JPH08502194A - 集水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 集水装置は、流入口（１５），流出口（１６）及び前記流入口と流出口の間に延びている流体通路（１８）を有する収納体（１２）と、流体通路に配された吸水体（１７）からなる。吸水体は、実質的に流体通路（１８）の流動断面全体を満し、高吸水能力を有する十分な量の物質からなる。吸水体は、流入口（１５）及び流出口（１６）と連通することで流体が流れ、実質的に吸水剤のない少なくとも一つの流体経路（１９）を内部に形成している。吸水体（１７）は水分を吸収する際に膨潤し、予め定められた分だけ膨潤すると弁などの制御部材または作動部材を起動する。

Description

【発明の詳細な説明】 集水装置 本発明は集水装置に関し、これは流入口と、流出口、及びこれら流入口と流出 口の間に延びている流体通路を有する収納体と、該収納体の流体通路に配される 集水手段とからなる装置に係るものである。 この種のものでは、多くの異なる装置が公知になっている。患者の看護目的に 使用される場合の装置は、気密に閉鎖することが可能な、収納体を形成する剛性 容器と、流入口に接続され、集水手段としての役割を果たす袋状容器からなる。 この種の装置を使用する場合、流出口は減圧ポンプまたは他の減圧源に接続され 、一方、流入口は、患者の呼吸管に挿入し痰を吸引するカテーテル等に接続され る。 流入口から流動する痰またはこれに類似する他の液体物質は、減圧作用の影響 でバッグに流れ込む。容器内の減圧空気は、バッグの一または複数の開口部を介 して流入口と連通しており、バッグは流入口に取り付けられ、ここから懸架され る。使用後はバッグを取り外し、新しいバッグと交換するために処分する。 この種の装置を正確に位置決めして使用することにより、流入口から吸引され る痰が流出口及び減圧源と流出口を接続するホースに到達することを防ぐだけで なく、容器の内面を汚すことも防ぐことができるが、装置は大きく、嵩張ってし まう。 本発明の目的は、簡単で安価に構成することが可能で且つ容易に使用すること のできる上記の種の装置を提供することである。 本発明の装置は、この目的を達成するため独立クレームに記載す るように構成される。好適な実施例の構成については従属クレームに記載するこ とにして、以下に本発明装置を詳述する。 以下詳細を示すように、本発明の装置において集水手段は吸水体から構成され 、吸水体の大部分は吸水能力が高く、液体の流動が可能なように収納体に配され た物質からなり、空気を同伴する吸引空気及び液体または気体状の水分などは、 吸水体の周囲を包囲している。従って実際の用途では、収納体を介して流動する 流体が流出口に到達する場合には、吸水体が非常に隣接して設けられるために、 少なくとも流体の液相は吸水体によって吸収されることになる。 本発明による装置の３つの実施例を添付の図面を参照して以下に詳述する。 図１乃至３は、それぞれ平面図、立面図（部分的に長手方向断面に示す）、及 び図１のIII−III線における断面図を示す。 図４は、第２の実施例すなわち、図２に示す第１の実施例に対応する吸水部で ある。 図５は、図４に示す実施例の変形例である。 図６は、図４のVI−VI線における断面図である。 図７乃至９は、３つの異なる状態の第３の実施例を示す垂直断面図である。 図１乃至３に示すように、以下吸水部として参照する集水装置は使い捨てアイ テムとして形成され、プラスチックフィルムまたは気体及び液体に対して不透過 性の他の可撓シート材により構成される管状部材（１２）から形成される収納体 （１１）と、一対の剛性端 部ピース（１３，１４）からなり、プラスチック管状部材（１２）の端部はこれ ら剛性端部ピースと気密に接続され、該端部ピースは管状流入口接続部（１５） 及び管状流出口接続部（１６）のそれぞれと一体に形成される。さらに吸水部は 、プラスチック管状部材（１２）に配された、ラミネート状の長尺な吸水体（１ ７）からなる。吸水体は、管状部材（１２）及び端部ピース（１３，１４）の対 向面により形成され、流入口接続部及び流出口接続部（１５，１６）の間に延び ている液体通路を形成している一貫したスペース（１８）を実質的に占めている 。 