JPH08502525A - Cetp阻害剤ポリペプチド、合成ポリペプチドに対する抗体、および抗アテローム性動脈硬化症治療のための予防薬および治療薬 - Google Patents

Cetp阻害剤ポリペプチド、合成ポリペプチドに対する抗体、および抗アテローム性動脈硬化症治療のための予防薬および治療薬

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JPH08502525A JP7506464A JP50646495A JPH08502525A JP H08502525 A JPH08502525 A JP H08502525A JP 7506464 A JP7506464 A JP 7506464A JP 50646495 A JP50646495 A JP 50646495A JP H08502525 A JPH08502525 A JP H08502525A
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マクギル,ヘンリー・シー,ジュニアー
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サウスウエスト・ファンデーション・フォー・バイオメディカル・リサーチ
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Abstract

(57)【要約】 ポリペプチドおよびその類似体はコレステロールエステル転送蛋白質(CETP)を阻害する。抗アテローム性動脈硬化症組成物は、抗アテローム性動脈硬化症に有効な量のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む。抗アテローム性動脈硬化症キットは、ポリペプチドを含む少なくとも1ユニットの組成物、少なくとも1つのシリンジおよび少なくとも1つの針を別々の容器に含む。抗体は、本発明のポリペプチド、ヒヒCETP4kDポリペプチド阻害剤、apoC−1の1−36アミノ酸N末端フラグメント、修飾apoA−I(MW:31kD)、または修飾apoE(MW:41kD)に対する特異性を有する。アテローム性動脈硬化症の状態の素因を有する哺乳動物において抗アテローム性動脈硬化症を予防する方法は、哺乳動物に予防上有効量の本発明のポリペプチドを投与することを含み、アテローム性動脈硬化症に罹患した哺乳動物を治療する方法は、治療上有効量の本発明のポリペプチドを投与することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 CETP阻害剤ポリペプチド、合成ポリペプチドに対する抗体、 および抗アテローム性動脈硬化症治療のための予防薬および治療薬 発明の背景 本出願は、1991年12月18日に出願された出願番号第07/811,0 49号の一部継続出願である。 本発明に至る仕事は、国立心臓、肺および血液研究所の補助金番号HL289 72およびHL41256号、および契約番号HV53030号により一部援助 された。政府は本願特許について権利を有する。 発明の分野 本発明は、内因性ヒヒ血漿コレステロールエステル転送蛋白質(CETP)阻 害剤ポリペプチドに関する。より詳細には、本発明はこのポリペプチドの同定お よび特徴付け、ならびにCETPの阻害活性を有する新規合成ぺプチドに関する 。内因性阻害ペプチドは、分子量4,000を有し、それぞれ分子量31kDお よび41kDを有する修飾apoA−1およびapoEの形態で血漿中に存在し 、apoC−1のN末端フラグメントと共通のアミノ酸配列を有する。本発明は また、抗アテローム性動脈硬化症組成物、キット、および阻害蛋白質のN末端ア ミノ酸配列に対して生じさせた抗体に関する。本発明の阻害ペプチド、そのフラ グメントおよびその類似体は、アテローム性動脈硬化症治療の予防薬および治療 薬として有用である。 背景の記述 アテローム性動脈硬化症は、それに付随する合併症、特に冠状動脈心疾患のた め、今日米国において最も広範な健康上の問題の1つである。早期アテローム性 動脈硬化症(主として血漿コレステロールレベルの上昇)の発症には、多くの危 険因子が関与してきている。コレステロールは心疾患の発生に極めて重大な役割 を果たしていると思われるため、ヒトの身体におけるコレステロールの合成、輸 送および代謝の研究に対して多大な注意が向けられてきた。 特に興味深いことは、血漿リポ蛋白質または血清脂質のレベルと冠状動脈心疾 患の発症の危険との関係を確立することである。高密度リポ蛋白質(HDL)お よび低密度リポ蛋白質(LDL)は、コレステロールを主としてコレステロール エステル(CE)の形態で運搬する。しかし、LDLコレステロールが正の危険 因子であり、HDLコレステロールがむしろより重要な負の危険因子であるとい ういくつかの兆候がある。これらのリポ蛋白質の正確な機能は完全には確立され ていないが、HDLは末梢細胞からのコレステロールの除去および肝臓へ戻す輸 送を担うようである。肝臓では身体から排出されたコレステロールの大部分が除 去される。 LDLおよびHDLは、CEおよびトリグリセリド等の一般にゆっくりと加水 分解される代謝産物で動脈細胞の壁のライソソームに負荷をかけることにより、 心血管疾患の発症における主要な役割を果たすと信じられている。これらの産物 は、血漿LDLにより肝臓および腸から排出される。輸送されるべき脂質の量が 、肝臓へ排出するHDLの輸送能力を越える場合には、CEは動脈壁等のある種 の重要な領域の細胞中に沈着するようになる。この過負荷は最後に細胞の機能を 損ない、このことが続くと細胞は死に至る。継続的な過負荷は、血管壁における 細胞破片の蓄積およびアテローム性動脈硬化症斑の形成をもたらす。一方このこ とは、影響される動脈および/または筋肉の痙攣の妨害を引き起こし、この事象 から冠状動脈心疾患または発作の兆候が現れるかもしれない。したがって、血漿 中のHDLのレベルは、ヒトおよび実験動物においてアテローム性動脈硬化症を 発症する可能性と負に相関している。 HDLのレベルは個体により著しく異なることが示されているが、そのような 血漿中のレベルを制御する手段はまだ明らかになっていない。 CETPはCEをHDLからVLDLおよびLDLに転送し、これは血漿HD Lレベルの制御に重要な役割を果たしていることが示唆されている。高αリポ蛋 白血症患者には、LDLと明らかに区別される大きなHDL粒子を高レベルで有 する者があることが報告されている。これらの患者からの血漿試料は、CETP 活性を欠失していることが示されている(Koizumi et al.,Atherosclerosis 58 :175-186(1985))。家族性高αリポ蛋白血症のホモ接合患者は、HDLから LDLへのCEの転送が欠損していることが見いだされている(Yokoyama et al .,Artery 14: 43-51 (1986))。患者血漿からの密度d>1.21g/mlの 分画は、正常HDLの実質的なCETP活性を立証した。しかし、HDLはCE TPの好ましくない(poor)基質であることが証明されている。 ある種の動物の雄親およびその子孫は、異常なリポ蛋白質パターン、例えばL DLとHDLとの中間の密度のリポ蛋白質または大きな高密度リポ蛋白質を有し ている。これらのリポ蛋白質はHDL1、動物表現型は「高HDL1」と名付けら れている。例えば、高いまたは低いHDL1のいずれかのパターンを有するヒヒ の種が知られている。ほとんどの場合、HDL1はLDLとHDLとの間の区別 されるピークとしてまたはHDLピークの肩として分離され、高コレステロール 、高ラード(HCHF)食餌により誘導される。HDL1の比率は、ヒヒがコレ ステロールを含むかまたは含まない、ポリ不飽和脂質に富む食餌を与えられたと きに減少する。しかし、時には、チャウ(chow)食餌を与えられた高HDL1ヒ ヒに存在するHDL1の量は低い。 いくつかの雌ヒヒにおいては、HCHF食餌を与えられたとき血漿HDL1の レベルが増加することが示されている。