JPH08508511A - 副行循環の改善への血小板由来成長因子の使用 - Google Patents

副行循環の改善への血小板由来成長因子の使用

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JPH08508511A JP6524579A JP52457994A JPH08508511A JP H08508511 A JPH08508511 A JP H08508511A JP 6524579 A JP6524579 A JP 6524579A JP 52457994 A JP52457994 A JP 52457994A JP H08508511 A JPH08508511 A JP H08508511A
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    • C07K14/49Platelet-derived growth factor [PDGF]

Abstract

(57)【要約】 本発明は、虚血症または虚血性壊死の危険の有る組織への副行循環を改善する非侵襲的方法を提供する。患部組織への直接循環の低下を惹起する閉塞血管の区域または該血管を囲繞する区域にPDGF群に属する成長因子を適用することによって副行循環が改善できる。本発明は、PDGF群に属する成長因子を用いて一つ以上の分離血管を吻合させる方法も提供する。好ましくは成長因子は、(一つ以上の)分離血管の、虚血症の危険の有る器官の組織にただ一つの分離血管を付着させる区域にかまたは該区域の周囲に位置する(一つ以上の)端部に局所投与する。

Description

【発明の詳細な説明】 副行循環の改善への血小板由来成長因子の使用 背景 ヒトの血小板由来成長因子(“PDGF”)は血清中に存在する、結合組織細 胞に作用する主要な有糸分裂誘発性成長因子であると考えられる。PDGFの有 糸分裂誘発活性は多くの研究で実証されており、それらの研究はPDGFが、動 脈平滑筋細胞、線維芽細胞系及び神経膠細胞における有糸分裂誘発に肯定的に影 響することを明示した。Deuel等,J.Biol.Chem.256(17 ,pp.8896−8899,1981参照。例えばHeldin等,J.C ell Physiol.105 ,p.235,1980(脳神経膠細胞);R aines及びRoss,J.Biol.Chem.257,p.5154,1 982(サル動脈平滑筋細胞)も参照されたい。PDGFは、線維芽細胞、平滑 筋細胞、単球及び顆粒球に作用する化学誘引物質であるとも考えられる。結合組 織創傷の部位において有糸分裂を誘発する能力と、前記創傷の部位に線維芽細胞 を誘引する能力との両方を明らかに有することから、PDGFは傷害された、も しくは外傷を受けた結合組織を修復する治療 に用いられる特別の潜在能力を有すると考えられる。 PDGF群に属する他の成長因子に、血管内皮細胞成長因子(“VEGF”; 時に“血管透過性因子”もしくは“VPF”とも呼称)及び胎盤成長因子(“ PLGF”)が含まれる。Tischer等,Biochem.Biophys .Res.Comm.165(3) ,pp.1198−1206,1989及び Maglione等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88, pp.9267−9271,1991をそれぞれ参照されたい。VEGF及びP LGFはいずれも、PDGF群の一員であるこれらの成長因子の各モノマー単位 のPDGF相同領域に現われる8個の高度に保たれたシステイン残基からジスル フィド結合ダイマーを形成する。Tischer等及びMaglione等の上 掲文献参照。また、VEGF及びPLGFのレセプターはPDGFレセプターと 同じレセプター亜群に属する。従って、“比較的新しく”PDGF群の一員とな ったこれらの成長因子はPDGFほど広範に研究されてはいないが、創傷の修復 に用いる治療物質として潜在的に有用であると考えられる。 天然のPDGFは、2本のペプチド鎖即ち“A”鎖及び“B”鎖を有するジス ルフィド結合ダイマーであり、その際A鎖はB鎖と約60%相同である。天然P DGFは3種のダイマー形態のうちのいずれか、即ちPDGF−ABヘテロダイ マー、PDGF−BBホモダイマーまたはPDGF−AAホモダイマーの形態で 見出される。Hannink等,Mol.Cell.Biol.6,pp.13 04−1314,1986参照。PDGF−ABが主要な天然形態として同定さ れているが、創傷治癒研究において最も広範に用いられているのはPDGF−B Bホモダイマーである。生物活性ダイマーの各モノマーサブユニットは、A鎖モ ノマーとB鎖モノマーとのいずれであるかに関係なく8個のシステイン残基を有 する。これらのシステイン残基のうちの幾つかが、ダイマーを一体に保持する鎖 間ジスルフィド結合を構成する。 ヒト血小板中に見出されるPDGF−Bは、241アミノ酸前駆ポリペプチド からの109アミノ酸開裂生成物(PDGF−B109)として同定されている。 Johnsson等,EMBO Journal 3(5),pp.921−9 28,1984参照。この109アミノ 酸相同配列は、c−sisによってコードされるPDGF−B前駆タンパク質の 109アミノ酸開裂生成物に一致し、多くの人々によってヒトのPDGFの成熟 形態であると考えられている。c−sisによってコードされる前駆タンパク質 との相同性は、241アミノ酸前駆タンパク質のアミノ酸82から始まってアミ ノ酸109個分続く。c−sisによってコードされるPDGF−B前駆タンパ ク質の最初の119個のアミノ酸に対応する別の形態のPDGF−B(PDGF −B119)も、トランスフェクトされた哺乳動物宿主においてc−sis遺伝子 の全体が発現する場合の、c−sisによってコードされる前駆タンパク質の主 要な開裂生成物として同定されている。米国特許第5,149,792号参照。 PDGFをヒト及び/または動物の切創及び皮膚潰瘍を含めた皮膚創傷に適用 すると、このような創傷が治癒する速度が加速されることが判明している。Pi erce等,J.Exp.Med.167,pp.974−987,1988( ラットの切創);Robson等,The Lancet 339,pp.23 −25,1992(ヒトの皮膚潰瘍)参照。PDGFは創傷治癒の 加速において、創傷床における一時性マトリックスの沈着を剌激することによっ て機能すると考えられている。Pierce等,Am.J.Pathology 140(6) ,pp.1375−1388,1992参照。PDGFは上記一 時性マトリックスの沈着と結び付いた支持的血管形成を間接的に剌激するとも考 えられる。Pierce等の上掲文献参照。しかし、この程度の支持的血管形成 では、PDGFが単独で虚血性創傷の治癒を著しく加速するには不十分である恐 れが有る。更に重要なことに、PDGFは壊死の危険の有る虚血組織において副 行循環を創出する能力を示していない。 現在、虚血性壊死の危険の有る組織への副行循環を実現する最良の方法は外科 的吻合術またはバイパス手術である。