JPH08504083A - 合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドとそれらを含む医薬組成物 - Google Patents
合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドとそれらを含む医薬組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、造血性骨髄細胞の発現を選択的に調節することができるホスホロチオエート化された、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチドに関する。さらに特別には、本発明は、ヒトACHE、または2HS遺伝子中のAUGイニシエーションコドンにわたる領域にむけられた、ヌクレオチド塩基間を連結するホスホロチオエート結合を有する合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドに関する。すなわち、本発明は、ヒトACHE遺伝子、2HS遺伝子、またはBCHE遺伝子のAUGイニシエーシヨンコドンにわたる領域、または、ヒトCHED(cdc2ホモログ)遺伝子の5′−領域にむけられた、4個の3′−末端ヌクレオチド塩基間を連結するホスホロチオエート結合を有する合成アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。本発明は、活性成分として、本発明による少くとも1つのホスホロチオエート化されたか、または部分的にホスホロチオエート化されたアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを生理学的に受け入れることができる担体、または希釈剤中に含む医薬組成物に関する。本発明のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドと、それらを含む医薬組成物は、異常な造血性細胞増殖を阻害し、異常な血小板の増殖を阻害し、骨髄細胞培養における幹細胞分画を増加させ、マクロファージの産生を増強し、幹細胞数を増加し、移植されるべき器官の免疫応答を抑制し、そして、悪性腫瘍の成長を阻止するのに適している。
Description
【発明の詳細な説明】
合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドとそれらを含む医薬組成物発明の背景
アセチルコリンを加水分解する酵素であるブチリルコリンエステラーゼ(Bu
CHE,EC3.1.1.8)とアセチルコリンエステラーゼ(AChE,EC
3.1.1.7)をコードするBCHEとACHEの遺伝子は、胚性の〔Layer
,P.G.とSporns,O,Proc.Natl.Acad.Sci.USA84:284−28
8(1987)〕、造血性〔Burstein,S.A.,ら、J.Cell Physiol.12 2
:159−165(1985)〕および生殖性細胞(Jhonson,C.D.,ら
、Neuron 1:165−173(1988)〕;Malinger,G.,ら、Mol.Neu
rosci.1:77−84(1989)〕をはじめとする種々の発達中の細胞型に
おいて発現される。
AChEとBuChEは、ともに、S/T−P−X−Zのペプチドのモチーフ
を含み、そのため、それらは、細胞周期の一般制御体であるcdc2キナーゼに
よるリン酸化に対する潜在的基質となっている〔Lapidot-Lifson,Y.,ら、Pr
oc.Natl.Acad.Bci.,USA 89;579−583(1992)〕。cac
2キナーゼの多くの他の基質は、細胞周期に関連した過程に必要な生物学的機能
を遂行する〔Morono,S.とNurse,P.,Cell 61:549−551(19
90)〕。したがって、CHEまたはcdc2の転写の過程の妨害は、細胞分裂
を脇道にそらせるか、そして/または、阻止することが期待され、これらの過程
を制御することは、いくつかの医学的に重要な手続きにとって有用となり得る。
生化学的、および組織化学的分析は、多数の真核細胞生物種の種々の胎児の組
織において、AChEとBuChEが高水準で発現されることを示した〔Rakonc
zay,Z.,ら、Subcellular Biochemistry 12:355−378,Harris,
J.R.,Ed.,Plenum Press,N.Y.(1988)〕、その場合、コリン
エステラーゼ(ChEs)は、細胞増殖と分化に関して整合的に調節され
ることが示唆される〔Layer,P.G.,ら、Neurochem.49:175−182
(1987)〕。したがって、胎児の発生におけるChEsのためとされる特異
的役割が、細胞分裂に関連している可能性があり、その結果、これらの組織にお
けるそれらの生物学的機能は、器官の発生を調節する意味をもっていると仮に考
えられる。
成熟赤血球の膜中に存在する外に、AChEは、in vivoで〔Paules,J.P.
,ら、Blood 58:1100−1106(1981)〕とin vitro〔Burstein
,S.A.,ら、J.Cell Physiol.103:201−208(1980)〕の
発達中の血液においても多量に産生され、その活性は、発達中のマウスの巨核球
に対する容認できるマーカーとして役立つ〔Burs-tein(1985)、同上〕。
その上、アセチルコリン類縁体ならびにコリンエステラーゼ阻害剤の投与は、マ
ウスにおいて巨核球を誘発し、血小板数を増加することが示され〔Burstein,S
.A.,ら、Clin.Haematol.12:3−27(1983)、これらの血液造成
細胞のかかわり合いと発現におけるこの酵素の関与を意味する。
ヒトBuChE,とAChEをコードするDNAsがクローン化され〔Prody
,C.,ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 86:3555−3559(1
987);Soreqら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 87;9688−96
92(1990)〕、そして、ヒトCHE1の遺伝子座が異常な巨核球の造成と
血小板数を伴う〔Pintado,T.,ら、Cancer 55;535−541(198
5)〕白血病において異常変化を受け易い3q26−ter染色体領域にマッピ
ングされた〔Gnatt,A.,ら、Cancer Res.50:1983−1987(19
90)〕。ACHEとBCHEの遺伝子の共増幅が引続いて白血病と血小板の障
害において観察された〔Lapidot-Lifson,Y.,ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,
USA 4715−4717(1989)〕;Zakut,H.ら、MutationResearch
,印刷中(1992)〕。したがって、造血システムは、ChEsの発現によっ
て影響を受ける発現制御を受け易いようである。
発生上重要な遺伝子の発現の阻害は、原理的には、発生的過程をこれらの遺伝
子の発現に依存しない方向にそらすはずである。このような発現過程に影響をお
よぼす1つの有用なアプローチは、“アンチセンス”技術に基づいている。細胞
の遺伝学的過程の邪魔をするオリゴヌクレオチドの使用は、重要な治療的潜在力
を担っている。したがって、可能な臨床適用をもったクローン化された遺伝子の
発現を阻止する“情報を提供する薬剤”が開発されつつある。それは、増殖しつ
つある幹細胞を含み、そして、外部の刺戟に対する極端な感受性のために、本造
血システムは、遺伝子工学における近年の業績に基づいた新しい治療プロトコー
ルのための最初の論理的標的となる可能性がある〔Wilson,J.D.,ら、Harr
ison's Principles of Internal Medison,12th Ed.,McGraw-Hill,Inc.,New
York,Chapters 268−269;285−288(1991)〕。幹細胞とは
、繰返し複製し、様々な種類の前駆細胞に分化することが出来る細胞として定義
づけることが可能である。拘束はその中においてそれが起る分化の選択を徐徐に
制限し、遂に前駆細胞が唯一の選択をもって(例えば、赤血球、巨核球、マクロ
ファージ)形成される。したがって、最初の幹細胞は、全能性、すなわち、それ
らは血液と免疫システムにおいて、選択のすべてをとることが出来ると定義する
ことができる。このような細胞の望ましい方向づけは、造血細胞の特定の亜集団
細胞の過剰、または涸渇のような望ましくない変化に打ち勝つために最も有用な
筈である。やはり有用であるとはいえ、より限定された多分化能性幹細胞の再方
向づけは、有用性が少ない。
幹細胞は、骨髄の細胞の≦0.%の細胞を占めている。それらは、免疫細胞化
学的方法により、直接的か、または細胞培養における成長と形成されたコロニー
のその後の評価によって、遡及的に検出することができる。治療的目的のために
は、幹細胞の分化を制御し、全能性幹細胞と多分化能性幹細胞を複製させること
が望ましいであろう。
健康な個人における骨髄細胞の産生速度は1時間あたり1010の血小板と分化
した血液細胞に達することができる。これらの細胞の寿命は、あるリンパ球につ
いての数年、赤血球についての120日から血小板について10日、および好中
球についての10時間まで変動する。造血幹細胞の亜集団における変化は、種々
の白血病などのような亜性骨髄増殖性疾患に罹っている患者、真性赤血球増加症
などのような血液細胞増殖種疾患および血液産生システムに欠陥がある紅斑性狼
瘡などのように自己免疫性疾患において見出される。欠陥性造血は、さらに、血
液産生システムに障害を与える化学療法、照射のような種々の普通に用いられる
治療処置を受ける患者において観察される。このように、すべての癌患者、組織
の移植後の人々、または化学薬品のそして/または異なる薬物による中毒を患っ
たその他の人々は、異常な造血を示し、それぞれのその後の転帰を示す。上記の
病理学的条件のいずれかを患った患者における造血細胞分裂を調節できる能力の
治療的価値は言うまでもない。その上、造血細胞の細胞分裂、および特に造血幹
細胞を増加させることは、骨髄移植の臨床手順にとって特別に有利になることが
考えられる。上述の病理学的状態のいずれかを受けている患者において、骨髄細
胞を凍結させ、続いてそれらを移植する技術はすでに利用可能である。しかし受
容者において生き長らえて増殖し、彼または彼女の状態を改善できる唯一の移植
骨髄細胞は幹細胞である。上述の操作は、受容者自身の骨髄を使用する自己移植
であるか、適合性のドナーからの骨髄を使用する同種移植である。
上に記載したように、造血細胞の拘束と発現には、コリン作動性のシグナルが
関与している。最近、in vivoにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの組み
込みの予備的な評価が行われ、この方法の短期の治療的適用性が明らかになった
〔Cohen,ら、Antisense Res.&Dev.2:191(1991)〕。15−20塩基
のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、通常、それらが哺乳動物のゲノムにおい
て、唯一の相補性の配列を保証するのに十分な長さである。その上、それらは、
標的mRNAと十分よくハイブリッド形成をする〔Cohen ら、同上〕。ホスホジ
エステルバックボーンを修飾することによって、これらのオリゴヌクレオチドは
、ヌクレアーゼによる分解に対して抵抗性となる〔Spitzer,F.とEckstein,F.
,Nuc.Ac.Res.16:11691−11704(1988)〕。この目的のた
めに、メチルホスホネートとホスホロチオエート基をともに使用した〔Baker,C
.,ら、Nuc.Ac.Res.18:3537(1990)〕。非イオン性なので、メ
チル−ホスホネート類縁体は、細胞の取り込みの増加を示すことが予知された〔
Blake,ら、Biochem.24;6139(1985)〕。しかし、アンチセンスメチ
ル−ホスホネートオリゴマーは、in vitroでN−rasの発現を阻害すること
ができなかったことが示された〔Tidd,ら、Anti-Cancer Drug Design 3:11
7(1988)〕。いくつかの癌遺伝子のmRNAsのin vitroでの翻訳
は、ホスホジエステル、そして/または、ホスホロチオレートアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドによって首尾よく遮断された〔c−myc:McManawayら、Lance
t 335:808(1990),Watsonら、Cancer Res.51:3996(1
991);bcI−2:Reedら、Cancer Res.50:6565(1990);m yb
:Calabrettら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA88:2351(199
1):bcr−ab:Szczylikら、Science 253:562(1991)〕。こ
れらの試験においては、センス、およびナンセンスオリゴヌクレオチドが対照と
して使用され、効果がないことが示されたが、一方アンチセンスオリゴヌクレオ
チドは、それらの標的遺伝子の発現を選択的に阻害した。そして、ホスホロチオ
エートオリゴヌクレオチドは、それらの安定性がより大きいために、より活性が
高かった〔Woolf,T.M.ら、Nuc.Ac.Res.18:1763(1990)〕。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、興味のある標的蛋白質の合成を特異的に
妨害することができる〔Moffat,Science 253:510(1991)〕。これ
3、ポリソームの形成の阻害によって、そして/または、標的mRNA内のアン
チセンスオリゴヌクレオチドが位置によって機能することによって起る可能性が
ある。このように、アンチセンスオリゴヌクレオチド阻害のための標的としての
翻訳開始コドンを取り巻く配列の頻度の高い選択は、開始複合体の生成を防ぐ目
的である。事実、アンチセンスRNAは、翻訳の制御物質として天然に存在して
いる〔Eguchiら、Anm.Rev.Biochem.60;631(1991)〕アンチセン
スオリゴヌクレオチド阻害の他の機序には、リボヌクレアーゼHの活性化が関与
し、それは、その後アンチセンスオリゴヌクレオチド−mRNAの消化を遂行す
る〔Chiang,M.Y.ら、J.Biol.Chem.266:18162(1991)〕
、または、mRNAスプライス部位に標的を定めたアンチセンスオリゴヌクレオ
チドによってスプライシングを妨害することが関与する〔Koleら、Adv.Drug.D
eliv.Rev.6;271(1991)〕。
それらのmRNA標的に加えて、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、これら
のmRNAsを発現するゲノム配列に対しても相補的である。培養細胞内に注入
されるときに、それらは、核の中に蓄積し〔Leonetti,J.P.ら、Proc.Natl
.
