JPH084677A - 密閉式容積形圧縮機 - Google Patents

密閉式容積形圧縮機

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JPH084677A
JPH084677A JP13459794A JP13459794A JPH084677A JP H084677 A JPH084677 A JP H084677A JP 13459794 A JP13459794 A JP 13459794A JP 13459794 A JP13459794 A JP 13459794A JP H084677 A JPH084677 A JP H084677A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定部材と旋回ロータ部材で圧縮作動室を形
成する圧縮機構を有し、圧縮作動室での漏れを小さくす
るため両部材間の隙間を調整でき、また圧縮作動室内の
異常高圧発生を防止できる密閉形圧縮機を提供する。 【構成】 上記圧縮機構と旋回ロータを駆動する電動機
とを有する圧縮機において、圧縮機構と電動機を接続す
る機構として前端の第1球面部と旋回スクロールの、旋
回中心軸から旋回半径だけ偏心した位置に設けた第1球
面軸受とを球面対偶させ、中間の第2球面部と電動機回
転軸上の固定点に設けた第2球面軸受とを球面対偶さ
せ、後端の丸軸にすべり嵌めの球面ブッシュと電動機ロ
ータの部位で第1、第2球面部の各中心を結ぶ直線の延
長上に設けた第3球面軸受とを球面対偶させたてこ部材
を設け、さらに電動機ロータを軸心方向に移動させ位置
決めする機構を設け、また電動機ロータに第3球面軸受
をそのロータ半径外方に押圧する弾性部材を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容積形流体機械に係
り、特に冷凍機や空気調和機などの冷凍、空調サイクル
に組み込んで用いるに好適な密閉式容積形圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の回転式容積形圧縮機の第一の公知
技術としては、スクロール圧縮機がある。この形式の原
理的な構造は周知のように渦巻状のラップを備えた固定
スクロールと旋回スクロールとが噛み合わされて圧縮作
動室を構成する形式のものである。従来のスクロール圧
縮機は、電動機の回転中心に配置されたクランク軸に摺
動可能に係合した旋回スクロールが該クランク軸の回転
によって旋回運動することで、気体は固定スクロールラ
ップと旋回スクロールラップによって形成される圧縮作
動室へ外周部から流入し、中心部に向かって圧縮され、
固定スクロールの中央部に設けられた吐出ポートから吐
出されるようになっている。スクロール圧縮機は気体の
圧縮を同時に多くの圧縮作動室で行われるため、圧縮作
動室間の気体の漏れが少なく高効率であるという特徴を
有している。さらに、トルク変動が小さいため振動が小
さいという特徴がある。
【0003】スクロール圧縮機は前記したように固定ス
クロールと旋回スクロールとを組み合わせた状態で旋回
スクロールを一定の半径で旋回運動させるため、スクロ
ール部材の形状精度や旋回半径の大きさによって隙間の
大きさが決定される。しかしながら、高い性能を維持す
るためには圧縮作動室における隙間を小さくする必要が
ある。この対応策としての公知技術は例えば特開昭62
−282186号公報に記載されているように、クラン
ク軸の偏心駆動軸内に旋回スクロールの駆動軸を弾性体
と共に配設させたものがある。これによって、旋回スク
ロールの運動半径を可変半径とすることができ、旋回ス
クロールの駆動軸を常に外側に付勢することにより、ス
クロールラップの半径方向隙間を小さく維持する構成が
示されている。また、上記同様のスクロール型圧縮機
が、特開平2−264181号公報に記載されており、
この圧縮機内部の各摺動部への潤滑油の供給はクランク
内に設けた給油穴を介して行う方式であった。
【0004】さらに第二の公知技術として特開昭64−
104996号公報に開示されているように円筒状内面
を有するシリンダとこの中で偏心運動を行うロ−ラとシ
リンダ内で往復するベーンなどによって構成されるにロ
ータリ圧縮機がある。ロータリ圧縮機は、ローラをシリ
ンダの内部で公転運動させるためにモータで直接駆動さ
れるクランク軸を用いており、ローラ外周面とシリンダ
内周面との隙間は組立て時に定まる一定量の隙間に維持
される構造である。また、そのクランク軸のクランクピ
ン部とローラとの回転摺動部及びモータ軸受けの回転摺
動部には、ローラ外周面に作用する圧縮気体の圧力によ
り大きな荷重が加わる構造であった。また、ローラとベ
ーンとは別体となっており、シリンダに組み込まれたベ
ーンは背圧やバネ力によりローラ外周面に押しつけて機
密を維持する構造であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第一の公知例における
スクロール圧縮機では、クランク軸の偏心駆動軸と旋回
スクロールの駆動軸との係合部に旋回スクロールに作用
する圧縮気体のガス力と旋回スクロールの遠心力が作用
する。このときクランク軸は回転するため遠心力は軸に
対して回転荷重となる。また、圧縮気体のガス力もスク
ロール式の特徴から回転荷重となる。従って、クランク
軸の偏心駆動軸内に配置した弾性体には非常に大きな荷
重が作用するため、これに打ち勝って旋回スクロールを
常に外方に押しつけるためにはこの弾性体のバネ力をそ
れなりに強くしなければならない。この結果、旋回スク
ロールとクランク軸とを組み立てる時の組み立て性が低
下したり、構造が複雑になるという問題があった。さら
に、従来の技術では旋回スクロールを旋回運動させるた
めの力の作用点と旋回スクロールラップに作用する圧縮
ガス力にもとずくラジアル力の作用点の違いから、旋回
スクロールには転覆モーメントが発生し旋回スクロール
の安定運動が損なわれやすくなるという問題があった。
この旋回スクロールの不安定運動が発生すると、このモ
ーメント荷重は同時にクランク軸の偏心駆動軸の軸受け
にも作用するため、この弾性体の信頼性に影響するとい
う問題があった。
【0006】また、クランク軸の偏心軸の軸受部のよう
に摺動速度の大きい回転摺動部に比較的大きな径方向荷
重が加わるので、機械摩擦損失が大きくなり、圧縮機の
効率を低下させる原因となっていた。また、過酷な運転
状態においては摺動条件が厳しくなり、軸受部での摩
耗、焼き付きが発生して圧縮機の信頼性も低下させると
いう問題があった。
【0007】さらに、第二の公知例であるロータリ圧縮
機における問題点は、シリンダとローラ間の最小隙間が
シリンダやローラ、さらにはクランク軸などの部品精度
によって決定されていることにある。すなわち、ローラ
は固定半径のクランク軸によって駆動されているため組
み立て状態によって既に隙間の大きさが与えられている
ことになる。また、ベーン先端部とローラ外周部は常に
大きな力が作用した状態で摺動するため運転時間の経過
と共にローラ外周部は摩耗することになる。この結果、
ローラ直径は小さくなるのでシリンダとの最小隙間も大
きくなり、圧縮機運転中には圧縮気体の漏れが増加して
圧縮機の性能低下をもたらす問題があった。さらには、
冷凍空調機用の圧縮機においては吸い込み気体中に液が
混入する現象が発生することもあるが、この際において
は液を圧縮するため非常に大きな荷重が発生することも
ある。第二の公知例においては、この液圧縮時に際して
の対応策が十分に配慮されておらず、運転中に液圧縮現
象が発生すると軸や軸受、それに運動部品等に大きな損
傷を引き起こす恐れがあった。
【0008】本発明の第一の目的は、圧縮作動室から圧
縮気体の漏れを小さくするために圧縮室を形成する固定
部材と旋回部材間の隙間を調整する機能を有する密閉式
容積形圧縮機を提供することにある。
【0009】また本発明の第二の目的は、圧縮作動室に
