JP2003519097A - 脈管形成因子の用量および心筋血流を改善するための投与方法 - Google Patents
脈管形成因子の用量および心筋血流を改善するための投与方法Info
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Abstract
Description
来増殖因子もしくは血管内皮増殖因子)、または脈管形成的に活性なそれらのフ
ラグメントまたはムテインの用量(超低用量を含む)に関し、ならびに改善され
た心筋血流を得るための用量の投与形態に関する。本発明はまた、脈管形成因子
の用量を含む薬学的組成物、ならびに心筋機能、血流、灌流および/または脈管
密度を改善するための、心臓、好ましくはヒト心臓への、その薬学的組成物の投
与方法に関する。本発明は有用である。なぜなら、開示された用量、その投与の
ための薬学的組成物および方法は、冠状動脈疾患(CAD)処置のための、外科
的処置に対する代替物または補助剤を提供し、そして/または、さらにヒトにお
ける心筋梗塞(MI)後の損傷を減少する方法を提供するからである。最後に、
本発明は、投与された脈管形成因子が、標的組織に対する治療効果を有するか否
かを、代わりのマーカーについてアッセイすることによって決定するための方法
を含む。
り、1以上の冠状動脈は、プラークの蓄積を通じて次第に閉鎖する。この疾患を
有する患者の冠状動脈は、しばしば、バルーン血管形成脈管形成術またはステン
トの挿入によって処置され、部分的に閉鎖した動脈を開ける。最後には、これら
の患者は、非常に高額で危険な冠状動脈バイパス手術を受けることを必要とされ
る。このような患者に、冠状血流を高める処置を提供し、バイパス手術または血
管形成脈管形成術を受ける必要生を無くすることは望ましい。
る場合である。ここで1以上の冠状動脈または小動脈は、凝塊などによって、完
全に閉じる。閉じた動脈または小動脈によってなされる心筋層の部分への循環を
回復するための即時の必要性が存在する。失われた冠状の循環が梗塞形成の数時
間内に回復される場合、閉塞から生じる心筋層への損傷のほとんどは、予防され
得る。凝塊溶解剤(例えば、組織プラスミノゲン活性化剤(tPA)、ストレプ
トキナーゼ、およびウロキナーゼ)は、この状況に有用であることが証明されて
いる。しかし、凝塊溶解剤に対する補助剤として、それはまた、損傷したかまた
は閉塞した心筋層に、新脈管形成によって、副行循環を得るために望ましい。
の箇所(特に、検出されない腫瘍)での新脈管形成を誘導する危険性を最小化す
る、新脈管形成を必要とするヒト心臓への、脈管形成因子の用量およびその投与
形態を、提供することである。より具体的には、本発明のさらなる目的は、心新
脈管形成の所望の特性(例えば、冠状動脈疾患および/または急性心筋梗塞の処
置の間)を提供するが、体内の他の箇所で生じる有害な脈管形成効果の可能性を
最小化する、ヒト患者への脈管形成因子の治療用量およびその投与形態を提供す
ることである。
−A(VEGF−A)、トランスホーミング増殖因子β1(TGF−β1)およ
び線維芽細胞増殖因子が挙げられる。線維芽細胞増殖因子(FGF)は、少なく
とも18の構造学的に関連したポリペプチドのファミリー(FGF−1〜FGF
−18と呼ばれる)であり、プロテオグリカン(例えば、ヘパリン)に対しての
高程度の親和性によって特徴付けられる。種々のFGF分子は、15〜23kD
のサイズに及び、そして以下を含む正常および悪性条件における広範囲の生物学
的活性を示す:神経細胞接着および分化[Schubertら、J.Cell
Biol.104:635−643(1987)];創傷治癒[米国特許第5,
439,818号(Fiddes)];多くの中胚葉細胞型および外胚葉細胞型
に関するマイトジェンとして、栄養因子として、分化誘導因子または分化阻害因
子のとして[Clementsら、Oncogene 8:1311−1316
(1993)];ならびに、脈管形成因子として[Harada,J.Clin
.Invest.,94:623−630(1994)]。従って、FGFファ
ミリーは、多能性増殖因子のファミリーであり、異なる範囲の線維芽細胞、平滑
筋細胞、内皮細胞および神経細胞を刺激する。
生時または創傷治癒字)によって放出される場合、時間的かつ空間的な制御が問
題である。しかし、多くの脈管形成因子はまた、発癌遺伝子である。従って、時
間的かつ空間的制御の非存在下で、それらは、新脈管形成を提供することによっ
て腫瘍増殖を刺激する潜在能力を有する。従って、任意の脈管形成因子が、ヒト
被験体において医薬として使用される前、検出されない腫瘍に対する、その脈管
形成効果を最小にすることが考慮されなくてはならない。結果として、本発明の
目的は、標的組織において局在化された新脈管形成を提供するが、体内の他の箇
所での検出されない腫瘍における新脈管形成の増加する危険性を最小化する、脈
管形成因子の用量およびその投与形態を提供することである。
離され、そして心筋虚血の種々の動物モデルに投与され、異なる結果およびしば
しば反対の結果を有している。Batterらに従って、「心筋虚血のイヌモデ
ルは、その関連する少数の天然の副行循環およびヒト冠動脈循環に対する類似に
おいて「勝る」ブタモデルに対するように、天然に存在する副行循環のために非
難される」。Battlerら、「Intracoronary Inject
ion of Basic Fibroblast Growth Facto
r Enhances Angiogenesis in Infarcted
Swine Myocardium」JACC,22(7):2001−6(
1993年12月)第2002ページ、第1欄。従って、当業者は、ブタ心臓が
ヒト心臓に類似する点で最も勝るモデルであることを認識した。さらに、Bat
tlerは、「bFGF(すなわちブタFGF−2)の投与の用量および形態は
、達成された生物学的効果に対して意味深い関係であり得る」ことを指摘する。
Battlerら、第2005頁、第1欄。従って、ヒト患者におけるCADお
よび/またはMI後の傷害の処置の完全性および効果を提供する、脈管形成因子
の用量および投与形態を提供することが、本発明のさらなる目的である。さらに
一般には、ヒト心臓において新脈管形成を誘導する一方で、身体の他の部位にお
ける新脈管形成の危険性を最小化する、投与のための薬学的組成物および方法を
提供することが、本発明の目的である。
囲の脈管形成因子の投与される用量を有する。例えば、Yanagisawa−
Miwaら、「Salvage of Infarcted Myocardi
um by Angiogenesic Action of Basic F
ibroblast Growth Factor」,Science,257
:1401−1403(1992)は、10mlの生理食塩水中の10μg用量
のヒト組換え塩基性FGF(hr−FGF−2)を、隣接する左上行冠状動脈(
LAD)内に血栓を挿入することにより心筋梗塞を誘導した後のイヌの左回旋冠
状動脈(LCX)に、1分間にわたって2度注入する工程を開示する。Yana
gisawa−Miwaは、さらに、このイヌモデルにおける総量20μgのh
r−FGF−2冠状内投与の結果として、「脈管形成がbFGFの投与1週間後
以内に生じた」ことを開示する。Yanagisawa−Miwa、1403頁
。Banaiら、「Angiogenic−Induced Enhancem
ent of Collateral Blood Flow to Isch
emic Myocardium by Vascular Endothel
ial Growth Factor in Dogs」,Circulati
on、89(5):2183−2189(1994年5月)は、イヌの遠位左回
旋動脈(LCx)に1日あたり45μgのヒト組換えVEGFを1週間あたり5
日間、4週間にわたって、投与することによって、冠状新脈管形成を首尾よく誘
導する工程(すなわち、副行血流における40%増加および心筋内に分布する脈
管の実数的密度における89%増加)を開示する。このイヌの近位LCxは、ア
メネロイド(ameroid)圧縮器(constrictor)を有する第一
の開放枝の前に圧縮され、ここで、取り巻くアネロイドの遠位に水圧バルーン閉
塞器(occluder)を直ちに設置した。同様の研究において、Unger
ら、「Basic fibroblast growth factor en
hances myocardial collateral flow in
a canine model」、Am.J.Physiol.266(He
art Circ.Physiol.35):H1588−H1595(199
4)は、イヌの遠位左回旋動脈(LCx)に110μgのヒト組換え塩基性FG
F(155残基形態)の毎日のポーラスを9日間にわたって、投与することによ
って、副行血流を増加する工程(すなわち、処置群および未処置群におけるそれ
ぞれ0.49および0.35の、最終の副行ゾーン対正常ゾーン(CZ/NZ)
の血流比)を開示する。このイヌの近位LCxは、アネロイド圧縮器を有する第
一の開放枝の前に圧縮され、ここで、取り巻くアネロイドの遠位に水圧バルーン
閉塞器を直ちに設置した。しかし、上記の研究において、Ungerは、新脈管
形成を誘導した方法または用量を示し得なかった。副行血流に基づく任意の評価
がより困難であること示すために、Ungerはまた、塩基性FGFの投与が急
性の血管拡張性効果、血圧の減少、および副行血流の増加を生じることを開示す
る。Unger(1994)H1590頁、第2欄およびH1592頁、第2欄
。
rventions to improve collateral bloo
d flow:continuous administration of
agents into the left coronary artery
in dogs」Cardiovascular Res.27:785−7
91(1993)において、Ungerは、アネロイド圧縮器での4週間にわた
る動脈の圧縮後の動脈の二重連結および連結したLCxの近位株(stub)内
へのFGF−1の注入のためのカテーテルの挿入の後に、イヌの左回旋動脈(L
Cx)の近位端への、30 IU/hrのヘパリンの存在下での30μg/hr
の組換え酸性FGF(すなわち、FGF−1)の4週間にわたる連続注入を開示
する。Unger(1993)第785頁。にもかかわらず、総蓄積量10mg
の酸性FGFを、それぞれのイヌの冠状動脈内に注入した。Ungerは、「酸
性FGFは...副行血流に例示的な効果を有さなかった」、Unger(19
93)第785頁(要約)、および第790頁に、このモデルを報告した。
tor Improves Myocardial Function in
Chronically Ischemic Porcine Hearts」
、J.Clin.Invest.94:623−630(1994年8月)は、
1カプセル当たり1μgの塩基性FGFを有する4〜5カプセルの形態での8μ
gの塩基性FGFの膣外(膣外周囲)投与による、ヨークシャーブタにおける緩
やかな冠状閉塞モデルでの冠状血流の増加および梗塞サイズの減少を開示する。
これは、近位左前室間動脈(LAD)ならびに第1の開放枝(first ta
keoff branch)の前で左回旋動脈(LCx)の近位端に設置された
アネロイド圧縮器の近位および遠位の両方に位置する。Haradaの実験が表
す目的が「新脈管形成を刺激することによって慢性心筋梗塞を緩和すること」(
Harada、第628頁)であるにもかかわらず、Haradaは、新脈管形
成を示し得なかった。さらに、Haradaは、「bFGFの最適用量および投
与経路の長さ」は明白ではないと結論付けた。Harada、第629頁。これ
とは別に、Landauら「Interpericardial basic
fibroblast growth factor induces myo
cardial angiogenesis in a rabbit mod
el of chronic ischemia」、Am.Heart Jou
rnal、129:924−931(1995)は、1日当たり180ngのヒ
ト組換え塩基性FGF(154残基)を2.0〜4.3kgのウサギの心嚢周囲
空間に7〜28日間にわたって投与することが、新たな心外膜の小脈管増殖を増
加すること、ならびに、この効果は左心室肥大によって増加されることを開示す
る。Landauにおいて使用される塩基性FGFの用量は、サイズが70kg
の男性の場合、1日当たり2.9μgで7〜28日間、または総用量の塩基性F
GFが20.3μg〜81.2μgに対応する。Lopezら「Angioge
nic potential of perivascularly deli
vered aFGF in a porcine model of chr
onic myocardial ischemia」、Am.J.Physi
ol.274(Heart Circ.Physiol.43):H930−H
936(1998)は、ヨークシャーブタにおける、14μgの組換えヒトaF
GFムテイン(すなわち、aFGFのSer−117がSerからCysに置換
される)の脈管周囲送達による、心筋血流および完全な左心室機能の改善を開示
する。このムテインは、近位左回旋動脈にわたる縫合で確保される酢酸エチレン
ビニル(EVA)ポリマーのポーラスにおいて広く分布される。Lopezは、
脈管周囲に送達されたaFGFが、動物での心臓の妥協(compromise
d)領域における「休止期」および「迅速な調子の間」の両方での血流を改善し
たことを報告する。Lopez、H934頁、第2欄。しかし、Lopezは、
例えば、「血管拡張」または「脈管循環における改善」といった他の可能な原因
(source)を列挙して、増加した血流を新脈管形成に直接帰し得なかった
。
rancoにより出願)は、梗塞形成の直後の1回の処置として、100gの心
臓組織当たり10mg〜1gの純度90%のウシFGF(下垂体抽出物)を投与
することによる、患者における心筋梗塞の処置の方法を開示する。Franco
に従って、「100グラムの心臓当たり少なくとも10μgを使用して所望の効
果を達成する」。Franco、第1欄、62〜64行目。Francoは、F
GFが種々の形態(心臓への直接投与、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射およ
び経口摂取を含む)によって心臓に投与されることを開示する。Franco、
第2欄、63〜69行目。Francoはまた、その方法が梗塞のサイズ(創傷
領域または永続的損傷の領域)を標準におけるサイズの4分の1へ減少し得るこ
とを開示する。Franco、表III。Francoに従って、FGFの機能
は、「心筋梗塞の後の持続的期間にわたって血流を増加する」ことである。Fr
anco、第1欄、42〜43行目。しかし、任意のFGF投与の急性の効果は
、冠状血流を本質的に増加する血管拡張である。Francoは、100gの心
臓当たり10μg〜1gのFGFでの処置のような結果として、組織学的研究は
「心臓における毛管領域での顕著な増加を何ら示さない」ことを明確に開示する
。Franco、第4欄13〜17行目。さらに、Francoは、このような
大用量のFGFの投与が身体での任意の未発見の腫瘍における新脈管形成効果を
有するか否かの論点を示さなかった。
な量で、患者に対して新脈管形成因子の用量、および新脈管形成因子の1以上の
用量を投与する方法を提供することが、本発明の目的である。標的部位での新脈
管形成を誘導する一方、身体での他の所望されない部位で新脈管形成を誘導する
危険性を減少する治療効果を提供する脈管形成因子を送達する用量および方法を
提供することが、本願のさらなる目的である。
にその全体が本明細書中に援用される。
成因子が、休止する局所の灌流での増加、局所心機能における改善、および増加
した血管分布によって反映されるような治療的応答を有する心筋層の部分を提供
したことを予期せず見出した。特に、出願人は、単一の注射としてかまたは必要
な領域における一連の注射として心筋層に直接投与された場合、単位用量(すな
わち、約5ng/用量〜135,000ng未満/用量)の新脈管形成因子が、
投与の領域における心筋層での冠状新脈管形成を誘導するが、身体でのほかの領
域において十分に希釈して新脈管形成誘導の任意の危険性を最小化することを見
出した。本発明の新脈管形成因子の単位用量が一連の注射として投与される場合
、この一連の注射は、同一日での単一の手順としてかまたは必要とされる連続す
る日数もしくは交互の日数での一連の注射として投与される。しかし、投与され
る新脈管形成因子の累積の用量は、代表的には、約5ng〜135,000ng
(135μg)未満、より代表的は5ng〜67,500ng(67.5μg)
である。従って、1つの局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア
中に約5ng〜135,000ng未満(好ましくは、5ng〜67,500n
g)の新脈管形成因子を含む、単位用量の薬学的組成物(「薬学的組成物」)に
関する。別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア中に約5n
g〜135,000ng未満(好ましくは、5ng〜67,500ng)の新脈
管形成因子を含む、単位用量の薬学的組成物(「単位用量の組成物」)に関する
。
大させるか、または心臓機能を高めるか、または血管密度を増大させるような処
置の必要がある患者の、血管新生を誘導するための方法、または局所的灌流を増
大させるための方法、または心臓機能を高めるための方法、または血管密度を増
大させるための方法に関し、この方法は、それぞれ、このような血管新生、また
は局所的灌流の増大、または心臓機能の高まり、または心筋層における血管密度
の増大の必要がある心筋層の領域に単位投薬量の血管新生因子を、単一の注射と
してまたは一連の注射として直接注射する工程を包含する。単位投薬量を注射す
る工程が、単一の注射として、または好ましくは、同じ日に一連の注射として行
われることもまた上記の方法の範囲内である。上記の方法を単一の注射または一
連の注射を用いて行うか否かによらず、注射の間に1以上の注射の間に血管新生
が必要な心筋層の領域へと注射される蓄積量の血管新生因子は、約5ng〜13
5,000ng(135μg)未満である。
因子として表現することもまた適切である。このように表現する場合、本発明に
よる心筋内(IMc)注射のための血管新生因子の用量は、患者の重量1kgあ
たり(本明細書中以下、「μg/kg」)約0.06μg血管新生因子〜約10
.0μg血管新生因子の範囲にわたる。より代表的には、血管新生因子の用量は
、0.06μg/kg〜6.0μg/kgの範囲にわたる。しかし、血管新生因
子は、本発明の方法において患者の心筋層に直接注射されるので、患者の体重に
関連した投薬量に対する代表的な希釈効果は最少であり、同じ量の血管新生因子
の全身投与または心臓内(intracoronory)投与と比較した場合に
特に最少である。
y vascularity)を増加させることが所望される2つの疾患は、冠
動脈疾患(CAD)および心筋梗塞(MI)である。従って、別の局面では、本
発明はまた、冠動脈疾患(CAD)についての患者を処置するための方法に関し
、この方法は、単位投薬量の血管新生因子を、CADの症状を発現する心筋層の
部分に単一の注射としてまたは一連の注射として直接注射する工程を包含し、単
位投薬量は、血管新生を誘導するため、または局所的灌流を増大させるため、ま
たはピーク負荷でのDSEによる心筋機能を高めるため、または上記症状を発現
する心筋層の領域における血管分布を増大させるために有効である量の血管新生
因子(約5ng〜135,000ng未満)を含む。別の局面では、本発明は、
心筋梗塞(MI)についての患者を処置するための方法に関し、この方法は、単
位投薬量の血管新生因子を、上記MIの結果として冠状動脈不全の症状を発現す
る心筋層の領域に単一の注射としてまたは一連の注射として直接注射する工程を
包含する。上記の方法では、上記心筋梗塞を処置する際に有効である単位用量の
血管新生因子は、約5ng〜135,000ng未満の血管新生因子/単位用量
であり、より代表的には5ng〜67,500ngの血管新生因子/単位用量で
ある。
子を注射する工程が、必要に応じて、連続した日に、または1日おきに、または
毎週、または毎月、行われるかまたは反復されることは本発明の範囲内である。
上記の方法が反復されるか否かにかかわらず、任意の単一の介入の間に血管新生
の必要な心筋層の領域に注射される蓄積量の血管新生因子は、約5ng〜135
,000ng未満の上記血管新生因子である。
因子は、以下からなる群より選択される:血小板由来増殖因子(PDGF)、血
管内皮増殖因子(VEGF−A)、VEGF−B、VEGF−D、トランスフォ
ーミング増殖因子−β(TGF−β1)、線維芽細胞増殖因子(FGF)または
それらの血管新生的に活性なフラグメントもしくはムテイン。好ましくは、血管
新生因子は、VEGF−A、VEGF−D、FGFまたはそれらの血管新生的に
活性なフラグメントもしくはムテインである。より好ましくは、血管新生因子は
、FGF(例えば、FGF−1、FGF−2またはFGF−5)またはそれらの
血管新生的に活性なフラグメントもしくはムテインである。最も好ましくは、血
管新生因子は、FGF−2、またはその血管新生的に活性なフラグメントもしく
はムテインである。
に、0.06μg/kg(1,350ngの総用量)の組換えウシFGF−2(
配列番号2)という単一単位用量が注射によって、左回旋冠動脈の90%閉塞を
有する(すなわち、冬眠心筋のモデルを提供する)ミニブタ(miniswin
e)の心筋層に直接投与された場合、冬眠心筋組織における安静時平均血流(M
BF)、壁運動スコア指数(WMSI)、血管灌流、心筋機能および血管密度の
改善が見られ、この改善は、6ヶ月間という長期の測定期間の間、継続した。例
として、安静時MBFは、64±0.04%の非虚血性中隔流(septal
flow)というベースラインから、処置後1ヵ月に71±0.05%(ベース
ラインに対してp<0.05)へと増大し、そして処置後3ヵ月に76±0.0
6(ベースラインに対してp<0.05)へと増大した。処置後6ヵ月に、安静
時MBFは、ベースラインでの非虚血性中隔流の61.3±4.4%から、82
.8±3.1%へと増大した。収縮性予備力の尺度として受け入れられている別
の試験では、(LCxの90%狭窄後)LCx領域について安静時に測定された
壁の運動スコア指数(WMSI)は、2.4±0.2から処置後6ヶ月に2.2
±0.2(ベースラインに対してp=0.08)へと改善された。同様に、LC
x領域(LCxの90%狭窄後)についてのピーク負荷で測定された壁運動スコ
ア指数(WMSI)は有意に改善され、処置後6ヵ月で2.2±0.4から1.
