JPH08504403A - ニームノキから誘導される治療用化合物 - Google Patents

ニームノキから誘導される治療用化合物

Info

Publication number
JPH08504403A
JPH08504403A JP6511477A JP51147794A JPH08504403A JP H08504403 A JPH08504403 A JP H08504403A JP 6511477 A JP6511477 A JP 6511477A JP 51147794 A JP51147794 A JP 51147794A JP H08504403 A JPH08504403 A JP H08504403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
purified product
cells
product according
treating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6511477A
Other languages
English (en)
Inventor
ウデインヤ、イロカ・ジェイ
Original Assignee
ニーム・ファーマコ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ニーム・ファーマコ filed Critical ニーム・ファーマコ
Publication of JPH08504403A publication Critical patent/JPH08504403A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/18Magnoliophyta (angiosperms)
    • A61K36/185Magnoliopsida (dicotyledons)
    • A61K36/58Meliaceae (Chinaberry or Mahogany family), e.g. Azadirachta (neem)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • A61P31/18Antivirals for RNA viruses for HIV
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • A61P33/02Antiprotozoals, e.g. for leishmaniasis, trichomoniasis, toxoplasmosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • A61P33/02Antiprotozoals, e.g. for leishmaniasis, trichomoniasis, toxoplasmosis
    • A61P33/06Antimalarials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Natural Medicines & Medicinal Plants (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Alternative & Traditional Medicine (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • AIDS & HIV (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 この発明は、ニームノキの葉から得られる抽出精製物に関する。この抽出物は、感染性細胞や癌細胞の内皮細胞への付着を抑制するので、マラリアや癌を含む種々の疾患の治療に有用である。該抽出物は無性生殖および有性生殖のマラリア寄生虫およびウイルスも抑制する。この発明は抽出法および抽出精製物含有薬剤にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 ニームノキから誘導される治療用非合物 発明の背景 発明の分野 この発明は、大まかに言えばニームノキ(Neem tree)から誘導される化合物 に関する。この発明は、マラリア、癌およびAIDSを含む疾患の治療用薬剤の 調製における該化合物の使用にも関する。 背景技術 ニームノキ[アザジラヒタ・インジカ(Aradirachta Indica)]は、インドや アフリカにおいて、マラリアの諸症状およびその他の種々の病気(皮膚疾患や炎 症を含む)の治療に用いられている植物である。通常、ニームの葉、樹皮および /または根から抽出される未精製の粗製水抽出物またはアルコール抽出物がこの 種の症状の治療に用いられている。ニームの種子とオイルも皮膚感染症の局所的 治療薬または殺虫剤や駆虫剤として使用されている。 ニームの樹皮から抗腫瘍性化合物が抽出されることがペチット(Pettit)ら[ ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Gaurnal of Natural Products )、第46巻、第379頁〜第390頁(1983年)参照]およびフジワラ( Fujiwara)ら[カーボハイドレート・リサーチ(Carbohydrate Reseerch)、第 141巻、第168頁(1985年)参照]によって報告されている。これらの 抽出物は、癌細胞に対して毒佳効果をもたらす点で有用であるとされている。し かしながら、これらの抽出物は、癌の治療に用いられている多くの他の組成物の 場合と同様に、非癌細胞に対しても毒性をもたらす。 さらに、シミザ(Shimiza)らによる米国特許第4,515,785号、同第 4,536,496号および同第4,537,774号各明細書にはニームの樹 皮の抽出物に関する発明が開示されており、該抽出物は、ウニの受精卵において 抗有糸分裂活性を示し、また、マウスの肉腫180の腹水と固体腫瘍およびマウ スのL −5178Y細胞に対して成長抑制作用を発揮するとされている。 ニームノキは、気候が温暖な世界の多くの地域、特にアジアやアフリカに野性 する薬用植物であり、ナイジェリアでは一般に「ドゴニアロ(dogonyaro)」と呼 ばれている。アフリカとアジアの全域においては、ニームノキの種々の部位、例 えば、葉、樹皮および種子等がヒトの種々の軽疾患または慢性疾患の治療薬とし て使用されている。ニーム薬製品は皮膚疾患、炎症、リューマチ性疾患および熱 病の治療に広く使用されているだけでなく、蠕虫や原生動物による感染症の治療 において駆虫薬として広く利用されている。インドでは、ニーム油およびこれか ら単離されるニムビジオール(nimbidiol)、ニムビジン(nimbidin)およびジ エチルスルフィドは抗マイコバクテリア剤および抗菌剤として使用されている。 ニームの別異の医学的用途を裏付ける証拠は、ニームの抽出物またはニームから 単離される化合物が種々の薬理活性を示すことである。例えば、ニームの茎の樹 皮からの水抽出物は抗炎症剤として、一般的および特別な補体経路活性、即ち、 補体依存性応答、アナフィラキシー、走化性、オプソニン作用およびマクロファ ージと多形核白血球の刺激を低減させる活性を低下させる。また、該水抽出物は フォルボールミリステートアセテートで誘発される化学ミネセンスを抑制する。 ニームの葉の抽出物およびこれから単離されるテトラノルトリテルペノイド、ゲ ドウニンおよびニムボリドがヒトのマラリア寄生虫である熱帯熱マラリア原虫の 生体外での発育を抑制することが、種々の研究によって明らかにされている。ニ ームからの化合物7−アセチルネオトリキレノンおよび1,2−ジユポキシアザ ジラジオンがネズミのP−388リンパ細胞の白血病セルラインをそれぞれ10 mgおよび8.5mgのED50で抑制することが報告されている。ニームから単離さ れた種々の化合物に関する研究により、ニームの大部分の医学的生物学的活性は 、副次的な役割をする硫化化合物を含むリモノイド、フラボノイドおよびマクロ ライドの構造的な特徴と関係することが明らかにされた。 ニーム医薬は、何百年間にもわたって広範囲に使用されてきたにもかかわらず 、ヒトに対する毒性に関する研究はわずかである。マウスにおける実験により、 種 々のニーム化合物(特に、油状物)を多量に投与すると毒性がもたらされること が報告されている。一方、ニーム化合物であるニムビジンを用いたラットと犬に おける実験においては、全身的な毒性は認められなかった。ニーム油を被験者に 7g経口投与するか、または1g筋肉内注射しても、局部的または全身的な副作用 は認められなかった。従って、ニーム油の薬剤としての投与と取扱いにおいても たらされる毒性は低いと考えられる。