JPH08504941A - 地質学構造の変形を監視して、地球力学的事象を予測する方法 - Google Patents
地質学構造の変形を監視して、地球力学的事象を予測する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
地質学的空間内の短期と長期の変形変化を監視して、地域内の、地震、地滑べり、膨張、そして沈下事象などの地球力学的事象を予測する方法、前記方法は、その地域にわたる観察井戸のネットワークを用いて一つ以上の水界パラメーターの測定を実行し、種々の数学的パラメーターを計算して、種々の図を準備する、そして検出するための基礎として準備された図を用いて、そして可能性のある未来の地球力学的事象の時期を予測するステップとから成る。
Description
【発明の詳細な説明】
地質学構造の変形を監視して、地球力学的事象を予測する方法
本発明は、地質学的空間における短期の変形変化を監視して、地域における地
震や地滑べりなどの地震性事象を予測する方法に関する。
地質学的観察は、地殻での体積変形が増加した内力、または応力−歪みの圧密
、または膨張のいずれかの地下構造の形成と破壊を連続的に起こすことを示した
(Vartanyan-Kulikovの効果)。そのような構造は通常は月日の単位で形成、ま
たは破壊され、そしてそれらは一般に変形の短命構造と呼ばれる。
そのような短命構造は地球上の全てで現れ、そしてそれらは周期的に数百、時
には数千平方キロメートルの面積にわたるかも知れない。上述のように、変形の
短命構造は、連続的に、即ち地質学的に静穏期中でも、そして通常は混沌として
、形成されては、破壊される。
リアルタイムで発達し、そして水界パラメーターの地下変化を通じて記録され
る地殻の空間的体積応力−歪み状態の微小変化は、一般に水分地質学的変形(H
GD)フィールドと呼ばれる。
HGDフィールドの発達の視覚化は特別の設備と手続きの適用に基づく。
1.10-7から1.10-9までの程度の大きさの地下構造の相対的変形の測定を可能に
する方法と装置が、変形の短命構造の監視と研究に関連して使用するために開発
されている。
その発明は以下のステップから成ることを特徴とする:
(a)多数の観察井戸を使用してその地域のエリアにわたる相当数のロケーショ
ンでの帯水層内の一つ以上のパラメーターX、Y、Z....の測定を異なる時
間(t=0、t=t1)で実行する;
(b)得られた測定値を基礎として、以下の公式を用いて各ロケーションと各パ
ラメーターX、Y、Z....の相対的変形係数eを計算する
et1=Xt=0/Xt=t1(1);et1=Yt=0/Yt=t1(1);et1=Zt=0
/Zt=t1(1)....
ここで
Xt=0、Yt=0、Zt=0は時間t=0(基準時間)における各々のパラメータ
ーX、Y、Zの値である;
Xt=t1、Yt=t1、Zt=t1は時間t=t1における各々のパラメーターX、Y
、Zの値である;
(c)計算されたe値を基礎として各パラメーターX、Y、Z...のe等高線
の等高線図を準備し、そして準備されたその等高線図を使用して、潜在的地震の
危険に関する短命変形構造を識別する;
(d)潜在的地震の危険に関わるものとして識別された各構造の相対的変形パラ
メーターDeを計算する、前記Deパラメーターは以下のように定義される
ここでe1、e2、e3、...、en-1とenは構造のe等高線のe値である
、
s1、s2、s3、...、sn-1とsnは各々等高線e1、e2、e3、...en-1
とenにより区切られたエリアである、
srefは基準エリアである、
erefは基準e値である、そして
nは正の整数である;
(e)以下のように定義される地震発生のパラメーターを計算する
Ae=∂De/∂t(3)、そして
(f)DE−t図とAem−t図を準備する、ここでmは正の整数、後者の図の
ピークの頂点を通る補助曲線を描く、そして可能な未来の地震の事象の時期を予
測するための根拠として二つの結果として生じる図を組み合わせて用いる。
本発明の方法は、未来の可能な地震事象の時期、マグニチュード、そして位置
とを予測する可能性を提供する。特に、強くて、壊滅的な地震事象、即ち4.5以
上のマグニチュードMを有する地震事象を予測することが出来ることは非常に価
値がある。
本発明は、広大な地域のHGDフィールドを監視することにより、変形の短命
構造の状態と発達とを査定して、未来の地震事象を予測することが可能であると
いう発見に基づく。
従って、地震事象前の期間中に、変形の短命構造の大きさと前記構造内の内力
の強度とは増加する、それにより未来の震源地ゾーンの範囲内に明確な実体を形
成することが出来る。
本発明は、変形の与えられた短命構造に対するDe曲線とAem曲線との両方
が、強くて、壊滅的な地震の事象につながる内力の構造の範囲内での蓄積中に特
有のコースをとること、そして前記二つのコースの組み合わせが、高精度で、即
ち日単位で、未来の可能地震事象の時期を予測するために使用出来るという更な
る発見に基づく。
本発明の方法の基礎は専用観察井戸のシステムである、それはパラメーターX
、Y、Z...の測定値を収集するために使用される。従って、その観察井戸は
