JPH08505130A - 認識障害の治療のためのフエンセリンの使用 - Google Patents

認識障害の治療のためのフエンセリンの使用

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JPH08505130A JP6513358A JP51335894A JPH08505130A JP H08505130 A JPH08505130 A JP H08505130A JP 6513358 A JP6513358 A JP 6513358A JP 51335894 A JP51335894 A JP 51335894A JP H08505130 A JPH08505130 A JP H08505130A
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Abstract

(57)【要約】 有効量のフェンセリン又は調剤上許容される塩又は誘導体により患者を処置することから成る加齢とアルツハイマー症を伴った認識障害の改良されたコリノミメティク治療(cholinomimetic therapy)方法。

Description

【発明の詳細な説明】 認識障害の治療のためのフエンセリンの使用 この出願は継続中の出願番号07/861,329(1992年3月31日出願)とその継続中 の親出願の07/765,746(1991年9月26日出願)に関連する。技術分野 この発明は認識障害の治療方法の改良に関する。さらに詳しくは、フィゾスチ グミン誘導体、すなわちフェンセリンとその塩に関する。それらは長期に渡って 作用するコリンエステラーゼ抑制剤であり、そしてスコポラミンにより引き起こ させれる14ユニットT−迷路(14-unit t-maze)中でのラットの学習障害を広範 囲の投与量で減衰する。背景技術 フィゾスチグミンはエセリンともよばれ、コリンエステラーゼ抑制剤として知 られる。これらの化合物はまた緑内障、無筋力症、アルツハイマーの治療や有機 燐の解毒剤として有用である。 フィゾスチグミンの自然異性体は神経筋AChRの作用薬としての性質と遮断 作用を有することが分かってきた。対照的に、(+)−フィゾスチグミンのコリ ンエステラーゼ(ChE)の抑制は無視できる程度である。(Brossi et al.,F EBS Lett.,vol.20l,p190-192(1986)) (+)−フィゾスチグミンのChE抑制活性は無視できる程度ではあるが、致 死量のサリンの防護的予備治療剤としては効果的である(Albuquerque et al,F undam.Appl.Caltoxicol.,vol.5 p182-203(1985))。この保護効果はカルバ メートが直接的にシナプス後部のニコチニックAChRと相互作用をするためと 考えられる。有機燐化合物に対するカルバメートの保護効果は、ニュートロトラ ナミッター(neutrotranamitter)の蓄積による超活性化をカルバメートが減少 させ る直接的能力に関係している。 上記の情報はコリン作用障害、例えば無筋力症、アルツハイマー症の治療に対 する新薬の評価に重要である。新薬は電気ウナギやヒト赤血球アセチルコリンエ ステラーゼやヒト血漿ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)でインビトロで テストすることにより評価できる。 コリン作用の欠失は老化による認識障害やアルツハイマー症の原因と思われる が(Bartus et al.,Science 217:408-417(1982);Fischer et al.,Neurobi ol Aging 13:9-23(1992))、これらの障害の新しい治療法としてコリン作用 の置き換えに更なる研究の焦点があてられてきた。これらの中で、フィゾスチグ ミン(Phy)とテトラヒドロアミノアクリジン(THA)のようなコリンエス テラーゼ抑制剤が動物(Rupniak et al.,Neurobiol.Aging 11:609-613(1990 );Murray et bal.Psychopharmacology 105:134-136(1991))とヒトの患者 (Mohs et al.,J.Am.Geriatr.Soc.33:749-757(1985);Summers et al. ,N.Engl.J.Med.315:1241-1245(1986))における記憶増強作用に関して 研究された。 しかしながら、フィゾスチグミンの治療薬としての有用性は持続時間が短いこ と、治療範囲が狭いこと、抹消のコリン作用により制限される(Pomponi et al .,Aging 2:125-153(1990))。THAの経目投与が臨床上望ましいが、投与 量に関連する肝臓毒が臨床的価値を制限しており(Marks,Science 238:1041-1 042(1987))、より安全な少量の投与量では肝臓毒となるような高投与量より も効果が少ない(Gauthier et al.,N.Engl.J.Med.322:1272-1276(1990) )。 さらに、他のコリンエステラーゼ抑制剤としてフィゾスチグミンのカーバメー ト誘導体であるヘプチルフィゾスチグミン(heptyl−Phy)が認識障害 のコリン作用治療薬の候補として考えられた(Brufani et al.,Pharmacol.Bio chem.Behav.26:625-629-(1987);Dawson et al.,Pharmacol.Biochem.Be hav.39:865-871 (1991);De Sarno et al.,Neurochem.Res.14:971-977 (1989))。この化合物は親化合物に比べて、毒性が低く、より脂質親和性で、 コリンエステラーゼに対してより長い抑制期間を有し、脳中でより長くアセチル コリンを増大させる(Brufani et al.,Pharmacol.Biochem.Behav.26:625-6 29(1987))。 さらにまた、heptyl−Phyはマウスのパッシブ・アボイダンス・テス ト(passive avoidance test)における記憶力の強化を助長する(Brufani et a l.,Pharmacol.Biochem.Behav.26:625-629(1987))。そして、げっし動物 の長期間の行動テストと記憶力のスコポラミンによって引き起こされる行動欠陥 を逆転させる(Dawson et al.,Pharmacol.Biochem.Behav.39:865-871(199 1);)。