JPH08505101A - 窓ガラス、特に自動車のフロントガラスの湿り度及び／又は汚染度を検出するためのセンサ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 窓ガラス、特に自動車のフロントガラスの湿り度及び／又は汚染度を検出するためのセンサ装置がここでは提案され、該センサ装置は、窓ガラス（１０）の内側から窓ガラス（１０）内へ放射ビームを放射する放射源（１２）と、窓ガラス（１０）の内表面（１８）と外表面（１７）との間で全反射によって多数回反射される放射ビームを検出する放射測定装置とを有している。加熱装置（３３）が、センサ装置と窓ガラス（１０）との間の少なくとも１つの接触面にか又は窓ガラス（１０）内に配置されている。これによって、窓ガラス（１０）の測定区間（１９）は僅かな所要エネルギ量で所期のように加熱されるので、窓ガラスの内表面に生じた凝縮物によって測定が損なわれる虞れはなくなり、かつ窓ガラスの内側に反射鏡面を設ける必要もなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】 窓ガラス、特に自動車のフロントガラスの湿り度及び／又は汚染度を検出するた めのセンサ装置 ［技術分野］ 本発明は、請求項１に上位概念として記載した窓ガラス、特に自動車のフロン トガラスの湿り度及び／又は汚染度を検出するためのセンサ装置に関するもので ある。 ［背景技術］ ドイツ連邦共和国特許第３８２３３００号明細書及びドイツ連邦共和国特許第 ４００６１７４号明細書には、全反射減衰の原理に基づいて動作する前記形式の センサ装置が記載されている。この検出目的のために、放射源によって放射され た放射ビームは、測定区間に沿って窓ガラスの外表面と内表面で多数回反射され （全反射）、次いで放射測定装置によって検出される。窓ガラス外表面の汚物粒 子又は雨滴は全反射を妨害するので、窓ガラス内部において反射を減衰し、その 結果、信号減衰が生じ、これは放射測定装置によって検出される。所定の限界値 以下になると、例えばウィンド・クリーニング手段が自動的にスイッチ・オンさ れる。 前記形式のセンサ装置の場合、窓ガラスの内側と外 側との温度差が大きいことに起因して窓ガラスの内側に、換言すればセンサ装置 と窓ガラスとの間で、凝縮物が形成されるという問題が生じることがある。この 凝縮物はまた、測定結果を狂わせることになる。それというのは、全反射が、窓 ガラスの内側における凝縮物の形成によって消衰させられるからである。それ故 に公知のセンサ装置は高光沢表面を有する反射層を有し、該反射層は、空気及び 凝縮物の侵入を防止するために、光学的中間媒体と共に窓ガラスの内側に封隙塗 布されている。高光沢表面は全反射を保証する。しかしながら、封隙式に窓ガラ スの内側に結合された斯かる反射層の製造は著しく煩雑で、センサ装置の生産コ ストをアップすることになる。更に該反射層は外部からはっきり目撃され、観察 者にとって視覚の邪魔になる。 それに加えて公知のセンサ装置は、センサ装置全体を例えば４０℃に加熱する ために加熱装置を備えている。当該加熱装置は例えば、センサ装置の領域で窓ガ ラスの外側を覆う積雪を溶解するために、かつ高光沢表面をもった反射層の封隙 が完全に気密ではない場合に部分的に形成された凝縮物を蒸発させるために使用 される。従って加熱装置の配置にも拘らず、窓ガラスの内側に可能な限り気密に 塗被された高光沢面が必要である。更にまたセンサ装置全体を加熱する結果とし て、比較的高い所要電気エネルギ量が生じ、従って構 成要素はそれに応じて設計されねばならない。 ［発明の開示］ 本発明の課題は、窓ガラスの測定区間を低い所要エネルギ量で効果的に加熱し て、窓ガラスの内表面に形成される凝縮物に起因した測定障害の虞れを生ぜしめ ず、かつ前記ガラス内表面に反射鏡面を設ける必要がないようにすることである 。 