JPH08508814A - 永久当接部を備えた引張型パッドを用いるディスクブレーキ - Google Patents
永久当接部を備えた引張型パッドを用いるディスクブレーキInfo
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、パッド(3)がキャリヤの一側(B)には当接により且つ他側(A)には引張方向に作用する突起(31,32)を有するようにした摺動キャリパ型ディスクブレーキに関する。パッドの中央摩擦区域(30)でパッドに発揮される制動力は、一側に設置された定着点(A)を中心としてパッドを回転させるとともに、定着点と当接点とを結ぶ直線(D)とで鈍角(G)を形成している接線(T)に沿って他側(B)での当接を生じさせるのに用いられる。
Description
【発明の詳細な説明】
永久当接部を備えた引張型パッドを用いるディスクブレーキ
本発明は、車両に対して固定された第1支持体と、キャリパとして形づくられ
、第1支持体に対して摺動可能に装架された第2支持体と、各々が制動の際に受
ける駆動力に抵抗するように一方の支持体に保持されているパッドと、第2支持
体と組合わされ、ディスクに対して略直角をなす移動に従って前記パッドをディ
スクに当接させるように駆動できるブレーキモータとを包含し、各パッドが、駆
動力の合力が加えられる中央摩擦区域と、第1側方端部が中央摩擦区域に対しデ
ィスクの回転方向にオフセットされ且つ少なくとも第2側方端部が駆動輪郭部を
有している2つの側方端部とを有し、このパッドの支持体が2つのハウジングを
有し、その第2ハウジングが、駆動力によってディスクの回転方向にパッドが押
圧された時にこのパッドを保持するために、定着区域でこの駆動輪郭部と相互作
用する保持輪郭部を有し、各パッドの少なくとも第1側方端部が、このパッドの
ための支持体の第1ハウジングに設けた第1当接面の対応する内方接触面に対し
て当接区域で当接するのに適した外方接触面を有している自動車用ディスクブレ
ーキに関する。
この型式のディスクブレーキは先行技術において長年にわたり知られており、
その一例が米国特許第4,044,864号において与えられている。
理論的観点からは、この従来のディスクブレーキは、制動の際に駆動荷重が加
えられるパッドが、このパッドの各端部を介して、パッドを定位置に保持する支
持体に、すなわち一般に“キャリヤ”と称する第1支持体にこの荷重を伝達する
ことができ、一方の端部が引張方向に作用し、他方の端部が当接するように作用
するという利点を有する。
しかしながら、実際上の観点からは、この状況は非常に異なっていて、さほど
有益ではなく、引張荷重及びスラスト荷重の並存は決して得られない。
事実、前記型式の周知のブレーキでは、引張荷重及びスラスト荷重の分配は、
極めて重大なことには、パッドとこれを受容する支持体との両方の寸法に因り、
これらの寸法自体は製造公差だけでなく、多少厳しい制動荷重及び又は多少重要
な温度上昇の作用のもとでのブレーキの可変変形をも受けている。
これに関連して、本発明の目的は、まさに説明した要因のような望ましくない
要因の影響を妨害として受けることなく、パッド支持体で受ける荷重のこのパッ
ド支持体への伝達がパッドの両端部で行われるようにした摺動キャリパ型ディス
クブレーキを提案することにある。
この目的のため、本発明のディスクブレーキは、本質的に、各パッドが、中央
摩擦区域を通るディスクの半径に沿って指向する少なくとも1つの第1成分を有
する弾性力によって、その支持体に対し当接区域に向けて押圧され、各パッドが
その平面において定着区域を中心とする相対回転自由度を有し、内方及び外方接
触面が当接区域においてパッドを含む平面内に接線を形成し、定着区域と当接区
域とを結ぶ直線が前記接線とで角度を形成し、この角度の中に中央摩擦区域が配
置されており、この角度が鈍角であり且つ平面角よりも小さいことを特徴として
いる。
本発明の簡単な実施例によると、2つの接触面の少なくとも一方は円形の輪郭
を有し、これらの接触面は少なくとも当接区域では異なる曲率半径を有する。
従って、2つの接触面の一方が本質的に凹状で、その他方が凸状であってよく
、各接触面は円形の輪郭を有し、各凹状の接触面は対応する凸状の接触面の曲率
半径よりも大きい曲率半径を有する。
パッドに設けられた駆動輪郭部は、有益的には、ディスクの外方に向かって開
放するスロットの形状をなし、パッド支持体に設けられた保持輪郭部は、ディス
クの内方に向かって指向し且つこのスロットに係合する保持タブから成る。
弾性力の第1成分は例えば遠心性であり、弾性力は、パッドの中央摩擦区域を
通るディスクの半径に対して
直角で且つディスクの回転方向に指向する第2成分を有していてよい。
車両の両進行方向において制動効率を最適化するために、各パッドがその各端
部に外方接触面と駆動輪郭部とを含むようにすることが可能である。
2つの当接区域がこのパッドの両側でパッド支持体に形成されている場合、パ
ッドの各側方端部は、好ましくは、その外方接触面とその駆動輪郭部との間で、
