JPH08500760A - 自己排気液体システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 容器（12）から液体を放出するためのチューブ（16）内に捕獲された空気の影響を実質的に除去するシステム及び方法が提供される。該チューブの内径（ｄ）は、該容器（12）からの液体に作用する重力が該液体の表面張力より大きいものであるように選択される。直径を拡大することに加えて又は代えて、離型剤を、該内周壁面上に被覆層（24）として使用してよい。

Description

【発明の詳細な説明】 自己排気液体システム 発明の背景 本発明は、一般的には液体放出システムに関し、より具体的には、重力により 送られる液体放出システムに関する。 液体を貯蔵するための容器を提供することは、勿論既知である。例えば医療産 業においては、例えば医薬品、栄養供給製品その他のような溶液を収容するため に可撓性容器を提供することが知られている。そのような容器は、経腸溶液、腹 膜透析、静脈内溶液その他を必要とする患者に放出することのできる溶液を収容 する。 可撓性容器の内部に含まれている溶液は、典型的には患者へ又は他の部位へ、 該容器のポートに接続されたある長さのチューブを通して供給される。該チュー ブは、該容器の内部と該患者又は何か他の環境との間の液体連通を提供する。該 溶液は、典型的には重力により該容器から患者へ送られるが、ポンプ輸送又は他 の方法で送られてもよい。この目的のため、該容器は通常吊り下げられる。 該溶液の送り出しを開始する前に、該システム内の（一般にはエア・ポケット 又は泡の形の）空気を排除するために、該溶液の一部が該チューブから排液され なければならない。該容器から溶液を排液することは、さもなければ患者へ放出 された筈の溶液の、部分的浪費をもたらす。 製品がチューブを通して重力によって送り出される場合に特に生じる更なる問 題は、空気が一般に気泡の形で捕獲されて、該チュー ブを通って流れている溶液の方向とは逆にチューブから逃れ得ることである。チ ューブ内のこの気泡は、望ましくないことに、該バッグから患者への不均一な溶 液の流れをもたらす。更には、ライン中に過剰に捕獲された空気は、患者への該 溶液の流れを、放出中しばしば危険な期間にわたって止めてしまう。実際、空気 の捕獲は、チューブを通る如何なる液体流をも阻止し得る。 液体流の問題に対抗するために、容器又はチューブを排気することが知られて いる。しかしながら、これは典型的には、該手順の無菌性を損なう開放的なシス テムをもたらす。 従って、空気捕獲の問題を除去する改良された液体放出システムに対する需要 が存在する。 発明の要約 容器の内部と液体連通した液体放出チューブを有する液体放出システムが提供 される。該チューブは、中の空気の捕獲を除去して、該溶液から患者への溶液の 連続的な流れを許容する、自己排気システムを効果的に提供する。 この目的のため、本発明は、容器から第２の部位、例えば患者へと液体を送る ための放出システムを提供する。該システムは、容器と、該容器の内部から液体 を受け取るために該容器の内部と液体連通しているチューブとを含む。該チュー ブは、該内部から第２の環境例えば患者へと該溶液を移す際に、該チューブ内の 空気捕獲を防止するよう構成され配置される。 一具体例においては、該液体に作用する重力が該液体の表面張力よりも大きい ものであるよう、該チューブは十分大きな内周を有する。 一具体例においては、該チューブは、離型剤で被覆された内周壁面を有する。 一具体例においては、該チューブは、それに一体に形成されたものである離型 剤を含む内周壁面を有する。 一具体例においては、該離型剤はシリコンを含む。 一具体例においては、本発明は、液体を、重力によって患者へ送り出すための 放出システムを提供する。該システムは、内部を有する容器を含む。該内部と液 体連通しているチューブが、該内部から患者へと該液体を移す。該チューブは、 該液体に作用する重力が該液体の表面張力より大きいものであるよう、十分大き い直径を有する内周壁面を有する。 一具体例においては、表面張力は、該壁面を離型剤で被覆することによって減 少される。 一具体例においては、表面張力は、該壁面中に一体に離型剤を形成することに よって減少される。 一具体例においては、本発明は、容器の内部から液体を放出するための方法を 提供する。該方法は、該液体が重力によって送られるように該容器を吊り下げる ステップと、該液体を移すために、チューブ内の空気捕獲を除去するよう構成さ れ配置されたチューブを備えるステップと、そして、該チューブを通して該液体 を送るステップと、を含む。 一具体例においては、該チューブは、該液体に作用する重力が該液体の表面張 力より大きいものであるように製造された内周壁面を有する。 