8±0.3へと減少した(ベースラインに対してp=0.05)。壁運動スコア
指数におけるこれらの減少は、虚血における減少と一致する。対照的に、血管新
生因子についてのビヒクルで処置された患者(ミニブタ)は、処置後6ヶ月の期
間の間のどの時点でも、安静時MBFにおいて有意な変化を示さず、そしてそれ
らの安静時WMSIにおいても負荷WMSIにおいても有意な変化を示さなかっ
た。
.06μg/kg、すなわち、1.35μg)の心筋内(IMc)注射後、正規
化された灌流(これは、灌流における変化の%として報告される)は、生理食塩
水についてのそれぞれ、3ヶ月および6ヶ月での6%および13%の増加と比較
して、それぞれ、3ヶ月および6ヶ月で、18%から38%へと測定期間を通し
て増加し続けた。図4を参照のこと。本発明の単位用量の3つの異なる実施形態
(すなわち、0.06μg/kg(1.35μg)のrFGF−2(配列番号2
)を含有する単位用量(「低」用量);0.6μg/kg(13.5μg)のr
FGF−2(配列番号2)を含有する単位用量(「中」用量);6.0μg/k
g(135μg)のrFGF−2(配列番号2)を含有する単位用量(「高」用
量))を、冬眠心筋層(LCxの90%閉塞)のブタモデルにIMc注射し、そ
してアメロイド(ameroid)モデル(LCxの100%閉塞)における「
中」用量の冠状動脈内(intracoronary)(IC)注射に対して比
較した場合、全てのIMc注射は、3ヶ月で、IC注射によって生成された灌流
よりも優れた、正規化された灌流を生じた。図7および図8。驚くべきことに、
中用量は、投与後3ヶ月で、低用量または高用量のいずれによって生成される灌
流よりも10%大きな正規化された灌流を生じた。図7。
)によって測定した場合、心筋機能は、本発明の3つの異なる単位用量(低い、
中程度および高い)の各々の、冬眠心筋のブタモデルへの注射後3ヶ月および6
ヶ月で、アメロイドブタモデルにおけるプラシーボの注射および「中」用量のI
C注射と比較して、心筋機能(より少ない数)において統計的に有意な増加を示
した。図5および図11を参照のこと。冬眠心筋層のブタモデルへの単一単位用
量のFGF−2(1.35μg)のIMc注射は、生理学的食塩水で処置した心
筋層の同じ一定の容量における毛細血管の数(17,000)に対する、FGF
−2処置した虚血性心筋層の一定の容量における毛細血管の数(44,000)
によって測定した場合、投与後6ヵ月に処置した冬眠心筋層の血管分布における
統計的に有意な(p<0.05)増加を生じた。図6を参照のこと。
の心筋組織のウェスタンブロット分析は、VEGF(VEGF165として測定さ
れる)およびFGF−2の有意なアップレギュレーションが存在することを示し
、これは、ビヒクル単独で処置した領域に対して、観察期間の最後(すなわち、
注射後3ヶ月)でさえも検出可能であった。図10を参照のこと。驚くべきこと
に、FGF−2で処置した虚血性細胞は、統計的に有意な量のVEGFおよびF
GF−2の両方を処置後3ヶ月で産生した。より驚くべきことに、最大濃度(2
90pg/mlよりも高い)の細胞内FGF−2が、「中」用量(0.6μg/
kg、すなわち、13.5μg)の配列番号2のFGF−2のIMcで3ヶ月前
に処置された虚血性心筋組織において観察された。図10を参照のこと。対照的
に、「高」用量(6.0μg/kg、すなわち、135μg)のFGF−2は、
匹敵する細胞内濃度のVEGF(約100pg/ml)を提供するとはいえ、約
165pg/mlである濃度の細胞内FGF−2しか提供しなかった。図10を
参照のこと。従って、「中」用量のFGF−2は、IMc投与された場合に、処
置された虚血性心筋細胞が内因性VEGFおよび内因性FGF−2を産生するこ
とを処置後3ヶ月にわたって刺激するだけでなく、これらの細胞が、「高」用量
で処置された細胞によって産生される濃度のほぼ2倍の濃度のFGF−2を産生
することをも刺激する。本明細書中に提供されるこのデータおよび他のデータを
考慮して、本発明者らは、予想外に優れた量の細胞内FGF−2の産生が、約0
.3μg/kg(または6.75μg)〜約3.0μg/kg(または67.5
μg)の範囲にわたる用量のFGF−2のIMc注射によって刺激されると予測
する。(6ヶ月でのデータは、まだ利用可能でない。)VEGFおよびFGF−
2の両方の存在は、灌流、心筋機能および血管透過性において増大を引き起こす
機構を示唆する。従って、別の局面では、本発明は、虚血性心筋組織におけるV
EGFおよびFGF−2の細胞内濃度を増大させるための方法に関し、この方法
は、虚血性心筋組織に、単位用量の血管新生因子を注射する工程を包含する。好
ましくは、血管新生因子はFGFであり;より好ましくは、FGF−2である。
した場合、心臓機能を改善することが見出された。特に、ピーク負荷正規化局所
機能スコアにおける変化の%は、IMc投与された群について処置後3ヶ月およ
び6ヵ月後に減少する(このことは、改善された心臓機能を示す)ことが見出さ
れ、そしてIC群およびプラシーボ群について増大する(このことは、機能の減
少を示す)ことが見出された。図11。さらに、正規化された機能スコアにおけ
る最大の減少は驚くべきことに、「低」用量群で生じ、そしてさらにより驚くべ
きことに、減少しつづける機能スコアによって、局所的心筋機能は、低用量での
処置後6ヶ月まで改善され続けることが示された。図11。
基性FGF(bFGFまたはFGF−2)、およびVEGF)は、グリコサミノ
グリカン(glycosoaminoglycan)結合タンパク質である。グ
リコサミノグリカン(「プロテオグリカン」または「ムコ多糖」としても公知)
の存在は、血管新生活性およびこれらの血管新生因子のAUCを最適化する。結
果として、単位投薬量のFGF−1、FGF−2、VEGF−A、VEGF−B
、VEGF−Dまたはそれらの血管新生フラグメントおよびムテインは、必要に
応じて、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン)のIV投与の20分間以内
に投与される。しかし、本発明者らの経験では、アミノグリカンの存在は、単位
用量の血管新生因子(例えば、FGF−2)が本発明の方法に従ってIMc投与
された場合、効力のためには必要ではなかった。 (発明の詳細な説明) 本発明は、冠状動脈疾患(CAD)の症状を示す患者のヒト臨床試験および2つ
の冠状不全のブタモデルにおいて種々の型で組換え脈管形成剤脈管形成因子投与
することによって生成される効果の比較試験に基づく。ブタの心臓は、ヒトの心
臓と特に関連した型であると考えられている。なぜなら、ヒト冠状循環およびそ
の天然の側枝循環が少ないことが似ているからである。Battlerら「In
tracoronary Injection of Basic Fibro
blast Growth Factor Enhances Angioge
nesis in Infarcted Swine Myocardium」
JACC、22(7):2001−6(1993年12月)2002頁、col
.1を参照のこと(「心筋虚血のイヌモデルは、ブタモデルとは対立して天然に
存在する側枝循環の豊富さに起因して批判され、このブタモデルは、その相対的
に少ない天然の冠状循環およびヒト冠状循環に対するその類似さにおいて「優れ
て」いる。」)。使用される1つの動物モデルは、冬眠する心筋のブタモデルで
ある。このモデルは、左の回旋状冠状動脈(LCx)の近位末端上に水圧閉塞器
(occluder)を外科的に配置することによって作製された。閉塞部に対
して遠位に、90%で閉塞を維持するために閉塞を連続的にモニターする包埋さ
れた流体プローブが配置される。冬眠心臓モデルは、冠状動脈疾患に特に関連し
たモデルである。心筋は、健康、冬眠または死として分類することができた。死
組織は、死んでいないが損傷しており、収縮せず、そして例え適切に血を供給さ
れてももはや収縮し得ない組織である。冬眠組織は、収縮していない筋組織であ
るが、血を適切に供給されると収縮可能である組織である。健康な心臓組織は、
強い排出と共同する強い電気的シグナルによって同定される。「死んだ心臓組織
または疾患の心臓組織は、機能不全の排出(すなわち、健康な組織のものと反対
の方向の排出)と共同する弱い電気的シグナルによって同定される。虚血心臓組
織、または冬眠もしくは気絶の心臓組織は、欠陥した排出と共同する強い電気シ
グナルによって同定される」。米国特許第5,897,529号(Ponzi)
(これは、1999年4月27日発行)を参照のこと。冬眠組織の診断は、重要
である。なぜなら、一旦閉塞が取り除かれると、正常な機能の迅速な回復が存在
すると広く考えられているからである。米国特許第5,743,266(Lev
ene)(1998年4月28日発行)を参照のこと。従って、心筋の冬眠モデ
ルは、冠状動脈疾患(CAD)および/または慢性狭心症(ここで、1つ以上の
冠状血管は、部分的に閉塞されている)を有するヒト患者に起こることに類似し
ている。 ブタアメロイド(ameroid)モデルにおいて、アメロイド括約筋(これは
、その内部表面に吸湿性物質を有するドーナツ様のバンドまたはリングである)
が、ブタのLCxの近位末端の周辺に配置される。この吸湿性物質は、徐々に膨
張し、そして10日間〜3週間に動脈の100%の閉塞をもたらす。冬眠モデル
(ここで、閉塞の割合は、水圧的に制御可能であり、一貫しそして確実性である
)とは異なり、アメロイドモデルは、一貫した制御を欠く。同様に、アメロイド
モデルにおける完全な閉塞は、梗塞および広範で自発的な側枝形成を導き、これ
は、正常に戻るための残りの状態に厄介な(mean)血流を引き起こし、特定
の量の側枝形成が外因性に投与される脈管形成剤脈管形成因子に帰すことをより
困難にする。従って、アメロイドモデルは、冬眠心筋モデルのようなストリンジ
ェントなモデルではない。さらに、アメロイドモデルによって提供される100
%の閉塞は、このアメロイドモデルを心筋梗塞により類似させ、ここで、1つ以
上の冠状動脈の100%閉塞が存在する。
、約5ng/用量から135,000ng/用量未満)(すなわち、単位用量)
は、単一注射としてかまたは連続注射として心筋の虚血領域に直接投与される場
合、投与領域の心筋において冠状脈管形成を誘導するが体内のいずれかで十分に
希釈されて脈管形成を誘導することのいずれの危険性も最小化するようになると
いうことを発見した。より代表的には、患者の心筋に投与される累積的な脈管形
成剤脈管形成因子の量は、5ng〜67,500ngの脈管形成剤脈管形成因子
である。従って、1つの局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア
中に約5ngから135,000ng未満(好ましくは、5ng〜67,500
ng)の脈管形成剤脈管形成因子を含む単位用量の薬学的組成物(「単位用量」
)に関する。
冠状循環において側枝として作用する毛細血管から細動脈の範囲のサイズである
新規血管の形成を意味する。本発明において、脈管形成は、心筋灌流における変
化を評価する当該分野で受け入れられている1つ以上の指標、ドルブタミンドブ
タミン(dolbutamine)ストレス超音波心臓検査図によって測定され
る機能、および毛細血管密度を用いて測定される。 本明細書中に使用される場合、用語「脈管形成剤脈管形成因子」は、以下:PD
GF、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−D、TGF−β1、FGFから
なる群から選択されるメンバー、またはこれらの脈管形成的に活性なムテインも
しくはフラグメントを意味する。好ましくは、脈管形成剤脈管形成因子は、VE
GF−A、VEGF−DもしくはFGFまたはこれらの脈管形成的に活性なフラ
グメントもしくはムテインである。より好ましくは、脈管形成剤脈管形成因子は
FGFである。最も好ましくは、脈管形成剤脈管形成因子はFGF−2またはそ
の脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインである。 句「脈管形成的に活性なフラグメント」は、誘導される親分子の脈管形成活性の
少なくとも80%を示す、タンパク質またはポリペプチドのフラグメントの脈管
形成剤脈管形成因子を意味する。 句「脈管形成的に活性なムテイン」は、本明細書中に使用される場合、以下:1
2のgapオープンペナルティ、および1のgap伸長ペナルティ、の検索パラ
メーターを用いるアフィンgap検索を使用するMSPRCHプログラム(Ox
ford Molecular)で実行されるように、Smith−Water
manホモロジー検索アルゴリズム(Meth.Mol.Biol.70:17
3−187(1997))によって決定される場合に、以下:PDGF、VEG
F−A、VEGF−B、VEGF−D、TGF−β1、およびFGFからなる群
から選択される任意の天然に存在する脈管形成剤脈管形成因子に対して65%の
配列同一性(ホモロジー)を有し、そして少なくとも65%の配列同一性を有す
る天然に存在する脈管形成剤脈管形成因子の脈管形成活性の少なくとも80%を
保持する、単離および精製された、組換えタンパク質または組換えポリペプチド
を意味する。好ましくは、脈管形成的に活性なムテインは、天然に存在する脈管
形成剤脈管形成因子に対して、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも8
5%、そして最も好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有する。周知であ
りホモロジー/同一性スキャンのアルゴリズムプログラムを慣用的に使用される
他のものとしては、PearsonおよびLipman、PNAS USA、8
5:2444−2448(1988);LipmanおよびPearson、S
cience、222:1435(1985);Devereauxら、Nuc
.Acids Res.、12:387−395(1984);またはAlts
chulら、Mol.Biol.、215:403−410(1990)のBL
ASTP、BLASTNもしくはBLASTXアルゴリズムが挙げられる。これ
らのアルゴリズムを用いるコンピューター化されたプログラムがまた利用可能で
あり、そして以下が挙げられるがこれらに限定されない:GAP、BESTFI
T、BLAST、FASTAおよびTFASTA(これらは、Genetics
Computing Group(GCG)パッケージ、第8版、Madis
on WI,USAから市販される);およびIntellegenetics
,Mountain View CAによるPC/Geneプログラム中のCL
USTAL。好ましくは、配列同一性の割合は、プログラムによって決定される
デフォルトパラメーターを用いることによって決定される。 句「配列同一性」は、本明細書中に使用される場合、特定化されたムテインのア
ミノ酸配列の連続セグメントが天然に存在する脈管形成剤脈管形成因子のアミノ
酸配列と整列されて比較される際に、そのムテイン配列内で同様に配置されたこ
とが見出される同じアミノ酸の割合をいうことが意図される。 ムテイン中のアミノ酸配列同一性の割合を考慮する場合、同じアミノ酸残基の位
置は、保存的アミノ酸置換(これは、タンパク質またはタンパク質機能の特性に
影響を与えない)の結果として参照タンパク質とは異なり得る。これらの場合、
配列同一性の割合は、保存的置換されたアミノ酸において類似性を取るために上
へ調節され得る。このような調節は、当該分野で周知である。例えば、Meye
rsおよびMiller「Computer Applic.Bio.Sci.
、4:11−17(1988)を参照のこと。
るために、当該分野で公知であり、そして/またはGilmanら、Gene、
8:81(1979)もしくはRobertsら、Nature、328:73
1(1987)に教示されるような、部位指向型変異誘発に関する標準的な技術
を使用する。1つの部位指向型変異誘発技術を用いて、1つ以上の点変異が、1
つ以上の保存的アミノ酸置換または内部欠失を導入する。保存的アミノ酸置換は
、通常の電荷、疎水性/親水性、および/または置換されるアミノ酸の立体的容
積を保存する置換である。例として、以下の群の間の置換は保存的である:Gl
y/Ala、Val/Ile/Leu、Lys/Arg、Asn/Gln、Gl
u/Asp、Ser/Cys/Thr、およびPhe/Trp/Tyr。天然に
存在する脈管形成剤脈管形成因子の配列由来の有意(35%まで)なバリエーシ
ョンは生じるタンパク質またはポリペプチドが上記に特定される制限内の脈管形
成活性を保持する限り、許容される。 システイン枯渇ムテインは、本発明の範囲内のムテインである。これらのムテイ
ンは、上記のような部位指向型変異誘発を用いてか、または米国特許第4,95
9,314号(「’314特許」)、題名「Cysteine−Deplete
d Muteins of Biologically Active Pro
teins」に記載される方法に従って、構築される。この‘314特許は、生
物学的活性および置換の効果を決定する方法を開示する。システイン枯渇は、ジ
スルフィド形成に関与しない2つ以上のシステインを有するタンパク質において
有用である。 本発明の薬学的組成物および単位用量中の脈管形成剤脈管形成因子のうちの1つ
は、PDGFである。PDGFは、3つの三量体で脈管形成的に活性なタンパク
(PDGF−AA、PGDF−ABおよびPGDF−BB)のファミリーであり
、ここで、別々の遺伝子は、それぞれ、A鎖およびB鎖をコードする。PDGF
レセプターα型(PDGFR−α)は、PDF二量体のA鎖またはB鎖の両方を
高い親和性で結合し、一方、PDGFレセプターβ型(PDGF−β)は、B鎖
のみを結合する。全てのPDGFは、インビボにおいて脈管形成的に活性である
。Carmelietら、「Vascular development an
d disorders:Molecular analysis and p
athogenic insights」Kidney Internatl.