Acad.Sci.USA88:2702(1911)〕、それらは、B型のDNAデ
ュプレックスの主要な溝と対をなしているHoogsteen塩基によって会合した3番
目のDNAストランドの形成を通じて転写を妨害することによっても機能するこ
とがあることが示唆される〔Moffat,Science 252:1374(1991)〕
。c−mycの発現のin vitroの転写阻止は、無細胞系において、この機序によ
って働くことが示された〔Cooneyら、Science 241:456(1988)〕。
最近のポリアミド核酸オリゴマー(ポリアミドバックボーンがDNAのデオキシ
リボースホスフェートバックボーンに置き換っている)は、2重螺旋DNAから
の相補性ストランドの置換を起すことが示された〔Nielsenら、Science 254
:1497(1991)〕。これらの新たにデザインされた薬剤は、転写産物に
影響することなしに遺伝子の機能を選択的に妨害する。これと対照的に、リボザ
イム配列は、mRNA転写と特異的に相互作用することが示された。これらは、
アンチセンスオリゴヌクレオチドが側面に位置したRNaseの活性部位を含む
リボ核酸の配列である(HaseloffとGerlach,Nature 3:585(1988)〕
。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に標的を定めたときには、それらは、HIV
mRNAを効果的に破壊する〔Sarverら、Science 247:1222(1990
)〕。しかし、オリゴリボヌクレオチドは、RNアーゼの攻撃に対して抵抗性で
ある化学的に修飾した形においては、特に合成することが遙かに困難である〔Pi
eKenら、Science 253−314(1991)〕。
ホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドは、有意な毒性を示さず
、動物中で十分な薬力学的半減期を示した〔Agrawal,S.,ら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA88:7595(1991)〕。アンチセンスで誘発された細
胞発現と関連した機能の喪失の表現系は、神経膠星状細胞ニューロンの共培養内
で〔Winsteinら、J.Cell Biol.,112:1205(1991)〕、神経膠星
状細胞の成長において関与しているグリアの原線維の酸性蛋白質(GFAP)に
ついて、これらの細胞を取り巻く緻密なミエリン鞘の生成の原因となるSchwann
細胞中のミエリン−関連糖蛋白について〔OwensとBunge,Neuron 7:56(1
991)〕、海馬のニューロンの極性とアクソンの生成で意味づけられた微小管
関連タウ蛋白質について〔CaceresとKosik,Nature 343:461(1990
)
〕、橈側のグリア細胞に沿った神経の移動について重要なβ1−インテグリンに
ついて、そしてヒヨコにおける蓋のプレート形成の確立について〔Galileoら、
J.Cel.Biol.112:1285(1991)〕、および神経外胚葉培養にお
ける細胞の不均質性の維持の原因となるN−myc蛋白質(神経芽細胞に対する
上皮細胞、それらは、コロニーの形成能力、癌原性および付着性において異なっ
ている)〔Rosolenら、Cancer Res.50:6316(1990):Whitesellら
、Mol.Cell.Biol.11:1360(1991)〕について示された。分裂促
進および脈管形成の性質を有する塩基性線維芽細胞の成長因子の(bFgF)ア
ンチセンスオリゴヌクレオチド阻害は、神経膠腫細胞における成長の80%を〔
Morrison,J.Biol.Chem.266:728(1991)〕飽和性および特異的
な仕方で抑制した。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、bFgFmRNA中
の開始とスプライス部位に標的を設定した。それらは、結果として得られた蛋白
質の活性を減少させ、センスオリゴマーは、不活性のままであった。軟寒天培養
においては、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、グリア細胞のコロニーの大き
さを減少させ、それらの中に大きめの細胞出現を誘発した〔R.Morrison,Neur
oscience Facts 3:3(1992);ヒト神経膠腫細胞におけるbFgFの発
現)〕
疎水性であるために、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リン脂質膜と十分
に相互作用する〔Akhtar,S.,ら、Nuc.Res.19:5551−5559(1
991)〕。それらの細胞原形質膜との相互作用の後、それらは、活溌に生体細
胞の中の〔Loke,S.L.ら、Proc.Natl.Acad.Sc.USA86:3474(
1989)〕特異的受容体が関与していることが予知された飽和性機序において
輸送される〔Yakubov,L.A.ら、Proc.Natl.Acad.USA86:6454(
1989)〕。
シグナル伝達の過程に関与するキー分子のアンチセンス阻害は、標的とした鍵
となる分子に依存する二次的機序を妨害することが期待されることがある。この
ように、m2ムスカリン様のアセチルコリン受容体を通してのコリン作動性シグ
ナルは、百日咳トキシン感受性のG蛋白質とアデニルシクラーゼ活性と共軛して
いる。γ−アミノ酪酸型のB受容体(GABAB)は、このシグナル伝達過程に
同様に共軛しており、両受容体は、ともに小脳の顆粒性ニューロンにおいて発現
される。m2受容体mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3日
以内にこの受容体の合成を完全に遮断した。そして、GABAB受容体を、6日
以内に40%だけ減少させた。この後者の効果が、まだクローン化されていない
GABAB受容体においても存在している保持されたオリゴ配列によるのか、遅
延効果がm2阻害に対して二次的であったかどうかは、今後示さなければならな
い〔Morrison R.,同上〕。
造血細胞の拘束と発現におけるコリン作動性シグナルの上述の意味合いの見地
から、コリン作動性シグナル伝達の過程を脇道にそらすことができる化合物と方
法を提供することが本発明の目的であり、それは、骨髄幹細胞を継続的な複製へ
と導き、培養においても、in vivoにおいても、ともに造血および免疫システム
の単核細胞へのその後の分化を再び方向づけると考えられる。
このようにして、本発明のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド、上に記
述した骨髄細胞の調節に対する強力な候補であるように思われる。これは、顆粒
球コロニー刺戟因子(G−CSF)、インターロイキン3,6および11Lif
(白血病誘発因子)、そして、C−キット前癌遺伝子から作られた受容体と相互
作用する最近記述された幹細胞因子のような、すでに特性が解明された効果に対
し、上積みするものである。発明の要約
本発明は、造血骨髄細胞の発現を選択的に調節することが出来る合成ホスホロ
チオエート化された、または部分的にホスホロチオエート化されたオリゴヌクレ
オチドに関する。本発明において使用される調節という用語は、骨髄細胞におけ
る巨核球の造成、そして/または、骨髄細胞における赤血球の造成の選択的阻害
、そして/または、促進のことを指す。そして、追加的に造血性骨髄幹細胞の発
現の巨核球細胞、そして/または、赤血球からマクロファージと単核細胞への選
択的方向変換をさせることを指す。
さらに特別には、本発明は、巨核球造成、そして/または、赤血球の造成を阻
害するか、促進することが出来、そして、造血骨髄幹細胞の発現を、巨核球と赤
血球からマクロファージと他の単核細胞の造血細胞へ方向転換することが出来る
合成ホスホロチオエート化された、または部分的なホスホロチオエート化された
オリゴデオキシヌクレオチドに関する。
本発明のオリゴデオキシヌクレオチドは、in vitroにおいて造血性骨髄幹細
胞の発達を調節することができる。このような細胞は、移植が必要なときに患者
から抜き取った細胞であることができる。本発明のオリゴデオキシヌクレオチド
は、望ましい細胞組成が達成され、そして/または、培養物中に生存幹細胞の数
を増加することができるまで、培養の細胞組成物に効果的に影響することができ
る。
本発明のオリゴデオキシヌクレオチドは、操作手順を改善し、移植操作手順後
の組織の拒絶反応を減少させるために、移植されるべき器官、または組織におけ
る細胞分裂の特性も調節することができる。
本発明のオリゴデオキシヌクレオチドは、造血システムの特異的幹細胞の造血
的骨髄分画を強化するために、提供手順の前に、骨髄、または器官の潜在ドナー
に投与することもできる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、このような細胞を、組織適合抗原がない生存
形でこのような細胞を保持するために、それらを細胞バンクに貯蔵する前に、胚
または胎児骨髄細胞に適用することができる。
その上、本発明のオリゴデオキシヌクレオチドは、また、腫瘍組織の急速な細
胞分裂を選択的に阻止するために、一方では腫瘍を取り巻く細胞分裂の良性過程
は妨害することなく、ある悪性腫瘍の患者の治療にも効果がある筈である。
特に、本発明は、ヒトACHE(アセチルコリンエステラーゼ)、または2H
S(cdc2キナーゼ)遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域に対して
向けられたアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドであり、ヌクレオチドのす
べての間に、または4つの3’−末端ヌクレオチドのみの間に、ホスホロチオエ
ートヌクレオチド結合を有する合成オリゴデオキシヌクレオチド、およびヒトB
CHE(ブチルコリンエステラーゼ)遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる
領域にむけられた、またはCHED(cdc2ホモログ)における開始コドン5
′領域に対してむけられたアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、4個の3′
−末端ヌクレオチドの間に、ホスホロチオエートのヌクレオチド間結合を有
する合成オリゴデオキシヌクレオチドに関する。
さらにもっと特別には、本発明は、式:
5′−GGTATAATCTTCCAT-3′
を有するヒト2HS遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域に
むけられたすべてのヌクレオチド(AS 2HS−Ts)の間か、4個の3′−
末端ヌクレオチド(AS 2HS−S3)の間に、ホスホロチオエートヌクレオ
チド間結合を有する合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド;式
5′−CTGCGGGGGCCTCAT-3′
を有するヒトACHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域
にむけられた、すべてのヌクレオチド(AS ACH−Ts)の間か、4個の3
′−末端ヌクレオチド(AS ACHE−S3)の間に、ホスホロチオエートヌ
クレオチド間結合を有する合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド;式:
5′−GACTTTGCTATGCAT-3′
を有するヒトBCHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域
にむけられた、4個の3’−末端ヌクレオチド(AS BCHE−S3)の間に
、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する合成アンチセンスオリゴデオ
キシヌクレオチド;そして式:
5′−TTTTCCCCAGTCAAT-3′
を有するヒトCHED遺伝子における5′−領域にむけられた4個の3′−末端
ヌクレオチド(AS CHED−S3)の間に、ホスホロチオエートヌクレオチ
ド間結合を有する合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドに関する。
本発明は、生理学的に、または医学的に受け入れられる担体中に、活性成分と
して、本発明のオリゴヌクレオチドの少くとも1つを活性成分として含み、随意
にさらに生理学的に、および医学的に受け入れられる添加物を含む医薬的、また
は医学的組成物に関する。活性成分は、オリゴデオキシヌクレオチド、またはそ
れらの混合物から成ることがある。
さらに具体的には、本発明の組成物は、造血骨髄幹細胞の発現の調節に適切な
ことがある。これらの組成物は、異常な造血細胞の増殖を阻害することができる
。
また、組成物は、マクロファージの産生を増強し、幹細胞数を増加することがで
きる。
さらに特別には、本発明の組成物は造血性骨髄幹細胞の発現の調節に適してい
ると考えられる。これらの組成物は、異常な造血細胞増殖を阻害すると考えられ
る。また、本組成物は、マクロファージ産生を増強し、幹細胞数を増加させるた
めに使用することができる。
さらにもっと特別には、本発明は、移植されるべき器官、または組織において
、移植操作の後の免疫応答とその結果生ずる組織拒絶を減少させるために、in v
itroで細胞分裂特性を調節するのに適していることがある。本組成物は、移植さ
れるべき骨髄細胞においてin vitroで幹細胞の分画を増加するのにも使用するこ
とができる。
その上、活性成分として本発明のオリゴデオキシヌクレオチドを医薬的に容認
できる担体中に含み、または随意に、さらなる生理学的に容認しうる薬剤も含む
、本発明の組成物が、組織適合性抗原に欠けている生存形で、細胞バンクに貯蔵
される前に、胚または胎児の骨髄細胞を処理するために使用することが出来る。
活性成分は、オリゴデオキシヌクレオチドの1つか、またはその混合物から成る
ことができる。
さらに、本発明の組成物は、同種移植の手順において、免疫応答を減少させる
ために、供与の操作の前に、臓器のドナーと受容者の処置のために、そして、造
血系の特異的幹細胞の造血性骨髄分画を強化するために、骨髄の抜き取りの前に
、骨髄の潜在性ドナーの処置のために使用できる。
なお、さらに、本発明の組成物は、腫瘍の組織における細胞分裂を選択的に停
止させ、腫瘍を取り巻く良性細胞には影響せず、悪性腫瘍患者を治療するのに使
用できる。これらの組成物は、軟骨肉腫の治療に特に適していると考えられる。
本発明は、このような処理が必要な患者において、患者に治療的に効果のある
本発明のオリゴデオキシヌクレオチドか組成物を患者に投与することによる造血
性骨髄幹細胞の発達を調節する方法にも関する。例えば、本発明の方法によって
、異常な造血性細胞の増殖が阻害され、マクロファージ産生の増強と幹細胞数が
増加を起すことができる。
本発明は、免疫応答とその結果生ずる移植処置後の組織拒絶反応を減少させる
ために、移植されるべき器官、または組織において、その器官を同種移植に適し
た培養条件下で効果的な量のオリゴヌクレオチド、または本発明の組成物と接触
させることによって、細胞分裂をin vitroで調節する方法に関する。
これらの方法は、in vitroで移植されるべき骨髄検体において幹細胞分画を
増加するために使用される。
さらに、本発明は、検体を適切な培養条件下で本発明のオリゴデオキシヌクレ
オチド、または組成物と接触させることによって、胚または胎児骨髄細胞を、そ
れらを細胞バンクに貯蔵する前に、組織適合性抗原の欠けている生存形において
処理する方法に関する。
さらに、本発明の方法は、提供の手順の前に、同種移植の手順において、免疫
応答を減少させるために、器官のドナーを処理すること、および造血システムの
特異的な幹細胞の造血骨髄分画を強化するために、骨髄の抜き取りの前に、潜在
的骨髄ドナーを処置することを包含している。
なおさらに、本発明は、選択的に腫瘍組織中の細胞分裂を阻止するが、腫瘍を
取り巻く良性細胞には影響せず、このような治療が必要なときに、患者に対して
治療効果のある量の本発明のオリゴデオキシヌクレオチド、または組成物を投与
することによる悪性腫瘍患者を治療する方法に関する。これらの方法は軟骨肉腫
の治療に特に適していると考えられる。図の説明
図1。ChERNAsの転写ベクター
AChEとBuChEをコードするcDNAsに相補的な“センス”(mRN
A)、または“アンチセンス”(cRNA)ストランズで構成された〔35S〕−
標識RNA転写物を、材料と方法(4)に詳述されたように、pGEM−7Z(
+)とBluescript SK(+)プラスミドからT7,SP6またはT3RNAポ
リメラーゼを使用して調製した。情報提供制限酵素部位は、cDNA挿入部とそ
れらの境界のポリリンカー領域について顕著である。標識RNA産物は、さらに
制御されたアルカリ加水分解に付し、in situハイブリッド形成に十分短いプロ
ーブを産生した。
図2A IL3−処理ネズミの骨髄細胞培養物のS3またはTsオリゴデオキシヌ
クレオチドでの滴定曲線
(アンチセンス−AS;センス−S)
骨髄細胞は、メチルセルロース/LPM(Beit Haemek),1%BSA(Sigma
)および10%WEHI−CM,IL−3の源中で生育された。それらは37℃
で、5%CO2において、105細胞/mlの細胞濃度でインキュベートした。AS
−とS−オリゴデオキシヌクレオチドを、10nMのトリス+/mMEDTA,pH
7.5中で、2−4mMとしたストック濃度において調製され、使用するまで−2
0℃で凍結保存した。それらは、その後、PBS中で100μMに希釈し、0時
間において培養物に加え、最終濃度を2.5−10μMとした。オリゴデオキシ
ヌクレオチドを、実験中を通じて培養部に保持した。4日目にコロニーを、オプ
チックファイバー暗視野装置つきのZeissのステレオズーム顕微鏡で計数した。
図2B 4日インキュベーションした5μMの濃度において、TsとS3型のセン
ス、およびアンチセンスBCHEオリゴデオキシで処理した培養物骨髄細胞につ
いての代表的視野
図3 IL3のみの存在(巨核球産生条件)において生育させたセンス、および
アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド−処理巨核球コロニーの細胞組成。4
日目に平板の全内容を削り取り、PBSで1回洗い、細胞を遠心分離した。細胞
をMay-Grunwald Giemsaで染色し、与えられた実験条件について、少くとも1,
000の細胞を計数した。細胞を、PatinkinらのMol.cell.Biol.,10:60
46(1990)の基準にしたがって分類した。
図4 表には種々のオリゴデオキシヌクレオチドの数種の分子パラメーターのデ
ータとそれらの巨核球産生条件下でのコロニー形成を阻害する変動効果が提出さ
れている。
図5 IL3のみを添加した巨核球の条件下およびトランスフェリンとエリスロ
ポイエチン(EPO)を加えた赤血球造成条件下で(CFU−GEMM)オリゴ
デオキシヌクレオチドの投与後のコロニー形成の滴定曲線。
CFU−GEMM条件については、骨髄細胞は、10−4Mチオグリセロール
(シグマ)、1%BSA(シグマ)、10%WEHM(IL−3を含む)、2.