以下に詳細を述べるように、吸水体（１７）には、該吸水体の対向端部間を延 び、実質的に吸水体の全断面に亘って分布された複数の長手方向流体流動経路（ １９）が設けられる。吸水体（１７）のこれら全ての経路を介して、流体が端部 ピース（１３，１４）間を容易に流れることを可能にするために、各端部ピース には多数の開口部が形成され、これらの開口部は吸水体と面している端部ピース 全体の面に亘って分布され、対応する管状接続部（１５，１６）の孔部と連通し ている。 吸水体（１７）は、吸水性が高く、水分を吸収することで膨潤または膨脹する 物質からなる複数の層（２１）により形成される。この物質は、高吸水性物質ま たは高吸水性物質を成分とするものであるのが好ましく、この場合高吸水性物質 とは、おむつ、衛生ナプキン、及び高い吸水能力が要求される他の製品に共通し て用いられているものである。層（２１）は、空気及び液体に対して透過性であ り、経路（１９）を形成する交互に配された中間層（２２）により 分離される。これらの中間層は、液体を全く吸収しないかまたは液体吸収能力の 低い物質によって構成されるのが好ましく、疎水性物質であるのが好ましい。例 えば、中間層（２２）は疎水性フィラメントまたはファイバーの織成生地または 不織布から構成されても良い。これらは、集水装置を使用した場合にも経路（１ ９）が潰れることのないように十分に堅牢なものでなければならない。 隣接する吸水層（２１）間に形成される中間層（２２）及び経路（１９）は、 吸水層（２１）が水分を吸収したことにより液体または空気を透過する能力を失 った場合にも、流入口端部ピース（１３）と流出口端部ピース（１４）の間の差 圧により、液体及び空気が吸水層（２１）の間を流れることを可能にする。 図１乃至３に示した装置を用いる際、例えば始めに詳述した特性を与えるため に、流出口接続部（１６）を真空ポンプまたは他の減圧源（図示せず）と、流入 口接続部（１５）を液体吸引部とそれぞれ接続する。収納体（１１）の内部で発 生した減圧空気によって、管状部材（１２）は吸水体（１７）に対して吸引され 、また結果として吸水体を多少圧縮する必要がある場合にも、空気が吸水体を通 過することは可能である。 始めに、空気は経路（１９）及び吸水層（２１）を比較的容易に通過すること ができるが、これは経路（１９）及び吸水層（２１）は最初は完全に乾燥してお り、空気に対して透過性であるためである。吸引空気に同伴する液体が吸水体（ １７）に侵入する際、この液体は吸水層（２１）により収集され、保留される。 その結果、吸引空気のみが流出口接続部（１６）に流出することができる。液体 を吸収することで、吸水層（２１）は序々に空気透過性を失うが、経路（１９） によって常に余分な液体を吸水体（１７）へと吸引し、これを吸収することが可 能である。 吸収する液体の量が増加することで、吸水体（１７）は膨潤または膨脹し、そ の結果管状部材（１２）も膨脹する。この膨脹は吸水体に高吸水性物質を用いる 場合は、特に激しくなる。しかしながら反対に、高吸水性物質による膨脹が吸水 能力または経路（１９）の透過性に大きな影響を及ぼすことはなく、液体の吸収 は、吸水体（１７）全体が吸水または膨脹能力の限界まで液体に満たされるまで 継続することが可能である。 図４及び６に符号１１１で、図５に符号２１１で示す本発明を実施する吸水部 の２つの実施例は、図１乃至３の吸水部と対応し、剛性ハウジングまたは外部収 納体（３１，４１）及びこれらと対応する制御部材または作動部材（３２，４２ ）をそれぞれ付加して形成される。 図４及び６に示す吸水部（１１１）においては、外部収納体（３１）は液密性 であり、これは、例えば収納体（１１）のように気体及び液体に対して不透過性 であり、吸水装置（１１）の管状流入口及び流出口でシールされる。外部収納体 （３１）の一側壁には、突起部（３５）上で一対の付加管状接続部（３３，３４ ）が設けられている。図４に詳細を示すように、これら接続部の通路は、突起部 （３５）の開口部（３６，３７）及び外部収納体（３１）の前記一側壁を介して 相互に連通している。 図４に示すように、管状接続部（３３）は管状流出口接続部（１ ６）と、管状接続部（３４）は減圧源とそれぞれ接続されるように設けられてい る。