、53:1519−1549(1998);Risauら「Platelet−
derived growth factor is angiogenic
in vivo」Growth Factors、7:261−266(199
2);Martinsら「The role of PDGF−BB on t
he development of the collateral cir
culation after acute arterial occlus
ion」10:299−306(1994);ならびにBrownら「Plat
elet−derived growth factor BB induce
s functional vascular anastomoses in
vivo」PNAS USA、92:5920−5924(1995)(これ
らは、本明細書中にその全体が参考として本明細書中によって援用される)を参
照のこと。前または後のいずれかに本明細書中に引用される全ての他の参考文献
は、その全体が本明細書中に参考として明確に援用される。211アミノ酸残基
のヒトPDGF A鎖前駆体のDNA配列およびアミノ酸配列は、当該分野で公
知である。Hedlinらに対する米国特許第5,219,759号、題名「R
ecombinant DNA Encoding PDGF A−chain
Polypeptide and Expression Vectors」
(これは、1993年6月15日発行)(「’759特許」)の図1を参照のこ
と。125残基の成熟PDGF A鎖のアミノ酸配列は、’759特許の図1の
残基87−211に対応する。’759特許の図2は、196アミノ酸残基のみ
を有する改変体PDGF A鎖前駆体タンパク質のcDNA配列および推定アミ
ノ酸配列をまた開示し、ここで、110残基の成熟PDGF A鎖は、この推定
配列の残基87〜196に対応する。成熟PDGF A鎖の最初の107残基(
すなわち、残基87〜193)は、同一である。’759特許の図1および2を
参照のこと。従って、残りの残基(すなわち、成熟PDGF A鎖の残基108
〜125)は、活性に関して重要ではなく、そして有害な効果を伴わずに保存的
置換され得る。さらに、’759特許の図2の110残基の改変体PDGF A
鎖が示すように、125残基成熟PDGFの残基110を超える残基は、活性に
関して重要ではなく、そして欠失されて、本発明においてなお機能的であると予
測される一連の欠失ムテインを提供し得る。別の参考文献は、成熟A鎖が104
アミノ酸を有することを開示する。米国特許第5,512,545号、題名「P
DGF−B Analogues」(これは、Brownらの名前で1996年
4月30日に発行された)(「’545特許」)のcol.2、行40〜44を
参照のこと。従って、この’545特許は、成熟PDGF−Aの最初の104を
超えるいずれの残基も、PDGF−A活性に重要ではないことを示唆する。 同様に、ヒトPDGF B鎖からのDNA配列およびアミノ酸配列は、当該分野
で公知であり、それぞれ、’545特許の図2および図3に開示される。成熟P
DGF−A鎖およびPDGF−B鎖は、60%の相同性を示し、そして8個のシ
ステイン残基が保存されている。PDGF B鎖は′545特許の図2および配
列番号1に示される160アミノ酸の完全相補鎖を有し得るが、少なくとも51
残基は、活性を損失することなく取り除かれ得る。生じるカルボキシ短縮PDG
F B鎖は、109残基(すなわち、545特許の配列番号1および図3の残基
1〜109)を有し、そして残基25(Ile)と残基37(Phe)との間に
生じる結合領域を含む。PDGF B鎖が酵母中で発現される場合、残基28位
もしくは32位またはこれらの両方のArgを、塩基性でない中性の残基に置換
して、酵母細胞による切断を回避することが望ましい。PDGF A鎖およびB
鎖を発現するための方法、ベクター、および細胞、ならびにPDGFの3つのア
イソフォームを作製するためにこれらのA鎖およびB鎖を合わせるための、方法
、ベクターおよび細胞は、当該分野で周知である。上記に引用されるような米国
特許第5,605,816号および同第5,512,545号を参照のこと。 本発明の薬学的組成物および単位用量において活性な薬剤である別の脈管形成剤
脈管形成因子は、VEGFである。VEGFは、塩基性であり、約45,000
ダルトン(45kD)の分子量を有するホモ二量体タンパク質であり、VEGF
(またはVEGF−A)、VEGF−B、VEGF−CおよびVEGF−Dと示
される4つのホモログを有する。本明細書中ににおける明確化のために、このフ
ァミリーの最初のメンバーであるVEGFは、本明細書中にVEGF−Aといわ
れる。VEGFファミリーのタンパク質は、高度に保存された中央領域を有する
ことによって特徴付けられ、相同な位置の15個のシステイン残基(このうちの
8個は分子内ジスルフィド結合および分子間ジスルフィド結合に関与する)の不
変な存在によって特徴付けられる。Ferraraら「The Biology
of Vascular Endothelial Growth Fact
or」Endocrine Reviews、18(1):4−25 (199
7)の図4を参照のこと。結果として、4個のVEGFホモログは、類似した形
状(三次構造)を有し、そして同時発現された場合は自発的にヘテロ二量体を形
成し得る。従って、分子間システインを保持するVEGFのN末端およびC末端
での欠失ムテインは、発現されて、その形状を保持し、二量体を形成し、そして
生物学的に活性であることが予想される。VEGFの15個の保存システイン残
基のうちの8個の相同性配置は、例えば、WO98/02543の図3;および
Keckら「Vascular Permeability Factor,a
n Endothelial Cell Mitogen Related t
o PDGF」Science 246:1309−1312(1989)の1
311ページ、col.2および図4に比較して示されるように、PDGFファ
ミリーの8個の保存システイン残基に対応する。
65、189および206アミノ酸を有する。これらの4つのアイソフォームは
、それぞれ、VEGF−A121、VEGF−A165、VEGF−A189およびVE
GF−A206として示される。Ferraraら「The Biology o
f Vascular Endothelial Growth Factor
」Endocrine Reviews、18(1):4−25(1997)の
5頁を参照のこと。このヒトVEGF−A遺伝子は、7個(7)のイントロンに
よって分けられた8個(8)のエキソンに組織され、そしてコード領域は、14
kbに及ぶ。同上。単一VEGF−A遺伝子の選択的エキソンスプライシングは
、全ての異種性の原因である。VEGF−A165は、エキソン6によってコード
される残基を欠き、一方VEGF−A121は、エキソン6および7によってコー
ドされる残基を欠く。同上。VEGF−Aの3つの短いアイソフォームは、VE
GF−A206に基づき、そしてこの分子のカルボキシ半分に生じるスプライス改
変体を反映する。しかし、カルボキシ末端の最後の6アミノ酸(エキソン8)は
、4つ全てのスプライス改変体で保存されている。 ヒトVEGF−A121をコードするcDNA配列および対応するアミノ酸配列は
、当該分野で周知である。Leungら「Vascular endothel
ial growth factor is a secreted angi
ogenic mitogen」Science 246:1306−1309
(1989)の1307頁、col.3において記載されるように図2Bを参照
のこと。ヒトVEGF−A165に関するcDNA配列および推定アミノ酸配列は
また、当該分野で周知である。Leungら「Vascular endoth
elial growth factor is a secreted an
giogenic mitogen」Science 246:1306−13
09(1989)の1307頁および図2Bを参照のこと。同様に、ヒトVEG
F−A189からのcDNA配列および推定アミノ酸配列は、1991年から当該
分野で周知である。Keckら「Vascular Permeability
Factor,an Endothelial Cell Mitigen
Related to PDGF」Science、246:1309−131
2(1989)を参照のこと;Tischerら「The human gen
e for vascular endothelial growth fa
ctor」J.Biol.Sci.、266:11947−11954(199
1)もまた参照のこと。最後に、ヒトVEGF−A206のcDNA配列および推
定アミノ酸配列もまた、当該分野で周知である。Houckら「The vas
cular endothelial growth factor fami
ly:identification of a fourth molecu
lar species and characterization of
alternative splicing of RNA」Mol.Endo
crinol.5:1806−1814(1991)の図2Aを参照のこと。 VEGF−Aの4つのスプライス改変体(アイソフォーム)のアミノ酸配列の重
複比較は、Ferraraら「Molecular and Biologic
al Properties of the Vascular Endoth
elial Growth Factor Family of Protei
ns」Endocrine Reviews 13(1):18−32(199
2)の21頁、図1に示される。細胞外環境において大量に可溶性である最も短
いアイソフォームのVEGF−A121は、塩基性アミノ酸残基に富む最もカルボ
キシ末端(すなわち、エキソン6および7)が存在しないことに起因してわずか
に酸性である。比較的長いアイソフォームであるVEGF−A165、VEGF−
A189およびVEGF−A206は、VEGF−A121よりもあまり可溶性ではなく
、従って、あまり拡散性ではないが、カルボキシ末端の漸増する長さと共に増加
する有糸分裂促進活性およびヘパリンリッチマトリックスに対する結合親和性の
両方を示す。例として、VEGF−A165は、VEGF−A121よりも100倍よ
り大きくより有糸分裂促進性である。Carmelietら「Vascular
development and disorders:Molecular
analysis and pathogenic insights」Ki
dney International、53:1519−1549(1998
)の1521−1522頁を参照のこと。従って、全てのVEGF−Aアイソフ
ォームが活性であり、そして本発明の脈管形成剤脈管形成因子の範囲内であるが
、より高く塩基性でありかつヘパリン結合のカルボキシ末端であるVEGF−A
が最大の活性に重要である。VEGF−Aが脈管形成を刺激する機構は知られて
いないが、Banaiは、VEGF−Aが脈管形成をある部分、PDGFの内皮
放出の刺激を介して促進することを示唆している。Banaiら「Angiog
enic−Induced Enhancement of Collater
al Blood Flow to Ischemic Myocardium
by Vascular Endothelial Growth Fact
or in Dogs」Circulation、89(5):2183−21
89(1994年5月)。VEGF−Aは、VEGFレセプター−1(VEGF
R−1またはFLT1)およびVEGFレセプター−2(VEGFR−2または
FLK1)へ結合する。 ヒトVEGF−Bは、心臓および骨格筋に豊富に見出されるが、公知の高度に
塩基性の非グリコシル化ヘパリン結合タンパク質であり、これは、Olofss
onら「Vascular endothelial growth fact
or B,a novel growth factor for endot
helial cells」PNAS USA 93:2576−2581(1
996)の図1に示されるアミノ酸配列を有する。VEGF−Aのように、VE
GF−Bは、プロホルモンとして発現され、そして188個のアミノ酸残基を有
し、そのうちの残基1〜21は、推定リーダー配列であり、したがって、血管形
成脈管形成活性に必要ではない。同上。したがって、成熟ヒトVEGF−Bは、
推定リーダー配列に続く167残基を含む。Olofssonの図1.ヒトプロ
ホルモンVEGF−Bはまた、マウスプロホルモンVEGF−Bに対して88%
の配列同一性を有し、保存された様式で、残基位置12、19、20、26、2
8、30,33、37、43、57、58、63、65、105、130、14
0、144、148、149、165、168、186、および188で異なる
。Olofssonの2577頁、第2欄およびその中の図1および2。成熟ヒ
トVEGF−Bから成熟ネズミVEGF−Bへの残基の差異は、以下のとおりで
ある:5Pro→Phe、7Ala→Gly、9Gly→Ser、12Arg→
Lys、16Ser→Pro、22Thr→Ala、36Thr→Ser、37
Val→Met、42Thr→Asn、44Al→Val、86Arg→Gln
、119Asp→Glu、129Pro→Ile、133Arg→Pro、13
7His→Arg、138His→Arg、165Ser→Arg、168Ar
g→His、165Leu→Pro、および167Arg→Lys。したがって
、本発明の血管形成剤脈管形成因子は、1つ以上の上記参照残基位置でVEGF
−B保存的置換を有するヒトVEGF−Bムテインを含む。好ましくは、その保
存的置換は、二段落前に記載した1つ以上の上記参照された差異である。
において発現されるが、種々の成長因子、炎症性サイトカイン、および低酸素に
よって誘導される。VEGF−Cは、Joukovらに開示されるように組換え
発現され、そしてその中の291頁および図3に開示されるアミノ酸配列を有す
る。Joukovら、「A novel vascular endothel
ial growth factor,VEGF−C,is a ligand
for the Flt4(VEGFR−3) and KDR(VEGFR
−2)receptor tyrosine kinase」The EMBO
Journal, 15(2):290−298(1996);また、Fer
raraら「The Biology of Vascular Endoth
elial Growth Factor」,Endocrine Revie
ws,18(1):4−25(1997)の図3を参照のこと。VEGF−Cは
、VEGFファミリーの最も大きなメンバーであり、399個のアミノ酸残基お
よびVEGF−Aに対して32%の相同性を有する。Ferrara(1997
)の11頁、第1欄を参照のこと。VEGF−Cのカルボキシル末端は、他のV
EGFには見出されないインサートの180残基(残基213〜295位)を含
有する。Joukovら(1996)の図3;またはFerraraら、「Th
e Biology of Vascular Endothelial Gr
owth Factor」,Endocrine Reviews,18(1)
:4−25(1997)の図4を参照のこと。その大きなサイズのため、VEG
F−Cは、VEGFファミリーの最も所望でないメンバーである。しかし、21
3〜295残基を欠失するVEGF−Cの欠失変異体またはそのフラグメントは
、N末端で1つ以上の残基(1から28残基まで)を欠失しており、これもまた
、本明細書において使用される血管形成脈管形成因子の用語の範囲内にある。V
EGF−Cは、VEGF−2(以前にflt−1およびKDR/Flk−1とし
て知られる)、およびVEGFR−3(Flt4としても知られる)に結合する
。Joukovら(1996)を参照のこと。
あるが、cDNAによってコードされ、そして共願に係るUSSN09/043
,476(03/18/98に出願された);および対応するWO97/129
72(1997年4月10日に公開された)の図2に示されるアミノ酸配列を有
する。VEGF−Dは、304アミノ酸残基を有する二量体化タンパク質である
。VEGF−Dのコアは、他のVEGFタンパク質に対して高度に保存されてい
る。より重要なことに、それは、VEGFとPDGFを通して高度に保存された
残基位置111、136、142、145、146、153、189、191、
258、269、271、273、300、312、および314に15個のシ
ステインを含有する。VEGFのアミノ酸配列とPDFのいくつかとの重複比較
は、保存された領域を示しているが、Ferraraら「The Biolog
y of Vascular Endothelial Growth Fac
tor」、Endocrine Reviews,18(1):4−25(19
97)の図4;WO97/12972およびその対応米国特許出願USSN09
/043,476の図3;およびWO98/02543の図3に見出される。V
EGF−Dの生物学的に活性な対立遺伝子およびフラグメントは、当該分野で公
知である。1つの実施例において、WO98/07832は、WO97/129
72のVEGF−Dとは以下の変異を指定された残基位置に有することにより異
なる、肺から単離された生物学的に活性なヒトVEGF−Dを開示する:56T
hr→Ile、151Phe→Leu、152Met→Ile、261Asp→
His、264Glue→Phe、および297Glu→Leu。したがって、
血管形成剤脈管形成因子は、1つ以上の上記の参照残基位置で1つ以上の上記の
参照アミノ酸置換または保存された置換を含むVEGF−Dのムテインを含むこ
とは、本発明の範囲内である。このようなムテインは、当該分野で標準的な技術
である部位特異的変異誘発によって作製される。さらに、ヒト胸組織から単離さ
れた生物学的に活性なVEGF−Dは、最初の30アミノ酸を欠いていた。WO
98/24811を参照のこと。したがって、血管形成剤脈管形成因子が成熟V
EGF−Dのアミノ酸残基1〜30を欠くVEGF−Dのフラグメントを含むこ
とは、本発明の範囲内である。さらに、成熟VEGF−Dの残基109〜315
が、二量体化およびレセプターへの結合を担う高度に保存された領域を含有する
範囲内で、血管形成剤脈管形成因子が、WO97/12972または対応USS
N09/043,476の図2の成熟ホルモンの残基109〜315を含むN短
縮化および/またはC短縮化VEGF−Dを含むことは、本発明の範囲内である
。
のメンバーである。TGF−βスーパーファミリーの種々のメンバーは、110
〜140アミノ酸残基および少なくとも7個のシステインを有する成熟タンパク
質のホモまたはヘテロダイマーである。6個のシステインは内部ジスルフィドを
形成し、そして7個目のシステインは、2つのモノマーを一緒に連結するジスル
フィド結合を形成する。Kingsley,D.M.,「The TGF−β
superfamily:new members,new receptor
s,and new genetic tests of function
in different organisms」Genes and Dev
elop.,8:133−146(1994)を参照のこと。TGF−β1モノ
マーは、TGF−βスーパーファミリーの他のモノマーと同様に、10%未満で
はあるが、PDGFと構造的類似性を有する。ヒトTGF−β1のモノマーは、
公知の112残基のタンパク質であり、cDNAによってコードされ、そして米
国特許第4,886,747号(「Nucleic Acid Encodin
g TGF−β and its Uses」と題される(Derynckらに
対して12/12/89に発行され、組換えTGF−β1を発現する方法を開示
する))の図1B(III)に示される推定アミノ酸配列を有する。TGF−β
1は、112個のアミノ酸残基を有するが、成熟TGF−β1の残基位置16〜
31(すなわち、CVRQLYIDFRKDLGWK)に対応する残基の配列の
み(例えば、’747特許の図1B(III)を参照のこと)が活性のために必
要である。米国特許第5,658,883号(「Biologically A
ctive TGF−β1 Peptides」と題され、08/17/97に
Ogawaらに対して発行された)を参照のこと。成熟ヒトTGF−β1のより
大きな二量体化フラグメントは、残基16〜47(すなわち、CVRQLYID
FRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGP)に対応するが、16〜3
1フラグメントのダイマーおよび成熟TGF−β1のダイマーに類似の活性を示
す。16〜31残基のフラグメントは、2つのモノマーサブユニットのアミノ末
端システイン間にジスルフィド結合を形成することによって二量体化される。1
6〜47残基のフラグメントは、アミノ末端システイン、カルボキシ末端システ
イン、または2つのモノマーサブユニットの両方の間にジスルフィド結合を形成
することによって二量体化される。したがって、TGF−β1のフラグメントは
、活性フラグメントであるためには、成熟ヒトTGF−β1の残基16〜31を
含むことが必要であるのみであることは本発明の範囲内である。直接に血管形成
脈管形成を誘導することに加えて、TGF−β1は、炎症または結合組織細胞に
影響を及ぼすことによって、インビボで間接的に血管形成脈管形成を誘導し得、
これは次いで、例えば、VEGF−A、PDGF、FGF2などのような血管形
成脈管形成分子を産生し得ることが予想される。Carmeliet(1998
)を参照のこと。
因子は、FGFである。本明細書で使用される場合、用語「FGF」により、線
維芽細胞成長因子タンパク質(これもまた血管形成脈管形成活性を有する)(例
えば、FGF−1、FGF−2、FGF−4、FGF−6、FGF−8、FGF
−9またはFGF−98)または血管形成脈管形成的に活性なフラグメントまた
はそのムテインを意味する。代表的には、FGFは、ヒト(h)FGF−1、ウ
シ(b)FGF−1、hFGF−2、bFGF−2、hFGF−4、またはhF
GF−5である。代替の実施形態において、単位用量における活性な薬剤は、h
FGF−6、mFGF−8、hFGF−9またはhFGF−98である。
製するためのアミノ酸配列および方法は、当該分野で周知である。特に、FGF
1〜9およびFGF−98のアミノ酸配列および組換え発現を開示する参考文献
は、引き続いて以下に議論される。
法は、米国特許第5,604,293号(Fiddes)(「Recombin
ant Human Basic Fibloblast Growth Fa
ctor」と題され、1997年2月18日に発行された)に開示される。’2
93特許の図2dを参照のこと。この参考文献および本明細書中のその他のすべ
ての参考文献は、この文の前または後に引用されていても、明白にその全体が参
考として本明細書中に引用される。bFGF−1のアミノ酸配列、ならびにその
発現方法は、米国特許第5,604,293号(Fiddes)の図1bに開示
される。hFGF−1およびbFGF−1の両方の成熟形態は、140個のアミ
ノ酸残基を有する。bFGF−1は、以下の19残基位置で、hFGF−1とは
異なる:5Pro→Leu、21His→Tyr、31Tyr→Val、35A
rg→Lys、40Gln→Gly、45Gln→Phe、47Ser→Cys
、51Tyr→Ile、54Tyr→Val、64Tyr→Phe、80Asn
→Asp、106Asn→His、109Tyr→Val、116Ser→Ar
g、117Cys→Ser、119Arg→Leu、120Gly→Glu、1
25Tyr→Pheおよび137Try→Val。ほとんどの場合、その差異は
、保存されている。さらに、残基位置116および119での差異は、単に、A
rgの位置の交換である。
ドするcDNA配列(配列番号4)およびヒトFGF−2(hFGF−2)の組
換え発現の方法は、米国特許第5,439,818号(Fiddes)(「DN
A Encoding Human Recombinant Basic F
ibroblast Growth Factor」(1995年8月8日に発
行された(その中の図4を参照のこと))および米国特許第5,514,566
号(Fiddes)「Methods of Producing Recom
binant Fibroblast Growth Factors」(19
96年5月7日に発行された)(この中の図4を参照のこと)に開示される。ヒ
トFGF−2はまた、配列番号5のN末端から最初の9個の残基を欠く配列番号
6の活性なN短縮146残基形態を有する。この短縮型は、当該分野で公知の技
術を使用して、配列番号4のcDNAの5’末端に適切な欠失を作製することに
よって容易に産生される。ウシFGF−2(配列番号2)をコードするcDNA
配列(配列番号1)およびこの組換え発現のための種々の方法は、米国特許第5
,155,214号(「Basic Fibroblast Growth F
actor」(1992年10月13日に発行された))に開示される。hFG
F−2およびbFGF−2の146残基形態が比較され、それらのアミノ酸配列
は、わずか2つの残基の違いを有して、ほとんど同一である。特に、hFGF−
2からbFGF−2に向かって、唯一の差異は、残基位置112(Thr→Se
r)および128(Ser→Pro)において生じる。
物として最初に同定され、そのアミノ酸配列は、Dicksonら「Poten
tial Oncogene Product Related to Gro
wth Factors」Nature 326:833(1987年4月30
日)に開示される。FGF−3は、N末端Metが排除される場合243残基を