液が混入して液圧縮が発生した時に、固定部材と旋回部
材間の隙間を半径方向を大きくして圧縮作動室内の圧力
の異常上昇を回避する機能を有する密閉式容積形圧縮機
を提供することにある。
【0010】さらに第三の目的は、上記のように隙間を
調整する機能を有する密閉式容積形圧縮機や、異常圧の
回避する機能を有する密閉式容積形圧縮機に適した潤滑
系を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉式容積形圧
縮機は、基本的には、電動機の回転を旋回スクロールや
ローラ等のロータの公転運動に変換して与える伝達機構
として従来のクランク軸に代え、ロータもしくは電動機
の回転軸に対して傾斜するてこ部材を採用したものであ
る。すなわち、本発明の密閉式容積形圧縮機は、密閉容
器内に、圧縮作動室を形成する一対の固定部材と旋回ロ
ータ部材とを有する圧縮機構と、この圧縮機構を駆動し
旋回ロータの旋回中心軸と同軸に回転軸をもつ電動機と
を設置し、圧縮機構に電動機の駆動力を伝える伝達機構
として、先端部を電動機の回転軸より旋回半径だけ偏心
させて旋回ロータ部材に球面対偶させて接続し、中間部
を電動機の回転軸心上の固定点で球面対偶させて支持さ
れ、後端部を電動機のロータの部位で先端部の球面対偶
中心点と固定点を結ぶ直線の延長線上にある位置で球面
対偶させて接続するてこ部材を設け、電動機の回転軸に
対しててこ部材の傾斜角を変える傾斜角調整機構、即ち
旋回半径調整機構を設けたものである。
【0012】上記第一の目的を達成するために、本発明
の密閉式容積形圧縮機は、これをスクロール形の圧縮機
とする場合、密閉容器内に前端から後端にかけて、圧縮
作動室を形成する一対の固定スクロールと旋回スクロー
ルを有する圧縮機構と、旋回スクロールの旋回中心軸と
同軸的に回転軸が配置された電動機とを備えた圧縮機で
あって、圧縮機構に電動機の駆動力を伝える伝達機構と
して、前端部に形成した第1球面部と旋回スクロールの
部位で旋回中心軸から旋回半径だけ偏心した位置に設け
た第1球面軸受とを球面対偶させ、中間部に形成した第
2球面部と電動機回転軸上の固定点に設けた第2球面軸
受とを球面対偶させ、後端部に形成した丸軸部にすべり
嵌めされた球面ブッシュと電動機のロータの部位で第1
および第2球面部の各中心を結ぶ直線の延長線上の位置
に設けた第3球面軸受とを球面対偶させ、電動機の回転
軸に対して傾斜するてこ部材を設け、さらに電動機のロ
ータを回転軸心方向に移動させて位置決めする位置決め
機構と、第2球面軸受を支持する支持機構とを設けたこ
とを特徴とする。ここで、このスクロール形の圧縮機を
本発明の第1の密閉式容積形圧縮機という。
【0013】また上記第二の目的を達成するために、本
発明の密閉式容積形圧縮機(第2の密閉式容積形圧縮機
という)は、第1の密閉式容積形圧縮機において、電動
機のロータに、第3球面軸受を該ロータの半径方向外方
に押圧する弾性部材を設けたことを特徴とする。この場
合、てこ部材は、その中間部の第2球面部から後端部に
取り付けられた球面ブッシュまでの距離を、第2球面部
から前端部の第1球面部までの距離より大きくしたもの
がよい。
【0014】また第1、第2の密閉式容積形圧縮機にお
いて、電動機のロータは、中空円筒状の主ロータ部材
と、この主ロータ部材後端側に一体に取り付けられた円
板およびこの円板中心から後方に突出する軸部からなる
副ロータ部材とから構成し、てこ部材を主ロータ部材内
を通して配置し、第3球面軸受を副ロータ部材の円板内
に配置して、構成するのがよい。また電動機の主ロータ
部材は、内部にてこ部材を配置する斜め穴をもち、ソリ
ッドに近いものとしてもよい。
【0015】上記第三の目的を達成するために、本発明
の密閉式容積形圧縮機は次のような潤滑給油系(第1の
潤滑給油系という)を有する。すなわち、第1、第2の
密閉式容積形圧縮機において、副ロータ部材に軸端から
第3球面軸受に通ずる給油孔を、第3球面軸受に該軸受
を貫通する給油孔を、てこ部材の軸内には第1球面軸
受、第2球面軸受および球面ブッシュに通じる給油孔を
それぞれ設けて、各給油孔を連通させ、かつ副ロータ部
材の軸端と密閉容器に貯留する潤滑油とを連通させたも
のである。そして第1球面部と第1球面軸受との接触面
の少なくとも一方、第2球面部と第2球面軸受との接触
面の少なくとも一方、および丸軸部と球面ブッシュとの
接触面の少なくとも一方に給油溝を設けるのが好まし
い。また副ロータ部材の軸部に設けられた給油孔中に、
長手方向に螺旋状にねじれた流路を有する螺旋部材を取
り付けてもよい。
【0016】また第1の潤滑給油系に代わる別の潤滑給
油系(第2の潤滑給油系)は、第1の密閉式容積形圧縮
機において、旋回スクロールの外円周面に当接するピス
トン部材を構成要素にもち、旋回スクロール部材の旋回
運動にともなうピストン部材の往復運動によるポンプ作
用により、密閉容器底部に貯留する潤滑油を吸い上げる
ポンプ機構を設け、旋回スクロール部材に該ポンプ機構
から第1球面軸受を収納する穴に通じる給油孔を設け、
てこ部材の軸内には前端から後端止まりで第1球面軸
受、第2球面軸受および球面ブッシュに通じる給油孔を
それぞれ設けたものである。この系においては、第1球
面軸受と該第1球面軸受を収納する穴との間にシール部
材を設けるのがよい。
【0017】再び上記第一の目的を達成するために、本
発明の密閉式容積形圧縮機は、これをロータリ形の圧縮
機とする場合、密閉容器内に前端から後端にかけて、固
定したシリンダ、このシリンダ内で旋回するローラおよ
びこれらシリンダとローラ間の空間を仕切って圧縮作動
室を形成するベーンとを有する圧縮機構と、ローラの旋
回中心軸と同軸的に回転軸が配置された電動機とを備え
た圧縮機であって、圧縮機構に電動機の駆動力を伝える
伝達機構として、前記第1の密閉式容積形圧縮機で採用
したてこ部材を、位置決め機構および支持機構とを設け
たことを特徴とするものである。ここでこのロータリ形
の圧縮機を本発明の第3の密閉式容積形圧縮機という。
【0018】また上記第二の目的を達成するために、本
発明の密閉式容積形圧縮機(第4の密閉式容積形圧縮機
という)は、第3の密閉式容積形圧縮機において、電動
機のロータに、第3球面軸受を該ロータの半径方向外方
に押圧する弾性部材を設けたことを特徴とする。そして
てこ部材は、その中間部の第2球面部から後端部に取り
付けられた球面ブッシュまでの距離を、第2球面部から
前端部の第1球面部までの距離より大きくしたものがよ
い。
【0019】また第3、第4の密閉式容積形圧縮機にお
いて、電動機のロータは、中空円筒状の主ロータ部材
と、この主ロータ部材後端側に一体に取り付けられた副
ロータ部材とから構成し、てこ部材は主ロータ部材内を
通って配置され、第3球面軸受は副ロータ部材内に配置
されているものが好ましい。
【0020】
【作用】本発明の密閉式容積形圧縮機を代表して、本発
明の第1、第2の密閉式容積形圧縮機であるスクロール
形の圧縮機についてその作用を説明する。てこ部材はそ
の中間部で電動機の回転軸上の固定点で球面対偶(この
中心点を支点と呼ぶ)で支持され、てこ部材の前端部は
旋回スクロールの旋回半径だけ電動機の回転軸から偏心
して旋回スクロールと球面対偶(この中心を荷重点と呼
ぶ)で接続しててこ部材を電動機の回転軸に対して傾斜
させ、てこ部材の後端部は副ロータの部位でてこ部材の
傾斜角に相当する分だけ偏心した位置で副ロータ部材と
球面対偶(この中心点を力点と呼ぶ)で接続しているの
で、電動機が回転すると、てこ部材は互いに頂点を突き
合わせた2つの円錐形を描くように運動し、電動機の駆
動力は副ロータ部材の球面対偶部(力点)からてこ部材
を介して旋回スクロールの球面対偶部(荷重点)に伝達
され、旋回スクロールは固定スクロールに対して旋回運
動する。かくして、固定スクロールと旋回スクロールと
の間に形成された圧縮作動室で気体が圧縮される。な