興味深いことには、ニームの葉から単離さ れた化合物は、昆虫の食糧に対する非常に強力な忌避剤であるアザジラクチンと その関連化合物である。この結果、ニームノキは生き残ることができたのである 。 発明の概要 この発明は、培養内皮細胞に対する癌細胞とマラリア感染赤血球の付着を抑制 するニームの葉からの抽出精製物に関する。この抽出精製物は、ヒト免疫不全ウ イルス(HIV)、黄熱ウイルスおよびサシチョウバエ熱(シチリア)ウイルス のウイルス発育も抑制し、また、ヒトマラリア寄生虫の有性生殖型(生殖母細胞 )および無性生殖型(シゾント)の発育を抑制する。 本発明は、生のニームの葉からの抽出精製物をソックスレー抽出処理に付した 後、受動沈澱処理および高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分画処理に付 すことを含む該抽出精製物の抽出法にも関する。 さらに本発明は、該抽出精製物から調製される薬剤組成物にも関する。 図面の簡単な説明 本発明の種々の目的、利点および新規な特徴は、添付図と以下の説明から容易 に理解されるであろう。 図1は、ニームの葉の抽出物IRABの蒸発処理を併用した沈澱フラクション のHPLCスペクトルを示す。 図2は、ニームの葉の抽出物IRCのHPLCスペクトルを示す。 図3は、熱帯熱マラリア原虫で感染された赤血球に対するIRABの抗付着効 果をグラフで示す。 図4は、マラリア寄生虫の生体外での発育に対するIRABの効果を抑制百分 率および寄生虫で感染された細胞の数(赤血球100個あたり)で示す。 図5は、生殖母細胞の生体外での成熟に対するIRABの効果を抑制百分率お よび生殖母細胞で惑染された細胞の数(赤血球1000個あたり)で示す。 図6は、生体外における成熟生殖母細胞に対するIRABの効果を抑制百分率 および生殖母細胞で感染された細胞の数(赤血球1000個あたり)で示す。 図7は、有性生殖型および無性生殖型のマラリア寄生虫の生体外での排除効に 関して、ニーム抽出物IRDNAおよびIRDNBはクロロキンに比べて優れた 結果をもたらすことをグラフで示す。 図8は、クロロキン感作寄生虫およびクロロキン耐性寄生虫における抗マラリ ア効果に関して、IRDNAおよびIRDNBはクロロキンに比べて優れた結果 をもたらすことをグラフで示す。 図9は、成熟性生殖母細胞の排除におけるIRDNAの有効性をグラフに示す 。 図10は、成熟性生殖母細胞の排除におけるIRDNBの有効性をグラフで示 す。 図11は、成熟生殖母細胞の排除におけるIRDNAの有効性をグラフで示す 。 図12は、成熟生殖母細胞の排除におけるIRDNBの有効性をグラフで示す 。 図13は、癌細胞付着アッセイに対する対照をグラフで示す。 図14は、ニームの葉の抽出物IRABを用いた癌細胞付着アッセイの結果を グラフで示す。 図15は、IRABを用いた抗HIVアッセイの結果を示す。 発明の詳細な説明 抽出と精製プロセス 有用な物質を抽出する方法の出発原料はニームの葉であり、この出発原料は、 ナイジェリア南東部のエヌグを含む多数の産地から入手し得る。最良の結果を得 るためには、成熟したニームノキから新鮮な緑色葉を採取し、これをオーブン中 、約30〜70℃、好ましくは40〜50℃で数日間乾燥させて縮らせる(即ち 、触れると粉々に崩れるように乾燥する)。乾燥した葉はブレンダーを用いて粗 い 粉末に粉砕する。粗い粉末はそのまま使用に供してもよく、あるいは必要なとき までポリテン袋内に収納して室温で保存してもよい。 活性化合物を抽出するために、粗い粉末をソックスレー抽出処理に付す。この 場合、粗い粉末約10〜約20g、好ましくは、約15〜約20gを秤量し、これ をセルロース円筒濾紙、好ましくは、ワットマンセルロース円筒濾紙(33mm× 80mm)に入れた後、該円筒濾紙をソックスレー装置に装着させ、次いで適当な 溶剤を注ぎ、粗い粉末を溶剤に一夜浸漬させる。使用したソックスレー装置は貯 留用のガラス製フラスコを具備しており、該フラスコには円筒濾紙のハウジング が接続され、該ハウジングには、冷水道水の循環によって冷却されるコンデンサ ーが連結される。翌日、溶剤に浸した粉末を、同じ溶剤を用いる標準的なソック スレー抽出処理に付す。抽出温度は約70〜約95℃、好ましくは、約70〜約 80℃である。抽出は約24時間続行するか、または、溶出液(円筒濾紙からフ ラスコに流入する溶液)が最初の緑色から無色に変化するまで続行する。この抽 出処理によって濃緑色の濁った液状抽出物が得られる。該抽出物は密閉したガラ ス製広口瓶に入れて約0〜約10℃の冷蔵庫内または室内において一夜保存する 。 この抽出処理においては、極性有機溶剤、例えば、アルコール類、アセトン、 ピリジンと水の混合溶剤およびこれらの混合物等を含む種々の周知の溶剤が使用 できるが、好ましい溶剤はアセトンと蒸留水の50/50混合物である。ニーム の葉の粗い粉末を約15〜20g処理する場合には、浸漬処理には約25〜約5 0mlの溶剤を使用し、抽出処理には約100mlの溶剤を使用する。 液状抽出物から抽出化合物を回収する処理は、標準的なローター蒸発システム を用いておこなう。ローター蒸発システムは、抽出物を保有するガラス製ロータ ーフラスコを含む装置全体がガラス製のシステムであり、該ローターフラスコは 、連結カラムを介して水冷コンデンサーに接続される。コンデンサーの底部は溶 剤捕集フラスコに連結される。この装置全体はコンデンサーを介して可変真空源 へ接続される。このシステムを使用し、真空下で約60〜約90℃(好ましくは 約80〜約90℃)での標準的な手順によって、液状抽出物から溶剤と抽出化合 物 が回収される。この場合、該手順には、抽出物を保有するローターフラスコを6 0〜90℃の温浴中で連続的に回転させながら、抽出物を減圧下で加熱する操作 が含まれる。 ローター蒸発処理中、抽出化合物のフラクションは連続的に分離させ、ロータ ーフラスコ側に沈澱させる。連続的な蒸発によって最終的に溶剤が駆逐されると 、ローターフラスコの底部には褐色で油状の液状残渣が残留する。この油状液は 乾燥用鍋に注ぎ、空気中、約30〜約60℃、好ましくは約30〜約40℃で一 夜乾燥させてペーストにする。回収したこの乾燥残渣は「IRC」で示す。 ローターフラスコ側の沈澱物を回収するために、適当な溶剤(好ましくはアセ トン)約20〜50ml、好ましくは約20〜約30mlを該フラスコ内に注いで沈 澱物を溶解させる。この溶液をガラスビーカーに移し、溶剤を室温で1〜2日間 にわたって蒸発させる。回収した溶剤蒸発後の残渣は「IRAB」で示す。 抽出生成物IRABを使用し、1mlあたりIRABを100mg含有する貯蔵溶 液を調製する。即ち、IRABを適当な溶剤、例えば、水、メタノール、アセト ニトリルまたは好ましくはジメチルスルホキシド(DMSO)に約37℃で溶解 させることによって貯蔵溶液を調製する。分析のために、この貯蔵溶液を所望の 濃度(約10〜約50mg/ml)に希釈した後、分析用高圧液体クロマトグラフィ ー(HPLC)による分別処理に付す。 HPLCによる分別処理は、「μボンダパック(Bondapak)C18」10μMを 予め充填した分取用カラム(300mm×内径7.8mm)[ウォーターズ社(Wat ers Assoc.)製]を用いておこなうのが好ましい。μボンダパックC18の固定 相は、オクタデシルシリルが結合した相充填材である。カラムに含まれる固体状 支持媒体はpH2〜8の範囲で使用可能であり、広範囲の温度範囲(<300℃ )において熱的に安定である。また、加水分解に対して優れた安定性を示すので 、種々の親水性−疎水性混合溶剤系、例えば、アセトニトリル/酢酸等が該カラ ムに対して相溶性を示す。 移動相は、好ましくはアセトニトリルを混合した0.02M氷酢酸であり、2 台の高圧ポンプを用いて移動相を送給する。アセトニトリル/0.02M氷酢酸 (百分比35:65)を無勾配様式で使用する。流速は好ましくは約1.5ml/ 分であり、カラム圧は約72〜約80barである。全ての分離は周囲温度でおこ ない、所定量の試料は連続フローループインゼクター(flow loop injector)を 通してカラム内へ導入する。クロマトグラフィーで分離したピークに対応する成 分を含有する分別アリコートは、粗製抽出物を多数回注入する間に捕集し、各ピ ークの検出は、254nmに調整した紫外吸収検出器を用いておこなう。ピーク面 積はオンラインコンピューターを使用するインテグレーターを用いて測定するの が好ましい。 上記の分別条件下においては、クロマトグラフの分離ピークとして現れる化合 物IRDNAおよびIRDNBは種々の保持時間で溶離する。即ち、IRDNA およびIRDNBは保持時間25〜28分間および29〜31分間においてそれ ぞれ溶離する。IRDNAおよびIRDNBの溶離量も一般的な分別処理におい て変化する。