有し、FGF−1(ヒトおよびウシ)およびFGF−2(ヒトおよびウシ)の両
方よりも実質的に長い。bFGF−1およびbFGF−2に対してのmFGF−
3についてのアミノ酸残基の比較は、Dicksonら(1987)に重複した
形式で表されているmFGF−3のアミノ酸配列がbFGF−1およびbFGF
−2と比較される場合、FGF−3は、FGF−1およびFGF−2の両方に対
して残基インサートを含有する5つの位置を有する。これらのインサートの最も
有意なものは、それぞれ、FGF−2およびFGF−1に対する12および14
残基インサートであり、FGF−3の残基位置135で始まる。そのインサート
を許容することにより、Dicksonらは、mFGF−3が、FGF−1に対
して53残基の同一性を有し、そしてFGF−2に対して69残基の同一性を有
することを開示する。さらに、FGF−3は、FGF−1およびFGF−2の両
方においてシグナル配列のN末端に対して10残基の疎水性N末端伸長を含有す
る。bFGF−1およびbFGF−2のC末端に対して、mFGF−3は、およ
そ60残基の伸長を含有する。mFGF−3のC末端伸長が活性に必要であるこ
とはありそうでない。より可能性のあることとしては、それは、FGFに対して
レセプター特異性を付与することによる活性の緩和剤である。
FGF−4として知られるが、Yoshidaら、「Genomic Sequ
ence of hst, a Transforming Gene Enc
oding a Protein Homologous to Fibrob
last Growth Factors and the int−2−En
coded Protein」PNAS USA,84:7305−7309(
1987年10月)の図3に初めて開示された。このリーダー配列を含み、hF
GF−4は、206アミノ酸残基を有する。hFGF−4、hFGF−1、hF
GF−2およびmFGF−3のアミノ酸配列を比較した場合、hFGF−4の残
基72〜204は、hfgf−2に対して43%の相同性を有する;残基79〜
204は、hFGF−1に対して38%の相同性を有する;そして残基72−1
74はmFGF−3に対して40%の相同性を有する。重複様式でこれらの4つ
の配列を比較したものがYoshida(1987)の図3に示される。さらに
、hFGF−4の88位および155位の残基にあるCysは、hFGF−1、
hFGF−2、mFGF−3、およびhFGF−4に高度に保存され、そして相
同領域において見出される。
の残基位置に生じる。Yoshida(1987)の図3を参照のこと。hFG
F−2の2つの推定ヘパリン結合部位は、その18〜32および107〜111
の残基位置に生じる。Yoshida(1987)の図3を参照のこと。ヒトお
よびウシFGF−2についてのアミノ酸配列間の実質的類似性を考慮すれば、本
発明者らは、bFGF−2についての細胞結合部位を、また、その残基位置36
〜39および77〜81に予想し、そしてそのヘパリン結合部位を、その残基位
置18〜22および107〜111に予想する。hFGF−1に関連して、推定
細胞結合部位は、残基27〜30および69〜72に生じ、そして推定ヘパリン
結合部位は、残基9〜13および98〜102に生じる。成熟bFGF−1が、
残基位置9〜13、27〜30、69〜72および98〜102で、hFGF−
2と同一なアミノ酸を有する範囲では、bFGF−1は、hFGF−1と同じ細
胞およびヘパリン結合部位を有することが予想される。
列は、Zhanら「The Human FGF−5 Oncogene En
codes a Novel Protein Related to Fib
roblast Growth Factors」Molec.and Cel
l.Biol.,8(8):3487−3495(1988年8月)の図1に開
示される。Zhanはまた、hFGF−5をクローニングする方法を開示する。
本出願人はまた、hFGF−5を配列決定し、そしてZhanの配列とは残基位
置236(ZhanのAsnの代わりにLysを有する)および残基位置243
(ZhanのSerの代わりにProを有する)で異なるアミノ酸配列を得た。
hFGF−5のアミノ酸配列はいずれも、67残基のリーダー配列を成熟FGF
−2の第1の残基の上流に、およびhFGF−2のC末端を超えて約47残基伸
長するテール配列を含む266アミノ酸残基を有する。hFGF−1、hFGF
−2、mFGF−3、hFGF−4、およびFGF−5のアミノ酸配列間の比較
は、Zhan(1988)の図2に表される。Zhanの図2において、hFG
F−1、hFGF−2、mFGF−3およびhFGF−4は、aFGF(すなわ
ち、酸性FGF)、bFGF(すなわち、塩基性FGF)、int−2、および
hstKS3とそれぞれ同一(すなわち、それらの元々の名称)である。上記に
参照した比較において、FGF−5アミノ酸残基の2つのブロック(90〜18
0および187〜207)は、FGF1〜4に実質的な相同性(すなわち、FG
F−4と50.4%、FGF−3と47.5%、FGF−2と43.4%、およ
びhFGF−1と40.2%)を示した。Zhan(1988)の図2を参照の
こと。米国特許第5,155,217号(Goldfarb)および同第5,2
38,916号(Goldfarb)は、Zhanの公報に対応するが、Zha
nのFGF−5をFGF−3として言及する。しかし、当該分野(以下のCou
lierにより証明されるように)は、ZhanのhFGF(およびGoldf
arb特許の)は、FGF−5であって、FGF−3ではないと認識するに至っ
ている。2つのGoldfarb特許は、Zhanによって上記に報告されたh
FGF−5と同じアミノ酸配列を含んでいる。
列がColierら「Putative Structure of the
FGF−6 Gene Product and Role of the S
ignal Peptide」、Oncogene 6:1437−1444(
1991)の図2に開示される。Coulierはまた、FGF−6をクローニ
ングする方法を開示する。hFGF−6は、208アミノ酸残基を有するFGF
の最大のものの1つである。ヒトFGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF
−4、FGF−5、FGF−6、およびFGF−7のアミノ酸配列を比較すると
、分子のC末端の3分の2(hFGF−6の残基78〜208に対応する)にお
いて強力な類似性が存在する。特に、FGF−6の23残基(hFGF−6の残
基位置90〜157の2つのシステインを含む)は、ファミリーの7つのメンバ
ー間で同一である。この数は、保存されたアミノ酸残基を考慮すると33残基に
増大する。これらの7つのヒトFGF間の全体的な類似性は、その分子のC末端
の3分の2について、32%〜70%の同一な残基、および48%〜79%の保
存された残基にわたっていた。hFGF−1のhFGF−5に対する、およびh
FGF−7のhFGF−6に対するその配列の比較は、本明細書の表1に示され
る。
同一な残基/103の保存された残基)。これは、70%の同一残基および89
%の保存された残基にのぼる。hFGF−6は、hFGF−3、hFGF−2、
hFGF−7、およびhFGF−1とは最も異なり、それぞれ、42、42、3
6、および32の同一な残基である。 FGF1〜7のアミノ酸配列の重累比較は、引用したCouier(1991
)の図3に示される。Coulierの図3は、FGF分子のC末端の3分の2
がアラインメントされた場合、7つ全てのFGFメンバーからの残基が同一であ
る23残基位置が存在する。7つ全てのFGFメンバーからの残基が保存されて
いる10残基位置もまた存在する。Coulier(1991)の図3.比較に
おいて、これらの同一および保存された残基は、FGF1〜7の各々の末端3分
の2において3〜5残基の約6位置を形成し、ここで、3〜5残基は、ヒトFG
Fの7つ全ての種において一緒にグループ分類されている(すなわち、hFGF
1〜7)。 (FGF−7) hFGF−7のアミノ酸配列は、当該分野で周知であり、そ
してMiyamotoら「Molecular Cloning of A N
ovel Cytokine cDNA Encoding the Nint
h Menber of the Fibroblast Growth Fa
ctor Family,Which Has a Unique Secre
tion Property」、Mol.and Cell.Biol.13(
7):4251〜4259(1993)図2に開示される。Miyamotoに
おいて、hFGF−7は、その旧名「KGF」により言及された。FGF−7は
、191アミノ酸残基を有する。hFGF1〜6およびhFGF−9のアミノ酸
配列に対するhFGF−7のアミノ酸配列の比較は、FGF−7のカルボキシ末
端側2/3が、そのグループの他のメンバーの遠位の2/3と匹敵する相同性を
有することを示す。Miyamoto(1993)、4254頁(図2)を参照
のこと。
野で周知であり、そしてTanakaら「Cloning and Chara
cterization of an Androgen−induced G
rowth Factor Essential for the Growt
h of Mouse Mammary Carcinoma Cells」P
NAS USA、89:8928〜8932(1992)図2に開示される。T
anakaはまた、組換えFGF−8を作製するための方法を開示する。Tan
akaのmFGF−8は、215アミノ酸残基を有する。MacArthurら
「FGF−8 isoforms active receptor spli
ce forms that are expressed in mesen
chymal regions of mouse development」
Development、121:3603〜3613(1995)は、FGF
−8が、成熟N末端で異なるがC末端領域にわたって同一である、8つの異なる
アイソフォームを有することを開示する。この8つのアイソフォームは、FGF
−8が、6つのエキソンを有し、その最初の4つ(他のほとんどのFGF遺伝子
の第1のエキソンに対応する)が選択的スプライシングを生じるので、生じる。
酸配列は、当該分野で公知であり、そしてその組換え発現のための方法が、Sn
atos−Ocampoら「Expression and Biologic
al Activity of Mouse Fibroblast Grow
th Factor」J.Biol.Chem.271(3):1726〜17
31(1996)に開示される。ヒトおよびマウスの両方のFGF−9分子は、
208アミノ酸残基を有し、2残基だけ異なる配列を有する。詳細には、hFG
F−9は、残基9および34にそれぞれAsnおよびSerを有するが、mFG
F−9は、それぞれSerおよびAsnを有する。FGF−9は、FGFファミ
リーを規定する保存アミノ酸の完全保存を有する。Santos−Ocampo
(1996)1726頁。FGF−9の最大半減活性化(half−Maxim
al activation)は、185ng/mlヘパリンで観察されるが、
FGF−1の最大半減活性化は、670ng/mlヘパリンで観察される。Sn
atos−Ocampo(1996)1730頁。FGF−1と比較した場合、
FGF−2およびFGF−9は両方とも、最適活性のためにより低いヘパリン濃
度を必要とする。
その組換え発現のための方法は、仮特許出願第60/083,553号に開示さ
れ、この仮出願は、本明細書中にその全体が参考として援用される。hFGF−
98は、hFGF−18としても公知であり、207アミノ酸残基を有する。従
って、hFGF−6(207残基)、hFGF−9(208残基)およびhFG
F−98(207残基)は、サイズが類似する。
しそしてそれを活性し、次いでそのレセプターは、生物学的応答を媒介する。こ
のFGFレセプター(「FGFR」)は、チロシンキナーゼレセプタースーパー
ファミリーのメンバーである。FGFRの細胞外ドメインは、選択的スプライシ
ングの結果として示差的に発現される、2〜3個のの免疫グロブリン様(「Ig
様」)ドメインを含む。別の選択的スプライシング事象はまた、読取り枠を変え
ることなく、Ig様ドメインIIIのカルボキシル末端側半分の配列を変え得る
。Snatos−Ocampo(1996)。この2つのスプライス形態(「b
」および「c」と呼ばれる)は、FGFR1、2、3について生じるが、FGF
R4については生じない。FGFRのより詳細な説明は、Mathieuら「R
eceptor Binding and Mitogenic Proper
ties of Mouse Fibroblast Growth Fact
or 3」J.Biol.Chem.270(41):24197〜24203
(1995)に見出される。FGF1〜9がFGFRを示差的に刺激する能力は
、Ornitzら、J.Biol.Chem.271(25):15292〜1
5297(1996)により報告されたように、レセプター依存性であった。O
rnitzにおいて、細胞株BaF3が画分に分割され、そして各画分が、以下
のFGFレセプターのうちの1つを発現するようにトランスフェクトされた:F
GFR1b、FGFR1c、FGFR2b、FGFR2c、FGFR3b、FG
FR3cおよびFGFR4(−1つのIg様ドメイン)。その後、形質転換細胞
株が、FGF1〜9のうちの1つ(5nM)および補因子としてのヘパリン(2
μg/ml)に曝露された。次いで、マイトジェン応答が、[3H]チミジンの
取り込みにより測定された。その結果(cpm)は以下の通りである: 1.FGFR1b:同様のマイトジェン応答が、hFGF−1(32,000
cpm)およびhFGF−2(28,000cpm)により生成され、その次に
高い応答がmFGF−3(約16,000cpm)およびhFGF−4(15,
000rpm)により生成された; 2.FGFR1c:同様のマイトジェン応答が、hFGF−1、hFGF−2
、hFGF−4、hFGF−5、およびhFGF−6(約36,000cpm)
により生成され、mFGF−9が、唯一他の有意な応答を生成した(約19,0
00cpm); 3.FGFR2b:最高のマイトジェン応答は、hFGF−7(14,000
cpm)、hFGF−1(12,500cpm)、およびmFGF−3(9,5
00cpm)によった; 4.FGFR2c:最高のマイトジェン応答は、hFGF−4(21,000
cpm)、mFGF−9(20,000cpm)、hFGF−6(16,500
cpm)、hFGF−1(16,000cpm)、hFGF−2(14,500
cpm)、hFGF−5(9,500cpm)およびmFGF−8(9,000
cpm)によった; 5.FGFR3b:マイトジェン応答は、hFGF−1(37,000cpm
)およびmFGF−9(26,000cpm)のみによる; 6.FGFR3c:最高のマイトジェン応答は、hFGF−1(39,000
cpm)、hFGF−2(34,000cpm)、hFGF−4(33,000
cpm)、mFGF−8(32,500cpm)、mFGF−9(31,000
cpm)、hFGF−5(16,000cpm)、およびhFGF−6(13,
000cpm)によった; 7.FGFR4Δ:最高のマイトジェン応答は、hFGF−2(29,000
cpm)、hFGF−4およびhFGF−6(27,000cpm)、mFGF
−8(25,000cpm)、mFGF−1(24,000cpm)、およびh
FGF−9(20,000cpm)により、他は、6,000cpm以下であっ
た。
いて有意なマイトジェン応答を誘導する。従って、FGF−1は、他のFGFと
特異的に結合するレセプターを生じる分子へのN末端付加物およびC末端付加物
を含むユニバーサルリガンドとして考えられ得る。全身投与されたFGFによる
インビボでの多様な応答についての能力を考慮すると、本発明は、局所投与によ
り、そしてその局所投与について適切な投与量を発見することにより(すなわち
、CADについての処置の必要がある患者の少なくとも1つの冠状動脈へFGF
の治療的に有効な量を投与することにより)、全身応答についての能力を最小に
する。
投与され、そして脈管形成活性について試験された。この実施例のbFGF−2
は、米国特許第5,155,214号(「`214特許」)に記載されるように
作製された。この`214特許の方法において、bFGF(本明細書中で以後「
FGF−2」)をコードするcDNAが、クローニングベクター(例えば、pB
R322、pMB9、ColE1、pCRI、RP4またはλファージ)に挿入
され、そしてそのクローニングベクターが、真核生物細胞または原核生物細胞の
いずれかを形質転換するために使用され、その形質転換細胞はFGF−2を発現
する。1つの実施形態において、その宿主細胞は酵母細胞(例えば、Sacch
aromyces cerevisiae)である。発現される生じる全長FG
F−2は、`214特許のカラム6に示される配列に従う146アミノ酸を有す
る。生じるFGF−2は4つのシステイン(すなわち、残基位置25、69、8
7および92)を有するが、内部ジスルフィド結合は存在しない。[`214特
許カラム6、59〜61行目]。しかし、酸化的条件下で架橋が生じた場合にお
いては、それぞれ25位および69位にある2つのCys残基間に多分その架橋
が生じる。
)と同様に、155アミノ酸残基を有するポリペプチドとしてインビボで最初に
合成される。Abrahamら「Human Basic Fibroblas
t Growth Factor:Nucleotide Sequence
and Genomic Organization」EMBO J.5(10
):2523〜2528(1986)。この例の146残基bFGF−2(配列
番号2)がAbrahamの全長155残基のbFGF−2と比較される場合、
本出願人のbFGF−2(配列番号2)は、Abrahamの全長分子のN末端
に見出される最初の9アミノ酸残基(すなわち、Met−Ala−ALa−Gl
y−Ser−Ile−Thr−Thr−Leu(配列番号3))を欠く。上記の
ように、成熟bFGF−2は、成熟hFGF−2と2残基位置のみで異なる。詳
細には、成熟bFGF−2(配列番号2)の残基位置112および128のアミ
ノ酸は、それぞれSerおよびProであるが、対応する成熟hFGF−2(配
列番号6)において、それらはそれぞれThrおよびSerである。bFGF−
2とhFGF−2との間のこの実質的な構造的同一性(すなわち、97%を超え
る同一性)、実施例に提供されそして本明細書中の他の場所に記載される脈管形
成活性に対するインビボでの臨床結果を考慮して、組換えbFGF−2を投与す
る投薬量および様式は、組換えhFGF−2(まとめて「FGF−2」)に直接
適用可能であるはずである。
5(’455特許)、名称「Bovine Fibroblast Growt
h Factor」(09/11/90に発行され、本明細書中に参考として全
体が援用される)に詳細に記載される技術を使用して、製剤品質(98%以上の
純度)まで精製された。詳細には、本出願人の単位用量の組換えbFGF−2の
精製に使用される最初の2工程は、「以前に記載される通りの従来のイオン交換
精製工程および逆相HPLC精製工程」である。['455特許(Bolenら
、PNAS USA 81:5364〜5368(1984)を引用)]。第3
の工程('455特許はキー(key)精製工程と呼ぶ['455特許、カラム7
、5〜6行を参照のこと])は、ヘパリンSEPHAROSE(登録商標)アフ
ィニティクロマトグラフィーであり、FGF−2の強力なヘパリン結合アフィニ
ティーが利用され、約1.4Mおよび1.95M NaClで溶出する場合、7
,000倍精製が達成される['455特許、カラム9、20〜25行]。ポリ
ペプチドの均一性が、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によ
り確認された。緩衝液交換が、SEPHADEX(登録商標)G−25(M)ゲ
ル濾過クロマトグラフィーにより達成された。
記のFGFのうちのいずれか1つの「脈管形成的に活性なフラグメント」を含む
。その最も単純な形態において、その脈管形成フラグメントは、N末端Met除
去のための周知の技術(例えば、メチオニンアミノペプチダーゼでの処理)を使
用する、N末端メチオニンの除去により作製される。第2の望ましい短縮型は、
そのリーダー配列を含まないFGFを含む。当業者は、リーダー配列を、細胞膜
を通過するのを容易にするが活性には必要でなく、成熟タンパク質上には見出さ
れない、タンパク質のN末端の疎水性残基の並びであると認識する。
番号6)または類似のbFGF−2(配列番号2)に対して決定される。一般的
規則として、FGFのアミノ酸配列が、最大のホモロジーを得るようにFGF−
2と整列される。整列されたFGF−2の対応するN末端を超えて伸長するFG
F部分が、一般的に、有害な効果を伴わない欠失に適切である。同様に、整列さ
れたFGF−2のC末端を超えて伸長するFGF部分もまた、有害な効果を伴わ
ずに欠失され得る。
部分および少なくとも1つのヘパリン結合セグメントを保持する限り、本発明の
範囲内にある。残基1〜146を有する成熟FGF−2の場合、その2つの推定
細胞結合部位が、その残基位置36〜39および77〜81にある。Yoshi
daら「Genomic Sequence of hst,a Transf
orming Gene Encoding a Protein Homol
ogous to Fibroblast Growth Factors a
nd the int−2−Encoded Protein」PNAS US
A 84:7305〜7309(1987年10月)図3を参照のこと。hFG
F−2の2つの推定ヘパリン結合部位は、その残基位置18〜22および107
〜11にある。Yoshida(1987)図3を参照のこと。hFGF−2ア
ミノ酸配列とbFGF−2アミノ酸配列との間の実質的配列同一性を考慮して、
本発明者らは、bFGF−2の細胞結合部位もまた、その残基位置36〜39お
よび77〜81にあり、そしてヘパリン結合部位がその残基位置18〜22およ
び107〜111にあると予測する。上記と一致して、bFGF−2のN末端短
縮物は、ウシにおいてその脈管形成活性を排除しないことが、当該分野で周知で
ある。詳細には、当該分野は、146残基成熟FGF−2と比較してN末端短縮
を有するbFGF−2の天然に存在しそして生物学的に活性な7つのフラグメン
トを開示する。成熟FGF−2の残基12〜146を有する活性でありかつN短
縮型のFGF−2フラグメントが、ウシ肝臓にて見出され、そして成熟FGF−
2の残基16〜146を有する別の活性でありかつN短縮型のFGF−2フラグ
メントが、ウシ腎臓、副腎および精巣にて見出された。[米国特許第5,155
,214号、カラム6、41〜46行(Uenoら、Biochem and
Biophys Res.Comm.138:580〜588(1986)を引
用)を参照のこと]。同様に、FGF活性を有することが知られるFGF−2の
他のフラグメントは、FGF−2(24〜120)−OHおよびFGF−2(3
0〜110)−NH2である。[米国特許第5,155,214号、カラム6、
48〜52行]。これら後者のフラグメントは、FGF−2の細胞結合部分の両
方(残基36〜39および77〜81)およびヘパリン結合セグメントの1つ(
残基107〜111)を保持する。従って、FGFの脈管形成的に活性なフラグ
メントは、代表的には、ホモロジーを最大にするように成熟FGF−2(残基1
〜146を有する)と整列された場合に、少なくともFGF−2の残基位置30
〜110に対応する残基を有し、より代表的には、少なくともFGF−2の残基
18〜146に対応する残基を有する、FGFの末端短縮型フラグメントを含む
。
はまた、その「脈管形成的に活性な...ムテイン」を包含する。用語「脈管形
成的に活性な...ムテイン」により、FGFととも使用される場合に、各FG
Fの少なくとも65%配列同一性(好ましくは75%、より好ましくは85%、
最も好ましくは90%の配列同一性)および脈管形成活性の少なくとも80%を
保持する、天然に存在するFGFの変異形態が意味され、ここで、配列同一性は
、以下の検索パラメーターを用いるアフィンギャップ検索を使用してMSPRC
Hプログラム(Oxford Molecular)にて実行されるようなSm
ith−Watermanホモロジー検索アルゴリズム(Meth.Mol.B
iol.70:173〜187(1997))によって決定される:gap o
pen penalty=12、およびgap extension pena
lty=1。好ましくは、変異は、L−アミノ酸を使用する「保存的アミノ酸置
換」であり、1つのアミノ酸が、別の生物学的に類似のアミノ酸により置換され
る。上記のように、保存的アミノ酸置換は、置換されるアミノ酸の全体的電荷、
疎水性/親水性、および/または立体的かさを保存する置換である。
/Ile/Leu、Lys/Arg、Asn/Gln、Glu/Asp、Ser
/Cys/Thr、およびPhe/Trp/Tyr。FGF−2の場合、このよ
うな保存的アミノ酸置換の例は、ジスルフィド形成に関与しない残基位置のシス
テイン(例えば、成熟FGF−2(残基1〜146を有する)の残基87および
92)のうちの1つまたは両方に代わるセリンの置換を含む。好ましくは、置換
は、脈管形成に関係しない、N末端に導入される。しかし、上記のように、保存
的置換は、その分子全体にわたる導入に適切である。; 当業者は、公知の技術を使用し、本発明の単位用量、組成物および方法におけ
る使用のための脈管形成活性を有するFGFポリペプチドムテイン(またはフラ