最近の研究によればheptyl−Phyはスコポラコミンにより引き 起こされる14ユニットT−迷路(14-unit t-maze)中でのラットの認識障害を減 衰する。しかしながらheptyl−Phyの治療上の範囲は臨床の用途には不 十分である。 この技術分野においては、インビボで活性な高度に選択的な薬剤に関しては受 容できる治療範囲に関して大きな問題がある。臨床ではコリン作用薬剤を扱うに 関して患者間で違いがある(すなわち、個々の患者の吸収、代謝、排泄や病気の 過程に基づくコリン作用の機能不全である)。それらは薬効に強い影響を与え、 特にアルツハイマー症にかかっている人口割合が多い老人に使用される薬剤で問 題である。 かかる問題は比較的狭い治療範囲の薬剤に関しては複雑になる。というのは最 適投与量を定めるのが困難だからである。特に老人の場合そうである。それは薬 剤の面で個人差が大きく、また患者の他の疾患のための薬剤との複合投与に影響 されるからである。コリン作用治療を必要とす患者の多くは老人で、他の疾患を 持っているため、この問題は特に大きい。 従って、コリン作用の置き換え療法とこれらの障害の治療のための受容できる 治療範囲を有し、動物とヒトの両方で記憶強化作用があり、副作用が少なく、イ ンビボで活性な高度に選択的な薬剤が必要とされる。発明の要約 本発明の目的は老化とアルツハイマー症による認識障害に対する改良されたコ リン作用治療(cholnomimetic therapy)の提供を目的とし、有効量のフェンセ リン((−)−N−フェニルカルバモイル エセロリン)またはその薬理学的に 許容できる塩を患者に投与することからなる。 本発明の他の目的はフェンセリン((−)−N−フェニルカルバモイル エセ ロリン)の新規な薬理学的に許容できる塩と該塩の有効量からなる医薬組成物を 提供することである。 本発明のさらに他の目的はフェンセリン((−)−N−フェニルカルバモイル エセロリン)またはそ薬理学的に許容できる塩よりなる医薬組成物を提供する ことである。 上記及び他の目的に従って、本発明はフェンセリンとその塩の有効量からなる 医薬組成物、および有効量のフェンセリンまたはその薬理学的に許容できる塩で 患者を治療することからなる老化とアルツハイマー症による認識障害の治療方法 が提供される。図面の簡単な説明 出願に添付した図を説明する。 第1図は後記のように、Fisher−344ラットの血漿の一連の試料にお けるフィゾスチグミンとフエンセリンのi.v.によるインビボのAChE抑制 を表した図である。 第2図は雄性Fischer−344ラットの14ユニット迷路における特定の 行動に関して、5ブロックのトライアル当たりのエラー数を、平均と標準エラー で表したものである。各ブロックの8つのヒストグラムの説明は後記する。 第3図は雄性Fischer−344ラットへの14ユニット迷路における特定 の行動に関して、5ブロックのトライアル当たりのエラーの比を、平均と標準エ ラーで表したものである。各プロックの8つのヒストグラムの説明は後記する。 第4図は雄性Fischer−344ラットへの14ユニット迷路における特定 の行動に関して、5ブロックのトライアル単位当たり走行時間を秒数で、平均と 標準エラーで表したものである。各ブロックの8つのヒストグラムの説明は後記 する。 第5図は雄性Fischer−344ラットの14ユニット迷路における特定の 行動に関して、5ブロックのトライアル当たりのショック数を、平均と標準エラ ーで表したものである。各ブロックの8つのヒストグラムの説明は後記する。 第6図は雄性Fischer−344ラットへの14ユニット迷路における特定 の行動に関して、各ブロック5回の試行単位当たりのショックの持続時間を秒数 で、平均と標準エラーで表したものである。各部ブロックの8つのヒストグラム の説明は後記する。 第7図は各ブロック3回のトライアル当たりの平均エラーを表した図であり、 SCOPで処理されたラットはSAL群に比較し障害ある行動を示し、2.0−h eptyl−Phy群はSCOP群に比べてエラー行動が少ない。 第8図は15回トライアル当たりの平均(±SE)エラーを表した図である。2. 0−heptyl−Phy群はSCOP群より遥かに(P<O.05)優れた行動を 示す。 第9図は各ブロック3回の試行当たり他のエラーを犯す機会に対するその他の エラーの平均割合を表した図であり、heptyl−Phy処理はSCOP処理 ラットが別の戦略によるエラーを犯す傾向に何の影響も与えない。発明の説明 本発明は老化とアルツハイマー症による認識障害に対する改良されたコリン作 用治療法(cholnomimetic therapy)を提供する。この方法は、有効量のフェン セリン((−)−N−フェニルカルバモイル エセロリン)活性体またはその薬 理学的に許容できる塩を患者に投与することからなる。塩または遊離塩基は等し く有効である。特に好ましいフェンセリンの塩は酒石酸塩、燐酸塩及びフマル酸 塩である。「有効量」とは患者の病状を改善するのに効果のある活性体の投与量 を意味する。 本発明はまたフェンセリン((−)−n−フェニルカルバモイル エセロリン )の新規な薬理学的に許容できる塩を提供する。すなわち、フェンセリンの酒石 酸塩、燐酸塩及びフマル酸塩である。有効量の塩からなる医薬組成物が特に好ま しい。 本発明はまたフェンセリン((−)−N−フェニルカルバモイル エセロリン )またはそ薬理学的に許容できる塩および薬理学的に許容できる担体または賦形 剤よりなる医薬組成物を提供することである。 フェンセリン((−)−N−フェニルカルバモイル エセロリン)は長期のコ リンエステラーゼ抑制作用を有するフィゾスチグミン(Phy)のカーバメイト 類似体である。フェンセリンはPolonovskiにより初めて製造された(Bull.Soc .Chim.19,46-59(1916))。技術データはBeilstein,Handbuch der Organisc hen Chem,4th edn.vol 23.Springer Verlag,Berlin,pp 333(1954)に纏め られている。文献には実用的用途は記載されていない。 本発明のフェンセリン化合物は前に述べられているように(−)−エセロリン とフェニルイソシアネートから製造される。(Brzostowska et al.,Med.Chem. Res.(印刷中1992)) 製造法は次のとおりである。 (−)−エセロリン(1),0.9g,4.12mmolを無水エチルエーテル(90 ml)に溶解し、金属Naの小片数個(約31mg)を加える。