パラメーターX、Y、Z...の測定を実行するように設計された測定装置を備
えている。
個々の観察井戸は全データを自動的に記録、記憶、そして処理することが出来
る中央自動データ処理ユニットに接続されるのが望ましい。望ましくは、本発明
のステップb)からf)は前記データ処理ユニットにより実行される。
その観察井戸は、個々の地質学的構造と地殻運動ブロックとの動的特性を考慮
してその地域にわたって配置される。望ましくは、少なくとも一つ以上の観察井
戸が各中間構造に使用される。地震活動地域において、望ましくは少なくとも一
つ以上の井戸が10,000平方キロメートルのエリアに使用されるが、プラッ
トフォーム地域や他の安定地域においては、少なくとも一つ以上の井戸が40,000
平方キロメートルのエリアに使用される。
その測定パラメーターX、Y、Z...は、水位、水圧、溶解化学物質の濃度
、化学物質の平衡、気体の濃度、水温、水の電導性、水密度、地震ノイズ、電磁
波放出、重力変化、またはその他のものなどのいかなる測定可能パラメーターで
あっても良い。
溶解化学物質の例は、Cl-、F-、SO4 2-、そしてLi+である。
気体の例は、CO2、He、メタン、H2S、そしてRn(ラドン)である。
e値を決定するために一つ以上のパラメーターの測定が使用される時、個々の
パラメーターはそれらの相対的適合性に関して評価される。その評価は、経験、
歴史的データの分析、そして使用された異なる測定方法の測定不確定性に関する
知識を基にして本発明の方法の使用者により行われる。
本発明の好適形態は測定パラメーターとして水位hを用いて、次の公式を用い
てeを計算することを特徴とする、
et1=h0/ht1 (4)
ここでh0はt=0における水位である、そして
ht1はt=t1における水位である。
計算されたe値は等高線図を作成するために使われる。その等高線図は、e値
が決定されるロケーション間を補間し、そして続いてe等高線を描くことによる
伝統的方法で準備される。
準備されたその等高線図は、監視される地域の範囲内の潜在的地震の危険があ
る短命変形構造を識別するために使用される。その識別は構造の等高線パターン
の一時的発達とその等高線パターンのe値のマグニチュードとの観察を基に行わ
れる。統一体から大きく外れるe値を有する等高線パターンは、基準時間t=0
と比較すると、大きい変形が対応する構造で起こることを示す。
それで、DeとAe値が、潜在的地震の危険に関するものとして識別される各
構造に対して計算される。
計算されたDeとAeとの値は、それで、各々(t、De)図と(t、Aem)
図とで時間の関数としてプロットされる。
望ましくは、望ましくは、Aem−t図、ここでmは偶数の正の整数である、
が使用される、そしてより望ましくはAem−t図、ここでmは2、または4で
ある、が使用される。
上述のように、De曲線とAem曲線の両方は特有のコースをとる、それは二
つの曲線が組み合わせにて見られる時、a)地震事象が起こるかどうかを、そし
てb)もしそうならば、前記事象の時間を予測することを可能にする。
前記二本の曲線の状況は、部分的に公式(2)で使用されたe値の数に依存す
る。故に、同数のe値がDe曲線の各De値の計算で使用されなければならない
。但し、De曲線がこの方法で決定されると、その一般的コース、故にその特有
のコースは公式(2)で使用されたe値の数に依存しない。
地域における変形の潜在的に危険な短命構造に対するDeとAem曲線とは、
地域内のHGDフィールドの一般的状況が連続的に変化するとき、連続的に監視
されるべきである。従って、その瞬間は、地域の通常減少する内力を有する構造
だけでなく増加する内力を有する構造を含み、そして一定期間を超えて上昇する
De値を有する潜在的に危険な構造の内力は危機的レベルに到達することなく減
少し始めるかも知れない。また、構造の圧密の変形率は時間の関数として大いに
変化する。
構造に対するDeとAemとの曲線とが地震性事象が起こることを示す場合に
、前記事象の近似的位置、即ち震源地を決定できる。地震性事象の震源地は、膨
張の短命構造の軸方向ゾーン、または一方が膨張し、そして他方が収縮している
変形の二つの比較例接近して位置する短命構造から成る地域の場合、前記二構造
間の高内力勾配のインターフェースゾーンのいずれかと一致する。
いかなる場合においても、地域の地球の地殻が、例えば断層を含むと、その震
源地はその断層ゾーンの範囲内に位置する傾向があるので、震源地を決定すると
きには、問題の地域の地殻条件が考慮されるべきである。
更に、予測された未来の地震事象の内力はパラメーターDeのマグニチュード
から査定できる。従って、De値が高ければ高いほど、そのマグニチュードMも
より高くなる。
以下で、本発明は図を参考にして更に詳細に説明される、ここで
図1は同コースをとる典型的De曲線の二つの例を示す、
図2は典型的Aem曲線の例を示す、
図3−5は、異なる三日間の、1988年のSpitak地震が発生した地域の等高
線図を示す、
図6はSpitak地震が発生した期間のDe−t図を示す、
図7はSpitak地震が発生した期間のAe2−t図を示す、その図はピークの頂