前記課題を解決するための本発明の構成手段は、加熱装置が、センサ装置と窓 ガラスとの間の少なくとも１つの接触面にか又は窓ガラス内に配置されている点 にある。 このように構成すれば、窓ガラスの内側を測定区間の領域に直接狙いをつけて 加熱することによって凝縮物の形成を回避でき、ひいては窓ガラスの内側におけ る全反射自体を保証するので、窓ガラスの内側に高光沢面を有する付加的な反射 面を完全に省くことが可能になるという利点が得られる。本発明により著しく小 さな面積しか加熱されないので、所要熱エネルギ量は著しく僅かになる。またセ ンサ装置自体を必要以上に加熱する必要もなくなる。これに加えて、反射鏡面と 窓ガラスの前処理とを光学的に組合せるために要する経費も省かれる。いまや測 定区間、ひいてはセンサ装置が外部から見えにくくなるので、外観の視覚的な印 象も改善される。 請求項１に記載したセンサ装置の有利な実施形態及 び改良は、請求項２以降に記載した構成手段によって可能になる。 最も単純な実施形態では加熱装置は、窓ガラスの測定区間の領域に装着されて いる加熱プレート又は加熱フィルムとして構成されている。該加熱プレート又は 加熱フィルムは、全反射に干渉させないようにする一方、窓ガラスとの所期の熱 接触を生ぜしめるようにするために表面仕上げ加工が施されていなければならな い。しかしながら概ね、窓ガラスに接触させるための特別の構成は必要としない ので、経費のかからない簡便な組付け並びに低廉な生産が可能である。 有利な構成は、加熱プレート又は加熱フィルムに関する。複数の開口、例えば 所定の寸法と所定の間隔の複数の穴（パーフォレーション）を穿設れば、凝縮物 が内部の測定区間に生じても該凝縮物を迅速に乾燥させることが可能になる。 窓ガラスに装着される、センサ装置のケーシングベースの少なくとも一部分を 加熱プレートとして構成すれば、簡単かつ有利な構造が得られる。この場合セン サ装置又は前記ケーシングは窓ガラスに、例えば差込みによって緊締されればよ い。この場合は、加熱プレートを窓ガラスにばね部材によって弾性的に保持する ように構成すれば、熱接触のために有利である。この場合は、ばね部材として、 加熱プレート用の給電線として同時に併用される２つのばねを設けることが可能 である。 加熱プレート又は加熱フィルムを加熱するための加熱線条は、該加熱プレート 又は加熱フィルム内に組込まれているのが有利である。しかしながら加熱プレー トを導電性プラスチック特にＰＴＣ（正の温度係数）特性を有する導電性プラス チックから製作して該導電性プラスチックを通して加熱電流を直接給電すること も可能である。また別の態様では例えばＰＴＣ素子、加熱抵抗などのような加熱 素子を加熱プレートに配置することも可能である。 例えば公知の加熱可能なリヤウィンドガラスの形式で窓ガラス内又は窓ガラス 面上に加熱装置として加熱線条ユニットを配置するのが更に有利である。原則と して該加熱線条ユニットはただ測定区間の領域に配置されればよいが、勿論また 窓ガラス全体にわたっているように配置されていてもよい。 更にまた、加熱装置を、センサ装置と窓ガラスとの間を封隙するのパッキン内 部に加熱線条として配置しておくのが殊に有利である。 外側温度又は内側温度には無関係の特定の関係を得るようにするために、加熱 装置用の温度センサと温度制御装置とを設けて、測定区間をコンスタントな温度 に維持するのが有利である。 ［図面の簡単な説明］ 図１は窓ガラスの内側に弾性的に装着される加熱プ レートを備えた本発明によるセンサ装置の第１実施例の垂直断面図である。図２ は図１に示した窓ガラスに装着される加熱プレートの平面図である。図３は加熱 可能なパッキンの詳細図である。