グメントムテイン)の発現を得るように、FGFのうちのいずれかをコードする
DNA中に1つ以上の点変異を作製し得る。FGFの脈管形成的に活性なムテイ
ンを調製するために、当該分野で公知であり、そして/またはGlimanら、
Gene 8:81(1979)もしくはRobertsら、Nature 3
28:731(1987)に教示されるように、FGFをコードするcDNAに
1つ以上の点変異を導入するために、部位特異的変異誘発についての標準的技術
を使用する。
薬学的に受容可能なキャリア中に含み、この脈管形成的に有効な量は、約5ng
〜約135,000ng未満の範囲であり、この脈管形成因子は、血小板由来増
殖因子(PDGF),血管内皮増殖因子A(VEGF−A)、VEGF−D、線
維芽細胞増殖因子(FGF)、またはその脈管形成的に活性なフラグメントもし
くはムテインである。好ましい実施形態において、薬学的組成物の脈管形成因子
は、ヒトVEGF−A、ヒトVEGF−D、FGFまたはその脈管形成的に活性
なフラグメントもしくはムテインである。より好ましくは、薬学的組成物の脈管
形成因子は、FGF(例えば、FGF−1、FGF−2もしくはFGF−5)ま
たはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインである。最も好まし
くは、薬学的組成物の脈管形成因子は、FGF−2またはその脈管形成的に活性
なフラグメントもしくはムテインである。
的に受容可能なキャリア」を含む。用語「薬学的に受容可能なキャリア」により
、本明細書中で使用される場合、組成物を受ける患者に有害な抗体の生成をそれ
自体は誘導せずかつ過度の毒性を伴わずに投与され得る、タンパク様医薬の安定
化および/または投与のために当該分野で周知の任意のキャリアもしくは希釈剤
が意味される。薬学的に受容可能なキャリアおよびその後の処理の選択は、液体
形態または固体形態のいずれかで、処置する医師に本発明の単位用量組成物を提
供するのを可能にする。しかし、本発明の単位用量組成物は、患者に心筋層への
注射により投与される前に、液体形態に変換される。
ャリアは、静脈内(「IV」)または冠内(「IC」)の注射もしくは注入に適
切な、安定なキャリアまたは希釈剤を含む。注射可能な溶液または注入可能な溶
液に適切なキャリアもしくは希釈剤は、ヒトレシピエントに対して、使用される
投薬量および濃度で非毒性であり、そしてこれらとしては、滅菌水、糖溶液、生
理食塩水溶液、タンパク質溶液またはそれらの組み合わせが挙げられる。
元剤、酸化防止剤および/または酸化防止キレート剤を含む。タンパク質ベース
の組成物(特に、薬学的組成物)の調製物における緩衝液、安定剤、還元剤、酸
化防止剤およびキレート剤の使用は、当該分野で周知である。例えば、Wang
ら、「Review of Excipients And pHs for
Parenteral Products Used in the Unit
ed States」、J.Parent.Drug Assn.,34(6)
:452−462(1980);Wangら、「Parenteral For
mulations of Proteins and Peptides:S
tability and Stabilizers」、J.Parent S
ci.and Tech.,42:S4−S26(補遺1988);Lachm
anら、「Antioxidants and Chelating Agen
ts as Stabilizers in Liquid Dosage F
orms−Part 1」、Drug and Cosmetic Indus
try、102(1):36−38、40および146−148(1968);
Akers,M.J.,「Antioxidants in Pharmace
utical Products」、J.Parent Sci.and Te
ch.,36(5):222−228(1988);およびMethods i
n Enzymology、第25巻、ColowickおよびKaplan編
、Konigsbergによる「Reduction of Disulfid
e Bonds in Proteins with Dithiothrei
tol」、185−188頁。適切な緩衝液としては、アセテート、アジパート
、ベンゾエート、シトレート、ラクテート、マレアート、ホスフェート、タータ
レートおよび種々のアミノ酸の塩が挙げられる。Wang(1980)455頁
を参照のこと。適切な安定剤としては、トレオース(threlose)または
グリセロールのような炭水化物が挙げられる。適切な還元剤(還元型システイン
の還元状態を維持する)としては、ジチオトレイトール(DTT(クリランド試
薬としても公知))またはジチオエリトリトール(0.01%〜0.1%重量/
重量);アセチルシステインまたはシステイン(0.1%〜0.5%(pH2〜
3));およびチオグリセロール(0.1%〜0.5%(pH3.5〜7.0)
)およびグルタチオンが挙げられる。Akers(1988)、225〜226
頁を参照のこと。適切な酸化防止剤としては、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナト
リウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスル
ホキシル酸ナトリウム、およびアスコルビン酸が挙げられる。Akers(19
88)、225頁を参照のこと。適切なキレート剤(微量金属をキレート化して
、還元型システインの微量金属触媒酸化を防止する)としては、シトレート、タ
ータレート、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の二ナトリウム塩、四ナトリ
ウム塩およびカルシウム二ナトリウム塩、およびジエチレントリアミン五酢酸(
DTPA)が挙げられる。例えば、Wang(1980)、457〜458頁お
よび460〜461頁、ならびにAkers(1988)、224〜227頁を
参照のこと。適切な糖としては、グリセロール、トレオース、グルコース、ガラ
クトースおよびマンニトール、ソルビトールが挙げられる。適切なタンパク質は
、ヒト血清アルブミンである。
〜10mlの薬学的に受容可能なキャリア中に溶解された、約5ng〜135,
000ng未満の脈管形成薬剤脈管形成因子を含む。本発明の薬学的組成物は、
心臓カテーテルまたは他の注射デバイス(これらは、デッドスペースを有する)
を介して投与されるので、その薬学的組成物を含むバイアルが、患者に投与され
るべきよりもより多くの薬学的組成物を含むように、そのバイアルを処方するこ
とが簡便である。例えば、投与される脈管形成薬剤脈管形成因子の用量が、45
ngである場合、バイアルは、その送達装置内のデッドスペースを充填するため
に適切な過剰の溶液と共に、60〜75ngの脈管形成薬剤脈管形成因子を含む
よう処方される。デッドスペースを見込まない代替的実施形態において、薬学的
組成物は、薬学的受容可能な緩衝液、希釈剤またはキャリアの前で、心臓カテー
テルに装填され、次いで、この緩衝液、希釈剤またはキャリアが、新脈管形成を
必要とする心筋層の1以上の部位に対して、1回以上の適切な投薬量を送達する
ために使用される。上記で議論したように、上記の薬学的組成物のための薬学的
に受容可能なキャリアは、緩衝液および1以上の安定剤、還元剤、酸化防止剤お
よび/または酸化防止キレート剤を含む。
リアが、液体キャリアである場合、代表的な薬学的組成物は、約5ng〜135
,000ng/ml、より代表的には、約5ng〜67,500ng/mlのF
GFあるいはその脈管形成性のフラグメントまたはムテイン、10mM チオグ
リセロール、135mM NaCl、10mM クエン酸ナトリウム、および1
mM EDTA、pH 5を含む。上記組成物についての適切な希釈剤または洗
浄剤(flushing agent)としては、任意の上記のキャリアである
。代表的に、希釈剤は、キャリア溶液自体であり、この例においては、このキャ
リア溶液は、10mM チオグリセロール、135mM NaCl、10mM
クエン酸ナトリウム、および1mM EDTA、pH 5を含む。
する場合に不安定になる。安定性および貯蔵寿命を最大化するために、本発明の
単位用量の薬学的組成物は、−60℃で凍結保存するべきである。解凍したとき
に、この溶液は、冷凍した状態で6ヶ月間安定である。本発明の単位用量の薬学
的組成物の代表的なバイアルは、約5ng〜135,000ng未満の脈管形成
薬剤脈管形成因子あるいはその脈管形成性のフラグメントまたはムテインを含有
する、約1.0〜100ml(より代表的には、約1.0〜25ml、最も代表
的には、約1.0〜10ml)の上記の薬学的に受容可能なキャリアを含む。
ーズドライ)形態で提供される。凍結乾燥形態において、単位用量の薬学的組成
物は、治療的有効性を損なうことなく、実質的に6ヶ月よりも長い間、冷凍温度
で保存され得る。凍結乾燥は、薬学的に受容可能なキャリア中に溶解した有効量
の脈管形成薬剤脈管形成因子を含む溶液の、減圧下での迅速なフリーズドライに
よって達成され得る。上記の凍結乾燥を行う、凍結乾燥機は、市販されており当
業者によって容易に操作され得る。代表的に、複数のバイアル(各々、その中に
、本発明の薬学的組成物(1以上の用量を含む)または単位用量組成物を含む)
を、凍結乾燥機中にバッチで配置し、そして全ての液体キャリアが除去されるま
で、冷却および減圧に供する。患者への投与の前に、この凍結乾燥生成物は、好
ましくは、そのバイアル中で、適切な滅菌水性希釈剤(代表的には、0.9%(
または、それ未満)の滅菌生理食塩水溶液)またはいくらかの他の薬学的に受容
可能なキャリアで、既知の濃度に再構成される。主治医によって評価された新脈
管形成の必要性に依存して、約5ng〜135,000ng未満、より代表的に
は、約5ng〜67,500ngの脈管形成薬剤脈管形成因子を含む単位用量が
、単回注射または連続注射(代表的には、2〜40回の注射)として、新脈管形
成が必要な虚血心筋層に投与される。
め(または血管灌流を増加するため、あるいはDSEによって測定されるような
血管密度または局所的心筋機能を増加するため)の方法に関する。この方法は、
有効量の脈管形成薬剤脈管形成因子を、この患者の心筋層に、新脈管形成が必要
な1以上の領域に直接投与する工程を包含し、有効量の脈管形成薬剤脈管形成因
子は、約5ng〜135,000ng未満の脈管形成薬剤脈管形成因子である。
代表的には、この有効量の脈管形成薬剤脈管形成因子は、約5ng〜67,00
0ng未満の脈管形成薬剤脈管形成因子である。好ましくは、患者は、ヒト患者
である。より好ましくは、このヒト患者は、冠状動脈疾患(CAD)または心筋
梗塞(MI)の症状を有する。上記で言及した、用語「血管灌流」および「血管
密度」とは、新脈管形成の客観的尺度である。本発明の方法に従う脈管形成薬剤
脈管形成因子の投与に応答する、「血管灌流」および「血管密度」の増加は、本
明細書中の図4および6〜8に示される。本発明の方法に従って単位用量の脈管
形成薬剤脈管形成因子を投与することによって生じる、局所的な心機能の増加を
、図5および11に示す。
、VEGF−D、TGF−β1、FGF、あるいはそれらの脈管形成的に活性な
ムテインまたはフラグメントの群から選択されるメンバーである。好ましくは、
脈管形成薬剤脈管形成因子は、VEGF−A、VEGF−DまたはFGF、ある
いはそれらの脈管形成的に活性なフラグメントまたはムテインである。より好ま
しくは、脈管形成薬剤脈管形成因子は、FGF(例えば、FGF−1、FGF−
2またはFGF−5)、あるいはそれらの脈管形成的に活性なフラグメントまた
はムテインである。最も好ましくは、脈管形成薬剤脈管形成因子は、FGF−2
、あるいはその脈管形成的に活性なフラグメントまたはムテインである。
当該分野で公知の技術のうちの任意の1つを使用して、新脈管形成を必要する患
者の心筋層へ送達される。患者の新脈管形成についての必要性は、冠動脈造影、
MRIなどのような従来の評価技術を使用して、主治医によって評価される。最
も単純な実施形態において、薬物送達デバイス(例えば、注射器)に装着された
針は、新脈管形成を必要とする心筋層の領域への有効量の脈管形成薬剤脈管形成
因子の送達のために、身体の外側から胸腔(chest cavity)および
心膜を通ってその心筋層の領域に定位的に指向される。一旦投薬量が心筋層に送
達されると、ニードルを抜くかまたは脈管形成薬剤脈管形成因子の送達のために
その心筋層の1以上の部位に再位置付けされる。心筋層の注射部位の数(代表的
には、2〜40)に関わらず、送達される脈管形成薬剤脈管形成因子の全量は、
約5ng〜135,000ng未満、より代表的には、約5ng〜67,000
ngである。心筋層は、脈管形成薬剤脈管形成因子の送達後に収縮するので、い
くらかの少量の用量の脈管形成薬剤脈管形成因子は、心筋層から、針穴を介して
そして心膜空間内に押し戻され、ここで一時的に、必要なその領域での局所的濃
度を生じ、引き続いて、その心膜液に混合されて、長期間の間、心筋層を脈管形
成薬剤脈管形成因子中に浴し続けるということが考えられる。これらの効果は、
本発明の脈管形成薬剤脈管形成因子のIMc用量の効果を増強するよう作用する
だけである。従って、別の局面において、本発明は、患者の心臓において新脈管
形成を誘導するための方法に関し、単位用量の脈管形成薬剤脈管形成因子を新脈
管形成の必要な患者の心筋層内へ直接投与する工程、およびその残余量の脈管形
成薬剤脈管形成因子を、この心筋層周辺の心膜空間に侵入させる工程を包含する
。
によって測定されるような血管密度または局所的心筋機能を増加するため)の方
法の別の実施形態において、単位用量の脈管形成薬剤脈管形成因子は、デバイス
から心筋層に直接送達され、このデバイスは、その身体の外側に近位端を、そし
て冠状静脈、冠状動脈または心臓チャンバ内に位置付けられた遠位端を有する。
冠状静脈、冠状動脈または心臓チャンバから心筋層への、注射による薬物送達の
ための多くのデバイスが、当該分野で周知である。このようなデバイスの例とし
ては、心臓カテーテルが挙げられ、これは、遠位端に収納可能な針を有し、新脈
管形成を必要とする心筋層の領域に隣接して位置付けられる際に、所定量の薬物
の送達のために、その心筋層内へ針を伸ばすことが可能である。現在の方法にお
いて、このようなデバイスは、本発明の超低用量の脈管形成薬剤脈管形成因子を
、新脈管形成を必要とする心筋層の領域へ送達する。脈管形成薬剤脈管形成因子
の送達後、針は、遠位端内に収納され、そしてデバイスの遠位端は、新脈管形成
を必要とする心筋層の第2の領域に隣接して再位置付けされ、ここで、針が、心
筋層内に再度伸ばされて、超低用量の脈管形成薬剤脈管形成因子が送達される。
次いで、この手順は、必要とされるだけ繰り返される。上記の実施形態の針はま
た、レーザー(レーザー血管形成脈管形成術において使用されるような)に置換
可能であり、ここで、このレーザーは、新脈管形成を必要とする心筋層の領域内
へチャネルを開けるために使用され、そしてレーザーに隣接する開口部が、超低
用量の脈管形成薬剤脈管形成因子を、そのチャネル内に直接送達する。この後者
のデバイスは、「Trasmural Drug Delivery Meth
od and Appratus」との表題の、WO 98/05307および
対応USSN08/906,991(1997年8月6日に出願され、Loca
lMed,Palp Alto CAに譲渡された)に記載される。薬物送達に
適切な類似の心臓カテーテルは、ACS、Guidant、Angionおよび
LocalMedのような製造者から市販されている。
、従来のバルーン心臓カテーテルのバルーン部分の外面上に配置されている送達
デバイスが挙げられ、これは、バルーンの膨張時に、その薬物送達細孔を血管上
皮と直接接触させる。次いで、薬物は、この薬物が上皮を通って下層の心筋層内
へ通過させる圧力下で、その薬物送達細孔を通して送達される。このタイプのデ
バイスは、「Method and Apparatus for Press
urized Intraluminal Drug Delivery」とい
う表題の米国特許第5,810,767号(1998年9月22日公布);およ
び「Intravascular Catheter with Infusi
on Array」という表題の米国特許第5,713,860号(1998年
2月3日公布);ならびに「Localized Intravascular
Delivery of Growth Factors for Prom
otion of Angiogenesis」という表題の係属中の出願WO
97/23256および対応USSN08/753,224(現在係属中)に開
示される。
て利用される。代表的に、主治医は、カテーテルの遠位端を、冠状新脈管形成を
必要とする患者の大腿動脈または鎖骨下動脈に挿入し、そしてカテーテルを可視
化しながら、その遠位端を、新脈管形成を必要とする心臓の領域に近位する、冠
状動脈、静脈または心臓チャンバにガイドする。カテーテルの遠位端は、新脈管
形成を必要とする心筋層の領域に隣接して配置され、そして上記のように使用し
て超低用量(すなわち、脈管形成に効果的な量)の脈管形成薬剤脈管形成因子を
送達する。本発明に従って、脈管形成に有効な量の脈管形成薬剤脈管形成因子は
、約5ng〜135,000ng未満、代表的には、約5ng〜67,500n
gの脈管形成薬剤脈管形成因子を含む。脈管形成に有効な量の脈管形成薬剤脈管
形成因子は、送達デバイスの各々の再位置付けによって心筋層に注射されるが、
注射される脈管形成薬剤脈管形成因子の全量は、135,000ng未満(すな
わち、135μg未満)である。
子は、数日間の間か、2日に1回で継続的にか、数週間の間か、または2週間に
1回で継続的にかで、心筋層の適切な領域に投与される。しかし、1回の処置レ
ジメンで注射される脈管形成薬剤脈管形成因子の全量は、135,000ng未
満(すなわち、135μg未満)である。
AD)(すなわち、患者の1以上の冠状動脈が、部分的に閉塞される)および心
筋梗塞(MI)(すなわち、冠状動脈が、十分に閉塞されて、酸素付加された血
液のための動脈に依存する下流の心筋組織の壊死を引き起こす)である。従って
、別の局面において、本発明はまた、CADまたはMIの患者を処置するための
方法に関し、この方法は、有効量の脈管形成薬剤脈管形成因子を、患者の心筋層
に、新脈管形成を必要とする1以上の領域に、直接投与する工程を包含し、有効
量の脈管形成薬剤脈管形成因子は、約5ng〜135,000ng未満の脈管形
成薬剤脈管形成因子である。代表的に、有効量の脈管形成薬剤脈管形成因子は、
約5ng〜67,500ngの脈管形成薬剤脈管形成因子である。好ましくは、
患者は、ヒト患者である。
ましくは、組換えFGFあるいはその脈管形成的に活性なフラグメントまたはム
テインである。より好ましくは、脈管形成薬剤脈管形成因子は、FGF−2ある
いは脈管形成的に活性なフラグメントまたはムテインである。
成試薬が、減少するより少ない量で動物およびヒトに投与された一連の工程で確
立された。これらの臨床研究の血管形成脈管形成試薬は、米国特許第4,956
,455号(Baird)に開示されるような146残基を有する組換え成熟b
FGF−2であり、そして以後本明細書ではrbFGF−2と呼ばれる。本明細
書で用いられる超低投与量の血管形成脈管形成試薬の臨床的効力の予備的証拠と
して、最適の医療管理にもかかわらず、症候性のままである重篤なCADの症状
を示すヒト患者に、心臓カテーテルを経由する冠内注入により減少する投与量の
rbFGF−2を投与した。投与されたFGF−2の投与量(および患者の数)
は、0.33μg/kg(n=4)、0.65μg/kg(n=4)、2.0μ
g/kg(n=8)、6.0μg/kg(n=4)、12.0μg/kg(n=
4)、24μg/kg(n=8)、36μg/kg(n=10)および48μg
/kg(n=10)であった。アンギナ頻度および生活の質は、ベースライン(
FGF−2投与前)およびFGF−2投与後約60日におけるシアトルアンギナ
質問表(Seattle Angina Questionnaire)(SA
Q)により評価した。運動耐性時間(ETT)は、トレッドミル試験により評価
した。休息/運動核灌流およびゲート化セスタミビ決定静止駆出フラクション(
gated sestamibi−determined rest ejec
tion fraction)(EF)、および磁気共鳴造影(MRI)を、ベ
ースライン、ならびにFGF−2投与後30日および60日で評価した。評価さ
れたその他の終点は、(客観的測定駆出フラクション(EF)に対する)MRI
、規定壁動き(NWM)、標的化壁動き(TWN)、規定壁厚さ(NWT)、標
的化壁厚さ(TWT)、虚血領域ゾーンおよび側枝範囲を含んだ。それぞれ表2
〜4を参照のこと。
を示した。特に、表3は、最低投与量のFGF−2(2μg/kgより少ない)
を受けた患者が、評価された5つの規準のうち4つで、より高い投与量のFGF
−2(2μg/kgより多い)を受けた患者が示したより良好な結果を示したこ
とを記載する。CADを処置するための上記に記載された方法は、当該分野で採
用された標準的客観的判定基準(すなわちETT)により評価されたとき、処置
された患者のETTにおいて1分半〜2分の予期せぬ優れた増加を提供した。こ
れは、現在の処置の様式、すなわち血管形成脈管形成術のついて臨床的に有意で
あるとみなされる30秒の増加と比較したとき、例外的に良好であると比較され
る。
は、急性低血圧症である。これは、多くの血管形成脈管形成試薬の血管拡張薬と
しての既知の効果に起因する。しかし、本発明の範囲内の任意の超低投与量の血
管形成脈管形成試薬の単独または一連の投与の後、副作用である低血圧症は観察
されなかった。
とにおいて、本明細書で実施例2の規準を満足する、CADをもつと診断された
52人のヒト患者に、約20分間に亘り冠内(IC)注入により0.33μg/
kg〜48μg/kgのFGF−2の単位投与量を投与した。特に、52人の患
者では、冠状動脈(心臓)カテーテルを処置の必要な患者の動脈中(例えば、大
腿または鎖骨下)中に挿入し、そしてこのカテーテルを、これが処置される患者
の適切な冠状動脈中に位置するまで可視化して前方に押した。明りょうなライン
を維持するための標準的な注意を用い、血管形成脈管形成試薬を、10〜30分
の時間に亘り実質的に連続的に、単位投与量を注入することにより投与した。次
いで、52人の処置患者をシアトルアンギナ質問表により評価した。これは、客
観的および主観的規準の混合された組み合わせに基く評価を提供する。表2を参
照のこと。このシアトルアンギナ質問表は、処置前および処置後の両方で評価さ
れる以下の5つのサブスケールを備えた、確証された疾患特異的証書である:1
)「労作性能力」=肉体的活性の制限;2)「疾患認知」=MIを気にする;3
)「処置満足度」;4)「アンバナ頻度」=発症および舌下ニトログリセリン用
法の数;および5)「アンギナ安定性」=最も激しい肉体的活性をともなう発症
の数。この5つのサブスケールの各々に対する可能な範囲は0〜100であり、
より高いスコアはより良好な生活の質を示す。さらに、平均ベースラインスコア
(処置前)と処置後スコアとの間の8点以上の平均の変化は、「臨床的に有意」
であるとして認識される。表2は、予備試験され、次いでIC注入により0.3
3μg/kg〜24μg/kgのrbFGF−2の単一単位投与量を投与された
28人の患者が、「シアトルアンギナ質問表」により評価された5つの「生活の
質」について13〜36点の平均のスコアの増加を示したことを報告する。本明
細書にある表2を参照のこと。これらの13〜36点の増加は、処置の代替の様
式中で「臨床的に有意」であるとして当該分野で認識されている8点より1.6
〜4.5倍大きい。本明細書中の表2を参照のこと。さらに、表2の最初の15
人の患者についての合わせた結果を、低投与量(2μg/kgより小さいかまた
はそれに等しい)および高(2μg/kgより多い)投与量rbFGF−2の間
で壊し、そして「シアトルアンギナ質問表」により評価したとき、両方の投与量
がそれぞれ約12.3〜58.1および約10.9〜32.1の範囲の増加した
スコアをスコアを提供することが見出された。本明細書中の表3を参照のこと。
この増加したスコアは、処置の代替様式における「臨床的に有意」であると考え
られている8点の変化より1.4〜7.2倍大きかった。
例2の規準を満足する52人のヒト患者に、0.33μg/kg〜48μg/k
gのrbFGF−2の単一単位投与量をIC投与した。最大許容投与量は、重篤
であるが一過性の低血圧症により36μg/kgと規定され、低血圧症は、次の
より高い投与量48μg/kgで10人の患者のうち2人で観察された。部位の
1つで、23人の患者の心臓は、処置前(「ベースライン」)、および処置後3
0および60日の両方で、磁気共鳴造影(MRI)により、改善された冠状充足
性の客観的徴候に対して評価された。MRIにより評価された客観的規準は以下
である:1)左心室(LV)駆出フラクション(EF);2)通常壁厚さ(NW
T);3)通常壁動き(NWM);4)側枝範囲;5)虚血領域ゾーン;6)標
的化壁厚さ(TWT);7)標的化壁動き(TWM);および8)灌流または遅
延到達ゾーン(%LV)。患者はまた、アンギナ、トレッドミル運動持続時間、
休息/運動核灌流についても評価された。結果を表4に要約する。表4は、ベー
スラインアンギナクラスが、IC FGF−2後30および60日で、2.6〜
1.4および1.2までそれぞれ低下したことを反映する。平均のトレッドミル
運動時間は、8.5分のベースラインから、処置後30および60日で9.4お
よび10.0分まで増加した。左心室駆出フラクション(LV EF)において
は有意な差は観察されなかった。しかし、標的壁動きは、有意に増加し、15.