内視鏡技術の進歩により、幾つかの心臓外 科的処置を胸腔鏡を用いて行なうことが可能となったが(Mack等,Ann. Thorac.Surg.56 ,pp.739−740,1993;Hazel rigg等,Ann.Thorac.Surg.56,pp.792−795, 1993;Frumin等,PACE 16,pp.257−260,1993 )、冠 動脈バイパス移植を心肺バイパス無しで胸腔鏡を用いて行なうことは、冠動脈吻 合術を拍動する心臓上で確実かつ安全に行なえるようにならないうちは可能でな い。 即ち、虚血症の危険の有る組織において副行循環を創出する確立された非侵襲 的処置は存在しない。それにもかかわらず、始原的(prototypical )な血管形成因子と看做される線維芽細胞成長因子(FGF)が虚血性心疾患の 治療において示唆されており、またこの成長因子は心筋梗塞に起因する諸状態を 緩和することが示唆されている。米国特許第4,278,347号及び同第4, 296,100号をそれぞれ参照されたい。Yanagisawa等,Scie nce 257 ,pp.1401−1403,1992も塩基性FGFを近位冠 循環に注入して、冠動脈閉塞の際の心筋梗塞の大きさの減少を証明した。このア プローチはしかし、アテローム性動脈硬化症の疾患過程によって既に低下してい るまさにその冠循環における良好な血流に頼るものである。Unger等,Am .J.Physiol.264 ,H1567−H1574,1993は、内乳血 管を左心室心筋中に移植し、それと共に移植血管の遠位端に酸性FGFを注入し たとこ ろ、ヘパリン注入のみによって達成したものを越える有益な効果は得られなかっ たと報告している。 本発明は、虚血症または虚血性壊死の危険の有る組織において副行循環を改善 する非侵襲的方法を提供することを目的とする。 本発明はまた、血管の吻合を実現する非侵襲的方法の提供も目的とする。 非外科的なバイパス移植方法の提供も本発明の目的である。発明の概要 本発明は、閉塞した血管または閉塞の危険の有る血管の区域における、または 該区域の周囲での副行循環を、PDGF群に属する成長因子の適用によって改善 する非侵襲的方法を提供する。本発明はまた、PDGF群に属する成長因子を用 いて血管を吻合させる方法も提供する。この吻合術は二つの分離(divide d)血管同士の再結合か、またはただ一つの分離血管の、虚血症の危険の有る組 織の循環床への結合を含み得る。組織成長因子は、患部虚血組織の区域への局所 投与によってかまたは全身注入によって投与し得る。一つ以上の血管の吻合が望 ましい場合、成長 因子は吻合させたい血管にか、または分離血管が虚血症の危険の有る組織に付着 する部位の区域もしくは該部位の周囲の区域に直接投与し得る。図面の簡単な説明 図1はPDGF−B119のための核酸コーディング配列を示す説明図である。 図2は実施例5に提示した、PDGFの予防投与後3日目のグループのラット から得た皮弁の代表例の血管造影図である。 図3は実施例5に提示した、PDGFの予防投与後4日目のグループのラット から得た皮弁の代表例の血管造影図である。 図4は実施例5に提示した、PDGFの予防投与後7日目のグループのラット から得た皮弁の代表例の血管造影図である。 図5は実施例5のラットの皮弁組織の副行循環による潅流を通常の皮膚潅流と 比較して示すグラフである。 図6は実施例5のラットの皮弁組織の生存率を示すグラフである。 図7Aは造影溶液注入後その場で撮影した実施例6の対 照血管の写真である。 図7Bは造影溶液注入後その場で撮影した実施例6の、PDGF−Bで治療し た血管の写真である。 図8はPDGF−BBによって誘発する心臓外から冠動脈への血管吻合の実験 モデルの説明図である。 図9はPDGF−BB治療が左前下行動脈の急性閉塞後の生存率及び梗塞を起 こさなかった個体の生存率に及ぼす影響を示す棒グラフである。 図10はPDGF−BB治療が左前下行動脈の急性閉塞後の梗塞の大きさに及 ぼす影響を示す棒グラフである。 図11は実施例7のウサギの各グループから得た左心室の代表例の肉眼的病変 横断面の写真である。 図12Aは実施例7の対照グループの微小血管造影図である。 図12Bは実施例7の、PDGF−BBで治療したグループの微小血管造影図 である。発明の詳細な説明 本発明は、PDGF群に属する成長因子の適用によって副行循環を改善し、及 び/または血管を吻合させる方法を提供する。 本発明の理解の一助とするべく、本明細書中に用いる語を次のように定義する 。 “直接循環”という語は、組織への循環系の主要な直接的動脈のうちの一つに よる当該組織への血液の潅流(例えば冠動脈から心臓への潅流;大腿動脈から脚 への潅流)が実現する血流を意味する。 “副行循環”という語は、直接循環以外に由来する血流を意味する。 “低下した直接循環”という語は、血管の閉塞によって損なわれた直接循環を 意味する。閉塞は、動脈遮断及び血管の分離を含めた幾つかの原因のうちのいず れかの結果として生起し得る。通常、直接循環が少なくとも約50%損なわれて 低下すると組織は壊死の危険に晒され始める。 本明細書中に用いた血管の“閉塞”という語は、その(一つ以上の)極限位置 まで閉塞した血管による正常な血流の制限度を意味する。閉塞は血管の狭窄の結 果として(例えば動脈遮断、結紮)、または血管の切断(分離)に起因して生起 し得る。 “改善された副行循環”という語は、患部虚血組織の生存能力を維持するのに 十分なレベルまで高められた副行循 環を意味する。 “吻合させる”または“吻合術”という語は、血管の一部もしくは枝同士を、 血液が一方の血管から他方へと自由に流れることを可能にするように癒合させる ことを意味する。吻合とは例えば、二つの分離血管同士の癒合かまたはただ一つ の分離血管と組織の循環床との癒合の意味でもあり得る。 “分離血管”という語は切断された血管を意味する。血管は(例えば外傷によ り)偶発的に切断されたり、(例えば身体上の別の部位に再建移植する“皮弁” の外科的除去のために)外科的処置によって意図的に切断されたりすることが有 る。 “治療有効”量という語はPDGF、またはPDGF群に属する他の成長因子 の、その他の(即ちPDGF群に属さない)成長因子の不在下にヒトまたは動物 被検者において改善された副行循環を実現するように決定した量を意味する。 本明細書中に用いた“PDGF”という語は、還元または非還元であったり、 生物活性または不活性であったり、対応する天然ポリペプチドと実質的に同じ有 糸分裂誘発活 性、化学走化活性、酵素活性及び/または他の検出可能な生物活性を有する組み 換え体その他であったりする類似体を含めたPDGFモノマー及び/またはダイ マーの任意の組み合わせを意味する。“PDGF”という語は特に、天然PDG Fのアミノ酸配列に一つ以上のアミノ酸の数及び/または種類の改変を加えたP DGF類似体を包含するものとする。 本明細書中に用いた“VEGF”という語は、還元または非還元であったり、 生物活性または不活性であったり、対応する天然ポリペプチドと実質的に同じ有 糸分裂誘発活性、化学走化活性、酵素活性及び/または他の検出可能な生物活性 を有する組み換え体その他であったりする類似体を含めたVEGFモノマー及び /またはダイマーの任意の組み合わせを意味する。“VEGF”という語は特に 、天然VEGFのアミノ酸配列に一つ以上のアミノ酸の数及び/または種類の改 変を加えたVEGF類似体を包含するものとする。 本明細書中に用いた“PLGF”という語は、還元または非還元であったり、 生物活性または不活性であったり、対応する天然ポリペプチドと実質的に同じ有 糸分裂誘発活 性、化学走化活性、酵素活性及び/または他の検出可能な生物活性を有する組み 換え体その他であったりする類似体を含めたPLGFモノマー及び/またはダイ マーの任意の組み合わせを意味する。