窒素雰囲気下に室 温で5分撹拌した後、フェニルイソシアネート(569mg,5.03mmol)を滴 下する。完全に加えたら、直ちに溶剤を蒸留しフォームとする(1.25g重) 。ついでこれを酢酸エチルから再結晶し、0.9gの結晶フェンセリン(2)を得 る。 フッシャー−ジョーンズ装置による融点(補正なし)は142−143℃。 パーキン−エルマー−241MC自動ポーラリメーターによる光学旋光度([α ]D,CHCl3)は[α]D−74.2゜。 ベックマン−IR−4230装置によるIRスペクトル(cm-1,CHCl3 )は(c=0.5,CHCl3) 薄層クロマトグラフィー(シリカゲル GHLF,250μ)、溶剤系CH2Cl2 /5%MeOHはシングルスポットを生じる。 さらに通常相の狭い口径(normal phase narrow bore 2×30mm)の予備カラ ムと分析カラム(2×220mm,アプライド−バイオシステム)を用い、52% 0.01 Mギ酸、27% アセトニトリルおよび21% 0.05M トリスバッファによる移動 相(流速 0.5ml/min)および蛍光による検出(250nmの励起と345の放 射波長にセット)を使用したHPLCの分析は、同様にシングルピークを示した 。 1H NMR(CDCl3中、内部標準 Me4Si,δppm,J Hz)に よる測定はバリアン XL−300MHzによれば δ 7.01−7.34(m,5H )であった。 最後にFinnigan−1015D マス−スペクトロメーターによる化学 イオン化(CI−MS)はm/z(M++1)が338であった。 反応は次のとおりである。 本発明は老化とアルツハイマー症に起因する認識障害のコリン作用治療に対す るフェンセリンとその塩の臨床的価値に関する。以下述べるように、フェンセリ ンはラット血漿アセチルコリンエステラーゼ(AChE)、それは脳のAChE のマーカーであるが、に対するインビボ活性の持続時間、および若齢ラットのス コポラミンにより生起されるショックによって起こる14−ユニットT−迷路(sh ock-motivated 14-umit T maze)での学習行動の障害に対する影響で評価された 。これはげっし動物の認識強化薬の評価モデルとして受け入れられているもので ある(D.K.Ingram,Neurobiology of Aging,vol.9,p475-485,1988)。 フェンセリンは5分で73.5%の最大AChE抑制を達成し、8時間以上にわたり 高くて比較的一定の抑制を維持する。学習行動を分析するために、69匹の3月齢 の雄性Fischer−344マウスに電気による足ショックを避けるように直 線走行を訓練した。次の日に各動物を14−ユニットT−迷路を15回トライアルさ せた。迷路訓練の60分前に、各ラットに担体(Tween80,エタノールおよび 0.9%Nacl)またはフェンセリン1.5,3.0,4.0,5.0,7.5または10.0mg/ kgの最初のi.p.注射をした。ついで訓練の30分前に各動物は0.9%Nac lまたはスコポラミンハイドロクロライド(0.75mg/kg;SCOP)の2回 目の注射をした。 担体−SCOP群に比べ、7.5mg/kg投与を除くフェンセリンは全て、3 トライアルの最後のブロックにおいてSCOP処理ラットに比べてエラー行動、 走行時間、ショック頻度及びショック持続時間の改善が認められた。長時間の効 果持続性と広範囲の治療域に見られるように、フェンセリンは認識強化剤として 非常に有用と思える。 フェンセリンはヒトアセチルコリンエステラーゼ(AChE)に対してその親 化合物であるフィゾスティグミン(Phy)と同様の効能を有する。IC50値 は24.0±6.0対27.9±2.4nMである。しかし、ヒトブチリルコリンエステラーゼ (BChE)活性はフィゾスティグミン比較して低い。IC50値は1300.0±8. 5nM対16.0±2.9nMである(Brzostowska et al,1992)。従って、フェンセ リンはアセチルコリンエステラーゼに対して高い選択性を有する。このことは中 心的な作用薬としては非常に有用な性質である。 AChEとBChEは脳とその抹消組織に共存するが、AChEはAChの加 水分解に関与し、コリン作用系の神経要素に関連している。脳ではBChEは主 として組み合わせられたグリア細胞に関連し、神経系のニューロン要素と限定さ れた様式で存在する。BChEの役割は大部分は未知であるが、次のことに関与 しているいう証拠がある。 (1)大脳の代謝で形成されるいくつかのコリンエステルの除去において保護的 役割を有する。それらのコリンエステルはAChEとコリン作用系に悪影響を与 える。 (2)BChEは緩慢な神経伝達プロセスに関与しているようである。 (3)脂質およびりん脂質代謝において役割を有している。 (4)イオンの膜透過と輸送の制御に関与している。 フェンセリンのようなAChEの長期的且つ選択的な抑制剤の使用は従来の技 術に比して副作用が少なく治療範囲がより広いはっきりしたコリン作用強化剤で ある。 フィゾスチグミンのLD50は抹消抑制剤(peripheral inhibitor)非存在で0. 6mg/kgである(Marta et al,Life Sciences 43:1921-1925,1988)。この 薬剤の治療範囲は低く、大きな副作用が生じるレベルでコリンエステラーゼ抑制 を生じるだけである。これはヒトに対する治療価値を大幅に減じる。しかし、フ ェンセリンの毒性は劇的に小さい。抹消抑制剤非存在で20mg/kg投与しても 毒性を示したり死に至るようなことはない。このような高投与量でわずかな中枢 神経系の震えがある。げっし動物に対して20mg/kg以上の投与はされていな いので、フェンセリンのLD50は未知であるが、フィゾスチグミンよりはるかに 大きい。 我々は以前に脳と血漿のAChEおよびBChEのIC50の値(抑制)はフィ ゾスチグミンとその類似体で類似していることを示し、ついて酵素の抑制の時間 依存性をプラズマからの連続したサンプリングで示した(Atack et al,Journ. Pham.Exp.Ther.249:194-202,1989)。 以下に述べるテストはインビボ活性の持続時間とスコポラミンで生起された若 齢マウスの14ユニットT迷路における学習行動障害の減少を評価することにより (Spangler et al,Pharmacol.Biochem.Behav.25:673-679(1986))、フェ ンセリンのコリン作用強化剤としての価値を最初に明らかにしたものである。 