パッド支持体の対応するハウジングが当接区域を越えてディスクの外方に向かっ
て有する最小幅よりも大きい幅を有していて、その結果パッドの2つの側方端部
がそれらの対応する当接区域でパッド支持体に同時に当接する。
最後に、パッドの第1側方端部によって伝達される力の制御は、このパッドの
ための支持体の内方接触面を当接区域では略平らにすることによって改善される
。
本発明の他の特徴及び利点は、非限定的な例として添付図面を参照して行う下
記説明から明らかとなるであろう。
図1は、本発明によるディスクブレーキの正面図である。
図2は、本発明の原理を示す概略図である。
図3は、本発明の特殊の特徴を示す概略図である。
本発明は概して自動車に装備されるようになっている摺動キャリパ型ディスク
ブレーキに関する。
このようなブレーキは、車両に対して固定された“キャリヤ”と称する第1支
持体1と、キャリパとして形づくられ、第1支持体に対して摺動可能に装架され
た第2支持体2と、各々が制動の際に受ける駆動力に抵抗するように支持体の一
方に、一般的にはキャリヤ1に保持されているパッド3,4と、第2支持体2と
組合わされ、ディスクに対して略直角をなす移動に従ってパッド3,4をディス
ク6に当接させるように駆動できるブレーキモータ5とを包含する。
各パッド3,4は慣例的に30(図2)のような中央摩擦区域と2つの側方端
部31,32とを有しており、第1側方端部31は中央摩擦区域30に対してデ
ィスク6の回転方向Sにオフセットされ、少なくとも第2側方端部32は駆動輪
郭部32aを有する。
その側部では、このパッドのための支持体、例えばキャリヤ1は、駆動力によ
ってディスク6の回転方向Sにパッドが押圧された時にこのパッドを保持するた
めに、点Aの近傍の定着区域でパッド3の駆動輪郭部32aと相互作用する保持
輪郭部7aを有する。
さらに、3のような各パッドの少なくとも第1側方端部31は、このパッドの
ための支持体1に設けた第1当接面8の対応する内方接触面8bに対して、点B
の近傍の当接区域で当接するのに適した外方接触面31bを有する。
本発明によると、3のような各パッドは、中央摩擦
区域30を通るディスク6の半径Rに沿って指向する第1成分F1を少なくとも
有する弾性力Fによって、その支持体1に対し当接区域に向けて押圧されており
、この力は、例えばパッドの第2側方端部に設置したスプリング9(図2)によ
って発揮される。
各パッドは、その平面において定着区域を中心とする相対回転自由度を有する
ように、すなわち図2の平面において点Aを中心とした回転をなすように支持体
に対して寸法づけられている。
内方及び外方接触面8b,31bは、当接区域において、パッドを含む平面内
に接線Tを形成し、定着区域Aと当接区域Bとを結ぶ直線Dが、この接線Tとで
角度Gを形成する。
本発明の重要な特徴によると、角度Gは鈍角で、平面角よりも小さく、且つ中
央摩擦区域30を含んでいる。
特に有益的には、2つの接触面の少なくとも一方は円形の輪郭を有し、これら
の接触面は、少なくとも当接区域では、すなわち点Bの近傍では異なる曲率半径
を有している。
最も簡単な実施例では、2つの接触面の一方は凹状で、その他方は凸状であり
、他の変形例として、凸状の面と平らな面とを用いてなることが可能である。
実際には、2つの接触面の一方が凹状である場合でさえも、図2に示されてい
るように、当接区域では接
触面に略平らな輪郭部Pを与えることが有益となっている。
パッドに設けられた駆動輪郭部32aは、例えば、ディスクの外方に向かって
開放するスロットの形状をなし、パッド支持体1に設けられた保持輪郭部7aは
、ディスクの内方に向かって指向し且つスロットに係合する保持タブの形状をな
す。
好ましくは、スプリング9によって発揮される弾性力Fの第1成分F1は遠心
性であり、この弾性力Fは、パッドの中央摩擦区域を通るディスク6の半径Rに
対して直角で且つディスクの回転方向に指向する第2成分F2を有しており、こ
の力の分配は、中央摩擦区域30に発揮される制動力の作用のもとでパッドが自
然に変位される位置にパッドを永久的に置くことを可能にし、この制動力は定着
区域Aを中心としてパッドを回転させようとするものである。
これらの特徴により、パッドの十分な摺動を行わせるために必要としている間
隙は、もはやパッドの端部による荷重の伝達を助けることはなく、従ってこれら
の荷重は、起こり得る振動の他に、これらの間隙の制御不完全による影響からも
解放されるのである。
図に示すように、各パッドはその各端部に外方接触面31b,32bと駆動輪
郭部31a,32aとを含んでいて、制動が車両の後退時にも前進走行時と同様
に有効にできるようにしてよい。
この場合には、図3に示されているように、パッドの各側方端部31,32は
、好ましくは、その外方接触面31b,32bとその駆動輪郭部31a,32a
との間で、パッド支持体の対応するハウジング11,12が当接区域B,B′を
越えてディスク6の外方に向かって有する最小幅l11,l12よりも大きい幅l31
,l32を有していて、その結果パッドの2つの側方端部31,32がそれらの対