例えば、IRAB4mgを分別するときには、IRDNAおよびIR DNBはそれぞれ0.6mgおよび0.9mg得られ、これらの収量は、それぞれIR ABの分別量の約15%および約23%に対応する。 精製物 上述のように、前記の抽出と精製処理によって得られる生成物はIRAB、I RC、IRDNAおよびIRDNBで示す。 抽出生成物はIRABは、ローターフラスコ側の沈澱物から溶剤を蒸発させた 後の残分である。この生成物は暗緑褐色のペースト状の固体であって、特有の強 い臭気があり、DMSOには容易に溶解するが、水やメタノールに対する溶解度 は低い。IRABは室温または冷蔵温度において安定であって、0〜20℃で9 年間貯蔵後でも活性を失わない。この生成物は、オートクレーブ中、120℃で 約15〜25分間保持しても安定である。図1に示すように、IRABの分析用 HPLCスペクトルには、保持時間(RT)4.94〜56分間において現れる ピークの大きさが大きく異なる26個の分離ピークが含まれる。該スペクトルの デ ータを次の表1に示す。 抽出生成物IRCは、抽出後にローターフラスコ内に残留する油状液の乾燥残 分である。この生成物は褐色の半固体状の油状物であって、特有の臭気があり、 DMSOに容易に溶解するが、水やメタノールに対する溶解度は低く、二相に分 離する。該分離相の上相は完全に溶解した褐色溶液であり、下相は濁って黄ばん だ液滴または懸濁液から成る。この生成物は0〜20℃において5年間は安定で ある。図2に示すように、IRCの分析用HPLCスペクトルには、RT 4. 80〜32.54分間において現れるピークの大きさが大きく異なる14個の分 離ピークが含まれる。該スペクトルのデータを以下の表2に示す。 抽出精製物IRDNAはIRABのHPLCによる分別生成物の1種である。 この生成物は淡褐色を帯びた黄色綿毛状粉末であって、真空乾燥後、通常は空気 によって移送される。この生成物はDMSOに可溶であり、DMSO溶液中では 6カ月間にわたって活性を保持する。IRDNAは、オートクレーブ内における 120℃で10〜25分間の処理に対しても安定で、活性を失わない。図1に示 すように、IRDNAはIRABのスペクトル中において、種々の保持時間を有 する鋭くて明確なピークとして現れる。例えば、IRABの3回の別々のHPL C分析においては、IRDNAはそれぞれ保持時間25.68分間、27.52分 間および31.60分間において現れた。保持時間の変化は、カラムにかけられ る試料のサイズ、分別の速さと圧力および周囲温度の変化を含む分別過程に付随 する種々の要因によってもたらされる。 抽出精製物IRDNBは、IRABのHPLC分別によって得られる生成物の 1種である。真空乾燥後のこの生成物は、黄色を帯びた褐色の綿毛状粉末であっ て、DMSOに可溶であり、DMSO溶液中では6カ月間にわたって安定である 。この生成物は、オートクレーブ内における120℃で10〜20分間の処理に 対しても安定であ、失活しない。図1に示すように、IRDNBはIRABのス ペクトル中において、種々の保持時間を有する鋭くて明確なピークとして現れる 。例えば、IRABの3回の別々のHPLC分析においては、IRDNBはそれ ぞれ保持時間27.89分間、29.96分間および34.58分間において現れ る。前述のように、保持時間のわずかな変化は、カラムにかけられる試料のサイ ズ、分別の速さと圧力および周囲温度の変化を含む分別過程に付随する種々の要 因によってもたらされる。 ニームの葉からの抽出精製物の重要な治療特性の1つは、細胞に関する抗付着 効果である。この特性を利用することによって、移動性または転移性の癌細胞や 感染性微生物が身体の正常細胞に付着するのを防止することができる。従って、 癌細胞または惑染性細胞の新たな転移増殖は妨げられる。 抗付着性化合物は多くの分野において利用可能である。発病、例えば、アテロ ーム性動脈硬化症や関節炎等の発病は、内皮に損傷をもたらす血液成分の付着に よってもたらされる。血液成分の付着を妨げる化合物は、このような病気の症状 の発生を防止するのに有効である。また、血行性腫瘍の最も重要な初期段階は、 循環性悪性細胞の血管内皮への付着とその後の血管からの浸出である。従って、 悪性細胞の付着を抑制するか、または該細胞を脱着させる化合物は癌の治療にお いて重要な役割を演ずる。現在では、付着防止については、細菌性疾患、ウイル ス病および癌疾患の治療の観点から研究されている。 ニームからの抽出物の抗付着効果によって癌細胞または感染性細胞の転移増殖 が阻止されるという結果は、該抽出物が癌細胞や感染性細胞を無能化または無力 化させることを意味する。従って、このような非転移増殖細胞は自然の防御機構 、たとえば免疫系によって体外へ排出させることができる。 ニームの葉からの抽出物の抗付着効果の存在を確認するための好ましいアッセ イには、培養内皮細胞に対する感染性細胞の付着抑制の定量化が含まれる。感染 性細胞はいずれの病原細胞であってもよく、例えば、単球、組織球およびリンパ 芽球の白血病細胞等を含む癌細胞並びに熱帯熱マラリア原虫、げっ歯類マラリア 原虫または四日熱マラリア原虫で感染された赤血球等を含むマラリア細胞が挙げ られる。 上記のアッセイ用感染性細胞は、「ジ・アメリカン・タイプ・カルチャー・コ レクシヨン(The American Type Culture Collection)」(ロックビル ・メリーランド)から入手してもよい。内皮細胞は、培養したヒト内皮細胞、例 えば、ヒトのへそ静脈内皮細胞およびヒトの微小血管内皮細胞等のいずれであっ てもよい。好ましい内皮細胞はヒトの培養したへそ静脈内皮細胞であり、該内皮 細胞は、病院の産科や分娩室から排出される廃棄胎盤組織から入手してもよい。 感染赤血球は、IRAB、IRC、IRDNAまたはIRDNBを0.1〜1 0μg/ml用いて37℃で15〜30分間処理し、これにより、期待される抗付 着効果を発揮させる。次いで、培養内皮細胞に上記の処理感染細胞を接種し(ヘ マトクリット値:2%、寄生虫血:2〜10%)、37℃で60〜90分間培養 をおこなう。別の対照内皮細胞培養物に未処理感染細胞を同じ条件下で接種する 。未処理感染細胞培養物の場合に比べて、処理感染細胞の内皮細胞に対する付着 度は低下し、このことは、試験に供したニームの葉の抽出物の抗付着効果を示す ものである。IRABのみが付着に関して測定可能な効果を示したが、これは、 I RABのフラクションであるIRDNAとIRDNBがこれらの抗付着特性を発 揮するのに十分な量回収されなかったことによるものであり、これらのフラクシ ョンも同様の抗付着特性を発揮する。 ニームの葉の抽出物はこのような抗付着効果をもたらすので、付着性または転 移性の感染細胞によって特徴づけられる種々の疾患、例えぱ、マラリア、ウイル ス性感染症およびヒトの癌(例えば、ヒトの組織球リンパ腫およびリンパ芽球性 白血病等)等の治療において有用である。しかしながら、ニームの葉の抽出精製 物の抗付着効果は、マラリア細胞や癌細胞、特に、マラリア感染赤血球による大 脳血管の付着性閉塞によって特徴づけられる大脳マラリアの治療において最も有 効である。 マラリア感染症 マラリアは、特別な感染サイクルによって特徴づけられる特有な疾患である。 この感染サイクルにおいては、寄生虫を発生させる蚊が刺すことによってヒトに 感染させる。寄生虫(スポロゾイト)は肝臓細胞内へ侵入し、該細胞内において 数千倍に増殖し、メロゾイトに変化する。結局、寄生虫は肝臓細胞を破り、メロ ゾイトは肝臓内に流入し、急速に赤血球内に入った後、血液の流れによって全身 へ移動する。寄生虫は血球の内部において再び増殖を開始し、感染赤血球内で数 種の娘細胞を発生させる。寄生虫が成熟すると、後期の寄生虫[トロフォゾイト (栄養体)およびシゾント]を保有する赤血球は毛細血管と細静脈の内皮に付着 して滞留する。寄生虫が完全に成熟すると、滞留感染細胞は破れて破壊するので 、寄生虫(メロゾイト)は放出される。放出されたメロゾイトは新鮮な赤血球中 へ再侵入し、寄生虫の赤血球への侵入と赤血球の破壊のサイクルが統行する。メ ロゾイトが新鮮な赤血球内へ侵入すると、赤血球の一部は、赤血球の破壊経路を 辿らずに、雄または雌の生殖母細胞になる。これらの生殖母細胞は結局は蚊によ って吸い取られ、蚊の体内において雄と雌の生殖母細胞は結合してスポロゾイト に変化する。スポロゾイトを保有する蚊は別のヒトを刺すことにより次の感染を 開始させ、これによってヒトマラリア寄生虫の生活環が完結する。 前述のように、ニームの葉の抽出物は、抗付着特性によってマラリア感染赤血 球の滞留を防止するので、マラリア感染症に対して有効である。この効果を図3 に示す。図中、最も左側の棒は対照を示し、その右側はIRABで前処理した感 染赤血球(IE)を示す。第三はIRABで前処理した内皮細胞(EC)を示す 。最も右側の棒はIRABで前処理した感染赤血球と内皮細胞を示す。