JPH0849027A - 接着用貴金属合金 - Google Patents

接着用貴金属合金

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JPH0849027A
JPH0849027A JP20414594A JP20414594A JPH0849027A JP H0849027 A JPH0849027 A JP H0849027A JP 20414594 A JP20414594 A JP 20414594A JP 20414594 A JP20414594 A JP 20414594A JP H0849027 A JPH0849027 A JP H0849027A
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JP
Japan
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weight
noble metal
metal alloy
alloy
adhesive
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JP20414594A
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Inventor
Hiroki Ono
弘機 大野
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NIHONBASHI TOKURIKI KK
Original Assignee
NIHONBASHI TOKURIKI KK
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯科医療技術分野における接着治療法を大幅
に拡大する金属接着性プライマー利用法の実施を可能と
するための歯科用貴金属合金の開発をすると共に、特に
湿度の高い環境で利用され、樹脂素材、セラミックス、
石材等の被接着材料との組み合わせで貴金属装身具や美
術工芸品を形成する際に、優れた接着性が示される貴金
属合金を提供する。 【構成】 Au:58〜70重量%、Ag:5〜10重
量%、Cu:12〜15重量%、Sn+In+Zn:5
〜25重量%、残部不可避的不純物よりなる接着用貴金
属合金及び、Au:5〜21重量%、Pd:15〜20
重量%、Ag:40〜50重量%、Cu:8〜15重量
%、Sn+In+Zn:5〜25重量%、残部不可避的
不純物よりなる接着用貴金属合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に金属接着性プラ
イマーを塗布した状態で貴金属合金が被接着材料と接着
される際に、その接着強度をより高く保つことを可能に
する接着用貴金属合金、特に歯科補綴用、貴金属装身具
用、美術工芸品用の貴金属合金に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、歯科医療の分野において、歯質の
みならず、樹脂製、セラミックス製、及び金属製の補綴
物にも接着処理による治療を可能とする歯科接着用材料
が市販されはじめ、歯科医療技術は大きな変革の波にさ
らされつつある。元来、歯科用貴金属合金は機械的性
質、化学的性質、生体為害性、操作性等の多くの面から
見て、優れた歯科補綴用材料である。しかしながら、貴
金属合金は本質的に化学的活性度の低い素材であって、
貴金属合金の全てが被接着材料との接着処理による治療
に満足した結果を示すものでない。特に、水分の存在す
る環境下においては、貴金属と被接着材料との間の接着
強度が低下してくるのはさけられなかった。
【0003】この様な欠点を補うため、古くから、予
め、貴金属合金の表面を処理しておく試みが実施されて
いる。貴金属合金と被接着材料との接着性、並びに、接
着境界面の耐水性を向上させるための予備手段として、
スズ電析法やシリコータ法が提示され、その実施システ
ムの入手も容易になってきている。しかしながら、上記
のスズ電析法やシリコータ法を実施するための装置は非
常に高価である上に、使用する薬剤の保存可能期間が短