8×10-4M鉄−飽和ヒトトランスフェリン(Behring,Marburg)および2単位
のエリスロポイエチン(EPO,1,000U/mg)(Terry Fox Labs,Vancou
ver,B.C)を含むメチルセルローズ/LPM(Beit Haemek)中に生育させた
。37℃と5%CO2において8日間インキュベートした後、オプティックファ
イバーによる暗視野装置をつけたZeissのステレオズーム顕微鏡を使用してコロ
ニーを計数した。
図6 種々のオリゴデオキシヌクレオチドの存在において生育された細胞培養に
おける細胞組成のヒストグラム。
(A1) オリゴデオキシヌクレオチド濃度:AS−とS−ACHE−2μM
;AS−とS−BCHE−4μM;赤血球産生条件(IL−3+EPO)。
(A2) オリゴデオキシヌクレオチド:AS−ACHE。増加濃度、赤血球
産生条件。
与えられたプレートの直径≧0.5mmのピンクか赤のCFU−GEMMコロニ
ーを、ミクロピペットで拾い上げ、PBS中で洗い、細胞を遠心分離した。CF
U−GEMMコロニーは、存在する全コロニーの約90%を構成していた。細胞
は、May-Grunwald Giemsaで染色し、与えられた実験的条件あたり、少くとも1
,000の細胞を計数した。初期の赤芽球と巨核芽球は、極めて大きい核と原形
質の極めて狭い縁をもった小さな濃く染色された細胞である。ヒト抗GPIIb
/IIIaAb(Bally S.Celler,Stonybrook,N.Y.からの贈り物)での
間接的イムノ組織化学的染色に続いて、抗−マウスIgフルオレッセイン−結合
Ab(Amersham International)の1:100の希釈液による染色を行い、そし
て、抗−ヒトグリコホリンαAb(Immunoteck,Marseille)で直接染色を行う
ことによって、それらは一方が他方から区別された。後期の赤芽球は、小さな暗
い核を囲む白色か極めて明るい青の原形質によって特徴づけられた。
(B) オリゴデオキシヌクレオチド濃度2μM・巨核球産生条件(IL3)
。
図7 1度腹腔内に25μg/g体重のAS−ACHE,または対照としてリン
酸バッファー化食塩水(PBS)を注射したマウスの注射後20日骨髄塗沫の
代表的顕微鏡写真。
図8 ChEcRNAの標識化は、巨核球の発達とともに増加する。
未処理の雌性マウスからの骨髄塗沫を〔35S〕−標識ChERNAプローブとin situ
ハイブリッド形成を行わせた。標識巨核球(MK)を方法の下で詳細に
説明したようにエマルジヨンオートラジオグラフィーにしたがって写真を取った
。
A:巨核球前駆体;
B:中間細胞:
C:成熟多核巨核球
巨核球の発達に伴う細胞あたりの顆粒の数の増加;AChEmRNAとBuC
hEmRNAの標識化の間の差、そして対照(“センス”)プローブとハイブリ
ッド形成を行った細胞上に顆粒が存在しないことに注意。
図9 巨大球の成熟を通じてのAChEmRNAレベルにおける変動性
A:細胞あたりの認められた巨核球の数、プロー( ),中間の( )および
成熟の段階において細胞あたりの顆粒の平均数が測定された。細胞は、それらの
発達の段階とそれらの上の顆粒の数にしたがって(0から20,20から40な
ど)グループに分けた。曲線は巨核球の亜型の各々についての顆粒の密度の分布
を表している。中間的及び巨核球前駆体に比べてより広い変動に、そして他のグ
ループと比べて中間的細胞の数が多いことに注意せよ。
挿入図:細胞型あたりの顆粒の平均数がヒストグラムで示してある。細胞に
よって覆われていないスライドの区域上の背景標識は、写真のエマルジョンにお
ける自発的顆粒の形成は、シグナルの5%を越えず、実験結果から差し引いた。
B:中間的および成熟巨核球上の変動的標識がエマルジョンオートラジオグラ
フィー写真図において示されている。さまざまな核や細胞が異なる強度で標識さ
れていることに注意。核のクラスターのまわりの空のスペースは、恐らくin sit u
ハイブリッド形成手順の前に、調製のステップにおいて後退している原形質の
ためであろう〔Courtney,M.ら、Blood 77:560−568(1991)〕
。
図10 in vivoでAS−CHEオリゴデオキシヌクレオチドを投与したマウス
における標識変動。
方法の下に詳細を説明したように、1度“アンチセンス”ホスホロチオエート
、またはPBSで処理した。処理3週間後に、成畜雌性ラットから骨髄塗沫を作
製した。in situハイブリッド形成とエマルジョンオートラジオグラフィーを平
行して行った。提出された写真は、各処理グループからの1匹のマウスからアン
チセンスAChEcRNA、またはBChEcRNAでハイブリッド形成を行っ
た塗沫を表示している。すべてのマウスにおいて、AChEcRNAと比較して
、BuChEcRNAでは、標識の強度が低いこと、そしてPBS注射マウスに
比べて、処理されたマウスにおいては、標識強度の減少に注意すること。
図11.対照とAS−CHE処理マウスからの巨核球におけるChEmRNAレ
ベルの調節。
PBS,AS−ACHEとAS−BCHEで処理したマウスについて、本文に
おいて詳細を述べたように、細胞あたりの顆粒の平均数において、未熟、前駆、
中間的と成熟巨核球におけるChEmRNAレベルを決定した。“センス”AC
hEmRNAとBuChEmRNAプローブが対照として用いられ、それらとハ
イブリッドを形成させた骨髄塗沫は、事実上標識されないままであった(頂部の
図における空のシンボルを参照のこと)。2つのcRNAプローブでの標識の発
達パターンにおける相違と、AS−CHEsで処理したマウスにおけるこれらの
標識化の減少に注意すること。
図12.AS−ACHEとAS−BCHE処理マウスからの巨核球集団における
細胞数の変化。
各骨髄塗沫についての巨核球の総計数を各処理グループ(N=4)内で平均し
、それらの標準偏差とともに示されている。偏差は、カラムの頂部に記してある
。総巨核球数とAS−ACHEについての変化した分別的細胞数に注意せよ。し
かし、PBS注射対照と比較して、AS−BCHE処理マウスではそうならない
ことに注意せよ。
図13.ChEmRNAのレベルは、AS−ACHE−処理マウスにおけるアク
チンのmRNA転写の正常なレベルによって観察されるように選択性である。
13A:AS−ACHE−処理、および非処理(PBS)マウスからのβ−ア
クチンmRNAの選択的PCR増幅。
総RNAを、製造者の使用説明書にしたがってRNasol法を使用して、AS−
ACHEホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド、または、PBSを注
射したマウスの骨髄から、総RNAを抽出した。ランダムヘキサマーをプライマ
ーとして使用し、1μgのRNAを逆転写した。その結果生じたcDNAを、マ
ウスのβアクチン特異的プライマー822(+)と996(−)を用い、〔Lapi
dot-Lifson,Y.,ら、Rroc.Natl.Acad.Sci.USA89:579−583
(1992)〕製造業者の使用説明書によって、RNA−PCRキット(Perkin
Elmer/Cetus)を使用して、PCR増幅を行った。PCRの条件は:変性:9
4℃,1分.(最初のサイクル3分);アニーリング:55℃、1分:伸長:7
2℃,1分.(最後のサイクル5分),35サイクル.PCR産生物(10%)
はエチジウムブロマイドで染色した1.6%アガロースゲル上で分析した。逆転
写酵素(+RT)の存在下で、AS−ACHEとPBS注射マウスにおいて、明
らかに、同様な量のβ−アクチンPCR断片(175bp)の存在に注意すること
。そして、反応混合物中に逆転写酵素が含まれなかった場合は(−RT)、その
不在に注意せよ。M,分子量マーカー(マーカーVI,Boehringer Mannheim;b
p.塩基対。
13B.マウスアクチン遺伝子の模式図的提示。マウスβ−アクチン遺伝子の
エキソン/イントロン構造に関連したアクチンcDNAのコード領域内のB22
(+)と966(−)の位置が示されている。N′とC′は、成熟蛋白質のアミ
ノ及びカルボキシル末端を表している。P(A),ポリアデニル化シグナル:(
)イントロンの位置。長さはkbで示されている。
図14.AS−オリゴデオキシヌクレオチドの原形質への蓄積。
蛍光性FITCtaqに共有結合で結合したAS−CHEDを、CFU−MEG
培養物に最終濃度4μMにおいて加え、2時間後および4時間後に、細胞を遠心
分離し、方法の下に詳細に説明したように染色した。Zeiss Axoplan顕微鏡
と×100Plan neofluar lenseを次に使用して、処理細胞内のAS−オリゴデ
オキシヌクレオチドの細胞下の局在を明らかにした。分析した細胞の型には、成
熟巨核球(A)、若く、分裂している巨核球と成熟した多形核細胞(B)、しか
もより小さい、それらの発達の初期の多形核細胞(C)が含まれる。発明の詳細な説明
本発明は、造血性骨髄細胞の発達を調節することができる合成ホスホロチオエ
ート化されたまたは部分的なホスホロチオエート化されたオリゴデオキシヌクレ
オチドに関する。
もっと詳細には、本発明は、巨核球造成を阻害するか、促進し、そして、造血
性骨髄幹細胞の発達を巨核球と赤血球から、分裂している幹細胞、マクロファー
ジと他の単核細胞へと脇道にそらせることができるホスホロチオエート化された
、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチド
に関する。
特に、本発明は、ヒトACHE(アセチルコリンエステラーゼ)、または2H
S(cdc2キナーゼ)の遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域に対し
て向けられ、すべてのヌクレオチドの間に、または4つの3′−末端ヌクレオチ
ドのみの間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有するアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドである合成オリゴヌクレオチドに関し、そして、ヒトBCHE(
ブチリルコリンエステラーゼ)遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域に
向けられ、またはCHED(cdc2同族体)遺伝子の5′−領域にむけられた
、4つの3′−末端ヌクレオチドの間にホスホロチオエートヌクレオチド間結合
を有するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである合成オリゴデオキシヌ
クレオチドに関する。
本発明による特異的合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドは以下の通
りである。
−式 5′−GGTATAATCTTCCAT-3′
を有するヒト2HS遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域に
向けられたすべてのヌクレオチド(AS 2HS−Ts)の間に、または4個の
3′−末端ヌクレオチド(AS 2HS−S3)の間に、ホスホロチオエートヌ
クレオチド間結合を有するアンチセンス−オリゴデオキシヌクレオチド:
−式:5′−CTGCGGGGGCCTCAT-3′
を有するヒトACHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域
にむけられた、すべてのヌクレオチド(AS ACHE−Ts)の間に、または
4個の3′−末端ヌクレオチド(AS ACHE−S3)の間にホスホロチオエ
ートヌクレオチド間結合を有するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド;
−式:5′−GACTTTGCTATGCAT-3′
を有するヒトBCHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域
にむけられた4個の3′−末端ヌクレオチド(AS BCHE−S3)の間にホ
スホロチオエートヌクレオチド間結合を有するアンチセンスオリゴデオキシヌク
レオチド:そして、
−式:5′−TTTTCCCCAGTCAAT-3′
を有するヒトCHEDの遺伝子における5′の領域にむけられた、4個の3′−
末端ヌクレオチドの間に(AS CHED−S3)ホスホロチオエートヌクレオ
チド間結合を有するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである。
部分的にホスホロチオエート化されたオリゴデオキシヌクレオチドの方が望ま
しい。
ホスホロチオエート化された、および部分的にホスホロチオエート化された1
5量体オリゴデオキシヌクレオチドは、例えば、以下に続く例においてさらに詳
細に記述されるように、例えば、Applied Biosystem 380B DNAシンセサ
イザーを使用することによって合成することができる。
アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの濃度依存性を検べるために、そし