お、電動機の主ロータ部材内にてこ部材が挿入される穴
を設け、中空よりもソリッドにすることにより、電磁場
における透磁率の低下を最小限に抑えることができる。
【0021】次に圧縮作動室を形成する一対の固定スク
ロールと旋回スクロールとの半径方向の隙間を調整する
機能について説明する。位置決め機構により電動機のロ
ータを例えば旋回スクロール方向に移動すると、てこ部
材の後端部の球面対偶部を構成する球面ブッシュはすべ
り嵌めであるためてこ部材の軸方向に移動して、かつ電
動機回転軸に対する第3球面軸受の偏心距離は一定で変
化しないために、てこ部材の傾斜角が大きくなり、かく
して固定スクロールと旋回スクロールの隙間が小さくな
る。この機能によれば、圧縮機の組み立て時に、位置決
め機構により電動機のロータをその回転軸方向に移動す
ることによって、てこ部材の傾斜角を任意に調整できる
ので、圧縮機の個々の部品精度や組み立て精度に影響さ
れず、この傾斜角を調整することにより圧縮作動室を構
成する接点部分の半径方向隙間を小さくすることができ
る。
【0022】第2の密閉式容積形圧縮機であるスクロー
ル形の圧縮機の弾性部材、すなわち、てこ部材の後端部
に取り付けた球面ブッシュと対をなす第3球面軸受を押
圧する弾性部材の機能について説明する。圧縮機運転中
に液圧縮が発生すると圧縮作動室内では過大な圧力が発
生する。この際、この過大圧力による力はてこ部材から
球面ブッシュ、第3球面軸受を介して弾性部材に伝達さ
れ、その力が弾性部材の弾性力に打ち勝って、てこ部材
の傾斜角が小さくなる。従って、圧縮作動室におけるす
きまが大きくなり、高圧の液が漏れ、圧縮作動室内の圧
力が低減する。弾性部材が復元しててこ部材の傾斜角を
大きくし、自動的に適正な隙間が維持されることにな
る。そして、てこ部材の前端部の荷重点からてこ部材の
中間部の支点までの距離に比べて、この支点からてこ部
材の後端部の力点までの距離を大きくすることにより、
てこの原理からてこ部材の後端部の力点にかかる荷重を
小さくでき、力点における球面ブッシュと第3球面軸受
に対する荷重を小さくでき、弾性部材を小さくすること
ができる。また、荷重点における摺動速度は、従来のク
ランクシャフトの自転運動に比べ、揺動運動になるた
め、その値は大幅に小さいものとなる。
【0023】また、回転部材内に配置した弾性部材はて
こ部材を外方に押しつける力を発生させるため、てこ部
材はその傾斜角を大きくするように維持される。また、
回転中は電動機の回転軸に対して傾斜するてこ部材に遠
心力が作用するため、その傾斜角を大きくするように保
たれる。この結果、支点位置の反対側に位置するロータ
の球面対偶支持点も半径方向外方に移動するようにな
り、逆に旋回スクロールはその旋回半径が大きくなって
固定スクロールとの接点における隙間はより小さく維持
される。
【0024】第1の潤滑給油系について説明する。圧縮
機の運転状況下においては、圧縮機底部の潤滑油には吐
出ガスによる高圧が作用するが、密閉容器内で圧縮機構
より前方の空間の圧力を吸入圧力よりも大きく、かつ吐
出圧力よりも小さな中間圧力にすることにより、この圧
力差と各回転部材の遠心力により、潤滑油が、それに連
通する部材内の給油孔を介して、てこ部材周辺の各摺動
部に供給される。さらに詳述すると、圧縮機底部の潤滑
油は、副ロータ部材に軸端から第3球面軸受に通ずる給
油孔に流入し、第3球面軸受を貫通する給油孔を経て、
てこ部材の軸内に形成した給油孔から第1球面軸受、第
2球面軸受に通じる給油孔を通って供給される。そして
てこ部材の球面対偶部と回転対偶部を構成する軸側また
は軸受側の少なくとも一方に円周方向に給油溝を設けて
あるので、各対偶部の摺動面には必要十分量の潤滑油が
供給される。ところで、圧縮機底部の潤滑油とが接して
いる副ロータ部材の給油孔に設けた螺旋部材は、圧縮機
の運転時に回転して、潤滑油の汲み上げを助ける。
【0025】第2の潤滑給油系について説明する。第1
の密閉式容積形圧縮機において、旋回スクロールの外円
周面に設けたポンプ機構は、そのピストン部材が旋回ス
クロール部材の旋回運動にともない往復運動してポンプ
作用する。これにより密閉容器底部から吸い上げられた
潤滑油は、旋回スクロール部材に形成した給油孔から第
1球面軸受を収納する穴部に流入し、さらにてこ部材の
前端面からてこ部材の軸方向に形成した給油穴を介し、
この給油穴から分岐する給油穴を通じて第1球面軸受、
第2球面軸受および球面ブッシュに達して潤滑を行う。
そして第1球面軸受とこの第1球面軸受を収納する穴と
の間に設けたシール部材は、潤滑油がてこ部材の給油孔
により多量に流れ込むように設けたものである。このポ
ンプ機構は、特に横置きタイプのスクロ−ル圧縮機の潤
滑に有効である。
【0026】以上の結果、旋回スクロールに公転運動を
与える駆動機構において、てこ部材の後端部の丸軸と球
面ブッシュ、および球面ブッシュと第3球面軸受は、回
転摺動するため摺動速度は大きいが摺動荷重が低減さ
れ、一方、てこ部材の中間部の第2球面部と第2球面軸
受(支点)、及びてこ部材の前端部の第1球面部と旋回
スクロール内の第1球面軸受(荷重点)では摺動荷重は
大きいが、摺動速度の小さな揺動運動であるため、それ
らの摺動部における径方向荷重による機械摩擦損失の総
和が小さくなり摺動条件が特に厳しい摺動部も無くなる
ことにより、圧縮機の効率と信頼性の向上が図れる。ま
た、摺動材料の選定の自由度が拡がる。
【0027】以上、本発明の第1、第2の密閉式容積形
圧縮機であるスクロール形の圧縮機について、その作用
を説明した。そのうち圧縮作動室を形成する固定部材と
旋回部材との隙間を調整する機能、および液圧縮の発生
時に圧縮作動室内での過大圧力を防ぐ弾性部材の機能
は、本発明の第3、第4密閉式容積形圧縮機であるロー
タリ形の圧縮機にも備えられている。これら両機能の作
用は、固定スクロールをシリンダ、旋回スクロールをロ
ーラに置き換えれば、上記と同じになるので、説明を省
略する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1〜図4に
より説明する。図1は縦置きの密閉式スクロール形圧縮
機の全体構成を示す縦断面図、図2は図1のA−A断面
図でスクロール部材の噛み合わせを示す図である。
【0029】この圧縮機は、概略、固定スクロール1と
この固定スクロール1の軸心に対して偏心して回転(旋
回)する旋回スクロール2とを組み合わせて有する圧縮
機構部と、旋回スクロール2に駆動力を与える圧縮機駆
動用の電動機であるモータ7と、モータ7と旋回スクロ
ール2とを接続し駆動力を伝達するてこ部材6と、モー
タ7の回転子の軸受部と、上部から下部へ順次に上記の
圧縮機構部、モータ7、モータ7の回転子の軸受部を収
納し底部に貯留する円筒状の密閉容器9と、てこ部材6
と旋回スクロール2およびモータ7それぞれとの継ぎ手
部やてこ部材6の支持点を給油する潤滑給油系と、から
構成されている。そして、固定スクロール1の軸心即ち
旋回スクロール2の旋回中心軸およびてこ部材6の支持
点がモータ7の回転軸心(モータ軸心と略す)上に位置
している。
【0030】圧縮機構部を構成する固定スクロール1
は、鏡板部1bと、この鏡板部1bの一板面から突出し
た渦巻状のスクロールラップ部1aとから構成され、ま
た旋回スクロール2は、鏡板部2bと、この鏡板部2b
の一板面から突出した渦巻状のスクロールラップ部2a
とから構成されている。固定スクロール1および旋回ス
クロール2の各スクロールラップ部(単にラップ部とい
う)1a、2aはインボリュート曲線等によって形成さ
れている。固定スクロール1と旋回スクロール2は、図
2に示すように、各ラップ部1a、2aを噛み合わせて
組み合わされ、両ラップ部1a、2a間に圧縮作動室1
0を形成している。固定スクロール1と旋回スクロール
2は上下に組み合わされ、そして固定スクロール1の外
周部は下方からフレーム3によって固定支持され、旋回
