JPH08504503A - 張力下のアラミド繊維を含む繊維強化防護服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 構造材料のアラミドフィラメントが張力下に維持される弾道用構造材料が開示される。弾道用構造材料は、フィラメントが１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０１グラムの張力下にある、高強力の連続的なフィラメント糸を含む少なくとも１層の織物を含んで成る。適切なアラミド糸はポリ（ｐ−フェニレンテレフタルアミド）である。

Description

【発明の詳細な説明】 張力下のアラミド繊維を含む繊維強化防護服発明の背景 発明の分野 本発明は、弾道用（ｂａｌｌｉｓｔｉｃ）構造材料に関し、そして特に高強力 の連続的なフィラメント糸を含む弾道用構造材料に関する。 先行技術の説明 Ｊ．Ｇ．Ｄｏｎｏｖａｎの出願に対して１９８６年３月４日に発行された米国 特許第４，５７４，１０５号は、不織のプライ（ｐｌｉｅｓ）と組み合わせた織 られたアラミド糸のプライの弾道用構造材料を開示している。いずれかのプライ を張力下に置くことの示唆はない。 Ｓｃｈｕｅｒｈｏｆｆらの出願に対して１９９２年５月１９日に発行された米 国特許第５，１１４，６５３号は、コンクリート中に埋め込まれた樹脂のマトリ ックス中にまた埋め込まれた張力下の連続的な個々の平行なフィラメントの糸に よって強化された、注型され予め応力をかけられたコンクリートを開示している 。発明の要約 本発明は、構造材料中の連続的なフィラメントが少なくとも０．０１グラム／ ｄｔｅｘの張力下にある、高強力の連続的なフィラメント糸を含む少なくとも１ 層の織物を含んで成る弾道用構造材料を提供する。図面の簡単な説明 図１は、張力下の本発明の弾道用構造材料の略図である。発明の詳細な説明 本発明の弾道用構造材料は、マトリックス樹脂又は堅い支持体なしで織物又は その他の弾道用糸を組み込む柔らかな構造材料、及びその中で弾道用糸がマトリ ックス樹脂中に固定されている複合の又は堅い弾道用構造材料の両方であること を意図している。 本発明における使用のために適格である織物は、すべての糸又は弾道用繊維が 実質的に平行でありそして織られていない一方向のタイプを含む数種のタイプの 任意のもので良い。このような一方向の構造材料においては、一方向の要素の整 列を維持するために供給された数本の交差方向の糸が存在しても良い。本発明の 織物はまた、織物が少なくとも２層の一方向の糸を含み、これらの層の１つがも う１つと９０度の配置方向にある、不織の二方向整列の弾道用糸から作られても 良い。本発明の実施においては、二方向の層の片方又は両方が張力下にあって良 い。本発明において使用することができる織物の第三のタイプは、経糸又は緯糸 又は両方が弾道用糸で良い織られた組織であり、そして本発明の目的のためには 、経糸又は緯糸又は両方が張力下にあって良い。 本発明において使用される糸は、高強力及び高い伸びの連続的なフィラメント 糸でなければならない。既知の弾道用糸は、アラミド例えばポリ（ｐ−フェニレ ンテレフタルアミド）（ＰＰＤ−Ｔ）、アラミド及びＰＰＤ−Ｔのコポリマー、 ナイロン、ポリ（ビニルアルコール）、並びに高度に配向されたポリエチレンで ある。 本発明の構造材料中の糸の中で使用されるフィラメントは、少なくとも１２ｇ ／ｄｔｅｘの強力及び少なくとも２．２％の破断時の伸びを示さなければならな い。糸のｄｔｅｘ（線密度）は、本発明の実施にとって限界的に重要ではないけ れども、一般に５５〜３３００である。フィ ラメントのｄｔｅｘは、一般に１未満から精々１０．０までである。糸は、特別 な用途のために望まれる又は必要とされるように撚られていても又はいなくても 良い。撚られている場合には、糸は、一般に１センチメ一トルあたり０．５〜３ ．０巻きの割合で撚られている。 張力は、本発明の構造材料中のフィラメントに能動的なやり方でか又は受動的 にかのどちらかで付与することができる。“能動的な”とは、弾道用構造材料そ れ自体の中のフィラメントへの直接の張力の力の付与によって、張力を構造材料 中のフィラメントに付与することを意味する。“受動的な”とは、ポリマー状マ トリックス中へのフィラメントの含浸の間にそしてそのマトリックス中でのポリ マーの硬化の間に、張力をフィラメントに付与することを意味する。ポリマーマ トリックスの硬化の後で、張力の力を解放することができ、そして張力はポリマ ーマトリックス中に保持されることによって維持される。本発明の実施において は、フィラメントの上の張力は、０．０１〜１．０ｇ／ｄｔｅｘでなければなら ない。本発明の弾道用構造材料中のフィラメントに付与されるべき張力の程度は 、すべての程度の張力が幾らかの改善を与えるであろうから限界的ではない。よ り低い程度の張力はより少ない改善を与え、そして上の範囲で指示された程度よ りも大きい程度の張力は付与しそして維持するのが実際的には困難である。 受動的な張力下の弾道用構造材料中の糸は、比較的高い程度の張力で構造材料 中に組み込まなければならない。