図４は窓ガラスに装着することのできる加熱可 能なベースプレートを備えたセンサ装置用のケーシングを示す図である。図５は 図１に示した窓ガラスに装着される加熱プレート又は加熱フィルムの形状の平面 図である。 ［発明を実施するための最良の形態］ 次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。 湿り度及び／又は汚染度を検出するための図示のセンサ装置は、窓ガラス１０ の内側に接着されており、該窓ガラスは例えば自動車のフロントガラスであって もよい。勿論その他の窓板ガラス或いは、例えばプラスチック材料から成る透明 な窓ガラスの場合にも前記センサ装置を適用することが可能である。 窓ガラス１０に装着可能なケーシング１１内に発光ダイオード１２が放射源と して配置されている。発光された放射ビームは、ケーシング１１の内壁面に配置 された第１の偏向ミラー１３で偏向され、或る所定の角度で第１プリズム１４と 、前記窓ガラス１０に装着されたケーシングベース１６内の透明な光学領域１５ とを経て窓ガラス１０内へ入射する。プリズム１４に基づいて放射ビームは整合 されて平行光線となる。前記角度は、窓ガラス１０の外表面１７と内表面１８と において全反射が生じるように選ばれている。窓ガラス１０の測定区間１９内で 反射を複数回行なったのち、放射ビームは、ケーシングベース１６内の第２の透 明な光学領域２０に入射する。該光学領域に配置されたプリズム２１によって、 放射ビームは、第２の偏向ミラー２２による偏向後に、放射ビーム経路の下流側 に接続された絞り２３の平面内に焦点を有するように焦点を合わされる。前記焦 点の下流側に配置されたホトダイオード２４は放射測定装置の重要な構成部分で あり、かつ入射放射強度を測定する。ホトダイオード２４において受光された放 射ビームの評価及び発光ダイオード１２の制御は、電子制御・測定回路２５を介 して行なわれる。 測定系路１９の領域内で窓ガラス１０に水滴２６又は汚物粒子が存在する場合 には、全反射は乱され、放射ビームの一部分は窓ガラスから放出し、その結果、 ホトダイオード２４において受光される放射強度は減衰される。この信号減衰は 、固定される強度限界値以下ではスイッチ切換え操作を行なうように前記制御・ 測定回路２５において評価され、その結果、例えば車両のフロントガラス用ワイ パがスイッチ・オンされるか、又はソフトトップ及びサイドウィンドが閉鎖され ることになる。このために適した評価回路は、例えばドイツ連邦共和国特許第２ ３５４１００号明細書又は冒頭の背景技術において挙げた特許明細書に記載され ている。 ケーシング１１は輪環（ドーナツ）状のコードパッキン２７によって、窓ガラ ス１０の支承面全周にわたってシールされている。更にケーシング１１を防護す るために、より大きな保護ハウジング２８が、ケーシング１１を覆って配置され ており、かつリップシール２９によって窓ガラス１０に対してシールされている 。ケーシング１１の外周に設けられた弾性的な結合エレメント３０は、前記保護 ハウジング２８を被せる際に該保護ハウジングに設けられた対応した切欠き部に 係合する係止突起３１を有している。 測定区間１９の領域内で、ケーシングベース１６に設けた切除部３２内には加 熱プレート３３が設けられており、該加熱プレートは、センサ装置が窓ガラス１ ０に装着されている場合には、該窓ガラスに２つのばね３４によって圧着されて いる。該加熱プレート３３の、窓ガラス１０に接触する表面構造は、一方では全 反射を乱さないように、また他方では窓ガラスとの良好な熱接触を生ぜしめるよ うに、仕上げ加工されている。適当な表面構造として、例えばスペーサとして働 く疣状突起が設けられているのが有利である。加熱プレート３３を加熱するため に、該加熱プレートは、窓ガラスから離反した方の側に加熱素子３５を有してい る。