濃度5μ g/mlのIRABは、熱帯熱マラリア原虫で感染された赤血球がヒトのへそ静脈 内皮細胞に付着するのを完全に抑制する。このアッセイは次の様にしておこなっ た。感染赤血球とヒトのへそ静脈内皮細胞は37℃の培養室(酸素5%、二酸化 炭素5%および窒素90%から成る混合ガス雰囲気の培養室)内において別々に 培養した。培養を1〜2日間おこなった後、感染赤血球の一部を、濃度5μg/m lのIRABを用いて15〜30分間処理した。処理後、処理した感染赤血球( ヘマトクリット値:2%、寄生虫血:5%)1mlを赤血球培養物の一部に添加し た。未処理感染赤血球を別の内皮細胞培養物(対照)に添加した。 細胞は60〜90分間にわたって一緒に培養した。培養後、非付着性感染赤血 球を除去した。内皮細胞に付着した赤血球の数を光学顕微鏡を用いて測定した。 対照の場合に比べて、処理感染細胞による内皮細胞への付着度は低下し、このこ とは、ニームの抽出物による抗付着効果を示すものである。 IRABのみがマラリア感染赤血球に関して測定可能な抗付着効果を示したが 、抽出精製物IRDNAおよびIRDNBはマラリアサイクルにおいて、抗寄生 虫特性と抗生殖母細胞特性を示すことが判明した。生殖母細胞はマラリア感染サ イクルの有性段階のものであって、蚊の体内でスポロゾイトに変化した後は、該 蚊を介してヒトからヒトへと運ばれる。IRDNAとIRDNBはいずれも生殖 母細胞の成熟形態への発育を妨げる。発育性(成熟性)生殖母細胞および発育( 成熟)生殖母細胞のいずれの場合も、IRDNAとIRDNBは細胞の破壊をも たらす。生殖母細胞に対するIRDNAとIRDNBの抑制効果(殺配偶子活性 )は、ヒトマラリアをもたらす熱帯熱マラリア原虫単離菌NF54に対して生体 外において認められた。一方、抗マラリア効果(殺シゾント活性)は、熱帯熱マ ラリア原虫の マラリア寄生虫の菌株であって、クロロキンに対して感受性のITG2F6菌株 と耐性のW2菌株に関して生体外で認められた。ニームの抽出物IRABと精製 フラクションIRDNAおよびIRDNBの殺配偶子活性と殺シゾント活性をア ッセイするために、マラリア感染赤血球を、前述の混合ガスを満たした定温器内 のプラスチック製培養プレート上において37℃で培養した。試験をおこなうた めに、前記の抽出物または精製フラクションを種々の濃度(1×10-4ng/ml〜 5μg/ml)で培養物の一部に添加した。該抽出物を含有しない培養物(対照) を培養物の一部に添加した。対照培養物と試験培養物を24〜72時間培養した 。培養終了後、血液塗抹標本を調製し、寄生虫の発育を顕微鏡によって調べた。 対照の場合に比べて、処理培養物中での寄生虫(シゾントまたは生殖母細胞)の 数の減少によって殺シゾント効果または殺配偶子効果を示す。 図4〜図12に示すように、ニームの葉の抽出物は有性生殖母細胞および無性 マラリア寄生虫に対して抑制効果を示した。特に、図4〜図6は、IRAB(5 μg/ml)が48〜72時間以内に培養物から有性および無性のマラリア寄生虫 を完全に排除することを示す(ID50:1μg/ml以下)。図7は、IRDNA (黒丸表示)およびIRDNB(正方形表示)が有性および無性寄生虫を非常に 低濃度(10-2ng/ml)で排除することを示す。クロロキン(三角形表示)の効 果も図7に示す。図8は、IRDNA(黒丸表示)とIRDNBの抑制効果が薬 剤に対して感受性または耐性の寄生虫に対する場合と同様であることおよび該抑 制効果が、抗マラリア剤として現在最も広く使用されているクロロキン(三角形 表示)の効果よりも優れていることを示す。ニームの葉の抽出物は成熟性の生殖 母細胞の排除(図9および図10参照。三角形は48時間後のデータを示し、黒 丸は72時間後のデータを示す。)および成熟した生殖母細胞の排除(図11お よび図12参照。三角形は48時間後のデータを示し、黒丸は72時間後のデー タを示す。)においても有効である。従って、IRDNAとIRDNBはマラリ ア感染症の治療および該感染症の蔓延の予防に有効である。癌感染症 癌は、種々の細胞、例えばリンパ系(リンパ腫)、血球(白血病)、乳房、結 腸、脳、前立腺、および皮膚(メラノーマ)等の細胞の悪性腫瘍を包含する症状 として大まかに定義される。単球白血病、急性リンパ芽球白血病および組織球リ ンパ腫等の癌性症状の多くは、転移により特徴付けられる。従って、転移中の癌 細胞の増殖を防止する該細胞に対する抗付着効果は、これらの疾患の治療に有効 である。 癌細胞に対するIRABによるこのような抗付着効果は生体外で証明された。 特に、ヒトの単球、組織球およびリンパ芽球白血病細胞に対するIRABの抗付 着効果は以下の手順によりアッセイされた。ヒトの単球(A;T1B202.T HP−1)、組織球(C;組織球リンパ腫:CRL1593.U−937)およ びリンパ芽球白血病細胞(B;CRL1552.MOLT−3、D;CCL11 9.CCRF−CEM)の癌細胞、および正常なヒトの内皮細胞(EC−FP5 分離体)を、酸素5%、二酸化炭素5%および窒素90%からなる混合ガス雰囲 気の室内で別々に培養した。1〜2日間培養後、癌細胞の一部を濃度5.0μg /mlの抽出物IRABで15〜30分間処理(培養)した。次いで、濃度1× 106細胞/mlの処理した癌細胞1mlを、内皮細胞培地物の一部に添加した 。対照として、未処理の癌細胞を残りの内皮細胞に添加した。次いで、これらの 細胞を60〜90分間培養した。培養後、非付着性癌細胞を除去した。内皮細胞 に付着した癌細胞の数を倍率1000倍の光学顕微鏡を用いて決定した。対照と 比較して、処理した癌細胞による内皮細胞への付着度は減少した。このことは、 試験したニーム抽出物の抗付着活性を示すものである。図13および図14を比 較すると、IRABは試験された4種の癌細胞のうちの3種に対して、著しい抗 付着効果(すなわち50〜80%)を示すことが理解される。従って、IRAB は一部の癌性症状の治療に効果的な化合物である。ウイルス性感染症 ウイルス性感染症はしばしば不明瞭な感染症をもたらすが、時折明白な疾患を もたらすため、一般的に特徴付けることは困難である。それにもかかわらず、ウ イルス性感染症は流行するので、医療および公衆の衛生上重要な問題をもたらす 。通常よく知られているウイルスには、HIV、黄熱ウイルス、サシチョウバエ 熱(シチリア型)ウイルスおよび肝炎ウイルスが包含される。 ウイルスの成長抑制を証明するためのアッセイを、以下の手順にしたがって行 う。ウイルス標的細胞系、例えぽCEM−IWをマイクロタイター(micro titer)培養プレート中の最少必須培地(MEM)または培地199内で単 層になるまで増殖させる。抗ウイルスアッセイを行うために、該単層をウイルス 粒子(この場合はHIVである)で感染させ、これをニーム抽出物を含有するか 、または含有しない培養培地中に懸濁させる。1〜2時間惑染させた後、該細胞 を培地で洗浄し、次いで二酸化炭素を5%含有する雰囲気中、37℃で24時間 培養する。感染した細胞の割合を間接免疫蛍光法により決定した。対照と比較し て、抽出物で処理した細胞における感染率は低く、これは抗ウイルス効果を示す 。このアッセイでは、ニームの葉の抽出物IRABを、図15に示すように、1 0μg/mlの濃度で用いた場合、HIVの成長抑制効果がもたらされることを 証明した。図中、三角形は非感染処理培養に関するデータを示し、菱形は感染処 理培養に関するデータを示す。 抗ウイルス特性を証明するための別のアッセイは、ウイルスの標的細胞系VE ROの単層を、ニームの葉の抽出物含有培地中に懸濁した黄熱ウイルスまたはサ シチョウバエ熱ウイルスとともに培養する米国陸軍医療研究司令部(USAMR IID)の抗ウイルススクリーンである。ニーム抽出物を含有しないウイルス懸 濁液とともに培養した細胞を対照とした。該細胞を、ウイルス感染が起こるよう に1〜2時間培養した後、洗浄し、次いで二酸化炭素を5%含有する雰囲気中に おいて37℃で24時間培養した。感染した細胞の割合を間接免疫蛍光法により 決定した。対照と比較して、ニーム抽出物で処理した細胞の感染率は低く、これ は抗ウイルス効果を示す。このアッセイでは、IRABが黄熱ウイルスおよびサ シチョウバエ熱(シチリア型)ウイルスに対して、それぞれ119μg/mlお よび80.2μg/mlのID50で表示される活性をもたらすことが証明された 。従って、IRABは様々なウイルス感染症の治療においても効果的な化合物で ある。製剤 本発明による化合物は経口、非経口(筋肉、腹腔、静脈(IV)または皮下へ の注射)、鼻、腟、直腸、あるいは舌下を通して投与することができ、また、そ れぞれの投与経路に適した投与形態で配合処方できる。 経口投与用固形製剤には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含 まれる。