JPH08501476A - 低空気力学的ドラッグ野球バット - Google Patents

低空気力学的ドラッグ野球バット

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JPH08501476A JP6508425A JP50842594A JPH08501476A JP H08501476 A JPH08501476 A JP H08501476A JP 6508425 A JP6508425 A JP 6508425A JP 50842594 A JP50842594 A JP 50842594A JP H08501476 A JPH08501476 A JP H08501476A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はグリップ部と、先端部とを備え、該先端部は略円筒状の表面と打球部とを有しており、該打球部の表面には複数の浅いディンプル(2)が提供されていることを特徴とする野球バットを開示している。本バットは同一条件下で、滑らかなバットの場合との比較において、バットの周囲を流れる空気境界層の渦流を増加させるようにディンプルのサイズと位置が選択され、該境界層を移動させてバットに作用するドラッグ係数を減少させていることを特徴としている。好適なディンプルサイズのパラメータが提供されている。

Description

【発明の詳細な説明】 低空気力学的ドラッグ野球バット 本発明は一般的に野球バットに関し、限定すれば、有利な低空気力学的ドラッ グ特性(空気によって引かれる力の少ない特性)を有した野球バットに関する。 発明の背景 野球は広く知られたスポーツであり、アメリカ合衆国や、日本や、世界の他の 国々で人気がある。野球の主要目標は投球されたボールをバットで、捕球されな い場所、あるいは簡単に処理されない場所に打ち返すことである。他の目標は外 野を越えるホームランを打つことである。野球に使用されるボールの1種である 「硬球」は相対的に小さく、直径が3インチ程度のもので、比較的スピード豊か なボールが投球可能であり、最剛球投手の場合には時速160キロを越え、アマ チュア投手でさえ相当に速いボールを投げることができる。多くの投手は投げる ボールに変化を与え、バットにまともに当てさせないようにする投球術を身につ けている。 従来式のバットは通常は木製であり、材料としてはトリネコやヒッコリー等が 使用される。バットは一般的にテーパー状に工作されており、直径が2.75イ ンチを越えない程度の太い先端部を有し、グリップ部で1.25インチ程度の太 さとなるように削られている。プロ野球用や、公式用硬球バットは通常31から 36オンスの重量であり、42インチ以下の長さである。 他の一般的なボールは「ソフトボール」であり、硬球よりも柔らかくて大きく 、その直径は約4.5インチである。レクレーション用のソフトボールは一般的 に アンダースローで投球され、硬球の場台よりも球速が緩やかである。しかし、ソ フトボールの速球投手はプロ野球投手に匹敵する速球を投げることができる。ソ フトボールのピッチャーマウンドとバッターとの距離はプロ野球の場合の2/3 程度しかなく、バッターが投球ボールに狙いを定める時間はプロ野球の場合より もむしろ短い。 言うまでもなく、小サイズのボール、速球、変化球、比較的細いバット、これ らはボールをバットの真芯に当て、フィールドの有利な地点に打ち返すことを困 難にする要素である。優れたプロ野球打者であってもシーズン打率3割5分を残 すことは至難の技であり、ほとんどの打者の打率は3割以下である。 打者が投球をバットで前方にうまく弾き返す確率を高めようと多くの試みが提 案され、試行されてきた。例えば、バット表面を「ざらざら」にし、バットの芯 を外れ、通常ならばファウルとなるような場台にもインフィールドにボールを落 とそうとする試みが為された。例えば、1904年に発行されたJ.A.ヒラリ ッチのアメリカ合衆国特許第771,247号は、魚の鱗形状の表面を有したバ ットを開示しており、ボールがバットの芯に当たれば鱗の平坦部がボールを弾き 、芯を外れれば鱗の角部がボールを弾くようにした。鱗の角部でボールを弾く場 合には、ボールをバットの中央部方向に戻し、ファウルを減らそうとする試みで あった。 1925年に発行されたサイモンのアメリカ合衆国特許第1,530,427 号は、ファウルを減らす別形態のバットを開示した。そのバットは複数の凹状部 を密着して設け、それらの凹状部は「ボールの表面と形状一致」しており、それ らの外側縁部分は丸みを帯びており、バットに当たったボールを破損しないよう にした。この特許は凹部分はボールの直径とだいたい形状一致すると記載してい るが、その真意は明確ではない。発明者は、ボールがいくつかの凹部分に当たれ ば、フアウルは防止されると述べている。 1988年に発行されたカールのアメリカ合衆国特許第4,763,900号 は溝と、重ね合わされた粗部によって粗化処理された打球面を有するバットを開 示しており、芯を外れてバットに当たったボールをスピンさせるものである。こ のスピンによって打球をさらに遠くに飛ばそうとするものであった。 金属バットも盛んに使用されている。