何故ならば、適切なレベルの残留張力は、マト リックス樹脂がフィラメントに強く接着されている時でさえ維持するのが困難だ からである。受動的な張力を本発明の弾道用構造材料を作るために使用する予定 である場合には、フィラメントへの 特に良好な接着を有するマトリックスシステムを供給するように注意を払わなけ ればならない。マトリックスポリマーは、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ イミド樹脂、ポリエステル及び類似物でなければならない。試験方法 引張特性。引張特性に関して試験される糸は、まず調整しそして、次に１．１ の撚り乗数（ｍｕｌｔｉｐｌｉｅｒ）に撚る。糸の撚り乗数（ＴＭ）は ＴＭ＝（撚り数／インチ）／（５３１５／糸のデニール）^-1/2 として定義される。 試験されるべき糸は、２５℃、５５％相対湿度で少なくとも１４時間の間調整 し、そして引張試験はこれらの条件で行う。強力（破断強力）、伸び（破断伸び ）、及び弾性率は、インストロン試験機（インストロン Ｅｎｇｉｎｅｅｒｉｎ ｇ Ｃｏｒｐ．，Ｃａｎｔｏｎ，Ｍａｓｓ．）で試験糸を破断することによって 測定する。 ＡＳＴＭ Ｄ２１０１−１９８５中で規定されたような強力、伸び、及び初期 弾性率は、２５．４ｃｍの糸ゲージ長さ及び５０％歪／分の伸び速度を使用して 測定する。弾性率は、１％歪における応力−歪曲線の勾配から計算され、そして １％歪におけるグラムでの応力（絶対）掛ける１００）割る試験糸のｄｔｅｘに 等しい。 Ｄｔｅｘｏ糸のｄｔｅｘは、既知の長さの糸を秤量することによって測定する 。Ｄｔｅｘは、１０，０００メートルの糸のグラムでの重量として定義される。 本当の実際においては、糸サンプルの測定されたｄｔｅｘ、試験条件 及びサンプル識別を、試験の開始前にコンピューターに入力する。コンピュータ ーは、糸が破断される時の糸の荷重−伸び曲線を記録しそして次に特性を計算す る。 弾道限界。弾道試験は、ＭＩＬ−ＳＴＤ−６６２ｅに従って以下のように行う ：試験されるべきレイアップを、所望の程度の張力でレイアップを保持するため のサンプル取付台中にそして試験射出物の経路に対して垂直に置く。射出物は、 特記しない限り、射出物をまねる１７グレインの破片（ＭＩＬ−Ｐ−４６５９３ ）であり、そして射出物を異なる速度で発射することができる試験砲身から推進 される。各々のレイアップに関する最初の発射は、妥当らしい弾道限界（Ｖ₅₀） であると推定される射出物速度に関してである。最初の発射が完全なレイアップ 侵入をもたらす時には、次の発射は、レイアップの部分的な侵入を得るために１ 秒あたり約５０フィート少ない射出物速度に関してである。他方、最初の発射が 侵入をもたらさないか又は部分的な侵入をもたらす時には、次の発射は、完全な 侵入を得るために１秒あたり約５０フィート多い速度に関してである。一つの部 分的なそして一つの完全な射出物侵入を得た後では、１秒あたり約５０フィート の引き続く速度増加及び減少を、そのレイアップに関して弾道限界（Ｖ₅₀）を決 定するのに十分な発射が為されるまで使用する。 弾道限界（Ｖ₅₀）は、３つの最高の部分的な侵入衝撃速度及び３つの最低の完 全な侵入衝撃速度の等しい（ｅｑｕａｌ）数の数学的平均を、最高のそして最低 の個々の衝撃速度の間に１秒あたり１２５フィートよりも大きい値は存在しない という条件下で、見い出すことによって計算する。好ましい実施態様の説明 後に続く実施例においては、ｐ−アラミド糸から作られた種々の構造材料を、 張力下に置きそして弾道試験を施した。各々の場合において、同じ構造材料を弾 道的に試験したが張力下ではなかった対照試験を行った。 図面を参照して説明 すると、弾道用構造材料１はクランプ２、３、４、５によって保持されている。 クランプ２及び３は静止の基礎６中に装着され、そしてクランプ４及び５は張力 手段に取り付けられている。コード７は、クランプ４を通って、プーリ−８の上 に、そして張力重り９の上に走る。コード１０は、クランプ５を通って、プーリ −１１の上に、そして張力重り１２まで下がって走る。実施例１ この実施例に関しては、Ｋｅｖｌａｒａ ２９という商品名の下でＥ．Ｉ．ｄ ｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙによって販売さ れているポリ（ｐ−フェニレンテレフタルアミド）の１６６７ｄｔｅｘの糸から 作られ、１ｃｍあたり１３．８ｘ１３．４端の２ｘ２のバスケットウイーブに織 られた２プライの織物に、前に述べた弾道試験を施した。この実施例の２プライ の弾道用構造材料に関する面積密度は、平方メートルあたり９４８グラムであっ た。張力は、経糸及び緯糸の両方の方向に１ｄｔｅｘあたり約０．０１８グラム の程度までかけた。張力下の弾道用構造材料に関するＶ₅₀は、張力なしで試験さ れた同じ織物に関するＶ₅₀であることが見い出された１秒あたり２７９メートル を凌いで７％増加に相当する１秒あたり２９９メートルであった。実施例２ この実施例においては、３プライの実施例１において使用してのと同 じ織物に弾道試験を施した。面積密度は、平方メートルあたり１４２２グラムで あった。張力は、経糸及び緯糸の両方の方向にかけたが、１ｄｔｅｘあたり０． ０１２グラムであった。