HCHF食餌を与えられたとき、ヒヒは より高い血漿HDLレベルも示す。より一般的には、ヒヒならびにヒトにおける HDLの蓄積は、HDLから超低密度リポ蛋白質(VLDL)およびLDLへの CEのより遅い転送と関連する。したがって、高HDL1血漿レベルのヒヒは、 高αリポ蛋白血症の研究のための優れた動物モデルである。 先の研究においては、本発明の発明者の一部は、高HDL1ヒヒにおいてHD LからVLDLおよびLDLへのCEの遅い転送が観察されることを報告してい る。これは、HDLおよび中間密度リポ蛋白質(IDL)粒子と会合しているC ETP蛋白質阻害剤の存在のためであった(Kushwaha et al.,J.P.Lipid Res .31: 965-974(1990))。HCHF食餌を与えられた高HDL1ヒヒにおけるH DL1の蓄積ならびにHDLからLDLへのCEの遅い転送が報告されている。 SonおよびZilversmitにより、同様の蛋白質がヒト血漿においても 見いだされている(Son and Zilversmit,B.B.A.,795: 473-480(1984))。 ヒ ト蛋白質は分子量31,000を有し、トリアシルグリセロールおよびCEの転 送を抑制する。 ラット、豚および犬を含むいくつかの他の種が、血漿中に容易にHDL1を蓄 積することが報告されている。クラサワら(Kurasawa et al.,(1985)上掲) は、家族性高αリポ蛋白血症を有するホモ接合患者が、HDLとLDLとの間の CE転送を欠損していることを報告している(Kurasawa et al.,J.B.Biochem .98: 1499-1408(1985))。これとは別に、ヨコヤマらは、同一の患者のd> 1.21g/mlの血漿分画は、正常HDLで試験したときに実質的なCE転送 活性を立証したことを報告している(Yokoyama et al.,Artery 14(1):43-51 (1986))。この患者において蓄積されるHDL粒子は、通常のHDL2よりも 実質的に分子量が大きい。 HDLは一般に、その粒子サイズおよび密度によって副分画に分けられる。こ れらの分画には、HDL1、HDL2およびHDL3が含まれる。HDL1は、最も 大きい粒子であり、通常は正常ヒトまたはヒト以外の霊長類の血漿には存在しな い。HDL2およびHDL3は、ヒト血漿の正常成分である。HDL2は、HDL3 より大きく、男と女では異なる。 コレステロールの血漿レベルを変化させるために、哺乳動物においてコレステ ロールの輸送および転送を妨げる多くの試みがなされてきた。例えば次のような ものである。 米国特許第4,987,151号(Taboc)は、アシルコエンザイムA:コレ ステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)酵素を阻害するトリテルペン 誘導体を開示する。ACATは血漿中には存在しない細胞性酵素であり、細胞性 コレステロールをエステル化してCEを形成する。この酵素は、血漿中に存在す るCE転送蛋白質(CETP)とは異なる。CETPはACATとは異なりCE を形成しない。そのかわりに、CETPは異なる血漿リポ蛋白質の間でCEを転 送する。 米国特許第4,643,988号(Segrest,et al)は、HDL中のapoA −Iを置換しうる両親媒性ペプチドを開示する。apoA−Iは、HDLにおい てCEを形成する血漿酵素であるレシチンコレステロール:アシルトランスフェ ラーゼ(LCAT)酵素を刺激することが知られている。血漿CETPは、これ と対比的に、HDLからVLDLおよびLDLにCEを転送する。したがって、 CETP酵素の機能はLCAT酵素の機能ともまた異なる。さらに、Segre stらのペプチドのアミノ酸配列は本発明のCETP阻害剤の配列と異なる。 本発明の概要 本発明は、CE転送蛋白質(CETP)の阻害活性を有する実質的に純粋なポ リペプチドに関する。 本発明はまた、 抗アテローム性動脈硬化症に有効な量の上述のポリペプチド;および 薬学的に許容しうる担体 を含む、抗アテローム性動脈硬化症組成物に関する。 さらに本発明は、 少なくとも1ユニットの上述の組成物; 少なくとも1つのシリンジ;および 少なくとも1つの針 を別々の容器に含む、抗アテローム性動脈硬化症キットに関する。 本発明はまた、 上述のポリペプチド; ヒヒCETPポリペプチド阻害剤; apoC−1の1−36アミノ酸のN末端フラグメント; 修飾apoA−I(MW:31kD);および 修飾apoE(MW:41kD) からなる群より選択されるポリペプチドに対する特異性を有する抗体に関する。 別の態様においては、本発明はそのような状態の素因を有する哺乳動物におけ る抗アテローム性動脈硬化症を予防する方法に関し、この方法は、哺乳動物に予 防上有効量の上述のポリペプチドを投与することを含む。 本発明はまた、アテローム性動脈硬化症に罹患した哺乳動物を治療する方法に 関し、この方法は、哺乳動物に治療上有効量の上述のポリペプチドを投与するこ とを含む。 本発明の他の目的、利点および特徴は、以下の記述から当業者に明らかとなる であろう。 好ましい態様の記述 本発明は、ヒトにおけるアテローム性動脈硬化症の予防および治療に対する新 規かつ自明でない研究法を提供しようとする発明者らによる希望から発生したも のである。 コレステロールと血漿中および肝臓中のリポ蛋白質の異なる分画との会合に関 して知られていることの図式を以下に示す。 HDL1、VLDLおよびLDLの蓄積(↑)をもたらす代謝段階については 上述した。HDL2+3は、肝外細胞からコレステロールを集め、次にこれをLC ATによりエステル化してコレステロールエステル(CE)を形成し、粒子の核 に保存する。HDLは大きくなり(HDL1)、apoEを取り込み粒子に達し 、この粒子はLDLレセプター(LDL−R)から肝細胞へと除去される。CE に富むHDL1はまた、CEをVLDLおよびLDLに与える。これはCETP により媒介される。本発明により提供されるもの等のCETP阻害剤が存在する ため、CE転送は遅く(棒)、トリグリセリド(TG)の相互転送は生じない( X)。したがって、トリグリセリドに乏しいHDLは、肝トリグリセリドリパー ゼ(HTGL)の適当な基質ではない。血漿中にCETP阻害剤が存在するため 、 VLDLおよびLDLは肝臓では得られない。このことの結果として、次に肝臓 はLDLレセプターおよび3ヒドロキシ、メチル、グルタリルーコエンザイムA (HMG−CoA)シンセターゼの産生を増加させるためにメッセージの発現を 増加させる。 肝臓におけるLDLレセプターの増加により、apoEを含むLDLまたはH DLの取り込みが増加し、このため、肝臓により多くのコレステロールが運ばれ る。HMG−CoAシンセターゼの合成の増加により、細胞の必要性をすべて満 たすために肝臓におけるコレステロールの合成が増加する。したがって、血漿中 におけるCETP阻害剤の存在は、組織によるVLDLおよび/またはLDLの 取り込みならびにコレステロールエステルの沈着を防止するであろう。 一般に、高レベルのHDLは抗アテローム性動脈硬化症効果を有するが、一方 、高レベルのLDLはアテローム発生の効果を有する。コレステロール等の水に 不溶性の化合物の血液中における循環には、粒子の形成を必要とする。不溶性成 分、例えばコレステロールエステルおよびトリグリセリドは、粒子の核に詰め込 まれ、蛋白質、リン脂質等の極性成分により取り囲まれている。これらの粒子は リポ蛋白質と称され、したがって極性外殻および非極性核を有する。核にCEを 含むリポ蛋白質の会合は、その大きさおよび密度に依存して、VLDL、IDL 、LDLおよびHDLと名付けられている。 VLDLは肝臓から分泌される最大のリポ蛋白質であり、VLDLに含まれる トリグリセリドが動脈壁の表面に存在するリポ蛋白質リパーゼ酵素により加水分 解された後、IDLに、続いてLDLに変換される。LDLはコレステロールエ ステルを肝外および肝組織に与える主要リポ蛋白質である。