4%のベースラインから、FGF−2処置後23.5%(30日)および24.
1%(60日)まで動いた。同様に、標的壁厚化は、28.7%のベースライン
から、FGF−2処置後、34.7%(30日)および45.9%(60日)ま
で有意に増加した。灌流においてもまた有意な増加があり、遅延到達ゾーン(%
LV)における減少によっと測定され、この遅延到達ゾーンは18.9%のベー
スラインから、FGF−2処置後7.1%(30日)および1.82%(60日
)まで減少した。したがって、CAD患者に、FGF−2のような血管形成脈管
形成試薬の単一IC注入を提供することは、患者に、MRIおよびその他の従来
の規準により客観的に測定されるような有意な肉体的改善を提供した。
特に、腎臓は、約60kDのタンパク質カットオフを有し、そしてそれ故、血清
アルブミンを保持する(MW60kD)。しかし、本発明のすべての血管形成脈
管形成試薬は、40kDより小さい分子量を有する。本明細書の実施例の血管形
成脈管形成試薬であるFGF−2は、約16kDの分子量を有する。従って、腎
臓排泄が期待される。市販のbFGF−2の放射標識生体分配研究では、肝臓お
よび腎臓の両方が、IVまたはIC注射後1時間で高カウントの放射標識bFG
F−2を含むことが示された。bFGF−2の別の組換えヨウ素化形態がラット
に与えられた公開された研究では、肝臓が放出の主要器官として同定された。W
halenら、「The Fate of Intravenously Ad
ministered bFGF and the Effect of He
parin」Growth Factors、1:157−164(1989)
。より詳細には、FGF−2は、通常循環においてα2−マクログロブリンに結
合し、しかもこの複合体はKupffer細胞上のレセプターによりインターナ
ライズされることが知られている。Whalenら(1989)およびLaMa
rreら「Cytokine Binding and Clearance
Properties of Proteinase−Activated A
lpha−2−Macroglobulins」Lab.Invest.、65
:3−14(1991)。標識されたFGF−2フラグメントは、血漿中には見
出されなかったが、それらは、尿中に見出され、そしてサイズにおいて細胞内分
解産物に対応した。FGF−2がヘパリンと組み合わせて投与されたとき、FG
F−2の腎臓排出が増加した。Whalenら(1989)。このFGF−2分
子は、ヘパリンと複合体化しないときカチオン性であって、糸球体基底膜のカチ
オン性硫酸ヘパリンによりはじかれるようである。このFGF−2/ヘパリン複
合体は、より中性に荷電し、そしてそれ故、より容易に濾過され、そして腎臓に
より排泄される。
よび冠内(IC)投与後、Sprague Dawley(「SD」)ラットに
おけるIV投薬後、およびCADヒト患者におけるIC投与後に測定された。す
べての種において、IVおよび/またはIC注射後のrFGF−2血漿濃度は、
最初の時間の間のいくつかの対数スケール(分配フェーズ)に亘る初期の急峻な
傾きおよびかなりの減少をともなう二指数関数的曲線に従い、より緩和された減
退(排除フェーズ)が続く。図1は、時間曲線に対する血漿濃度を提供し、これ
は、次の投与量:0.33μg/kg,0.65μg/kg、2μg/kg、6
μg/kg、12μg/kgおよび24μg/kg除脂肪体重(LBM)の関数
として、組換え成熟bFGF−2(146残基)のIC投与後のヒトにおけるこ
れらのフェーズを示す。bFGF−2の血漿濃度は、ヒトFGF−2の分析のた
めに上市された市販のELISA(R&D Systems、Minneapo
lis MN)により測定した。hFGF−2のELISAアッセイは、組換え
成熟bFGF−2と100%交差反応性を示した。FGFファミリーのその他の
メンバー、および多くのその他のサイトカインは、このアッセイにより検出され
なかった。また、ヘパリンはこのアッセイを妨害しない。
タおよびラットにおける研究についてそれぞれ表5および表6に列挙する。読者
は、特定の詳細についてこれらの表に言及される。しかし、これらの点の中で、
注目されるべきは、半減期(T1/2)が、702±311〜609±350ml
/時間/kgのクリアランス(CL)を有する動物について単一成分モデルのた
めの単回IC注入の後2.8±0.8〜3.5時間であったことである。この研
究の結果は、rFGF−2の薬物動態学が、動物がICまたはIV経路を経由し
て投薬された否かにかかわらず実質的に同一であったことを示す。表5を参照の
こと。
より温和な排除フェーズが続く迅速な分配フェーズ、およびヒトについて図1で
報告されるような投与量直線性があることである。また、性別による差はなかっ
た。さらに、3区画モデルを、5−10分IC注入により0.65〜6.5μg
/kgを受ける前、約(「〜」)15分に70U/kgのヘパリンを受けたブタ
について分析した。この3区画モデルについて半減期(T1/2α、T1/2βおよび
T1/2γ)は、それぞれ1.5分、17分、および6.6時間であった。これら
の動物では、初期容量(「V1」)は、ほぼ血漿容量であり、そして定常状態容
量(「Vss」)は、血漿容量の約10倍であった。表5を参照のこと。ブタでは
、循環性ヘパリンに対するrFGF−2の結合は、生体分配および排除を低減す
るようである。同様に、ラットにおいて、rFGF−2の分配の容積およびクリ
アランスの両方がヘパリンを投与したときより小さかった。表6を参照のこと。
さらに、FGF−2のクリアランスに対する最大かつ最も好適な変化は、ヘパリ
ンが±15分以内、好ましくはrFGF−2注入の直前に投与されたときに見出
された。表6を参照のこと。
診断されたヒトで研究された。そのフェーズI研究で採用されたrbFGF−2
の投与量は、0.33μg/kg,0.65μg/kg、2μg/kg、6μg
/kg、12μg/kgおよび24μg/kg除脂肪体重(LBM)であり、そ
してすべての投与量は、rbFGF−2注入前1−95分のIVまたはIC投与
された40U/kgヘパリンを用いた患者の前処理後、20分のIC注入(2つ
の患者冠血管の各々中に10分)で投与された。本明細書の図1−3は、これら
の結果の基礎になるデータを要約する。特に、図1は、20分間の時間に亘り上
記に記載のようなIC注入により投与されたrbFGF−2の6つの異なる投与
量について、時間(時)に対する平均FGF−2血漿濃度のプロットである。図
1は、投与量直線性および二相性血漿レベル(すなわち、最初の時間の間の迅速
分配フェーズ、それに続く1.9±2.2時間のT1/2の放出フェーズ)を示す
。投与量直線性は、投与されたrbFGF−2の6つの投与量の各々に対する図
1についてpg・時間/mlの曲線(AUC)の下の個々の患者のFGF−2領
域のプロットである図2でより容易に観察される。図3は、「rFGF−2注入
前の分」で表したヘパリン投与量の時間に対する個々のヒト患者のFGF−2投
与量規格化AUCのプロットであり、そしてFGF−2 AUCに対するヘパリ
ン投与のタイミングの影響を示す。図3は、最大のAUC/投与量が、ヘパリン
のようなグリコサミノグリカンの有効量がrFGF−2注入の30分またはそれ
より短い内、より好ましくはrFGF−2注入の20分またはそれより短い内に
投与されたとき達成されたことを示す。
の有効量は、40〜70U/kgヘパリンである。これらの薬物動態学の結果が
、本明細書中の表7にまとめられる。
GF−2と比較して、あまり急激ではなく、分布の容量が少なければ少なく、そ
してクリアランスはよりゆっくりである。循環しているヘパリンとのrFGF−
2の複合体はrFGF−2の生体内分布および除去を減少させるようである。ヘ
パリン様構造に対するFGF−2の結合は強力(解離定数 約2×10-9M)で
あるが、FGF−2レセプターに対するFGF−2の結合は、およそ二桁大きい
(解離定数 約2×10-11M)。Moscatelliら(1991)。さら
に、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン)とのrFGF−2の複合体形成
は、シグナル伝達および有糸分裂誘発を増大させ得、そして/または酵素による
分解からrFGF−2を保護し得る。
ing mycardium)のモデルを使用して、10匹のミニブタに、90
%の左の回旋状の(LCx)冠状動脈狭窄を受けさせた。確認については、例え
ば、Yanagisawa−Miwaら、「Salvage of Infar
cted Myocardium by Antgiogenesic Act
ion of Basic Fibroblast Growth Facto
r」、Science,257:1401−1403(1992);Banai
ら、「Angiogenic−Induced Enhancement of
Collateral Blood Flow to Ischemic M
yocardium by Vascular Endothelial Gr
owth Factor in Dogs」、Circulation,89(
5):2183−2189(1994年5月);およびUngerら、「Bas
ic Fibroblast growth factor enhances
myocardial collateral flow in a can
ine model」、Am.J.Physiol.,266(Heart C
irc.Physiol.35):H1588−H1595(1994)を参照
のこと。1ヶ月後、ベースラインの陽電子射出断層撮影(PET)およびドブタ
ミン負荷心臓図検査を、これらの動物に対して行った。次いで動物を無作為化し
、そして100μlのキャリア(n=5)またはキャリア中のrbFGF−2(
45ng/注射;全用量1,350ng)(n=5)のいずれかの、LCx領域
中での30回の注射を用いて処置した。上記の注射においては、キャリアは、1
0mMのチオグリセロール、135mMのNaCl、10mMのクエン酸ナトリ
ウムおよび1mMのEDTA(pH5)を含有している滅菌水溶液であった。
静時のLCx領域の心筋の血流(MBF)は、PETによって測定した場合には
、ベースライン(0日)の非虚血性中隔値の61.3±4.4%から、手術の6
ヶ月後には82.8±3.1%に増大した(p<0.001)。LCx領域につ
いての安静時の壁の運動スコア指数(WMSI)は、ベースラインでは2.4±
0.2であり、そして6ヶ月で2.2±0.2に改善された(ベースラインに対
してp=0.08)。同様に、ピーク負荷時のLCx領域についてのWMSIは
、ベースラインでは2.2±0.4(0日目)であり、そして6ヶ月で1.8±
0.3にまで減少した(p=0.05)。ビヒクルで処置した動物においては、
あらゆる時点で、MBFにおいても、安静時WMSIでも負荷WMSIでも有意
な変化は存在しなかった。処置した慢性的な虚血の領域から採取した組織サンプ
ルのウェスタンブロット分析は、ビヒクルで処置した慢性的な虚血の領域中で観
察されたVEGFに対して、rFGF−2で処置した慢性的な虚血の領域におけ
るVEGFの有意に大きいアップレギュレーションを明らかにした(p<0.0
5)。
ては、超低用量の血管新生因子(例えば、FGF−2)の心筋内への直接注射が
、心筋層の処置された領域におけるMBFおよび収縮予備力を改善した。従って
、超低用量の血管新生因子が、血管新生を誘導するための実行可能な方法、なら
びにCADおよび/またはMIの処置のための実行可能な代替治療を示す。
F−2についての選択の基準および第I相の臨床試験についてのさらなる詳細を
提供する。実施例7は、超低用量の薬学的組成物についてのデータ、ならびに冠
状動脈の疾患および心筋梗塞についてのモデル系において患者(ミニブタ)の冠
状動脈の血管新生を誘導するための本発明の方法およびその使用を開示する。
FGF−2) 米国特許第5,155,214号(Baird)の組換えの成熟FGF−2を
、中程度の濃度(0.2μg/kgから約36μg/kg)の単位用量および薬
学的組成物として処方し、そしてラット、ブタ、および最終的にはヒトに、本明
細書中で言及される第I相の臨床試験において投与した。種々の処方物を以下に
記載する。
パーおよび赤色のフリップオフオーバーシールを備えた3ccのI型のガラスバ
イアル中の液体として、提供した。rFGF−2単位用量は、1.2mlの0.
3mg/mlのrFGF−2を、10mMのクエン酸ナトリウム、10mMのモ
ノチオグリセロール、1mMの二水和二ナトリウムEDTA(分子量372.2
)、135mMの塩化ナトリウム(pH 5.0)中に含んだ。このように、絶
対的な用語で、それぞれのバイアル(および単位用量)は、0.36mgのrF
GF−2を含んだ。液体の形態で単位用量を含有しているバイアルを、2℃から
8℃で保存した。
ップオフオーバーシールを備えた5ccのI型のガラスバイアル中に供給した。
rFGF−2希釈液は、10mMのクエン酸ナトリウム、10mMのモノチオグ
リセロール、135mMの塩化ナトリウムを含む(pH5.0)。それぞれのバ
イアルは、5.2mlのrFGF−2の希釈溶液を含んだ。そしてこれを、2℃
から8℃で保存した。
でrFGF−2の単位用量を注入容量が10mlであるように希釈することによ
って調製した。EDTAの濃度を100μg/mlの限界未満に維持するために
、比例的に大きい絶対量のFGF−2をより重い体重を有している患者に対して
投与する場合には、全注入容量を20mlにまで増大させた。
についての選択基準) 以下の選択基準を、最適な医療管理にもかかわらずその活動が冠状動脈の虚血
によって制限され、そして承認された再血管形成脈管形成治療についての候補で
はない、冠状動脈疾患を有している第I相の患者に対して適用した。
ト、冠状動脈のバイパス移植(CABG))(またはそのような介入を拒絶する
)についての最適には及ばない候補である ・改変されたBruceプロトコールを使用して少なくとも3分間の運動を行
うことが可能であり、そして冠状動脈の虚血によって制限される ・薬理学的な負荷を受けたタリウムセスタミビ(sestamibi)スキャ
ンについての少なくとも20%の心筋層の誘導性でありそして可逆的な欠損 ・必要とされる心臓のカテーテル法のための臨床的に受容可能な範囲の、CB
C、血小板、血清の化学 ・正常なINR、またはクマジン(Coumadin)を用いて血液凝固を阻
止された場合には、INR<2.0 ・この試験(全ての必要な試験手順およびその後の通院を含む)への参加につ
いての書面でのインフォームドコンセントを得る意思がありそしてそれを得るこ
と 排除の基準:被験体は、以下である場合には適格ではない: ・悪性疾患:治療的に処置された基底細胞癌を除いて、過去10年以内の悪性
疾患の任意の病歴 ・眼の状態:増殖性の網膜症、重篤な非増殖性の網膜症、網膜の静脈の閉塞、
イールズ病、または黄斑の浮腫もしくは眼科医による眼底検査:6ヶ月以内の眼
内の外科手術歴 ・腎機能:年齢について調整された正常な範囲未満のクレアチニンのクリアラ
ンス;24時間の尿あたりで、タンパク質>250mgまたはミクロアルブミン
>30mg ・クラスIVの心不全(New York Heart Associati
on) ・超音波心臓診断図、タリウムスキャン、MRI、またはゲートで制御される
プールされた血液のスキャン(MUGA)による、<20%の駆出率 ・血液動力学的に関連する不整脈(例えば、心室細動、持続性心室頻拍) ・重篤な弁の狭窄(大動脈の面積<1.0cm2、僧帽弁の面積<1.2cm2 )、または重篤な弁の不全 ・3週間以内のアンギナまたは不安定狭心症の顕著な増大 ・3ヶ月以内の心筋梗塞(MI)歴 ・6ヶ月以内の一過性脳虚血発作(TIA)または卒中歴 ・6ヶ月以内のCABG、血管形成脈管形成術、またはステント歴 ・6ヶ月以内の、経心筋層レーザー再血管形成脈管形成術、rFGF−2、ま
たは血管内皮増殖因子(VEGF)での処置歴 ・妊娠の可能性のある女性または授乳中の母親 ・任意の病理学的な線維症(例えば、肺線維症、硬皮症) ・既知の血管の奇形(例えば、AV奇形、血管腫) ・CADの症状の評価を妨害し得る任意の疾患(例えば、心外膜炎、肋軟骨炎
、食道炎、全身性の血管炎、鎌状赤血球症)の共存 ・改変されたBruceプロトコールの運動負荷試験の能力を制限する任意の
疾患(例えば、下肢の麻痺または切断、重篤な関節炎または下肢の重篤な慢性閉
塞性肺疾患(COPD))の共存 ・30日以内の研究薬剤、デバイス、または手順の臨床試験への参加(または
60日以内に薬物の研究が予定されている) ・rFGF−2または関連する化合物に対する既知の過敏症 ・調査者の意見において被験体のこの研究への参加を不適切とさせる任意の状
態(例えば、精神病、重篤な精神遅滞、研究員とコミュニケーションをとること
ができないこと、薬物またはアルコールの濫用) (実施例3:ヒトに対してICで投与された組換えFGF−2についての第I
相の臨床試験) 米国特許第5,155,214号の組換えFGF−2を、最適な医療管理を受
けたにもかかわらず徴候を残しており、そして外科手術によるかもしくは経皮的
な再血管形成脈管形成を拒否したかまたはこれらの最適状態には及ばない候補で
ある、重篤なCADを有している52人のヒトの患者に対して、第I相のオープ
ンラベルで、単回の投与で、用量を段階的に増大させながら、2つの部位での試
行において、投与した。薬物を、2つの主要な冠状動脈血供給源(IC)の間で
分けて、患者の冠状動脈中にカテーテルを配置するための標準的な技術(血管形
成脈管形成術においてすでに使用されているような)を使用して、単回の20分
間の注入として投与した。投与したrFGF−2の用量(μg/kg)は、0.