てそれらの毒性レベルを決定するために、巨核球産生骨髄培養を使用して、滴定
曲線を、本オリゴヌクレオチドのそれぞれについて得た。実験例1から分るよう
に、完全に(Ts)、そして部分的(S3)にホスホロチオエート化されたオリゴ
デオキシヌクレオチドAS−BCHE,AS−2HS,およびAS−CHEDは
、特異的にコロニー数を減少させた。しかし、S3オリゴデオキシヌクレオチド
は、それらのTs相当物よりも相当に毒性か弱かった。この例と図1と2から見
られるように、巨核球の分画は有意に減少した。そしてマクロファージの対応
した増加が、AS−BCHEとAS−CHEDについて観察されたが、AS−2
HS、またはS−BCHE処理については観察されなかった。このように、本発
明のアンチセンスBCHEとCHEDオリゴデオキシヌクレオチドは、巨核球の
生産性を減少させ、マクロファージの生成を促進することができる。
その上、熱力学的特性、2量体形成、水素結合、分子内ハイブリッド形成のよ
うな種々のオリゴデオキシヌクレオチドのいくつかの分子パラメーター、ならび
にコロニー形成を阻害するそれらの潜在能力を決定した。結果は、実験例2に与
えられている。
巨核球産生条件下での細胞培養における本発明のオリゴデオキシヌクレオチド
の効果を赤血球造成条件下の細胞培養でのそれらと比較した。注目すべきことに
、巨核球の造成は、巨核球造成条件下で、AS−ACHEとAS−BCHEの両
者によって効率的に阻害されたが、一方、赤血球造成条件では、細胞増殖の促進
が、AS−ACHEについて観察され、コロニー数の10倍の増加を起し、巨核
球の分画の増加を伴った。発明者の知る限りでは、in vitroでのオリゴデオキシ
ヌクレオチド処理による細胞増殖の誘発は、出願の期日までには示されていない
。結果は、実験例3に与えられている。
その上、本発明の異なるオリゴデオキシヌクレオチドは、同等なコロニー数に
よって検討された特異的な効果を示す。培養において低濃度における(2μM)
AS−ACHE処理は、CFU−MEC(巨核球造成)条件下では、巨核球の選
択的減少を、そしてCFU−GEMM(赤血球産生)条件下では、赤血球の減少
を伴った。AS−ACHEでの培養における比較的高い濃度での処理においては
(12μM)、培養で観察されたように、赤血球造成条件下では、巨核球の数を
さらに増加する。培養における4μMの濃度でのAS−BCHEでの処理は、巨
核球造成、および赤血球造成条件下で、ともに巨核球造成を減少したが、S−B
CHEではそうならなかった。結果は実験例4に与えられている。
in vivoにおける実験では、AS−ACHEでの処理に続き、望ましい幹細胞
を含むリンパ球の増加を示す。その効果は、特異的で濃度依存性であり、AS−
ACHEの1回注射後、3、および6週間で観察されたが、S−ACHEオリゴ
デオキシヌクレオチドではそうならなかった。赤血球の平行的減少が、この骨髄
細胞の組成の激しい変化に伴った。これらの重要な結果は、実験例5と8におい
て与えられている。
上記の効果は、未処理マウスにおける巨核球の成熟を通じての本発明のオリゴ
デオキシヌクレオチドで処理した後変化を受けたCHEmRNAのレベルの増加
によってさらに実証される。結果は実験例6と7に与えられている。
本発見から、本発明の合成ホスホロチオエート化された、または部分的にホス
ホロチオエート化されたアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの低量でのin
vivo処理が、血小板の産生を調節することができることが示唆される。本発見
は、腹腔内注射されたAS−オリゴデオキシヌクレオチドの標的配列ばかりか、
他方では、巨核球の組成、そして/または総数に対する長期造血効果を示す。表
2において見られるように、他の造血性骨髄細胞の分画も、これらのアンチセン
スオリゴデオキシヌクレオチドによって影響される。
本発明者らは、in situハイブリッド形成を使用し、次いで、標識化の結果の
イメージ分析と統計学的処理を行った。この高分解能アプローチは、巨核球前駆
細胞から血小板を造成する成熟巨核球へ、AChEmRNAの20倍の増加とB
uChEmRNAのより穏やかな4倍の増加を示した。AChEとBuChEの
酵素活性は、これらのすべての発達段階において、共にみることが出来、明らか
に未標識の未熟細胞〔Bursteinら、(1980):PatinKinら、(1990)〕
においてさえみられる。しかし、組織化学的分析によっては定量化できなかった
。したかって、以下の例において提出された結果は、巨核球造成過程を通じて種
々のCHE遺伝子が相当な転写活性を受けることを暗示している。
哺乳動物の巨核球の造成におけるCHE遺伝子の複雑な制御からこれらの細胞
の発達において、AChEとBuChEについての紛れもない役割りが示唆され
る。この概念は、AS−CHE処理とそれらの例において示されるように、処理
されたマウスにおける巨核球の数と組成に対する効果によって強化される。さら
に、これらの知見は、オリゴデオキシヌクレオチドに基づいた治療的調製物を使
用したCHEの遺伝子の発現の選択的阻害のためのin vivoの範例の発展にむか
っての最初の段階を提供している。最後に、今回の観察によって、in vivoにお
ける血小板の産生は、コリン作動性のシグナル形成によって制御されていること
が示唆される。IL3−処理細胞培養とin vivoの両方におけるAS−BCHEの
発達の抑制の程度は、培養と、in vivoで同様でない可能性があるが、培養には
存在していなかったエリスロポイエチンは、もっぱらAS−BCHEの効果を変
更しないことが示唆される。
AS−ACHEは、BuCHEmRNAのレベルには、中程度に影響するが、
その標的mRNAを選択的に抑制する。対照的に、AS−BCHEはBuChE
mRNAに対しての方がより効率的であるが、CHEmRNAとBuChEmR
NAをともに減少させる。以前の培養試験は、AS−BCHEによる巨核球の産
出の一般的な阻害を示した〔Patinkinら、(1990)〕。しかし、AChEm
RNAに対するその効果は有意である:それは、厳密に特異的なサブグループに
属することが測された細胞中に現れたので、AChEmRNAは、巨核球造成の
一般的な減速のためであるとすることはできない。これは、順次、発明者が、成
熟巨核球と定義したものにおけるAChEmRNA標識の変動性をさらに明らか
にしている。このように、細胞は、恐らくこれらの細胞では、核の分裂と発達が
止ることを確保するために、加齢とともにAChEmRNA分子を蓄積するよう
に見える。
血液と免疫系疾患に対する治療プロトコールを改善するであろう化合物と方法
を提供することが、本発明の目的である。移植される骨髄において、幹細胞の分
画を増加させることは、移植骨髄が未だ効率的に十分増殖しておらず、受容者が
新鮮な血液の輸血を受ける必要があるときに、遅延時間を短縮する可能性がある
。受容者自身のあらかじめ凍結しておいた骨髄(例えば、骨髄は化学療法か放射
線療法を始める前に患者から抜きとることができる)を、本発明のオリゴデオキ
シヌクレオチドで処理すれば、移植操作の後に、免疫抑制を行うという現行の必
要性を避けるであろう。
現行の手順によれば、移植には、体重Kgあたり2×108の骨髄細胞が必要
である。1回の抜き取りでは、10−15mlの骨髄組織が含まれる。このような
検体中の増殖幹細胞の数を増加させれば、移植の成績を改善するであろう。その
上、小さな種の検体は、このように、かなりな大きさの細胞集団に生育させるこ
とができる。このような種培養は、例えば、へその緒から調製することができ、
HLAの型を決定し、必要となるまで凍結保存ができるので、これは、将来の受
容者自身の細胞を貯蔵するために役立ちうる。
その上、本発明のアンチセンス−オリゴデオキシヌクレオチドは、免疫抑制手
順において使用するために、潜在的に重要である。薬理学的薬剤による免疫機能
の修飾は、特に、同種移植に必要な臨床手順において、治療の主要な領域として
出て来ている。免疫応答の活性化や抑制は、ともに、マクロファージのような貧
食細胞による“自己”または“非自己”抗原の処理が含まれていると考えられる
〔このトピックの包括的な総説については、Paul,W.E.,Fundamental Immu
nology,2nd Ed.,Ravan Press,N.Y.1989を参照のこと〕。そのため
、造血の合理的な調節は、移植手順にとって価値があるはずである。このように
、AS−2HSの投与の結果生ずる効果のような、マクロファージ産生の抑制は
、拒絶反応を選択的に減少させると考えられる。その上、AS−ACHEによる
幹細胞産生の誘発は、分化していない細胞の分画を増加させる。これらの細胞の
なかには、拒絶反応の原因である組織適合抗原をまだ提示していない細胞がある
。したがって、造血一般を抑制するAS−2HSとAS−ACHEの併用は、受
容者、移植器官または組織のレベルにおいて、そしてこれがあらかじめ知れてい
る場合には、ドナーレベルにおいても有用である。後者の場合では、示唆された
処理は、前もってドナーの中に拒絶の過程の原因である表現型に欠けているマク
ロファージを造り出すと考えられる。様々なアンチセンスオリゴデオキシヌクレ
オチドの厳密に調節された量が、これらの混合物処理に必要となろう。すべて治
療目的次第で、投与経路、およびin vivoで使用されるときには患者の状態で決
まる。したがって、主治医が、最適の治療効果をうるために必要な用量を滴定し
、投与経路を修飾することが必要となると思われる。治療の進展は、従来使用さ
れている血液学的検定、または実験室用細胞計数装置によって容易にモニターで
きる。適当な出発治療用量は、本発明中に記述されたin vitroの効果試験から外
挿することができる。
本発明の重要な特徴は、オリゴデオキシヌクレオチドが、灌流(器官用に)、
または単純な皮下、筋肉内、静脈内、または腹腔内(患者用に)に投与すること
ができ、それらの効果が、少くとも数週間続くということである。S3アンチセ
ンスオリゴデオキシヌクレオチドの限られた毒性は、それらの治療的使用のため
に特別重要である。
本発明は、本発明のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの少くとも1つ
、または該オリゴデオキシヌクレオチドの少くとも2つの混合物、および通常溶
液の形で生理学的に容認できる担体、賦形剤、または安定剤を含む医薬組成物を
提供する。容認できる担体、賦形剤は、使用される用量と濃度において、受容者
にとって毒性がなく、そしてホスフェートバッファー化食塩水、および同様な生
理学的に容認できるバッファー、そして、もっと一般的には、この分野の技術で
知られているすべての適当な担体を含む。組成物は、随意的にさらに、抗酸化剤
、モノ、およびジサッカライド;ナトリウムのような塩形成の対抗イオン、そし
て/または、非イオン性界面活性剤を含むことがある。徐放性の組成物もこの出
願の範囲内で考えられている。これらには、フィルムやマイクロカプセルのよう
な形をもった物質の形で半透過性重合マトリックスが含まれることがある。本発
明のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドと組成物は、無菌でなければなら
ない。例 (I)
材料と方法
(1) アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの合成
オリゴデオキシヌクレオチドは、製造業者の説明書にしたがって、同じ会社か
らのホスホロアミダイトを使用して、Applied Biosystem 380B DNAシン
セサイザー上で合成した。それらは、Watersの自動化グレーディエントコントロ
ーラーと260nmにおいて操作されたモデル481UV分光光度計と組合せたWa
tersのdual pump 6000Aシステム上で、逆相HPLCによって精製した。5
′位を保護しているジメトキシトリチル基は、未だオリゴデオキシヌクレオチド
についていた。これは80%含水酢酸での標準法による処理によって除去された
。得られたオリゴデオキシヌクレオチドは、再びHPLCによってその純度をチ
ェックした。ホスホロチオエート基を組み込むために、ヨウ素を用いる酸化の工
程を3H−1,1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキシドとの反
応によって置き換えた〔Iyer,R.P.,ら、J.Org.
Chem.55:4693−4699(1990)〕。この処理は、オリゴデオキシ
ヌクレオチドを、ヌクレアーゼから保護した(Eckstein,F.,Ann.Rev.Bioche
m.,54:367−402(1985);Spitzer,F.とEckstein,F.Nucleic
Acids Res.,18:11691−11704(1988)〕。そして、in vivo
におけるそれらの持続性を延長する〔Woolf,T.M.,ら、Nucleic Acid Res.
