JPH08503646A - 心房感知能を有する冠静脈洞リード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ペースメーカ又は除細動器又はその両者の組合わせであってよい植込型パルス発生装置（28）と組み合わせて使用される冠静脈洞リード（20）である。この冠静脈洞リードは心臓のペーシング、電気的除細動又は除細動の電荷を伝えることができ、又心臓の冠静脈洞における心臓活動を感知することができる。冠静脈洞リードは、心房腔における電気的又は物理的活動度を感知することのできる付加のセンサ電極を含んでいてよい。冠静脈洞リードは、冠静脈洞に恒常的に植込まれている表面積の大きい電極（102）によって生成される電気的除細動及び／又は除細動剌激でもって、パルス発生装置が適切に同期化された心房、心室ペーシング、電気的除細動又は除細動を行うのを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 心房感知能を有する冠静脈洞リード 発明の分野 本発明は、一般に医療電子装置に関し、より具体的には心臓のペーシング、電 気的除細動または除細動のための植込型装置に関する。なかんずく本発明は、冠 静脈洞に置かれるように設計されたリ−ドで、植込型ペースメーカまたは除細動 器あるいはその両者と組み合わせて、心臓のペーシング、電気的除細動または除 細動を行うことができ、また心臓の心房または冠静脈洞における心臓活動のセン シングができるものに向けられたものである。 発明の背景 心臓の電気的活動をモニターし制御するのに、多くの種類の植込型装置が使用 されている。たとえバ、植込型ペースメーカを経静脈的ペーシングリードを通じ て心臓の心筋組織に密着させた電極と相互接続する方法が知られている。電極は 心臓の電気的活動を感知するとともに、必要に応じてペースメーカが与える電気 的剌激を伝えることができる。他のシステムはペースメーカと経静脈ペーシング リードを含み、ペーシングリードのチップ電極の後で近位側に間隔を置いた多数 のセンサ電極を有する。センサはペースメーカに情報を提供する。植込型電源、 ならびに心臓の表面に付着させたかあるいは心臓内部に植え込んだ電極系を利用 してモニタして自動的に除細動を行うシステムもある。さらには、ペースメーカ 機能と自動除細動能を結びつけたシステムもあり、心臓の内部と外部の両方に達 する複数のリードを有していてもよい。 より具体的にいえば、心室に植え込まれたペーシング、電気的除細動、除細動 およびセンシング用のコンビネーションリードがあり、また心臓外表面またはそ の近くに付着する大面積のパッチ電極があり、これらのいずれもペースメーカま たは除細動器、あるいはその両者に接続されている。付加のペーシング・システ ムは、心房内のセンシングのみを行うリードに加えて冠静脈洞内に恒久的に植え 込まれた経静脈的植込型リードも有するものがある。このタイプのシステムでは 、ペーシング、電気的除細動、除細動またはセンサー用の３つ以上の異なるリー ドが静脈を通じて心臓内部に達し、さらに心臓の心外膜表面またはその近くに付 着したパッチリードと電極があり、これらのいずれもペースメーカまたは除細動 器あるいはその両者に接続されている。 植込み実施中に、主治医は、ペーシング電極とセンシング電極を有し、遠位チ ップの基部に除細動電極を備えているコンビネーションリードを植込み、それか ら除細動電極が心臓を除細動するのに十分なエネルギーを提供できるかどうかを 試験することができる。除細動があまりにも多くのエネルギーを要するか、もし くはコンビネーションリードでは達成できない場合には、冠静脈洞に第２のリー ドを植え込み、冠静脈洞リードと右室に置いたコンビネーション経静脈リードの 間の双極除細動またはペーシングあるいはその両者、もしくはセンシングのため の陰極または陽極のいずれかとして機能させることができる。 その後、医師は双極システムを使って除細動に必要な電荷を決定し、またパッ チ電極も心臓の外膜表面または近く、あるいは心臓近傍、たとえば皮下または肋 骨下の部位に付着させるべきかどうかを決定することができる。