スクロール2は下方からフレーム3によって摺動自在に
支持されている。さらに旋回スクロール2の鏡板部2b
の下面には、モータ軸心から偏心した位置にボスが突出
しており、このボス内に旋回スクロール2とてこ部材6
との継ぎ手部が配設されている。そしてフレーム3はそ
の外周が溶接などによって密閉容器9に固定されてい
る。また鏡板部2bの下面には旋回スクロール2の旋回
時に自転を阻止するオルダムリング4が設けられてい
る。固定スクロール1の鏡板部1bには吸入ポート5
と、その中央部に吐出ポート12が設けられ、外周部で
ボルト14aによってフレーム3に固定されている。密
閉容器9には、電流導入端子21と吸入管11そして吐
出管13が配設されており、吸入管11は固定スクロー
ル1の鏡板1b外周部に固定され、吸入ポート5に連通
している。
【0031】モータ7は、モータ7のステータ7bを密
閉容器9に固定され、モータ7のロータの要素として、
永久磁石7cで外周を囲まれた中空円筒状の主ロータ部
材7aを圧縮機の軸心に合わせて、配設されている。主
ロータ部材7aの上端中心に形成された軸部22は、上
方のフレーム3のボスの穴と嵌合して回転自在に支承さ
れている。また主ロータ部材7aの下端には、概して円
板と、その円板から下方にモータ7の軸心に沿って延び
る軸部25とからなる副ロータ部材20がボルト14b
により主ロータ部材7aと一体にして取り付けられてい
る。副ロータ部材20には、主ロータ部材7aの内部空
間42に面する側に、モータ軸心から偏心した位置に穴
部が形成され、この穴の中にてこ部材6とモータ7との
継ぎ手部が配設されている。また副ロータ部材20の軸
部25はラジアル軸受とスラスト軸受により支承され、
これらラジアル軸受、スラスト軸受は密閉容器9胴内で
径方向に渡して固定された補助軸受支持板24の中心部
に形成されたボス部30の穴に配置されている。ラジア
ル軸受は軸部25にすべり嵌めされた球面ブッシュ16
とそれを支持する下部球面軸受17から構成され、また
スラスト軸受は軸部25の下端面に当接する球体27と
それを支持するスラスト板26から構成されている。ス
ラスト板26は、補助軸受支持板24のボス部30の穴
に下から捩じ込まれたリングねじ28によって位置決め
されている。
【0032】てこ部材6は、その上端は旋回スクロール
2との継ぎ手部を構成し、下端はモータ7との継ぎ手部
を構成し、そして上下の中間に支持点となる軸受部を有
している。てこ部材6の支持点はモータ軸心上にある固
定点であり、てこ部材6と旋回スクロール2との継ぎ手
部(荷重点)はモータ軸心軸心から旋回スクロール2の
旋回半径だけ離れている。従って旋回半径分の角度θだ
け、てこ部材6の軸はモータ軸心に対して傾斜してお
り、そしててこ部材6とモータ7との継ぎ手部(力点)
は副ロータ部材20上で角度θに対応する分だけモータ
軸心から偏心した位置にある。傾斜したてこ部材6は、
主ロータ部材7a内の空間42を貫通して設けられ、そ
の中間には支持点となる球面部6c(第2球面部)が形
成されこの球面部6cとフレーム3のボスの穴に設けら
れた主軸受15(第2球面軸受)とから球面対偶を構成
し、また、てこ部材6の上端には球面部6a(第1球面
部)が形成されてこの球面部6aと旋回スクロール2下
部のボスの穴に設けた旋回軸受18(第1球面軸受)と
から荷重点となる球面対偶を構成し、さらに、てこ部材
6の下端部は円筒状軸にはすべり嵌めされた球面ブッシ
ュ16と副ロータ部材20の穴に設けられた下部球面軸
受17(第3球面軸受)とから力点となる球面対偶を構
成している。
【0033】てこ部材6の下端において、てこ部材6の
外周面と球面ブッシュ16の内周面とは回転自在に嵌合
されており、さらに球面ブッシュ16と下部球面軸受1
7は球面対偶の構成となっていて、この下部球面軸受1
7はさらに弾性部材19によって支持されている。図3
は、弾性部材19を弾力を有する一体品で構成したもの
をてこ部材6より中心側に配置したものである。また、
図4は弾性部材19を板バネ状の部材で構成したものを
中心側に配置したものである。従って、てこ部材6の下
端では半径方向外側へと押しつけられている。このた
め、てこ部材6の上端部の旋回軸受18でも、より外側
へと押しつけられることになる。この結果、圧縮作動室
10を形成する接点部においては、旋回スクロール2は
常に固定スクロール1側に押しつけられ、それぞれのス
クロールラップ部1a,2a間の隙間は小さい状態に維
持される。
【0034】主ロータ部材7aは副ロータ部材20を介
して滑り軸受23で支持されており上端部に隙間をもた
せているので、軸方向にはその隙間内で移動可能になっ
ている。さらに、主ロータ部材7aを軸方向に移動する
と、てこ部材6の傾斜角も変化し、旋回スクロール2の
変位量も変化する。従って、リングねじ28の位置を変
えると、てこ部材6の傾斜角が変化する。てこ部材6の
傾斜角が小さいため、リングねじ28の軸方向変位量に
対して旋回スクロール2の径方向変位量は非常に小さく
なり、リングねじ28によって旋回スクロール2の位置
決めを微調整できる。この結果、リングねじ28はスク
ロールラップ部1a,2aの噛み合わせ部に対して加工
誤差や組み立て誤差を吸収して、圧縮作動室10の接点
部の最小隙間を与えることができる。この状態でロック
ナット29を締め付けることによりリングねじ28の位
置を固定して、圧縮作動室10のシール状態を好適に維
持することができる。
【0035】モータ7が回転するとてこ部材6は、主軸
受15を支持点として円錐状の軌跡を描いて回転する。
てこ部材6の上端部の荷重点は旋回スクロール2が旋回
運動するに好適な半径で公転運動する。この結果、旋回
スクロール2が固定スクロール1に対して旋回運動し、
気体は吸入管11から圧縮作動室10内に流入する。圧
縮作動室10内等で気体は所定の圧力まで圧縮され、固
定スクロール1の中央部に設けられた吐出ポート12か
ら密閉容器9の中の空間に吐出される。圧縮されて高圧
になった気体はこの空間に一時滞留した後、吐出管13
から機外へ排出される。
【0036】一方、潤滑油8は圧力差などにより密閉容
器9の下部からポンプアップされ、副ロータ部材20内
やてこ部材6内に形成された給油孔を通って各軸受に供
給され、潤滑に供されるようになっている。てこ部材6
は支持点となる主軸受15の摩擦力が大きく下部球面軸
受17での摩擦力は小さいため、てこ部材6自身はほと
んど自転しない状態が維持される。この結果、各球面対
偶部の軸受における機械摩擦損失は小さく圧縮機を効率
の高い状態で運転することができる。さらには、吸入ポ
ート11から液化ガスなどの流体が流入すると、圧縮作
動室10内の圧力が異常上昇し、旋回スクロール2は固
定スクロール1から離れようとする。この時、旋回軸受
18に作用する荷重はてこ部材6を中心側に押しつける
ように働くが、この荷重を下部球面軸受17で受けるこ
とになる。この結果、弾性部材19が変形しててこ部材
6の傾斜角が小さくなり、旋回スクロール2は固定スク
ロール1から離れる。そして、高圧になったガスは低圧
側の圧縮作動室10に漏れて低圧になると、弾性部材1
9の弾性力が勝り、てこ部材6の傾斜角が所定の角度に
戻り通常の圧縮動作が続けられる。
【0037】このように、速やかに圧力の異常上昇を回
避することができるためスクロールラップ部1a,2a
などの破損を未然に防止することができる。また、下部
球面軸受17に作用する荷重は、支持点から荷重点まで
の距離が支持点から力点までの距離に比べてかなり小さ
いものとなるので、てこの原理から弾性部材19の弾性
力も小さくてすみ、組立ての容易性を確保することがで
きると共に、駆動機構としても高い信頼性を確保でき
る。
【0038】次に本発明の第2の実施例を図5及び図6
に従って説明する。図5は第2の実施例になるスクロー
ル圧縮機の全体構成図、図6は図5の下部を一部拡大し
て示す部分図である。この実施例は第1の実施例とほぼ
