D.L.Nelsen,D.B.Wainscott,M.L.Cohen,およびM.Baez,M
ol.Pharmacol.,42:549−557(1992)]。結合検定のための膜を
、50mM Tris−HCl(pH7.4)中のペレット(0.5×109細胞/30ml
)をボルテックスにかけることによって調製した。次いで、この組織懸濁液を4
℃10分間39,800×gで遠心した。1回目と2回目の洗浄の間に37℃で
10分間のインキュベートを伴う、全部で3回の洗浄について、この方法を繰り
返した。15秒間65にセットしたTissumizer(Tekmar,Cincinnati,オハイオ
)を用いて、最終ペレットを67mM Tris−HCl(pH7.4)中でホモジナイ
ズした(各々、低レベルおよび比較的高レベルの5−HT2B受容体を発現する細
胞について、起源細胞数が20〜40および12.5百万細胞/mlで)。
[3H]5−HT結合研究。Biomek 1000(Beckman Instruments,Fullert
on,カリフォルニア)を用いて結合検定を自動化し、総量0.8mlで3回行なっ
た。膜懸濁液(200μl、0.04〜0.27mgのタンパク質)および薬物希釈
物(水で希釈、200μl)を、[3H]5−HT、パルガイリン、CaCl2、お
よびL−アスコルビン酸を含有する67mM Tris−HCl(pH7.4)(400
μl)に加えた。パルガイリン、CaCl2およびL−アスコルビン酸の最終濃度
は、各々10μl、3mMおよび0.1%であった。試験管を37℃で15分間、
または0℃で2時間インキュベートし(これら条件の両方について結合平衡を確
認した)、次いで0.5%ポリエチレンイミンに予め浸し、氷冷50mM Tris−
HCl(pH7.4)で予め冷却したWhatman GF/Bフィルターに通すBrandel
cell harvester(Model Mb−48R;Brandel,Gaithersburg,MD)を用い
て迅速に濾過した。次いで、このフィルターを迅速に4回、氷冷50mM Tris−
HCl(pH7.4)(1ml)でもって洗浄した。フィルターに掛かった[3H]
5−HTの量を、液体シンチレーション分光計(Ready Protein and Beckman
LS 6000IC,Beckman Instruments,Fullerton,カリフォルニア)に
よって測定した。飽和実験について、結合放射活性を遠心分離する平行飽和実験
の上清を試料採取することによって、実際の遊離放射性リガンド濃度を測定した
。0℃および37℃でインキュベートした飽和実験について、[3H]5−HT
の濃度範囲は各々0.02〜5nMおよび0.6〜63nMであった。5−HT(1
0μM)または1−ナフチルピペラジン(1−NP)(10μM)は非特異的結
合を定義した。競合実験について、6〜12濃縮の置換薬物を用い(6対数単位
にわたる)、[3H]5−HTの最終濃度は2nMであった。標準としてウシ血清
アルブミンを用いる、Bradfordの方法を用いてタンパク質を測定した[Bradford
,M.M.,Anal.Biochem.72:248−254(1976)]。
統計分析:
部分的F試験を用い、1部位または2部位結合モデルへの最良の適合について
、飽和検定からのKdandBmax値を決定した[De Lean,A.,A.A.Hancock,およ
びR.J.Lefkowitz,Mol.Pharmacol.21:5−16(1981)]。
1部位結合モデルについて以下の式を用いた:
[式中、結合=[3H]5−HT特異的結合の量、
Bmax=結合部位の最大数、
Kd=平衡解離定数、および
[L]=[3H]5−HTの遊離濃度]、
または2部位結合モデルについて以下の式を用いた:
[式中、結合=[3H]5−HT特異的結合の量、
Bmax1=高親和性結合部位の最大数、
Bmax2=低親和性結合部位の最大数、
Kd1=高親和性部位についての平衡解離定数、
Kd2=低親和性部位についての平衡解離定数、および
[L]=[3H]5−HTの遊離濃度]。
競合検定からのIC50値、IP3標準曲線についての結合パラメーター、および
IP3検定からのEC50およびEmax値を、4つのパラメーターの算定式の非直線
回帰分析によって決定した(Systat,Systat Inc,Evanston,イリノイ)[De L
ean,A.,A.A.Hancock,およびR.J.Lefkowitz,Mol.Pharmacol.21:5
−16(1981)]。Cheng-Prusoff式を用いて、IC50値をKi値に変換した
[Cheng,Y.,およびW.H.Prusoff,Biochem.Pharmacol.,22:3099−
3108(1973)]。
表IIIにおいて、放射性リガンド検定を用いて試験した化合物の結合を説明す
る(下記)。
III.インビトロにおける検定方法5−HT2B:
雄性Wistarラット(150〜375g;Laboratory Supply,Indianapolis,イ
ンディアナ)を頚部脱きゅうによって犠牲にし、インビトロ実験のために胃底の
縦の部位を調製した。4つの調製物を1匹のラットの底から得た。抽出した頚静
脈の輪調製物をHooker[Blood Vessels14:1(1977)]およびCohen,M.