複数個設けることもできる該加熱素子３５は例えば加熱抵抗又はＰＴＣ素子 である。加熱素子３５のた めの給電は２つのばね３４を介して制御・測定回路２５によって行なわれるか又 は直接に加熱素子３５に対して行なわれる。また前記制御・測定回路２５には、 加熱プレート３上に配置された温度センサ３６の信号が供給される。これによっ て、窓ガラス１０の外側温度及び内側温度には関わりなく、加熱プレート３３の 温度を、例えば６０℃のほぼ一定の温度に調節することが可能である。これによ って、測定区間１９の領域で窓ガラス１０の内側に、測定結果に誤差を生ぜしめ ることになる凝縮物を形成する不都合な事態は阻止される。 単純な実施形態では温度センサ３６を省くことも可能であり、かつ加熱素子３ ５には定電流が給電されるが、該定電流は例えば外気温度に関連して調整するこ とができる。凝縮物形成の阻止以外に、かかる加熱プレートは窓ガラス面のワイ パ条痕や曇りも、より迅速に蒸発させることができる。 図２においては輪環状のコードパッキン２７によって包囲されたケーシングベ ース１６が平面図で図示されている。２つの透明な光学領域１５と２０との中間 では、切除部３２と、該切除部内に配置された加熱プレート４１とが図示されて いる。図１とは異なって、加熱プレート４１を加熱するために外側の加熱素子３ ５は設けられてはいず、むしろ加熱プレート４１は内部に加熱線条３７を有し、 該加熱線条は、給電線とし て併用される２つのばね４３に接続されている。 図１及び図２に示したセンサ装置の更に単純な変化態様では、加熱プレート３ ３又は４１を、前記ばね４３を省いてケーシングベース１６内に固定的に配置す ることも可能である。また同様に、測定区間１９の領域においてケーシングベー ス１６上に加熱フィルムを装着すること、或いは相当部位で窓ガラス１０に該加 熱フィルムを装着することも可能である。 図３の図示によれば、輪環状のコードパッキン２７は加熱線条３８を内蔵して いて加熱され、従って封じ込まれた測定区間１９を同じく加熱することが可能で ある。加熱される輪環状のコードパッキン２７は、付加的なヒータとして、或い は極めて単純な実施形態では単独ヒータとしても使用することができる。 図４に示した実施例の場合には、ケーシングベース４０は、ＰＴＣ特性を有す る導電性プラスチックから成っている。それ故に別体の加熱プレートは省略する ことができる。加熱電圧はケーシングベース４０に供給されるので、ケーシング ベース４０は所望のように加熱される。また図４では加熱線条３９は窓ガラス１ ０内に一体的に埋め込まれている。この場合、単数又は複数の加熱線条３９は少 なくとも測定区間１９をカバーしているが、またセンサ装置を超えて延在するこ ともできる。 窓ガラス内に埋め込まれた、このような加熱線条は 例えば加熱式リア・ウィンドシールドにおいて慣用されている。加熱線条３９に 代えて、相応の加熱経路を窓ガラスに蒸着することも可能である。加熱線条３９ による前記のような加熱は測定区間１９の付加的な加熱手段として使用されるが 、また該加熱線条３９によって測定区間１９を専ら単独に加熱することも可能で ある。また前記の諸実施形態を相応に組合せることも勿論可能である。 図５では、図１に示した加熱プレート／加熱フィルム３３の有利な実施形態又 は図２に示した加熱プレート／加熱フィルム４１の有利な実施形態、或いは図４ に示したヒータとして構成されたケーシングベース４０が図示されている。従っ て図５において使用された対照符号３３は符号４１又は符号４０に代えることも できる。２つの透明な光学領域１５と２０の間に配置された加熱プレート／加熱 フィルム３３，４１或いはケーシングベース４０は複数の開口５０を有している 。