金属バットは通常はアルミ製あるいはア ルミ合金製である。金属バットの利点は、木製バットよりも金属の弾性率が高い 結果として、ボールを遠くに飛ばせることであろう。ボールと金属バットの衝突 の結果、バットはいくらかへこみ、そのへこみが戻る際にボールにその戻りエネ ルギーの一部が伝達されるからである。金属バットはまた、木製バットとは異な り、バットの重量配分を有利に行うことができ、投球を捕らえるバットの部分に 重量を配分しやすい。従って、バットの全運動エネルギーの多くの部分がボール に乗り移る。金属バットの他の非常に重要な利点は、木製バットよりも耐久性に おいて優れていることであり、多くのバットを使用する者に対して経費の節減を 提供することである。 金属バットは現在のアメリカ合衆国プロ野球では認可されていない。この理由 の1つは、金属バットの打球音が木製バットの打球音とは非常に異なることであ る。すなわち、金属バットは金属的で甲高い打球音を発し、慣れ親しんでいる木 製バットの打球音とは異なるからである。野球のプレーヤーも観客の多くも伝統 的な野球の維持を重要と考えている。この伝統の1つとして木製バットの打球音 が存在する。 例えばグラファイト繊維製の合成バットも金属バット同様な理由で使用されて きた。グラフアイトバットもまた異なる打球音を発生させる。 野球バット(及び他の野球用具)の歴史に関する一般的な研究はニューヨーク のハーパー&ロー社が1990年に発行した「野球の物理学」78−106ペー ジに記載されており、その内容を本願明細書に援用する。 野球の魅力を維持するためには、打球音のごとき野球の伝統を変えることなく 、打者の能力を高めることが望ましい。現在の伝統である他の重要な野球要素は バットに衝突するボールが、その当り方に正直に、フアウルになったり、ゴロに なったり、ポップフライになったりすることである。換言するなら、ボールをバ ットに上手に当てることができるプレーヤが下手なプレーヤーよりも有利でなけ ればならない。バットはこの有利さを減じるものであってはならず、上手下手の 差をつけるものでなくてはならない。しかしながら、振り易いバットはプレーヤ ーの大多数に歓迎されている。これは野球の伝統を害するものではない。 従って、本発明のいくつかの目的は、今までの野球バットよりもスイングが容 易であり、木製バットの場合には打球音が伝統的な音のままであり、打球の方向 性に影響を及ぼさず、バットの強度を劣化させず、バットの値段を高くせず、木 製バット、金属バット、及び合成バットの振り特性を向上させるバットの提供に ある。 発明の概要 本発明の1好適実施例において、本発明バットは通常のバット同様にグリップ 部及びグリップエンド部と、略円筒表面を有した打球部とを有しており、打球部 の表面には複数の浅い凹部(ディンプル)が提供されている。これら凹部あるい はディンプルは、滑らかな表面を有する通常バットの場合よりも、バット付近を 通過する空気層の乱流を増加させ、バットと接触している空気層を減少させ、バ ットにかかる空気抗力を減少させるように、その大きさと位置が決定されている 。本発明は最良と考えられるディンプルの大きさを提供するものである。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の1好適実施例バットの側面図である。 図2は、図1のバットのA−A線に沿った拡大縦断面図である。 図3は、図1のバットのB−B線に沿った拡大断面図である。 図4Aは、円筒体周囲を通過する非粘性流体の流れを示す略図である。 図4Bは、円筒体周囲を通過する粘性流体の流れを示す略図である。 図5は、円筒体上の流体の流れを示す略図であり、境界層と分離点とを示して いる。 図6は、滑らかな円筒体と粗い円筒体についてのドラッグ係数とレイノルズ数 との相関関係を略図的に示している。 図7Aは、従来バットの周囲の空気流を示す略図である。 図7Bは、本発明バット周囲の空気流を示す略図である。 図8は、本発明バットに適用されたディンプルの半径と深さとの相関関係を示 すグラフである。 図9は、本発明バットと従来バット周囲を流れる空気のドラッグ力と速度との 相関関係を示すグラフである。 図10は、バット周囲空気流速度に対する、本発明バットと従来バット間の空 気力学モーメントの相違の関係を示すグラフである。 発明の好適実施例の詳細な説明 本発明を具現化したバットは図1に略図的に示されている。バットの本体1は 略円筒形状であり、円形断面を有している。バットの長手方向に沿った断面直径 は少しづつ変化し、その最大直径部分すなわち打球部分は符号Fが付された部位 である。本発明のバットの全体的な寸法は従来式バットと同様でよい。バットの 太い部分である部位Fの直径は2.4インチ(2.4x2.54=約6.1cm )から2.75インチ(約7.0cm)程度である。発明バットの重量は従来バ ットと同一範囲でよい。本発明の利点の1つは、打者が重めの従来バットを使用 した際に得られるインパクト力が本発明の軽めのバットで得られることである。 一般的に、バットは軽ければ軽いほど、打者にはバットコントロールが容易であ る。 本発明バットは複数のディンプル2を、バットの先端から約2/3をカバーす る部位Fの表面に配置している。