L.[J.Pharmacol.Exp.Ther.227:327(1983)]によって記載さ
れたように調製した。以下の組成物の改良クレブス溶液(10ml)を含有する器
官浴中に組織を載せた:(mM)NaCl,118.2;KCl,4.6;CaCl2
・H2O,1.6;KH2PO4,1.2;MgSO4,1.2;デキストロース,10
.0;およびNaHCO3,24.8。組織浴溶液を37℃で維持し、95%O2お
よび5%CO2と平衡化させた。試験化合物にさらす前に、組織を最適静止力(
4g)の下に置き、約1時間平衡化させた。Statham UC−3変換器を有するBe
ckman Dynographで、力のグラムで示したを変化として等尺性収縮を記録した。
見かけのアンタゴニスト解離定数の測定:
底におけるセロトニンについての非累積的収縮濃度−応答曲線および頚静脈に
おける累積的濃度応答曲線を、15〜20分毎に前の濃度物を洗い落とした後に
濃度を段階的に増加させることによって得た。各アゴニスト濃度を組織と約2分
間接触させたままにし、各化合物濃度への最大応答を測定した。ED50値を最大
収縮の半分を生じたアゴニストの濃度として得た。対照の応答を得た後、組織を
適当な濃度の緩衝液またはアンタゴニストと1時間インキュベートした。次いで
、セロトニンへの応答をアンタゴニストの存在下で繰り返した。濃度応答には組
織につき1つだけのアゴニストまたはアンタゴニスト濃度を利用した。一般に、
緩衝液処理の存在下での連続アゴニスト応答は変化しない(標準用量比は1.2
8+/−0.21であった)。
以下の式に従って、見かけのアンタゴニスト解離定数(KB)を各アンタゴニ
スト濃度について決定した:
KB=[B]/(用量比−1)
[式中、[B]はアンタゴニスト濃度であり、
用量比は対照ED50で割ったアンタゴニスト存在下のアゴニストのED50であ
る]。一般に、濃度−応答曲線中の平行シフトはアンタゴニスト存在下で起こっ
た。この結果をKBの負の対数(即ち、−logKB)として表した。既知の方法を
用いて計算を完成した[Zaborowsky,B.R.,J.Pharmacol.Methods 4:41
65(1980)]。
本発明の化合物を試験し、この記載したインビトロの方法を用いて5−HT2B
受容体活性を証明した。
インビボ研究:
Sprague−Dawleyラット(250〜300g)を一晩中絶食させた。このラッ
トを腹腔内に運んだウレタン(250mg)でもって麻酔した。この腹腔を開き、
ストレインゲージ変換器を結腸の対腸間膜の境界上に縫い付けた。この変換器を
循環筋肉収縮を記録するよう配置した。動物の体温を加熱パッドによって維持し
た。静脈内カテーテルを薬物投与のため頚静脈内に挿入した。頚動脈血圧もまた
モニターした。ストレインゲージ変換器の出力をBeckman Dynographでグラフに
した。ベースラインの運動性を30分間モニターした。30分間の終わりで、ビ
ヒクル対照用量を投与し、運動性をさらに15分間記録した。セロトニン用量応
答を展開させた。連続して高くした用量のセロトニンを15分間隔で投与した。
ED50用量を計算した(これは最大収縮の半分を生じる用量である)。アンタゴ
ニスト実験において、歴史的ED50用量を投与して、実験組立ての有効性を確認
した。次に、ある用量のアンタゴニストを与えた。運動性を15分間モニターし
た。15分モニターした後、ED50用量を投与した。運動性を収縮数を測定し、
それに規定期間にわたる収縮の大きさを掛けて運動性指標を得ることにより評価
した。阻害率(%)をビヒクル(非アンタゴニスト)処理群から計算した。最小
の3匹のラットを各濃度について用い、異なる動物からのデータをプールしてE
D50値を決定した。
5HT2B受容体で活性を発現する化合物は5HT2B受容体のモジュレートに関
する疾患を治療するのに有用である。例えば、5HT2Bアンタゴニスト活性を有
する化合物は結腸の痙攣を減少させる。従って、該化合物は過敏腸症候群および
過敏腸症候群関連症状を含む機能的腸疾患の治療に有用である。該化合物の抗痙