このモデルはコリン強化作用の評価手段としてよく認められているものであり 、従来他のフィゾスチグミン類似体の価値をテストするのに用いられてきた。比 較テストはこれらの中で最良のものでも(ヘプチル−フィゾスチグミン, Merk ,Rahway,N.J.)フェンセリンより劣っていることを示している。加えて、フィ ゾスチグミン自体は薬理作用が短いために、このモデルではほとんど活性を示さ ない。実施例1 コリンエステラーゼ抑制 目的と方法 3月齢の雄性Fischer−344ラットをハロセン(Ayer st New YorK,NY)で麻酔した。ヘパリン化した等張生理食塩水を満たしたPE 50カテーテルを右大腿動脈と静脈に結んだ。ついで動物は頭と前4半部だけを 動かせるようにして石膏型に固定し、温度制御雰囲気下で麻酔から覚めさせた。 未処理レベルのAChE活性を測定するために血漿を採取した。手術から90分後 にヘキサメトニンブロマイド(5mg/kg)を腹腔内に投与し、ついで10分後 にアトロピンメチルブロマイド(4mg/kg)を皮下注射した。これら4級の ニ コチンおよびムスカリンの遮断剤は血中脳障壁(blood brain barrier)を越え ず、AChE抑制による抹消のコリン作用の暴走、これらは有害なものであるか 、を抑制する。手術の2時間後にフィゾスチグミン2mg/kgまたはフェンセ リン1mg/kgを静脈に投与した。両者は静脈内ボーラス注射に適するように 調剤した。血漿サンプルを抑制剤の静脈投与直前および2分から8時間の間数回 採取し、直ちに−70℃で凍結した。実施例2 AChEの分析 サンプルはEllmanのスペクトロ分析法(Eillman et al.,Biochem.Pharmacol .,7 88-95(1961))を用い、Atackの方法(Atack et al.,J.Pharm.Exp.Th e r.249:194-202(1989))でAChEを分析した。しかし、ヒト血漿と違い 、ラット血漿中にはAChEとBChEの両者が存在する。そこで、特定のBC hE抑制剤であるIso−OMPA(1×100−4M)を全てのAChE抑制の 同定において使用した。実施例3 行動テスト 目的 69匹の3月齢雄性Fischer−344ラット(Harlan Splague-D awley,Indianapolis,IN)を使用した。それらは22℃に保たれた12時間−明/ 12時間−暗の光サイクルの飼育場の二重のプラスチックケージ中で飼育された 。水と餌は自由に与えられた。ラットはテストの前に飼育場で3週間順化された 。実施例4 装置 以前に述べられた(Spangler et.a;.,Pharmacol.Biochem.Behav.25:673 -679(1986))2m長の直線走行路が一方通行活動回避(one-way active avoid ance)の予備訓練のために用いられた。走行路は床がステンレスの格子の透明プ ラスチックからなり、格子には電気ショックが与えられるように一定の電流が流 れる電線が繋がれている(Model E13-08,Coulbourn Instruments,Lehigh Vall ey,PA)。スタートとゴールはギロチンドアを有する互換可能な黒いプラスチッ ク ボックスで、走行路の両側に置けるようになっている。 以前詳細に述べたように(Spangler et al.,1986)、床がショック源(Model E13-08,Coulbourn Instruments,Lehigh Valley,PA)に繋がっているステンレ スの格子(2×2m)の自動14−ユニットT−迷路を迷路訓練に使用した。迷 路はギロチンドアを有する5つの小部屋に分かれており、ラットが前の小部屋に 戻れないようになっている。 迷路中に設けられた赤外線センサーがマイクロプロセッサーに繋がれ、エラー と走行時間を電気的に記録するようになっている。直線走行路においては互換可 能な黒のプラスチックボックスがスタートとゴールボックスとして使用されてい る。視覚的手掛かりを少なくするよう4つの灰色の壁が迷路を囲んでいる。無関 係な音をマスキングするために床下に取り付けられた4個のオーディオスピーカ ーからラジオ音楽が絶えず流れている。迷路全体はテスト中床をきれいに保って 臭いを除くように、高くおかれている。実施例5 予備訓練(1日目) 最初のトライアルとして、各ラットをホームケージから取り出し、互換可能な スタート/ゴールボックスにいれ、ボックスからそっと直線走行路に押し出した 。スタートからゴールまで10秒以下で移動するとショックが避けられる。10秒の 回避時間を越えると、動物がゴールに逃げ込むまで足にショック(0.8mA)が 与えられる。ゴールボックスに入ると、ギロチンドアが降下し、ボックスは保持 部からスタート部へと移動する。 2分間隔(ITI)で次のトライアルが始まる。直線走行予備訓練の合格判定 は最大30回のトライアルで15回のうち13回成功(ショックなし)で、全てのラッ トが合格した。実施例6 薬剤処理(2日目) 注射の45分前に動物をホームケージから試験室に取り出した。動物はランダム に8つ処理グループのうちの1つに割り当てて、2回のi.p.注射をした。迷 路訓練の60分前に、各ラットに担体またはフェンセリンを1.5から10mg/kg を最初にi.p.注射をした。次に訓練の30分前に各動物に0.9%Nacl(S AL)またはスコポラミンハイドロクロライド(0.75mg/kg;SCOP)を 第2回i.p.注射した。 フェンセリンはTween60/エタノール(3:1 v:v,最終体積の15 %)に溶解し、0.9%Naclで希釈した。全ての注射は1ml/kg体積で打 った。最終グループの組成は次のようになっている。 (a)SALグループ(n=10) (最初の注射で)担体+(2回目の注射で )SAL (このグループは第2−6図において黒の最初のヒストグラムカラム で表す)。 (b)SCOPグループ(n=14),担体+SCOP(このグループは第2− 6図において斜線でハッチした2番目のヒストグラムカラムで表す)。 (c)1.5−PHEグループ(n=6),フェンセリン(1.5mg/kg)+SC OP(このグループは第2−6図において点線の逆斜線の3番目のヒストグラム カラムで表す)。 (d)3.0−PHEグループ(n=9),フェンセリン(3.0mg/kg)+SC OP(このグループは第2−6図において点模様の3番目のヒストグラムカラム で表す)。 (e)4.0−PHEグループ(n=10),フェンセリン(4.0mg/kg)+SC OP(このグループは第2−6図において白抜きの5番目のヒストグラムカラム で表す)。 (f)5.0−PHEグループ(n=10),フェンセリン(5.0mg/kg)+S COP(このグループは第2−6図において黒地に白抜きの斜線の6番目のヒス トグラムカラムで表す)。 (g)7.5−PHEグループ(n=4),フェンセリン(7.5mg/kg)+S COP(このグループは第2−6図において横線ハッチの7番目のヒストグラム カラムで表す)。 (h)10.0−PHEグループ(n=6),フェンセリン(10.0mg/kg)+S COP(このグループは第2−6図において実線と一点鎖線の斜線ハッチの8番 目のヒストグラムカラムで表す)。 この研究ではフィゾスチグミンの場合のように抹消コリン作用抑制剤は与えず 、毒性副作用なしに大用量投与ができた。実施例7 14−ユニット−T迷路での訓練(2日目) 以前に述べられた(SPangler et.a;.,Pharmacol.Biochem.Behav.25:673-679( 1986))ように、14−ユニット−T迷路の訓練では、ラットがスタート点からゴ ールボックスまで途中の14の標識を学習することにより足にショックを受けるこ となく移動することを要求する。要約すれば、今回の方法は次のとおりである。 予備訓練として、第1回目トライアルでラットをホームケージから取り出してス タートボックスに入れる。動物はそっと迷路に押し出され、ショックを避けるた めの標識が機械的にセットされる。ギロチンドアで隔てられた各小部屋では、足 へのショックを避けるためには動物は10秒以内に小部屋を通ってドアの向こう側 に移動しなければならない。10秒の時間制限を越えると、自動的に足に電気ショ ック(0.8mA)が与えられ始め、ギロチンドアを通り抜けるまで続く。ついで このギロチンドアか降下し、次の小部屋にショックを避けるための標識が再セッ トされる。トライアルは動物がゴールボックスに入って完了する。動物が入って いるゴールボックスは保持部からスタート部へと移動する。2分のITI後に次 のトライアルが始まる。各動物は14−ユニット−T迷路で15トライアルで1セッ ションの訓練を受けた。全ての訓練は9:00amから5:00pmの間に行わ れた。実施例8 静的分析 14−ユニット−T迷路で得られたデータは5つの測定値からなる。エラー(正 しい経路からのずれ)、他のエラー、走行時間、ショックの頻度、そして前に定 義されたショック継続時間(Fischer et al.,Neurobiol.Aging 13:9-23(198 8);Mandel et al.,Psychopharmacology 96:421-425(1988))。他のエラー とは他の戦略に起因するエラーのことである(すなわち、L−R−LまたはR− L−R旋回のような一連の不正確な行動)。各ブロック(3回のトライアル)の 訓練の行動変化に対する変動値(ANOVA)を解析することにより、満足すべ き 発見が得られた。コントロールであるSCOPグループに対してSALグループ と各PHEグループを比較するために、Dunnettテストを行った(p<O. 05)。実施例9 コリンエステラーゼ抑制の結果 第1図に示すようにフィゾスチグミンは血漿AChEを2分以内に約50%抑制 する。その後フィゾスチグミンの酵素抑制は急速に減少し60分では無視できる程 度である。一方、フェンセリンは5分で73.5%抑制という最大値を示し、研究を 通てじ高くて比較的一定の抑制を示し、8時間で48.0%に減少する。実施例10 行動 SALグループに比べてSCOPグループはトライアルの5ブロックのほとん ど全てにおいて、5つの全ての迷路試験測定値で非常に悪い結果を示した(第2 −5図)。ブロック5ではフェンセリンは7.5mg/kg投与以外の全てで、ス コポラミン処理ラットのエラー行動、走行時間、ショック頻度およびショック持 続時間においてSCOPグループに比較し遥かに優れていた(第2,4,5,6 図)。ブロック4でのエラー数もフェンセリンは7.5mg/kg投与以外の全て で大きく減少した。しかしPHEグループとSALグループを比較すると5つの 全ての測定値で改良の余地があった。他のエラーについてはフェンセリン10.0と 1.5mg/k投与gだけがブロック4と5およびブロック5において減少の比率 が大きかった(第3図)。フェンセリンの高投与(7.5および10.0mg/kg) を受けたラットは噛んだり、グルーミング(grooming)をしたり、濡れた犬が身 震いするような動作(wet dog shaKe)というような副作用を示した。5.0mg/ kg投与では、動物は他の投与量よりも活動的でなくなった。10.0mg/kg投 与では動物は非常に攻撃的で扱うのが難しかった。しかしどの投与量でも、流ぜ ん症や下痢というような抹消コリンの影響は見られなかった。実施例11 i.v.ボーラス投与による血漿AChE抑制は8時間以上継続した。一方、 その親化合物であるフィゾスチグミンの抑制は急速に減少し、60分で無視できる ほどであった。14−ユニット−T迷路での学習行動の改良はフェンセリンのi. p.投与後1時間以上観察され、フィゾスチグミンが行動テストの10−15分前に 投与しなければならないのとは対照的である(Mandel and Thal,Psychopharmac ology 96:421-425(1988);Murray et al.,Psychopharmaco1ogy 105:134-13 6(1991))。このフェンセリンの長い作用維持時間は臨床の用途としてフィゾ スチグミンより有利と思われる。フィゾスチグミンは患者中での薬理学的半減期 が短いためにコリン作用強化剤としての価値が限られている(Badker E.Glacob ini,Drug Dev.Res.12:163-195,1988およびBeller et al,J.Clin.Psychi at.49:400-404,1988)。実施例12 (−)フェンセリン(100mg)をエーテル(2ml)に溶解し、フマル酸(3 6mg)のアセトン(2ml)溶液を加えた。12時間静置後、フマル酸塩を濾別 した(90mg)。m.p.166-166℃、[α]D =74.1゜(c=0.80,MeOH )。 遊離の塩基を得るためにフマル酸塩(90mg)を水(10ml)に溶解し、アン モニア水溶液を加えてアルカリとし、エーテル(2×10ml)で抽出した。