HDLはまた肝臓に よって分泌され、大きさおよび密度に基づいてHDL2およびHDL3に分けられ る。HDLの機能は肝外細胞からコレステロールを取り出し、これをVLDLお よびLDLを通して、またはapoEに富む大きいHDLを通して肝臓に運ぶ。 これらの大きいHDL粒子はHDL1と称され、血漿中に長時間留まらない。こ れらはコレステロールエステルをVLDLおよびLDLに与えた後、肝臓により 速やかに除去されるかまたは変換してHDL2に戻る。 HDL1は正常ヒトまたはヒト以外の霊長類には存在しない。上述したように 、 HDL1は、HCHF食餌を与えられているヒヒの血漿中では区別しうるバンド として現れる。知られていることからは、コレステロールエステルは、血流に入 るとLCAT酵素の助力によりCEの形態でHDLと会合するようになる。HC HF栄養ヒヒにおいては、これはHDL1−CE画分として現れる。次にCEは HDLからVLDLおよびLDLに転送され、CETP酵素の助力によりVLD L−CEおよびLDL−CEを形成する。次にこれらの粒子はLDLレセプター (LDL−R)を通って肝細胞に入る。肝細胞において代謝された後、VLDL −CEは血漿、したがって哺乳動物体の抹消に戻り、ここにおける沈着がアテロ ーム性動脈硬化症を引き起こす可能性がある。 本発明により提供されるもの等のCETP阻害剤は、HDLからVLDLおよ びLDLへのCEの転送を遮断する。あるいは、CEとapoEとの会合および LDLレセプター(LDL−R)を通して肝臓細胞に入ることのできるHDL1 −CE−apoE粒子の形成を生じる側路が好ましい。 ヒヒ以外の種々の種のアポリポ蛋白質C−Iは知られている。apoC−Iは 57アミノ酸を含む分子量6600の単一のポリペプチドである。これは主とし てVLDLおよびHDLに存在する塩基性蛋白質であり、HDLはこの蛋白質の 貯蔵所として働く。一方、LDLはapoC−Iをほとんど含まない。最近、a poC−IがapoEをVLDLから排出させ、そのLDLレセプターへの結合 に影響を及ぼすことが示されている。 本明細書に記載されるCETP阻害剤ポリペプチドは、apoC−IのN末端 フラグメントと共通の配列を有する。以下に示すように、このフラグメントは少 なくとも36アミノ酸を含む。 本発明により提供される内因性ポリペプチド(配列番号1)は、分子量約40 00であり、血漿中でapoA−IおよびapoEと会合するかまたは結合する 。このN末端の36アミノ酸を以下に示す。 次の配列(配列番号1)の1−36アミノ酸に対応する配列を有するポリペプ チドが、本発明者により合成され、インビトロにおいてCETPを阻害すること が示された。このペプチドは次の配列を有する。 このポリペプチド(配列番号1)の、アミノ酸28−36およびアミノ酸16 −36のC末端フラグメントを含むフラグメントは、50μgにおいて限定され たCETP阻害活性を示した。しかし、C末端アミノ酸28−36を含むフラグ メントは、200μgにおいて、36アミノ酸ペプチドとほぼ同一のCETP阻 害活性を示した。合成ペプチドと対応するアミノ酸1−15、アミノ酸1−20 およびアミノ酸1−10を含むN末端フラグメントおよびアミノ酸15−30等 を含む中間フラグメントは、CETPの阻害剤としての活性を有することを示し た。 配列番号2および配列番号3と名付けられる以下の2つの配列に対応する配列 を有するポリペプチドもまた本発明者によって合成され、インビトロにおいてC ETPの阻害剤であることが示された。 以下の2つの配列のうちの第1(配列番号2)は、ペプチドの最初に2つの追 加のアミノ酸を有することを除いては配列番号1と同様のヒヒの配列である。以 下の2つの配列のうちの第2(配列番号3)は、ヒトの配列であり、配列中の3 8アミノ酸のうち7アミノ酸において配列番号2と異なる。 CETPの阻害活性を有する本発明のポリペプチドの類似体およびそのフラグ メントもまた本発明の一部である。この類似体は、配列中に1またはそれ以上の 置換を有するが、依然としてその阻害活性を保持している。CETPの阻害剤と して適当な類似体の例は、本発明のペプチドの類似体およびそのフラグメント、 例えば以下の指針にしたがって1またはそれ以上のアミノ酸が置換されているも のである。 置換アミノ酸は、次の群より選択することができる。 Aspに対して、Glu、Cα−メチルAsp、およびβ−カルボキシAsp; Valに対して、isoVal、norVal、Leu)およびCα−メチルVal; Alaに対して、Gly、β−Ala、Cα−メチルAla、および2−アミノ酪酸; Leuに対して、norLeu、isoLeu、およびCα−メチルLeu; Lysに対して、オルニチン、Arg、シトルリン、およびCα−メチルLys; Glyに対して、Ala、および2−アミノ酪酸; Asnに対して、Gln、シトルリン、およびCα−メチルAsn; Trpに対して、P−ベンゾイルPhe、Arg、およびCα−メチルTrp; Gluに対して、2−アミノアジピン酸、Asp、およびCα−メチルGlu; Ileに対して、Leu、norLeu、およびCα−メチルIle; Argに対して、Lys、ホモArg、シトルリン、およびCα−メチルArg; Glnに対して、Asn、シトルリン、およびCα−メチルGln; Pheに対して、2−アミノ−4−フェニル酪酸、Leu、およびCα−メチルPhe ; Thrに対して、Ser、Met、およびCα−メチルThr; Serに対して、Thr、およびCα−メチルSer;および Proに対して、3,4−デヒドロPro、Ser、およびCα−メチルPro;ならび にこれらの組み合わせ。 しかし、当該技術分野において知られているように、置換アミノ酸と同等の性 質を有する他の置換を、単独でもしくは他の置換と組み合わせて用いることもで きる。 すなわち、本発明にしたがって、CETPの阻害活性を有する実質的に純粋な ポリペプチドが提供される。 本発明の1つの態様においては、このポリペプチドは、高HDL1ヒヒの血漿 中に存在する約31kDの修飾apoA−Iポリペプチドまたは次の配列: のペプチドの、このペプチドに対して生じさせた抗体への結合を阻害することが できる。 他の態様においては、本発明のポリペプチドは高HDL1ヒヒの血漿中に存在 する約4kDのCETP阻害ポリペプチドの、次の式: のペプチドに対して生じさせた抗体への結合を阻害することができる。 さらに別の態様においては、本発明のポリペプチドは、高HDL1ヒヒの血漿 中に存在する約41kDの修飾apoEポリペプチドの、apoC−Iの36ア ミノ酸N末端フラグメントまたは次の式: のペプチドに対して生じさせた抗体への結合を阻害することができる。 さらにまた別の態様においては、このポリペプチドはapoC−Iの36アミ ノ酸N末端フラグメントまたは次の式: のペプチドの、修飾apoA−Iに対して生じさせた抗体への結合を阻害するこ とができる。 好ましいポリペプチドは、次の配列: (配列番号1)の抗4kDペプチド抗体結合阻害フラグメント;および 次の群: Aspに対して、Glu、Ca−メチルAsp、およびβ−カルボキシAsp; Valに対して、isoVal、norVal、Leu、およびCa−メチルVal; Alaに対して、Gly、β−Ala、Ca−メチルAla、および2−アミノ酪酸; Leuに対して、norLeu、isoLeu、およびCa−メチルLeu; Lysに対して、オルニチン、Arg、シトルリン、およびCa−メチルLys; Glyに対して、Ala、および2−アミノ酪酸: Asnに対して、Gln、シトルリン、およびCa−メチルAsn; Trpに対して、P−ベンゾイルPhe、Arg、およびCa−メチルTrp; Gluに対して、2−アミノアジピン酸、Asp、およびCa−メチルGlu; Trpに対して、2−アミノアジピン酸、Asp、およびCa−メチルTrp; Ileに対して、Leu、norLeu、およびCa−メチルIle; Argに対して、Lys、ホモArg、シトルリン、およびCa−メチルArg; Glnに対して、Asn、シトルリン、およびCa−メチルGln; Pheに対して、2−アミノ−4−フェニル酪酸、Leu、およびCa−メチルPhe ; Thrに対して、Ser、Met、およびCa−メチルThr; Serに対して、Thr、およびCa−メチルSer;および Proに対して、3,4−デヒドロPro、Ser、およびCa−メチルPro;ならび にこれらの組み合わせ、 より選択される少なくとも1つの置換アミノ酸を有する、(配列番号1)の抗4 kDペプチド抗体結合阻害類似体; を有するポリペプチドである。 