同じく縦置きの密閉形スクロール圧縮機を示したもので
ある。本実施例はスラスト方向の固定方法や給油方法を
示したことが第1の実施例と異なるものであり、以下で
この差異部分を重点に説明する。モータの主ロータ部材
7aに固定された副ロータ部材20には、軸部25と給
油孔32が一体的に構成されている。図6に示すように
軸部25には、その内周面と外周面が摺動可能状態で結
合されている球面ブッシュ36が配置されており、その
両端にスラストワッシャ35a、35bを配置させて球
面ブッシュ36の位置決めに供されている。球面ブッシ
ュ36は軸受保持部材39に嵌合された球面軸受37に
より回転可能に支持されている。球面軸受37は固定金
具38によって、軸受保持部材39に固定されている。
軸受保持部材39は、補助軸受支持板24にねじ締結さ
れている。従って、この軸受保持部材39を上下するこ
とにより、主ロータ部材7aも上下することになり、さ
らには、てこ部材6も下部球面軸受17の球面ブッシュ
16の内周部で滑るため、てこ部材6の傾斜角θが変化
する。そして、旋回スクロール2と固定スクロール1と
の隙間が適度になった位置でロックナット29を締め付
けることによりモータ7の主ロータ部材7aの位置が固
定される。
【0039】本実施例によれば、運転中においてはモー
タ7の主ロータ部材7aの自重などにより作用するスラ
スト力はスラストワッシャ35a、35bにより受ける
ので、より安定した圧縮機の運転を維持できる。また、
副ロータ部材20は弾性部材19を介して、てこ部材6
を回転可能に支持しているため、通常の運転時には、て
こ部材6自身の遠心力と弾性部材19(図3,4参照)
の弾性力により、てこ部材6は常に半径方向外側に押し
つけられていて一定の傾斜角θを保っている。副ロータ
部材20内には給油孔32が設けられており、てこ部材
6の軸心に形成された給油孔31や主ロータ部材7a内
に設けられた給油孔33にそれぞれ連通している。給油
孔33は、主ロータ部材7a上部の軸部22にまで達
し、フレーム3下部のボスの穴からなる相手軸受面とを
潤滑するように給油孔が開放している。一方、てこ部材
6内の給油孔31は主軸受15に開口しており、この球
面軸受部を常に給油することができ、軸受の信頼性を高
く維持することができる。
【0040】図7はてこ部材6の形状および給油孔を示
す図、図8は図7のC−C断面図である。てこ部材6は
概して丸棒軸であり、一方の軸端部に球面部6aが、ま
たその軸端部の近くに球面部6cが節状に形成され、そ
して他方の軸端部には円筒面部6bが形成されている。
一方の軸端の球面部6aは図5に示す旋回軸受18と球
面対偶を構成し、球面部6cは主軸受15と球面対偶を
構成し、また他方の軸端の円筒面部6bには球面ブッシ
ュ16が取り付けられ、この球面ブッシュ16は下部球
面軸受17と対になって球面対偶を構成する。てこ部材
6の軸芯には給油孔31が一端面からほぼ他端面近くで
形成されており、さらに給油孔31から球面部6cおよ
び円筒面部6bにおいて半径方向に分岐し、それぞれの
周面に達する給油孔31aおよび31cが一つまたは複
数設けられている。また球面部6cの周面には、図8に
示すように、給油溝31bが設けられている。同様に円
筒面部6bの周面にも給油溝31dが設けられている。
【0041】図9は、図6に示す副ロータ部材20の軸
部25の軸心に設けた給油孔32の先端に螺旋状部材1
01を装填したものを示す。螺旋状部材101は軸部2
5先端から挿入され、支持部材102で抜け止めされて
いる。この螺旋部材101は、副ロータ部材20の回転
にともない圧縮機底部の潤滑油8が給油孔に流入するの
を容易にする。潤滑油8が螺旋部材101を伝って吸い
上げられるので、特に圧縮機の低速運転時に有効であ
る。
【0042】以上の実施例の説明では、縦置スクロ−ル
形圧縮機について述べてきたが、本発明は横置スクロ−
ル形圧縮機にも適用できるので以下に説明する。本発明
の第3の実施例を図10を用いて説明する。図10は、
図5に示す縦置きのスクロ−ル形圧縮機を横置きに改造
したものを示す。
【0043】この横置きのスクロ−ル形圧縮機は、潤滑
系の構造を除いて図5に示すものと同一構成要素を有し
ている。機械的な構成の説明は省略し、潤滑系のみ説明
する。図10に示すように、密閉容器9の胴の下部に貯
留された潤滑油8中には補助軸受支持板24の一部が浸
漬されている。従って潤滑油経路は補助軸受支持板24
を始点としている。この点が、図5,6に示す縦置スク
ロ−ル形圧縮機において副ロータ部材20の軸部25が
潤滑油経路の始点となっているのと相違する。図中右側
において、補助軸受支持板24から軸受保持部材39、
球面ブッシュ36、球面軸受37を経由して、副ロータ
部材20の軸部25までそれぞれ給油孔96m、96
l、96k、96j、32を設けている。潤滑油8はこ
れら給油孔を通り、軸部25の給油孔32から、一つは
下部球面軸受17から球面ブッシュ16を経て、てこ部
材6に設けた給油孔31に流入し、他は主ロータ部材7
aに設けた給油孔33に流入して、各摺動部分に達す
る。軸部25の給油孔32から上流側の給油経路は図5
に示すものと同様である。
【0044】次に本発明の第4の実施例として、給油ポ
ンプを内蔵する横置きのスクロ−ル形圧縮機について図
11〜図13を用いて説明する。図11は給油ポンプを
設置した横置きのスクロ−ル形圧縮機の全体構成図、図
12は給油ポンプ部分の詳細図、図13は図11のD−
D断面図である。このスクロ−ル形圧縮機の機械的構成
は図10に示すものとほぼ同じと見做すことができるの
で、潤滑系についてのみ説明する。
【0045】本実施例において、潤滑油8が貯留された
圧縮機の底部で、固定スクロ−ル1の鏡板部1bと、て
こ部材6の球面対偶支持される主軸受15を支承するフ
レ−ム3と、旋回スクロ−ル2の鏡板部2bとにより囲
まれた空間には、旋回スクロ−ル2の鏡板部2bの側外
周面2cと当接するピストン部材105およびバネ部材
106とそれらの部材を収納し、油吸入口および油吐出
口を備えたハウジング部材109で構成されたポンプ室
110を具備した給油ポンプが配設されている。また図
12に示すように、ポンプ室110の油吸入口と油吐出
口は各々流体ダイオ−ド付きポ−ト107、108にな
っており、またポンプ室110から分岐して圧縮機底部
の潤滑油8中を経てモ−タ軸心117より高い位置まで
延びて開口する連通パイプ111を設けている。吸入ポ
−ト107は、先細りのテーパ流路、即ち流体ダイオー
ドを形成されたピ−スからなり、このピースはフレ−ム
3に形成された穴部3aに固定されている。そして吸入
ポ−ト107aの出口には吸込スペ−ス115が設けら
れ、この吸込スペ−ス115とポンプ室110とが連通
している。また吐出ポ−ト108も流体ダイオードを形
成され、それはピストン部材105の先端部に設けられ
ている。この流体ダイオ−ド付きの吐出ポ−ト108
は、旋回スクロ−ルの鏡板部2bの側外周面2cと当接
しているが、鏡板部2bの側外周面2cには吐出スペ−
ス116が設けられており、この吐出スペ−ス116か
ら旋回スクロ−ル2の鏡板部2b中心に向かって給油孔
96nが形成されている。また、ピストン部材105
は、図13に示すように、旋回スクロ−ル2の鏡板部2
aにはその旋回中心軸に対して平行な側外周面2cが設
けてあり、ピストン部材105の先端部が当接してい
る。
【0046】以上の構成により、旋回スクロ−ル2が公
転運動すると、その鏡板部2bに当接するピストン部材
105が往復運動し、ポンプとして機能する。ポンプ作
用によりピストン部材105が上昇してポンプ室110
内の容積が大きくなろうとすると、吸入ポ−ト107か
らポンプ室110へ圧縮機底部に溜った潤滑油8を吸い
込む。このとき同時に吐出ポ−ト108からも上流側に
送り出した潤滑油8を吸い込むが、吐出スペ−ス116
で拡大されている潤滑油8の流れが流体ダイオ−ド付き