“PLGF”という語は特に、天然PLG Fのアミノ酸配列に一つ以上のアミノ酸の数及び/または種類の改変を加えたP LGF類似体を包含するものとする。 “PDGF前駆タンパク質”という語は、c−sisによってコードされる2 41アミノ酸前駆タンパク質の、該ポリペプチドをより短いその成熟形態(例え ばPDGF−B109及びPDGF−B119)へとプロセッシングする前の完全な状 態を意味する。 本発明によれば、PDGF群に属する成長因子は低下した直接循環の部位にお いて、または該部位の周囲において機能的副行循環を改善するのに用い得ること が判明した。副行循環の改善は新血管形成の結果として、及び/または血管の吻 合によって実現し得る。即ち本発明は、ヒトまたは動物被検者の低下した直接循 環によって生じる虚血組織への副行循環を、ヒトまたは動物被検者にPDGFま たはPDGF群に属する他の成長因子を治療有効量で投与する ことにより改善する方法を提供する。 直接循環の低下を招く医学的条件及び疾患状態は多数存在する。例えば心筋梗 塞、卒中及び間歇破行は、心臓、脳及び下肢それぞれの主要動脈による血液供給 がアテローム性動脈硬化症によって制限された結果としての直接循環低下の例で ある。直接循環が低下した状態は当然ながら、直接循環の低下によって生じる虚 血組織への血流を増加させる循環の幾分制限された副行化を惹起する。しかし、 この通常の生体応答は、虚血組織における機能的副行循環の創出にはしばしば不 十分である。副行循環を十分に改善しないと虚血組織は死ぬ、即ち壊死するかも しれず、壊死した組織は除去しなければならない。心筋梗塞の場合、心臓が機能 を停止して死に至る恐れが有る。四肢への直接循環が低下した場合は、患部四肢 が壊疽となって切断の必要が生じかねない。 このように、壊死の危険の有る虚血組織の場合は常に、虚血組織への、及び該 組織中での副行循環を急速に改善することがきわめて重要である。“危険”組織 への副行循環を急速に改善させることの重要性は、脳組織が該組織への血液供給 を僅か15分間断たれただけで死ぬという事実を 考え合わせることで最も良く理解できる。心臓組織は、該組織への血液供給を断 たれた場合2時間まで生存し得るが、この時点以後は機能を停止する。身体の他 の組織は通常、壊死が始まる前に4〜6時間より長くは持ちこたえられない。即 ち、ほとんどの場合本発明の方法を用いて、壊死の危険の有る虚血組織への循環 、または単に虚血症の危険の有る組織への循環さえも、例えば(心疾患治療のた めの)心臓バイパス及び(下肢の虚血性疾患の治療のための)脚移植片を用いる 従来の外科的処置を行なうのと類似の方法で予防的に改善することが好ましい。 危険と判断され、従って本発明の方法による予防的治療を受ける候補となる組織 は、副行循環を改善する従来の外科的処置のために現在組織を同定するのとほぼ 同様にして同定される。 臨床の実地において、PDGF群に属する成長因子は例えば患部虚血区域への 局所投与によって、あるいはまた全身注入によって投与し得るが、局所投与が好 ましい。このような成長因子適用は、例えば再建プロセスにおいて身体の別の部 分から組織を除去し、これを再建部位に移植する“皮弁”手術の際に行なう。移 植組織片の再建部位に治療有効量の成長因子を投与すると副行循環が改善され、 それ によって“皮弁”組織は該組織自体の再建部位における副行血液供給をより急速 に展開し得るようになり、よってこの種の再建手術の成功率は劇的に上昇する。 再建“皮弁”手術の場合、成長因子の反復投与によるか、徐放性賦形剤の利用に よるか、またはこれらの両方によって成長因子を連続的に適用することが有利で あり得る。 分離血管の吻合を実現することが望ましい場合は、PDGF群に属する成長因 子を吻合前または吻合時の結紮血管の端部に投与し得る。例えば、直接循環を担 う動脈(例えば冠動脈)の切迫閉塞に起因する虚血症または虚血性壊死の危険の 有る心臓組織に関しては、治療有効量のPDGF群に属する成長因子を内視鏡を 用いて投与し、それによって近傍の身体部分から意図的に分離した血管(例えば 内乳動脈)を心臓の血管に結合させることにより副行循環を予防的に改善し得、 即ち心臓組織への副行循環を改善して、はるかに侵襲的な従来の心臓バイパス手 術の必要性を排除する。拍動する心臓での再血管新生が、直接的かつ外科的な冠 動脈吻合術、心肺バイパスまたは正中幹切開創に頼ることなく上記のように内視 鏡を用いて可能であることによって、現行の冠動脈バイパス移植に伴う問題は著 しく低減さ れる。 しかし、二つの分離血管を吻合処置で再結合させる必要は無い。実際、バイパ ス移植では、ただ一つの分離血管(即ちバイパス移植血管)を虚血症の危険の有 る器官の組織の循環床に複数箇所で吻合させることがしばしば好ましい。分離し た移植血管を器官の循環床に上記のようにして吻合させることが望ましい場合は 、移植血管をまず所期の分離地点において結紮し、焼灼し、または実質的に閉塞 させてから分離し、一方の分離端部を患部器官の組織に単に付着させる。移植処 置中の任意時点に治療有効量のPDGF群に属する成長因子を、移植血管付着部 位にかまたは該部位の近傍に適用する。 患部器官の組織への移植血管の付着は、当業者に公知の任意方法で実現し得る 。好ましくは、器官組織中にトンネルを形成してその中に移植血管を設置するか 、または移植血管を器官組織中に埋設することによって付着を実現する。成長因 子の適用はバイパス移植血管の、該移植血管がその中に配置された組織の循環床 との結合を誘発する。移植血管の結紮部は典型的には付着後に壊死し、血液が移 植血管から該血管の壊死先端を経てか、または壊死端部近傍に“ 出現”した複数の血管を経て患部器官の循環床の血管へと流れることを可能にす る。このように、移植を行なううえで患部器官の血管の分離は必要ない。 投与するべきPDGF群に属する成長因子の治療有効量はきわめて様々であり 、成長因子を虚血組織における副行循環の向上のために適用するか、それとも血 管を吻合させるというより急がれる目的のために適用するかに依存する。適用目 的が前者である場合、(一つ以上の)患部組織における虚血症の位置及び程度な どの事情が成長因子の治療有効量の決定に影響する。ほとんどの事例において、 患部組織中に所望レベルの機能的副行循環を確立するには成長因子をただ1回の 短期適用により投与すれば十分であるが、場合によっては成長因子の適用を数日 間、または何週間にもわたって継続しなければならないことも有る。継続治療は 成長因子の反復適用によって、及び/または徐放性賦形剤の使用によって達成可 能である。血管を吻合させるべきである場合は、吻合させたい血管部位の位置及 び間隔を成長因子の治療有効量決定の要因として考慮しなければならない。吻合 が所望である場合、治療有効量の成長因子をただ1回の適用で投与することが好 ましい。この目的のため に成長因子をただ1回の適用で投与する時は、徐放性賦形剤を用いて成長因子を 投与することが好ましい場合も有る。 副行循環を向上させるべくPDGF群に属する成長因子を体外から適用するた めの組成物は、当業者によって容易に確認される。当然ながら、治療有効量決定 の場合と同様に、成長因子の好ましい投与経路は治療する状態と共に様々である 。