エー テル抽出物は一緒にして、溶剤を流去した後、乾燥し(Na2SO4)、(−)− フェニルカルバモイルエセロリン、すなわちフェンセリンを白色針状で得た(62 mg)。m.p.147−148℃、[α]D−80.l゜(c=1,MeOH)。実施例13 燐酸塩を(−)フェニルカルバモイルエセロリンと燐酸からエタノール中で製 造し、エーテルを加えて得た。m.p.140-142℃、[α]D−72.6゜(c=0.85 ,MeOH)。 実施例14 (−)フェニルカルバモイルエセロリンの酒石酸塩をエーテル中の遊離塩基に L−(+)−酒石酸のエタノール溶液を加えて製造した。m.p.143−145℃、 [α]D−58.7゜(c=0.75,MeOH)。 さらに、フェンセリンはフィゾスチグミンに比べて低投与量でAChEを劇的 に高抑制する(第1図)。 かくして、フェンセリンはSCOPで生起させる14−ユニツト−T−迷路での ラットの学習障害を、1.5から10.0mg/kgに渡る広範囲の投与量で著しく改 良する。7.5mg/kg投与で満足すべき結果でないのはこのグループのサンプ ル数の少なさによるものとおもわれる(n=4)。このムスカリン様の拮抗作用 で引き起こされる本研究での認識障害は、本研究のげっし動物にみられる強い年 齢に関連した障害に似ている(Ingram et al.1988)。同じ迷路で、迷路訓練の 1時間前に投与された2.0mg/kgのヘプチル−フィゾスチグミンだけがエラ ー数を著しく減少したが、ヘプチル−フィゾスチグミンの他の投与量(1.0,1.5 ,3.0mg/kg)ではSCOPで処理ラットの学習障害を改良できなかった(I ijima et al.,Neurosci Lett(印刷中1992))。基底核の大型細胞が損傷した ラットでは0.06と0.19mg/kgのフィゾスチグミンが水迷路の行動を改善した 。しかし、0.32mg/kgフィゾスチグミンでは行動を悪化させた(Mandel et al.,Psycho-Pharmachlogy 96:421-425(1988))。1mg/kg投与で、TH Aは位置行動に対する非適合を遅延されたオペラント(operant delayed non-ma tching to position task)においてSCOPで生起された記憶欠損を逆転する 。一方、THA0.5mg/kg投与ではSCOPで生起された記憶欠損を改善せ ず、2.5mg/kgでは非処理ラットの行動を害させる(Murray et al.1991) 。フェンセリンで見られた広い治療範囲は、現在使用されている他のコリンエス テラーゼ抑制剤に比べて臨床用途にはるかに有利である。これらはヘプチル−フ ィゾスチグミンとタクリンであり、その比較データは示されている。THAは同 様のモデルでは活性を示さず、アルツハイマー症患者に肝機能障害を生ずる。こ れは治療上の可能性を制限する(Gauthier et al N.Engl.J.Med.322:1272- 1276,1990;Food and Drug Administration,N Engl.J.Med.324:349-352, 1991)。それは治療範囲が狭く、個々に対する最適投与量の多様性が大きい。 7.5mg/kgを除いてフェンセリンの投与は全て迷路訓練のブロック4と5 でエラー行動が改善された。しかし、フェンセリン10.0と1.5mg/kg投与だ けがブロック4と5およびブロック5のそれぞれで他のエラー行動を改善した。 フェンセリン処理動物の大部分は迷路を解く別の戦略を使い続けた。脳弓采(fi mbria-fornix)損傷ラットまたは海馬損傷ラットはSCOP投与ラットと同様こ の迷路で別の戦略を頻繁に使用した(Bresnahan et al.,Pyschobioloby 16:24 3-250(1988);Spangleret al Pharmacol.Blochem.Behav.25:673-679(1986 ))。フェンセリンがエラー行動の改良に比べて他のエラー行動を改良する作用 があまりないと言うことは我々がheptyl−Phyで得られた結果と似てい る(Iijima et al.,(印刷中 1992))。heptyl−Phy処理ラットで認 識障害という点での改善が見られないと言うことは、heptyl−Phyが海 馬よりも新皮質におけるコリンエステラーゼ抑制により臨床効果を発揮している 可能性を示している。 上記の結果はフェンセリンが長期に作用する効果と広い治療範囲を有すること を示している。かくして、本発明は老化とアルツハイマー症による認識障害のコ リン作用治療に対して、有効量のフェンセリンとその塩を使用することによる改 良された方法を提供するものである。比較例 比較研究として、フェンセリンのAChE抑制の維持時間と量をTHA(タク リン)と比較した。後者は認識障害強化剤として臨床試験に用いられてきたもの でアルツハイマー症患者で認識改善を示すことが報告されている(Summers et a l.,Bio.Psychiatry 16:145-143,1981)。同様のテクニックがここで論ずる 前の研究でも用いられた。THAをTween/エタノールに溶解し、0.1m Na3 PO4(pH8.0)バッファーで希釈した。AChEの最大抑制は2分で約 33%であった。これは急速に減衰し、5分間20%以下に保たれたままだった 。このわずかのAChE抑制はTHA10mg/kgという高投与量で得られただ けである。低投与量(mg/kg,i.v.)では測定できるようなラットのA ChE抑制は得られなかった。一方、高投与量では(20mg/kg,i.v.) 50%以上の動物が死亡した。 従って、AChE抑制と抑制の維持時間の点で、フェンセリンはTHAよりは るかに好ましい。フェンセリンは非常に低い無害な投与量で長期間一定のACh E抑制を生じる。最近のアルツハイマー症患者の研究で、AChE抑制剤として 必要なTHAの投与量では毒性を引き起こすことが示されている(Food & Drug Administration.N Engl.J.Med.324:349-352,1991)。 驚くべきことに、本発明のカルバメートは高い効能を示す。かくして、本発明 のフェニルカルバメートとその誘導体塩は、この技術の他のカルバメート類似体 に比して長期に持続し毒性が少ないと考えられる。従って、本発明の化合物を使 用した認識障害の治療法は従来の技術に比べて極めて有利である。 本発明の範囲の組成物は活性成分がその目的を達成できる程度の有効量含まれ る組成物を含む。有効濃度は0.001重量%から1.0重量%である。