従って、本発明の一利点は、液体を容器から第２の部位へ移すた めの改良されたシステムを提供することである。 本発明の別の一利点は、容器から患者への重力による液体の送り出しのための 、改良されたシステムを提供することである。 本発明の更なる一利点は、容器から患者へ液体を放出するためのチューブにお ける空気捕獲を除去するためのシステムを提供することである。 本発明の尚も更なる一利点は、患者への放出を開始するための該容器からの液 体の浪費を除去するためのシステムを提供することである。 更には、本発明の一利点は、液体を放出するためのチューブ内に捕獲された空 気を排除するための、簡単な方法を提供するシステムを提供することである。 本発明の更なる特徴及び利点は、現在好ましい具体例についての詳細な記述の 部に記載されており、及びこれと図面とから明らかであろう。 図面の簡単な記述 図１は、本発明の溶液放出システムの透視図を示す。 図２は、本発明のチューブの一具体例の、図１の線II−IIに一般的に沿って取 った断面図を示す。 図３は、本発明のシステムにおいて使用するためのチューブの別の一具体例の 断面図を示す。 現在好ましい具体例についての詳細な記述 本発明は、閉じた液体放出システムから空気捕獲の問題を除去するシステム及 び方法を提供する。ここに提示した該好ましい具体例においては、該システムは 容器から患者へと溶液を送るために使用 されているが、本発明のシステム及び方法が、種々の液体送りシステムのために 及び種々の産業において使用できるということは、理解されなければならない。 ここに提示した該具体例においては、該システムは、容器のポートに接続され た、該容器の内部との液体連通を提供するためのチューブを含む。該チューブは 、液体、溶液その他の液を該容器から送り出すために該患者へと延びている。 今や図面を参照して、図１は、液体14を保持するための容器12を有するシステ ム10を一般的に図解している。容器12は、例えば、腹膜透析液、経腸栄養供給製 品、静脈内溶液、又は患者18へ医薬品を供給するためのその他のものを含んだシ ールされたバッグであってよい。 容器12は、該容器12のポート20に接続された、ある長さのチューブ16を含む。 容器12は、患者18へのチューブ16の刺入点より上の高さに配置されている。該ポ ート20は、液体14が容器12からチューブ16を通って患者18へと流れるように、容 器12の内部との間に液体連通を提供する。 図１に図解されているように、チューブ16は、患者18の腕に送り出していると ころが示されている。勿論、チューブ16は、如何なる所望の環境、例えば、腹膜 透折のための患者の腹部のような、特定の適用のための身体の一点、にも送られ てよい。同様に、チューブ16は、他の容器へ、ポンプへ、又は他の多くの位置へ と送られることができる。 更には、ポート20は、該ポートにおいてチューブ16を容器12に接続する手段を 提供するためのコネクター（示さず）を更に含んでよ い。チュープ16の反対側末端は、患者18のところで、一般には、例えばシリンジ 、カニューレその他の注射タイプの装置に更に接続するためのコネクター（示さ ず）に接続されている。該シリンジ又はカニューレは、容器12からチューブ16を 通して液体14を投与するために、該患者の身体に刺入されている。 図１に図解されているシステム10の該具体例においては、液体14は容器12の内 部からチューブ16を通して重力により送り出される。チューブ16は、図２に図解 されているように、内径ｄを有する内周壁面22を有する。液体14の表面張力は、 チューブ16を通る液体14の流れを阻止し又はこれに抵抗する傾向がある。 先行技術のシステム、特に閉鎖系においては、該液体に作用する重力が該液体 の表面張力より弱いため、該液体の表面張力は、該チューブの内部に空気を捕獲 させる。閉鎖系のチューブ内のこの空気は、該容器の方向へと、すなわち、該液 体の流れと反対に流れる。この空気の流れは、従って、チューブ内部の液体中に エア・ポケット又は泡を作り出す。 捕獲された空気の問題を克服するために、本発明のチューブ16は、所定量の液 体14が液体14の表面張力に逆らってチューブ16を通って流れることを内周壁面22 の直径ｄが許容するものであるよう、製造されている。従って、液体14の表面張 力は、チューブ16を通って容器12から患者18へと流れる液体14に作用する重力よ りも弱い。その結果、この直径ｄは、所定の最少量の液体14が、エア・ポケット の捕獲なしにチューブ16を通って均一に流れることを許容する。 チューブ16にこの適当な直径ｄを決定するためには、該液体の表面張力を同定 する必要があるだけである。これより、チューブ16を 通って流れる液体14に作用する重力を表面張力より大きくするものである直径ｄ を有するチューブ16を形成することができる。 