1つの特に好ましい態様においては、このポリペプチドは上述の配列(配列番 号1)の1から36までのアミノ酸を含む。さらに別の特に好ましい態様におい ては、このペプチドは、アミノ酸1から17、1から20、および1から25を 含むペプチドフラグメント(配列番号1)、および抗4kDペプチド抗体/1− 36アミノ酸ペプチド結合阻害活性を有するこれらのフラグメントからなる群よ り選択される。 さらに別の好ましい態様においては、ペプチドフラグメントは(配列番号1) のアミノ酸1から18、および1から28を含むペプチド、および抗4kDペプ チド抗体/1−36アミノ酸ペプチド結合阻害活性を有するこれらのフラグメン トからなる群より選択される。 また好ましいものは、Lys、Asp、およびAsnアミノ酸によるArg、Glu、お よびGlnアミノ酸の置換;Ser、Leu、Alaアミノ酸によるThr、Ile、Glyア ミノ酸の置換;オルニチン、シトルリンおよびαアミノアジピン酸によるLysお よびGluアミノ酸の置換を有する、(配列番号1)の類似体である。 また好ましいものは、(配列番号1)の次の類似体である。アミノ酸1から1 7、1から20、1から25、および1から36、および抗4kDペプチド抗体 /1−36アミノ酸ペプチド結合阻害活性を有するこれらのフラグメントの、任 意の対またはすべてのアミノ酸の対を連結する1つまたは複数のアミド結合(− C(O)−NH−)が、チオエーテル結合(−CH2−S−)、エチル(−CH2 −CH2−)等のアルキルおよび/またはアミノ(−CH2−NH2−)結合によ り置換されているアミノ酸配列を含むポリペプチドである。これらの類似体は、 ペプチド(類似体)の抗体1−36アミノ酸ペプチドへの結合およびCETP阻 害活性がある程度保持されている限り、市販されているかまたは当業者に知られ る方法により製造することができる。 しかしながら、抗体/1−36アミノ酸ペプチド結合の阻害活性を保持してい る限り、他の(配列番号1)の類似体もまた本発明の一部である。 本発明のCETP阻害ポリペプチドは、蛋白質分解を防止するため、粉体(好 ましくは凍結乾燥形態)、溶液(好ましくは−20℃以下に凍結)等として提供 することができる。 本発明はまた、 抗アテローム性動脈硬化症に有効な量の本発明のポリペプチド;および 薬学的に許容される担体 を含む、抗アテローム性動脈硬化症組成物を提供する。 この組成物を予防手段として用いる場合には、組成物は10から200mg、 より好ましくは20から100mgのポリペプチドを含む。しかし、他の量もま た適当である。この組成物を治療目的に用いる場合には、存在するポリペプチド の量は好ましくは約10から400mg、より好ましくは約20から300mg である。しかし、他の量を用いることもできる。 哺乳動物に、好ましくはヒトにペプチドを投与するための、当該技術分野にお いて知られている任意のおよびすべての薬学的に許容しうる担体は、本発明にお いて用いるのに適している。これらは当該技術分野において知られており、本明 細書においてさらに記載する必要はない。しかし、例としては、生理食塩水、ヒ ト血清アルブミンおよびスターチが挙げられる。しかし、他のものを用いること もできる。 本発明の組成物は、単位形態で、好ましくは無菌の閉鎖容器中で、より好まし くは密封容器中で提供される。 別々の容器に、 少なくとも1単位の本発明の抗アテローム性動脈硬化症組成物; 少なくとも1つのシリンジ;および 少なくとも1つの針 を含むキット。 典型的には、キットは約1から20単位の本発明の組成物を含むが、50単位 またはそれ以上を含んでいてもよい。さらにこのキットは、ディスポーザブルの ものである場合には、1から20本、時には50本またはそれ以上のシリンジ、 およびディスポーザブルのものである場合には、1から20本、時には50本ま たはそれ以上の針を含むことができる。キットの成分は無菌の形態で、すなわち 、密封し滅菌した包装またはその他の方法により包装して提供される。ディスポ ー ザブルでない場合には、シリンジおよび針は使用と使用との間にオートクレーブ することができる。 本発明の組成物は、好ましくは静脈内注射により投与されるが、腹膜内、皮下 または筋肉内注射として投与することもできる。ポリペプチドは胃の酸性pHに おいて分解されるであろうことから、経口投与は許容されない。 この組成物は、好ましくは約7から9、より好ましくは約8から9のpHを有 し、pHは当該技術分野において知られているように、塩基、酸または緩衝液を 添加することにより調節することができる。 本発明はまた、 本発明のポリペプチド; ヒヒCETPポリペプチド阻害剤およびこれらのフラグメントおよびこれらの類 似体; apoC−Iの1−36アミノ酸N末端フラグメント; 修飾apoA−I(分子量31kD);および 修飾apoE(分子量41kD) からなる群より選択されるポリペプチドに対して特異性を有する抗体を提供する 。 本発明の抗体は、当該技術分野において知られているように、哺乳動物におい て生じさせることができる(Albers,J.J.Hazzard,W.R.,Immunochemical Q uantification of the Human Lp(a)Lipoprotein,Lipids 9:15-26(1974)) 。 典型的には、この抗体はウサギ、ヤギ、羊、豚および鶏において生じさせるこ とができる。しかし、他の哺乳動物を用いることもできる。好ましいものはウサ ギ抗体である。ポリクローナル抗体もまた好ましい。しかし、当該技術分野にお いて知られている方法によりモノクローナル抗体を製造することもできる(Kohl er,G.,and Milstein,D.,Continuous Cultures of Fused Cells Secreting A ntibody of Predefined Specificity,Natue(London)256:495-497(1975)) 。 1つの好ましい態様においては、本発明の抗体は修飾apoA−Iに特異的に 結合することができる。 別の好ましい態様においては、この抗体は、本発明のヒヒCETP阻害剤ポリ ペプチドに特異的に結合することができる。 他の好ましい態様においては、本発明の抗体は次の配列: および上述のこれらのフラグメントおよびこれらの類似体 のポリペプチドに特異的に結合することができる。 本発明のまた別の好ましい態様においては、この抗体は修飾apoEに特異的 に結合することができる。 本発明の他の好ましい態様においては、この抗体はまた、apoC−Iに、よ り好ましくはその1−36のN末端フラグメントに特異的に結合することができ る。 本発明の別の態様においては、アテローム性動脈硬化症の素因を有する哺乳動 物においてアテローム性動脈硬化症を予防する方法を提供する。この方法は、哺 乳動物に予防上有効量の本発明のポリペプチドまたは上述の抗アテローム性動脈 硬化症組成物を投与することを含む。 好ましい態様においては、予防の用途のためには、約2から100mgの量の ポリペプチドが投与される。しかし、他の量を投与することもできる。ポリペプ チドまたはその組成物は、当該技術分野において知られているように、小容量の 担体、例えば0.2から1.5mlの生理食塩水または他の担体中において投与 することができる。 本発明のポリペプチドは、高血中コレステロールおよび高βリポ蛋白血症に罹 患していないが、他の手段により決定してアテローム性動脈硬化症に罹患する危 険性を有する集団、特にヒトの集団の一部に静脈内投与することができる。