これらの化合物 は薬理学的に許容できるいかなる量も投与できる。例えば体重1kg当たり0.00 1gから約1gである。ここに開示された情報に基づき、有効量の決定は当業者 の技術の範囲である。 これらの化合物は一般的には、活性成分と約0.1から99重量%、好ましくは約2 5−85重量%の担体または賦型剤からなる医薬組成物(重量%)として使用され る。これらの化合物は、非経口、経口、注射または坐剤を含むあらゆる形態で投 与できるであろう。 経口投与に対しては液体または固体の投与形態が容易に提供できる。例えば、 活性成分を、ジカルシウムフォスフェイト、マグネシウムアルミニウムシリケー ト、マグシウムステアレート、硫酸カルシウム、澱粉、タルク、ラクトース、ア ラビアゴム、メチルセルロースおよび薬理学的賦型剤または担体としての機能的 類似物質のような通常の成分と混合できる。徐放処方が適宜使用できる。老齢の あるいは支離滅裂な患者には徐放処方が好ましい。カプセルはこれらの化合物を 不活性な薬理学的希釈剤と混合し、ついで適当なサイズの固いゼラチンカプセル に詰めることにより作ることができる。ソフトカプセルが必要なときは、これら の化合物と許容できる植物軽油(vegetable light oil)または他の不活性油のス ラリーをゼラチンカプセルに詰め込めばよい。 分散剤、シロップ剤およびエレキシル剤は液状の投与形態で経口投与される。 油を含む液剤は油溶形態で使用される。例えば、コーンオイル、ピーナツオイル またはひまわり油のような植物油と香料、甘味剤および保存剤を併用して許容で きる液剤を得ることができる。液体投与用シロップとするのに水に界面活性剤を 加えてもよい。(砂糖、サッカリンあるいはバイオ甘味料のような)許容できる 甘味剤と香料を含む水−アルコール医薬組成物をエレキシル剤として使用してよ し、。 非経口と坐剤の医薬組成物は本技術分野の標準的方法で得ることができる。 本発明の化合物の好ましい用途は経口投与に適した薬剤である。他の好ましい 用途は非経口経皮剤であり、これは緑内障、無筋力症、アルツハイマー症および 有機燐中毒のようなコリン作用性疾患に特に有用である。従って、これらの分野 で投与するのに適した組成物は特に本発明の範囲内である。上記の非経口溶液ま たは分散液は経皮的に皮膚を通して投与してよい。必要ならばゴマ油の様な適当 な担体を用いて注射してもよい。 従って、活性化合物と徐放剤の併用は経皮投与に適したものである。これらの 化合物は組成物中約0.01から99%、好ましくは担体または賦型剤中活性成分約25 −85重量%の量が経皮的に投与される。 経皮治療システムは自動投与形態であり、真皮に適用されると薬剤はコントロ ールされた速度で全身循環にまわる。経皮投与を使用することの利点は次のよう なものである。治療効率を高める、投与頻度を減少できる、時間対血中濃度プロ フィルの最適化を図ることによる副作用を軽減できる、多数回投与がなくなるの で患者の同意が得易い、肝初回通過による代謝をバイパスできる、胃腸不適合を 避けられるそして活性が推測でき維持時間が長い。しかし、皮膚の主たる機能は 化学物質が入ることに対するバリアとして作用することである。従って、経皮療 法は皮膚のバリアを通って拡散することに関して望ましい物理化学的性質を有す る限られた数の薬剤において好ましい。皮膚のバリア機能を克服する一つの効果 的方法は経皮療法システムに浸透強化剤を使用することである。 浸透強化剤は製剤中に含まれ、一時的に薬の皮膚浸透性を増大し、より多くの 薬が短時間に吸収されるようにする化学物質である。数種の異なった浸透強化剤 が報告されており、ジメチルスルホキシド、N−デシルメチルスルホキシド、N ,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホミアミド、1−ドデシルアザ シクロヘプタン−2−オン(アゾン)、プロピレングリコール、エタノール、N −メチル−2−ピロリドン(NMP)のようなピロリドン類および界面活性剤の ようなものが挙げられる。 上記化合物はレザーバー中で単独でまたは他の薬理学的担体とともに存在する 。本発明で受容できる薬理学的担体とは薬剤、ホストまたは薬剤添加装置に逆影 響を及ぼさない公知の担体である。適当な薬理学的担体は次のようなものである 。滅菌水、生理食塩水、デキストローズ、デキストローズの水溶液または生理食 塩水溶液;1モルのひまし油当たり30−35モルのエチレンオキサイドが結合した ひまし油とエチレンオキサイドの縮合物,液体酸、低級アルカノール、コーンオ イル、ピーナツオイル、ゴマ油の様なオイル類と脂肪酸のモノ−またはジ−グリ セライドの混合物;レクチンのような燐脂質;グリコール、ポリアルキレングリ コール、懸濁剤例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナト リウム、ポリビニルピロリドンのようなもののが存在する水性媒体の単独または レクチン、ポリエチレンステアレート等の適当な分散剤との併用。担体はまた浸 透強化剤と本発明の化合物とともに、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤のような 補助剤を含んでいてもよい。 哺乳動物に対する有効投与量は年齢、体重、治療対象の活動レベルや状態のよ うな因子により異なる。本発明の化合物の典型的投与量は、1日1から3回経口 または直腸投与の場合で約1から800mgである。これは1日体重当たり約0.002 から50mg/kgである。好ましくは、ヒト成人に対し1日1から3回経口また は直腸投与で約10から300mg投与される。非経口の場合必要投与量はかなり低 い。好ましくは、ヒト成人に対し1日1から2回約0.01から約150mgが筋肉内 にまたは経皮的に投与されてよい。 本発明の化合物は、典型的には組成物中約0.01から99重量%、好ましくは25か ら85重量%の量で投与されてよい。本発明の化合物は、緑内障、筋無力症、アル ツハイマー症のようなコリン作用疾患の治療や有機燐中毒の解毒剤としても有用 である。本発明に従った治療法は本発明の化合物の有効量または本発明の医薬組 成物の有効量をそのような治療が必要な哺乳動物に投与することよりなる。図面の詳細な説明 第1図はFischer−344ラットのi.v.フィゾスチグミンとフェン セリンのインビボの一連の血漿サンプルのAChE抑制を示したものである。フ ィゾスチグミンは血漿AChEを直ちに2分以内に約50%抑制する。