このような固形製剤では、該活性化合物は少なくとも1種の薬学的に許 容される不活性キャリアー、例えば、スクロース、ラクトース、またはデンプン 等と混合される。一般的な製剤の場合のように、このような製剤には、不活性な キャリアー以外の添加剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤を含有 させることもできる。カプセル剤、錠剤、および丸剤には緩衝剤を含有させても よい。錠剤および丸剤は腸溶性皮膜で被覆してもよい。 経口投与用液状製剤には、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ 剤、およびエリキシル剤が含まれる。これらの液状製剤は、水等の当該分野で通 常用いられる不活性希釈剤を含んでいてもよい。このような不活性希釈剤に加え て、該製剤には湿潤剤、乳化剤および沈澱防止剤等のアジュバント、ならびに甘 味料、調味料、香料を含有させることもできる。 本発明による非経口投与用製剤は、無菌の水性または非水性の溶液、懸濁液、 もしくは乳濁液を含有する。非水性の溶媒または賦形剤としては、プロピレング リコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油およびトウモロコシ油等の植物 油、ゼラチン、ならびにオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステル等が例示 される。このような製剤には、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤等のアジ ュバントを含有させてもよい。これらの製剤は、例えぽ、バクテリア保留フィル ターを通す濾過処理、滅菌剤の添加、照射処理、または組成物を加熱処理等によ り滅菌してもよい。これらの製剤は、使用直前に滅菌水または他の注射可能な滅 菌 液を用いて調製することもできる。 直腸または腟投与のための製剤は、好ましくは坐剤であり、活性物質のほかに ココアバターまたは坐剤用ワックス等の賦形剤を含有していてもよい。鼻または 舌下投与のための製剤は、当該分野で周知の標準的な賦形剤を用いて調製される 。 本発明による製剤中の活性成分の投与量は特に限定的ではないが、適切な量の 活性成分が投与されるようにすることが必要である。投薬量は、所望の治療効果 、投与経路、および所望の治療時間に応じて適宜選択される。一般的には、体重 1kgにつき1日当たり0.001〜10mg/kg哺乳類に投与することによ って、効果的な抗マラリア活性、抗癌活性、または抗ウイルス活性が得られる。 以下の実施例により、本発明をさらに説明する。これらの実施例は本発明を例証 するためのものであり、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されるもの ではない。 実施例1 ニームの葉に含まれる化合物の抽出および精製 葉の採取および調製 成長したニームノキから新鮮な緑色の葉を採取した。これらの葉を易砕状に縮 れるまで数日間40〜50℃でオーブンを用いて乾燥させた。乾燥した葉をウェ アリングブレンダー(waring blender)を用いて粉砕して粗い粉 末にした後、プラスチック製バッグ内に収納し、使用に供するまで室温で保存し た。葉のソックスレー抽出 抽出するために、粉砕した葉の重量を計り、ワットマンセルロース円筒濾紙( 33mm)1つ当たり15〜20g充填した。充填後、これらの円筒濾紙をソッ クスレー装置に挿入し、アセトンおよび蒸留水を50/50に調合した混合溶媒 25〜50mlを該円筒濾紙に注ぎ、粉砕した葉を一夜浸漬した。次の日、浸漬 した葉を、上記の混合溶媒100mlを使用する標準的なソックスレー抽出処理 に付した。抽出温度は70〜85℃に調整した。抽出処理は24時間続行するか ま たは溶出液(円筒濾紙から貯留用フラスコに流入する溶液)が初期の緑色から無 色になるまで続けた。この抽出処理により、濃緑色で濁った液状抽出物が得られ た。該抽出物はガラス製瓶に入れて密封した後、冷蔵庫内で0〜8℃で保存した 。液状抽出物からの抽出化合物の回収 ブッチ(Buchi)型ローター蒸発系を用いることにより、減圧下、80〜 90℃で液状抽出物から溶媒と抽出化合物を回収した。化合物IRCおよびIRABの蒸発分離 ローター蒸発処理中、抽出化合物のフラクションを連統的に分離し、ローター ・フラスコ側に沈澱させた。蒸発を続けて溶媒を除去した後、褐色オイル状液体 残留物を得た。このオイル状液体を乾燥皿に注ぎ、ペーストになるまで30〜4 0℃の空気中で乾燥させた。乾燥した残留物を回収した。該残留物は「IRC」 で表示する。ローター・フラスコ側の沈澱物を回収するために、アセトン20〜 30mlを該フラスコに注ぎ、沈澱物を溶解させた。この溶液をガラスビーカー に注ぎ、1〜2日間、室温でアセトンを蒸発させた。アセトン蒸発後に残った残 留物を回収した。該残留物は「IRAB」で表示する。IRABのHPLC分別ならびにIRDNAおよびIRDNBの単離 IRABの重量を計り、37℃でDMSOに溶解させた。濃度100mg/m 1の原液を調製した。分析するため、この原液を希釈した後(10〜50mg/ ml)、以下のパラメーターを用いる分析用HPLCにより分別した。 予めカラムを充填した300mm×7.8mm(内径)の10μMμボンダパ ックC18分取カラム(ウォーターズ社製)を用いるクロマトグラフィーによって 、この実施例に係る全ての化合物を単離した。μボンダパックC18の固定相は、 オクタデシルシリルが結合した充填材である。カラムに含有される固体状支持媒 体はpH2〜8で使用可能であり、広い温度範囲(<300℃)で熱的に安定で ある。また、加水分解に対して優れた安定性を有するので、様々な親水性一疎水 性混合溶媒系は該カラムと適合する。 移動相は、アセトニトリルを混合した0.02M氷酢酸からなる。2台の高圧 ポンプを用いて、移動相を送給した。混合比35:65(百分率)のアセトニト リル−0.02M酢酸を無勾配様式で用いた。流速は1.5ml/分とした。カ ラム圧力は72〜80barの範囲にした。全ての分離は周囲温度でおこなった 。所定量の試料を、注入した連統7ロール−プインゼクターを通してカラム内に 導入した。クロマトグラフィーで分離したピークに対する成分を含む分別したア リコートは、粗製抽出物を多数回注入する間に補集した。254nmに調整した 紫外吸収検出器を用いてそれぞれのピークの検出をおこなった。オンラインコン ピューターを使用するインテグレーターを用いてピーク面積を測定した。 前述の分別条件下では、クロマトグラフの分離ピークとして現れる化合物IR DNAとIRDNBは種々の保持時間で溶離する。即ち、IRDNAは25〜2 8分間で溶離し、IRDNBは29〜31分間で溶離する。IRDNAおよびI RDNBの溶離量もまた一般的な分別処理では変化する。例えば、4mgのIR ABを分別するときには、IRDNAおよびIRDNBはそれぞれ0.6mgお よび0.9mg得られ、これらの収量はそれぞれIRABの分別量の15%およ び22.5%に相当する。 実施例2 熱帯熱マラリア原虫感染赤血球に対する抗付着特性の生体外アッセイ 感染赤血球およびヒトのへそ静脈内皮細胞を、酸素5%、二酸化炭素5%およ び窒素90%からなる混台ガスを満した培養室内で37℃で別々に培養した。マ ラリア感染赤血球は、10%ヒト血清、3%炭酸水素ナトリウムおよびHEPE S緩衝液を追加したRPMI−1640培地中で培養した。内皮細胞は、20% ヒトAB血清、ヘパリン0.09mg/ml、L−グルタミン2mM、および内 皮細胞ミトゲン2mg/mlを追加した培地199中で培養した。24時間培養 後、実施例1で調製したニームの葉の抽出物をジメチルスルホキシドに溶解し、 濃度5μg/ml、10μg/ml、および20μg/mlで感染赤血球に添加し た。抽出物の添加から15〜30分間経過後、処理した細胞を、1つのウェル当 たり感染赤血球を1mlで含む8つのウェルを備えた培養プレート内の内皮細胞 培地に添加した。この感染細胞培地のヘマトクリット値は2%で寄生虫血は5% であった。対照として、未処理の感染赤血球を他の内皮細胞培地に添加した。こ れらの細胞を90分間一緒に培養した。培養後、付着していない感染赤血球を吸 引することにより除去した。内皮細胞に付着した赤血球の数を光学顕微鏡により 決定した。対照と比較して、処理した感染赤血球の内皮細胞への付着率は低く、 このことは、試験したニーム抽出物の抗付着効果を示すものである。この付着率 の低下をグラフにして図4に示す。図4は、濃度5μg/mlのIRABが、ヒ トのへそ静脈内皮細胞に対する熱帯熱マラリア原虫感染赤血球の付着を完全に抑 制することを示す。 