ディンプルは略円形状であるが、円形状でなく とも構わない。本発明バットのディンプルの好適半径は、約11.79÷δ45゜ インチ(δ45゜はバット周囲の上流側流体停滞ポイントから+/−45°のポイ ントでの境界層流の厚みである)であり、ディンプルの好適深度(depth)は約1 .89÷δ45゜以下である。ディンプルの好適深度に対する好適半径の比の値は 約6.24である。後述するように、バットの部位の移動速度によって境界層の 厚みは変動する。それそれのバット部位の移動速度はバット長手方向位置によっ て変化するものであり、バットの先端に近い部位ほど相対的移動速度は速い。バ ットの最先端部は100フィート(約30m)/秒(プロ野球選手の平均的速度 )程度であり、先端部の太さは直径約2.554インチ(約6.487cm)で あり、ディンプル半径は約0.149インチ(約0.378cm)であり、ディ ンプルの高さ(height)は約0.024インチ(約0.061cm)である。バッ トの直径1.72インチ(約4.37cm)の部位に対する値は、速度が約71 .12フィート(約21.68m)/秒で、ディンプルの半径が約0.145イ ンチ(約0.368cm)で、高さが約0.023インチ(約0.058cm) である。 ディンプルを一般的形態で、1平方インチあたり約10個の密度で配置するこ とが望ましい。ディンプル間の平均距離は約0.20から0.25インチ(約0 .51cmから0.64cm)であるが、多少変えても構わない。この配置は一 般的にランダムである。 ディンプルは本発明のバットに大きな利点を提供する。ディンプルはバットと 、バットがスイングされるときの空気との間に生じる空気力学上の引く力(aerod ynamic drag)を減少させる。このように空気による引く力が減少するとバット速 度は速まる。バットのスイングが速まれば、バットの運動モーメント(バット質 量Xバット速度)が増加し、打球に伝えられる。従って、ボールにはさらに多く のエネルギーが付与され、ボールはさらに遠くに飛び、あるいはさらに速く飛ぶ 。 本発明バットの別な利点は、同一重量のバットを速くスイングするばかりでは なく、軽いバットで重いバットと同じパワーを発揮させることができる。従って 、少ない力でバットを振ることが可能になり、バットコントロールがさらに容易 となる。従って、バッターは変化球にさらに容易に対応することができるように なる。バットが速く移動すれば、軽いバットでも重いバットと同じ運動モーメン トが得られ、ボールには重いバットと同じ力を伝えることができる。よって、打 者は本発明バットの使用によって、ボールへのパワー供給を犠牲にせずともバッ トコントロールを向上させることができる。 本発明のさらに別な利点は、本発明バットが従来バットよりも速く振れること により、スイング始動まで従来バットの場合よりもバッターが時間的余裕を持て ることである。すなわち、打者は投げられたボール(しばしば変化球である)を 見極める時間を長くとれ、希望するようにバットにボールを当てる確率がその分 だけ高まる。 本発明がこれらの利点を提供する原理は空気力学であり、図4A、4B、5、 6、7A、7Bに図解されているごとくである。以下の一般的原理はアメリカ合 衆国ニューヨーク州ニューヨーク市のジヨン・ウイリー・アンド・サンズ社19 73年発行R.W.フォックスとA.T.マクドナルド共著「基礎流体力学」の ページ37−44に記載されているものであり、本明細書にその内容を援用する 。図4Aはバット等の物体40を略図的に図示しており、空気のごとき流体界が その物体周囲に形成されている。バットの場合は、バットが静止した流体中を移 動するが、この状況はバットが固定されており、流体がその周囲を流れることと 同一である。後者の状況は説明に便利であり、以下においてはバットを固定状態 であるとして説明する。 バットは「丸棒体」と考えられる。丸棒体とは飛行機の翼のようにテーパー状 の後方部を有していない円筒体である。(飛行機の翼も先端縁部は円筒状ではあ がか、ここで言う「丸棒体」ではない。)理想的丸棒体は図4Aに図示されてお り、非粘性流体(粘性を有してない)が丸棒体周囲を流れている。よく知られた 流体力学特性によれば、円筒(丸棒体)40周囲の流体の速度はポイントAにて 零であり、ポイントDでは最大速度となり、円筒40の背後のポイントEに向か って減速する。非粘性流体の場合、ポイントAとEよりポイントDでの速度が速 いのは、ポイントAやEよりもポイントDの圧力が低いことに関係する。すなわ ち、ポイントAからポイントDに移動する間に減圧され、ポイントDからポイン トEでの過程で再度増圧する。流体はx軸とy軸に関して対称であり、圧力分布 もx軸とy軸に関して対称である。 非粘性流体は流体と物体との間に剪断変形力(shear force)を発 生させず、従って、物体に作用するネット力(総合力)を考察するには流体圧力 のみを考慮すれば足りる。すなわち、圧力分布の対称性はx軸方向にもy軸方向 にもネット力をゼロとする。x軸方向(流体と平行方向)のネット力は「ドラッ グ力すなわち進行方向抗力」として定義される。従って、非粘性流体の場合には 、 このドラッグ力は理諭上はゼロである。