該開口は例えば穿設穴であり、これらの穿設穴は規定の直径を有し、かつ殊に 有利には規定の相互間隔を有している。前記開口５０はパーフォレーションとし て構成することもできる。図５に示した円形横断面の穿設穴に代えて、その他任 意の適当な形状を採用することも可能である。重要な点は、窓ガラスの内表面に 相当する内側の測定区間に万一凝縮物が存在した場合でも開口５０が該凝縮物を 迅速に乾燥させることができ ることである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＢＲ，ＪＰ，ＫＲ，ＵＳ (72)発明者 フェッター，ホルスト ドイツ連邦共和国 77830 ビューラータ ール ヴィーデンバッハヴェーク 14

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．窓ガラスの内側から窓ガラス内へ放射ビームを放射する放射源と、窓ガラス の内表面と外表面との間で全反射によって反射される放射ビームを検出する放射 測定装置と、加熱装置とを有する形式の、窓ガラス、特に自動車のフロントガラ スの湿り度及び／又は汚染度を検出するためのセンサ装置において、加熱装置（ ３３，３５；３７，４１；２７，３８；３９；４０）が、センサ装置と窓ガラス （１０）との間の少なくとも１つの接触面にか又は窓ガラス（１０）内に配置さ れていることを特徴とする、窓ガラス、特に自動車のフロントガラスの湿り度及 び／又は汚染度を検出するためのセンサ装置。 ２．加熱装置（３３，３５；３７，４１；４０）が、測定区間（１９）の領域で 窓ガラス（１０）に装着される加熱プレート又は加熱フィルムとして構成されて いる、請求項１記載のセンサ装置。 ３．センサ装置のケーシング（１１）の、窓ガラス（１０）に座着しているケー シングベース（１６；４０）の少なくとも一部分が加熱プレートとして構成され ていいる、請求項２記載のセンサ装置。 ４．加熱プレート（３３，３５）が弾性部材（３４）によって窓ガラス（１０） に弾性的に保持されている、請求項２又は３記載のセンサ装置。 ５．弾性部材（３４）としての２つのばねが、加熱プレート（３３，３５）のた めの給電手段として構成されている、請求項４記載のセンサ装置。 ６．加熱線条（３９）が加熱プレート（３７，４１）内又は加熱フィルム内に設 けられている、請求項２から５までのいずれか１項記載のセンサ装置。 ７．加熱プレート（４０）又は加熱フイルムが、導電性プラスチック、特にＰＴ Ｃ特性を有する導電性プラスチックから成っている、請求項２から５までのいず れか１項記載のセンサ装置。 ８．ケーシング（１１）のケーシングベースが加熱プレート（４０）として構成 されている、請求項７記載のセンサ装置。 ９．ＰＴＣ素子、加熱抵抗又はこれに類似した素子のような加熱素子（３５）が 加熱プレート（３３，３５）に配置されている、請求項２から５までのいずれか １項記載のセンサ装置。 10．窓ガラス（１０）内にか又は窓ガラスに沿って配置された加熱装置（３９） が加熱線条ユニットとして構成されている、請求項１記載のセンサ装置。 11．加熱装置が、センサ装置と窓ガラス（１０）との間のパッキン（２７）内に 埋め込まれた加熱線条（３８）として構成されている、請求項１記載のセンサ装 置。 12．加熱装置（３３，３５）用の温度センサ（３６） と温度制御装置が設けられている、請求項１から１１までのいずれか１項記載の センサ装置。 13．加熱プレート又は加熱フィルム（３３，４１）或いは、センサ装置のケーシ ング（１１）の、窓ガラス（１０）に装着されているケーシングベース（４０） の、加熱プレート又は加熱フィルムとして構成された部分が、複数の開口（５０ ）、特に有利には所定の寸法と所定の相互間隔とを有する複数の穴を有している 、請求項２又は３記載のセンサ装置。