33(n=4)、0.65(n=4)、2.0(n=8)、6.0(n=4)、
12.0(n=4)、24(n=8)、36(n=10)、および48(n=1
0)であった。アンギナの頻度および生活の質を、Seattle Angin
a Questionnaire(SAQ)によって、ベースライン(rFGF
−2の投与の前)およびrFGF−2の投与の約60日後に評価した。運動耐性
時間(ETT)を、スレッドミル(threadmill)試験によって評価し
た。安静時/運動の核灌流(rest/exercise nuclear p
erfusion)、およびゲートで制御されるセスタミビ(sestamib
i)で決定された安静時駆出率(EF)、および核磁気共鳴画像化法(MRI)
を、ベースライン、ならびにFGF−2投与の30日後および60日後に評価し
た。評価した他の終点には、MRI(駆出率(EF)、正常な壁の運動(NWM
)、標的化した壁の運動(TWM)、正常な壁の厚み(NWT)、標的化した壁
の厚み(TWT)、虚血領域帯および側副の程度を客観的に測定するため)を含
んだ。表2〜4をそれぞれ参照のこと。
までに、8つの投与量のグループのうち、最も低い投与量のグループ(すなわち
、0.65μg/kg(23日目)、2.0μg/kg(57日目)、および6
.0μg/kg(63日目))で、3人が死亡した。3人の患者(すなわち、グ
ループ1(0.33μg/kg)、グループ3(2.0μg/kg)およびグル
ープ4(6.0μg/kg)からそれぞれ1人の患者)においては急性の心筋梗
塞(MI)についての6回の入院があった。3人の患者のうちの1人は、急性の
MIについての6回の入院のうちの4回を数えた。また、グループ4の患者への
投与の3週間後に診断された1人のラージB細胞のリンパ腫患者も存在した。こ
の患者は、投与後2ヶ月で死亡した。急性の低血圧(注入の間または注入の直後
により高い用量で見られる)は、昇圧剤を必要とすることなく液体の投与によっ
て管理した。ヒトにおける最大寛容用量(MTD)を、36μg/kgと定義し
た。(対照的に、ブタにおいては、MTDは、6.5μg/mlであった)。4
8μg/kgまでのICのrFGF−2の用量で、積極的な液体での管理を用い
て患者を管理したが、10人の患者のうちの2人においては、急性でありそして
/または起立性の低血圧に起因して寛容ではなかった。ICによって注入したr
FGF−2の半減期は約1時間であった。
から2分のETTにおける平均の増大を示した。これは、特に有意である。なぜ
なら、>30秒のETTにおける増大が有意であると考えられ、そして代替治療
(例えば、血管形成脈管形成術)を評価するための基準であるからである。アン
ギナの頻度および生活の質は、SAQによって測定した場合には、試験した28
人の患者(n=28)について、全ての5つのサブスケールにおいて、57日で
有意な改善を示した。表2および3を参照のこと。詳細には、SAQによって評
価された5つの基準についてのスコアにおける平均の変化は、13から36の範
囲であり、8以上の平均の変化は「臨床的に有意である」と考えられる。表2を
参照のこと。
観的な改善を示した。これは、30日目および60日目での増大した標的化され
た壁の運動(p<0.05)、および60日目での増大した標的化された壁の厚
み(p<0.01)を含む。MRIはさらに、11人の患者の試験グループ(n
=11)において、より少ない用量(0.33μg/kgおよび0.65μg/
kg)およびより多い用量(2.0μg/kgおよび12.0μg/kg)のグ
ループの両方について、改善された局所的な壁の運動、ならびに、標的化された
領域での増大した心筋の灌流量および側副の発達を示した。 (表7) 代表的には、グリコサミノグリカンの有効量は、40〜70U/kgヘパリンで
ある。これらの薬物動態学の結果が、本明細書中の表7にまとめられる。
い。ヘパリンを伴わないrFGF−2に対して比較した場合には、分布の容量が
少なければ少ないほど、クリアランスはよりゆっくりである。循環しているヘパ
リンとのrFGF−2の複合体は生体内分布およびrFGF−2の排除を減少さ
せるようである。ヘパリン様構造に対するFGF−2の結合は強力(解離定数
約2×10-9M)であるが、FGF−2レセプターに対するFGF−2の結合は
、およそ二桁大きい(解離定数 約2×10-11M)。Moscatelliら
(1991)。さらに、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン)とのrFG
F−2の複合体の形成は、シグナル伝達および有糸分裂を増大し得、そして/ま
たは酵素による分解からrFGFを保護し得る。
ng mycardium)のモデルを使用して、10匹のミニブタに、90%
の左の回旋状の(LCx)冠状動脈狭窄症を受けさせた。確認については、例え
ば、Yanagisawa−Miwaら、「Salvage of Infar
cted Myocardium by Antgiogenesic Act
ion of Basic Fibroblast Growth Facto
r」、Science,257:1401−1403(1992);Banai
ら、「Angiogenic−Induced Enhancement of
Collateral Blood Flow to Ischmic My
ocardium by Vascular Endothelial Gro
wth Factor in Dogs」、Circulation,89(5
):2183−2189(1994年3月);およびUngerら、「Basi
c Fibroblast growth factor enhances
myocardial collateral flow in a cani
ne model」、Am.J.Physiol.,266(Heart Ci
rc.Physiol.35):H1588−H1595(1994)を参照の
こと。1ヶ月後、ベースラインのポジトロンの放出の断像撮影(PET)および
ドブタミンストレスの超音波心臓検査を、動物に対して行った。次いで動物をラ
ンダマイズし、そして100μlのキャリア(n=5)またはキャリア中のrb
FGF−2(45ng/注射;全用量1,350ng)(n=5)のいずれかの
、LCx領域中での30回の注射を用いて処置した。上記の注射においては、キ
ャリアは、10mMのチオグリセロール、135mMのNaCl、10mMのク
エン酸ナトリウム、および1mMのEDTAを含有している滅菌の水溶液(pH
5)であった。
期のLCx領域の心筋の血流(MBF)は、PETによって測定した場合には、
ベースライン(0日)の非虚血性の中隔の値の61.3±4.4%から、手術の
6ヶ月後には82.8±3.1%に増大した(p<0.001)。LCx領域に
ついての休止期の壁の運動スコア指数(WMSI)は、ベースラインでは2.4
±0.2であり、そして6ヶ月で2.2±0.2に改善された(ベースラインに
対してp=0.08)。同様に、ピークストレス期のLCx領域についてのWM
SIは、規定では2.2±0.4(0日目)であり、そして6ヶ月で1.8±0
.3にまで減少した(p=0.05)。ビヒクルで処置した動物においては、あ
らゆる時点で、MBFにおいてまたはWMSIの休止期もしくはストレス期にお
いて有意な変化は存在しなかった。処置した慢性的な虚血の領域から採取した組
織サンプルのウェスタンブロット分析は、ビヒクルで処置した慢性的な虚血の領
域中で観察されたものに対して、rFGF−2で処置した慢性的な虚血の領域に
おけるVEGFの有意に大きいアップレギュレーションを明らかにした(p<0
.05)。
おいては、超低用量の血管形成因子(例えば、FGF−2)の直接の心筋への注
射が、心筋の処置された領域におけるMBFおよび収縮性の保存を改善した。従
って、超低用量の血管形成因子が、血管形成因子を誘導するための実行可能な方
法、ならびいCADおよび/またはMIの処置のための実行可能な別の治療を示
す。
F−2についての選択の基準および第I期の臨床試験についてのさらなる詳細を
提供する。実施例7は、超低用量の薬学的組成物についてのデータ、ならびに冠
状動脈の疾患および心筋梗塞についてのモデルシステムにおいて患者(ミニブタ
)の冠状動脈の血管形成を誘導するためのその使用を開示する。
、中程度の濃度(0.2μg/kgから約36μg/kg)の単位用量の薬学的
組成物として処方し、そしてラット、ブタ、および最終的にはヒトに、本明細書
中で言及される第I期の臨床試験において投与した。種々の処方物を以下に記載
する。
トッパーおよび赤色の素早くはずすことのできるカバーシールを備えた3ccの
I型のガラスバイアル中の液体として、提供した。rFGF−2単位用量は、1
.2mlの0.3mg/mlのrFGF−2を、10mMのクエン酸ナトリウム
、10mMのモノチオグリセロール、1mMのニ水和ニナトリウムEDTA(分
子量372.2)、135mMの塩化ナトリウム(pH 5.0)中に含んだ。
このように、独立した条件で、それぞれのバイアル(および単位用量)は、0.
36mgのrFGF−2を含んだ。液体の形態で単位用量を含有しているバイア
ルを、2℃から8℃で保存した。 rFGF稀釈液を、薄層を重ねた灰色のブチルラバーストッパーおよび赤色の
素早くはずすことのできるカバーシールを備えた5ccのI型のガラスバイアル
中に供給した。rFGF−2稀釈液は、10mMのクエン酸ナトリウム、10m
Mのモノチオグリセロール、135mMの塩化ナトリウムを含んだ(pH 5.
0)。それぞれのバイアル(および単位用量)は、5.2mlのrFGF−2の
稀釈溶液を含んだ。そしてこれを、2℃から8℃で保存した。 中程度の濃度のrFGF−2の薬学的組成物(注入した)を、rFGF稀釈液
でrFGF−2の単位用量を注入容量が10mlであるように希釈することによ
って調製した。EDTAの濃度を100μg/mlの限界未満に維持するために
、全注入容量を、FGF−2の比例的に大きい絶対的な量がより大きな体重を有
している患者に対して投与される場合には、20mlにまで増大させた。
の選択基準」 以下の選択基準を、最適な医薬品による処置にもかかわらずその活動が冠状動
脈の虚血によって制限され、そして彼らが改良された再血管形成治療についての
候補ではない、冠状動脈の疾患を有している第I期の患者に対して適用した。
イパス移植(CABG))(またはそのような介入を辞退する)についての最適
には及ばない候補である ・改変されたBruceプロトコールを使用して少なくとも3分間のエクササ
イズを行うことが可能であり、そして冠状動脈の虚血によって制限される ・薬理学的なストレスを受けたタリウムsestamibiスキャンについて
の少なくとも20%の心筋のの誘導性でありそして可逆的な欠損 ・必要とされる心臓のカテーテル法のための臨床的に受容可能な範囲の、CB
C、血小板、血清の化学 ・正常なINR、またはCoumadinを用いて血液凝固を阻止された場合
には、INR<2.0 ・この試験への参加についての書面でのインフォームドコンセントを得る意思
がありそしてそれを得ること、全ての必要な試験手順およびその後の通院を含む 排除の基準:被験体が以下である場合には適格ではない: ・悪性腫瘍:治療的に処置されたベースライン細胞のガン腫を除く、過去10
年以内の悪性腫瘍の任意の病歴 ・眼科の症状:増殖性の網膜障害、重篤な非増殖性の網膜障害、網膜の静脈の
閉塞、イールス病、または黄斑の浮腫もしくは眼科医による眼底検査:6ヶ月以
内の眼内の外科手術の病歴 ・腎機能:年齢について調整された正常な範囲以下のクレアチニンのクリアラ
ンス;24時間の尿あたりで、タンパク質>250mgまたはミクロアルブミン
>30mg ・クラスIVの心不全(New York Heart Associati
on) ・超音波心臓診断図、タリウムスキャン、MRI、またはゲートで制御される
プールされた血液のスキャン(MUGA)による、<20%の噴出比率 ・血液動力学的に関連する不整脈(例えば、心室の原繊維形成、維持された心
室の頻脈) ・重篤な弁の狭窄(大動脈の面積<1.0cm2、僧帽弁の面積<1.2cm2 )、または重篤な弁の不全 ・数週間以内の偏桃炎の顕著な増大または不安定な偏桃炎 ・数ヶ月以内の心筋梗塞(MI)の病歴 ・6ヶ月以内の一時的な虚血性の発作(TIA)または発作の病歴 ・6ヶ月以内のCABG、血管形成術、またはステントの病歴 ・6ヶ月以内の、離れた心筋のレーザによる再血管形成術、rFGF−2、ま
たは血管内皮成長因子(VEGF)での処置の病歴 ・妊娠の可能性のある女性または授乳中の母親 ・任意の病理学的な繊維症(例えば、肺動脈の繊維症、硬皮症) ・既知の血管の奇形(例えば、AV奇形、血管腫) ・CADの症状の評価を妨害し得る任意の疾患(例えば、心外膜炎、肋軟骨炎
、食道炎、全身性の血管炎、鎌状赤血球症)の同時の存在 ・改変されたBruceプロトコールのエクササイズのストレス試験の能力を
制限する任意の疾患(例えば、下肢の麻痺または切断、重篤な関節炎または下肢
の先端の重篤な慢性的な閉塞性の肺動脈の疾患(COPD))の同時の存在 ・30日以内の研究試薬、デバイス、または手順の臨床試験への関与(または
予定された60日以内の研究薬) ・rFGF−2または関連する化合物に対する公知の過敏症 ・研究者の意見においてこの研への関与に不適切とされる任意の状態(例えば
、精神病、重篤な精神薄弱、研究員とコミュニケーションをとることができない
こと、薬物またはアルコールの濫用) 実施例3 「ヒトに対してICで投与された組換えのFGF−2についての第I期の臨床
試験」 米国特許第5,155,214号の組換えのFGF−2を、最適な医薬品によ
る処置を受けたにもかかわらず徴候を残しており、そして拒否したかまたは外科
手術によるかもしくは経皮的な再血管形成の最適状態には及ばない候補である、
重篤なCADを有している52人のヒトの患者に対して、第I期のオープンラベ
ルで、単回の投与で、用量の段階的増大で、2つの部位での試行において、投与
した。薬物を、冠状動脈の血液の供給(IC)の2つの主要な供給源の間に分け
て、患者の冠状動脈中にカテーテルを配置するための標準的な技術(血管形成術
においてすでに使用されているような)単回の20分間の注入として投与した。
投与したrFGF−2の用量(μg/kg)は、0.33(n=4)、0.65
(n=4)、2.0(n=8)、6.0(n=4)、12.0(n=4)、24
(n=8)、36(n=10)、および48(n=10)であった。偏桃炎の頻
度および生活の質を、Seattle Angina Questionnai
re(SAQ)によって、ベースライン(rFGF−2の投与の前)およびrF
GF−2の投与の約60日後に評価した。エクササイズの忍耐時間(ETT)を
、threadmill試験によって評価した。休息/エクササイズの明らかで
はない血流量、およびゲートで制御されるsestamibiで決定された休止
期の噴出比率(EF)、および核磁気共鳴画像化法(MRI)を、ベースライン
、ならびにFGF−2の投与後30日および60日後に評価した。評価した他の
終点には、MRI(噴出比率(EF)、正常な壁の運動(NWM)、標的化した
壁の運動(TWM)、正常な壁の厚み(NWT)、標的化した壁の厚み(TWT
)、虚血部分の領域および側枝の程度を客観的に測定するため)を含んだ。表2
〜4をそれぞれ参照のこと。
のように、右側の投与量のグループについては、最も低い投与量のグループ(す
なわち、0.65μg/kg))(23日)、2.0μg/kg(57日)、お
よび6.0μg/kg(63日)で、3人が死亡した。3人の患者(すなわち、
それぞれのグループによる1人の患者、1(0.33μg/kg)、3(2.0
μg/kg)、および4(6.0μg/kg))においては急性の心筋梗塞(M
I)についての6回の入院期間があった。3人の患者のうちの1人は、急性のM
Iについての6回の入院期間のうちの4回を数えた。また、グループ4の患者へ
の投与の3週間後には、診断されたラージB細胞のリンパ腫も存在した。患者は
、投与後2ヶ月で死亡した。急性の低血圧(注入の間または注入の直後により高
い用量で見られる)は、昇圧剤を必要とすることなく液体の投与によって処置し
た。ヒトにおける最大の寛容化された用量(MTD)は、36μg/kgと定義
した。(対照的に、ブタにおいては、MTDは、6.5μg/mlであった)。
48μg/kgまでのICのrFGF−2の用量で、積極的な液体での処置を用
いて患者を処置したが、10人の患者のうちの2人においては、急性でありそし
て/または起立性の低血圧に起因して寛容化されなかった。ICによって注入し
たrFGF−2の半減期は約1時間であった。
から2分のETTにおける平均の増大を示した。これは、特に有意である。なぜ
なら、>30秒のETTにおける増大が有意であると考えられ、そして別の治療
(例えば、血管形成)を評価するための基準であるからである。偏桃炎の頻度お
よび生活の質は、SAQによって測定した場合には、試験した28人の患者(n
=28)について、全ての5つのサブスケールにおいて、57日で有意な改善を
示した。表2および3を参照のこと。詳細には、SAQによって評価される5つ
の基準についてのスコアにおける平均の変化は、「臨床的に有意である」と考え
られる8以上の平均の変化を伴って、13から36の範囲であった。表2を参照
のこと。
観的な改善を示した。これは、30日目および60日目での増大した標的化され
た壁の運動(p<0.05)、および60日目での増大した標的化された壁の厚
み(p<0.01)を含む。MRIはさらに、改善された局所的な壁の運動、な
らびに、11人の患者の試験グループ(n=11)において、より少ない容量(
0.33μg/kgおよび0.65μg/kg)およびより多い用量(2.0μ
g/kgおよび12.0μg/kg)のグループの両方について、標的化された
領域での増大した心筋の血流量および側枝の発達を示した。
、30日目および60日目で有意優位に減少した(p<0.001)。
とも6ヶ月間続く脈管形成をもたらす達成する場合には、非常に良好であると考
えられる。この第I相の研究においては、予想以上の優れた脈管形成効果が、全
ての投薬投与量のグループにおいて最後の57〜60日間続くことが観察された
。(表2〜4を参照のこと)。すでに得られている結果に基づくと、脈管形成の
影響が、12ヶ月以上であるが少なくとも6ヶ月続き、その時間に、必要とされ
る場合にはこの手順が繰り返され得ることが、予想される。
2についての提案された第II相の臨床試験」 冠状動脈の疾患についてヒトの患者を処置するための米国特許第5,155,
214号のrFGF−2の第II相の臨床試験を、4つのアーム:偽薬、0.3
μg/kg、3μg/kg/kg3μg/kg、および30μg/kgの環状動
脈内投与を用いる2連のブラインド/擬薬制御された研究として実施した。
組成物」 米国特許第5,155,214号のrFGF−2を、本明細書中に参照する第
II相の臨床試験におけるヒトへの投与のための薬学的組成物のストックとして
処方した。種々の処方物を以下に記載する。 実施例2〜4の中程度の濃度のrFGF−2ストック薬学的組成物を、薄層を
重ねた灰色のブチルラバーストッパーおよび赤色の素早くはずすことのできるオ
ーバーシールを備えた5ccのI型のガラスバイアル中の液体として、調製した
。rFGF−2組成物は、10mMのクエン酸ナトリウム、10mMのモノチオ
グリセロール、0.3mMの二水和二ナトリウムEDTA(分子量372.2)
、135mMの塩化ナトリウム(pH 5.0)中に、米国特許第5,155,
214号の0.3mg/mlのrFGF−2を含んだ。それぞれのバイアルは、
3.7mlのrFGF−2の薬物生成物の溶液(1つのバイアルあたり1.11
mgのrFGF−2)を含んだ。液体の形態の得られたFGF−2ストック薬学
的組成物を、2℃〜8℃で保存した。使用の前に、上記のFGF−2組成物を、
「rFGF−2擬薬」で稀釈した。
早くはずすことのできるオーバーシールを備えた5ccのI型のガラスバイアル
中に透明な無色の液体として供給した。rFGF−2偽薬は、薬物生成物からの
出現においては識別が不可能であり、そして以下の処方を有する:10mMのク
エン酸ナトリウム、10mMのモノチオグリセロール、0.3mMの二水和二ナ
トリウムEDTA(分子量372.2)、135mMの塩化ナトリウム(pH
5.0)。それぞれのバイアルは、5.2mlのrFGF−2の偽薬の溶液を含
む。単位用量と同様に、rFGF−2偽薬を、2℃から8℃で保存した。
る)を、本明細書中の実施例2〜4に記載するように、rFGF稀釈液でrFG
F−2の単位用量を注入容量が10mlであるように希釈することによって調製
した。EDTAの濃度を100μg/mlの限界未満に維持するために、全注入
容量を、比例的に大きい絶対的な量のFGF−2がより大きな体重を有している
患者に対して投与される場合には、40mlにまで増大させた。 (実施例6) 「環状動脈内rFGF−2の第II相のヒト臨床試験のためのCAD患者の選
択の基準」 従って、本発明に従うrFGF−2の単回の単位投与量を投与したヒトにおけ
る、生活の質および増大させられた脈管形成の効率における予想以上の優れた改
善の上記の証拠は、出願人らの単位用量の薬学的組成物およびその使用方法の特
許性を支持する。
形成の誘導」 有効と認められた冬眠心筋モデルを使用して、ミニブタに90%の左回旋状(
LCx)冠状動脈の狭窄症を受けさせた。簡潔には、水圧で制御される閉塞器を
、ミニブタのLCxの近位末端周辺に配置した。フロープローブを、水圧の閉塞
器に対して遠位のLCx中に挿入し、そして閉塞器を一貫して90%の閉塞を提
供するように膨張させた。動物を6つのグループで試験した。1ヶ月後、ベース
ラインのポジトロンの放出の断像撮影(PET)およびドブタミンストレスの超
音波心臓検査(DSE)を行い、そして動物を、100μlのキャリア(n=5
)またはキャリア中のrFGF−2(45ng/注射;全用量1.35μg)(
n=5)のいずれかの、LCx領域中での30回の注射に対して無作為化した。
上記の注射においては、FGF−2は、米国特許第5,155,214号の組換