このようなパッ チ電極も必要な場合には、パッチ電極を付着させた後で、主治医は心臓除細動用 の３つのリードの様々な双極コンビネーションを試験することができ、その際に はパッチ電極、冠静脈洞リードまたはコンビネーションリードの電極あるいはそ の複数を交互に陰極または陽極として使って、除細動の最低閾値を決定すること ができる。したがって、心臓外表面またはその近く（あるいは心臓近くの皮下ま たは肋骨下）にバッチ電極を付着させる必要があるかもしれないが、右室に設置 したペーシングと除細動用のコンビネーション電極、および冠静脈洞電極を使用 することで除細動を行うことができるのであれば、胸腔を開いて心臓またはその 近くにパッチ電極を付着する必要性がなくてすむので好ましい。 冠静脈洞リード電極をペーシングリード電極と組み合わせて使ってペーシング 、電気的除細動または除細動を行うときには、それぞれの収縮のタイミングを適 切にすることによって心房、心室同期を維持することが、非同期収縮によっても たらされる副作用から患者を守るためにきわめて重要であることを認識するのが 重 要である。したがって、必要なペーシングと除細動電荷を提供するのに加えて、 心房脱分極を適切に感知し、心室に対する電気的剌激のタイミングを適切にする ことによって心房、心室収縮の同期性を効果的に維持することのできるシステム を持つことはきわめて有益である。 同期化するために必要な追加の感知情報を得る１つの方法は、個別の心房セン シングリードを利用することで心房腔内でのセンシングを行って、ペースメーカ に追加情報を提供することである。心房センシングリードは容易に植え込むこと ができ、心房腔内を自由に動かすことができる。静脈内から３番目のリードを植 え込むことの欠点として、より多くのハードウェアが植え込まれるために、その 設置または植込位置にともなう問題に加えて、おそらく心臓機能や最適血流量が 損なわれるだろうという問題がある。 したがって、改良された冠静脈洞リード電極を使用し、心房の電気的活動を感 知することができる機能を持ち、それによって心房、心室同期を維持する助けと なる一方で追加の心房センシングリードの必要をなくすようなペーシングシステ ムと電気的除細動または除細動システムを提供することはきわめて有益なことで あろう。 発明の要旨 本発明は、ペースメーカまたは除細動器あるいはそれらを合わせた役割を果た す植込型パルス発生装置と組み合わせて使用する冠静脈洞リードについて述べる 。冠静脈洞リードは電荷を運んで、心臓のペーシング、電気的除細動または除細 動を行うことができる。さらに、冠静脈洞リードは心臓の冠静脈洞における心臓 活動を感知することができる。冠静脈洞リードは１ないし複数の心房センシング 電極を使って心房の電気的活動、液流および圧など心房腔における剌激を感知す ることのできるセンサ電極を含む。冠静脈洞リードは、表面積が大きい電極を冠 静脈洞に恒久的に植え込んで、電気的除細動または除細動あるいはその両者の剌 激を与えることができ、同時に心房活動を感知することで、パルス発生装置が適 切な同期化した房室ペーシング、電気的除細動または除細動を提供できるように する。 図面の簡単な説明 図１は、本発明に基づく冠静脈洞リードとパルス発生装置を示す。 図２は、図１の冠静脈リードの基部を拡大した図を示す。 図３は、図１の冠静脈洞リードの末端を拡大した図を示す。 図４は、リードの末端の近位側に置いたセンサー電極を含め、冠静脈洞リード の別の実施例である。 図５は、図４に基づく静脈洞リードのコネクタ組立品についての別の構成例を 示す。 図６は、第２の除細動電極を含む冠静脈洞リードの別の設計例を示す。 図７は、図６の冠静脈洞リードを含めた複数のリードを通じて心臓と相互接続 される植込型パルス発生装置を示す。 好ましい実施例の詳しい説明 図１は、本発明に基づく冠静脈洞リード20を示す。冠静脈洞20は基部22と末端 24を含む。基部22には、コネクタ組立品26があり、植込型信号処理装置やパルス 発生装置、たとえばペースメーカ28またば除細動器あるいはその両者との相互接 続を可能にしている。冠静脈洞リード20の末端24には、冠静脈洞除細動電極30が ある。