JPH084924B2 - 高温耐熱ろうのろう付方法 - Google Patents

高温耐熱ろうのろう付方法

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JPH084924B2
JPH084924B2 JP1245805A JP24580589A JPH084924B2 JP H084924 B2 JPH084924 B2 JP H084924B2 JP 1245805 A JP1245805 A JP 1245805A JP 24580589 A JP24580589 A JP 24580589A JP H084924 B2 JPH084924 B2 JP H084924B2
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JP
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brazing
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high temperature
powder
resistant
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洋一 久森
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、高温熱交換器のパイプと筺体との接続
や、燃焼器の高温部の部材間の接続などのような、強度
と気密性とを要求される高温部の接続に適用される高温
耐熱ろうのろう付方法に関するものである。
【従来の技術】
第2図は従来の一般的な高温耐熱ろうのろう付例を示
す断面図であり、スターリング機関の高温熱交換器部を
例示している。図において1はステンレス鋼などの耐熱
材からなるパイプ、2は同じくステンレス鋼などの耐熱
材からなるシリンダに穴があいた被ろう付部、3はNi−
Cr−Bを成分とするNiろうで、被ろう付部2とパイプ1
の嵌合間隙は10〜20μmに設定されている。またろう付
の一般的な従来技術は、特開昭54−74249号公報および
特開昭56−4372号公報にも記載されている。 この高温ろう付の動作について述べる。第3図はろう
付の挙動を模擬的に示したろう付部の断面図である。Ni
−Cr−BからなるNiろうは共晶材で、ある温度、たとえ
ば1070℃で融解する(第3図(a)参照)。Niろうは拡
散型のろう材で、ろう付温度1070℃で融解し、母材であ
るパイプ1と被ろう付部2にBが拡散して拡散相4を形
成し、Bが拡散することによってろう材の組成が変化
し、ろう材単体の融点が上昇する。そのため、同じ1070
℃でNiろうは等温凝固する(第3図(b)参照)。 ろう付間隙が100μmと広い場合は、第4図(a)に
模擬的に示したように1070℃でまずろう材3が溶融し、
ついでパイプ1と被ろう付部2の周りのろう材はBの拡
散にもとづく等温凝固により固まる(第4図(a)参
照)。ろう層の中心部に残されたろう材は、Bの拡散が
等温凝固したろう層3aのために妨げられ、1070℃におい
て融解した状態のままになる。そのため、ろう付間隙が
広いと、解け残ったろう材を表面張力で保持することが
できず、中心部のろう材は、重力により流れ(3b)、パ
イプ1を詰めてしまう。また、流れすぎることがなくと
も、中心部のろう材が解け残ったままになるため、B−
Crの有害な偏析物5やボイド6を生成し、ろう付部の疲
労強度を低下させる(第4図(c)参照)。
【発明が解決しようとする課題】
従来の高温耐熱ろうのろう付方法は以上のようにして
行われているので、ろう付間隙が大きな時、ろう材の流
れすぎや、それにともなってろう層中にボイドが発生
し、また中心部のろう材が解け残ったままになるため、
B−Crの有害な偏析物を生成し、ろう付部の疲労強度を
低下させる。そのため、適切なろう付間隙(10〜20μ
m)を確保するため、被ろう付部をリーマ仕上げなどを
行わねばならず、加工時間が多くかかるなどの課題があ
った。 この発明は上記のような課題を解消するためになされ
たもので、ろう材の流れすぎやボイド及びB−Crの偏析
物などをともならず、大きなろう付間隙でろう付できる
高温耐熱ろうのろう付方法を提供することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる高温耐熱ろうのろう付方法は、Niろ
う材中に金属粉末または無機質粉末を混合したろう材を
使用し、ろう付を行うものである。
【作 用】
この発明における高温耐熱ろうのろう付方法は、ろう
付間隙が大きくなっても、ろう付強度の低下をともなら
ず、ろう層中に欠陥を発生させず、作業時間もほとんど
変わらず、嵌合間隙が大きくなったので、リーマ穴から
キリ穴に変換できるので、ろう付前加工時間を削減で
き、ろう付できる。
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図において1はステンレス鋼などからなるパイプ、2
は同じくステンレス鋼などの耐熱材からなり、キリなど
で穴が加工された被ろう付部、10はNi−Cr−Bを成分と
するNiろうに粒径が20〜40μm程度のNi粉末11をNiろう