成長因子を純粋な、または実質的に純粋な化合物として投与することは可能で あるが、医薬配合物もしくは医薬製剤として提供する方が好ましい。 ヒト以外の動物とヒトとの両方に用いられる本発明の配合物は、先に述べたP DGF群に属する成長因子を治療有効量で、該成長因子のための医薬的に許容可 能な1種以上のキャリヤ、及び場合によっては他の治療成分と共に含有する。( 1種以上の)キャリヤは、配合物の他の成分と適合し得、かつ配合物のレシピエ ントに有害でないという意味において“許容可能”でなければならない。望まし くは、配合物は酸化または還元剤、及びペプチドと不適合であることが知られて いる他の物質を含有するべきでない。配合物は単位投与形態で適宜提供し得、か つ当業者に良く知られた任意の方法で調製可能である。いずれの方法も活性成 分と、1種以上の付加的成分を成すキャリヤとを一緒にするステップを含む。通 常は、成長因子を液体キャリヤ、半液体キャリヤもしくは微細固体キャリヤ、ま たはこれらの任意の組み合わせと均一かつ緊密に混合させることによって配合物 を調製する。 先に指摘したように、PDGF群には、いずれも当業者に公知であるPDGF 、VEGF及びPLGFが含まれる。副行循環の向上及び/または血管の吻合に 用いる成長因子はPDGF群に属する任意の生物活性成長因子とし得るが、当該 成長因子がPDGFであれば好ましい。PDGFは、生物活性であるかぎりダイ マー形態であってもモノマー形態であってもよい。好ましいPDGF形態はPD GF−BBホモダイマーである。PDGF−BBホモダイマーの好ましい形態に は、PDGF−BB109ホモダイマー、PDGF−BB119ホモダイマー、及びこ れらの組み合わせ(例えばPDGF−B119109ホモダイマー)が含まれる。 好ましいPDGFは通常、当業者に公知である幾つかの組み換えタンパク質製 造方法のうちのいずれかによって製造し得る。多くの場合、PDGFのためのコ ーディング配列は既に入手可能であり得る。当然ながら、DNA配列決 定装置を用いて所望のPDGFコーディング配列を合成することも可能である。 PDGFのためのコーディング配列の生成に用いる特定方法は通常、出発物質の 入手可能性を含めた幾つかの実際的な要件によって定まる。 所望形態のPDGFのためのコーディング配列を構築したら該配列をベクター に挿入し、このようにして得られたベクターを用いて適当な宿主細胞を、当業者 に公知の標準的な技術によってトランスフェクトする。例えば、上記のようなサ ブユニットのためのコーディング配列で酵母または真核宿主細胞をトランスフェ クトし、その結果生じた生成物を細胞培養物から回収し得、または前記配列で大 腸菌宿主細胞をトランスフェクトし、その後PDGFを折り畳んで生物活性タン パク質生成物を生じさせ得る。 例えばPDGF−BBホモダイマーの場合、最初にv−sis遺伝子を修飾し てヒトの同等遺伝子c−sisを得るか、またはc−sisを出発物質として用 いることが可能である。あるいは他の場合には、PDGF−BBコーディング配 列を合成し得、または最初にc−sis遺伝子もしくは修飾v−sis遺伝子を カルボキシル末端近傍の適当な制限部位において切断し、次にPDGF前駆タン パク質 コーディング配列のカルボキシル末端を所望の終結位置に、用いる特定のベクタ ー及び宿主細胞にとって好ましいコドンを用いて再形成し得る。c−sis遺伝 子または修飾v−sis遺伝子をアミノ末端近傍の適当な制限部位において切断 することも可能であり、その際アミノ末端は所望の開始位置に、やはり選択した ベクター及び宿主細胞系にとって好ましいコドンを用いて再形成する。換言すれ ば、好ましいPDGF−BBホモダイマーなどのPDGFの生成には合成法と、 天然の出発物質のin vitro突然変異誘発とのいかなる組み合わせも用い 得る。 本発明の融合ダイマーの生成にとって好ましい宿主細胞系は細菌宿主細胞であ り、好ましくは大腸菌である。本明細書中に述べた特定の発現系に加えて、本発 明は他の系も考慮し、それらの系は例えばプロテアーゼ開裂部位の修飾、及び/ または宿主細胞による本発明の融合ダイマー産生のレベルを高めるための代替先 導配列の使用を非限定的に包含する。 その真の範囲を請求の範囲各項に示した本発明の理解の一助とするべく、以下 に実施例を提示する。いかなる形態のPDGFも本発明の考慮下に有るが、以下 の実施例では PDGF−BB119を用いた。ここに示した操作は本発明の精神から逸脱せずに 変形可能であると理解される。 実施例1 PDGF−B119コード配列の構築 出発物質としてv−sis遺伝子を用いて、図3に示されているPDGF−B119 コード配列を構築した。 A.アミノ酸101及び102の変換 1μgのプラスミドpC60、SV肉腫レトロウイルスゲノム(Wong-Staalら ,Science,213,226-228(1981))を、制限エンドヌクレアーゼSalI及び XbaIで消化し、次いで、Maniatisら,Molecular Cloning−A Laboratory Ma nual,Cord Spring Harbor Laboratory(1982)に記載の手順に従って、得られ た1183塩基対フラグメントを低融点アガロースゲル中で電気泳動で分離して 精製した。次いで精製されたフラグメントをゲルから切り出した。同時に、0. 2μgのM13mp19DNAもSalI及びXbaIで消化し、同様に724 5塩基対の大バンドを低融点ゲルから単離した。切り出された両方のゲルスライ スを65℃で融解し、次いで37℃に冷却した。7245塩基対のM13mp1 9フラグメントを含むゲル全体と1183塩基対のv−sisフラグメントを含 むゲル4分の1とを混合し、Struhl,Biotechniques,3,452-453(198 5)に従って連結した。連結されたDNAをE.coliX12株TG1に形質 転換し、透明プラークを選択し、液体培養中で増殖させた。M13mp19ベク ター中の1183塩基対のv−sisフラグメントの存在をRF形態のファージ DNAの形成及び制限地図分析により確認した(Messingら,Nucl.Acids Res. ,9,309-321(1981))。 このようにして得られたM13mp19/v−sisファージを液体培養中で 増殖させ、一本鎖DNAを単離した(Messingら,前出)。このDNAをオリゴ ヌクレオチド指向in vitro突然変異誘発用の鋳型として用いて、101残基のア ミノ酸及び107残基のアミノ酸を対応するPDGF−Bアミノ酸に変換した。 即ち、イソロイシン101をコードするATAコドンをACA(トレオニンをコ ードする)に変換し、アラニン107をコードするGCTコドンをCCT(プロ リンをコードする)に変換した。 10μgのM13mp19/v−sis一本鎖DNAを、配列: を有するリン酸化オリゴヌクレオチド8pmolでアニーリングした。 この配列は、v−sis遺伝子のヌクレオチドの4283〜4316(Devare ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,3179-3183(1982)のナンバリングシス テム)と相同である。オリゴヌクレオチドの下線を付した塩基は、v−sisか らヒトPDGF−B配列への改変を示す。