リード本体32は冠静脈洞リード20の基部22と末端24とを相互接続する。 静脈洞リード20の基部22の詳しい構造は、コネクタ組立品26も含めて図２の断 面図に示してある。コネクタ組立品26はコネクタピン34を含み、これはコネクタ ブーツ36に達している。コネクタピン34は、図に示すようにレーザ溶接またはク リンプによって電気導線38としっかりと相互接続されている。コネクタブーツ36 は、生体適合性のあるプラスチックまたは弾性材料、たとえぼシリコーンなどで できているのが好ましく、これは複数のシールリング44と、コネクタピン34から やや離れた場所に達するコネクタグリップ領域46を含む。導線38は絶緑材料50に 包まれていることが望ましい。導線38は銀心のまわりに編んだ多心導線の螺旋巻 コイルであることが好ましい（図示せず）。螺旋巻のコイルは中心部が空洞にな り、螺旋の中央を通じて延び、コネクタピン34の軸穴と開放的に連絡しており、 冠静脈洞リード20を適切に植え込めるようにするのに役立つスタイレット48また はガイドワイヤを挿入できるようになっている。 図３は、冠静脈洞リード20の末端24の拡大断面図である。図３において、静脈 洞電極30はスリーブ76のまわりに巻き付けられたコイル74として描かれている。 静脈洞電極30のコイル74とスリーブ76は、白金-イリジウム材料でできているの が好ましい。しかし、スリーブ76は柔軟性のある絶縁材料でできていてもよく、 それによりコイル74は導線38と直接カップリングされていなけれぼならない。ス リーブ76は導電性があり、導線38と電気的に接続されているのが好ましく、この 導線38はスリーブ76の中央部分に達してそこを通れるようになっている。末端24 ではゴムチップ88が導線38の端部上に挿入され、コネクタ要素90に付着している 。コネクタ要素90は静脈洞電極30のコイル74、ならびにスリーブ76にしっかりと 付着していることが好ましい。チップ88はシリコーンゴム材料でできていること が好ましく、尖端96に向かって先細りになっている。電極30の基部、チップ88の 反対側にはコネクタ要素98があり、コイル74ならびにスリーブ76も含めた静脈洞 電極30を、導線38周囲の絶縁材料50に相互接続できるようにする。コネクタ要素 98には軸穴があり、導線38はこれを通ってスリーブ76の中央部分に入っていく。 図４は、考えられる別の設計の冠静脈洞リード120を示している。冠静脈洞リ ード120は前記のものと同じ要素の大部分を含んでいる。図１の場合と同様に、 導線38は冠静脈洞リード20の末端24の近くで静脈洞電極30と相互接続されている 。さらに、第２の、さらには第３の導線60，62が図４に示すようにリード本体12 2の長さに延びていてよい。したがって、導線60はリングコネクタ66とセンシン グ電極68を相互接続することができ、一方導線62はリングコネクタ70とセンシン グ電極72を相互接続することができる。電極68と72は、電極30の遠位側にあり、 リングコネクタ66と70は、それぞれコネクタ組立品22のコネクタピン34の遠位側 にある。リング電極68，72は、静脈洞電極30との間に１〜５cmの間隔を置いてい ることが望ましい。 静脈洞リード120が図４に示すように心房センシング能を有するには、静脈洞 リード120の基部に第２のコネクタ組立品130が必要なことがあり、これは図５に 示すように一次コネクタ組立品132からは分割されている。この構成では、セン サ電極68および72に達する導線60，62は、それぞれピンコネクタ138およびリ ングコネクタ142で終わり、その終わりかたによって２つのコネクタ組立品130， 132はペースメーカまたは除細動器あるいはその両者にプラグ接続し、またこの ペースメーカなどには２つのコネクタがあって、２つのコネクタ受け入れ口があ り、冠静脈リード用の第１のコネクタと心房センサリード用の第２のコネクタを 受け入れる設計になっている。図５に示すように、一次コネクタ132と二次コネ クタ130からきた絶縁ケーブルはいっしょになって単一のリード本体144に入るが 、これは基本的には図４の静脈洞リード120のリード本体122と同じである。 