,18;1763−1769(1990);Shaw,J.P.,ら、Nucleic Acid
s Res.,19:747−750(1991)〕。部分的保護が必要な場合では、
3H−1,2−ベンズチオール−3−オン1,1−ジオキサイドとの反応を最初
の3工程のみに行い、その後正規の合成を続けた。その結果得られた部分的に保
護されたオリゴデオキシヌクレオチドは、したがって、それらの3’−末端にお
いて、最後の3個のヌクレオチド間結合においてのみ、ホスホロチオエート基に
よってふさがれた。使用されたアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドは、そ
れぞれACHEmRNA〔Soreqら(1990)同上〕とBuCHEmRNA〔P
rodyら、(1987)同上〕におけるイニシエーターAUG領域を補足するため
にデザインされたAS−ACHE(5′−CTGCGGGGCCTCAT−3′)とAS−BC
HE(5′−GACTTTGCTATGCAT−3′)であった。やはり使用されたのは、ヒト
CHED遺伝子〔Lapidot-Lifson,Y.,ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89
:579−583(1992)〕の5′領域にむけられたAS−CHED(
5′−TTTTCCCCAGTCAAT-3′)とヒトcdC2HSキナーゼmRNA〔Nurse,N
ature(1986)〕におけるイニシエーターAUGコドンを補足するためにデ
ザインされたAS−2HS、(5′−GGTATAATCTTCCAT-3′)であった。アンチ
センスオリゴデオキシヌクレオチドは、−20℃で4mMの濃度で保たれ、マウス
にそれらを投与する前にホスフェートバッファー化食塩水中に希釈した。(2)
In vivo投与
AS−CHEとAS−cdc2オリゴデオキシヌクレオチドの腹腔内投与は、
ハミルトン注射筒を用いて遂行した。量は、AS−CHEsの最終濃度が5μg
/gr体重になるように、そして、注射した容量が10μg/gr体重を越えないよ
うに、細胞培養の前の実験〔Patinkinら、(1990);Lapidot-
Lifsonら、(1992)〕によって計算した。注射したマウス上には、毒性効果
は観察されず、マウスはすべて正常に挙動し、体重の減少を示さなかった。より
高い濃度が使用されたときは何時でも、断り書きをし、投与手順は同じであった
。(3)
ヒトAChEcRNAとBuChEcRNAのin vitro合成のための転写 ベクター
ヒトAChEcRNA(長さ1.5kb;クローンnohEEL,Soreqら、199
0)を、EcoRI部位において、T7とSP6バクテリオファージからのRN
Aポリメラーゼ結合部位を含むpGEM−7ZF(+)プラスミド(promega)
中にサブクローンした。それぞれ、アンチセンスAChEcRNAまたはセンスA
ChEmRNAを産生するためにSP6またはT7RNAポリメラーゼでのin v
itroのRNA転写を使用した。ヒトBuChEcDNA(長さ2.2kb;Soreq
ら、1989)を、T7とT3のバクテリオファージからのRNAポリメラーゼ
の結合部位を担っているBluescript SP(+)プラスミド(Stratagene)中へ
PstI/EcoRV制限酵素部位においてサブクローンした。T7とT3RN
Aポリメラーゼでのin vitroRNA転写を用いて、このベクターからそれぞれ“
アンチセンス”BuChEcRNAと“センス”BuChEmRNAを産生した
。(4)
in situハイブリッド形成のためのリボプローブの調製
アマシャムRPN2006キットとベーリンガー(マンハイム)のRNAポリ
メラーゼを用いて、in vitroで、RNA転写物を〔35S〕で標識した。AChE
のセンスとアンチセンスRNAプローブに対しては、それぞれ、Hind IIIとXh
oIで消化した線状プラスミドを、BuChEのセンスとアンチセンスRNAプ
ローブに対しては、それぞれApaIとSmaIで消化した線状プラスミドを用
いた。すべての操作は、製造業者の説明書にしたがって行った。放射線標識プロ
ーブのアルカリ加水分解を20分間行った。その結果得られた200−400の
塩基の長い断片を組み込まれていないヌクレオチドから〔Wilkinson D.G.,
ら、Cell,50:79−88(1987)〕によるセファデックスカラムクロマ
トグラフィーによって分離した。図1を参照。(5)
組織の調製とin situハイブリッド形成
骨髄を、エーテルで麻酔し、屠殺した6週齢の雌性のマウスの切開した大腿骨
からしぼり出し、実験手順〔Rentrop,M.,ら、Histochemical Journal18:
271−276(1986)〕中の細胞の喪失を防ぐために、3−aminopropylt
riethozyシラン(TESPA,シグマ)をコートした顕微鏡用スライド上で、単
層細胞として塗沫した。スライドを室温で2時間乾燥させ、4%パラホルムアル
デヒドで固定し(室温20分)、3倍で1回、1倍のホスフェートバッファー化
食塩水で2回洗浄し、エタノールシリーズを通して脱水し、風乾し、−20℃で
最長2週間まで貯蔵した〔Hogan,B.,ら、A Laboratory Manual,Cold Spr
ing Harbor Laboratory(1986)〕。in situハイブリッド形成スライドは、
再固定、非特異的プローブ結合を減少させるために、0.2M HClで20分
間のインキュベーション、プロテナーゼKで処理、アセチル化と記述したように
脱水〔Rangini,Z,ら、Mechanisms of Development,35:13−24(19
91)〕を行った。ハイブリッド形成は、チオ−ATPを加えなかったことを除
けば、Ranginiら(1991)にしたがって、〔35S〕−CHERNA(スライ
ドあたり約1×10-7cpm)の存在下で行われた。暴露は6時間行われた。対
比染色は、May-Grunwald Giemsaで行われた。(6)
顕微鏡によるイメージ分析と統計学的データ処理
in situハイブリッド形成の成績は、単一スライド自動式ステージ、自動的フ
ォーカス、および60×プラン アポ油浸対物レンズを備え、インターフェース
を通して、Magiscan Image Analysis顕微鏡コントローラー(Applied Imaging I
nternational Ltd.Dukesway,U.K.)に連結しているNikon Microphot顕微鏡
を使用して分析された。イメージ分析はソフトウェアパッケージ“GENIAS
”によって行われた。それは、銀粒子を計数し、細胞のパラメーターを測定し、
そして粒子の細胞との会合を評価する。次に、データ管理を“GENIAS”と
対象領域、および種々の統計学的仮説テストに対する視野測定から得られたデー
タの統計的有意性を検査する(Applied Imaging,U.K.)。簡単に述べると
、検査した巨核球の単色イメージを、赤のフィル
ターを使用して捕え、対照を改善した。銀の粒子と細胞は異なる焦点面にあるの
で、粒子は、それらの最善の分解能が要求されるので、正確にフォーカスされた
。粒子の数は、それらと暗さに基づいて自動的に検出された。そして、粒子のイ
メージに含まれた高頻度のノイズの情報は、自動的に差し引いた。測定されるべ
き細胞の境界は、手動で描かれ、その後粒子を計数し、各細胞毎に別別に測定し
た。背景の粒子密度を平行的に測定し、実験結果から差し引いた。集めたデータ
には、細胞数、パラメーター(細胞の面積の測定)、細胞あたりと単位面積あた
りの粒子の数、およびこれらのパラメーターの間の変動の統計的有意差が含まれ
ていた。提出されたデータは、別々のin vivo処理についての平均の結果であり
、異なる発達段階にある約40の巨核球が、処理あたり4匹の異なるマウスから
の骨髄調製物においてChEcRNAプローブの各々で解析された。(7)
アンチセンスオリゴヌクレオチド処理、半固体骨髄培養の分別的細胞解析
CFU−MEGコロニーを育てるために、8−12週齢のエンドトキシン−抵
抗性C3H/HeJマウスの大腿骨と脛骨からの骨髄細胞を、インターロイキン
3(IL3)の源として、WEHI−3細胞のための10%のならし培地、1%
BSA、10-4Mチオグリセロール、および1%メチルセルロース(巨核球造成
条件−CFU−MEG)を含むLPM合成培地(Biological Industries,Beit
,HaEmeK,Israel)中で培養した。
赤血球造成条件を得て、CFU−GEMMのコロニーを育てるために、2.8
×10-4M鉄飽和ヒトトランスフェリンと2単位のエリスロポイエチン(EPO
,1,000U/mg/ml)を加えた(CFU−GEMMの条件)。
両培養型について、0.5−1.0×10-5細胞/mlを、35mmのペトリ皿(
Nunc 1008)、または24穴細胞培養用Costerプレートに平板を流し込み、
37℃,5%CO2下、それぞれCFU−MECとCFU−GEMM条件につい
ては、高湿度で4日または8日間インキュベートした。オリゴデオキシヌクレオ
チドを、表示最終濃度1−20μMにおいて、培養の開始にあたって添加した。
センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む血清不在のメチルセル
ロース培養において生育したコロニーを引き伸ばしたパスツールピペットで拾い
上げ、ホスフェートバッファー化食塩水(PBS)中でCytospin(Shandon2)
によって(×500gにおいて5分間)遠心分離して濃縮し、May-Grunwald Gie
msaで染色し、顕微鏡的に分析した。次に、認められた数の独立した実験から回
収された総細胞数中で代表された各細胞分画を定量した。首尾良い対照実験から
、対照(オリゴなし)培養において観察された場合と本質的に同一である分布が
明らかになり、非特異的毒性がないことが示唆された。各データセットに対して
少くとも500の細胞が計数された。
また、各実験について、CFU−GEM、またはCFU−MEGGの総数が検
査したオリゴデオキシヌクレオチドの存在下で、4日または8日後に、Zeissス
テレオズーム双眼顕微鏡において決定された。コロニー数は、直接、または対照
、すなわち、未処理の培養の総数の百分率としてプロットされた。データは、特
にことわりがない限り、それぞれの場合における3つの独立した実験の平均±平
均の標準の評価(S.E.M.)を代表している。(II)
実験と結果 (1)
AS−オリゴデオキシヌクレオチドとそれらの毒性レベル
AS−オリゴデオキシヌクレオチドの効果の濃度依存性を検討し、それらの毒
性レベルを決定するために、巨核球産生性骨髄培養を使用して、用いられたオリ
ゴデオキシヌクレオチドのそれぞれについて滴定曲線を導いた。本目的のために
は、IL3で処理したネズミの骨髄細胞培養物は、増加しつつある濃度の完全に
ホスホロチオエート化されたか、(Ts)か、最後の3′ヌクレオチド結合(S3
)において部分的に保護されたオリゴデオキシヌクレオチドのいずれかの最終濃
度が10μMのオリゴデオキシヌクレオチドの存在下で4日間成育させて、コロ
ニー数を記録した。CHED,BCHE,または2HSをふさいでいるTsオリ
ゴデオキシヌクレオチドは、すべてコロニー数を有意に減少させることが判明し
た。しかし、いずれの細胞においても、相手のハイブリッドを形成できる鎖がな
いS−BCHEオリゴデオキシヌクレオチドも、5μMより高い濃度において、
コロニー数を減少させ、培養におけるコロニー形成に対するこのようなオリゴデ
オキシヌクレオチドの非特異的阻害効果が示さ
れた。これは、順次、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドも非特異的阻害
成分を含むかもしれないことを示唆している。この仮説は、同じヌクレオチド配
列を有するS3オリゴデオキシヌクレオチドは、一般的に培養のそれぞれにおけ
るそれらのTs相対物よりもはるかに毒性が弱いという観察によって増強された
。非特異的ホスー阻害は、このように、これらのオリゴデオキシヌクレオチドの
ホスホロチオエート成分に関連していることが示された。
S3とTsオリゴヌクレオチドの効果を比較するために、分別細胞計数が5μM
の最終濃度で、S3とTsAS−BCHEオリゴデオキシヌクレオチドについて行
われた。巨核球分画における有意な減少とマクロファージの対応する増加が、両
オリゴデオキシヌクレオチドについて、同様に観察された。図1Bは、このよう
な培養からの代表的な視野を示し、図2は、ヒストグラムの形で5μMのTs,
BCHE,CHED,または2HSについての分別細胞分画を提示している。分
別計数分析は、Ts、またはS3のいずれにせよ、検討したアンチセンスオリゴデ
オキシヌクレオチドの各々は、巨核球造成過程を調節する能力を保持しているこ
とを示した。非特異的毒性効果は、非選択的であるように思われ、すべての細胞
系に影響する。このことは、順次、コロニー数に対する減少効果の一部は、アン
チセンスオリゴデオキシヌクレオチドのホスホロチオエート特性のための非特異
的阻害による仮説を強調する。(2)
検討したオリゴデオキシヌクレオチドの分子的パラメーターと毒性
検討されたオリゴデオキシヌクレオチドの主要ヌクレオチド配列とそれらの変