1つ のそのような例は決定されている家族性形質であろう。 本発明のポリペプチドは連日投与することができる。あるいは、アップジョン 社(UpJohn Co.Kalamazoo,MI)により提供されるデポエストラジオール等の、 当該技術分野において知られている緩効性組成物として与えられる場合には、よ り長い間隔で投与することができる。 他の態様においては、本発明はアテローム性動脈硬化症に罹患した哺乳動物を 治療する方法を提供する。この方法は、哺乳動物に治療上有効量の本発明のポリ ペプチドを投与することを含む。治療目的として投与される場合には、約10か ら400mg、より好ましくは20から300mgのポリペプチドが注射される 。しかし、特定の症例における医師の評価により他の量を投与することもできる 。 治療的投与の場合には、予防的投与の場合と同様に、ポリペプチドを、他の経 路の中でも静脈内に投与することができる。 本発明を一般的に説明してきたが、本発明は特定の実施例を参照することによ って、より理解することができるであろう。これらの実施例は、例示の目的のた めのみに本明細書に記載されるものであり、特にことわらない限り、本発明およ びそのいかなる態様をも限定することを意図するものではない。 実施例 実施例1:動物および食餌 これらの研究の血液供与体としては、Southwest Foundati on for Biomedical Research,San Anton io,Texasのヒヒ群落において保持されている成体雄または雌ヒヒ(pa pio種)を用いた。これらのうち、24頭は高HDL1表現型を有し、32頭 は低HDL1表現型を有していた(Williams,M.C.,et al.,Detection of Abn ormal Lipoprotein In a Large Colony of Pedigreed Baboons Using High-Perf ormance Gel Exclusion Chromatography,J.Chromat.308:101-109(1984)) 。 高HDL1ヒヒ(n=16)の半分をHCHF食餌により維持した。この食餌 の組成は先に記載されている(Kushwaha,R.S.,et al.,Metabolism of Apoli poprotein B. In Baboons with Low and High Levels of Low Density Lipoprot ein.J.Lipid Res.27:497-507(1986))。 低HDL1表現型のヒヒの供与体のほとんどは、チャウ食餌(Purina Monkey C how,Ralston Purina Co.,St.Louis,Missouri)により維持した。このモンキ ーチャウは低脂肪(総カロリーの10%)、高炭水化物(総カロリーの62%) である。さらに、この食事はコレステロール含有量が非常に低い(0.03mg /Kcal)。 高HDL1ヒヒは、高HDL1表現型を有する2つの雄親(X1672およびX 102)の子孫である。低HDL1ヒヒは、高HDL1表現型を有しなかった多数 の雄親の子孫である。HDL1の存在は、先に記載されているように高速液体ク ロマトグラフィー(HPLC)により検出した(Williams,et al.,Detectiono f Abnormal Lipoprotein In a Large Colony of Pedigreed Baboons Using High -Performance Gel Exclusion Chromatography,J.Chromatography.308:101-1 09(1984))。 実施例2:3HコレステロールエステルHDLの調製 高および低HDL1ヒヒを10mg/kgのケタミンHC1により固定し、採 血した。EDTA1mg/mlを含む試験管に血液を集め、6℃における低速遠 心分離により血漿を分離した。血漿を、先に記載されているように、アジ化ナト リウム、クロラムフェニコール、硫酸ゲンタマイシン、フッ化フェニルメチル1 −スルホニルおよびDTNBにより処理した(Kushwaha,R.S.,et al.,Impai red Plasma CE Transfer with Accumulation of Larger High Density Lipoprot eins in Some Families of Baboons(papio sp.),J.Lipid Res.31:965-973 (1990))。 20から60μCiのトリチル化リノレイン酸コレステロールをエタノールに 溶解し、次に血漿に加えた。血漿を窒素でフラッシュして4℃において20時間 インキュベートした。 インキュベーションの後、密度勾配超遠心分離(McGill,H.C.et al.,Diet ary Effects on Serum Lipoprotein of Dsylipoproteinemic Baboons with High HDL1,Atheriosclerosis 6:651-663(1986);Redgrave,T.G.,et al.,Sepa ration of Plasma Lipoprotein by Density-Gradient Ultracentrifugation,An a.Biochem.65:42-49(1975))によりHDL3を単離し、生理食塩水/EDT Aに対して透析し、CE転送反応の基質として使用した。 アッセイにおいて用いる前に、HDL3中の総コレステロールおよび遊離コレ ステロール含有量を測定した。 実施例3:受容体リポ蛋白質およびCETP源の調製 低HDL1ヒヒからのVLDL+LDLをHDL3からのCEの受容体として使 用した。先に記載されているように(Kushwaha,et al.,(1986)上掲)、10 0−200mlの血液から、逐次的(sequential)超遠心分離によりd<1.0 40g/mlのVLDL+LDL分画を単離した。受容体リポ蛋白質中の総コレ ステロールおよび遊離コレステロール含有量は酵素的方法により測定した(Wako Pure Chemical Co.)(Allain,C.C.,et al.,Enzymatic Determination of T otal Serum Cholesterol,Clin.Chem.20:470-475(1974))。 VLDL+LDLを分離した後、固体KBrを加えて底部分画をd=1.21 g/mlに調節し、総リポ蛋白質を超遠心分離により単離した(Kushwaha,et a l.,(1986)上掲)。d>1.21g/mlの底部分画も集めた。 すべてのリポ蛋白質分画およびd>1.21g/ml(LPDS)のリポ蛋白 質欠損分画を生理食塩水/EDTAに対して透析した。LPDSをCETPの源 として用いた。 実施例4:コレステロールエステル転送アッセイ 試料のCE転送活性は、先に記載された方法を変更してアッセイした(Kushwa ha,et al.,(1986)上掲)。 簡単には、50−100μgの低HDL1ヒヒからのCEを含む3H CE標識 HDL3を、LPDSの存在下で、100−300μgのCEを含むVLDL+ LDLと共にインキュベートした。受容体リポ蛋白質およびLPDSは低HDL1 ヒヒ血漿(チャウ食餌)から得た。場合によっては、HDL3はHCHF食餌で 維持された高HDL1ヒヒから得た。 インキュベーションは4℃(対照)および37℃において4−6時間実施し、 試料を氷上に置くことにより終了させた。次にアッセイ混合物を超遠心分離して d>1.040g/mlを有するVLDL+LDLを分離し、先に記載されるよ うにリポ蛋白質中の放射活性を計数した(Kushwaha,et al.(1986)上掲)。 4℃および37℃においてHDLからVLDL+LDLに転送された放射活性に ついて観察された相違を、LPDSにおけるCETP活性とみなした。 時間経過実験により、7時間まで直線的な応答が得られた。同様に、CETP 活性は、LPDS140μlまでは、LDPSの増加に対して直線的であり、こ れは等容量の血漿から得られた。 