管状流入口接続部（１５）は、図１乃至３を参照して詳述した方法によって 接続される。 図４及び６に示す吸水部を用いる場合、外部収納体（３１）の内部及び管状部 材（１２）の内部は、実質的に同じ圧力に保たれる。従って、吸水体（１７）は 、図１乃至３を参照して上記したように周囲圧力によって圧縮されることはない 。代りに、外部収納体（３１）は外部の超過圧力の影響を受けることが考えられ るので、超過圧力に絶え得るように構成する必要がある。 水分が吸収されると吸水体（１７）は序々に膨潤または膨脹し、吸水体（１７ ）を満たすのに必要な最大限の水分を吸収するため、吸水体（１７）はある程度 膨脹し、環状部材（１２）の一側は外部収納体（３１）の側壁内面と係合し、開 口部（３６，３７）を覆いこれらを閉鎖する。その結果、減圧源からの減圧空気 は吸水部と連通しなくなる。この状態は容易に検出することが可能で、公知の適 当な方法を用いて表示することが可能であるので、使用者または看護人は、吸水 部を新しいものと交換することなどの好適な処置を取ることのみに注意を払えば 良いことになる。 上記の説明及び図４，６からも明白なように、管状部材（１２）と一体の開口 部（３６，３７）は遮断弁（３２）を形成し、この弁を閉じることで吸水部は作 動を停止し、作動停止を示す信号を発する。 図４及び６の実施例で、例えば、管部材（１２）が半透膜、すなわち気体に対 しては透過性であるが、液体に対しては不透過性であ るような物質により構成される場合、吸水体（１７）を内包する管部材（１２） の流出口は、吸水体表面の広部全体またはこれに亘って分布されても良い。この ような場合、突出手段または非吸水層（１９）と同様のスペース形成手段等の好 適な方法により、吸水剤及び気体透過性管状部材（１２）の間で吸水体（１７） の周囲に空気経路を設けることが必要となる。 図５に示す吸水部（２１１）では、ハウジングまたは外部収納体（４１）には 、吸水部が予め定められた分だけ膨脹する際に作動する（開口または閉鎖する） スイッチ（４２）を形成している制御手段が設けられる。スイッチ（４２）は、 例えば警告または指示信号を発するのに用いることも可能である。外部収納体（ ４１）をシールしたり、収納体が吸水部を完全に内包する必要はない。例えば、 吸水部の外部収納体への挿入及び取り出しが容易に行えるように一面を開口して も良い。 図４及び６に示す吸水部（１１１）に、スイッチ（４２）に対応するスイッチ を設けることも当然可能であり、また図５に示す吸水部（２１１）において、外 部収納体（４１）を図４を参照して詳述した吸水部の内部と同じ圧力にすること も可能である。 図７乃至９に示す吸水部（３１１）において、吸水体（３１７）は、取り外し 自在のカバー（３４５）を有する剛性で、シールされたハウジングまたは収納体 （３１２）に収納されている。このカバーには、収納体（３１２）の底部の隣接 面まで達している流入口導管（３１５）及び流出口導管または管状流出口接続部 （３１６）が設けられている。 この実施例においても吸水体（３１７）はラミネート状または層状に形成され るが、吸水層（３２１）はここでは水平であり、流入口導管（３１５）の開口部 及び管状流出口接続部（３１６）の間で収納体（３１２）により形成される流動 通路（３１８）の流動方向に対してほぼ横断方向（垂直方向）に配されている。 上記した実施例のように、吸水層は、水平経路（３１９）を形成する疎水性の 水平中間層（３２２）などの非吸水性物質により分離される。またこのような経 路形成層（３１９）は、最下端吸水層（３２１）の下方に設けられ、且つ流入口 導管（３１５）の開口部と連通している。経路（３１９）は液体が通過できるよ うに相互に連通し、最上端の吸水層（３２１）の上方では、収納体（３１２）の 対向面に設けられた垂直経路（３４７）を介して、始めに空の状態のスペース（ ３４６）と連通することで、吸引空気は吸水層（３１９）を流れることができな くなるまで、流入口導管（３１５）から該スペース（３４６）へとジグザグ経路 に沿って流れる。吸引空気に同伴して流動する水分は、空気経路（３２２または ３４７）で境界を形成している吸水層（３２１）によって容易に吸収することが できる。 