の吐出ポ−ト108の先端エッジで縮流し、そこに大き
な流動抵抗が生じポンプ室110へ潤滑油8が逆流しに
くくなる。従って、多くの割合で潤滑油8は吸入ポ−ト
107から吸い込まれる。
【0047】また、ピストン部材105が下降してポン
プ室110内の容積が小さくなろうとすると、吐出ポ−
ト108から旋回スクロ−ル2内部の給油孔96n側へ
と潤滑油8を吐出する。このとき、吸入ポ−ト107か
らも潤滑油8を戻そうとするが、吸入スペ−ス115で
拡大されている潤滑油8の流れが流体ダイオ−ド付きの
吸入ポ−ト107の先端エッジで縮流し、そこに大きな
流動抵抗が生じて潤滑油は逆流しにくくなる。
【0048】従って、多くの割合で潤滑油8は流体ダイ
オ−ド付きの吐出ポ−ト108から吐出され、給油孔9
6nを介しててこ部材6内部の給油孔31に流入する。
この結果、給油孔31から分岐する各給油孔31a,3
1c(図7参照)を通じて、てこ部材6の球面部6cと
主軸受15との球面対偶部や、てこ部材6の円筒面部6
bと球面ブッシュ16と下部球面軸受17との対偶部に
潤滑油を供給する。なお球面ブッシュ16にはその半径
方向に給油孔96eが、下部球面軸受17には同様に給
油孔96fが設けられている。さらに給油孔31に供給
された潤滑油8は、球面ブッシュ16の給油孔96e、
下部球面軸受17の給油孔96fを通って副ロータ部材
20内に形成された給油孔32に流入し、一部は分岐し
てモータ7の主ロータ部材7a内の給油孔33を介して
主ロータ部材7aの一端の軸部22とフレーム3の穴と
の摺動部へ供給され、そしてその他は副ロータ部材20
を支持する球面ブッシュ36と球面軸受37の対偶部に
供給される。
【0049】そして、特に高速回転時には、ポンプ室1
10内の容積が大きくなるポンプ吸入行程時では、圧縮
機内部のガスが連通パイプ111の上端開口から吸い込
まれて潤滑油8中に気泡として混入するため、その気泡
の圧縮性によりポンプ室110内の圧力変動は低減す
る。これは、連通パイプ111の管路断面積が小さく、
長さが長いほど有効である。一方、低速回転時にはポン
プ室110内の圧力変動が遅くなるため、連通パイプ1
11内は潤滑油で満たされた状態となる。そしてポンプ
室110の容積が小さくなるポンプ吐出行程時には、そ
の連通パイプ111内の管路抵抗のためにここから流出
する油量が少ないので、旋回スクロ−ル2の鏡板部2b
に形成された給油孔96nを通って圧縮機内の各摺動面
へ十分な油量が供給される。また、連通パイプ111の
上端開口をモ−タ回転軸より高い位置にすることによ
り、連通パイプ111における損失抵抗に上端開口まで
のヘッドが加わり、管路断面積を小さくしたのと同等の
効果を示す。
【0050】図14はてこ部材6と旋回スクロ−ル2と
の球面対偶支持部分の給油を示す図である。図14にお
いて、てこ部材6の球面部6aが旋回軸受18を介して
旋回スクロ−ル2のボス部2dに当接している。旋回ス
クロ−ル2内の給油孔96nから供給された潤滑油8
は、てこ部材6の球面部6aと旋回軸受18との摺動部
分に給油される。旋回軸受18の外周部にはシ−ル部材
121が設けてあり、これにより、旋回スクロ−ル2内
部の給油孔96nから供給された潤滑油8は、シ−ル部
材121によるシ−ル作用により、旋回スクロ−ル2の
ボス部2d内部の空間127を介しててこ部材6内部の
給油孔31に流入し、圧縮機内部の各摺動部に確実な給
油が可能となる。
【0051】図15は本発明の第5の実施例で、図10
に示すスクロール圧縮機においてモータ7の中空の主ロ
ータ部材に代えて中実の主ロータ部材を用いた圧縮機に
おける給油経路を示す図である。モータ7の主ロータ部
材7a内部にはてこ部材6が挿入される必要最小限の隙
間を持った穴部120と、副ロータ部材20内部の給油
孔32と主ロータ部材7aの軸部22側空間とを連通す
る給油孔33が設けてある。また、副ロータ部材20内
部の給油孔32と連通する主ロータ部材7a内部の給油
孔33はモ−タ回転軸と傾斜していることによる遠心力
と圧力差により、圧縮機底部に溜った潤滑油8を補助軸
受支持板24内部の給油孔96m、軸受保持部材39内
部の給油孔96l、球面軸受37内部の給油孔96k、
球面36内部の給油孔96jおよび副ロータ部材20内
の給油孔32を介して、主ロータ部材7aの軸部22側
空間およびてこ部材6に当接する各摺動部へ必要十分な
量だけ供給することが可能となり、フレ−ム3のボス部
3aとそれに当接する主ロータ部材7aの軸部22とが
潤滑される。また、主ロータ部材7a内部の給油孔33
は直線形状であるので加工が容易である。さらに、主ロ
ータ部材7a内部にてこ部材6が挿入される必要最小限
の隙間を持つ穴部120を設けることにより、モ−タ7
における磁界の磁束密度を確保しモ−タ効率を維持する
ことが可能となる。
【0052】さらに、本発明の第6の実施例を図16及
び図17により説明する。図16はローリングピストン
形圧縮機を示す側断面図で、図17は図16におけるE
−E断面図である。
【0053】この圧縮機は、横置きにされた円筒状のチ
ャンバ内に一端側(図16中左側)から他端側(図16
中右側)にかけて圧縮機構部、圧縮機駆動用モータおよ
びモータの回転子の軸受部が順次に配設されて、構成さ
れている。圧縮機構を構成するシリンダ51は中央部に
円筒状の穴51aを有し、その両端部には端部を閉塞す
るように第1プレート部材52と第2プレート部材53
がボルト54により固定されている。その際、第1プレ
ート部材52の中央部のボス52aに形成された穴52
bの中心軸が、シリンダ51の円筒状の穴51aの中心
軸と同軸となるように固定されている。そしてシリンダ
51の外周部はチャンバ55に固定されている。また、
圧縮機駆動用モータのステータ56、および圧縮機駆動
用モータのロータ65の軸受部を構成する補助軸受支持
板57もチャンバ55にが固定されている。補助軸受支
持板57の中央部にはボス部57aが形成されており、
更に、その先端部に円筒状の穴部57bが形成されてい
る。なお、上記円筒状の穴部57bの中心軸は、第1プ
レート部材52の中央部の穴部52bの中心軸に対して
同軸となっている。
【0054】圧縮機駆動用モータの主ロータ部材58
は、一端側に中空円筒状の軸部58aが形成されてお
り、また外周部に永久磁石59が固定されている。主ロ
ータ部材58内部には空洞60が形成されており、この
空洞60は一端側の軸部58aの中空部につながってい
る。但し、この空洞60はモータの機能を高く維持する
ためには最低限にすることが望ましく、てこ部材72が
配置できる寸法であれば足りるものである。圧縮機駆動
用モータの主ロータ部材58の他端部には副ロータ部材
61が主ロータ部材58と一体的に取り付けられてい
る。この副ロータ部材61には、他端側に延びる軸部6
1aが形成されており、また空洞60側に開口する穴部
61bが軸部61aの中心軸から半径方向に偏位して形
成されている。穴部61bには、外周円筒面部と内周球
面部を持つ球面支持部材62(第3球面軸受)が挿入さ
れており、球面支持部材62により外周球面部と内周円
筒面部を持つ球面ブッシュ63が支持されて、いわゆる
球面軸受を構成している。さらに、球面支持部材62は
弾性部材19によって弾性支持されている。主ロータ部
材58と副ロータ部材61とは、それらの軸部58a、
61aが互いに同軸となるように、ボルト64等により
一体に結合されて圧縮機駆動用モータのロータ部65を
形成している。ロータ部65は、その各端の2つの軸部
58a、61aがそれぞれ第1プレート部材52の穴部
52b、補助軸受支持板57の穴部57bに回転自在に
嵌入されて両持ちの状態で軸受支持されている。
【0055】なお、副ロータ部材61の軸部61aの先
端部にキー66により一緒に回転する様に装着されたス
ラストプレート67がスラスト軸受68に当接してお
り、圧縮機駆動用モータのステータ部56、ロータ部6