その後フィ ゾスチグミンの酵素抑制は急速に減少し60分では無視できる程度である。一方、 フェンセリンは5分で73.5%抑制という最大値を示し、8時間以上高くて比較的 一定の抑制を示す。 第2図は雄性Fischer−344ラットの14ユニット迷路における特定の 行動に関して、5ブロックのトライアル当たりのエラー数を、平均と標準エラー で表したものである。各部ブロックの8つのヒストグラムは右から左に8つの処 理の組成を表す。すなわち、 (a)SALグループ(n=10) (最初の注射で)担体+(2回目の注射で) SAL、(b)SCOPグループ(n=14),担体+SCOP、(c)1.5−P HEグループ(n=6),フェンセリン(1.5mg/kg)+SCOP、(d)3 .0−PHEグループ(n=9),フェンセリン(3.0mg/kg)+SCOP、 (e)4.0−PHEグループ(n=10),フェンセリン(4.0mg/kg)+SC OP、(f)5.0−PHEグループ(n=10),フェンセリン(5.0mg/kg) +SCOP、(g)7.5−PHEグループ(n=4),フェンセリン(7.5mg/ kg)+SCOP、(h)10.0−PHEグループ(n=6),フェンセリン(10 .0mg/kg)+SCOP。 第3図は雄性Fischer−344ラットの14ユニット迷路における特定の 行動に関して、5ブロックのトライアル当たりのエラーの比を、平均と標準エラ ーで表したものである。各ブロックの8つのヒストグラムは第2図と同様である 。 第4図は雄性Fischer−344ラットの14ユニット迷路における特定の 行動に関して、5ブロックのトライアルユニット当たり走行時間を秒数で、平均 と標準エラーで表したものである。各ブロックの8つのヒストグラムは第2図と 同様である。 第5図は雄性Fischer−344ラットの14ユニット迷路における特定の 行動に関して、5ブロックのトライアル当たりのショック数を、平均と標準エラ ーで表したものである。各ブロックの8つのヒストグラムは第2図と同様である 。 第6図は雄性Fischer−344ラットの14ユニット迷路における特定の 行動に関して、各ブロック5回の試行単位当たりのショックの持続時間を秒数で 、平均と標準エラーで表したものである。各ブロックの8つのヒストグラムは第 2図と同様である。 第7図は各ブロック3回のトライアル当たりの平均エラーを表した図であり、 SCOPで処理されたラットはSAL群に比較し障害ある行動を示し、2.0−h eptyl−Phy群はSCOP群に比べてエラー行動が少ない。 第8図は15回試行当たりの平均(±SE)エラーを表した図である。2.0− heptyl−Phy群はSCOP群より遥かに(P<0.05)優れた行動を示す 。 第9図は各ブロック3回の試行当たり他ののエラーを犯す機会に対するその他 のエラーの平均割合を表した図であり、heptyl−Phy処理はSCOP処 理ラットが別のストラテジーによるエラーを犯す傾向に何の影響も与えない。 以上の特定の態様に関する説明は本発明の一般的特徴を詳細に説明しており、 通常の知識により本発明の一般的概念から離れることなくかかる特定の態様の様 々な変形や応用を速やかに考えつくことができる。従って、かかる応用は開示さ れた態様の均等の範囲に包含される。ここでの言葉や用語の使い方は説明の目的 のためだけであり、限定するためのものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サンクレイント チモシィ ティ アメリカ合衆国,メリーランド 20892, シルバースプリング,アーウッド ロード 1300 (72)発明者 ハロウェイ ハーノルド ダブリュ アメリカ合衆国,メリーランド 20814, ベセスダ,アパートメント # 410,プ ルックス ヒル ロード 3 (72)発明者 ラポポルト スタンレイ アイ アメリカ合衆国,ワシントン ディーシー 20016,フォーティ フォース プレイ ス 3010 (72)発明者 イイジマ セツ アメリカ合衆国,メリーランド 21224, バルチモア,アパートメント # T― 2,ポニー リッジ ドライブ,6904 (72)発明者 スパングラ エドワード エル アメリカ合衆国,メリーランド 21224, バルチモア,ディロン ストリート 2834 (72)発明者 イングラム ドナルド ケイ アメリカ合衆国,メリーランド 21042, エリコット シティ,ブリストル チャン ネル 10245 (72)発明者 ペイ エクス フェング アメリカ合衆国,メリーランド 20817, ベセスダ,ウイルソン レーン 5713

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.有効量のフェンセリンまたはその薬理学的に許容できる塩を患者に投 与することからなる、老化またはアルツハイマー症による認識障害のコリン作用 治療をする方法。 2.薬理学的に許容できる塩が、酒石酸塩、燐酸塩およびフマル酸塩から なる群より選ばれたものである請求項1の方法。 3.有効量範囲が患者の体重1kg当たり0.001グラムから1グラムであ る請求項1の方法。 4.コリン作用上有効量のフェンセリンまたはフェンセリンの薬理学的に 許容できる塩と薬理学的に許容できる担体または賦形剤よりなる医薬組成物。 5.薬理学的に許容できる塩が、(−)−N−フェニル−カルバモイルエ セロリンの酒石酸塩、燐酸塩およびフマル酸塩からなる群より選ばれたものであ る請求項4の医薬組成物。 6.担体または賦形剤がフェンセリンまたはその塩を約0.001重量%から1 .0重量%含んでなる請求項4の医薬組成物。 7.薬効成分として有効量のフェンセリンまたはその薬理学的に許容でき る塩からなる医薬組成物を患者に投与することからなる、ヒトのアルツハイマー 症の治療方法。 8.薬理学的に許容できる塩が、酒石酸塩、燐酸塩およびフマル酸塩から なる群より選ばれたものである請求項7の方法。 9.有効量範囲が患者の体重1kg当たり0.001グラムから1グラムであ る請求項8の方法。 10.酒石酸塩、燐酸塩およびフマル酸塩からなる群より選ばれた、(− )−N−フェニルカルバモイル エセロリンの薬理学的に許容できる塩。 11.(−)−N−フェニル−カルバモイル エセロリンの燐酸塩。 12.(−)−N−フェニル−カルバモイル エセロリンの酒石酸塩。 13.(−)−N−フェニル−カルバモイル エセロリンのフマル酸塩。
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