点を通って描かれた補助曲線Eで補足される、
図8−16は、異なる九日間の、1969年のLoma Prieta地震が発生した地
域の等高線図を示す、
図17はLoma Prieta地震が発生した期間のDe−t図を示す、
図18はLoma Prieta地震が発生した期間のAe2−t図を示す、その図はキー
クの頂点を通って描かれた補助曲線Eで補足される、
図19はSpitak地震が発生した期間のKe−t図を示す、
図20はSpitak地震が発生した期間のKe’−t図を示す、
図21−29は、Spitak地震が発生した期間中の異なる九日間のΔgav−Ke
図を示す。
以下でDeとAem曲線を解釈する方法が図1と2を参考にして更に詳細に説
明される。
上述のように、De曲線とAem曲線の両方とも地震が蓄積され間の特有のコ
ースを有する。
以下で、未来の地震の時期が前記曲線からいかに決定されるかが説明される。
図1から分かるように、De曲線は観察される構造の範囲内の内力の蓄積に相
当する局面Aで増加する。局面Aの終わりに、De曲線はt=tsで局部的最大
値LMに達し、その後De曲線は局面Bの第一段階の間に鋭く、且つ顕著に減少
する。局面Bの最後の段階においては、問題の構造の性質により、De曲線は漠
然と減少するか、または鋭く上昇するかも知れない。局面Bの終りに、即ちt=
teにおいて、地震が発生する、そして経験的データは、局面Bの持続期間は約
3日から約10日間であることを示している。
局面Bの期間中に、構造の内力抵抗限度に達し、そしてその構造の亀裂が開始
する。
図2から分かるように、Ae2曲線は時間と共に次第に増加する高さと時間と
共に次第に縮小する間隔とを有する多数の高ピークから成る。そのピーク間に位
置する期間に、そのAe2パラメーターの比較的小さな値だけが発生している。
上述のように、mが2、または4であるAem曲線が使用されるのが望ましい
。そのような曲線は、測定ノイズのためのエラーの影響を低減するために、使用
される、それはピーク間に位置するAeの値に影響を及ぼす。これらの値は通常
1
よりも小さい。2、または4のm値は更にピークの高さを増し、そのAe値は通
常1よりも高い。また、正の値のみを有する曲線を使用するのが便利である。
Aem曲線のピークの物理的意味は、これらの瞬間における問題の構造の変化
率が特に高いということである。もし曲線がピークの頂点を通って描かれるなら
ば、ほぼ指数関数のコースをとる曲線が得られる(曲線E、図2)。正接の方向
が垂直である(E曲線の部分S)E曲線の部分は、De曲線の局所最大値LMに
相当する、故にE曲線のポイントSに対応する時間から、即ち、t=tsから、
地震が、経験的に示されるように、約三日から約十日迄の期間の範囲内で発生す
る。
上述のように、De曲線とAem曲線とは、未来の地震事象の時期の確かで、
正確な予測をするために、組み合せにて使用されなければならない。従って、上
述された一般的コースをとるDe曲線は前記一般的コース内で不規則なジグザグ
パターンを表し、そして対応して、そのDe曲線は、局面Bの第一段階のために
間違っているかも知れない多数の鋭い衰退を表すので、そのDe曲線単独ではそ
のような予測をするための十分な根拠とはなり得ない。
De曲線の上述のジグザグパターンは、引力の影響(毎日の潮の変動)や、気
圧の影響などの小さなマグニチュードの変動の影響のためであるが、De曲線の
一般的コースは内因性の影響、即ち構造の伸縮のための構造の範囲内の内力の蓄
積により決定される。
構造の状態の監視と査定において、考慮されるべきである何等かの影響、即ち
結果として生じる影響がその構造に及ぼすものがあれば、それは個々の自然と人
類の活動による影響の合計であり、そしてそのDeパラメーターは正確に前記の
結果として生じる影響への構造の応答を表す。
人類の活動による影響の例は、地殻構造に及ぼす圧力を増加する高圧ダムの影
響、そして地殻構造からのオイル、ガス、そして他の流体の抽出を含む。
本発明と関連して、表現「短期変化」は、変化が日から月の期間で構造の範囲
内で発達することを意味する。
更に、用語「De曲線」と「Aem曲線」とはDe−t図の曲線とAem−t図
の曲線とを各々示す。
本発明は更に、地域内での緩やかな「地震」、長期膨張、岩の塑性変形、そし
て沈下事象などの長期地球力学的プロセスを監視する方法に関する。
本発明のこの方法は、以下のステップから成ることを特徴とする:
(o)多数の観察井戸を使用してその地域のエリアにわたる相当数のロケーショ
ンでの帯水層内の一つ以上のパラメーターX、Y、Z...の測定を異なる時間
(t=0、t=t1)で実行する;
(p)重力変化Δg1、Δg2、...Δgkの地域のエリアにわたる多数のロ
ケーションで測定を実行する、ここでkは正の整数である、そして平均重力変化
Δgavを計算する;
(q)得られた測定値を基礎として、そして以下の公式を用いて各ロケーション
と各パラメーターX、Y、Z...の相対的変形係数eを計算する
et1=Xt=0/Xt=t1(1);et1=Yt=0/Yt=t1(1);et1=Zt=0
/Zt=t1(1)....