く、処置に際して機器の操作も繁雑であるという欠点を
持っている。
【0004】これに対して、金属接着性プライマーを利
用する方法は、貴金属合金の表面に小筆や刷毛等を用い
て、プライマーを軽く塗布するだけで用を足すことがで
きるというもので、操作はいたって簡単である。しかし
ながら、この金属接着性プライマーを利用するにも泣き
所があり、市販の歯科用貴金属合金に対しては、接着境
界面の耐水性を充分に保つことが容易ではなかった。ま
た、貴金属装身具、美術工芸品の分野においても、時代
の進展に伴って金属素材を樹脂素材、セラミックス、石
材等と接着して得られた新しい表現方法をもった造型品
が出回るようになって来た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な事態を解決し、歯科医療技術分野における接着治療法
を大幅に拡大する金属接着性プライマー利用法の実施を
可能とするための歯科用貴金属合金の開発をすると共
に、特に湿度の高い環境で利用され、樹脂素材、セラミ
ックス、石材等の被接着材料との組み合わせで貴金属装
身具や美術工芸品を形成する際に、優れた接着性が示さ
れる貴金属合金を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するため鋭意研究開発を進めた結果、先ず、貴
金属合金の主要成分であるAu、Pd、Ag、Cuのそ
れぞれを基礎金属とし、この基礎金属のそれぞれにS
n、In、Znの3成分をそれぞれ単独に添加した二元
合金を溶製し、その表面を研磨した状態で表面の耐水性
が改善される合金組成を把握した。上記の結果を基礎
に、さらに研究を重ねた。その結果、実用可能な接着強
度にすぐれる貴金属合金として、Au:58〜70重量
%、Ag:5〜10重量%、Cu:12〜15重量%、
Sn+In+Zn:5〜25重量%、残部不可避的不純
物よりなる接着用貴金属合金が課題を解決できるもので
あることを見出だしたので開示する。
【0007】なお、Auはその審美性、耐蝕性、生体反
応性の各面で優れることにより採用され、AgはAuの
延性と強度と硬度とを向上させ、さらに、その製造原価
を低減するために添加され、Cuは同じく、Auの強度
と硬度とを向上させるために添加され、さらに、合金組
成の偏析を少なくするためのものである。またSn、I
n、Znは元来、上記貴金属合金の主要組成になるもの
ではないが、それぞれに、Snは陶質材料と貴金属合金
との化学的結合を強固にし、溶融合金の流動性を向上さ
せる性質をもつものとして添加されている。また、In
はその添加により合金の融点を低下させて溶解作業を容
易にするものである。さらに、Znは脱酸材として機能
し、溶解された合金溶湯の流動性を向上して、精度の高
い製品を製作する機能を有する。この貴金属合金の場
合、Sn+In+Znを添加することによって、貴金属
合金表面にSn、In、Znの金属酸化物薄膜が形成さ
れる。表面にSn、In、Znの金属酸化物薄膜が形成
された金属薄膜上に金属接着性プライマーを塗布するこ
とによって、上記の貴金属表面における被接着材料と貴
金属との接着剥離性を大幅に向上させ得た。
【0008】また、本発明は、Au:5〜21重量%、
Pd:15〜20重量%、Ag:40〜50重量%、C
u:8〜15重量%、Sn+In+Zn:5〜25重量
%、残部不可避的不純物よりなる接着用貴金属合金の採
用によっても課題が解決されることを開示するものであ
る。この貴金属合金の場合、Sn+In+Znを添加す
ることによって、貴金属合金表面にSn、In、Znの
金属酸化物薄膜が形成される。表面にSn、In、Zn
の金属酸化物薄膜が形成された金属薄膜上に金属接着性
プライマーを塗布することによって、上記の貴金属表面
における被接着材料と貴金属との接着剥離性を大幅に向
上させ得る。さらに、本発明はその用途を歯科用とする
場合、その効果はより好ましくなる。また、本発明はそ
の用途を貴金属装身具用とする場合にも、その効果はよ
り好ましくなる。その上、本発明はその用途を美術工芸
品用とする場合にも、その効果はより好ましくなる。
【0009】なお、この場合、AgはAuの延性と強度
と硬度とを向上させ、さらに、その製造原価を低減する