図６は、さらに別の設計の静脈洞リード148を示す。静脈洞リード148は、末端 24の近位側に静脈洞電極30、また静脈洞電極30の基部の近位側に１対のセンサ電 極68と72を含む。さらに、静脈洞リード148は大静脈電極80を２本のセンサ電極6 8と72の近位側に間を置いて含む。大静脈電極80は、静脈洞電極30と似た設計で 、中央心は、リング電極と静脈洞電極30で終る導線が通過できるよう十分大きい ものであることが望ましい。大静脈電極80は、静脈洞電極30を陰極として使用す る双極除細動システムで陽極の役割を果たすためのものである。さらに、除細動 を行うのに大静脈電極80を陰極、静脈洞電極30を陽極として使用すると、あるい はその代わりに第２の電極としてのパッチ電極もしくはペーシングリード上の電 極を双極ペーシング、電気的除細動または除細動配列の第２の極として使用する こともよい。 図６の静脈洞リード148は、基部にコネクタ組立品146を含む。コネクタ組立品 146は、ピンコネクタ34、リングコネクタ66および70及びリングコネクタ82を含 む。リングコネクタ82は、内部の導線を経由し、リード本体を通過して大静脈電 極80に接続されている。残りの電極とコネクタは、基本的には前記のようにリー ド本体を通じて延びる別々の３つの導線により相互接続されている。静脈洞リー ド148の植込後に、静脈洞電極30を冠静脈洞静脈内に置き、センサ電極68および7 2は心房腔内に置き、大静脈電極80は心房壁に近いところ、あるいは大静脈内に 置くのが好ましい。この組立品により、、静脈洞電極30を経由して、あるいはそ の代わりにパッチ電極を経由して与えられるペーシング、電気的除細動または除 細動の電荷は、心臓の本質的な部分を横断して陽極の大静脈電極80に達する。 前記のどの実施例についても、静脈洞電極30はコイル74上に堆積されたコーテ ィングを含んでよく、そのコーティングの材料は白金黒、炭素、チタンまたは窒 化チタンである。静脈洞電極30の総表面積は約0.5〜10cm²の範囲であるが、２〜 ４cm²が好ましい。さらに、大静脈に置かれた大静脈電極80の表面積は0.5〜10cm² とすることができるが、３〜５cm²が好ましい。 これに加えて、あるいはこの代わりに、静脈洞電極30に生体適合性の低炎症材 料でコーティングしてもよい。コーティングに用いるのに好ましい生体適合性の 低炎症材料としては、アミロデキストリンやアミロゲンなどの可溶性デンプン、 コラーゲン、アルブミンおよびゼラチンなどの蛋白がある。これらの蛋白材料は 、１-エチル-３-（３-ジメチルアミノブロピル）、カルボジイミド、塩酸塩、な どの架橋剤と架橋させてもよい。さらに、ポリエチレンイミン、ポリスチレンス ルホン酸ナトリウム、NAFIONという商標でデュポン社から発売されているスルホ ン化ポリテトラフルオロエチレンなどのイオン交換物質がある。これらの材料は 、副作用を起こすことなく生体に吸収可能なので好ましい。 ポリエチレンオキサイドまたはグリコール、ポリプロピレンオキサイドまたは グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリソルベート、ポリビニルアルコー ル、およびエチレンオキシド／プロピレンオキシドのコポリマーなどの高分子系 も、コーティング材料として使用することができ、またこれらの素材が本質的に 可溶性であるところから同時溶解することで治療剤を運ぶことができる。 コーティング材料は、上記の材料の１つをフルオロトリヒドロキシメチルプレ グナジエン／ジオンまたはフルオロメチルプレドニソロン、リン酸ナトリウム、 メチル-メチル-ナフタリン酢酸、ナトリウムまたはナトリウム塩、あるいはイソ ブチルフィルプロピオン酸のデキサメタゾンリン酸ナトリウムの形のものなどの 抗炎症剤と混ぜた混合物が好ましい。抗炎症剤はコーティング材料の重量の約１ ％から95％までを占めることができるが、抗炎症剤はコーティング材料の重量の ５％から50％の範囲にあることが望ましい。 