ここで
Xt=0、Yt=0、Zt=0は時間t=0(基準時間)における各々のパラメータ
ーX、Y、Zの値である;
Xt=t1、Yt=t1、Zt=t1は時間t=t1における各々のパラメーターX、Y
、Zの値である;
(r)地域の不安定変形のパラメーターKeを計算する、前記Keパラメーター
は以下のように定義される
ここで、
ep,t1は膨張を示す全てのロケーションに対するt=t1での平均e値であ
る(e>1);
ec,t1は圧密を示す全てのロケーションに対するt=t1での平均e値であ
る(e<1);
(s)Ke−t図、Ke’=∂Ke/∂t−t図、そしてΔgav−Ke図とを準
備して、可能性のある未来の地球力学的事象を検出するための基礎として三つの
図を組み合せにて使用する。
本発明による更なる方法は、広大な地域のHGDフィールドを監視することに
より、変形の短命構造の状態と発達を査定して、そして未来の地球力学的事象を
予測することが可能であるという発見に基づく。
また、本発明による更なる方法は、Keパラメーターが膨張と圧密とに関して
監視された全地域の全体の傾向を表す、故にそのKeパラメーターはその地域の
範囲内での長期変形変化を監視する手段として使用されるかも知れないという発
見に基づく。
最後に、本発明の更なる方法は、(Ke、Δgav)曲線が上述のタイプの主要
地球力学的事象の前の期間中に特有のコースをとる、そしてKe曲線、Ke’曲
線、そして(Ke、Δgav)曲線とは可能性のある未来の地球力学的事象を検出
して、予測するために組み合せにて使用できる。
本発明による更なる方法は、例えば特有の安全性と環境的危険性とに関する産
業設備近辺での地球力学的活動の危険ゾーンの存在を識別し、そして安全性と危
険性の長期的変化を検出するために前記ゾーンの連続的監視を実行するのに有用
である。従って、前記方法は、前記タイプの現存する産業設備上への潜在的損害
を最小限度にするためにそのユーザーが予防処置をとり、そして新産業設備の位
置を決めるのに最適な場所を選択することが出来るようにするそのような情報を
ユーザーに提供する。そのような産業の設備は、橋、トンネル、原子力発電所、
高圧ヘッドダム、非常に有毒な、放射性の廃棄物材料の処理場、廃棄材料処理場
、化学プラント、オイル精製所、地下ガスや、オイルタンク等のための場所とし
て使用される鉱山を含む。
Ke値は−1から+1の範囲内であり、そして正と負の値は圧密、または膨張
の各々監視された地域内の全体の傾向を示す。
Ke’パラメーターは全体としてとられた地域の変形率を表し、そしてKe’
曲線は前記率が高い期間を識別するのを可能にするのに役立つ。Ke’曲線は通
常高変形率の期間に対応する多数のピークと、Ke’の比較的小さい値を有する
多数の間にある部分とから成る。
太陽と月との影響は地殻構造の重力変化を起こす。地殻構造がその弛緩状態に
ある時、即ち構造の内力が不在、または小さい時、一日(24時間)の期間(K
e、Δgav)曲線はKe軸の方向に伸張したほぼ楕円の形を有する、その曲線は
ほぼ同ポイントで開始して、終了する。
但し、上述のタイプの主要地球力学的事象の前の期間中に、(Ke、Δgav)
曲線の形状は、その曲線がΔgav軸の方向に伸張し、そしてその曲線が形状にお
いて不規則となるか、混沌とさえなるように変化することが示された。そのよう
な変化は、監視された地殻構造がその弾力性を失ったことを示す。
Ke曲線、Ke’曲線、そして(Ke、Δgav)曲線との組み合せから得られ
る情報は、本発明のユーザーが地域内の地球力学的活動のレベルの評価を行い、
そして蓄積された内力に関して地域内の構造の状態を査定して、故に地球力学的
事象に関する地域の危険レベルを査定することを可能にする。従って、それはユ
ーザーがテリトリーの地球力学的に最も適した地域を識別し、そして監視された
地域の範囲内の未来の地球力学的事象を予測することを可能にする。
本発明の更なる方法がテリトリーの範囲内で新産業設備を位置決めするための
最も適切な場所を選択するために使用されると、そのテリトリーは望ましくは二
つ以上の地域に分割される、それでKe−t、Ke’−t、そしてΔgav−Ke
のアナログ図が各地域に対して準備される。それで、地球力学的に最も安定で安
全な地域が各地域の前記の三つの図を他の地域の図と比較することにより識別さ
れるかも知れない。
本発明による更なる方法の好適形態は以下を特徴とする、
(t)計算されたe値を基礎にした各パラメーターX、Y、Z...に対するe
等高線の等高線図を準備し、そして可能性のある未来の地球力学的事象を検出す
るための基礎を形成する追加的情報として準備された等高線図を使用する。