突然変異オリゴヌクレオチド上でDN A合成を開始し、チオヌクレオチド三リン酸を用いて完全な突然変異鎖をE.c oli DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントと合成し、次いでT4 DNAリガーゼと連結した。全ての残留一本鎖鋳型M13mp19/v−sis DNAをニトロセルロースフィルター上で濾過して取り除いた。非突然変異鎖を 制限エンドヌクレアーゼIIIと共にインキュベートして切断した。次いで、鋳型 として突然変異鎖を用いて、切断された非突然変異鎖をデオキシヌクレオチド三 リン酸と再重合させた。その結果、最終産物中の両DNA鎖は目的の突然変異体 を含んでいた。該DNAをE.coli K12株TG1に形質転換した。プラ ークを選択し、液体培養中で増殖させ、一本鎖DNAを単離した。該DNAを、 Sangerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463-5467(1977)の方法に従っ て配列し、目的の突然変異体が得られたこと を確認した。 B.アミノ酸6及び7の変換 次の段階で、突然変異されたv−sis遺伝子の5′−末端を、v−sis由 来のアミノ酸6及び7をヒトPDGF−B形態に変えた合成DNAフラグメント で置換した。この合成フラグメントもまた、ヒトPDGF−Bのセリン1に対す るコドンの直前の翻訳開始ATGコドン、並びにE.coliリボソームに結合 させるための配列及び目的のE.coli発現ベクター(以下に説明する)に連 結させるための制限部位を提供した。合成DNAフラグメントを、v−sis遺 伝子のヌクレオチド4061(Devareらのナンバリングシステム,前出)に位置 するBglII部位に連結した。M13mp19ベクター内に存在するBglII部 位はこの段階を複雑化且つ干渉するので、先ず、突然変異v−sis遺伝子を、 BglII部位を含まない市販のプラスミドベクターpUC18に移動させた。M 13mp19/v−sis突然変異RFDNAをSalII及びBamH1で切断 し、得られた1193塩基対フラグメントを低融点アガロースゲルを用いた電気 泳動により単離した。このフラグメントを、これもSalII及びBamH1で切 断されたプラスミドpUC18に連結した。連結されたDNAを市販のE.co li K12株DH5で形質転換し、形質転換細胞をアンピシリンの存在下の増 殖により選択した。コロニーを選択し、液体培養中で増殖させ、単離されたプラ スミドDNAをv−sis挿入物の存在について制限地図により分析した。 pUC18/v−sis突然変異DNAを、突然変異v−sis挿入物のすぐ 上流のpUC18のポリリンカーで切断するHindIII、及び成熟タンパク質 産物であるアミノ酸番号24に対応するヌクレオチド4061(Devareらのナン バリングシステム、前出)のv−sisDNA内で切断するBalIIで切断した 。この反応から得られた3365塩基対の大フラグメントを低融点アガロースゲ ル中の電気泳動により単離した。該フラグメントを、以下の配列: を有する合成二本鎖DNAフラグメントに連結した。 この合成DNAフラグメントは、その上流(左)末端にHindIII「付着」 端を、またその下流(右)末端にBglII「付着」端を含んでいる。さらに、X baI部位(TCTAGA)がHindIII「付着」端のすぐ下流の合成DNA 内に存在することにより、以下に説明する発現ベクターのXbaI部位に連結す べくXbaIによる制限が可能になる。連結されたDNAをE.coli K1 2株DH5で形質転換し、形質転換細胞をアンピシリン含有培地上で増殖させて 選択した。得られたコロニー由来のプラスミドDNAを合成DNAフラグメント の存在について制限地図により分析した。この時点で、pUC18/v−sis 構造は、突然変異v−sis遺伝子を含んでおり、アミノ酸番号6、6、101 及び107はヒトPDGF形態に置換されており、その5′末端はセリン1の直 前のATGコドンによる翻訳を開始するように改変されていた。 C.アミノ酸114の変換及びアミノ酸120における停止コドンの位置決め 次の段階では、アミノ酸114のコドンをACTからGGTに変え、最終タン パク質産物中でグリシンをリシンに置換した。さらに、GCCがv−sisのア ラニンをコー ドするコドン番号120を、翻訳停止コドンであるTAAで置換した。得られた この構造のタンパク質産物は残基119のアルギニンで終っている。コドン番号 112に位置するSmaI部位の後に合成DNAフラグメントを挿入することに より両置換を1段階で行った。 上記で産生したpUC18/v−sis突然変異体DNAを、v−sis配列 中のヌクレオチド4324(Devareらのナンバリングシステム,前出)で切断す るSmaI、及びv−sis挿入物のすぐ下流のpUC18のポリリンカーで切 断するEcoRIで切断した。v−sisタンパク質及び3′−非翻訳配列をコ ードする、SmaI部位とEcoRI部位との間の小フラグメント(510塩基 対)を低融点アガロースゲル上の電気泳動により除去した。大フラグメント(約 3530塩基対)を以下の配列: を有する合成DNAフラグメントに連結した。 114位の新規なグリシン残基をコードするGGTコドン及び120位に導入 されたTAA停止コドンには上記で下線が付されている。この合成DNAフラグ メントは、そ の上流(左)にSmaIでv−sis突然変異体配列を切断して形成したブラン ト末端に連結するためのブラント末端、及びその下流(右)末端にEcoRIで pUC18ポリリンカーを切断して形成したEcoRI末端に連結するためのE coRI「付着」端を含んでいる。連結されたDNAをE.coli K12株 DH5で形質転換し、形質転換細胞をアンピシリン含有培地上で増殖させて選択 した。得られたコロニー由来のプラスミドDNAを合成DNAフラグメントの存 在について制限地図により分析した。 実施例2 E.coliにおけるPDGF−BB119ホモダイマーの発現 完全形の突然変異v−sis遺伝子をpUC18から取り出し、E.coli 発現ベクターpCFM1156に連結した。プラスミドpCFM1156PLは 公知のプラスミドpCFM836から製造する。プラスミドpCFM836の製 造は米国特許第4,710,473号に記載されており、該特許明細書の関連部 分、特に実施例1〜7は、本明細書に参考として組み込むものとする。pCFM 1156及びpCFM836を製造するためには、2つの内在 性NdeI制限部位を切断し、露出した末端をT4ポリメラーゼで充填し、充填 された末端をブラント末端連結する。 次いで得られたプラスミドをClaI及びKpnIで消化し、切り出したDN Aフラグメントを以下の配列: のDNAオリゴヌクレオチドで置換する。 pCFM1156ベクターは、上流のXbaI部位といくつかの下流制限部位 のうちの一つとの間に外来遺伝子挿入用領域を含んでいる。この場合は、下流E coRI部位を用いた。上記で産生したpUC18/v−sis突然変異DNA をXbaI及びEcoRIで切断し、383塩基対の小フラグメントを低融点ア ガロースゲル上の電気泳動により単離した。このフラグメントを、これもXba I及びEcoRIで切断されたpCFM1156DNAに連結した。連結された DNAをE.coli株FM−5(ATCC番号68545)で形質転換し、形 質転換細胞をカナマイシン含有培地上で増殖させて選択した。