の重量を基準として5%混合したろう材を示す。被ろう
付部2とパイプ1との嵌合間隙は100μm程度あいてい
る。本例では、Ni粉末を5%混入した場合について記述
するが、実験で確認されている範囲では、1から50%程
度の割合なら著しい強度の差がない。粉末の割合が高く
なるほど、気密性の信頼性が低下する傾向がある。 次に動作について説明する。ろう付間隙が100μmと
広い場合、ろう付温度が1070℃になると、ろう材10が融
解する。この時、ろう材中のNi粉末11は反応せず、金属
粉の状態である(第1図(a))。次に、1070℃の状態
に保持されると、第5図と同様にパイプ1と被ろう付部
2の周りのろう材10は、Bが母材側に拡散することによ
り、ろう材中のB濃度が低下し、等温凝固により固ま
る、ろう層中心部のろう材は、BがNi粉末中に拡散して
等温凝固する。そのため、ろう材10中のNi粉末11は反応
してろう材中に固溶する(第1図(b))。このように
してろう付温度から冷却すると、ろう付間隙が広くと
も、ろう層中心部のろう材10が均等に凝固し、流れすぎ
や、B−Crの有害な偏析物が生成されないので、ろう付
強さを低下させることなく、良好なろう付を行うことが
できる。Ni粒子およびステンレス鋼粒子を種々の割合で
添加してろう材による継手の引張試験を行った結果を第
5図に示す。このように継手強さは、50%以下の重量比
ではほとんど影響がない。また、金属粉末の割合がそれ
よりも高くなると気密性の信頼性が低下する傾向が認め
られた。 なお、上記の実施例では、ろう材に混入する金属粉末
としてNi粉末を用いたが、ステンレス鋼粉末(例えばSU
S304系)にしても同様の効果が得られ、ろう付温度で溶
融しなくBとの濃度差がある金属粉末であれば同様に使
用できる。また、ろう付間隙も100μmに固定するもの
でなく、金属粉末の粒径より大きく、表面張力でろう材
をろう付時に保持できる間隙であればよい。さらに、Ni
粉末の重量比を、本実施例では5%以下としたが、5%
以上でも気密性の不良率は高くなるがろう付できる。Ni
粉末の重量比が1〜3%の時が、いちばんろう付不良の
低下する領域である。 本実施例では、Ni−Cr−BのNiろう付について説明し
たが、Ni−Cr−Si系のろう材や、この他にも拡散が起こ
り易い他のろう材であってもよい。
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、Niろう材中に金属ま
たは無機質粉末を混合したろう材を使用してろう付を行
なうことにより、Niろう材が解け始めた時に、Ni粒子間
またはステンレス粒子間の毛細管力で溶融したろう材が
ろう付間隙内に保持されので、ろう付間隙が大きくて
も、ろう付強度の低下をともなわず、ろう層中に有害な
偏析物やボイドなどの欠陥を発生させることがない。こ
れによって嵌合間隙を大きくすることができ、リーマ加
工からキリ加工に変換できる効果がある。また作業時間
もほとんど変わらずにろう付できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)はこの発明の一実施例による高温
耐熱ろうのろう付作用を示す断面正面図、第2図は従来
の高温耐熱ろうのろう付例を示す断面図、第3図
(a),(b)はこの高温耐熱ろうのろう付作用を示す
断面図、第4図(a)〜(c)はろう付間隙が大きい時
にろう付不良が発生する様子を示した断面図で、第5図
はろう材中の金属粉末の割合と継手強さとの関係を示す
グラフ図である。 図において、1はパイプ、2は被ろう付部(被ろう付母
材)、10はNi粉混入ろう材(ろう材)。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被ろう付母材に拡散しやすい元素を構成要
    素の一つとする高温耐熱ろう材を使用して行われる高温
    耐熱ろうのろう付方法において、ろう付温度において拡
    散しやすい前記元素を吸収する性質を有する物質の粉末
    を含有し、該ろう材を前記被ろう付母材に接触させた状
    態で所定のろう付温度に加熱する高温耐熱ろう材とし
    て、Ni−Cr−Bを成分とするNiろうを用い、粒径20〜40
    μmのNi粒子またはステンレス粒子を、ろう材の重量を
    基準として1〜5%混合したことを特徴とする高温耐熱
    ろうのろう付方法。
JP1245805A 1989-09-21 1989-09-21 高温耐熱ろうのろう付方法 Expired - Fee Related JPH084924B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2511908A1 (fr) * 1981-08-26 1983-03-04 Snecma Procede de brasage-diffusion destine aux pieces en superalliages
JP2518335B2 (ja) * 1988-01-22 1996-07-24 三菱マテリアル株式会社 Ni基耐熱合金部材の液相拡散接合方法

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