ために添加され、Cuは同じく、Auの強度と硬度とを
向上させるために添加され、さらに、合金組成の偏析を
少なくするためのものである。またIn、Znは元来、
上記貴金属合金の主要組成になるものではないが、それ
ぞれに、Inはその添加により合金の融点を低下させて
溶解作業を容易にするものである。さらに、Znは脱酸
材として機能し、溶解された合金溶湯の流動性を向上し
て、精度の高い製品を製作する機能を有する。この貴金
属合金の場合、Sn+In+Znを5〜25重量%とし
て規定することによって、添加金属の酸化物被膜を貴金
属合金の表面に形成し、金属接着性プライマーが塗布さ
れた上記の貴金属表面における被接着材料との接着剥離
性を大幅に向上させ得た。
【0010】本発明の貴金属合金と接着性材料との接着
は、本発明の貴金属合金の表面に金属接着性プライマー
を塗布した場合により好ましくなる。この場合、対象と
される金属接着性プライマーは、6−(4−ビニルベン
ジル−n−プロピル)アミノ−1、3、5、−トリアジ
ン−2、4−ジチオ−ルを5%含むアセトン溶液(商品
名:Vプライマー、製造:サンメディカル株式会社)又
は、チオリン酸系メタクリレートを配合したプライマー
(商品名:MEPS、製造:株式会社ジーシー)である
ことが好ましい。
【0011】
【作用】本発明は、Au:58〜70重量%、Ag:5
〜10重量%、Cu:12〜15重量%、Sn+In+
Zn:5〜25重量%、残部不可避的不純物よりなるこ
とを特徴とする接着用貴金属合金であって、通常のAu
−Ag−Cu合金にSn+In+Znを5〜25重量%
含有させたことによって、貴金属合金表面にSn、I
n、Znの金属酸化物薄膜が形成される。表面にSn、
In、Znの金属酸化物薄膜が形成された金属薄膜上に
金属接着性プライマーを塗布することによって、上記の
貴金属表面における被接着材料と貴金属との接着剥離性
を大幅に向上させ得る。すなわち、金属接着性プライマ
ーである6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)ア
ミノ−1、3、5、−トリアジン−2、4−ジチオ−ル
を5%含むアセトン溶液(商品名:Vプライマー、製
造:サンメディカル株式会社)又は、チオリン酸系メタ
クリレートを配合したプライマー(商品名:MEPS、
製造:株式会社ジーシー)を利用する場合の剥離率を大
きく低下させる。
【0012】また、本発明はAu:5〜21重量%、P
d:15〜20重量%、Ag:40〜50重量%、C
u:8〜15重量%、Sn+In+Zn:5〜25重量
%、残部不可避的不純物よりなることを特徴とする接着
用貴金属合金であって、通常のAu−Pd−Ag−Cu
合金にSn+In+Znを5〜25重量%含有させたこ
とによって、貴金属合金表面にSn、In、Znの金属
酸化物薄膜が形成される。表面にSn、In、Znの金
属酸化物薄膜が形成された金属薄膜上に金属接着性プラ
イマーを塗布することによって、上記の貴金属表面にお
ける被接着材料と貴金属との接着剥離性を大幅に向上さ
せ得る。すなわち、金属接着性プライマーとして6−
(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1、
3、5、−トリアジン−2、4−ジチオ−ルを5%含む
アセトン溶液(商品名:Vプライマー、製造:サンメデ
ィカル株式会社)又は、チオリン酸系メタクリレートを
配合したプライマー(商品名:MEPS、)を利用する
場合において、被接着物が貴金属合金から剥離する確率
を大きく低下させる。
【0013】さらに、本発明はその利用環境として、湿
潤性に富む口腔内利用の歯科用貴金属として利用する場
合、その効果はより高いものとなる。同様にして、湿潤
性に富む環境で供される貴金属装身具や美術工芸品につ
いてもその効果はより高められる。また、本発明になる
貴金属合金の表面に金属接着性プライマーを塗布するこ
とによって、貴金属合金と接着性材料との接着強度はよ
り高められる。この場合、対象とされる金属接着性プラ
イマーは、前記の商品名:MPES(製造:株式会社ジ
ーシー)、または商品名:Vプライマー(製造:サンメ
ディカル株式会社)であることが好ましい。