この結論は全物体が現実の流体の中でい くらかのドラッグ力を受けるという経験とは矛盾しているかも知れない。これは 、前述の基本的解説が粘性流体の場合の境界層を無視しているからである。 境界層は粘性流体の粘性作用を及ぼす流体界の一部を構成する。図5に図示さ れているごとく、境界層BLは物体50に流体通過箇所で接している。境界層B Lは物体50と非粘性であるかのように流れる均一流体界Uとの間に存在してい る。境界層と均一流界Uとの間の分離部分は明確ではない。境界層内において、 物体50からのy軸方向距離と、物体50の表面に沿ったx軸方向の位置に関し て流体要素の速度は変化する。理論的には、物体に対する流体の粘着性によって 物体の表面の流体速度はゼロである。物体から離れるに従って速度は増加し、均 一流体界Uの均一な速度となる。速度の変化は図5の矢印によって略図的に示さ れている。理論的には境界層内の流体の速度分布はポイントA、B、Cにおいて 異なっており、境界層内のそれそれのポイントでの矢印の長さで示されている。 非粘性流体の場台は図4Aに関して前述した通りである。さらに現実的な流体 の流れは図4Bに図示されており、薄い境界層BLを有する。境界層外の速度と 圧力作用は前述の非粘性流体の場合とほぼ同一である。ポイントAとBとの間の 位置での境界層内の流体要素においては、圧力はポイントAからBに至るまで連 続的に減少する。流体要素は流体方向、すなわち図の右方向にネット力を作用さ せる。ポイントAとB間のほぼ全域に亘ってこのネット力は固定物体から生じる 剪断変形力に打ち勝つのに充分な大きさであり、従って、流体要素は前進するこ とができる。 ポイントBを越える円筒体下流側の境界層内位置の流体要素においては、圧力 は流体方向に増加し、流体要素は移動方向とは反対方向にネット力を作用させる 。円筒体周囲の箇所によっては境界層内の流体モーメントはその流体要素を高い 圧 力の下流領域に移動させるのに不充分であり、その静止表面に隣接する流体層は 停滞する。図5に示されているごとく、流体の一部が停止するだけでなく、物体 の下流側の増加圧力は停滞した流体の方向を変え、円筒体表面に沿って逆流させ る(番号52で示す)。ベクトルVは全体として上流側を指向する。この逆流領 域は、境界層が物体から「分離」していると見なされる領域を表す。この分離の 始点は図5と図4Aにて点Cで表されている。境界層分離は物体の下流領域に相 対的に低圧な領域を生み出す。逆流渦を発生させ、下流の流体モーメントに乱れ を生じさせる領域は「ウエーク(wake)すなわち活性領域」と呼ばれるもの であり、図4Bと図5にて図解されている。 物体上の分離流に対して、流体方向には不均衡ネット圧力が生じる。この結果 、物体を流体方向に移動させる圧力ドラッグが発生する。物体の背後のウエーク が大きければ大きいほど圧力ドラッグは大きくなる。圧力ドラッグは、移動流体 と静止物体との間に作用する剪断変形力によって及ぼされる物体へのドラッグ力 とは異なるものである。剪断変形力もまた全ドラッグ力に貢献してはいるが、圧 力ドラッグとは別物である。丸棒体の場合には、流体分離に関連する圧力ドラッ グは剪断変形力の数倍であり、丸棒体にかかる全ドラッグ力の大きな割合を占め る。静止流体とバットのような移動物体との場合には、圧力ドラッグは打者によ って振られたバットの動きに抵抗するように作用する。 分離境界層とウエークは外側流線形状を乱し、圧力分布を大きく変動させる。 ウエークは物理的速度エネルギー(流体と物体との間の相対運動にて示される) の「乱流」とも呼称される渦運動への連続的散逸に関与する。 「乱流」としての流体の分類は、流体が層状態で流れていないことを意味して いる。層流においては流体は層状態で流れる。乱流の非層流は中間的流体移動に 作用する小速度変動によって発生する。流体が渦流となるか否かはいくつかの要 因によって決定される。すなわち、物体のサイズや、流体と物体との相対的速度 や、流体の運動力学的粘性等に左右される。運動力学的粘性は流体の粘性μと密 度ρとに関連するものである。これらのパラメータはレイノルズ数Rとして知ら れる無方向性定数(dimensionless constant)を介して関連付けられる。 R=ρDV/μ 乱流の影響は徐々に変化するが、一般的にはレイノルズ数の範囲内であり、完 全な層流はこの範囲以下に存在しており、完全な渦流はこの範囲以上に存在して いる。 乱流は境界層分離ポイントの位置に影響を与える。乱流境界層の輪郭は層の輪 郭よりもずっと完全である。「完全」とは、流体が流れる静止物体付近の位置に て乱流境界層内の流体の速度が層境界層内の速度よりも速いことを意味している 。これは乱流層の混合作用が低速度の高エネルギー自由流と、物体付近の低エネ ルギー流とを混合するからである。従って、乱流境界層は層境界層よりも相当に 強力なモーメントを有していることになる。よって、乱流境界層は、流体要素の 方向逆転を引き起こさずに、増加する圧力抵抗に対抗してさらに下流側に進行で きることになる。従って、乱流境界層分離ポイントは層境界層の場合よりも相当 に下流側に発生する。 