攣性作用は機能的腸疾患に伴う腹痛を減少させることができる。さらに、5HT2B
受容体を、脳、膀胱、血管、胃、および子宮のような他の器官に位置し、さら
なる症状が5HT2Bにより媒介されることを示す。
5HT2B受容体で活性を示す化合物を、5HT2A受容体のモジュレートに関す
る症状の治療または予防において利用することができる。該症状の例として、高
血圧、睡眠障害、幻覚誘発活性、精神病、不安、鬱病、体温調節機能、摂食障害
、低血圧症が挙げられる[Leonard,B.E.,International Clinical Psychopha rmacology
,7,13−21(1992)]。
いかなる製剤化もせずに、直接本発明の化合物を投与することは可能であるが
、薬学的に許容し得る賦形剤および少なくとも1つの本発明の化合物を含む製剤
の形態で、該化合物を使用するのか好ましい。該組成物は約0.1〜90.0重量
%の本化合物を含む。従って、本発明はまた、本発明の化合物およびその薬学的
に許容し得る賦形剤を含む製剤を提供する。
本発明の組成物の調製において、活性成分を通常、担体、もしくは希釈剤であ
り得るかまたは担体によって希釈され得る賦形剤と混合するか、またはカプセル
、サシェ、紙もしくは他の容器であり得る担体内に封入される。担体を希釈剤と
して用いる場合、担体は活性成分に対してビヒクル、賦形剤、媒質として作用す
る固体、半固体、または液体物質であり得る。従って、該組成物は、錠剤、丸剤
、粉末、ロゼンジ、サシェ、カセット、エリキシル、エマルジョン、溶液、シロ
ップ、懸濁液、エアロゾル(固体としてまたは液体媒質中で)、軟および硬ゼラ
チンカプセルの形態であり得る。
本発明の化合物を所望なら経皮的に運搬することができる。パッチ等を含む、
経皮透過エンハンサーおよびデリバリー・システムは当業者に周知である。
適当な担体、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、
ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシ
ウム、アルギン酸塩、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリ
ドン、セルロース、トラガカント、ゼラチン、シロップ、メチルセルロース、メ
チルおよびプロピルヒドロキシ安息香酸塩、タルク、ステアリン酸マグネシウム
、水、および鉱油が含まれる。また製剤には、湿潤剤、乳化および懸濁剤、防腐
剤、甘味料または香料が含まれてもよい。本発明の製剤を、当分野で周知の方法
を使用して、患者に投与した後に迅速に、持続して、または遅延して活性成分を
放出するよう製剤化することができる。
本発明の化合物を、既知の経皮的デリバリー・システムおよび賦形剤を用いて
経皮的に運搬することができる。最も好ましくは、本発明の化合物を、プロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、モノラウレート、およびアザシクロア
ルカン−2−オンを含むがそれらに限定されない透過エンハンサーと混合する、
ならびにパッチまたは同様のデリバリー・システムに組み込む。さらに、ゲル化
剤、乳化剤、および緩衝液を含む賦形剤を経皮的製剤に所望なら加えることがで
きる。
経口投与について、理想的には、本発明の化合物を担体および希釈剤と混合し
、錠剤に成形するかまたはゼラチンカプセルに封入することができる。
該組成物を、各用量が約1〜500mg、より普通には約5〜300mgの活性成
分を含有する単位用量形態で製剤化するのが好ましい。用語「単位用量形態」は
単位を構成する用量としてヒト主体および他の哺乳動物に適当な物理的に分離し
た単位を指し、各単位は適当な薬学的担体を伴う、所望の治療効果を得るよう前
以て決定された量の活性物質を含有する。
本発明の実施をさらに十分に説明するために、以下の製剤例を提供する。該製
剤例は例示のためだけのものであり、本発明の範囲を制限することを意図しない