本発明と関連して、表現「長期変化」は、一年以上の期間にわたって構造の範
囲内で発達する変化を意味する。
更に、用語「Ke曲線」、「Ke’曲線」、そして「(Ke、Δgav)曲線」
は、Ke−t図、Ke’−t図、そしてΔgav−Ke図の各々の曲線を示す。
Ke値はまた、この明細書の最初の部分で説明された本発明の方法で使用され
るかも知れない。
従って、本発明の前記方法の他の好適形態は以下を特徴とする
(g)重力変化Δg1、Δg2・・・Δgkの地域のエリアにわたる多数のロケ
ーションで測定を実行し、そして平均重力変化Δgavを計算する;
(h)地域の不安定変形のパラメーターKeを計算する、前記Keパラメーター
は以下のように定義される
ここで、
ep,t1は膨張を示す全てのロケーションに対するt=t1での平均e値であ
る(e>1);
ec,t1は圧密を示す全てのロケーションに対するt=t1での平均e値であ
る(e<1);
(i)Ke−t図、Ke’=∂Ke/∂t−t図、そしてΔgav−Ke図とを準
備して、可能性のある未来の地震性事象を予測するための基礎を形成する追加的
情報として三つの図を組み合わせにて使用する。
パラメーターKe、Ke’、そしてΔgavの物理的意味、Ke−t、Ke’−
t、そしてΔgav−Ke図を準備する方法、そして前記図から得られる情報の性
質とは上述される。
この情報は、可能性のある、未来の地震性事象についてDeとAem曲線とか
ら解釈して、予測するプロセスにおいて役に立つ。
本発明の両方の方法において、中央自動データ処理ユニットは、全ての測定値
を記録して記憶し、そして自動的に全ての次の計算と等高線図と種々の図の準備
を行なうために使用されるのが望ましい。
以下で、本発明の方法が、以下の例を参考にしてより詳細に説明される。
例1
1988年8月から1988年12月までの期間中、ジョージア(Georgia)
の
南部とアルメニア(Armenia)の北部にわたる地域が、その地域の帯水層内の水
位を測定するために多数の観察井戸を用いて監視された。1988年12月7日
に、マグニチュードMが6.9のいわゆるSpitak地震が発生した。
測定値を基礎にして、そして統合化された中央コンピューターシステムを使用
して、e値が計算され、等高線図が準備され、DeとAe値が計算された、そし
てDe−tとAe2−tとの図が準備されて、補助曲線Eが、後者のタイプの図
のピークのポイントを通って描かれた。
図3−5は、1988年10月10日、1988年12月7日、そして198
8年12月10日に監視された地域の等高線図を各々示す。図において、観察井
戸がドットで示される、そして図はe等高線を示し、そして観察井戸とe等高線
との両方のe値を示す。
図6と7は、1988年8月から1988年12月までの期間のDe−tとA
e2−tの各々の図を示す、後者の図はピークの頂点を通って描かれた補助的曲
線Eで補足される。
等高線図から分かるように、膨張の短命構造は、1988年8月10日からSp
itak地震の発生日である1988年12月7日までの期間中に発達していた、そ
の日における構造の内力は非常に高く、その構造の中心は1,968のe値を有
する。3日後、1988年12月10日に、構造の内力は幾分減少した。その地
震の震源地はその軸方向のゾーンにおける構造の中心近辺に位置する。
図6から、地震が、約3日から約10日までの期間の範囲内で発生する時期t
sは、De曲線の局所最大値LMに相当する時期として見られる、そしてtsは
ほぼ1988年11月27日となることが分かる。
また、図7から、ts−値は、ほぼ垂直である正接を有するE曲線の部分Sに
相当する時期として見られる、そしてtsは1988年12月3日となることが
分かる。
上記から分かるように、De曲線とAe2曲線から各々決定される二つのts
値間に時間差が在る、そしてこれはtsの信頼できる決定をするために両曲線を
使用することの重要性を示す。
例2
1989年7月から1989年11月までの期間、米国のカリフォルニアのサ
ンアンドリュウ断層に近接して位置する領土を覆う地域が、その地域の帯水層内
の水位を測定するために多数の観察井戸を使用して監視された。1989年10
月18日に、マグニチュードMが7.1のいわゆるLoma Prieta地震が発生した。
測定値を基礎にして、そして統合化された中央コンピューターシステムを使用
して、e値が計算され、等高線図が準備され、DeとAe値が計算された、そし
てDe−tとAe2−tとの図が準備されて、補助曲線Eが、後者のタイプの図
のピークのポイントを通って描かれた。
図8から16は、上記期間の多数の異なる日付でのその地域の等高線図を示す
。図において、観察井戸はドットで示され、そして太い交差しているラインはサ