実験結果によれば、層境界層分離は前方停滞ポイントから約80度(ポイント L、図4B)付近にて発生し、乱流境界層分離は約125度(ポイントC、図4 B及び図5)付近で発生する。乱流境界層のウエーク領域は層境界層の場合より も相当に狭い。このことは後述する分離ポイントと同様に円筒体背後の大きな圧 力回復とネットドラッグの減少をもたらす。従って、乱流を増加させることは、 ドラッグ力の減少をもたらす。これは、境界層分離ポイントがさらに下流に押し やられ、ウエーク領域が狭くなるからである。 この関係は図6においてグラフで示されており、円筒体に対するドラッグ係数 CD(縦軸)とレイノルズ数RD(横軸)との間の相関関係を示している。レイノ ルズ数は流体と物体との間の相対的速度の増加によって、あるいは物体のサイズ あるいは流体の密度の増加によって増加するものである。流体の粘度の減少によ っても増加する。 実線曲線は滑らかな円筒体に対するその関係を表している。レイノルズ数が1 05と106の間(200,000と300,000に相当)の領域において、ド ラッグ係数CDは急降下する。これは、増加した乱流がドラッグ力を減少させる という観測結果と合致する。増加したレイノルズ数は増加した乱流を示すからで ある。 レイノルズ数が約200,000である滑らかな円筒体に対しては、境界層は 完全に層状態であり、ポイントL付近である停滞ポイントから約80度後方にて 分離する。レイノルズ数が200,000以上に増加すると、乱流は境界層内で 展開し、分離ポイントは円筒体表面に沿って後方に移動する。分離流の減少する 領域は、図6の604にて示されるようにドラッグ係数の大幅な減少をもたらす 。境界流が完全に渦流となると、分離ポイントは後方移動を停止し、ポイントC 付近で停滞する。ドラッグ係数は乱流表面摩擦ドラッグ力の増加により増加する レイノルズ数と共にゆっくりと増加し始める。このことは図6のポイント610 で示されている。バットが速いスピードで振られた場合、従来バットに対する流 体のレイノルズ数は約135,000であり、ドラッグ係数CDの減少を利用す るのに必要とされる約200,000の最低数よりも少ない。 本発明は、表面が粗い円筒体が滑らかな表面を有した円筒体よりも少ないレイ ノルズ数にて境界層乱流を発生させることを利用している。(ドラッグ係数を減 少させるこの境界層乱流の早期発生は境界層の「トリッピング(tripping)」と呼 ばれる。)境界層はさらに下流で分離し、同一の大きさの滑らかな円筒体が同一 密度と同一粘度を有した同一速度の流体中を移動している場合と比較して、下流 表面での大きな圧力回復をもたらし、ネットドラッグを減少させる。このことは 図6の破線曲線で示されており、612で示される105以下でのドラッグ係数 の急降下を示している。従って、流体と円筒体との間の相対速度の増加によって 、あるいはバットのサイズの増加等によって、滑らかな円筒体の高いレイノルズ 数を達成するのに必要な余分のエネルギーがなくともドラッグ力は低下する。 本発明は、バットの表面の粗さの程度を変更することでバットのドラッグ係数 を低下させ、乱流を他のバットの場合よりも低速度で発生させ、ドラッグ力の圧 力成分を減少させる。このバットは同一の力で、さらに素早く振ることが可能で あり、従って、ボールにはさらに大きなモーメントを与えることができる。よっ て、打者は投球を見極める時間を長く持つことができる。 乱流を発生させる1方法はバットの表面に複数個の小突起を設けることである 。しかし、そのような突起は打球に回転を与え、飛行進路を変更し、ボールに傷 を付けることにもなる。本発明の目的の1つはボールに傷を付けず、打者の打球 の方向コントロールに影響を及ぼさないことである。本発明はバットに小凹部を 提供することで乱流を発生させるが、バットとボールの接触状態にさほどの影響 を及ぼさずにドラッグ力を低下させることができる。 本発明バットの効果は図7において略図的に示されており、図7Aの従来バッ ト周囲の流体の流れと、図7Bの本発明バットの周囲の流体の流れとの相違が示 されている。図7Aに示すごとく、従来バットの場合の分離ポイントは停滞ポイ ントAから約80度の位置に存在し、乱流領域はそのポイントで開始し、広くて 明確なウエークを創出する。従って、減少した圧力の広い領域が存在し、大きな 圧力ドラッグが発生する。図7Bに示されるごとく、本発明のディンプル入りバ ットの場合には、分離ポイントはさらに下流に移動しており、停滞ポイントから 約120度の箇所である。ウエークは狭く、バット周囲に限定されている。よっ て、減少圧力領域はさらに狭くなり、矢印Sによって示される方向に打者によっ て移動されるバットに対する圧力ドラッグは低下している。 空気力学的ドラッグ力の低下を目的とした表面凹部を有効に利用するには、そ れら凹部の大きさがレイノルズ数を有効臨界範囲にとどめるようなサイズとし、 滑らかな円筒体の場合の図6の604と610との間の領域によって示される2 00,000以下と800,000以上の臨界範囲とならないようにすることが 肝要である。この目的で、表面凹部あるいはディンプルは理論的に以下の範囲内 とすべきである。 rはディンプルの半径。 hはディンプルの深さ。 δ45゜は円筒体における、バットの上流停滞ポイントからの±45度のポイン トでの層境界層の厚み。 