得られたコロニー 由来のプラスミドDNAを、挿入されたDNAフラグ メントの存在について制限地図により分析した。 最終発現プラスミドは、メチオニンから始まり、次いでヒトPDGF−B配列 のアミノ酸1−119が続くタンパク質をコードする挿入DNA配列を含んでい た。合成後には、原核E.coli宿主細胞からN末端メチオニンが除去され、 それによって産生した最終タンパク質はヒトPDGF−Bのアミノ酸1−119 に対応する。 目的とする光学密度の培養物が得られるまで発現プラスミドを含む細菌細胞を 28〜30℃で増殖させ、次いで培養物を42℃で、その後数回増殖させること により、119アミノ酸PDGF−Bタンパク質を発現させた。 実施例3 PDGF−BBホモダイマーの精製及び復元 先ず、PDGF−BB119を含む実施例2のE.coli発酵培地由来の細胞 を約3容量(湿潤重量/容量)の水に懸濁し、次いで9000psiのガウリン (Gaulin)ホモジナイザーに3回通過させた。追加の4容量の水を加え、次いで ホモジナイズされた細胞を5000×gで1時間4℃で遠心し、上清を廃棄した 。 得られた沈降物(PDGF−BB119を含む抱合体)を、 細胞ペレットの重量の2.5倍の6Mのグアニジン−HCl中に懸濁した。β− メルカプトエタノールを加えて、濃度を約0.14%(v/v)にし、懸濁液を 周囲温度で30分間混合した。この混合物を9容量の11mMトリス・HCl( pH8.5)に加え、周囲温度で約20時間混合を継続した。酢酸を加えてpH を約4に調整し、濾過して清澄化した。得られた濾液を水で2倍に希釈し、次い で、10mMのトリス・HCl(pH7.7)で平衡にしたS−Sepharo se(登録商標)カラム(Pharmacia Biotech,Piscataway,New Jersey)に充 填した。充填したカラムを、(1)10mMのトリス・HCl(pH7.7)、 次いで(2)10mMのトリス・HCl(pH7.7)、0.3mMの塩化ナト リウム、さらに(3)10mMのトリス・HCl(pH7.5)、0.5Mの塩 化ナトリウムで洗浄した。 PDGF−BB119を含む最終洗浄液中のフラクションをプールし、20%エ タノール、10mMのトリス・HCl(pH7.7)で平衡にしたVydac C4カラムに加えた。該カラムを10容量の20%エタノール、0.4MのNa Cl、10mMのトリス・HCl(pH7.7)、 次いで25%のエタノール、0.35MのNaCl、10mMのトリス・HCl (pH7.7)で洗浄した。PDGFを含む最終洗浄液中のフラクションをプー ルし、0.5%(v/v)の酢酸で酸性化し、次いでAmicon YM(登録 商標)10限外濾過メンブラン(Amicon Inc.,Danvers,Massachusetts)を用 い、約6容量の0.15M塩化ナトリウム、10mM酢酸ナトリウム(pH4) で透析した。 実施例4 単層コラーゲンフィルムの製造 実施例3由来の精製且つ復元されたPDGF−BB119を含む単層コラーゲン フィルムを国際特許公開WO/92/22304号に記載の手順に従って製造し た。 溶液流延法により可溶コラーゲン溶液からコラーゲンフィルムを形成した。可 溶コラーゲンはSemax Co.(Frazer,Pennsilvania)から購入した。このコラー ゲンはウシ由来のものであり、99%のI型コラーゲンと1%のIII型コラーゲ ンとを含んでいる。該コラーゲンの分子量は300Kダルトンであり、密度は0 .004g/ccである。該コラーゲンの抗原性は、テロペプチドが該コラーゲ ンから除 去されているので最小である。 先ず、可溶コラーゲンを0〜5%の酢酸溶液に18〜70℃で溶解して4%コ ラーゲン溶液を調製した。可塑剤のグリセロール(コラーゲンの乾燥重量の約2 0%)を添加した後で、該溶液にエタノールを加え、溶剤蒸発工程を容易にした 。アルコールの量は溶液の量の約20%であった。次いで溶液を遠心して、溶解 していない物質を除去した。 実施例3由来の精製且つ復元されたPDGF−BB119を含む溶液を4%可溶 コラーゲン溶液に加えた。得られたPDGF−BB119を含むコラーゲン溶液を Teflon(登録商標)表面上に流延し、フィルムの重量が一定になるまで( 約1〜3日間)室温で乾燥させて、PDGF−BB119ホモダイマー360μg を含むコラーゲンフィルムを形成した。同じようにして追加量の4%コラーゲン 溶液を調製したが、次の実験用の陰性対照として用いるためにPDGFを添加せ ずに調製した。 実施例5 PDGFによる副行循環の誘発 McKeeら,Plast.Reconstr.Surg.,67,200-204(1981) 及びTsurら,Plast Reconstr.Surg.,66,85-93(1980)の虚血誘発血管形成の ラット皮弁モデルは一般的に、壊死の危険がある虚血組織における副行循環を改 善するPDGFの能力を示すために行われるが、但し、ラット上に形成された腹 側皮弁への上腹部血管は初期には無傷に保たれており、PDGFの予防的適用後 にも皮弁に対する直接循環が継続して得られる。皮弁への直接循環は後に第2の 処置における上腹部血管の結紮により弱められる。第2の処置の間に血液供給を 閉鎖する前に、実施例4由来のコラーゲンウエファーを用いて外科的に形成され た皮弁にPDGFを予防的に投与した。 70匹の雄フィッシャー(Fisher)ラットを腹膜内にペントバルビトール(1 2〜21mg)を投与して麻酔し、追加用量を用いて維持した。左鼡径部及び腹 部を剃って脱毛し、当該技術において公知の標準法を用いて動物をボードの上に 乗せた。鋳型を用い、上腹部軸面皮弁を、その基底縁を鼡径部上に内側縁を正中 線にして、3×6cmの大きさでマークした。同じ手順を右鼡径部と腹部で繰り 返して、各ラット上で腹部皮弁を形成した。次いで皮弁を鋭角に剥離して腹部表 面の両側で皮弁を持ち上げ、皮弁と腹部 の間の血管全てを分断した。この時点では、Petry及びWortham,Plast.Reconst r.Surg.,74,410-413(1984)によって記載されているように、皮弁はまだ無 傷に保たれている上腹部脈管から直接循環により潅流されていた。実施例4由来 の2×5cmのPDGF−BB119含有コラーゲンウエファーを各ラットの一方 の皮弁の下に挿入し、陰性対照のコラーゲンウエファーを他方の皮弁の下に挿入 した。コラーゲンウエファーを挿入した後で、両方の皮弁を注意深く絹糸縫合し て所定位置に縫合し戻した。この処置により、上腹部血管からの直接血液流が閉 鎖される前に投与されたPDGFによる予防作用が可能であった。 PDGFの予防的投与の後、種々の時点において皮弁への直接循環を弱めるよ うに考案された第2の処置を第1の処置の1、2、3、4、5、7又は10日後 に行った。ラットの鼡径部の上腹部血管肉茎に通常の麻酔をして、鼡径部の両側 を露出し、次いで絹糸結紮して、皮弁への直接循環を完全に途絶させた。ナトリ ウムフルオレセインを注射し、20分後に、Grahamら,Plast.Reconstr.Surg. ,71,726-831(1983)の手順に従って皮膚蛍光定量指数(DFI)を測定した 。標準的な面積測定分析法を用いて、3日後に 生存している皮膚領域を評価した。次いで大動脈にカニューレ挿入し、ヘパリン 処理した温塩水20mlを脈管構造に通し、その後で、Rees及びTaylor,Plast .Reconstr.Surg.,77,141-145(1986)に記載のようにして、酸化鉛、塩水及 びゼラチンの混合物を注射した。