。該製剤は、本発明の任意の化合物を活性成分として使用することができる。
製剤例1
硬ゼラチンカプセルを以下の成分を用いて調製する:
上記成分を混合し、硬ゼラチンカプセルに460mgの量で充填する。
製剤例2
各々20mgの薬物を含有するカプセルを以下のように調製する:
該活性成分、セルロース、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを配合
し、No.45メッシュU.S.ふるいに通し、硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例3
各々100mgの薬物を含有するカプセルを以下のように調製する:
上記成分を完全に混合し、空のゼラチンカプセル中に入れる。
製剤例4
10mgの活性成分を含有する錠剤を以下のように調製する:
該活性成分、デンプン、およびセルロースをNo.45メッシュU.S.ふるいに
通し、完全に混合する。ポリビニルピロリドン溶液を得られた粉末と混合し、次
いでこれをNo.14メッシュU.S.ふるいに通す。このようにして得られた顆粒
を50〜60℃で乾燥させ、No.18メッシュU.S.ふるいに通す。次いで、予
めNo.60メッシュU.S.ふるいに通した、カルボキシメチルデンプンナトリウ
ム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを該顆粒に加え、混合した後、打錠
機で圧縮して重量100mgの錠剤を得る。製剤例5
錠剤を以下の成分を用いて調製する:
該成分を配合し、各重量665mgの錠剤を形成するよう圧縮する。
製剤例6
各々用量5mlにつき5mgの薬物を含有する懸濁液は以下のとおりである:
薬物をNo.45メッシュU.S.ふるいに通し、カルボキシメチルセルロースナ
トリウムおよびシロップと混合して、滑らかなペーストを形成する。安息香酸溶
液、香料および着色料をいくらかの水で希釈し、攪拌しながら該ペーストに加え
る。次いで、十分な水を加えて必要量を得る。
製剤例7
エアロゾル溶液を以下の成分を含有するよう調製する:
該活性成分をエタノールと混合し、この混合物をPropellant22の一部に加え
、−30℃に冷却し、充填装置に移す。次いで、必要量をステンレス鋼容器に送
り、さらに残りの量のプロペラントで希釈する。次いでバルブユニットを容器に
適合させる。
製剤例8
錠剤を以下の成分を用いて調製することができる:
該成分を配合し、各重量665mgの錠剤を形成するよう圧縮する。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/44 AAN 9454−4C A61K 31/44 AAN
ACJ 9454−4C ACJ
ACV 9454−4C ACV
31/475 AAH 9454−4C 31/475 AAH
C07D 471/04 103 7602−4C C07D 471/04 103A
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,K
R,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO
,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ,
TT,UA,UZ,VN
(72)発明者 エブラード、デボラ・アン
アメリカ合衆国46254インディアナ州イン
ディアナポリス市、エアリ・レーン4639番
(72)発明者 フルジンスキ、パウエル
イギリス国エスエル5・0エイチダブリ
ュ・バークシァ州サニングデール市、オン
スロウ・ロード、アイスガース(番地の表
示なし)
(72)発明者 マードック、グウィン・リン
アメリカ合衆国46143インディアナ州グリ
ーンウッド市、ホライズン・ブールバード
2002番
(72)発明者 ネルソン、ディヴィッド・ロイド・ガーバ
ー
アメリカ合衆国46033インディアナ州カー
メル市、ウッドフィールド・サークル
14197番