実施例3 癌細胞に対する抗付着特性の生体外アッセイ このアッセイのために、ヒトのへそ静脈内皮細胞および癌細胞(単球、組織球 、およびリンパ芽球白血病細胞)を二酸化炭素を5%含む雰囲気中、37℃で別 々に培養した。これらの癌細胞はメリーランド州ロックビルに住所を有するアメ リカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)より入手した。内皮細 胞は、20%ヒトAB血清、ヘパリン0.09mg/ml、L−グルタミン2m M、および内皮細胞ミトゲン2μg/mlを追加した培地199中で培養した。 全面生長率が75%に達するまで、該細胞を8つのウェルを有する培養プレート 中で培養した。癌細胞は、ウシの胎児血清を5%追加したドルベコ最少必須培地 中で培養した。 抗付着活性をテストするために、実施例1で調製したニーム抽出物をジメチル スルホキシド(DMSO)に溶解させ、5μg/mlの濃度で癌細胞に添加した 。15分間後、処理した癌細胞を抽出物とともに内皮細胞に添加した。対照とし て、未処理癌細胞を別の内皮細胞に添加した。これらの細胞を90分間一緒に培 養した。培養後、付着していない癌細胞を吸引除去した。付着した細胞をホルマ リンで固定し、顕微鏡で観察するためにギームサ染色液で着色した。対照と比較 して、処理した癌細胞の内皮細胞への付着率は低く、このことは抽出物の抗付着 効果を 示すものである。この付着率の低下効果は、図14(対照実験)と図15との比 較から明らかである。この比較から明らかなように、IRABはテストした4種 の癌細胞のうちの次の3種に対して顕著な抗付着効果(50〜80%)を示した :(ヒトの単球)T1B202.THP−1、ヒトの末梢血液急性リンパ芽球白 血病CRL1552.MOLT−3、およびヒトの末梢血液急性リンパ芽球由血 病CCL119.CCRF−CEM。 実施例4 有性および無性マラリア原虫に対するニーム抽出物の抑制効果についての生体外 アッセイ 簡単に言えば、二酸化炭素5%、酸素5%、および窒素90%からなる混合ガ ス中において、10%血清、3%炭酸水素ナトリウムおよびHEPES緩衝液を 追加した培地RPM1−1640を用いて感染した細胞を37℃で培養すること からなる確立された方法により、熱帯熱マラリア原虫の無性1TG2F6単離菌 で感染したヒトの赤血球を培養した。アッセイのために、該培地のヘマトクリッ ト値を2%に調整し、また寄生虫血を5%に調整した。実施例1で調製したニー ム抽出物をDMSOに溶解させ、培養培地を用いて所望の低濃度まで希釈するこ とによって、DMSO濃度を無毒濃度(<0.01%)まで低下させた。次いで 、ニーム抽出物溶液をマラリア培地に添加した。異なった濃度の抽出物溶液を用 いて該培地を処理した(例えば、IRABについては0.05〜5.0μg/m l;IRDNAおよびIRDNBについては1×10-4〜10ng/ml)。対 照として、抽出物を含有しない感染赤血球を培養した。対照と処理した細胞をさ らに72時間培養した。培養期間中と培養終了後に血液塗抹標本を作成し、これ を用いて光学顕微鏡によりマラリア原虫の成長過程を観察した。対照と比較して 、処理した培地中の寄生虫血は低く、これは抽出物IRAB、IRDNA、およ びIRDNBの抗マラリア効果を示すものである。 有性マラリア原虫に対するニーム抽出物の抑制活性をアッセイする詳細な手順 は、アッセイで用いられるマラリア単離菌がNF54であることと、アッセイ培 地の配偶子細胞血を0.1−1.0%の間で変化させることを除いて、マラリア 原虫の場合と同様である。また、生殖母細胞を処理するのに用いた抽出物の濃度 は、IRABについては0.05〜5.0μg/mlの間で、また、IRDNA およびIRDNBについては1×102〜1×103ng/mlの間で変化させた 。 図4〜図6に示すように、濃度5μg/mlのIRABは、48〜72時間の 培養において、有性および無性マラリア原虫を完全に排除する(ID50:1μg /ml未満)。図7は、IRDNAおよびIRDNBが10-2ng/mlという 非常に低い濃度で有性および無性寄生虫を完全に排除することを示す。図8は、 IRDNAおよびIRDNBのこの抑制効果が、薬物に対して感受性と耐性を示 す寄生虫の場合と同様であるだけでなく、現在最もよく用いられている抗マラリ ア剤であるクロロキンの効果より優れていることを示す。成熟性生殖母細胞(図 9および図10)ならびに成熟生殖母細胞(図11および図12)を排除する場 合、ニームの葉の抽出物も同様に効果的であった。 実施例5 抗ウイルス特性の生体外アッセイ 抗ウイルスアッセイを以下のようにして行った。抗HIVの抗ウイルスアッセ イのために、ウイルスの標的細胞系CEM−IWをマイクロタイター培養プレー ト内で単層が形成されるまで培養した。培養培地としては、不活性なウシの胎児 血清10%、ペニシリン(100U/ml)およびストレプトマイシン(100 μg/ml)を追加した培地199を用いた。該細胞を、二酸化炭素を5%含む 雰囲気中、37℃で保持した。ウイルス感染のために、該細胞を氷中に移し、氷 冷培地で洗浄した。洗浄した細胞を、冷培地中にM01が1.0p.f.u/細 胞になる濃度で懸濁させたウイルス粒子で感染させた。1時間後、該細胞を温培 地で洗浄し、二酸化炭素を5%含む雰囲気中、37℃で24時間培養した。24 時間後、間接免疫蛍光法により感染性を測定した。 ニーム抽出物の抗ウイルス効果を測定するために、細胞(CEM−IW)を、 ニーム抽出物IRAB含有培地中に懸濁したウイルス粒子とともに1〜2時間培 養した。ウイルス粒子との培養後、該細胞を培地で洗浄し、さらに同様にして2 4時間培養した。対照として、米処理のウイルス粒予を用いた。対照と比較して 、処理した細胞におけるウイルスの感染性が低いことが観察された。このことは 、図15および以下の表3から明らかなように、ニーム抽出物IRABの抗ウイ ルス活性を示すものである。 他のウイルス、即ちサシチョウバエ熱ウイルス、および黄熱ウイルス、に対す る抗ウイルスアッセイは、サシチョウバエ熱、および黄熱ウイルス抗ウイルスア ッセイでの標的細胞としてCEM−IW細胞系の代わりにVERO細胞系を用い る以外は、HIV抗ウイルスアッセイにの場合と同様であった。 以上、本発明をその特定な態様に関して説明したが、本発明はさらに変更修正 が可能である。上記の開示内容は本発明を限定するものではなく、これを例示的 に説明するものである。従って、当業者であれば本発明の技術的思想と以下の請 求の範囲の記載の範囲内において、前記の開示内容に基づき、本発明を容易に変 更修正できるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,M G,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU,SD ,SK,UA,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ニームの葉の抽出精製物、IRAB、IRDNAおよびIRDNBからな る群より選択される抽出精製物であって、培養内皮細胞に対する熱帯熱マラリア 原虫惑染赤血球の付着を抑制する抽出精製物。 2.抽出精製物がIRABである請求項1記載の抽出精製物。 3.抽出精製物がIRDNAである請求項1記載の抽出精製物。 4.抽出精製物がIRDNBである請求項1記載の抽出精製物。 5.有効治療量の請求項1記載の抽出精製物および生理学的に許容されるキャ リアーを含有する薬剤。 6.有効治療量の請求項2記載の抽出精製物および生理学的に許容されるキャ リアーを含有する薬剤。 7.有効治療量の請求項3記載の抽出精製物および生理学的に許容されるキャ リアーを含有する薬剤。 8.有効治療量の請求項4記載の抽出精製物および生理学的に許容されるキャ リアーを含有する薬剤。 9.以下の工程(a)〜(d)を含む、ニームの葉からの治療上有用な化合物 の抽出方法: (a)ニームの葉を乾燥させ、 (b)許容可能な溶媒に乾燥させたニームの葉を浸漬し、 (c)抽出相から溶媒相を分離し、次いで、 (d)抽出相に含まれる溶媒を蒸発させる。 10.蒸発溶媒相および沈澱相を高圧液体クロマトグラフィー処理に付す工程 をさらに含む請求項9記載の方法。 11.請求項1記載の抽出精製物をマラリアに惑染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、マラリア感染症の治療方法。 12.請求項2記載の抽出精製物をマラリアに感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、マラリア感染症の治療方法。 13.請求項3記載の抽出精製物をマラリアに惑染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、マラリア感染症の治療方法。 14.