動する毒性(巨核球造成条件下での骨髄のコロニー形成を阻害する活性)効果の
間の相関を探索するために、いくつかの分子パラメーターを決定した。これらに
は、それらの熔融温度(Tm)、ヌクレオチドの百分率組成、それらの生理学的
条件下でダイマーを形成する傾向、およびこれらのオリゴデオキシヌクレオチド
が、それら自身の内部において形成することがある任意のループ構造が含まれて
いた。特に、発明者は、これらのオリゴデオキシヌクレオチドにおける4個の3
′−末端ヌクレオチド(したがって、最後の3個のヌクレオチド間結合)が、分
子内構造に関与している可能性を検討した。この解析(図3)により、3個の3
′−末端結合の分子内ループを形成する能力と5−
10μMの濃度における相当するAS−オリゴデオキシヌクレオチドの相対的な
毒性の間の直接的な関係が明らかとなった。このように、それらの3′末端にお
ける分子内ルーピングの傾向がないAS−オリゴデオキシヌクレオチドは、毒性
が弱い傾向があるが、培養細胞においては同様に効果的であるであろう。この時
点で、他の人々の研究によって、AS−オリゴデオキシヌクレオチドのinvivoで
の延長を示したことは、注意することが重要である〔Agarwal,ら、(1991
)同上〕。恐らく、循環から外来のAS−オリゴヌクレオチドを除く掃除機作と
して有用なこの過程は、付着したオリゴヌクレオチドの自由な末端の存在に依存
している。したかって、この重要な位置における部分的なホスホロチオエートに
よる保護は、これらのAS−オリゴデオキシヌクレオチドの安定性を確保するに
足ると考えられ、その上、DNA−mRNAハイブリッドに関与していないとき
は、これらの化合物の自然の掃除による除去を助けることによってそれらの非特
異的毒性効果を減少させることができる。(3)
検討したオリゴデオギシヌクレオチドの巨核球造成と赤血球造成条件下で の効果
上に詳細を述べた特異的AS−オリゴデオキシヌクレオチド効果が、コリン作
動性シグナル形成の損傷のために起ると仮定し、AChEコード配列における〔
Soreqら、(1990)同上〕AUGコドンの領域にわたる15′ヌクレオチド
にしたがって、平行オリゴデオキシヌクレオチドを調製した。3′−末端をふさ
いだ3個のヌクレオチド間結合(すなわち、それらのS3型において)を含むよ
うに、センスとアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドがともにデザインされ
、それらの分子特性が、同様に解析された。分子内ループにおける3′−関与が
存在しないことが、デザインしたオリゴデオキシヌクレオチドのコンピューター
解析によって確証された。そして、上に述べたBuChEと平行に、細胞培養に
おいてこれらのAChEオリゴデオキシヌクレオチドを使用したさらなる実験を
、急遽行った。
細胞培養のアプローチを深めるために、骨髄細胞をIL3だけとともに(すな
わち、CFU−MEGコロニーのみを誘発する巨核球造成条件)、またはトラン
スフェリンおよびエリスロポイエチンの添加も行われた。(すなわち、赤
血球産生条件、その条件では、CFU−GEMMも発現すると思われる。但し、
GEMMは、顆粒球、赤血球マクロファージ、および巨核球を意味する)。
この複合実験は、AS−ACHEとAS−BCHEはともに巨核球を効率的に
阻害したが、しかし、種々の効率においてであった。AS−ACHE(しかし、
S−ACHEではそうならない)は4μMの濃度ですでに効果があり、コロニー
の約50%を阻害した。これと対照的に、AS−BCHEは、4μM以上の濃度
では、コロニー形成のわずか30%のみを阻害した。両方の場合において、セン
スS3オリゴヌクレオチドは全く毒性がなく、AS−オリゴデオキシヌクレオチ
ド、AS−オリゴデオキシヌクレオチドによっておよぼされた阻害効果が選択的
で特異的であることが示唆された。
CFU−GEMM培養においては、AS−ACHEについて反対の効果が観察
され、10μMの最終濃度では、コロニー数の劇的な3−倍増加が誘発された。
それと対照的に、AS−BCHEは、この濃度においては効果がなかった。興味
深いことに、AS−ACHEの存在において生育したCFU−GEMMコロニー
は、サイズが小さく、対照条件下で生育した平行コロニーよりも多くの小さい細
胞から成立っていた。これらのコロニーの全細胞数は、対照と比べてAS−AC
HEコロニーについての細胞数の2倍の増加が明らかになった。
図5は、両条件下での検討されたオリゴデオキシヌクレオチドの滴定効果を提
出している。(4)
分別コロニー計数による検討オリゴデオキシヌクレオチドの特異性の決定
オリゴデオキシヌクレオチドの効果の特異性は、比較分別計数によってさらに
試験された。このようにして、S−ACHEと較べて、AS−ACHEについて
観察されたコロニー計数の変化は、CFU−MEG条件下では、巨核球の選択的
減少、両実験条件のセット下では、巨核球と赤血球の減少が伴い、すべては、最
終濃度2μMの極めて低濃度で起った。平行実験においては、AS−BCHEは
4μMの濃度で、両セットの実験的条件下で、巨核球の産生を減少させたが、S
−BCHEはこの効果がなかった。オリゴデオキシヌクレオチド(なし)の不在
下で生育した培養物は、すべて対照として役立った。図6(A1,A2)は、こ
れらの細胞の分画をヒストグラムの形で提出している。赤血
球造成の条件下と12μMの濃度では、AS−ACHはさらに、細胞培養実験に
おいて観察されたように、赤血球と巨核球の数を減少することも注目すべきであ
る。(5)
in vivoにおける骨髄細胞に対するAS−ACHEの効果
これらの研究を、in vivoの状況に拡大するため、実験室で育てた野生のマウ
スの出生48時間後に、PBSに溶解した5、または25μg/grのTsオリゴ
デオキシヌクレオチドを腹腔内に注射して、3週間後に骨髄を検べた。表1に、
この実験の結果が提出されており、図6には、骨髄塗沫の代表的顕微鏡写真図が
示されている。
赤血球分画はin vivoでも明らかに減少したが、それに対して、リンパ球(幹
細胞を含む)は、相当に増加した。S−ACHEは効果がなかった。
in vivoでの数が少ないため、巨核球は計数できなかった。しかし、in vivo効
果は、培養条件で測定した場合と比べて、比較的温和であると思われるが、これ
らの知見は、in vitroで測定したAS−ACHEの効果は事実真の効果であり、in
vivo条件の下でも、このオリゴデオキシヌクレオチドの効果を反映している
ことを示している。
骨髄塗沫のin vivo分析における“リンパ球”と定義された分画は、増殖して
いる幹細胞を含むことに注意すべきである。しかし、in vivoのアプローチでは
、分裂しつつある幹細胞の計数ができない。それと対照的に、培養実験における
細胞数と分別細胞組成は、若い、明らかに分裂しつつある細胞の分画の増加を示
した。このように、培養実験とin vivo実験は、処理の期間、その効果、および
その特異性についての重要な情報を提供する上で、互に相補的である。特に、A
S−オリゴデオキシヌクレオチドの細胞分裂を増強する能力が重要である。(6)
未処理マウスにおける巨核球を通じてのChEmRNAレベルの増加
In situハイブリッド形成は、pGEM−7ZF(+)AChEcDNAプラ
スミドと、Bluescript sk(+)BuChEcDNAプラスミドから転写された
アンチセンスChEcRNAプローブとセンスChEmRNAプローブを使用し
て、Sabraマウスからの骨髄塗沫について行った(図1)。骨髄細胞塗
沫は、リンパ球様の、および赤血球系の細胞、ならびに異なる発現段階の巨核球
を誘発した。アンチセンスプローブでの有意な標識化は、巨核球についてのみ現
れ、これらの細胞におけるCHE遺伝子の集中的発現が示唆された。対照、セン
スプローブでの標識化は、塗沫全体を通じて無視できる程度であり、ハイブリッ
ド形成反応の特異性が示された。4個までの核をもった未熟な巨核球は、一般的
に標識されないで現れた。3つの後期の分化段階におけるマウス巨核球のChE
mRNAレベルを反映している銀の粒子の分布をMagiscan分類にしたがって決定
された。すなわち、以下の (A) (B) (C) への分類である。
(A)4−8個の核を有し、細胞の直径14−20μMであり、核より小さい
原形質をもつ巨核球;
(B)8−16の核と大きさが核と等しい原形質であり、直径が>20μmの
中間細胞;
(C)16−64個の核と豊富な原形質を有し、細胞直径が>20μmの成熟
巨核球〔Courtney,M.,ら、Blood,77:560−568(1991)〕
図2は、低密度のBuChEcRNA標識と未処理動物におけるセンスACh
EmRNA、またはBuChEmRNAについての無標識と較べた高密度なAC
hEcRNAの標識化を示している。in situハイブリッド形成の前に、RNア
ーゼ処理は、この手順(示していない)におけるすべての標識を完全に破壊し、
これらの反応がRNAに依存している証拠を提供していることに注目すべきであ
る。
上記の亜形の各々に属する巨核球は、それらの放射標識(20までの粒子、2
0と90の間の粒子など)にしたかって、さらにグループに分けられる。細胞あ
たりのAChEcRNAの粒子の数の変動は、それらの前駆体と比較して(Mazu
r,1987)成熟巨核球の生存期間が長いことにしたがって、巨核球の発達と
ともに増加することが見出された(図3)。(7)
アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを注射したマウスにおけるCH EmRNAレベルの変化
CHEの遺伝子の発現を、選択的に妨害するために、それぞれ、AChEmR
NAまたはBuChEmRNAのイニシエーターAUGコドン領
域に、相補的な15量体のアンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌク
レオチド5μg/gr重量を4匹のマウスに1回、または対照のためにPBSを注
射した。注射の3週間後に、骨髄塗沫をこれらのマウスのすべてから調製した。
各塗沫は、別々の部分に分け、各部分を2つのChEcRNAプローブの1つで
ハイブリッド形成を起した。エマルジョンオートラジオグラフィに6週間暴露し
た後、スライドを、ChEcRNAを含む細胞について、銀粒子を作り出すよう
に発展させた。標識は、AS−ACHEから調製した骨髄塗沫では減少し、AS
−BuCHE処理マウスにおいては、減少効果はさらに高かった。図4には、異
なった処理をしたマウスにおける変動性ChEmRNA標識を示す代表的な写真
を掲げてある。
銀粒子数(4匹のマウスのために、少くとも40細胞/検体と処理あたり2つ
のプローブ)のコンピューター化イメージ分析と統計処理から、対照のPBS−
注射マウスと較べて、AS−CHEを注射したマウスの2つのChEmRNAに
ついての異なる集積パターンが明らかとなった。
対照のマウスにおいては、巨核球前駆体から成熟巨核球へと、細胞あたりのA
ChEmRNAが20倍増加したが、一方、より低いBuChEmRNAは、中
間的、および成熟巨核球において検出できたに過ぎず、これら2つの巨核球の段
階においては、変化しないままであった(図5A)。
銀の粒子数(4匹のマウスのために少くとも40細胞/検体、及び処理あたり
2つのプローブ)はPBSを注射した対照マウスと較べて、AS−CHE注射動
物中の2つのChEmRNAについての発現パターンの異なる抑制を示した。処
理の3週間後にAChEmRNAとBuChEmRNAレベルは、AS−ACH
E−処理マウスからの成熟巨核球においては、それぞれ、約62と30%減少し
た。それと対照的にAS−BCH処理は、AChEmRNAとBuChEmRN
Aレベルを、ともに約66%減少させた(図4B)。統計学的分析によって、こ
れらの値に対して、5%の有意差レベルにおいて2方向性の分散が明らかとなっ
た〔Hoel,P.G.,Elementary Statistics,4th Ed.,John Wiley & Sones
,Inc.New York London(1976)〕。その上、発現の異なる段階のmRNA
sの抑制レベルは、図4Aの曲線の平均勾配によって示
されるように、異なるマウスにおけるAS−オリゴデオキシヌクレオチド処理の
性質に有意に依存しているように思われた。したかって、AChEmRNAは、
AS−ACHEが注射されたときは、AS−BHEよりもさらに有意に抑制され
た。そして、BuChEmRNAに対するAS−BCHEの効果は、AS−AC
HEよりもAS−BCHEの注射の後の方がより著しかった。全部まとめて、こ
れらのデータは、in vivoの効果、長期持続、及び2つのAS−CHEの効果の
間の相互関係を示している。(8)
AS−CHEsは、in vivoにおける巨核球の発現を調節する
異なるマウスからの骨髄塗沫のそれぞれにおける巨核球の全数は、AS−AC
HE処理マウス(N=78.2±18.6)においては、対照マウス(N=66
.5±4.4)に較べると幾分高いことが見出された。それと対照的に、AS−
BCHE処理したマウスの塗沫あたりの巨核球の数は、異なるマウス間で(N=
57.5±1.1)極めて限られた変動性をもって有意に低かった(N=57.