えの成熟のFGF−2(配列番号2)であった。キャリアは、10mMのチオグ
リセロール、135mMのNaCl、10mMのクエン酸ナトリウム、および1
mMのEDTAを含有している滅菌の水溶液(pH5)であった。この実施例で
提供した全用量(1.35μg)のFGF−2は、アメロイド(ameroid
)ブタモデルにおいて有効であることが見出されている、冠状動脈内(IC)で
送達される用量(135μg)の1/100であった。アメロイドブタモデルで
は、LCxは100%を閉塞させられる。
LCx領域の心筋の血流(MBF)は、PETによって測定した場合には、ベー
スライン(0日目)での非虚血性の中隔の値の61.3±4.4%から、手術の
6ヶ月後には82.8±3.1%に増大した(p<0.001)。LCx領域に
ついての休止期の壁の運動スコア指数(WMSI)は、ベースラインでは2.4
±0.2であり、そして6ヶ月で2.2±0.2に改善された(ベースラインに
対してp=0.08)。同様に、ピークストレス期のLCx領域についてのWM
SIは、ベースラインでは2.2±0.4(0日目)であり、そして6ヶ月で1
.8±0.3にまで改善された(p=0.05)(図5)。ビヒクルで処置した
動物においては、あらゆる時点で、MBFにおいてまたは休止期もしくはストレ
ス期のWMSIにおいても有意な変化は存在しなかった。処置の6ヶ月後、ミニ
ブタを屠殺し、そして処置した虚血性の心筋の毛細血管の密度を決定した。FG
F−2処置したミニブタは、生理食塩水で処置したグループについての約170
0に対して、約4400/単位容量の毛細血管の密度を示した(図6)。ウェス
タンブロット分析は、ビヒクルを用いて観察したものに対して、慢性的な虚血の
FGF−2で処置した領域においてVEGF(VEGF165として測定した)お
よびFGF−2の有意に大きいアップレギュレーションを明らかにした(p<0
.05)。図10。驚くべきことに、VEGFおよびFGF−2のアップレギュ
レーションは、処置後少なくとも3ヶ月間持続した(図10)。
の心筋内注射は、MBF、収縮性の保存、血流量(図4)、DSE(図5)によ
って測定されるような心筋の機能、および心筋の処置領域の毛細血管密度(図6
)を改善する。従って、超低用量の脈管形成剤脈管形成因子IMcの注射が、脈
管形成剤脈管形成因子を誘導するための実行可能な方法、およびCADおよび/
またはMIの処置のための実行可能な別の治療を示す。 (実施例8) 「ミニブタの心筋への種々の用量のrFGF−2の投与による、インビボでの
脈管形成の誘導」 実施例7に記載した確認された冬眠心筋のモデルと同じモデルを使用して、ミ
ニブタに、90%の左回旋状(LCx)冠状に狭窄症を受けさせた。簡潔には、
水圧で制御される閉塞器を、ミニブタのLCxの近位の末端の周辺に配置した。
フロープローブを、水圧の閉塞器に対して遠位のLCx中に挿入し、そして閉塞
器を一貫して90%の閉塞を提供するように膨張させた。4群の動物を6匹の群
で試験した。群は以下の通りであった: ・IMcの中程度の用量:6匹の動物、@0.6μg/kg 全用量IMc ・LCx領域中に30回の注射、ヘパリンのIMcはなし ・IMcの高用量:6匹の動物、@6.0μg/kg 全用量IMc ・LCx領域中に30回の注射、ヘパリンのIMcはなし ・ポジティブコントロール:6匹の動物、アメロイドモデル(LCxの100
%の閉塞)において@6.0μg/kgのI.C.、送達される全用量135μ
g ・注入の開始の5分前に70U/kgのヘパリン ・可能である場合には、1/2用量のRAC、1/2用量のLCxまたはL
AD(3μg/kg/動脈)、動脈あたり10分間にわたる注入によってそれぞ
れ送達される(20分の全注入時間) ・ネガティブコントロール:6匹の動物−ビヒクル/生理食塩水×30回の注
射 IMc。
る心臓の機能を用いて、すぐに冬眠心筋についてのベースラインを確立した。
連する、CPK、MB、心臓のトロポニンI(「TNI」)、または心臓のトロ
ポニンT(「TNT」)) ・rFGF−2アッセイの予備処置のための遠心分離した血漿(−70℃
で凍結) ・EKG(3つのリード、周期的な静脈抜去術を伴う) ・処置の間: ・HRおよびBPデータを記録した:液体を用いて低血圧を処置した ・モニターによってリズムの変化を記録した ・上記に記載した、FGF−2(中程度の用量および高用量)、ネガティブ
コントロール、およびポジティブコントロールを用いて、4つのグループを処置
した ・処置後: ・HR/BPをベースラインに戻るまで記録した ・血清の化学、CBC、心臓の酵素、およびrFGF−2アッセイのための
遠心分離した血漿の第2のセットを、処置後の可能な最新の時点(最低2時間)
で回収した。血液の回収にはすべての動物について処置後の同じ時間を使用する
。取り扱いについての上記を参照のこと ・EKG(3つのリード、周期的な静脈抜去術を伴う) (第2相) (フォローアップ@処置後3ヶ月) ・麻酔下 ・HRおよびBPを記録した ・血清の化学、CBC、心臓の酵素、およびrFGF−2アッセイのための
遠心分離した血漿のために血液を回収した。取り扱いについての上記を参照のこ
と。
決定した。2リーダーに対してブラインドにした処置群。
屠殺した。
傷跡、注射部位の変化、心臓周辺の変化)を記録した ・組織:隔壁、動脈壁、LCx領域 ・構造についてヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した ・繊維症についてトリクロムでの染色した ・内皮組織を同定するためにアルカリホスファターゼで染色した ・中央の心筋の横断面の血管全体の密度のブラインド評価を行った ・注射部位での局所的な病理学(繊維症、血管の分布状態、筋細胞の欠失
、梗塞など)を検索した。
ィブコントロール(上記)を用いた処置の3ヶ月後、および「中程度」(0.6
μg/kg(13.5μg))または「高」6.0μg/kg(135μg))
の用量のrFGF−2(配列番号2)でのIMc処置の3ヶ月後に、PETによ
って決定した。このデータを、図7に棒グラフで示す。これはまた、実施例7に
おいて決定するように、「低」(0.06μg/kg(1.35μg))用量の
FGF−2による正常化された血流量のデータと組合せる。図7は、正常化され
た血流量における最大の%変化(すなわち、27.5%の増大)が、驚くべきこ
とに、「中程度」の用量について生じ、そして「低」および「高」用量はそれぞ
れ17.5%および17%のより低い変化を示すことを示す。図7のデータは、
2つの別々の実験の結果(明るい棒および暗い棒)であり、「低」用量について
の偽薬である「uld」(超低用量)として示される明るい色をつけた偽薬もま
た、明るい色をつけた棒として示す。
血性の心筋についての正常化された血流量における%変化を、図8の棒グラフ中
のポジティブ(IC)およびネガティブ(偽薬)コントロールと比較する。「高
」用量は、処置後1ヶ月で、「中程度」の用量について達成された正常化された
血流量においてより多い増大を示した。しかし、正常化された血流量における%
増大は、処置後3ヶ月で、「中程度」の用量のrFGF−2のIMcについて予
想以上に生じた。この予想以上の優れた結果は、「高」用量で処置したグループ
についてのものよりも、「中程度」の用量で処置したグループについて観察され
た、予想以上により大きな血管の密度によって確証づけらる。(図9)。さらに
、中程度の用量で処置した群について予想以上の優れた結果の両方を示したこと
は、「高」用量の群(約170pg/ml)で、またはポジティブなICコント
ロール(約175pg/ml)で観察されたものと比較して、「中程度」の用量
(約290pg/ml)での処置の3ヶ月後に観察された処置された虚血性の心
筋における細胞内FGF−2の、予想以上に優れたアップレギュレーションと一
致する。 従って、本発明の方法に従ってIMcで投与されるFGF−2の全ての投薬量
が、血流量および心臓の機能を増大させるが、(中程度)の用量のFGF−2が
予想以上に優れているようであり、これは、約0.3μg/kg(または6.7
5μgまたは6,750ng)から約3.0μg/kg(または67.5μgま
たは67,500ng)までで生じる。
つの異なる用量のrFGF−2についての、時間(時間)に対する平均組換えウ
シFGF−2血漿濃度のプロットである。図1におけるrFGF−2の6つの用
量は、0.33μg/kg、0.65μg/kg、2μg/kg、6μg/kg
、12μg/kgおよび24μg/kgの赤身(lean)ボディマス(LBM
)である。
lの各個々の患者のrFGF−2曲線下面積(AUC)のプロットであり、そし
てIC注入後の全身rFGF−2曝露の用量線形性を示す。
て個々のヒト患者のrFGF−2用量で正規化したAUCのプロットであり、そ
してrFGF−2 AUCに対するヘパリン投与のタイミングの影響を示す。r
FGF−2は、組換えウシFGF−2であった。
って測定した場合の、冬眠心筋のブタモデルにおける正規化された心筋灌流(ベ
ースラインからの変化の%として報告される)を比較する棒グラフである:偽投
与;生理食塩水;および1.35μgのrFGF−2(配列番号2)を含む単位
用量。
タモデルにおけるドルブタミンドブタミン負荷心エコー図によって心筋機能を比
較する棒グラフである:偽投与;生理食塩水;および1.35μgのrFGF−
2(配列番号2)を含む単位用量。
ける90%閉塞から下流の)虚血性心筋組織における毛細血管密度(血管数)を
比較する棒グラフである:偽投与;生理食塩水;および1.35μgのrFGF
−2(配列番号2)を含む単位用量。
定された場合の、冬眠心筋のブタモデルにおいて正規化された心筋灌流(ベース
ラインからの変化の%として報告される)を比較する、棒グラフである:生理学
的食塩水(プラシーボ);0.06μg/kg(1.35μg)のrFGF−2
(配列番号2)を含有する単位用量(「低」);0.6μg/kg(13.5μ
g)のrFGF−2(配列番号2)を含有する単位用量(「中」);6.0μg
/kg(135μg)のrFGF−2(配列番号2)を含有する単位用量(「高
」)。棒グラフは、正規化された灌流における最大の変化の%(すなわち、27
.5%の増加)が、「中」用量について生じ、「低」用量および「高」用量は、
それぞれ、17.5%および17%という匹敵する変化を示すことを示す。図7
におけるデータは、2つの別の実験(明るい棒および暗い棒)の結果であり、「
uld」(超低用量)と称されるプラシーボは、「低」用量についてのプラシー
ボであり、明るく着色した棒として示す。
および3ヶ月でのアメロイド(LCxの100%閉塞)心筋層のブタモデルにお
ける正規化された心筋灌流(PETによって測定された場合)における変化の%
を、以下の心筋内(IMc)注射後1ヶ月および3ヶ月での冬眠心筋層(LCx
の90%閉塞)のブタモデルにおける正規化された心筋灌流における変化%に対
して比較する棒グラフである:生理食塩水(プラシーボ);0.6μg/kg(
13.5μg)のrFGF−2(配列番号2)を含有する単位用量(「中」);
6.0μg/kg(135μg)のrFGF−2(配列番号2)を含有する単位
用量(「高」)。この棒グラフは、正規化された灌流における最大の増加%が、
処置後3ヶ月で「中」用量のrFGF−2 IMcについて生じたことを示す。
「高」用量は、予想外に、「中」用量について達成されたよりもより低い増大を
正規化された灌流において示した。
量)のrFGF−2(配列番号2)IMcで処置した、冬眠心筋層のブタモデル
についての血管密度(処置された心筋層の指定された容量における平均血管数)
を、6.0μg/kgのrFGF−2(配列番号2)ICで処置したアメロイド
ブタモデル(LCxの100%閉塞)に対して、生理食塩水IMc(プラシーボ
)での処置に対して、比較する棒グラフである。この結果は、血管密度における
最大の増大が、IMc投与された「中」用量(0.6μg/kgまたは13.5
μgのrFGF−2)によって生じたことを示す。
g/kg(13.5μg)の配列番号2のFGF−2でのIC、または冬眠心筋
層(LCxの90%閉塞)のブタモデルのビヒクルもしくは0.6μg/kg(
13.5μg)の配列番号2のFGF−2(「中」用量)もしくは6.0μg/
kg(135μg)の配列番号2のFGF−2(「高」用量)での処置後3ヶ月
における虚血性心筋細胞におけるVEGF(VEGF165として測定)およびF
GF−2の細胞内濃度(pg/ml)を比較する、棒グラフである。驚くべきこ
とに、FGF−2で処置した虚血性細胞は、統計的に有意な量のVEGFおよび
FGF−2の両方を処置後3ヶ月まで産生した。より驚くべきことに、最大濃度
の細胞内FGF−2は、「中」用量のIMcで処置された細胞によって誘導され
た。
.6μg/kg(13.5μg))のFGF−2(配列番号2)ICでの、また
は冬眠心筋のブタモデルにおける「低」用量(0.06μg/kg(1.35μ
g))のFGF−2(配列番号2)IMc、もしくは「中」用量(0.6μg/
kg(13.5μg))のFGF−2(配列番号2)IMc、もしくは「高」用
量(6.0μg/kg(135μg))のFGF−2(配列番号2)IMcでの
、処置後3ヶ月および6ヶ月でのDSEによるピーク負荷正規化局所機能スコア
における変化の%を比較する、棒グラフである。図11は、ピーク負荷正規化局
所機能スコアにおける変化の%が、IMc投与群について処置後3ヵ月および6
ヶ月で減少した(これは、より良好な機能を示す)ことを示し、そしてピーク負
荷正規化局所機能スコアにおける変化の%は、IC群およびプラシーボ群につい
て増大した(これは、減少している機能を示す)。さらに、正規化された機能ス
コアにおける最大の減少は、「低」用量群について生じ、そして驚くべきことに
、減少している機能スコアによって、処置後6ヶ月まで機能が改善され続けてい
ることを示した。
Claims (41)
- 【請求項1】 薬学的に受容可能なキャリアに有効量の脈管形成因子を含む
薬学的組成物であって、該有効量の脈管形成因子が、約5ng〜約135,00
0ng未満の範囲の該脈管形成因子である、薬学的組成物。 - 【請求項2】 凍結乾燥された形態である、請求項1に記載の薬学的組成物
。 - 【請求項3】 前記脈管形成因子が、血小板由来増殖因子(PDGF)、血
管内皮増殖因子−A(VEGF−A)、VEGF−D、線維芽細胞増殖因子(F
GF)、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインであ
る、請求項1または2に記載の薬学的組成物。 - 【請求項4】 前記脈管形成因子が、VEGF−A、VEGF−D、FGF
、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、請
求項3に記載の薬学的組成物。 - 【請求項5】 前記VEGF−Aが、ヒトのVEGF−A121、VEGF−
A165、VEGF−A189、またはVEGF−A206である、請求項4に記載の薬
学的組成物。 - 【請求項6】 前記脈管形成因子が、FGF、あるいは脈管形成的に活性な
そのフラグメントまたはムテインである、請求項4に記載の薬学的組成物。 - 【請求項7】 前記FGFが、FGF−2、あるいは脈管形成的に活性なそ
のフラグメントまたはムテインである、請求項6に記載の薬学的組成物。 - 【請求項8】 前記FGFが、配列番号2、5または6のFGF−2である
、請求項7に記載の薬学的組成物。 - 【請求項9】 前記脈管形成因子の酸化を阻止するために有効量のキレート
剤をさらに含む、請求項2に記載の薬学的組成物。 - 【請求項10】 前記FGF−2、あるいは前記脈管形成的に活性なそのフ
ラグメントまたはムテインの酸化を阻止するために有効量のキレート剤をさらに
含む、請求項9に記載の薬学的組成物。 - 【請求項11】 前記有効量のFGF−2が、5ng〜67,500ngの
範囲の前記脈管形成因子である、請求項8に記載の薬学的組成物。 - 【請求項12】 心筋層において血管灌流を増加するための方法であって、
該方法は、有効量の脈管形成因子を、灌流における増加が必要な該心筋層の領域
に注射する工程を包含し、該有効量が、脈管形成因子の約5ng〜135,00
0ng未満の範囲内である、方法。 - 【請求項13】 前記有効量の脈管形成因子が、5ng〜67,500ng
のPDGF、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性
なそれらのフラグメントまたはムテインである、請求項12に記載の方法。 - 【請求項14】 前記脈管形成因子が、VEGF−A、VEGF−D、FG
F、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、
請求項13に記載の方法。 - 【請求項15】 前記VEGF−Aが、ヒトのVEGF−A121、VEGF
−A165、VEGF−A189、またはVEGF−A206である、請求項14に記載
の方法。 - 【請求項16】 前記脈管形成因子が、FGF、あるいは脈管形成的に活性
なそのフラグメントまたはムテインである、請求項14に記載の方法。 - 【請求項17】 前記FGFが、FGF−2、あるいは脈管形成的に活性な
それらのフラグメントまたはムテインである、請求項16に記載の方法。 - 【請求項18】 前記FGF−2が、配列番号2、5または6のアミノ酸配
列を有する、請求項17に記載の方法。 - 【請求項19】 心筋層において血管密度を増加するための方法であって、
該方法は、有効量の脈管形成因子を、灌流における増加が必要な該心筋層の領域
に注射する工程を包含し、該有効量が、脈管形成因子の約5ng〜135,00
0ng未満の範囲内である、方法。 - 【請求項20】 前記有効量の脈管形成因子が、5ng〜67,500ng
のPDGF、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性
なそれらのフラグメントまたはムテインである、請求項19に記載の方法。 - 【請求項21】 患者の心臓において新脈管形成を誘導するための方法であ
って、該方法は、新脈管形成が必要な1以上の領域での該患者の心筋層に、有効
量の脈管形成因子を直接注射する工程を包含し、該有効量の脈管形成因子が、約
5ng〜135,000ng未満の該脈管形成因子である、方法。 - 【請求項22】 前記有効量の脈管形成因子が、前記脈管形成因子の5ng
〜67,500ngである、請求項21に記載の方法。 - 【請求項23】 前記患者がヒト患者である、請求項22に記載の方法。
- 【請求項24】 前記ヒト患者が冠状動脈障害(CAD)または心筋梗塞(
MI)の徴候を有する、請求項22に記載の方法。 - 【請求項25】 前記脈管形成因子が、PDFG、VEGF−A、VEGF
−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテイ
ンである、請求項23に記載の方法。 - 【請求項26】 前記脈管形成因子が、VEGF−A、VEGF−D、FG
F、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、
請求項25に記載の方法。 - 【請求項27】 前記VEGF−Aが、ヒトのVEGF−A121、VEGF
−A165、VEGF−A189、またはVEGF−A206である、請求項26に記載
の方法。 - 【請求項28】 前記脈管形成因子が、FGF、あるいは脈管形成的に活性
なそのフラグメントまたはムテインである、請求項26に記載の方法。 - 【請求項29】 前記FGFが、FGF−2、あるいは脈管形成的に活性な
そのフラグメントまたはムテインである、請求項28に記載の方法。 - 【請求項30】 前記FGF−2が、配列番号2、5または6のアミノ酸配
列を有する、請求項29に記載の方法。 - 【請求項31】 3ヶ月までの間、ヒト心筋細胞においてFGF−2および
VEGFの産生を刺激するための方法であって、該方法は、新脈管形成が必要な
1以上の領域での患者の心筋層に、有効量の脈管形成因子を直接注射する工程を
包含し、該有効量の脈管形成因子は、約5ng〜135,000ng未満の該脈
管形成因子である、方法。 - 【請求項32】 該有効量の脈管形成因子が6.75μg〜67.5μgの
該脈管形成因子である、請求項31に記載の方法。 - 【請求項33】 冠状動脈疾患についてヒト患者を処置するための方法であ
って、該方法は、該疾患について処置が必要な1以上の領域での心筋層に、有効
量の脈管形成因子を直接注射する工程を包含し、該有効量の脈管形成因子が、約
5ng〜135,000ng未満の該脈管形成因子である、方法。 - 【請求項34】 前記有効量の脈管形成因子が、5ng〜67,500ng
の該脈管形成因子である、請求項33に記載の方法。 - 【請求項35】 前記脈管形成因子が、PDFG、VEGF−A、VEGF
−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテイ
ンである、請求項34に記載の方法。 - 【請求項36】 前記脈管形成因子が、VEGF‐A、VEGF‐D、FG
F、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、
請求項35に記載の方法。 - 【請求項37】 前記VEGF−Aが、ヒトのVEGF−A121、VEGF
−A165、VEGF−A189、またはVEGF−A206である、請求項36に記載
の方法。 - 【請求項38】 前記脈管形成因子が、FGF、あるいは脈管形成的に活性
なそのフラグメントまたはムテインである、請求項37に記載の方法。 - 【請求項39】 前記FGFが、FGF−2、あるいは脈管形成的に活性な
そのフラグメントまたはムテインである、請求項38に記載の方法。 - 【請求項40】 前記FGFがFGF−2である、請求項39に記載の方法
。 - 【請求項41】 前記FGF−2が、配列番号2、5または6のアミノ酸配
列を有する、請求項40に記載の方法。
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