5のそれぞれのマグネットセンター69、70を互いに
軸方向に偏位させてロータ部65に常に上記スラストプ
レート67とスラスト軸受68が当接する方向の磁気力
が作用する構造となっているので、ロータ部65の軸方
向位置はスラスト軸受68の軸方向位置により決定され
る。スラスト軸受68はその外周にネジが形成してあり
補助軸受支持板57に対してネジ込まれてその軸方向位
置を調節しロックナット71により最終的に固定され
る。すなわち、ロータ部65の軸方向位置を調整するこ
とが可能である。このことは前記第1の実施例でも説明
したようにてこ部材72の傾斜角を変えることになる。
【0056】てこ部材72には、一端に球面部72a
(第1球面部)、他端に円筒面部72b、更に、それら
の中間にもう1つの球面部72c(第2球面部)が形成
されており、球面部72aの球心と球面部72cの球心
とを結んだ軸線が円筒面部72bの中心軸となってい
る。てこ部材72は、円筒面部72bが球面ブッシュ6
3の内周円筒面部に回転自在に嵌入されて軸受支持さ
れ、球面部72cが外周円筒面部と内周球面部を持ち第
1プレート部材52の穴52bに挿入固定された球面支
持部材73(第2球面軸受)により球面対偶で支持され
ている。てこ部材72の球面部72aには円筒状のロー
ラ74が外周円筒面部と内周球面部を持ち、ローラ74
の内周円筒面に挿入された球面支持部材75(第1球面
軸受)を介して球面対偶で支持されている。またてこ部
材72は、球面部72cの中心と円筒面部72bとの距
離が、球面部72cの中心と球面部72aの中心との距
離に比べて十分大きくなる様に形成されている。なお、
球面支持部材62、73、75はいずれも半径方向に分
割出来る構造となっている。このてこ部材72は、それ
自身の自転速度はモータのロータ部58の回転速度に比
べ非常に低速度になる。この結果、球面部72aや球面
部72cでは荷重が大きくても相対滑り速度が小さく、
円筒面部72bでは相対滑り速度が比較的大きくなるが
作用する荷重が小さくなる。従って、これらの球面対偶
部に潤滑特性の優れた材料を適用するかもしくは、自己
潤滑性を有する材料をコーティングするなどの表面処理
を施すことにより、油潤滑することの無い状態で圧縮機
を運転することもできる。
【0057】ローラ74の外周の1ケ所にはベーン76
が一体に溶接等の方法で固定されているが、その際にベ
ーン76の平行な2平面がローラ74の中心軸と平行と
なる様に固定されている。シリンダ51の円筒状内周面
51aの外側にはこの円筒状内周面51aの中心軸と平
行な中心軸を持つ円筒穴51bが形成されており、この
円筒穴51bのシリンダ中心側とその反対側とはそれぞ
れシリンダ中央部の空間と円筒穴51bの外側に設けた
別の空間77に連通している。ベーン76は円筒穴51
bと空間77とに挿入されているが、ベーン76と円筒
穴部51bとの間にはベーン76の平面部に滑動可能に
当接する平面部と円筒穴部51bの円筒面部に滑動可能
に当接する円筒面部とを有する滑動部材78がベーン7
6をはさみ込んで組み込まれており、ベーン76は円筒
穴部51bの中心軸方向進退運動と該中心軸廻りの揺動
運動とが可能に、シリンダ51により支持されている。
ベーン76のローラ74との結合部と反対側の先端部
は、空間77の中で運動し、シリンダ51と干渉するこ
とは無い。
【0058】以上のような構成により、圧縮機駆動用モ
ータのロータ部65が回転すると、円筒面部72bがロ
ータ部65の回転軸から偏位した位置に支持され球面部
72cが該回転軸上の点を中心として球面対偶支持され
ているてこ部材72の中心軸は、ロータ部65の回転軸
に対して一定の傾斜角を持ち、上記球面対偶中心を頂点
とする2つの円錐状の軌跡を描く。したがって、てこ部
材72の球面部72aの中心は円運動を行ない、球面部
72aにより球面対偶支持されたローラ74に公転運動
が与えられる。なお、ロータ部65はその軸方向に位置
調節ができるので、てこ部材72の中心軸のロータ部6
5の回転軸に対する傾斜角を調節することが可能とな
り、ローラ74の公転半径を調節することができる。す
なわち、ローラ74の外周円筒面とシリンダの内周円筒
面51aとの隙間量を調節できる構造となっている。
【0059】チャンバ55の各端開口部にはそれぞれ第
1サイドチャンバ79および第2サイドチャンバ80が
溶接されて、全体として密閉容器を形成している。作動
気体は吸入口81より圧縮機内に流入し、シリンダ51
に形成された吸入通路51cを通過した後上記の圧縮室
容積の増減により圧縮室内で吸入・圧縮され、第2プレ
ート部材53に形成された吐出ポート(図示せず)から
吐出弁82、吐出弁押さえ83を通過して吐き出され
る。その後、モータ室を通過して第2サイドチャンバ8
0に設けられた吐出口84から圧縮機外に流出する。
【0060】ローラ74の外周に作用する圧縮気体の圧
力によりてこ部材72の球面部72aに作用する荷重
は、てこ部材72が球面部72cと円筒面部72bとに
おいて他の部品により拘束される事により支持される
が、球面部72aの中心を荷重点、球面部72cの中心
を支点、円筒面部72bを支持する球面ブッシュ63の
中心を力点と考えれば、本実施例では支点と荷重点との
距離に比べて支点と力点との距離が十分大きいため、て
この原理により、力点に作用する荷重の大きさは荷重点
に作用する荷重の大きさに比べて大幅に低減される。通
常の運転時ではてこ部材72自身の遠心力や弾性部材1
9によりてこ部材72は、最大傾斜角を維持するように
なっている。しかしながら、前記実施例と同じように圧
縮室内の圧力が異常上昇すると該弾性部材19の配置に
より、てこ部材72の傾斜角が小さくなり、ひいてはシ
リンダ51とローラ74の最小隙間部分が通常運転時の
大きさより大きくなる。従って本実施例によれば、圧縮
室内の圧力が速やかに低下し過負荷状態での運転を回避
でき、ベーン76の破壊や変形さらには他の運動部品な
どの損傷を未然に防止することができる。
【0061】さらに本発明の第7の実施例について図1
8及び図19に従って説明する。図18は第7の実施例
である密閉式容積形圧縮機の全体構成を示す図、図19
は図18のF−F断面図である。本実施例もローリング
ピストン形圧縮機と同型式の圧縮機であり図16に示し
た実施例において圧縮機構部を変更した実施例を示すも
のである。以下の説明では図16の実施例と異なる点に
ついて説明する。シリンダ51に往復運動可能なごとく
はめ合わされたベーン部材90があって、このベーン部
材90の背部には予圧バネ93が配置されている。この
ためベーン部材90は他方の先端面をローラ91の外周
面に押しつけられ、圧縮作動室内を吸入室と圧縮室とに
分離させている。また、空間57は密閉容器79の中の
吐出圧空間に連通しているため、空間57の圧力もまた
同じ程度の高い圧力になっている。従って、ベーン90
はこの圧力によってもローラ74側へ押しつけられてい
る。さらに、一方ではてこ部材72の他方では弾性部材
19により半径方向外側に押しつけられているため、て
こ部材72の傾斜角は最も大きく維持されることにな
る。以上のように、本実施例において圧縮機の通常運転
時もしくは定格運転状態などでは、シリンダ51の内面
とローラ91の外周面の最小隙間を小さく保つことがで
きる。この結果、圧縮機の性能を高く維持できる。ま
た、弾性部材19の効果は前記実施例と同様に圧縮作動
室内の圧力の異常上昇を避ける効果を有している。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、密閉式容積形圧縮機
は、圧縮作動室を形成する一対の固定部材と旋回ロータ
部材とを有する圧縮機構と、旋回ロータを駆動する電動
機とを備えた圧縮機において、圧縮機構と電動機を接続
する伝達機構として、前端部の第1球面部と旋回ロータ
部材の部位で旋回中心軸から旋回半径だけ偏心した位置
に設けた第1球面軸受とを球面対偶させ、中間部の第2