図７は、植込型信号処理装置およびパルス発生手段としてたとえばペーシング リード150、冠静脈洞リード20（または120または148）、およびパッチ電極リー ド160で心臓と相互接続したペースメーカ28を一部切り欠いた図を示す。ペーシ ングリード150は経静脈的に挿入され、右室に到達しているように描かれてい る。ペーシングリード150には電極組立品152を含み、これはたとえばコイル電極 156と組み合わせるチップ電極154を含んでいてよい。チップ電極154は、ペース メーカ28といっしょに使用して心臓にペーシング電気出力を与え、また単極また は双極のいずれかの配列で正常なペーシング電気活動を感知する。ペーシングに 双極配列を使用する場合には、チップ電極154が陰極に、除細動リード20の除細 動電極30が陽極になる。除細動のためには、ペーシングリード150のコイル電極1 52が陰極に、除細動リード20の除細動電極30が陽極になる。この代わりに、静脈 洞リード20の静脈洞電極30を陰極とし、ペーシングリード150のコイル電極156を 陽極として使うことも可能である。 図７でさらに示しているように、患者はパッチ電極リード160を付けることも でき、これは心臓の心外膜表面に付着したパッチ電極162に達して終わり、単極 または双極の電気的除細動または除細動における陰極と陽極のいずれかの役割を 果たすことのできる大型の電極となる。これは、心臓近くの肋骨下または皮下の 部位に置くこともできる。パッチ電極リード162は、ペースメーカ28とも相互接 続されている。 図７に描いた３つのリードのすべてを装着した患者については、ペーシングリ ード150のコイル電極156、静脈洞リード20の静脈洞電極30または大静脈電極80、 又はパッチ電極リード160のパッチ電極162などの一次電極のいずれかの組合せに よって電気的除細動または除細動を行うことができる。十分な電荷があれば、前 記の４つの一次電極の組合せのどれでも心臓の除細動を行うことができる一方で 、除細動または電気的除細動に必要なバッテリー消費を最小限にするための重要 な側面として、主治医がどの電極の組合せを使えば除細動に必要な電流閾値を最 低にできるかを決定する必要がある。したがって、医師は主要電極のそれぞれを 次々に陰極または陽極あるいはその両者として使用しては除細動閾植を順に試験 することができる。 これまでに詳しく記した事柄を見てわかるように、本発明は心臓に電気的剌激 を伝える方法を考えるものである。その方法は、パルス発生装置の植込、静脈を 通じて延び心臓の冠静脈洞内に置かれた静脈洞電極に終わる冠静脈洞リードの植 込、心臓の電気的活動のセンシング、ならびに冠静脈洞リードおよび静脈洞電極 を通じてパルス発生装置が発生する電荷の心臓への伝達から成る。この方法では さらに、電気的刺激を伝えることで心房、心室同期を維持することも意図してい る。さらに、静脈洞電極から近位に間隔をあけた冠静脈洞リード上に置いたセン サ電極を利用して心房の活動を感知することも意図している。 心臓に電気的剌激を送る方法はさらに、パルス発生装置から静脈を通って心室 に達するペーシングリードで、電極を含むペーシングリードを経静脈的に植え込 むこと、またペーシングリードの電極と静脈洞電極をパルス発生装置と組み合わ せて作動させることでペーシング、電気的除細動、および除細動を行うことがで きる双極電荷送達システムをもたらすことも意図している。双極ペーシングシス テムは、心房、心室同期を維持する形で制御することが望ましい。前記の方法で は、心臓の心外膜表面にパッチ電極を付着させるか、あるいは肋骨下または皮下 に設置して、パッチ電極をパルス発生装置と相互接続し、静脈洞電極とパッチ電 極とをパルス発生装置と協働させながら、双極電荷伝達システムで心臓のペーシ ング、除細動または電気的除細動を行うようにしてもよい。 これまでの説明から、本発明は現行の冠リードやペーシングまたは除細動シス テムに比べて大きな利点があることは明らかである。ここでは特に好ましい実施 例を図示して説明したが、専門知識に精通した者であれば前記の情報に照らして 本発明の様々な修正や変形を行うことは可能である。