ンアンドリュウ断層を示す、そしてその図はe等高線を示し、そしてそのe値を
示す。図17と18は、1989年の9月と10月の期間のDe−tとAe2−
tの各々の図を示す、後者の図は、そのピークの頂点を通って描かれる補助曲線
Eで補足される。
その等高線図から判断して分かるように、内力は、Loma Prieta地震の発生日
である1989年10月18日以前の期間にその地域内に蓄積される。その地域
はほぼ観察井戸10aと7に位置する二つの中心を有する膨張のゾーン(統一体
より上のe値)と圧密ゾーン(統一体より下のe値)とを含む。
図17から、地震がその後約3日から約10日の期間の範囲内で発生する時期
tsは、De曲線の局所最大値LMに相当する時期として見られるかも知れない
、そしてtsはほぼ1989年10月8日となることが分かる。
また、図18から、ts−値は、ほぼ垂直である正接を有するE曲線の部分S
に相当する時期として見られる、そしてtsは1989年1013日となること
が分かる。
例3
1988年10月から1989年6月までの期間中、ジョージア(Georgia)
の南部とアルメニア(Armenia)の北部にわたる地域が、その地域の帯水層内の
水位を測定するために多数の観察井戸を用いて監視された。1988年12月7
日に、マグニチュードMが6.9のいわゆるSpitak地震が発生した。
測定値を基礎にして、そして統合化された中央コンピューターシステムを使用
して、Δgav値、e値、Ke値、そしてKe’値とが計算され、Ke−t、Ke
’−t、そしてΔgav−Keとの図が準備された。
図19は1988年10月の始めから1989年6月の末までの期間のKe−
tの図を示す。
Ke曲線から判断して分かるように地震の前の期間中に、圧密がその地域で続
いている、そのKe値は負である。ほぼ地震の時期に、その地域の全体の傾向は
、圧密から、圧密の期間中に蓄積された内力の解放に相当する膨張に変化する、
前記解放は地震を通じて行われる。地震の後に続く期間中、膨張が継続する。図
20は1988年11月25日から1988年12月10日までの期間のKe’
−t図を示す。小さい垂直の矢印は、地球振動の時期を示す、そして大きい垂直
の矢印は、地震の時期を示す。
Ke’曲線から判断して分かるように、変形率は、地震の四日前の1992年
12月3日において非常に高い。
図21から29は、1986年8月から1988年12月までの期間中の異な
る九日間のΔgav−Keの図を示す。
以下で、図21から29の(Ke、Δgav)曲線への参照が行われる。198
6年の8月19日(図21)において、曲線はKe軸の方向に伸張した楕円形を
有した。1988年10月25日と26日(図22と23)において、曲線はΔ
gav軸の方向に伸張した楕円形をとった。その曲線のこの不規則な形状は、監視
された地殻構造の弾力性が構造の内力の蓄積のために減少していることを意味す
る。
1988年11月27日(図25)と1988年12月6日(図26)におい
て、その曲線は、Δgav軸の方向に向いた二本のほぼ近接したラインの形状をと
った、その形状は構造の弾力性をほとんど完全に失っていることを示す。198
8年、12月7日(図27)において、Spitak地震の日、その曲線の二本のライ
ンはより広く間隔をとるようになった、その曲線はU字形状となる。この形状は
、構造の内力が部分的に減少したことを示す。
1988年12月8日と9日において(図28と29)、その曲線は、構造が
その当初の弾力性のほとんどを回復した、即ち構造の蓄積された内力がその地震
を通じて解放されたという事実を示す不規則楕円形状を回復した。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年9月29日
【補正内容】
(1)明細書第1頁1行“地質学構造の変形を”乃至第2頁18行“nは正の整
数である。”迄の文章を以下の文章により置き換える。
「地質学構造の変形を監視して、地球力学的事象を予測する方法
本発明は、地質学的空間の短期の変形変化を監視して、地域における地震や地
滑べりなどの地震性事象を予測する方法に関する、前記方法において:
(a)多数の観察井戸を使用してその地域のエリアにわたる相当数のロケーショ
ンでの帯水層内の一つ以上のパラメーターX、Y、Z....の測定を異なる時
間(t=0、t=t1)で実行する;
(b)得られた測定値を基礎として、そして以下の公式を用いて各ロケーション
と各パラメーターX、Y、Z....の相対的変形係数eを計算する
eti=Xt=0/Xt=t1(1);eti=Yt=0/Yt=t1(1);eti=
Zt=0/Zt=t1(1)....