皮弁領域を切除し、一晩冷蔵してから放射線写 真を撮影した。 3日グループのラットの試料は、PDGF処理皮弁の組織生存率が増大したこ とを示した。図2に示されている3日グループから採取した試料の典型的血管造 影図は、PDGF処理皮弁を潅流する早期小血管が著しく増加したことを表して いる。4日グループでは、PDGF処理皮弁の殆どが完全な生存を達成するに十 分な腹部からの新規な循環を発生させた。小血管の増加のみを示した3日グルー プのラットから採取した皮弁とは異なり、4日グループのラットから採取したP DGF処理皮弁の微小血管造影図は、対照面と比べて腹部から皮弁への大血管の 連結を表していた。4日グループの血管造影図を図3に示す。この造影図は、P DGF処理皮弁上に多数の成熟機能性新規血管が存在することを示しており、且 つ以前には分断されていた血管の末端が皮弁の縁にわたって再連結されているの が認められ る。5日グループでは、対照皮弁はいまだ有意な壊死を有しており、これは、潅 流が不適切であったことを示しており、一方PDGF処理皮弁は完全な生存を示 した。図4に示されている7日グループの典型造影図は、PDGF処理皮弁にお いて、さらに多くの新規な血管の形成及び縁から血管への連結を示している。 この実験の結果を図5及び図6に示すグラフに要約する。図5のグラフは、正 常な皮膚潅流に対するPDGF誘発副行循環による皮弁組織の潅流を示している 。PDGF処理皮弁は、5日目までに対照の潅流量のほぼ2倍を発生させた。1 0日目では、PDGFを用いた皮弁組織の予防的処理により、組織が正常な血液 流を超える血液流(115%)を得たのに反し、非処理対照側は正常な血液流の 84.5%に過ぎなかった。図6の皮弁生存グラフは、4日目に、PDGF処理 により皮弁の85%の生存が可能になったが、対照皮弁は生存が49%に過ぎな かったことを示している。 実施例6 PDGFを用いた新生血管 30匹の隔離された(retired)ルイスラットの2つの脈管末端間に単一の大 口径脈管の再生を誘発するPDGF −BBの能力を調べるために、表在大腿動脈のセグメントを焼灼し、切除して、 3〜4mmのギャップを形成した。実施例3由来のPDGF−BB又はPDGF −BBの失活突然変異細胞200μlを2つに分断された血管の末端間の組織に 注射し、各動物を動物自身の対照として用いた。2週間目及び3週間目に、乳液 ラテックスの注射、直接観察、ミクロアンギオグラフィー(Rees及びTaylor,Pl ast.Reconstr.Surg.,77,141-145(1986))、腐食円柱及び連続組織学的切 開法により、血管連続性の復元を評価した。2週間後、PDGF−BB処理グル ープでは、血管の33%(12匹中4匹)が再確立された連続性を有していたが 、対照グループでは血管は全く再生されなかった(p<0.05)。図7Aに示 されているように、3週間後、PDGF−BBグループの動脈は100%(18 中18)再生され、開放性血管が再確立されていたが、対照グループでは血管は 全く再連結されていなかった(p<0.0001)。 組織学的評価を行ったところ、再生された動脈は、完全な内皮層が平滑筋組織 で取り囲まれているのが認められた。血管の直径は、初期の大腿動脈のサイズに 等しく、これは、機能的血管の再生応答を示している。図7Bに示されてい るように、新規動脈のセグメントが、切断された血管の血栓症罹患末端近くの枝 管として「芽生え」ているように見え、外科的静脈組織片バイパスに類似した形 でギャップをブリッジしていた。 実施例7 PDGFを用いた心臓の血行再開 この実施例は、外科的吻合又は心肺バイパスに頼ることなく、PDGF−BB の脈管由来の作用と心臓外血管の心筋層への移植とを併せて行った、拍動する心 臓上での心臓の血行再開を示すものである。 ケタミン(15mg/kg)及びキシラジン(5mg/kg)を筋肉内注射し て、ニュージーランド産白ウサギ(3.5〜4kg)を麻酔した。ウサギに経口 挿管し、100%酸素を用いて機械的に換気した。各外科的処置の間を通して前 胸部の心電図(ECG)を記録した。実験全体にわたり、NIHの「Guide for the Care and Use of Laboratory Animals」(NIH Publication No.86-23,1985年 再版)に従った。 滅菌外科手術条件下に、上腹部/内部乳房血管を上腹部及び下胸部壁から自由 に両側で解剖した。左開胸を切開し て血管束を胸窩内に導入した。左前下行冠状動脈(LAD)の中間部に近接した 左心室心筋層を通るトンネルを形成した。該トンネルを介して、結紮した血管末 端が心筋層の表面に近接するようにして血管束を入れた(図8)。0.5ml量 の溶液を、移植した血管を取り囲む心筋層組織内に注射した。該溶液は、1mg /ml濃度の実施例3の組換えPDGF−BBを含む(処理)か又は含まない( 処理した対照)リン酸緩衝塩水を含んでおり、ブラインドベース及びランダムベ ースで投与した。開胸を閉じる前に、4−0結紮糸を、移植した血管に近接する LADの周りに、結び目を作らずに通した。第2の手術の際に容易に引き寄せら れるように、結ばれていない端部を胸壁の皮下組織中に埋めた。胸膜スペース中 の残留空気の排気に用いる小型胸管の上の層で胸部を閉じ合わせた。 最初の手術後2週間して、ウサギを再麻酔し、結ばれていない結紮糸の端部を 引き寄せた。直接結紮してLADを閉じ合わせた。それぞれ14匹の2つのグル ープ(処理グループ及び処理した対照グループ)からなる合計28匹のウサギを 用いた。追加の8匹のウサギに血管移植又は心筋層注射をせずにLADの結紮を 行い、非処理対照グループ として用いた。 LADを結紮してから4日後に、生存している動物の移植血管を介して造影剤 を注射して微小血管造影を行った。視覚化するために手術用顕微鏡を用いて、両 方の内乳動脈に、30ゲージのカテーテルを挿入した。血管にヘパリン処理した 塩水を通した後、酸化鉛/ゼラチン放射線不透過性溶液20mlを注射した。心 臓及び移植血管を胸部から取り出し、4℃で一晩放置し、12mA、25kVで 0.20秒間の定常(stationary)乳房撮影法を用いてX線撮影し、解像力を最 大にした(Rees及びTaylor,Plast.Reconstr.Surg.,77,141-145(1986)) 。 トリフェニルテトラゾリウムクロリド(TTC)を用いる組織化学的染色法を 用いて、梗塞領域を同定した(Lieら,J.Thorac.Cardiovasc,Surg.,69,599 -605(1975))。左心室を横に切断して3mm厚さのスライスを作成し、コンピ ューター化面積計算法及び三次元復元により梗塞の程度(非染色組織)を測定し た。次いでスライスを緩衝ホルマリン中で液浸定着させた後で、ヘマトキシリン 及びエオシン染色を用いる組織学的分析用に処理した。 2グループ間の生存動物の比率をフィッシャー完全試験 (Fisher exact test)で比較した。スチューデントt−試験により生存動物の 梗塞域の平均量をグループ間で比較した。 非処理対照動物のうち僅か50%(8匹中4匹)だけがLADをきつく結紮し ても生き延びた。ECGにより、重症の心筋層損傷を示す大きなSTセグメント の上昇が明らかにされた。