請求項4記載の抽出精製物をマラリアに感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、マラリア感染症の治療方法。 15.請求項1記載の抽出精製物を転移性癌に感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、転移性癌症状の治療方法。 16.請求項2記載の抽出精製物を転移性癌に感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、転移性癌症状の治療方法。 17.請求項3記載の抽出精製物を転移性癌に感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、転移性癌症状の治療方法。 18.請求項4記載の抽出精製物を転移性癌に感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、転移性癌症状の治療方法。 19.請求項1記載の抽出精製物をウイルスに感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、ウイルス性感染症の治療方法。 20.請求項2記載の抽出精製物をウイルスに感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、ウイルス性感染症の治療方法。 21.請求項3記載の抽出精製物をウイルスに感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、ウイルス性感染症の治療方法。 22.請求項4記載の抽出精製物をウイルスに感染した哺乳類に治療上有効量 投薬することを含む、ウイルス性惑染症の治療方法。
JP6511477A 1992-09-11 1993-09-08 ニームノキから誘導される治療用化合物 Pending JPH08504403A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/944,201 1992-09-11
US07/944,201 US5370873A (en) 1992-09-11 1992-09-11 Therapeutic compounds derived from the neem tree
PCT/US1993/008240 WO1994017815A1 (en) 1992-09-11 1993-09-08 Therapeutic compounds derived from the neem tree

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08504403A true JPH08504403A (ja) 1996-05-14

Family

ID=25480990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6511477A Pending JPH08504403A (ja) 1992-09-11 1993-09-08 ニームノキから誘導される治療用化合物

Country Status (9)

Country Link
US (1) US5370873A (ja)
EP (1) EP0671925A4 (ja)
JP (1) JPH08504403A (ja)
KR (1) KR950703348A (ja)
AU (1) AU4844093A (ja)
BR (1) BR9307044A (ja)
CA (1) CA2144320A1 (ja)
OA (1) OA10134A (ja)
WO (1) WO1994017815A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005206566A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Iwamoto Shigemi 制癌予防食品

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5397571A (en) * 1993-03-25 1995-03-14 W. R. Grace & Co.-Conn. Co-extraction of azadirachtin and neem oil
ATE244578T1 (de) * 1993-07-27 2003-07-15 Csl Ltd Behandlung eines durch helicobakter verursachten gastroduodenalen krankheit
WO1997045349A1 (en) * 1996-05-24 1997-12-04 Marel Hf. Handling device
IN1997DE01715A (ja) * 1997-06-24 2015-07-31 Council Scient Ind Res
US6545167B1 (en) 2002-04-04 2003-04-08 Fortune Bio-Tech Limited Simple and effective manufacturing process for large scale recovery of Nimbin, a Neem seed constituent
US6866856B2 (en) * 2002-12-31 2005-03-15 Avon Products, Inc. Compositions and delivery methods for the treatment of wrinkles, fine lines and hyperhidrosis
CN101389344A (zh) * 2006-05-26 2009-03-18 洛杰师·洛达归师南 治疗人体免疫缺损病毒的合成药物与方法
WO2008004244A1 (en) * 2006-07-05 2008-01-10 Hafiz Anwarul Aziz Chemical free fertilizer named as homoeo fertilizer and its process
BRPI0701208A2 (pt) * 2007-03-26 2008-11-11 Wilton Viana processo de obtenÇço de suplemento alimentar e produto assim obtido
BR102013021210B1 (pt) 2013-01-25 2015-12-01 Fundação Universidade Fed De São Carlos processo de obtenção de nanopartículas biopoliméricas contendo óleo e extratos de azadirachta indica a. juss (neem), nanopartículas biopoliméricas e micropartículas em pó
WO2015035199A1 (en) * 2013-09-06 2015-03-12 Mayo Foundation For Medical Education And Research Neem compositions used for the treatment of cancer
WO2015146849A1 (ja) * 2014-03-25 2015-10-01 国立大学法人香川大学 希少糖を有効成分とするマラリア伝播阻止剤およびマラリア原虫の発育阻害剤
EP3586924A1 (en) * 2018-06-26 2020-01-01 Vorderwülbecke, Martin Neem for treatment of rls
US11291647B2 (en) 2018-08-30 2022-04-05 Nisarga Biotech Private Limited Process for preparation of CO2 extract of Azadirachta indica and herbal compositions thereof for treatment of cancers
EP4342482A1 (en) 2022-09-23 2024-03-27 Laurenz Vorderwülbecke Neem tree leaves extract

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2488801B1 (fr) * 1980-08-19 1986-08-14 Terumo Corp Extraits a l'eau chaude de l'ecorce du margousier, possedant une activite antineoplastique