ここで
Xt=0、Yt=0、Zt=0は、時間t=0(基準時間)における各々のパラメー
ターX、Y、Zの値である;
Xt=t1、Yt=t1、Zt=t1は、時間t=t1における各々のパラメーターX、
Y、Zの値である;
(c)計算されたe値を基礎として各パラメーターX、Y、Z...のe等高線
の等高線図を準備し、そして準備されたその等高線図を使用して、潜在的地震の
危険に関する短命変形構造を識別する;
地質学的観察は、地殻での体積変形が増加した内力、または応力一歪みの圧密
、または膨張のいずれかの地下構造の形成と破壊を連続的に起こすことを示した
(Vartanyan-Kulikovの効果)。そのような構造は通常は月日の単位で形成され
るか、破壊され、そしてそれらは一般に変形の短命構造と呼ばれる。
そのような短命構造は地球上の全てで現れ、そしてそれらは周期的に数百、時
には数千平方キロメートルの面積に及ぶかも知れない。
上述のように、変形の短命構造は、連続的に、即ち地質学的に静穏期中にも、
そして通常は混沌として、形成されては、破壊される。
リアルタイムで発達し、そして水界パラメーターの地下変化を通じて表現され
る地殻の空間的体積応力−歪み状態の微小変化は、一般に水分地質学的変形(H
GD)フィールドと呼ばれる。
HGDフィールド発達の視覚化は特別の設備と手続きの適用に基づく。
1.10-7から1.10-9までの程度の大きさの地下構造の相対的変形の測定を
可能にする方法と装置が、変形の短命構造の監視と研究に関連して使用するため
に開発されている。
その発明は以下のステップから成ることを特徴とする:
(d)潜在的地震の危険に関わるものとして識別された各構造の相対的変形パ
ラ
メーターDeを計算する、前記Deパラメーターは以下のように定義される
ここでe1、e2、e3、...、en-1とenは構造のe等高線のe値である
、
s1、s2、s3、...、sn-1とsnは各々等高線e1、e2、e3、...en-1
とenにより区切られたエリアである、
srefは基準エリアである、
erefは基準e値である、そして
nは正の整数である;」
(2)明細書第7頁28行“更に、用語「De曲線」”乃至第8頁20行“定義
される”迄の文章を以下の文章に置き換える。
「更に、用語「De曲線」と「Aem曲線」とはDe−t図の曲線とAem−t図
の曲線とを各々示す。
本発明は更に、地域内での緩やかな「地震」、長期膨張、岩の塑性変形、そし
て沈下事象などの長期地球力学的プロセスを監視する方法に関する、上記方法に
おいて:
(o)多数の観察井戸を使用してその地域のエリアにわたる相当数のロケーショ
ンでの帯水層内の一つ以上のパラメーターX、Y、Z...の測定を異なる時間
(t=0、t=t1)で実行する;
(p)得られた測定値を基礎として、そして以下の公式を用いて各ロケーショと
各パラメーターX、Y、Z...の相対的変形係数eを計算するステップから成
る
et1=Xt=0/Xt=t1(1);et1=Yt=0/Yt=t1(1);et1=Zt=0
/Zt=t1(1)....
ここで
Xt=0、Yt=0、Zt=0は時間t=0(基準時間)における各々のパラメータ
ーX、Y、Zの値である;
Xt=t1、Yt=t1、Zt=t1は、時間t=t1における各々のパラメーターX、
Y、Zの値である;
本発明のこの更なる方法において:
(q)重力変化Δg1、Δg2、...Δgkの地域のエリアにわたる多数のロ
ケーションで測定を実行する、ここでkは正の整数である、そして平均重力変化
Δgavを計算する;
地域の不平衡変形のパラメーターKeを計算する、前記Keパラメーターは以
下のように定義される」
(3)明細書第14頁9行“地震の後”乃至第15頁2行“回復した。”迄の文
章を以下の文章に置き換える。
「地震の後に続く期間中、膨張が継続する。図20は1988年11月25日か
ら1988年12月10日までの期間のKe’−t図を示す。小さい垂直の矢印
は、地球振動の時期を示す、そして大きい垂直の矢印は、地震の時期を示す。
Ke’曲線から判断して分かるように、変形率は、地震の四日前の1988年
12月3日において非常に高い。
図21から29は、1986年8月から1988年12月までの期間中の異な
る九日間のΔgav-Keの図を示す。
以下で、図21から29の(Ke、Δgav)曲線への参照が行われる。198
6年の8月19日(図21)において、曲線はKe軸の方向に伸張した楕円形を
有した。1988年10月25日と26日(図22と23)において、曲線はΔ
gav軸の方向に伸張した楕円形をとった。その曲線のこの不規則な形状は、監視
された地殻構造の弾力性が構造の内力の蓄積のために減少していることを意味す
る。
1988年11月27日(図25)と1988年12月6日(図26)におい
て、その曲線は、Δgav軸の方向に向いた二本のほぼ近接したラインの形状をと
った、その形状は構造の弾力性をほとんど完全に失っていることを示す。198
8年、12月7日(図27)において、Spitak地震の日、その曲線の二本のライ
ンはより広く間隔をとるようになった、その曲線はU字形状となる。この形状は
、構造の内力が部分的に減少したことを示す。
1988年12月8日と9日において(図28と29)、その曲線は、構造が
その当初の弾力性のほとんどを回復した、即ち構造の蓄積された内力がその地震
を通じて解放されたという事実を示す不規則楕円形状を回復した。」
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H
U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV,MG
,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,
RU,SD,SE,SK,UA,US,VN
(71)出願人 ジェオテクニスク インスチテュート(ゲ
ーイー)
デンマーク デーコー2800 リングビー
マグルビェルイヴェイ 1
(71)出願人 クリューゲル アクティーゼルスカブ
デンマーク デーコー2860 セーボルィ
グラードサクセヴェイ 363