7±1.1)。骨髄の巨核球の分別細胞計数を、さらにMagiscanイメージ分析シ
ステムを使用して行った(図6)。中間細胞は、対照マウスにおいての巨核球の
全数の約85%を占め、成熟細胞は約10%を占め、そして、未熟、および前巨
核球が残りのマイナー分画の約10%を構成している(図6A)。中間細胞数の
減少と未熟と成熟巨核球の両方の分画の拡大が、AS−ACHE処理マウスにお
いて観察されたが(図6B)、一方、AS−BCH処理マウスは、巨核球のサブ
タイプの明らかに正常な組成を示していた(図12)。このように、AS−AC
HE処理は、巨核球造成において一般的な増強を誘発し、in vivoにおいては、
巨核球造成過程のゆがみを伴った。それと対照的に、AS−BCHは、分別細胞
数に影響することなく、巨核球造成を抑制し、それが巨核球の造成の早い段階を
阻害するか、またはすべての段階を同様に抑制するかのいずれかであると示唆さ
れる。(9)
AS−オリゴデオキシヌクレオチドによる1つのChEmRNAの一次抑 制は、そのCounterpart(かたわれ)ChEmRNA型の2次阻害につながる。
AS−ACHE−処理と、対照、すなわちPBSを注射したマウスからの骨髄
のDNAを、マウスアクチンプライマーでポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
を使用して、直接増幅にかけた。図13に示されているこの分析によって、処理
したマウスと対照マウスには、明らかに同様なレベルの増幅アクチンcDNA断
片が明示され、AS−オリゴデオキシヌクレオチド処理は、骨髄における転写を
一般的に完全に破壊しないことを示している。分析された骨髄塗沫における分別
細胞計数は、さらに約40%の赤血球細胞、27%の顆粒球、17%のリンパ球
と幹細胞、13−14%の骨髄細胞、および健康な動物の特長で正常な成分であ
る2−3%の抗酸球の明らかに正常な組成物が、AS−ACHE−処理対照動物
について明示された。このようにして、AS−オリゴデオキシヌクレオチド処理
は、この分析が行われたときには、造血性組成にとっては明らかに無害であり、
AS−ACHEによるBuChEmRNAの間接的な抑制、そしてしかもAS−
BCHCによるAChEmRNAのさらに効率的な抑制は、これらのAS−オリ
ゴデオキシヌクレオチド処理の各々の選択的に誘発された2次効果を反映してい
ることが示唆された。(10)
AS−オリゴデオキシヌクレオチドの原形質への蓄積はそれらの重要な役 割としての転写後の調節を示唆する
図14を参照して、輝いた視野と蛍光写真を比較すると、原形質の豊富さと蛍
光シグナルとの明らかな関係が浮きぼりにされる。このように、成熟巨核球は比
較的多量のFITC−標識AS−CHED(A)を蓄積した。それに対して、若
い巨核球は、有意に低い強度の蛍光を示した(B)。そして、多形核細胞は、さ
らに低い光度の蛍光を示した。若い、及び成熟した巨核球と多形核細胞は、FI
TC−AS−CHEDを明らかに同様な効率で取り込むことができ、この取り込
みの過程を可能にする仮定上の受容体は、これら両方の細胞型の発現の初期に現
れ、その生涯を通じて発現される。最も重要なことであるが、この分析によって
蓄積したFITC−AS−CHED(それはそのホスホロチオエート組成におい
てS3であった)の核外放出が起ることが証明された。したがって、取り込まれ
た化合物の大半は、処理細胞の原形質に蓄積し、そこでそれは、成熟CHEDm
RNA種とハイブリッド形成をすることができたが、CHED遺伝子、そして/
または、その発生期のプロセスにかけていない核mRNAの転写物とはハイブリ
ッド形成を行うことができなかった。その上、
原形質のFITC蛍光も、巨核球において培養4日後にも検出することができ(
D)、AS−オリゴデオキシヌクレオチドは、この亜細胞性部位に少くとも数日
残っていることが示唆された。蛍光シグナルの特異性は、順次、このようなシグ
ナルが、FITC−オリゴデオキシヌクレオチドが加えられなかった培養中の若
い、そして発達した巨核球、多形核細胞、およびマクロファージにこのようなシ
グナルが存在しないことによって証明された(E,F)。
原形質のシグナルに加えて、FITC−標識AS−オリゴデオキシヌクレオチ
ドは、細胞表面より大きなシグナルを発する。その結果、細胞の直径は蛍光下で
の方がbright field photography(輝いた視野の写真)よりも大きく見えた(図
14のA−Dを比較のこと)。これは、全実験期間中、処理した細胞の表面にわ
たって存在するすべて利用可能な受容体の絶え間ない占有を意味するのであろう
。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項
【提出日】1993年9月6日
【補正内容】
請求の範囲
1.造血性骨髄細胞の発現を選択的に調節することができるホスホロチオエー
ト化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシ
ヌクレオチド、その場合、完全にホスホロチオエート化されたオリゴデオキシヌ
クレオチドは、ヒトACHE(アセチルコリンエステラーゼ)遺伝子にむけられ
ている。
2.巨核球造成を阻害することができる請求項1に記載のホスホロチオエート
化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ
クレオチド。
3.巨核球造成を促進することかできる請求項1に記載のホスホロチオエート
化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ
クレオチド。
4.赤血球造成を阻害することができる請求項1に記載のホスホロチオエート
化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ
クレオチド。
5.赤血球造成を促進することができる請求項1に記載のホスホロチオエート
化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ
クレオチド。
6.血液造成骨髄細胞の発現を、巨核球と赤血球からマクロファージと単核性
細胞へと脇道にそらすことができる請求項1に記載のホスホロチオエート化され
たか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオ
チド。
7.ヒトACHE(アセチルコリンエステラーゼ)遺伝子におけるAUG開始
コドンにわたる領域にむけられたアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドであ
り、ヌクレオチド塩基間を連絡しているホスホロチオエート結合を有する請求項
1〜6のいずれか1つに記載の合成オリゴデオキシヌクレオチド。
8.ヒトACHE(アセチルコリントランスフェラーゼ)遺伝子、2HS(c
dc2キナーゼ)遺伝子、またはBCHE(ブチリルコリンエステラーゼ)遺伝
子におけるAUG開始コドンにわたる領域、またはヒトCHED(cdc2ホモ
ログ)における5′−領域にむけられたアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチ
ドであり、4つの3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエー
ト結合を有する請求項1から6のいずれか1つに記載の合成オリゴデオキシヌク
レオチド。
9.式:5′−GGTATAATCTTCCAT−3′
を有するヒト2HS遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域に
むけられた請求項8に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成アンチセ
ンスオリゴデオキシヌクレオチド。
10.式:5′−CTGCGGGGGCCTCAT−3′
を有するヒトACHE遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域にむけられ
た請求項7に記載のホスホロチオエート化合成アンチセンスオリゴデオキシヌク
レオチド。
11.式:5′−GGTATAATCTTCCAT−3′
を有するヒト2HS遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域にむけられた
請求項9に記載の4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチ
オエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年7月7日
【補正内容】
請求の範囲
1.造血性骨髄細胞の発現を選択的に調節することができる部分的にホスホロ
チオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチド、すなわち、ヒトACHE
(アセチルコリントランスフェラーゼ)遺伝子、2HS(cdc2キナーゼ)遺
伝子、またはBCHE(ブチルコリンエステラーゼ)遺伝子におけるAUG開始
コドンにわたる領域、およびヒトCHED(cdc2ホモログ)遺伝子の5′−
領域にもむけられた4個の3′末端ヌクレオチドの間を連結するホスホロチオエ
ート結合を有するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド。
2.巨核球の造成を阻害することができる請求項1に記載の部分的にホスホロ
チオエート化されたオリゴデオキシヌクレオチド。
3.巨核球の造成を促進することができる請求項1に記載の部分的にホスホロ
チオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチド。
4.赤血球造成を阻害することかできる請求項1に記載の部分的にホスホロチ
オエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチド。
5.赤血球造成を促進することができる請求項1に記載の部分的ホスホロチオ
エート化された合成オリゴデオキシヌクレオチド。
6.造血性骨髄細胞の発現を巨核球と赤血球からマクロファージと単核細胞へ
と脇道にそらせることができる請求項1に記載の部分的にホスホロチオエート化
された合成オリゴデオキシヌクレオチド。
7.式:
5′−GGTATAATCTTCCAT−3′
を有するヒト2HS遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域に
むけられた4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエー
ト結合を有する部分的にホスホロチオエート化された請求項1に記載の合成アン
チセンスオリゴデオキシヌクレオチド。
8.式:
5′−CTGCGGGGGCCTCAT−3′
を有するヒトACHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域
にむけられた4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエ
ート結合を有する請求項1に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成ア
ンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド。
9.式:
5′−GACTTTGCTATGCAT−3′
を有するヒトBCHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる4個
の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエート結合を有する
請求項1に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴ
デオキシヌクレオチド。
10.式:
5′−TTTTCCCCAGTCAAT−3′
を有するヒトCHED遺伝子における5′−領域にむけられた請求項1に記載の
部分的にホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオ
チド。
11.異常な造血性細胞の増殖を阻害することができる請求項7に記載の部分的
ホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド。
12.異常な血小板増殖を阻害することができる請求項10に記載の部分的にホ
スホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド。
13.骨髄細胞の検体において、幹細胞分画をin vitroで増加させることができ
る請求項8、または請求項9に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成
オリゴデオキシヌクレオチド。
14.同種移植されるべき器官の免疫応答を、in vitroで減少することができる
請求項8、または9に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデ
オキシヌクレオチド。
15.同種移植されるべき器官の免疫応答をin vivoで抑制することができる請
求項8、または9に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオ
キシヌクレオチド。
16.同種移植された器官の受容者の免疫応答をin vivoで抑制することが出来
る部分的にホスホロチオエート化されたオリゴデオキシヌクレオチド。
17.in vivoでマクロファージの産生を増強し、幹細胞を増加させることがで
きる請求項8、または9に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成オリ
ゴデオキシヌクレオチド。
18.悪性腫瘍、特に軟骨肉腫の成長を阻止することができる請求項1に記載の
部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチド。
19.請求項1に記載の部分的にホスホロチオエート化された少くとも1個の合
成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを生理学的に容認できる担体、また
は希釈剤中に含む医薬的、または医学的組成物。
20.該活性成分が、請求項1に記載の部分的にホスホロチオエート化されたア
ンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである請求項19に記載の組成物。
21.該活性成分が、式:
5′−GGTATAATCTTCCAT−3′
を有するヒト2HS遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域に
むけられた4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエー
ト結合を有する請求項1に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成アン
チセンスオリゴデオキシヌクレオチドである請求項20に記載の組成物。
22.該活性成分が、式:
5′−CTGCGGGGGCCTCAT−3′
を有するヒトACHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域
にむけられ、4個の3′−末端ヌクレオチド塩基間を連結するホスホロチオエー
ト結合を有する請求項1に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成アン
チセンスオリゴデオキシヌクレオチドである請求項20に記載の組成物。
23.該活性成分が、式:
5′−GACTTTGCTATGCAT−3′
を有するヒトBCHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域
にむけられ、4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエ
ート結合を有する請求項1に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成ア
ンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである請求項20に記載の組成物。
24.該活性成分が、式:
5′−TTTTCCCCAGTCAAT−3′
を有するヒトCHED遺伝子における5′−領域にむけられ4個の3′−末端ヌ
クレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエート結合を有する請求項1に記載
の部分的にホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレ
オチドである請求項20に記載の組成物。
25.該活性成分が、請求項7に記載の部分的にホスホロチオエート化された合
成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである異常な造血性細胞増殖を阻害
するための請求項20に記載の組成物。
26.異常な血小板増殖を阻害するための請求項25に記載の組成物。
27.該活性成分が、請求項8、または9に記載の部分的にホスホロチオエート
化されたオリゴデオキシヌクレオチドか、または少くとも2つの該オリゴデオキ
シヌクレオチドの混合物である骨髄細胞の検体中の幹細胞分画をin vitroで増加
させるための請求項20に記載の組成物。
28.該活性成分が、請求項8、または9に記載の部分的にホスホロチオエート
化されたオリゴデオキシヌクレオチドか、または少くとも2つの該オリゴデオキ
シヌクレオチドの混合物である移植されるべき器官の免疫応答をin vitroで減少
させるための請求項20に記載の組成物。
29.該活性成分が、請求項8、または9に記載の部分的にホスホロチオエート
化されたオリゴデオキシヌクレオチドであるか、少くとも2つの該オリゴデオキ
シヌクレオチドの混合物である移植されるべき器官の免疫応答を抑制するための
請求項20に記載の組成物。
30.該活性成分か、請求項8か、または9に記載の部分的にホスホロチオエー
卜化されたオリゴデオキシヌクレオチドであるか、少くとも2つの該オリゴデオ
キシヌクレオチドの混合物である同種移植された器官についての受容者の免疫応
答を抑制するための請求項20に記載の組成物。
31.該活性成分が、請求項8、または9に記載の部分的にホスホロチオエート
化されたオリゴデオキシヌクレオチドであるか、少くとも2つ以上の該オリゴデ
オキシヌクレオチドの混合物である、マクロファージの産生を増強し、幹細胞数
を増加させるための請求項20に記載の組成物。
32.該活性成分が、請求項1、または7に記載の部分的にホスホロチオエート
化された合成オリゴデオキシヌクレオチドであるか、請求項1、または7に記載
のオリゴデオキシヌクレオチドの少くとも2つ以上の混合物である悪性腫瘍の成
長を阻止するための請求項20に記載の組成物。
33.該悪性腫瘍が、軟骨肉腫である請求項32に記載の組成物。
34.このような治療が必要なとき、患者に請求項1に記載のオリゴデオキシヌ
クレオチドか、またはこのようなオリゴデオキシヌクレオチドの少くとも2つの
混合物、または請求項20に記載の組成物の治療効果のある量を投与することか
らなる、このような治療が必要な患者における造血性骨髄の幹細胞の発現を調節
する方法。
35.異常な造血性細胞増殖を阻害するための請求項34に記載の方法。
36.マクロファージの産生を増強し、幹細胞数を増加させるための請求項35
に記載の方法。
37.移植操作の後に、免疫応答とその結果生ずる組織の拒否反応を減少するた
めに、その器官を請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド、またはこのよ
うなオリゴデオキシヌクレオチドの混合物、または請求項20に記載の組成物に
同種移植に適切で適当な培養条件下で接触させることによって移植されるべき器
官、または組織における細胞分裂の特性をin vitroで調節する方法。