したがって、本発明はここ に具体的に開示したものによって制限されることはなく、添付の請求項によって のみ制限される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．植込型パルス発生装置、基部で前記パルス発生装置に接続され末端に冠静脈 洞除細動電極を有する冠静脈洞リード、および心房腔における物理的または電気 的パラメーターを感知し前記冠静脈リードに接続されるセンサ装置を含んでいる ことを特徴とする心臓のペーシング、電気的除細動、または除細動を行うための 装置。 ２．前記冠静脈洞リードがさらに絶縁体材料に包み込まれた少なくとも２つの導 線を有するリード本体を含んでいることを特徴とする請求の範囲１に記載の装置 。 ３．前記冠静脈洞除細動電極が、導電性スリーブのまわりに巻き付けられた導電 性コイルを有し、前記リード本体の前記導線の少なくとも１つが前記導電性スリ ーブに延び、それと電気的に接続されていることを特徴とする請求の範囲２に記 載の装置。 ４．前記冠静脈洞除細動電極の前記コイルが白金-イリジウム線でできているこ とを特徴とする請求の範囲３に記載の装置。 ５．前記静脈洞電極の前記コイルが、電極コイル上に堆積されたコーティングを 含み、そのコーティングのための材料が白金黒、炭素、チタン、窒化チタンの群 から選ばれたものであることを特徴とする請求の範囲３に記載の装置。 ６．前記心房センサ装置が前記冠静脈洞除細動電極の基部から近位側に間隔を置 いた少なくとも１つのリング電極を含んでおり、また前記リード本体が前記冠静 脈洞除細動電極に相互接続される少なくとも１つの導線および前記少なくとも１ つのリング電極のそれぞれと相互接続される少なくとも１つの導線を有し、前記 導線のそれぞれが前記リード本体の長さ分延びて、前記冠静脈洞リードの基部に あるそれぞれの電気的コネクタで終わることを特徴とする請求の範囲２に記載の 装置。 ７．前記少なくとも１つのリング電極が冠静脈洞除細動電極から１〜５cm離れて いることを特徴とする請求の範囲６に記載の装置。 ８．前記冠静脈洞リードの基部がコネクタ組立品に終わり、前記コネクタ組立品 が、冠静脈洞除細動電極に達する前記導線の端部に電気的につながっている電気 的コネクタ、ならびに前記電気的コネクタから遠位側に間を置いてある少なくと も１つのリングコネクタを有し、前記少なくとも１つのリングコネクタが前記少 なくとも１つのリング電極に達する前記少なくとも１つの導線に電気的に接続さ れていることを特徴とする請求の範囲６に記載の装置。 ９．前記冠静脈洞リードがさらに、前記冠静脈洞除細動電極に達する前記導線に 取り付けられている電気的コネクタを有し前記パルス発生装置に挿入できるよう になっている第１のコネクタ組立品と、少なくとも１つの電気的コネクタを有す る第２のコネクタ組立品とを含み、前記第２のコネクタは前記少なくとも１つの リング電極に達する少なくとも１つの導線と相互接続される前記電気的コネクタ を有し、前記リード本体がその基部近くで「Ｙ」字型になっていて前記第１のコ ネクタ組立品と第２のコネクタ組立品で終わることを特徴とする請求の範囲６に 記載の装置。 10．前記冠静脈洞除細動電極が生体適合性で低炎症性の材料でコーティングされ ていることを特徴とする請求の範囲９に記載の装置。 11．前記冠静脈洞除細動電極上の前記コーティング材料が、ヒドロゲル、高分子 系、可溶性デンプン、蛋白、およびイオン交換物質の群から選んだ材料であるこ とを特徴とする請求の範囲１０に記載の装置。 12．前記冠静脈洞除細動電極の総表面積が0.5cm²から10cm²の範囲内にあること を特徴とする請求の範囲１に記載の装置。 13．前記冠静脈洞除細動電極が冠静脈洞における電気的活動を示す電気的信号を 生成することを特徴とする請求の範囲１に記載の装置。 14．前記冠静脈洞リードが、前記導線および前記冠静脈洞除細動電極の末端に付 着した軟らかい柔軟性のある高分子の非導電性チップを有することを特徴とする 請求の範囲１に記載の装置。 15．前記高分子チップが前記冠静脈洞リードの遠位チップの鈍い先端に向かって 先細りになっていることを特徴とする請求の範囲14に記載の装置。 16．