本発明のポリペプチドおよびその合成フラグメント、ならびに適当な合成対照 ペプチドを反応混合物に加えて、そのCETP阻害活性を決定した。 対照実験と阻害剤ペプチドを用いるアッセイとの差異のパーセンテージを阻害 活性として表した。 実施例5:阻害ポリペプチドの同定 72時間の超遠心分離により得られた底部非リポ蛋白質分画を、β−メルカプ トエタノールによる前処理をせずに10%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気 泳動により蛋白質含有量について分析した(Laemmli,U.K.,Cleavage of Stru ctural Proteins During the Assembly of the Head of Bacteriophage T4,Nat ure 227:680-685(1970))。 低分子量アポリポ蛋白質における差異を決定するために、高および低HDL1 ヒヒからの破損させたd<1.21g/mlのリポ蛋白質を、試料をゲルに負荷 する前にβ−メルカプトエタノールによる前処理を行って15−19%SDS− ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離した。 実施例6:阻害ポリペプチドの電気溶出 高HDL1ヒヒ血漿からのd<1.21g/mlのリポ蛋白質分画をエーテル −エタノールにより破損させ(Floren,C.H.,et al.,Estrogen-Induced Incr ease in Uptake of Cholesterol-Rich Very Low Density Lipoproteins in Perf used Rabbit Liver,Metabolism 30:367-374(1981))、β−メルカプトエタ ノールを加えた後に15%SDS−ゲル電気泳動により分離した(Laemmli,(1 970)上掲)。低分子量蛋白質のバンドを切り取り、チューブゲル(15%)上 に移 した。 分子量カットオフ点が1000である透析チューブをゲルチューブの底部に装 着し、電気溶出されるペプチドを受け取った。このようにして電気溶出されたペ プチドを透析し、その660nmにおける吸収を、同時に電気溶出された既知量 の染色アルブミンと比較することにより定量した。 実施例7:抗体の製造 アポリポ蛋白質は15%SDS−ゲル電気泳動により分離し、染色した(Laem mli,(1970)上掲)。染色されたバンドをニトロセルロース膜上に移した。阻 害ポリペプチドに対応するバンドを切り出し(0.05mg)、0.5mlの濾 過DMSOに溶解した。次に0.5mlのフロインドアジュバントを加え、よく 混合し、この混合物を2匹のウサギに皮下注射した。30日後、同様の量の電気 溶出された蛋白質バンドによりウサギをブーストした。抗体力価はウエスタンブ ロッティングにより測定した。ウサギは3回繰り返してブーストした。 合成ポリペプチドに対する抗体の製造のためには、500μgのポリペプチド を400μlのタイターマックス(Titer Max,CytRx Corporation,Atlanta,G A)に溶解し、ウサギに皮下注射した。第28日に、200plのタイターマッ クス中の合成ペプチド500μgによりウサギをブーストした。第42日に血清 を試験した。必要に応じてウサギから血液を取り出して抗血清を得た。 実施例8:イムノアフィニティクロマトグラフィー イムノアフィニティカラムは、CnBr−活性化セファロースビーズ(Pha rmacia Co.)を用いて製造した。結合させたリガンドは、抗体を有す るウサギの血清から沈殿させたIgGであった。IgGを沈殿させるために用い た方法は、McKinneyおよびParkinsonにより記載される方法と 同様であった(McKinney,M.M.and Parkinson,A.,A Simple Non-Chromatogr aphic Procedure to Purify Immunogloblins From Serum and Ascites Fruid,J .Immunological Methods 96:271-278(1987))。 簡単には、ウサギ血清5mlを酢酸緩衝液(pH4.0)で4倍に希釈した。 カプリル酸625μlを滴加してアルブミンおよび非IgG蛋白質を沈殿させた 。不溶性物質を10,000×gで30分間遠心分離することにより除去した。 上清をリン酸緩衝生理食塩水と混合し、1N水酸化ナトリウムによりpHを7. 4に調節した。この溶液を4℃まで冷却し、硫酸アンモニウムを加えて最終濃度 45%として、IgGを沈殿させた。 遠心分離により沈殿物をペレットとして回収し、リン酸緩衝生理食塩水に再懸 濁した。IgGを100容量のリン酸緩衝生理食塩水中で一夜透析し、次に酢酸 ナトリウム緩衝液(pH8.3)に溶解し、CnBr−活性化セファロースビー ズ3gに結合させ、使用するまでトリス−生理食塩水(pH7.4)中で保存し た。 血漿8mlをトリス−生理食塩水緩衝液中でIgG結合ビーズと共に、穏やか に回転させながら一夜インキュベートした。次に、CheungおよびAlbe rsにより記載されるように、カラムをトリス生理食塩水結合用緩衝液および酢 酸ナトリウム緩衝液で洗浄した(Cheung,M.C.,and Albers,Distribution of High Density Lipoprotein Particles with Different Apolipoprotein Composi tion:Particles with A-I and A-II and Particles with A-I But No A-II,J .Lipid Res.23:747-753(1982))。 結合した蛋白質を0.1M酢酸(pH3.0)で溶出し、1mlのアリコート を集め、280nmの読みを測定してピークを可視化した。直ちに、蛋白質分画 をリン酸緩衝生理食塩水に対して透析し、15%SDS−ポリアクリルアミドゲ ルにおける電気泳動により分離した。 実施例9:イムノブロッティング SDS−ポリアクリルアミドゲルにより分離した蛋白質をイモビロンPシート (Immobilon-P sheet,Millipore,Bedford,MA)上に移した。非特異的部位の ブロッキング後、このシートを阻害ペプチドに対する抗体と共にインキュベート した。シートを洗浄し、西洋ワサビペルオキシドを含む第2抗体と共に再びイン キュベートした。3−アミノ−9−エチルカルボゾール、メタノールおよび過酸 化水素を含むホウ酸緩衝液を加えて発色させた。 実施例10:アミノ酸分析および配列決定 蛋白質の染色バンドをイモビロンPシート上に移した。選択されたバンドを切 り出し、50%プロピオン酸、50%12N HClにより135℃において2 時間加水分解した。各々の試料のアミノ酸分析は、システムゴールド(System G old)ソフトウエアを備えたモデル6300アミノ酸分析器(Beckman Co.,Palo Alto,CA)を用いて実施した。 同一のバンドを、モデル477A蛋白質シークエンサー(Applied Biosystems ,Foster City,CA)を用いて配列決定した。 実施例11:合成ペプチドの製造 ペプチドは、BaranyおよびMerrifieldにより記載されている ようにして、固相ペプチド合成により合成した(Barany,G.and Merrifield,R .B.,The Peptides,Analysis,Synthesis,Biology;Gross,E.and Meinehof er,J.,eds.Vol.2,Academic Press,New York,pp.1-284(1980))。 1−36アミノ酸合成ペプチドは、固体支持体に取り付けたアミノ酸のαカル ボキシル基を用いてC末端からN末端に向かって組み立て、次にHPLCで特徴 付けを行った。 実施例12:データ分析 以下の実施例に示される値は平均値であり、平均値±標準偏差として与えられ る。