図４及び６に示す実施例のように、吸水体（３１７）は水分を吸収することで 序々に膨脹し（図８）、最終的に管状流出口接続部（３１６）の開口部（３４７ ）と係合し、これを閉鎖するので、収納体（３１２）（図９）の内部を減圧する ことが不可能になり、装置は作動を停止することになる。 吸水体（３１７）の上面には、少なくとも開口部（３４７）と対 向する領域に亘って不透過性の可撓層（３１７Ａ）が設けられている。 吸水体がカバー（３４５）と非常に軽く接触し、例えば水分を吸収して吸水体 が完全に膨脹した結果発生する力よりも実質的に弱い力がこれに加わる場合、カ バー（３４５）の下面の環状突起（３４８）は開口部（３４７）を取り囲み、吸 水体（３１７）が不用意に開口部（３４７）を閉鎖するのを防ぐ役割を果たす。 少量または多量の水分が吸収された後であっても、吸水体の周囲を水分が包囲 するように、気体が吸水体を通過することを可能とするラミネート状または層状 の吸水体を使用することが好ましいが、本発明においては、このような吸水体を 使用することは必要要件ではない。 例えば、ボール形状または相互に係合する際に吸水体を介して配される間隙シ ステムまたはネットワークを連結式に形成するオープンスペースを構成する他の 個別体で吸水体を構成するなどの方法により、水分が吸水体の周囲を包囲するが できるように構成しても良い。この間隙システムまたはネットワークが通路シス テムとしての役割を果たしても良く、該通路システムを介して気体は吸水剤と接 触し、吸水体の一面から他面へと流れるようにしても良い。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．流入口（１５；３１５），流出口（１６；３１６）及び前記流入口と流出口 の間に延びている流体通路（１８；３１８）を有する収納体（１１；３１１）と 、前記収納体の流体通路に配される集水手段とからなる装置において、前記集水 手段は吸水体（１７；３１７）であって、該吸水体の大部分は高吸水能力を有す る物質であり、さらに吸水体（１７；３１７）は、流入口（１５；３１５）及び 流出口（１６；３１６）と連通することで流体が流れ、実質的に吸水剤のない少 なくとも一つの流体経路（１９；３１９；３４７）を内部に形成していることを 特徴とする集水装置。 ２．前記吸水体（１７；３１７）は、流体に対して非吸収性である流体透過性物 質の媒介層（２２；３２２）により分離された複数の吸水層（２１；３２１）か らなり、非吸収性物質による前記媒介層は前記流体経路（１９；３１９）を形成 していることを特徴とする請求項１記載の装置。 ３．前記流体経路（１９）は、実質的に流体通路（１８）の流動方向に延びてい ることを特徴とする請求項２記載の装置。 ４．前記流体経路（３１９）は、実質的に流体通路（３１８）を横切る方向に延 びていることを特徴とする請求項１または２に記載の装置。 ５．収納体（１２）は、剛性ハウジング（３１，４１）に内包されることを特徴 とする請求項１乃至４のいづれか一項に記載の装置。 ６．前記ハウジング（３１）は流体に対して不透過性であり、ハウジング内部は 前記流出口（１６）と連通していることを特徴とす る請求項５記載の装置。 ７．前記吸水体（１７；３１７）の膨脹に応じて作動することが可能な制御部材 （３２；４２；３４７／３４８）を設けたことを特徴とする請求項１乃至６のい づれか一項に記載の装置。 ８．前記収納体（３１１）は剛性であることを特徴とする請求項１乃至７のいづ れか一項に記載の装置。 ９．高吸水能力を有する物質または前記物質を成分とする物質は、水分の吸収に 応答して膨潤する物質であることを特徴とする請求項１乃至８のいづれか一項に 記載の装置。 １０．前記吸水体（１７；３１７）は、十分な量の高吸水性物質からなることを 特徴とする請求項１乃至９のいづれか一項に記載の装置。 １１．前記収納体（１１；３１１）は気体及び液体に対して不透過性であること を特徴とする請求項１乃至１０のいづれか一項に記載の装置。 １２．前記収納体（１１；３）の断面は、前記吸水体（１７；３１７）によって 満たされていることを特徴とする請求項１乃至１１のいづれか一項に記載の装置 。