応する当接区域B,B′でパッド支持体に同時に当接する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 車両に対して固定された第1支持体(1)と、キャリパとして形づくられ、 第1支持体に対して摺動可能に装架された第2支持体(2)と、各々が制動の際 に受ける駆動力に抵抗するように一方の支持体(1)に保持されているパッド( 3,4)と、第2支持体(2)と組合わされ、ディスクに対して略直角をなす移 動に従って前記パッドをディスク(6)に当接させるように駆動できるブレーキ モータ(5)とを包含し、各パッド(3)が、駆動力の合力が加えられる中央摩 擦区域(30)と、第1側方端部(31)が中央摩擦区域に対しディスク(6) の回転方向(S)にオフセットされ且つ少なくとも第2側方端部(32)が駆動 輪郭部(32a)を有している2つの側方端部(31,32)とを有し、このパ ッドの支持体が2つのハウジング(11,12)を有し、その第2ハウジング( 12)が、駆動力によってディスクの回転方向にパッドが押圧された時にこのパ ッドを保持するために、定着区域(A)でこの駆動輪郭部と相互作用する保持輪 郭部(7a)を有し、各パッドの少なくとも第1側方端部(31)が、このパッ ドのための支持体の第1ハウジング(11)に設けた第1当接面(8)の対応す る内方接触面(8b)に対して当接区域(B)で当接するのに適した外方接触面 (31b)を有している自動車用ディスクブレーキにおいて、各パッドが、中央 摩擦区 域(30)を通るディスク(6)の半径(R)に沿って指向する少なくとも1つ の第1成分(F1)を有する弾性力(F)によって、その支持体に対し当接区域 に向けて押圧され、各パッドがその平面において定着区域(A)を中心とする相 対回転自由度を有し、内方及び外方接触面(8b,31b)が当接区域において パッドを含む平面内に接線(T)を形成し、定着区域(A)と当接区域(B)と を結ぶ直線(D)が前記接線(T)とで角度(G)を形成し、この角度の中に中 央摩擦区域(30)が配置されており、この角度が鈍角であり且つ平面角よりも 小さいことを特徴とするディスクブレーキ。 2 請求項1記載のディスクブレーキにおいて、2つの接触面の少なくとも一方 (31b)が円形の輪郭を有し、これらの接触面が少なくとも当接区域では異な る曲率半径を有することを特徴とするディスクブレーキ。 3 請求項2記載のディスクブレーキにおいて、2つの接触面(8b,31b) の一方が凹状で、その他方が凸状であり、各凹状の接触面が対応する凸状の接触 面の曲率半径よりも大きい曲率半径を有することを特徴とするディスクブレーキ 。 4 請求項3記載のディスクブレーキにおいて、2つの接触面が円形の輪郭を有 し、各凹状の接触面が対応する凸状の接触面の曲率半径よりも大きい曲率半径を 有することを特徴とするディスクブレーキ。 5 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のディスクブレーキにおいて、駆動 輪郭部(32a)が、パッドに設けられ且つディスクの外方に向かって開放する スロットから成り、保持輪郭部(7a)が、パッド支持体に設けられ、ディスク の内方に向かって指向し且つこのスロットに係合する保持タブから成ることを特 徴とするディスクブレーキ。 6 請求項5記載のディスクブレーキにおいて、弾性力の第1成分(F1)が遠 心性であることを特徴とするディスクブレーキ。 7 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のディスクブレーキにおいて、弾性 力が、パッドの中央摩擦区域を通るディスク(6)の半径(R)に対して直角で 且つディスクの回転方向(S)に指向する第2成分(F2)を有することを特徴 とするディスクブレーキ。 8 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のディスクブレーキにおいて、各パ ッドがその各端部に外方接触面と駆動輪郭部とを含んでいることを特徴とするデ ィスクブレーキ。 9 2つの当接区域(B,B′)がパッドの両側でパッド支持体に形成されてい る請求項8記載のディスクブレーキにおいて、パッドの各側方端部(31,32 )がその外方接触面(31b,32b)とその駆動輪郭部(31a,32a)と の間で、パッド支持体の対応 するハウジング(11,12)が当接区域(B,B′)を越えてディスク(6) の外方に向かって有する最小幅(l11,l12)よりも大きい幅(l31,l32)を 有していて、その結果パッドの2つの側方端部(31,32)がそれらの対応す る当接区域(B,B′)でパッド支持体に同時に当接することを特徴とするディ スクブレーキ。 10 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のディスクブレーキにおいて、前記 内方接触面が当接区域では略平ら(P)であることを特徴とするディスクブレー キ。
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