本発明の弾道用構造材料に関するＶ₅₀は、対照のＶ₅₀に 関する１秒あたり３０５メートルを凌いで８％増加に相当する１秒あたり３３０ メートルであった。実施例３ この実施例においては、１ｃｍあたり１１．０ｘ１０．２端の８３３ｄｔｅｘ の糸から平織りに織られた５プライの織物に弾道試験を施した。この織物中の経 糸は、Ｋｅｖｌａｒａ １２９という商品名の下でＥ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄ ｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙによって販売されているＰＰＤ− Ｔであり、そしてこの織物中の緯糸は、Ｋｅｖｌａｒａ ２９という商品名の下 でＥ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙに よって販売されているＰＰＤ−Ｔであった。面積密度は、平方メートルあたり１ １０４グラムであった。本発明の弾道用構造材料にかけられた張力は、経糸及び 緯糸の両方の方向において１ｄｔｅｘあたり０．０１８グラムであった。本発明 の弾道用構造材料に関するＶ₅₀は、張力なしで試験された同じ構造材料に関する Ｖ₅₀である１秒あたり２７６メートルを凌いで２３％増加に相当する１秒あたり ３４０メートルであった。 本発明の構造材料には、たこつぼのカバー、暴徒鎮圧用の盾、ポータブル避難 所、可動性運搬装置カバー及び類似物のような種々の応用における用途が見い出 される。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９４年１１月１４日 【補正内容】 請求の範囲 １． 構造材料中の連続的なフィラメントが１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０ １グラムの張力下にある、高強力の連続的なフィラメント糸を含む少なくとも１ 層の織られた織物を含んで成る弾道用構造材料。 ２． 連続的なフィラメント糸が経糸及び緯糸の両方として織物中に存在する、 請求の範囲第１項に記載の構造材料。 ３． 経糸及び緯糸の両方が１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０１グラムの張力 下にある、請求の範囲第２項に記載の構造材料。 ４． 経糸が１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０１グラムの張力下にある、請求 の範囲第２項に記載の構造材料。 ５． 緯糸が１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０１グラムの張力下にある、請求 の範囲第２項に記載の構造材料。 ６． 連続的なフィラメント糸がアラミド糸である、請求の範囲第１項に記載の 構造材料。 ７． アラミド糸がポリ（ｐ−フェニレンテレフタルアミド）である、請求の範 囲第６項に記載の構造材料。 ８． 構造材料中の連続的なフィラメントが１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０ １グラムの能動的な張力下にある、高強力の連続的なフィラメント糸を含む少な くとも１層の織られた織物を含んで成る弾道用構造材料。 ９． 構造材料中の連・続的なフィラヌントが、弾道用構造材料それ自体の中の フィラメントへの直接の張力の力の付与によって構造材料中のフィラメントに付 与された１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０１グラムの張力下にある、高強力の 連続的なフィラメント糸を含む少なくとも１層の 織られた織物を含んで成る弾道用構造材料。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 構造材料中の連続的なフィラメントが１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０ １グラムの張力下にある、高強力の連続的なフィラメント糸を含む少なくとも１ 層の織物を含んで成る弾道用構造材料。 ２． 連続的なフィラメント糸が織物に織られている、請求の範囲第１項に記載 の構造材料。 ３． 連続的なフィラメント糸が経糸及び緯糸の両方として織物中に存在する、 請求の範囲第１項に記載の構造材料。 ４． 経糸及び緯糸の両方が１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０１グラムの張力 下にある、請求の範囲第３項に記載の構造材料。 ５． 経糸が１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０１グラムの張力下にある、請求 の範囲第３項に記載の構造材料。 ６． 緯糸が１ｄｔｅｘあたり少なくとも０．０１グラムの張力下にある、請求 の範囲第３項に記載の構造材料。 ７． 連続的なフィラメント糸がアラミド糸である、請求の範囲第１項に記載の 構造材料。 ８． アラミド糸がポリ（ｐ−フェニレンテレフタルアミド）である、請求の範 囲第７項に記載の構造材料。