【0014】
【実施例】
[実施例1]配合組成がAu:61.4重量%、Ag:
7.2重量%、Cu:13.3重量%、In16.1重
量%、Zn:2.0重量%、(Sn+In+Zn:1
8.1重量%)、残部不可避的不純物よりなる合金を厚
さ:1.5mm×幅:18mm×長さ:18mmの板状
に溶製し、研磨工程により鏡面に研磨した幅:18mm
×長さ:18mmの表面に金属接着性プライマー、商品
名:MPES(製造:株式会社ジーシー)を塗布し、そ
の上に接着性レジン(MMA−TBB系レジン)を用い
て、厚さ0.2mmの被接着材料としてPMMA板を接
着させた。この場合、接着性レジンの膜厚を一定にする
ために、接着処理の直後に、PMMA板の上面に20k
gの荷重を負荷した。
【0015】その後、37℃の乾燥雰囲気に24時間放
置し、さらに、37℃の温湯中に3日間浸漬した。次い
で、液体窒素(−196℃)と温湯(40℃)との中に
交互に1分づづ浸漬する熱サイクルを20回繰り返し
た。この様にして貴金属合金と被接着材料であるPMM
A板との接着境界面に熱応力を負荷する前後において、
接着性レジンの接着状態を万能投影器による倍率10倍
の画面にて測定し、熱サイクルの付与前後における接着
面積の計測値から接着面での剥離率を算出し、その大小
によって接着境界面の耐水性を評価したところ僅かに5
%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0016】[実施例2]貴金属合金の配合組成をA
u:58.0重量%、Ag:10.0重量%、Cu:1
2.0重量%、In20.0重量%、(Sn+In+Z
n:20.0重量%)、残部不可避的不純物よりなる合
金とした以外は実施例1と同様にして実験し、その接着
境界面の耐水性を評価したところ僅かに3%の剥離率を
示すに過ぎなかった。
【0017】[実施例3]貴金属合金の配合組成をA
u:58.0重量%、Ag:5.0重量%、Cu:1
2.0重量%、In25.0重量%、(Sn+In+Z
n:25.0重量%)、残部不可避的不純物よりなる合
金とし、金属接着性プライマーを商品名:Vプライマー
(製造:サンメディカル株式会社)とした以外は実施例
1と同様にして実験し、その接着境界面の耐水性を評価
したところ僅かに6%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0018】[実施例4]貴金属合金の配合組成をA
u:58.0重量%、Ag:5.0重量%、Cu:1
2.0重量%、Zn25.0重量%、(Sn+In+Z
n:25.0重量%)、残部不可避的不純物よりなる合
金とし、金属接着性プライマーを商品名:Vプライマー
(製造:サンメディカル株式会社)とした以外は実施例
1と同様にして実験し、その接着境界面の耐水性を評価
したところ僅かに2%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0019】[実施例5]貴金属合金の配合組成をA
u:70.0重量%、Ag:8.0重量%、Cu:1
5.0重量%、Sn:5.0重量%、(Sn+In+Z
n:5.0重量%)、残部不可避的不純物よりなる合金
とした以外は実施例1と同様にして実験し、その接着境
界面の耐水性を評価したところ僅かに2%の剥離率を示
すに過ぎなかった。
【0020】[実施例6]貴金属合金の配合組成をA
u:65.8重量%、Ag:7.7重量%、Cu:1
4.2重量%、In:10.6重量%、Zn1.7重量
%、(Sn+In+Zn:12.3重量%)、残部不可
避的不純物よりなる合金とした以外は実施例1と同様に
して実験し、その接着境界面の耐水性を評価したところ
僅かに3%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0021】[実施例7]貴金属合金の配合組成をA
u:65.0重量%、Ag:8.0重量%、Cu:1
5.0重量%、Sn:5.0重量%、In:5.0重量
%、Zn2.0重量%、(Sn+In+Zn:12.0
重量%)、残部不可避的不純物よりなる合金とした以外
は実施例1と同様にして実験し、その接着境界面の耐水
性を評価したところ僅かに2%の剥離率を示すに過ぎな