これらのパラメータは、まずバットの速度が充分に速く、境界層が「トリップ 」でき、ドラッグ係数が凹部によって低下することを条件にしている。緩やかな バット速度の場合、すなわち、低レイノルズ数の場合、ドラッグ係数は滑らかな 円筒でも、荒い円筒でも同じである。よって、本発明の効果はない。 前記比の好適値は以下の通りである。 従って、ディンプルは非常に浅くなければならず、r/hのアスペクト比は1 /2以下ではなく、好適にはずっと多くなければならないことが理解されよう。 前述の関係はグラフで表すことが可能である。図8に示されるように、r/δ4 は横軸に示され、h/δ4は縦軸に示されている。好適範囲は斜線が入った方形 範囲800であり、横軸r/δ4の2.5から25の間と、縦軸h/δ4の0.5 から5.0の間の範囲である。比r/h>1/2は線802の右側に示されてい る。従って、線802の右側の斜線方形部800内の領域はディンプル半径と、 深度と、それらの比の組合せの好適領域を構成している。最適な組合せは、比r /h=6.24のものであり、線804に沿って示されている。最適な組合せで 記載の目的と、請求の範囲内の用語に示されるディンプルに関する「浅い」とは 、 線802の右側の領域800内の半径と深度とを有したディンプルのことである 。「非常に浅い」とは線804の右側で線804の下方の領域内の半径と深度と を有したディンプルのことである。 もちろん、場所によってはディンプルのアスペクト比が大きくなり過ぎて通常 バットの場合に接近し、望ましい乱流を発生させない。 バットに作用する本発明のドラッグ力に関する実際の効果は図9においてグラ フで示されている。2曲線が描かれており、空気(横軸)と比較したバットの相 対的スピードに対するバットに作用するドラッグ力(縦軸)を示している。(グ ラフは風洞を利用し、バットを固定させ、空気をバットに当てた実験に基づいて いる。しかし、この状況は空気が静止状態で、バットを移動させる場合と同じで ある。単純に平行移動するバットとは異なる扇形スイングの場合は、バットスイ ングの中心(扇形の頂点)との相対的な位置に関係するバットの異なる部分が異 なるスピードで移動する。) 第1曲線902は風速がマイル/時で表示されている風洞内の空気流における 凹部を備えていない従来バットに作用するオンスによるドラッグ力を示している 。(素早く移動するバットは先端の最高スピードが秒速100フィート程度であ り、約68マイル/時に相当する。第2曲線904は本発明バットにおける同一 関係を示すものであり、前述の好適サイズよりも約30%直径が小さい凹部を利 用し 10ディンプルである。)これら2線の比較によって、ドラッグ力は本発明バッ トの曲線904で少なく、特に40マイル/時以上で目立って少ないことが理解 されよう。 本発明のディンプル付きバットと従来のディンプル無しバットとの空気力学モ ーメント(「デルタモーメント」とも呼ぶ)の違いを示すドラッグ力の相違は図 10にて示されている。空気力学モーメントはドラッグによってバットに作用す るトルクであり、打者の手元で計測される。デルタモーメントは30マイル/時 を越える空気速度において増加する。このことは2つの理由で重要である。まず 、バットは大きな径を有しており、先端で速い速度を有しているため、太い部分 には相対的に遅く移動するバットの手元の細い部分よりも大きな空気力学ドラッ グが作用するからである。本発明のバットにおいては、バットのこれらの部分に 作用するドラッグ力の相違は従来バットの場合よりも減少している。従って、打 者にとってバットのスイングが楽になる。 第2の理由は熟達した打者がバットを振る技術に関する。打者はスイングの開 始時にバットを非常に素早く加速する。従って、バッターはバットの質量を加速 させるように力を付加せねばならず、この加速力はバット質量と、加速度と、バ ッターの手元からのバット部分質量の距離に比例するものである。スイングがバ ットとボールとが接触する箇所に近づくと、バットは最高速に近づき、加速度は 減少する。従って、バッターは慣性に対抗した加速度を必要としないため、慣性 に打ち勝つだけの力をバットに与える必要がない。しかし、空気力学的ドラッグ モーメントは存在し、バット速度の2乗に比例して相変わらずバットの動きに対 抗している。よって、空気力学的ドラッグを減少させることが可能であればバッ トコントロールが非常に重要なスイングの臨界的接触箇所付近において、バッタ ーがバットに付与しなければならない力を減少させることが可能である。 相対的に速い速度に対して、相対的に遅い速度の場合よりも境界層はさらに下 流で分離し、停滞ポイントから±45度のポイントでは境界層は薄くなる。従っ て、2本の同様なバットにおいて、速く移動するバットの場合にはデインプルの 半径は遅く移動するバットが必要とするよりも小さくてよい。 同様に、2本の同様なバットにおいては、速く移動するバットの場合は、遅い バットの場合よりもディンプルの深度は浅くてよい。 大きな径を有したバットの場合には、あるいは大きな径を有したバット部分で は、境界層は厚くなる。よって、バットの直径のみを問題にすれば、バットの太 い部分のディンプルの半径はバットの細い部分のディンプルの半径よりも大きい と考えるのが普通であろう。