前記静脈洞電極に取り付けられた前記導線が、銀心を有する非腐食性導電性 合金の複数の線でできている多心コイルであることを特徴とする請求の範囲２に 記載の装置。 17．パルス発生装置の植込、少なくとも一部は静脈を通じて延び心臓の冠静脈洞 静脈内にある冠静脈洞除細動電極に終る冠静脈洞リードの植込、心臓の電気的活 動のセンシング、および前記パルス発生装置が生成する冠静脈洞電荷の前記冠静 脈洞リードおよび前記冠静脈洞除細動電極を通じた心臓への伝達を含んでいるこ とを特徴とする心臓に電気的剌激を伝える方法。 18．前記方法はさらに、心房、心室同期を維持するようなタイミングにした電気 約剌激の伝達を含んでいることを特徴とする請求の範囲17に記載の方法。 19．さらに、前記冠静脈洞除細動電極から離れて近位側にある前記冠静脈洞リー ド上の１ないし複数のセンサ電極を利用した心房活動のセンシングを含んでいる ことを特徴とする請求の範囲17に記載の方法。 20．さらに、前記パルス発生装置から静脈を通って右室に達するペーシングリー ドの経静脈的植込であってペーシングリードがチップ電極を含む植込と、前記ペ ーシングリードの前記電極と前記冠静脈洞除細動電極特徴とを前記パルス発生装 置と組み合わせて動かして、ペーシング、電気的除細動および除細動ができる双 極電荷伝達システムを形成する操作とを含んでいることを特徴とする請求の範囲 17に記載の方法。 21．前記双極ペーシングシステムが心房、心室同期を維持するような方法で制御 されることを特徴とする請求の範囲20に記載の方法。 22．さらに、心臓の心外膜表面上またはその近くへのパッチ電極の付着と前記パ ッチ電極と前記パルス発生装置との相互接続、および前記静脈洞電極と前記パッ チ電極とを前記パルス発生装置と紐み合わせて心臓のペーシング、除細動または 電気的除細動を行う双極電荷伝達システムとして動かす操作とを含んでいること を特徴とする請求の範囲17に記載の方法。 23．前記双極ペーシングシステムが心房、心室同期を維持する方法で制御される ことを特徴とする請求の範囲22に記載の方法。 24．植込型パルス発生装置との接続に使われる冠静脈洞リードであって、リード 本体、前記リード本体の基部にあって前記パルス発生装置との相互接続に使われ るコネクタ、および前記リード本体の末端近くに置かれて心臓の冠静脈洞静脈に 恒常的に植え込まれるような構成になっている冠静脈洞除細動電極を含んでいる ことを特徴とする冠静脈洞リード。 25．さらに、前記冠静脈洞除細動電極の基部から近位側に離れたところにある少 なくとも１つのリング電極を含み、前記少なくとも１つのリング電極が心房の物 理的または電気的パラメーターを感知し、出力信号を生成する働きをすることを 特徴とする請求の範囲24に記載の冠静脈洞リード。 26．さらに、前記冠静脈洞除細動電極の基部の近位側に離れたところにある大静 脈除細動電極を含んでいることを特徴とする請求の範囲24に記載の冠静脈洞リー ド。 27．さらに、前記少なくとも１つの心房センシングリング電極から近位側に離れ たところにある大静脈除細動電極を含んでいることを特徴とする請求の範囲25に 記載の冠静脈洞リード。 28．さらに、前記冠静脈洞リード゛が絶縁材料内に包み込まれた少なくとも１つ の導線を有するリード本体を含んでいることを特徴とする請求の範囲24に記載の 冠静脈洞リード。 29．前記冠静脈洞除細動電極が導電性スリーブのまわりに巻き付けられた導電性 コイルを含み、前記リード本体の前記導線が前記スリーブ内に延び、それと電気 的に接続されていることを特徴とする請求の範囲24に記載の冠静脈洞リード。 30．前記静脈洞電極の前記コイルが白金ーイリジウム線から形成されることを特 徴とする請求の範囲29に記載の冠静脈洞リード。 31．前記静脈洞電極の前記コイルが、電極コイル上に堆積されたコーティングを 有し、前記コーティングのための材料が白金黒、炭素、チタン、および窒化チタ ンの群から選ぼれていることを特徴とする請求の範囲29に記載の冠静脈洞リード 。 32．前記静脈洞電極が生体適合性の低炎症性材料でコーティングされていること を特徴とする請求の範囲24に記載の冠静脈洞リード。