かった。
【0022】[実施例8]貴金属合金の配合組成をA
u:21.0重量%、Pd:20.0重量%、Ag:4
2.0重量%、Cu:12.0重量%、Zn5.0重量
%、(Sn+In+Zn:5.0重量%)、残部不可避
的不純物よりなる合金とした以外は実施例1と同様にし
て実験し、その接着境界面の耐水性を評価したところ僅
かに8%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0023】[実施例9]貴金属合金の配合組成をA
u:12.0重量%、Pd:20.0重量%、Ag:4
0.0重量%、Cu:15.0重量%、In:11.0
重量%、Zn2.0重量%、(Sn+In+Zn:1
3.0重量%)、残部不可避的不純物よりなる合金と
し、金属接着性プライマーを商品名:Vプライマー(製
造:サンメディカル株式会社)とした以外は実施例1と
同様にして実験し、その接着境界面の耐水性を評価した
ところ僅かに7%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0024】[実施例10]貴金属合金の配合組成をA
u:10.3重量%、Pd:17.3重量%、Ag:4
7.3重量%、Cu:8.6重量%、In:7.0重量
%、Zn9.5重量%、(Sn+In+Zn:16.5
重量%)、残部不可避的不純物よりなる合金とし、金属
接着性プライマーを商品名:Vプライマー(製造:サン
メディカル株式会社)とした以外は実施例1と同様にし
て実験し、その接着境界面の耐水性を評価したところ僅
かに8%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0025】[実施例11]貴金属合金の配合組成をA
u:9.8重量%、Pd:16.3、Ag:44.7重
量%、Cu:8.1重量%、In:7.7重量%、Zn
13.4重量%、(Sn+In+Zn:21.1重量
%)、残部不可避的不純物よりなる合金とした以外は実
施例1と同様にして実験し、その接着境界面の耐水性を
評価したところ12%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0026】[実施例12]貴金属合金の配合組成をA
u:12.0重量%、Pd:20.0重量%、Ag:4
0.0重量%、Cu:8.0重量%、Zn20.0重量
%、(Sn+In+Zn:20.0重量%)、残部不可
避的不純物よりなる合金とし、金属接着性プライマーを
商品名:Vプライマー(製造:サンメディカル株式会
社)とした以外は実施例1と同様にして実験し、その接
着境界面の耐水性を評価したところ5%の剥離率を示す
に過ぎなかった。
【0027】[実施例13]貴金属合金の配合組成をA
u:12.0重量%、Pd:15.0重量%、Ag:4
0.0重量%、Cu:8.0重量%、Zn25.0重量
%、(Sn+In+Zn:25.0重量%)、残部不可
避的不純物よりなる合金とし、金属接着性プライマーを
商品名:Vプライマー(製造:サンメディカル株式会
社)とした以外は実施例1と同様にして実験し、その接
着境界面の耐水性を評価したところ4%の剥離率を示す
に過ぎなかった。
【0028】[実施例14]貴金属合金の配合組成をA
u:5.0重量%、Pd:20.0重量%、Ag:5
0.0重量%、Cu:15.0重量%、Sn:5.0重
量%、(Sn+In+Zn:5.0重量%)、残部不可
避的不純物よりなる合金とした以外は実施例1と同様に
して実験し、その接着境界面の耐水性を評価したところ
6%の剥離率を示すに過ぎなかった。
【0029】[比較例1]貴金属合金の配合組成をA
u:58.5重量%、Pd:3.0重量%、Ag:1
5.0重量%、Cu:21.98重量%、Ir:0.0
2重量%、Zn:1.5重量%(Sn+In+Zn:
1.5重量%)、残部不可避的不純物よりなる14K合
金とし、金属接着性プライマーを商品名:Vプライマー
(製造:サンメディカル株式会社)とした以外は実施例
1と同様にして実験し、その接着境界面の耐水性を評価
したところ26%もの剥離率を示すに至った。
【0030】[比較例2]貴金属合金の配合組成をA
u:71.0重量%、Pd:3.0重量%、Ag:4.