同様に、ディンプルの深度はバットの太い部分で深 いと考えるであろう。 バットの太い部分はバットの細い部分よりも速く移動するので、速度とバット の径の影響は相反する。論理上は、バットの最速部であるバットの最も太い箇所 から、バットの遅く移動する部分である細い手元部分とにかけてディンプル半径 は大きくなるように求められる。同様に、ディンプルの深度においても、理論上 は手元ほどディンプルが深いことが求められている。 前記のディンプルサイズのパラメータ化は、層境界層の厚みに基づいており、 異なる速度に対しては変動する。バット設計者は、本発明はバットスイングが速 ければ速いほど実効があることを理解するであろう。低下ドラッグ力の有効性は 遅いバットスイング速度においてはさほど有効ではない。従って、ディンプルサ イズの計算には設計者はバットが速く振られることを想定すべきであり、例えば 、先端速度で秒速80から120フィート(約24mから36m)/秒、好適に は100(約30m)フィート/秒程度を想定すべきである。 設計者は前述の考察がバットに沿ったディンプルサイズを求めるのに利用でき ることを理解するであろう。一般的に、バットは手元より先端で太く、速く移動 するのである。 以下の表は最大直径2.554インチ(約6.487cm)のバットに沿った同 間隔のディンプルの好適半径と深度とをインチで表している。スイング半径とは バッターの肘付近であるバット回転の中心からの距離である。その中に各箇所で の凹部の直径と深度とが提供されている。レイノルズ数とδ45との値は滑らかな バットに対するものであり、本発明に従って調整されたものではない。 表には前述のごとく変化するバット速度とバット直径の相反する影響が好適と なるディンプル半径が提供されており、スイング半径が45インチ(約114c m)から41インチ(約104cm)へと移動する間で増加し、38インチ(約 96.5cm)と26インチ(約66cm)へと移動する間で減少する。同様に 、ディンプル深度はスイング半径45インチから42インチ(約107cm)の 間で増加し、スイング半径35インチ(約89cm)から減少する。 前述したように、最良のディンプルデザインはディンプルが配置されるバット に沿った位置での予期される境界層の厚みに基づくであろう。さらに、前述した ように、デザイナーはディンプルサイズを最良化する予期されるバット速度を選 択しなければならない。しかし、表1から、ディンプル深度の変動は1000分 の4インチ程度であることが理解されよう。さらに、ディンプル半径の変動は1 000分の23インチ程度である。これらのディンプルが木製バットに設けられ ることを考慮すれば、ボールを打つバット表面は単一ディンプルサイズを選択す ることがコスト的に最も効率がよく(少なくとも深度)、均一なディンプルとす るのが好都合である。木材は穴の工作精度に限界があり、空気条件や使用条件に よって変化させたディンプルサイズであっても好適実施例の変動幅程度はサイズ が変化してしまう。本発明の利点は、もし全ディンプルが好適半径及び好適深度 範囲の中央部から選択された同一サイズであっても得られるものである。例えば 、均一サイズの深度0.023インチ(約0.058cm)で、均一半径0.1 46インチ(約0.371cm)のディンプルでも本発明の利点を提供し、請求 の 範囲内のものである。 表1から、最良とは言えない範囲のディンプル深度と半径との組合せでさえも 、比較的に狭い範囲に収まる半径/深度比を提供する。最小半径と、最大深度の 比の値は5.32となり、最大半径と最小深度の比の値は7.43である。 ディンプルはどのような従来手段にてもバットに設けることができる。例えば 、固定式プレスでプレス加工することも、回転プレスで刻印することも可能であ る。また、焼き付け加工でも、グリット吹き付け加工を利用してもよい。さらに 、ディンプルは円形でなくともよい。非円形ディンプルの場合は、ディンプルサ イズを、その非円形ディンプルの内部に収容できる最大円の半径とする。 本発明は金属バットや合成バット(composite)にも応用が可能である。そのよ うな場合には、ディンプルは金属や合成体において利用されているディンプル製 造法に従って製造される。例えば、金属バットはプレス加工したり、バットを形 成する前の金属材料に対してローリング加工を施しても構わない。合成バットの 場合は、ディンプルを形成する形状を有した型の中で成型する。 本発明に従って製作されるバットにはその先端部にもディンプルを提供できる 。典型的にはバットの先端部は外側に多少凸形状となっている(平坦であったり 、凹形状のバットも存在する。)そのディンプルはバットに沿った位置に対する ディンプルサイズと同様な原理に従ってサイズ決定できる。そのサイズと前記比 率はバットの先端の流体の境界層の厚みに関して決定され、標準的技術によって 決定される。ディンプルの半径と深度との比はバットの他の部分のディンプルの 場合と同一範囲に収まるであろう。 ディンプルのサイズとそれらディンプルの周辺形状は、ボールの飛行進路がこ れらディンプルの存在によって影響を受けないようなものでなければならない。 