PDGF−BB処理をせずに心臓外血管を移植したも の(処理対照グループ)では生存率は変わらず、処理対照グループの57%(1 4匹中8匹)が生存した。処理対照動物のECGは、非処理対照動物と同様であ ったが、8匹の処理対照動物中4匹が生存し、STの上昇は10〜15分以内に 基線に戻った。移植した血管の周りをPDGF−BB処理したもの(処理グルー プ)では、生存率は93%(14匹中13匹;p<0.05)まで著しく改善さ れた。処理グループ中の全生存動物では、10〜15分以内にSTセグメントの 上昇が基線に戻ることが示された。 非処理対照動物全てに心筋梗塞が見られたが、処理対照グループ(PDGFで 処理せずに血管移植したグループ)の8匹の生存動物中4匹には梗塞が見られな かった(p< 0.5)。対比的に、図9の棒グラフに見られるように、PDGF−BB処理し た生存動物13匹中11匹には梗塞が見られなかった(p<0.01、対照グル ープに対して)。図10の棒グラフに見られるように、非処理心臓及びビヒクル を注射した心臓のどちらと比較してもPDGF−BBを注射した心臓では梗塞の 平均域(左心室全体の百分率として)が著しく小さかった。各グループのウサギ 由来の左心室の代表的な病理学的断面図が図11に示されており、該図において 、非染色(白)領域は梗塞領域を表している。 図12Aに示されているように、処理対照グループの移植血管を介した微小血 管造影図は、心臓表面への開放血管を示しているが、冠状動脈の血行(矢印で示 されている心臓外血管肉茎)は充填されていない。対比的に、図12Bに示され ているように、PDGF−BBを注射した心臓(処理グループ)についてのLA D分布領域において冠状脈管構造が高度に充填されていた。組織学的分析により 、移植血管とLADとの間の連絡が確認された。 配列リスト (1)一般情報 (i) 出願人:ワシントン大学 (ii)発明の名称:復行循環の改善への血小板由来成長 因子の使用 (iii)配列数:5 (iv)連絡用住所: (A)宛て名人:Amgen Inc. (B)番地:1840 Dehavilland Dr. (C)市:Thousand Oaks (D)州:California (E)国:USA (F)郵便番号:91320-1789 (v)コンピューター解読形態: (A)メディアタイプ:ディスケット、3.5インチ、 DS,1.4MB (B)コンピューター:Apple,Macintosh (C)操作システム:Macintosh OS 7.0 (D)ソフトウエア:Microsoft Word Version 5.0 (vi)最近の出願データ: (A)出願番号:08/055,062 (B)出願日:29-APR-1993 (C)分類:不明 (2)配列番号1についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:34塩基 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の種類:他の核酸 (ix)配列の記載:配列番号1: (3)配列番号2についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:98塩基(上部鎖) (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の種類:他の核酸 (ix)配列の記載:配列番号2: (4)配列番号3についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基(下部鎖) (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の種類:他の核酸 (ix)配列の記載:配列番号3: (5)配列番号4についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:55塩基(上部鎖) (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の種類:他の核酸 (ix)配列の記載:配列番号4: (6)配列番号5についての情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:386塩基(上部鎖) (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の種類:他の核酸 (ix)配列の記載:配列番号5:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV ,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SI,SK,UA,US,U Z,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.直接循環の低下したヒトまたは動物被検者の組織への副行循環を、前記ヒト または動物被検者にPDGF群に属する成長因子を治療有効量で投与することに より改善する方法。 2.PDGF群に属する成長因子が血小板由来の成長因子であることを特徴とす る請求項1に記載の方法。 3.直接循環の低下した組織が心臓組織であることを特徴とする請求項2に記載 の方法。 4.直接循環の低下した組織が脳組織であることを特徴とする請求項2に記載の 方法。 5.直接循環の低下した組織が四肢に局在する組織であることを特徴とする請求 項2に記載の方法。 6.四肢が下肢であることを特徴とする請求項5に記載の方法。 7.直接循環の低下した組織が再建外科的処置で移植した組織であることを特徴 とする請求項2に記載の方法。 8.治療有効量のPDGFを所与の期間にわたって投与することを特徴とする請 求項2に記載の方法。 9.PDGFを徐放性賦形剤を介して投与することを特徴 とする請求項8に記載の方法。 10.徐放性賦形剤がコラーゲン賦形剤であることを特徴とする請求項9に記載 の方法。 11.治療有効量のPDGFをただ1回の適用で投与することを特徴とする請求 項2に記載の方法。 12.ヒトまたは動物被検者において分離血管を吻合させる方法であって、ヒト または動物被検者の前記血管の分離端部にかまたは該端部の周囲にPDGF群に 属する成長因子を治療有効量で投与することを含む方法。 13.PDGF群に属する成長因子が血小板由来の成長因子であることを特徴と する請求項12に記載の方法。 14.PDGFを前記血管の前記分離端部に直接投与することを特徴とする請求 項13に記載の方法。 15.PDGFを内視鏡を用いて投与することを特徴とする請求項14に記載の 方法。 16.バイパスを移植する方法であって、 分離血管の結紮端部を虚血症の危険の有る器官の組織に付着させ、 血管付着区域にかまたは該区域の周囲にPDGF群に属する成長因子を適用する ことを含む方法。 17.PDGF群に属する成長因子が血小板由来の成長因子であることを特徴と する請求項16に記載の方法。 18.器官が心臓であることを特徴とする請求項16に記載の方法。 19.PDGF群に属する成長因子が血小板由来の成長因子であることを特徴と する請求項18に記載の方法。 20.分離血管が内乳動脈であることを特徴とする請求項19に記載の方法。 21.PDGFを内視鏡を用いて適用することを特徴とする請求項19に記載の 方法。
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