DE3132656C2 (de) * 1980-08-19 1986-09-04 Terumo Corp., Tokio/Tokyo Extrakt aus der Rinde des Nim-Baumes (Melia azadirachta) mit antineoplastischer Wirkung
DE3305047A1 (de) * 1982-02-19 1983-09-22 Terumo Kabushiki Kaisha trading as Terumo Corp., Tokyo Polysaccharide, ihre herstellung und diese enthaltende therapeutische zusammensetzungen
US5196197A (en) * 1990-08-29 1993-03-23 National Institute Of Immunology Reversible fertility control for prevention of pregnancy in females

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005206566A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Iwamoto Shigemi 制癌予防食品

Also Published As

Publication number Publication date
BR9307044A (pt) 1999-06-29
EP0671925A1 (en) 1995-09-20
EP0671925A4 (en) 1996-02-28
US5370873A (en) 1994-12-06
WO1994017815A1 (en) 1994-08-18
CA2144320A1 (en) 1994-08-18
KR950703348A (ko) 1995-09-20
OA10134A (en) 1996-12-18
AU4844093A (en) 1994-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rahman et al. Antimalarial activity of extracts of Malaysian medicinal plants
de Madureira et al. Antimalarial activity of medicinal plants used in traditional medicine in S. Tomé and Prıncipe islands
Vásquez-Ocmín et al. Antiprotozoal activity of medicinal plants used by Iquitos-Nauta road communities in Loreto (Peru)
JPH08504403A (ja) ニームノキから誘導される治療用化合物
Amabye Evaluation of phytochemical, chemical composition, antioxidant and antimicrobial screening parameters of Rhamnus prinoides (Gesho) available in the market of Mekelle, Tigray, Ethiopia
Ramanitrahasimbola et al. Biological activities of the plant‐derived bisindole voacamine with reference to malaria
Ekasari et al. Various parts of Helianthus annuus plants as new sources of antimalarial drugs
Rukunga et al. The antiplasmodial activity of spermine alkaloids isolated from Albizia gummifera
Muhaimin et al. Antiplasmodial activity of methanolic leaf extract of mangrove plants against Plasmodium berghei
Yapp et al. Lansium domesticum: skin and leaf extracts of this fruit tree interrupt the lifecycle of Plasmodium falciparum, and are active towards a chloroquine-resistant strain of the parasite (T9) in vitro
Djouwoug et al. In vitro and in vivo antiplasmodial activity of hydroethanolic bark extract of Bridelia atroviridis müll. Arg.(Euphorbiaceae) and lc-ms-based phytochemical analysis
Tauheed et al. In vivo ameliorative effects of methanol leaf extract of Lawsonia inermis Linn on experimental Trypanosoma congolense infection in Wistar rats
Petros et al. In vivo anti-plasmodial activity of Adhatoda schimperiana leaf extract in mice
US5260067A (en) Cytotropic heterogeneous molecular lipids (CHML) and process for preparing the same
KR101384633B1 (ko) 생강 추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 포함하는 톡소플라즈마증의 예방 및 치료용 조성물
Subramoniam et al. Inhibition of antigen-induced degranulation of sensitized mast cells by Trichopus zeylanicus in mice and rats
Presber et al. Inhibition of the growth of Plasmodium falciparum and Plasmodium berghei in vitro by an extract of Cochlospermum angolense (Welw.)
Du Preez Evaluation of antimalarial properties of indigenous plants used by traditional healers in Namibia
JP2005515266A (ja) 免疫刺激剤として活性である植物抽出物
JP6967247B1 (ja) 抗マラリア剤
Bihonegn et al. Review on Malaria and Antimalarial Activity of Vernonia Amygdalina in Ethiopia: A Review Article
Nyangasi Characterisation of antimalarial compounds from plants used in traditional health practices in Lake Victoria basin
Alexandrino et al. Bioactivity of leaf extracts from species of Palicourea (Rubiaceae) on Trypanosoma cruzi, Candida sp. and Fusarium solani
Michael et al. Antimalarial effect of ethanol extract of Parinari curatellifolia stem-bark in Plasmodium berghei-NK 65 infected mice
MXPA01004215A (es) Compuestos anti-parasitarios y anti-micoticos obtenidos de plantas, y metodos de extraccion de los compuestos.