これらの値は、分散分析を用いて比較し、有意な差異が検出された場合には これらの値をダンカン多範囲試験(Dancan's Multiple Range Test,Duncan,D .B.,Multiple Range and Multiple F Tests,Biometrics 11:1-12(1955)) を用いて比較した。 実施例13:下澄分画からの蛋白質の特徴付け リポ蛋白質を拡張的に、例えば72時間または繰り返し超遠心分離した場合、 HDLからCETP阻害活性が消失した。超遠心分離後、阻害活性は下澄(infr anatant)分画に見いだされた。 蛋白質を特徴付けるため、下澄分画(d<1.21g/ml)を、β−メルカ プトエタノールの不在下で10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により 分離した。 高HDL1ヒヒからの下澄分画には、アルブミン、apoA−Iよりわずかに 大きい蛋白質およびapoEより大きい他の蛋白質が含まれていた。レーンAお よびBは、それぞれ高および低HDL1ヒヒからの非リポ蛋白質分画を示す。蛋 白質バンド1、3および5は、それぞれアルブミン、apoEおよびapoA− Iに対応する。それぞれ1と3、および3と5との間の分子量である蛋白質バン ド2および4は、それぞれ分子量41,000および31,000の蛋白質に対 応する。高HDL1ヒヒからの蛋白質試料は、アルブミン、分子量41,000 の蛋白質および分子量31,000の蛋白質に対応するバンドのみを示した。分 子量は同様のゲルで分離した標準蛋白質を用いて決定した(ゲルの写真は示され ていない)。 低HDL1ヒヒからの下澄分画もこれらの蛋白質を含んでいたが、それに加え て、apoA−IおよびapoEも含まれていた。apoA−I領域にある両方 の蛋白質をapoA−Iに対する抗体を用いるイムノブロッティングにより同定 した。 同様に、apoE領域にある両方の蛋白質をapoEに対する抗体を用いるイ ムノブロッティングにより同定した。apoA−IおよびapoEを用いるイム ノブロッティングにより検出された蛋白質の分子量は、約4kDの差異を示した (写真は示されていない)。apoA−Iの推定分子量は約27,500であり 、修飾apoA−Iの推定分子量は約31,000である。同様に、apoEの 推定分子量は約37,000であり、修飾apoEの推定分子量は約41,00 0である。apoA−IおよびapoEの両方とも分子量約4,000の蛋白質 により修飾されていた。 実施例14:高HDL1ヒヒの血漿中のCETP阻害剤ペプチドの検出 分子量4,000の共通ポリペプチドがapoA−IおよびapoEの両方を 修飾しているか否かを決定するために、β−メルカプトエタノールを用いる18 %SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、高および低HDL1ヒヒか らd<1.21g/mlの血漿リポ蛋白質を分離した。 高HDL1ヒヒからのリポ蛋白質からは、低HDL1ヒヒからのリポ蛋白質より も多量の4kD蛋白質が検出された(ゲルの写真は示されていない)。 この4kDポリペプチドがCE転送を阻害するか否かを決定するために、ポリ ペプチドおよびアルブミンをゲルから電気溶出し、上述の実施例4において記載 したように、低HDL1ヒヒからのリポ蛋白質とともにCE転送アッセイ混合物 中において増加濃度で用いた。アルブミンはHDLからVLDL+LDLへのC Eの転送には影響を及ぼさなかった。一方、4kDのポリペプチドは、CETP 活性を有意に阻害した(結果は示されていない)。 実施例15:アフィニティクロマトグラフィーによるポリペプチドの特徴付け 高HDL1ヒヒから得られたリポ蛋白質から単離された4kDポリペプチドに 対するウサギ抗体を製造した。この抗体を用いてイムノアフィニティカラムを調 製した。d<1.21g/mlのリポ蛋白質をイムノアフィニティカラムに通し た。結合したリポ蛋白質を0.1M酢酸により溶出し、15%SDS−ポリアク リルアミド還元ゲルで分離した。4kDおよび31kDのポリペプチドおよび4 1kDポリペプチドに対応する小バンドが検出された。 カラムに結合したペプチド(100pg)は、低HDL1ヒヒからのCETP アッセイにおいて、CEの転送を31.3±1.4%(平均値士SE,n=3) で阻害した。 一方、高HDL1ヒヒからのアッセイにIgGを添加すると、CE転送は44 .3±1.5%(n=3)増加したが、低HDL1ヒヒからのCE転送には影響 を及ぼさなかった。 実施例16:4kD阻害ポリペプチドの配列データバンクとの比較 配列データバンク(Sequence Data Bank,Reardon,W.R.and Lipman,D.J. ,PNAS(USA)85:2444-2448(1988))を用いて、このポリペプチドの配列を既 知 の蛋白質の配列と比較し、ヒトおよびカニクイザルのapoC−Iと100%の ホモロジーを有することを見いだした。 次にこの配列をヒヒからのapoC−Iと比較し、100%のホモロジーを有 することを見いだした(Dr.Hixon,Southwest Foundation for Biomedical Res earch からの私的情報)。 実施例17:合成ペプチドを用いる阻害ポリペプチドの特徴付け 分子量に基づき、4kDポリペプチドは約36アミノ酸を含むことが決定され た。 apoC−I配列のC末端から始まる3つのペプチドを合成した。第1のペプ チドは9アミノ酸を含み、第2のペプチドは21アミノ酸を含み、第3のペプチ ドは36アミノ酸を含んでいた。36アミノ酸ペプチドは分子量4,000のポ リペプチドと同様のアミノ酸配列を有しており、他の2つは合成ペプチドのC末 端から始まるフラグメントであった。 これらのペプチド50μgを用いて、上述の実施例4に記載されるように、低 HDL1ヒヒのリポ蛋白質とともにCETPアッセイを行った。分子量1,90 0の可溶性らせんペプチドを対照として用いた。36アミノ酸ポリペプチドはH DLからVLDLおよびLDLへのCE転送を有意に(p<0.01)阻害した が、他のポリペプチドおよび対照ペプチドは阻害しなかった。 実施例18:36アミノ酸阻害ペプチドに対する抗体 実施例7に記載されるように、36アミノ酸阻害ペプチドに対する抗体をウサ ギで製造し、イムノブロッティングに使用した。得られた抗体は、4kDペプチ ドならびに高HDL1ヒヒのリポ蛋白質からの31kDポリペプチドを認識した 。 高および低HDL1ヒヒの血漿にapoC−Iおよび4kDポリペプチドの両 方が存在するか否かを決定するために、両方の表現型からのリポ蛋白質を10% SDSゲル電気泳動で分離してイムノブロッティングを行った。高HDL1ヒヒ からの試料のイムノブロッティングにより、2つの蛋白質のバンドが抗体で検出 された。低HDL1ヒヒからの試料においては、単一のバンドのみが検出された 。 さらに、合成ペプチドの等電点電気泳動パターンは、このペプチドがいくぶん 塩基性の蛋白質であることを示唆している。 実施例19:種々のペプチドフラグメントによるCETP阻害 上述の実施例4に記載されるように、HDL1ヒヒ血漿、3H HDLおよび VLDL+LDL担体を用いて、交換を媒介するCETP酵素の存在下にCE転 送アッセイを行った。 反応は37℃および4℃(対照)において2重に行った。以下の表1に結果を 示す。 実施例20:合成CETP阻害ペプチドによるヒトからのCETPの阻害 本発明者らにより記載された方法により、ヒト血漿からのコレステロールエス テル転送活性をアッセイした(Kushwaha R.S.,Rainwater D.L.,Williams S. C.,Getz G.S.,and McGill H.C.,Jr.,Impaired Plasma Cholesteryl Este r Transfer with Accumulation of Large High Density Lipoproteins in Some Families of Baboons(Papio sp.),J.Lipid Res.31:965-973(1990))。 