98重量%、Cu:17.0重量%、Pt:2.0重量
%、Ir:0.02重量%、Zn:2.0重量%、(S
n+In+Zn:2.0重量%)、残部不可避的不純物
よりなるTypeIV合金とし、金属接着性プライマーを
商品名:Vプライマー(製造:サンメディカル株式会
社)とした以外は実施例1と同様にして実験し、その接
着境界面の耐水性を評価したところ実に52%もの剥離
率を示すに至った。
【0031】[比較例3]貴金属合金の配合組成をA
u:12.0重量%、Pd:20.0重量%、Ag:5
5.98重量%、Cu:10.0重量%、Ir:0.0
2重量%、In:0.5重量%、Zn:1.5重量%、
(Sn+In+Zn:2.0重量%)、残部不可避的不
純物よりなるAu−Ag−Pd合金とし、金属接着性プ
ライマーを商品名:Vプライマー(製造:サンメディカ
ル株式会社)とした以外は実施例1と同様にして実験
し、その接着境界面の耐水性を評価したところ実に83
%もの剥離率を示すに至った。
【0032】[比較例4]貴金属合金の配合組成をA
u:21.0重量%、Pd:20.0重量%、Ag:5
6.0重量%、Cu:15.0重量%、残部不可避的不
純物よりなるAu−Ag−Pd−Cu合金とし、金属接
着性プライマーを商品名:Vプライマー(製造:サンメ
ディカル株式会社)とした以外は実施例1と同様にして
実験し、その接着境界面の耐水性を評価したところ実に
85%もの剥離率を示すに至った。
【0033】[比較例5]貴金属合金の配合組成をA
u:5.0重量%、Pd:20.0重量%、Ag:6
0.0重量%、Cu:15.0重量%、残部不可避的不
純物よりなるAu−Ag−Pd−Cu合金とし、金属接
着性プライマーを商品名:Vプライマー(製造:サンメ
ディカル株式会社)とした以外は実施例1と同様にして
実験し、その接着境界面の耐水性を評価したところ実に
90%もの剥離率を示すに至った。
【0034】以上の結果、本発明になる貴金属合金を用
いた場合に、金属接着性プライマーの塗布による被接着
材料との接着性が大幅に向上させることが明白になっ
た。これらの結果をまとめて表1に表示する。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上に述べた如く、Au:58〜70重
量%、Ag:5〜10重量%、Cu:12〜15重量
%、Sn+In+Zn:5〜25重量%、残部不可避的
不純物よりなる接着用貴金属合金、又は、Au:5〜2
1重量%、Pd:15〜20重量%、Ag:40〜50
重量%、Cu:8〜15重量%、Sn+In+Zn:5
〜25重量%、残部不可避的不純物よりなる接着用貴金
属合金の利用により、金属接着性プライマーを使用した
状態において、貴金属合金と接着性材料との接着強度が
大幅に向上し、金属接着性プライマーの機能を最高に引
き出せた。また、貴金属のみを利用することなく、被接
着材料と接着共存させてその利用分野を広げた。湿潤性
に富んだ雰囲気に置いても、接着強度の劣化が極めて少
ない製品の提供を可能にした。以上により、本発明合金
は歯科、貴金属装飾、美術工芸品等の分野において、審
美性、強度に優れる、幅をもった製品の提供を可能とし
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Au:58〜70重量%、Ag:5〜1
    0重量%、Cu:12〜15重量%、Sn+In+Z
    n:5〜25重量%、残部不可避的不純物よりなること
    を特徴とする接着用貴金属合金。
  2. 【請求項2】 Au:5〜21重量%、Pd:15〜2
    0重量%、Ag:40〜50重量%、Cu:8〜15重
    量%、Sn+In+Zn:5〜25重量%、残部不可避
    的不純物よりなることを特徴とする接着用貴金属合金。
  3. 【請求項3】 その用途が歯科用であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の接着用貴金属合金。
  4. 【請求項4】 その用途が貴金属装身具用であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の接着用貴金属合金。
  5. 【請求項5】 その用途が美術工芸品用であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の接着用貴金属合金。
  6. 【請求項6】 貴金属合金が、その表面に金属接着性プ
    ライマーを塗布されて後被接着材料と接着されるもので
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の接着用貴金属合金。
  7. 【請求項7】 金属接着性プライマーが6−(4−ビニ
    ルベンジル−n−プロピル)アミノ−1、3、5、−ト
    リアジン−2、4−ジチオ−ルを5%含むアセトン溶
    液、又は、チオリン酸系メタクリレートを配合したプラ
    イマーであることを特徴とする請求項6に記載の接着用
    貴金属合金。
JP20414594A 1994-08-08 1994-08-08 接着用貴金属合金 Pending JPH0849027A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2791363A1 (fr) * 1999-03-25 2000-09-29 Kyocera Corp Alliage d'argent et objet decoratif le contenant
WO2002076669A1 (fr) * 2001-03-23 2002-10-03 Citizen Watch Co., Ltd. Metal d'apport de brasage
JP4717167B2 (ja) * 1998-11-02 2011-07-06 株式会社クラレ 金属材料用接着性組成物
WO2019084581A1 (de) * 2017-10-30 2019-05-09 Thomas Hauser Werkstoff umfassend eine edelmetall-phase

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