(72)発明者 ヴァルタニアン ゲンリッチ セネケリモ
ヴィッチ
ロシア連邦 142452 モスコウ ノギンス
ク ディストリクト ゼレニー ヴィレッ
ジ ウセギンゲオ(番地なし)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.地質学的空間内の短期変形変化を監視し、そして地域の、地震や地滑べりな どの、地震性事象を予測する方法において: (a)多数の観察井戸を用いて地域のエリアにわたる相当数のロケーションに おける帯水層内で一つ以上のパラメーターX、Y、Z...の測定を異なる時間 で(t=0、t=t1)で実行する; (b)得られた測定値を基にして、そして以下の公式を用いて各ロケーション と各パラメーターX、Y、Z...の相対的変形係数eを計算する et1=Xt=0/Xt=t1(1);et1=Yt=0/Yt=t1(1);et1=Zt=0 /Zt=t1(1).... ここで Xt=0、Yt=0、Zt=0は時間t=0(基準時間)における各々のパラメータ ーX、Y、Zの値である; Xt=t1、Yt=t1、Zt=t1は時間t=t1における各々のパラメーターX、Y 、Zの値である; (c)計算されたe値を基礎として各パラメーターX、Y、Z...のe等高線 の等高線図を準備し、そして準備されたその等高線図を使用して、潜在的地震の 危険に関する短命変形構造を識別する; (d)潜在的地震の危険に関わるものとして識別された各構造の相対的変形パラ メーターDeを計算する、前記Deパラメーターは以下のように定義される ここでe1、e2、e3、...、en-1とenは構造のe等高線のe値である 、 s1、s2、s3、...、sn-1とsnは各々等高線e1、e2、e3、...en-1 とenにより区切られたエリアである、 srefは基準エリアである、 erefは基準e値である、そして nは正の整数である; (e)以下のように定義される地震発生のパラメーターを計算する Ae=∂De/∂t(3)、そして (f)DE−t図とAem−t図を準備する、ここでmは正の整数、後者の図の ピークの頂点を通る補助曲線を描く、そして可能な未来の地震の事象の時期を予 測するための根拠として二つの結果として生じる図を組み合わせて用いるステッ プとから成ることを特徴とする。 2.水位、水圧、溶解化学物質の濃度、化学物質の平衡、気体の濃度、水温、水 の電導性、水密度、地震の音、電磁波放出、重力変化、またはその他の一つ以上 のパラメーターを測定パラメーターX、Y、Z...として用いることを特徴と する請求の範囲第1項に記載の方法。 3.測定パラメーターとして水位hを用い、そして以下の公式を用いてeを計算 する et1=h0/ht1 (4) ここで h0はt=0における水位であり、そして ht1はt=t1における水位であることを特徴とする請求の範囲第2項に 記載の方法。 4.Aem−t図を用いる、ここでmは正で、偶数の整数であることを特徴とす る前記請求の範囲のいずれかの項に記載の方法。 5.Aem−t図を用いる、ここでmは2、または4であることを特徴とする請 求の範囲第4項に記載の方法。 6.(g)重力変化Δg1、Δg2、...Δgkの地域のエリアにわたる多数 のロケーションで測定を実行し、そして平均重力変化Δgavを計算する; (h)地域の不平衡変形のパラメーターKeを計算する、前記Keパラメータ ーは以下のように定義される ここで、 ep,t1は膨張を示す全てのロケーションに対するt=t1での平均e値であ る(e>1); ec,t1は圧密を示す全てのロケーションに対するt=t1での平均e値であ る(e<1); (i)Ke−t図、Ke’=∂Ke/∂t−t図、そしてΔgav−Ke図とを準 備して、可能性のある未来の地震性事象を予測するための基礎を形成する追加的 情報として三つの図を組み合せにて使用することを特徴とする前記請求の範囲の いずれかに記載の方法。 7.地域内の長期地球力学的プロセスを監視する方法において: (o)多数の観察井戸を使用してその地域のエリアにわたる相当数のロケーショ ンでの帯水層内の一つ以上のパラメーターX、Y、Z...の測定を異なる時間 (t=0、t=t1)で実行する; (p)重力変化Δg1、Δg2、...Δgkの地域のエリアにわたる多数のロ ケーションで測定を実行する、ここでkは正の整数である、そして平均重力変化 Δgavを計算する; (q)得られた測定値を基礎として、そして以下の公式を用いて各ロケーショ ンと各パラメーターX、Y、Z...の相対的変形係数eを計算する et1=Xt=0/Xt=t1(1);et1=Yt=0/Yt=t1(1);et1=Zt=0 /Zt=t1(1).... ここで Xt=0、Yt=0、Zt=0は時間t=0(基準時間)における各々のパラメータ ーX、Y、Zの値である; Xt=t1、Yt=t1、Zt=t1は時間t=t1における各々のパラメーターX、Y 、Zの値である; 地域の不安定変形のパラメーターKeを計算する、前記Keパラメーターは 以下のように定義される ここで、 ep,t1は膨張を示す全てのロケーションに対するt=t1での平均e値であ る(e>1); ec,t1は圧密を示す全てのロケーションに対するt=t1での平均e値であ る(e<1); (s)Ke−t図、Ke’=∂Ke/∂t−t図、そしてΔgav−Ke図とを準 備して、可能性のある未来の地球力学的事象を検出するための基礎として三つの 図を組み合せにて使用するステップから成ることを特徴とする。 8.計算されたe値を基礎にして各パラメーターX、Y、Z...に対するe等 高線図を準備し、そして可能性のある未来の地球力学的事象を検出するための基 礎を形成する追加的情報として準備された等高線図を使用することを特徴とする 請求の範囲第7項に記載の方法。 9.全ての測定値を記録して記憶し、そして自動的に全ての次の計算と等高線図 と種々の図の準備を行なうために中央自動データ処理ユニットを使用することを 特徴とする前記請求の範囲のいずれかの項に記載の方法。
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