これは前記したサイモンの1923年の米国特許の教示とは全く矛盾するもので ある。サイモンは斜めに当たるボールの影響を最少化するため、打球の飛行進路 を変更するような形状とサイズを開示した。 本明細書に従って本発明はその目的を達成する。本発明は木製バットに適用可 能であり、他の要因が同一の場合においてバッターにさらにパワーとコントロー ルとを提供し、木製バットの伝統的な打球音を維持し、投球をクリーンに弾き返 す価値を維持する。本発明のバットは従来技術を使用して作成が可能であり、デ ィンプルの提供に必要な工程のみを改良すればよい。ディンプルの提供はバット を脆くすることはなく、その外見を大きく変化させることもない。 前述の説明は本発明の理解に供したものであり、本発明の限定は意図されてい ない。本発明は好適実施例を利用して解説されているが、当業者であれば本請求 の範囲に定義された本発明の精神と範囲から逸脱せずにその形状と細部を種々変 更することは容易であろう。例えば、ディンプルは特定された範囲内であれば図 示のものよりも大きくて浅くても構わない。ディンプルの配列模様はドラッグ力 減少を利用する乱流レベルを充分に創出する限りどのような合理的範囲のもので あってもよい。ディンプルが打球の通常の飛行進路を変更せず、乱流を発生させ る形状であれば、個々のディンプルの形状は問われない。 以上、本発明を解説した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.野球バットであって、 a.グリップ部と、 b.先端部と、 を備えており、該先端部は略円筒状の表面と打球部とを有しており、該打球部の 表面には複数の浅いディンプルが提供されていることを特徴とする野球バット。 2.前記ディンプルは、その半径rと深度hが r/h > 1/2 であることを特徴とする請求項1記載の野球バット。 3.選択されたディンプルは の関係を有しており、式中rはディンプル半径であり、δ45゜はそれそれの選択 ディンプルを有したバット位置にて、バットが滑らかであれば、風速80から1 20フィート/秒で流れる空気のバット上流側停滞ポイントから±45度のポイ ントで発生する層境界層の厚みであることを特徴とする請求項1記載の野球バッ ト。 4.選択されたディンプルは の関係を有しており、式中hはディンプル深度であり、δ45゜はそれそれの選択 ディンプルを有したバット位置にて、バットが滑らかであれば、風速80から1 20フィート/秒で流れる空気のバット上流側停滞ポイントから±45度のポイ ントで発生する層境界層の厚みであることを特徴とする請求項1記載の野球バッ ト。 5.選択されたディンプルは、その半径rが の関係を有していることを特徴とする請求項4記載の野球バット。 6.選択されたディンプルは、その半径rが の関係を有していることを特徴とする請求項3記載の野球バット。 7.選択されたディンプルは、その半径rが の関係を有していることを特徴とする請求項6記載の野球バット。 8.選択されたディンプルは、その深度hが の関係を有していることを特徴とする請求項4記載の野球バット。 9.選択されたディンプルは、その深度hが の関係を有していることを特徴とする請求項8記載の野球バット。 10.選択されたディンプルは、その半径rが の関係を有していることを特徴とする請求項4記載の野球バット。 11.選択されたディンプルは、その半径rと深度hが の関係を有していることを特徴とする請求項4記載の野球バット。 12.選択されたディンプルは、その半径rと深度hが の関係を有していることを特徴とする請求項4記載の野球バット。 13.選択されたディンプルは略円形の縁部を有していることを特徴とする請求 項5記載の野球バット。 14.選択されたディンプルは、その半径rが の実質的関係を有していることを特徴とする請求項4記載の野球バット。 15.選択されたディンプルは、その深度hが の実質的関係を有していることを特徴とする請求項4記載の野球バット。 16.選択されたディンプルは、その深度hが の実質的関係を有していることを特徴とする請求項4記載の野球バット。 17.選択されたディンプルは、その深度hが の実質的関係を有していることを特徴とする請求項15記載の野球バット。 18.同一条件下で、滑らかなバットの場合との比較において、バットの周囲を 流れる空気境界層の渦流を増加させるようにディンプルのサイズと位置が選択さ れ、該境界層を移動させてバットに作用するドラッグ係数を減少させていること を特徴とする請求項1記載の野球バット。 19.前記ディンプルの半径rは0.125インチ(約0.318cm)から0 .170インチ(約0.432cm)の範囲にて選択されていることを特徴とす る請求項1記載の野球バット。 20.前記ディンプルの深度hは0.020インチ(約0.051cm)から0 .030インチ(約0.076cm)の範囲にて選択されていることを特徴とす る請求項1記載の野球バット。 21.前記ディンプルの深度hは0.020インチから0.030インチの範囲 にて選択されていることを特徴とする請求項19記載の野球バット。
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