図２のチューブ16についての代わりの具体例が、図３に図解されている。直径 ｄ’を有する内周壁面22’を有するチューブ16’が示されている。内壁面22’は 、シリコンのような離型剤（それは液体の表面張力を効果的に低下させる）を含 む被覆層24を有してよい。勿論、チューブ16’を通る液体の表面張力を低下させ るために、被覆層24に他の離型剤が含まれてもよい。 代わりとし、該離型剤は、チューブ16’の内壁面22’内に一体に形成されてい てもよい。シリコンのような離型剤は、それを通って流れる該液体と少なくとも 部分的に接触するものである内壁面22’に対する、該チューブ16’を通って流れ る液体の表面張力を低下させる。 チューブ16’の内壁面22’の少なくとも一部を一体に形成している離型剤、又 は内壁面22’上の被覆層24は、該液体に作用する重力が該液体の表面張力より大 きくなるために必要なものである直径ｄを減少させる。更には、該離型剤は、チ ューブ16’を通って容器12から患者18へと流れる液体と該特定の離型剤とが反応 しないように選ばれる。 従って、ここに記述した現在好ましい具体例に対する種々の変更及び修正が当 業者に明らかであろうことが、理解されなければならない。そのような変更及び 修正は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく且つ伴う利点を損なうこと なく行うことができる。従って、そのような変更及び修正は、添付の請求の範囲 に包含されることが意図されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 閉鎖系内において液体が容器から第２の環境へとチューブを通って送られ ることを許容するための放出システムであって、 内部を有する容器と、そして 該容器の該内部と液体連通しているチューブであって、表面張力が該液体に作 用する重力よりも弱くそれによって該チューブ内の空気の捕獲を防止するよう、 該チューブ内の該液体の表面張力を低下させるように構成され配置されているも のであるチューブと、 を含むシステム。 ２． 該チューブが、該液体に作用する重力が該液体の表面張力よりも大きいも のであるように製造されている内周壁面を有するものである、請求項１のシステ ム。 ３． 該チューブが、離型剤で被覆された内周壁面を有するものである、請求項 １のシステム。 ４． 該チューブが、それに一体に形成された離型剤を含む内周壁面を有するも のである、請求項１のシステム。 ５． 該離型剤がシリコンである、請求項３のシステム。 ６． 該離型剤がシリコンである、請求項４のシステム。 ７． 該液体が該容器から重力によって送られるものである、請求項１のシステ ム。 ８． 液体を重力によって患者へ送るための放出システムであって、 内部を有する容器と、そして 該液体を該内部から該患者へと移すための、該内部と液体連通 しているチューブであって、該液体に作用する重力が該液体の表面張力より大き いものであるように製造された内周壁面を有するものであるチューブと、 を含むシステム。 ９． 該表面張力が、該壁面を離型剤で被覆することによって減少されているも のである、請求項８のシステム。 10． 該表面張力が、該離型剤と共に一体に該壁面を形成することによって減少 されているものである、請求項８のシステム。 11． 該離型剤がシリコンである、請求項９のシステム。 12． 該内周壁面が、該液体に作用する重力が該液体の表面張力より大きいもの であるような内周を有するものである、請求項８のシステム。 13． 容器の内部に収容された液体を第２の部位に供給するための方法であって 、 該液体が重力によって送られることができるよう該第２の部位より上に該容器 を吊り下げるステップと、そして 該液体を該内部から該第２の部位へ移すためのチューブであって、該チューブ 内の空気捕獲を除去するよう構成され配置されているものであるチューブを提供 するステップと、 を含む方法。 14． 該液体に作用する重力が該液体の表面張力より大きいものであるように製 造された内周壁面を該チューブが有するものである、請求項13の方法。 15． 該チューブが、離型剤で被覆された内周壁面を有するものである、請求項 13の方法。 16． 該チューブが、離型剤と共に一体に形成された内周壁面を有するものであ る、請求項13の方法。 17． 該離型剤がシリコンである、請求項15の方法。 18． 該離型剤がシリコンである、請求項16の方法。 19． 該内周壁面が、該液体に作用する重力が該液体の表面張力より大きいもの であるよう十分大きい内周を有するものである、請求項13の方法。 20． 該液体が医薬品を含みそして該第２の部位が患者である、請求項13の方法 。