簡単には、低HDL1ヒヒからの[3H]コレステロールエステル標識HDL(コ レステロールエステル10μg,比活性3−4×106dpm/mgコレステロ ールエステル)を、ヒヒからの50−100μgのVLDL+LDLコレステロ ールエステルとインキュベートした。インキュベーションは、ヒトから得た10 0μlのリポ蛋白質欠損血清(LPDS)および2mMのDTNBの存在下にお いて実施した。アッセイの総容量は1mlであった。インキュベーションは4℃ および37℃において1−2時間行った。インキュベーションの終わりに、40 μlのヘパリン(5000単位/ml)、0.5mlの血漿および60μlの1 M MnCl2をこの順序で加えた。混合物をボルテックスし、氷上で0.5時 間インキュベートし、10分間遠心分離した。シンチレーション分光計により上 清分画の放射活性を測定した。4℃と37℃との差異がCETP媒介性転送を表 すものと考えた。同時に、合成CETP阻害ペプチド(38アミノ酸のヒヒap oC−I末端ペプチド,Ala-Pro-Asp-Val-Ser-Ser-Ala-Leu-Asp-Lys- Leu-Lys-Glu-Phe-Gly-Asn-Thr-Leu-Glu-Asp-Lys-Ala-Trp-Glu-V al-Ile-Asn-Arg-Ile-Lys-Gln-Ser-Glu-Phe-Pro-Ala-Lys-Thr(配 列番号2))の存在下で、各々のセットのヒトCETPインキュベーションを実 施し、CETP阻害剤の存在下におけるHDLからVLDL+LDLへのコレス テロールエステルの転送を測定した。場合によっては、合成CETP阻害剤は3 8アミノ酸のヒトapoC−I末端ペプチド(Thr-Pro-Asp-Val-Ser-Ser- Ala-Leu-Asp-Lys-Leu-Lys-Glu-Phe-Gly-Asn-Thr-Leu-Glu-Asp-L ys-Ala-Arg-Glu-Leu-Ile-Ser-Arg-Ile-Lys-Gln-Ser-Glu-Leu-Ser -Ala-Lys-Met(配列番号3))と同様であった。 これらの実験の結果を以下の表に示す。 実施例21:[3H]HDLコレステロールエステル標識HDL、VLDL+L DL、LPDS(ヒト)の調製方法 [3H]コレステロールエステル標識HDLおよび受容体リポ蛋白質(d<1 .045g/ml)は、発明者らにより記載されたようにして調製した(Kushwa haet al.,J.Lipid Res.31: 965-973(1990))。低HDLヒヒをケタミンH Cl(10mg/kg)で固定した後に採血した。血液をEDTA (lmg/ ml)を含む試験管に集め、6℃における低速遠心分離により血漿を分離した。 血漿は ただちにアジ化ナトリウム(0.2g/l)、硫酸ゲンタマイシン(0.1g/ l)、クロラムフェニコール(0.05g/1)およびフッ化フェニルメチルス ルホニル(0.5mM)により処理した。エタノールに溶解したトリチル化オレ イン酸コレステロール(20μCi/ml)を血漿に加えた。血漿を窒素でフラ ッシュして、4℃において20時間インキュベートした。インキュベーションの 後、密度勾配超遠心分離(Kushwaha,et al.,1990)によりHDLを単離し、通 常の生理食塩水/EDTA(0.001M)に対して透析し、コレステロールエ ステル転送反応の基質として使用した。VLDL+LDL (d<1.045g /ml)およびLPDSは、発明者らによって記載されたように、2から4頭の ヒヒから得た100−200mlの血液から逐次的超遠心分離により単離した( Kushwaha,et al.,1990)。総コレステロールおよび遊離コレステロールおよび HDLおよびVLDL+LDLは酵素的アッセイを用いて測定した(Wako Pure Chemical Co.)。 実施例22:ヒトCETPの単離方法 ヒトCETPを単離するために、ヒト対象から血液(5−10ml)を得てE DTA(1mg/ml)を含む試験管に入れた。低速遠心分離により血漿を得た 。 血漿を氷上に保存し、血漿1mlあたり40μlのヘパリン(5000単位/m 1)および血漿1mlあたり60μlの1M MnCl2を加えることによりL DLを沈殿させた。血漿をボルテックスして氷上で15分間インキュベートした 。インキュベーションの後、遠心分離により上清を回収した。この工程を2回繰 り返し、血漿中のVLDL+LDLを完全に沈殿させた。次に、上清に1mlあ たり80μl/mlの10%硫酸デキストランを加え、15分間インキュベート した。この混合物を遠心分離し、上清を集め、CETPの源として用いた。 【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:36アミノ酸 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:ぺプチド 配列 配列番号:2 配列の長さ:38アミノ酸 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:ぺプチド 配列 配列番号:3 配列の長さ:38アミノ酸 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:ぺプチド 配列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カンダ,パトリック アメリカ合衆国テキサス州78284,サン・ アントニオ,チャーチヒル・エステイツ 15051

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. コレステロールエステル転送蛋白質の阻害活性を有する実質的に純粋なポ リペプチドであって、次のペプチド: からなる群より選択されるペプチドの少なくとも一部分を含むポリペプチド。 2. 凍結乾燥された形態である、請求項1記載のコレステロールエステル転送 蛋白質阻害ポリペプチド。 3. 抗アテローム性動脈硬化症に有効な量の、次のポリペプチド: からなる群より選択されるポリペプチドの少なくとも一部分および薬学的に許容 される担体を含む、抗アテローム性動脈硬化症組成物。 4. 別々の容器に、 少なくとも10から400mgの請求項3記載の組成物; 少なくとも1つのシリンジ;および 少なくとも1つの針 を含む、抗アテローム性動脈硬化症キット。 5. 次のポリペプチド: からなる群より選択されるポリペプチドの少なくとも一部分を含むポリペプチド に対して特異性を有する抗体。 6. ポリクローナル抗体である、請求項5記載の抗体。 7. 修飾apoA−Iに特異的に結合しうる請求項5記載の抗体。 8. ヒヒCETP阻害蛋白質に特異的に結合しうる請求項5記載の抗体。 9. 修飾apoEに特異的に結合しうる請求項5記載の抗体。 10. apoC−Iに特異的に結合しうる請求項5記載の抗体。 11. アテローム性動脈硬化症の状態の素因を有する哺乳動物において抗アテ ローム性動脈硬化症を予防する方法であって、哺乳動物に予防上有効量の次のペ プチド: からなる群より選択されるペプチドの少なくとも一部分を含むポリペプチドを投 与することを含む方法。 12. ポリペプチドが約10から200mgの量で投与される、請求項11記 載の方法。 13. ポリペプチドが静脈内投与される、請求項11記載の方法。 14. 哺乳動物がヒトである、請求項11記載の方法。 15. アテローム性動脈硬化症に罹患した哺乳動物を治療する方法であって、 哺乳動物に治療上有効量の次のペプチド: からなる群より選択されるペプチドの少なくとも一部分を含むポリペプチドを投 与することを含む方法。 16. ポリペプチドが約10から400mgの量で投与される、請求項15記 載の方法。 17. ポリペプチドが静脈内投与される、請求項15記載の方法。 18. 哺乳動物がヒトである、請求項15記載の方法。
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