38.抜き取った骨髄の検体を、請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド
、またはこのようなオリゴデオキシヌクレオチドの混合物、または請求項20に
記載の組成物の効果的な量を適当な培養条件下で接触させることによって、移植
されることになっている骨髄細胞の検体中の幹細胞の分画を、in vitroで増加さ
せる方法。
39.検体を、請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド、またはこのよう
なオリゴデオキシヌクレオチドの混合物、または請求項20に記載の組成物の効
果的な量と適当な培養条件で接触させることによって、胚または胎児の骨髄細胞
を組織適合抗原がない生存状態において、細胞バンクに貯蔵する前に処理する方
法。
40.同種移植の操作手順における免疫応答を減少させるために、該ドナー/受
容者に、請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド、または少くとも2つの
このようなオリゴデオキシヌクレオチドの混合物、または請求項20に記載の組
成物の効果的な量を投与することによって、器官ドナー/受容者を治療する方法
。
41.このような治療が必要な患者に、請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレ
オチド、またはこのようなオリゴデオキシヌクレオチドの少くとも2つからなる
混合物、または請求項20に記載の組成物の治療に効果的な量を投与することに
よって、悪性腫瘍の患者を治療する方法。本治療は、腫瘍組織の細胞分裂を阻止
し、腫瘍を取り囲む良性細胞には効果を示さない。
42.軟骨肉腫の治療のための請求項41に記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ソレク,ヘルモナ
イスラエル国 75 238 リション レ
ジオン,タタボル ストリート 10
(72)発明者 ザクト,ハイム
イスラエル国 56 548 サブヨン,ハシ
ャルバ ストリート 22
(72)発明者 エクスタイン,フリッツ
ドイツ連邦共和国 ディー ― 3400 ゲ
ッチンゲン,ホルンデルシュテク 6
【要約の続き】
のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドと、それら
を含む医薬組成物は、異常な造血性細胞増殖を阻害し、
異常な血小板の増殖を阻害し、骨髄細胞培養における幹
細胞分画を増加させ、マクロファージの産生を増強し、
幹細胞数を増加し、移植されるべき器官の免疫応答を抑
制し、そして、悪性腫瘍の成長を阻止するのに適してい
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.造血性骨髄細胞の発現を選択的に調節することができるホスホロチオエー ト化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシ ヌクレオチド。 2.巨核球造成を阻害することができる請求項1に記載のホスホロチオエート 化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ クレオチド。 3.巨核球造成を促進することができる請求項1に記載のホスホロチオエート 化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ クレオチド。 4.赤血球造成を阻害することができる請求項1に記載のホスホロチオエート 化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ クレオチド。 5.赤血球造成を促進することができる請求項1に記載のホスホロチオエート 化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ クレオチド。 6.血液造成骨髄細胞の発現を、巨核球と赤血球からマクロファージと単核性 細胞へと脇道にそらすことができる請求項1に記載のホスホロチオエート化され たか、または部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオ チド。 7.ヒトACHE(アセチルコリンエステラーゼ)、または2HS(cdc2 キナーゼ)遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域にむけられたアンチセ ンスオリゴデオキシヌクレオチドであり、ヌクレオチド塩基間を連絡しているホ スホロチオエート結合を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の合成オリゴ デオキシヌクレオチド。 8.ヒトACHE(アセチルコリントランスフェラーゼ)遺伝子、2HS(c dc2キナーゼ)遺伝子、またはBCHE(ブチリルコリンエステラーゼ)遺伝 子におけるAUG開始コドンにわたる領域、またはヒトCHED(cdc2ホモ ログ)における5′−領域にむけられたアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチ ドであり、4つの3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエー ト結合を有する請求項1から6のいずれか1つに記載の合成オリゴデオキシヌク レオチド。 9.式:5′−GGTATAATCTTCCAT−3′ を有するヒト2HS遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域に むけられた請求項7に記載のホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリ ゴデオキシヌクレオチド。 10.式:5′−CTGCGGGGGCCTCAT−3′ を有するヒトACHE遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域にむけられ た請求項7に記載のホスホロチオエート化合成アンチセンスオリゴデオキシヌク レオチド。 11.式:5′−GGTATAATCTTCCAT−3′ を有するヒト2HS遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域にむけられた 請求項8に記載の4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチ オエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド。 12.式:5′−CTGCGGGGGCCTCAT−3′ を有するヒトACHE遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域にむけられ た請求項8に記載の4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロ チオエート結合を有する、部分的にホスホロチオエート化された合成アンチセン スオリゴデオキシヌクレオチド。 13.式:5′−GACTTTGCTATGCAT−3′ を有するヒトBCHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域 にむけられた4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエ ート結合を有する請求項8に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成ア ンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド。 14.式:5′−TTTTCCCCAGTCAAT−3′ を有するヒトCHED遺伝子における5′−領域にむけられた4個の3′−末端 ヌクレオチド間を連結するホスホロチオエート結合を有する請求項8に記載の部 分的にホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチ ド。 15.異常な造血性細胞増殖を阻害することができるそれぞれ請求項9か11に 記載のホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチ ド。 16.異常な血小板増殖を阻害することができる請求項14に記載の部分的にホ スホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド。 17.骨髄細胞の検体において、in vitroで幹細胞の分画を増加することができ る請求項10に記載の合成ホスホロチオエート化されたオリゴデオキシヌクレオ チドか、請求項12、または13に記載の部分的にホスホロチオエート化された 合成オリゴデオキシヌクレオチド。 18.同種移植予定の器官の免疫応答を、in vitroで減少させることができる請 求項10に記載のホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチド か、請求項12、または13に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成 オリゴデオキシヌクレオチド。 19.同種移植予定の器官の免疫応答をin vivoで抑制することができる請求項 10記載のホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチドか、ま たは請求項12、または13に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成 オリゴデオキシヌクレオチド。 20.同種移植器官の受容者の免疫応答をin vivoで抑制することができる請求 項10に記載のホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチドか 、または請求項12か13に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成オ リゴデオキシヌクレオチド。 21.in vivoでマクロファージの産生を増強し、幹細胞の数を増加させること ができる請求項10に記載のホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌ クレオチド、または請求項12、または13に記載の部分的にホスホロチオエー ト化された合成オリゴデオキシヌクレオチド。 22.悪性腫瘍、とりわけ軟骨肉腫の成長を阻止することができる請求項1に記 載の合成ホスホロチオエート化された、または部分的にホスホロチオエート化さ れたオリゴデオキシヌクレオチド。 23.請求項1に記載のホスホロチオエート化された、または部分的にホスホロ チオエート化された少くとも1つの合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチ ドを生理学的に容認できる担体、または希釈剤中に活性成分として含む医薬的、 または医学的組成物。 24.該活性成分が請求項7に記載のホスホロチオエート化されたアンチセンス オリゴデオキシヌクレオチドである請求項23に記載の組成物。 25.該活性成分が、式: 5′−GGTATAATCTTCCAT−3′ を有するヒト2HS遺伝子におけるAUGコドンにわたる領域にむけられた請求 項7に記載のホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌク レオチドである請求項24に記載の組成物。 26.該活性成分が、式: 5′−CTGCGGGGGCCTCAT−3′ を有するヒトACHE遺伝子におけるAUG開始コドンにわたる領域にむけられ た請求項7に記載のホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキ シヌクレオチドである請求項24に記載の組成物。 27.該活性成分が、請求項8に記載の部分的にホスホロチオエート化されたア ンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである請求項24に記載の組成物。 28.該活性成分が、式: 5′−GGTATAATCTTCCAT−3′ を有するヒト2HS遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域に むけられた4個の3′−末端ヌクレオチド塩基間を連結するホスホロチオエート 基を有する請求項8に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成アンチセ ンスオリゴデオキシヌクレオチドである請求項27に記載の組成物。 29.該活性成分が、式: 5′−CTGCGGGGGCCTCAT−3′ を有するヒトACHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域 にむけられた4個の3′−末端ヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオエ ート結合を有する請求項8に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成ア ンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである請求項27に記載の組成物。 30.該活性成分が、式: 5′−GACTTTGCTATGCAT−3′ を有するヒトBCHE遺伝子におけるイニシエーターAUGコドンにわたる領域 にむけられた4個の3′−末端のヌクレオチド塩基の間を連結するホスホロチオ エート結合を有する請求項8に記載の部分的にホスホロチオエート化された合成 アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドである請求項27に記載の組成物。 31.該活性成分が、式: 5′−TTTTCCCCAGTCAAT−3′ を有するヒトCHED遺伝子の5′−領域にむけられた4個の3′−末端ヌクレ オチド塩基の間を連結するホスホロチオエート結合を有する請求項8に記載の部 分的にホスホロチオエート化された合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチ ドである請求項27に記載の組成物。 32.該活性成分が、それぞれ請求項9、または11に記載のホスホロチオエー ト化されたか、または部分的にホスホロチオエート化された合成アンチセンスオ リゴデオキシヌクレオチドであるか、または少くとも2つの該オリゴデオキシヌ クレオチドの混合物である請求項23に記載の異常な造血性細胞増殖を阻害する ための組成物。 33.異常な血小板の増殖を阻害するための請求項32に記載の組成物。 34.該活性成分が、請求項10に記載のホスホロチオエート化された合成オリ ゴデオキシヌクレオチドであるか、請求項12、または13に記載の部分的にホ スホロチオエート化されたオリゴデオキシヌクレオチド、または該オリゴデオキ シヌクレオチドの少くとも2つの混合物である骨髄細胞における幹細胞分画をin vitro で増加させる請求項23に記載の組成物。 35.該活性化合物が、請求項10に記載のホスホロエート化された合成オリゴ デオキシヌクレオチドであるか、請求項12、または13に記載の部分的にホス ホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチドであるか、該オリゴデ オキシヌクレオチドの少くとも2つの混合物である移植予定の器官についての免 疫応答をin vitroで減少させるための請求項23に記載の組成物。 36.該活性成分が、請求項10に記載のホスホロチオエート化された合成オリ ゴデオキシヌクレオチドであるか、請求項12、または13に記載の部分的にホ スホロチオエート化されたオリゴデオキシヌクレオチドであるか、少くとも2つ の該オリゴデオキシヌクレオチドの混合物である移植予定の器官についての免疫 応答を抑制するための請求項23に記載の組成物。 37.該活性成分が、請求項10に記載のホスホロチオエート化された合成オリ ゴデオキシヌクレオチドか、または請求項12、または13に記載の部分的にホ スホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチドであるか、少くとも 2つの該オリゴデオキシヌクレオチドの混合物である同種移植器官についての受 容者の免疫応答を抑制するための請求項23に記載の組成物。 38.該活性成分が、請求項10に記載のホスホロチオエート化された合成オリ ゴデオキシヌクレオチドであるか、請求項12、または13に記載の部分的にホ スホロチオエート化されたオリゴデオキシヌクレオチドであるか、少くとも2つ の該オリゴデオキシヌクレオチドの混合物であるマクロファージ産生を増強し、 そして、幹細胞数を増加させる請求項23に記載の組成物。 39.該活性成分が、請求項1から9に記載のホスホロチオエート化されたか、 部分的にホスホロチオエート化された合成オリゴデオキシヌクレオチドであるか 、請求項1から9に記載の少くとも2つのオリゴデオキシヌクレオチドの混合物 である悪性腫瘍の成長を阻止するための請求項23に記載の組成物。 40.該悪性腫瘍が、軟骨肉腫である請求項39に記載の組成物。 41.請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド、または、少くとも2つの このようなオリゴデオキシヌクレオチドからなる混合物、または、請求項23に 記載の組成物の治療的効果のある量をこのような処置が必要な患者に投与するこ とからなる、このような処置が必要な患者において造血性骨髄幹細胞を調節する 方法。 42.異常な造血性細胞を阻害するための請求項41に記載の方法。 43.マクロファージの産生を増強し、幹細胞数を増加させるための請求項41 に記載の方法。 44.移植操作の後に、免疫応答とその結果生ずる組織の拒否反応を減少するた めに、その器官を請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド、またはこのよ うなヌクレオチドの混合物、または請求項23に記載の組成物の効果的な量を、 同種移植の手順に適した培養条件下で接触させることによって、移植させるべき 器官と組織における細胞分裂の特性をin vitroで調節する方法。 45.抜き取った骨髄の検体を請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド、 またはこのようなヌクレオチドの混合物、または請求項23に記載の組成物の効 果的な量を適当な培養条件下で接触させることによって、移植されることになっ ている骨髄細胞の検体中の幹細胞の分画をin vitroで増加させる方法。 46.検体を、請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド、またはこのよう なオリゴデオキシヌクレオチドの混合物、または請求項23に記載の組成物の効 果的な量と適当な培養条件で接触させることによって、胚または胎児の骨髄細胞 を組織適合抗原がない生存状態において、細胞バンクに貯蔵する前に処理する方 法。 47.同種移植の操作手順における免疫応答を減少させるために、該ドナー/受 容者に請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレオチド、または少くとも2つのこ のようなオリゴデオキシヌクレオチドの混合物、または請求項23に記載の組成 物の効果的な量を投与することによって、器官ドナー/受容者を治療する方法。 48.このような治療が必要な患者に、請求項1に記載のオリゴデオキシヌクレ オチド、またはこのようなオリゴデオキシヌクレオチドの少くとも2つからなる 混合物、または請求項23に記載の組成物の治療に効果的な量を投与することに よって悪性腫瘍の患者を治療する方法。本治療は、腫瘍組織の細胞分裂を阻止し 、腫瘍を取り囲む良性細胞には効果を示さない。 49.軟骨肉腫の治療のための請求項48に記載の方法。
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