球面部と電動機回転軸上の固定点に設けた第2球面軸受
とを球面対偶させ、後端部の丸軸部にすべり嵌めされた
球面ブッシュと電動機のロータの部位で第1および第2
球面部の各中心を結ぶ直線の延長線上の位置に設けた第
3球面軸受とを球面対偶させて傾斜するてこ部材を設
け、さらに電動機のロータを回転軸心方向に移動させて
位置決めする位置決め機構を設けたものとしたので、位
置決め機構により電動機のロータを例えば旋回スクロー
ル方向に移動すると、てこ部材の後端部にある滑り嵌め
球面ブッシュはてこ部材の軸方向に移動し、かつ電動機
回転軸に対する第3球面軸受の偏心距離は一定であるた
め、てこ部材の傾斜角が大きくなり、かくして固定部材
と旋回部材間の隙間が小さくすることができ、従って密
閉式容積形圧縮機の各種構成部品の精度に左右されず、
組立て時に調整する、あるいは適宜稼働後に調整するこ
とによって、圧縮作動室を形成する隙間を最適な状態に
維持することができ、漏れが少なく性能の高い密閉式容
積形圧縮機を提供できるという効果がある。
【0063】また、上記密閉式容積形圧縮機において、
電動機のロータに第3球面軸受をそのロータの半径方向
外方に押圧する弾性部材をさらに加えて設けることによ
り、圧縮作動室内に吸い込み気体と共に液体が流入し場
合に、てこ部材が弾性部材を押圧しててこ部材の傾斜角
を変え、圧縮作動室における隙間が自動的に大きくなっ
て過大な圧力上昇を未然に防止することができるという
効果がある。
【0064】さらに、上記密閉式容積形圧縮機におい
て、(a)圧縮機構や電動機を収納する密閉容器の底部
に貯留する潤滑油を電動機のロータに形成した給油孔か
らてこ部材内に形成した給油孔を通じて各摺動面に供給
する潤滑経路を設ける、あるいは(b)旋回スクロール
の外円周面にその旋回スクロール部材の旋回運動にとも
ないポンプ作用するポンプ機構と、これにより密閉容器
底部から吸い上げられた潤滑油を旋回スクロール部材に
形成した給油孔からてこ部材内に形成した給油孔を介し
て各摺動面に供給する潤滑経路を設けることにより、各
摺動面に必要十分量の潤滑油を供給することが可能とな
り、高性能および高信頼性なスクロ−ル形圧縮機を提供
ができるという効果がある。また、圧縮機の構成部品の
簡素化が図れ生産性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例なる縦置きの密閉形スク
ロール圧縮機の全体構成を示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面図でスクロール部材の噛み合
わせ状態を示す断面図である。
【図3】密閉式スクロール圧縮機の駆動軸(てこ部材)
下端部の軸受機構を示す断面図である。
【図4】密閉式スクロール圧縮機の駆動軸(てこ部材)
下端部の別の軸受機構を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例なる縦置きの密閉形スク
ロール圧縮機の全体構成および潤滑給油系を示す断面図
である。
【図6】てこ部材の傾斜角調整機構を示す部分断面図で
ある。
【図7】てこ部材を示す図である。
【図8】図7のC−C断面図である。
【図9】潤滑給油孔に螺旋部材を設けた給油機構を示す
図である。
【図10】本発明第3の実施例なる横置きの密閉形スク
ロール圧縮機の全体構成および潤滑給油系を示す断面図
である。
【図11】本発明第4の実施例なる横置きの密閉形スク
ロール圧縮機の全体構成および潤滑給油系を示す断面図
である。
【図12】図11の部分図で給油ポンプの構成図であ
る。
【図13】図11のD−D断面図で給油ポンプの動作を
説明する図である。
【図14】てこ部材と旋回スクロールとの軸受部のシー
ルを示す図である。
【図15】本発明の第5の実施例なる横置きの密閉形ス
クロール圧縮機の全体構成および潤滑給油系を示す断面
図である。
【図16】本発明の第6の実施例なる密閉形ロータリ圧
縮機の全体構成を示す断面図である。
【図17】図16のE−E断面を示す断面図。
【図18】本発明の第7の実施例なる密閉形ロータリ圧
縮機の全体構成を示す断面図である。
【図19】図18のF−F断面図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 1a スクロールラップ部 1b 鏡板部 2 旋回スクロール 2a スクロールラップ部 2b鏡板部 3 フレーム 6 てこ部材 6a,6c 球面部 6b 円筒面部 7 モータ 7a モータの主ロータ部材 7b モータのステ
ータ 8 潤滑油 9 密閉容器 10 圧縮作動室 11 吸入管 12 吐出ポート 13 吐出管 15 主軸受 16 球面ブッシュ 17 下部球面軸受 18 旋回軸受 19 弾性部材 20 副ロータ部材 22 軸部 23 滑り軸受 24 補助軸受支持板 25 軸部 26 スラスト板 31、32、33
給油孔 36 球面ブッシュ 39 軸受保持部材 51 シリンダ 52 第1プレート
部材 53 第2プレート部材 55 チャンバ 56 モータのステータ部 57 補助軸受支持
板 58 主ロータ部材 61 副ロータ部材 62 球面支持部材 63 球面ブッシュ 65 モータのロータ部 67 スラストプレ
ート 68 スラスト軸受 72 てこ部材 72a 球面部 72b 円筒面部 72c 球面部 73 球面支持部材 74 ローラ 75 球面支持部材 76 ベーン 78 滑動部材 81 吸入口 82 吐出弁 84 吐出口 90 ベーン 91 ローラ 93 予圧バネ 96a 給油孔 96n 給油孔 101 螺旋状部材 102 支持部材 105 ピストン部材 106 バネ部材 107 油吸入口 108 油吐出口 107a 流体ダイオ−ド付き吸入ポ−ト 108a 流体ダイオ−ド付き吐出ポ−ト 110 ポンプ室 111 連通パイプ 112a、112b テ−パ流路 114 吸入ピ−ス

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内に、圧縮作動室を形成する一
    対の固定部材と旋回ロータ部材とを有する圧縮機構と、
    該圧縮機構を駆動し旋回ロータの旋回中心軸と同軸に回
    転軸をもつ電動機とを設置してなる密閉式容積形圧縮機
    において、圧縮機構に電動機の駆動力を伝える伝達機構
    として、先端部を電動機の回転軸より旋回半径だけ偏心
    させて旋回ロータ部材に球面対偶させて接続し、中間部
    を電動機の回転軸心上の固定点で球面対偶させて支持さ
    れ、後端部を電動機のロータの部位で先端部の球面対偶
    中心点と固定点を結ぶ直線の延長線上にある位置で球面
    対偶させて接続するてこ部材を設け、電動機の回転軸に
    対しててこ部材の傾斜角を変える傾斜角調整機構を設け
    たことを特徴とする密閉式容積形圧縮機。
  2. 【請求項2】 密閉容器内に、圧縮作動室を形成する一
    対の固定部材と旋回ロータ部材とを有する圧縮機構と、
    該圧縮機構を駆動し旋回ロータの旋回中心軸と同軸に回
    転軸をもつ電動機とを設置してなる密閉式容積形圧縮機
    において、圧縮機構に電動機の駆動力を伝える伝達機構
    として、先端部を電動機の回転軸より旋回半径だけ偏心
    させて旋回ロータ部材に球面対偶させて接続し、中間部
    を電動機の回転軸心上の固定点で球面対偶させて支持さ
    れ、後端部を電動機のロータの部位で先端部の球面対偶
    中心点と固定点の延長線上にある位置で球面対偶させて
    接続するてこ部材を設け、旋回ロータ部材の旋回半径を
    変える旋回半径調整機構を設けたことを特徴とする密閉
    式容積形圧縮機。
  3. 【請求項3】 密閉容器内に前端から後端にかけて、圧
    縮作動室を形成する一対の固定スクロールと旋回スクロ
    ールを有する圧縮機構と、旋回スクロールの旋回中心軸
    と同軸的に回転軸が配置された電動機とを備えた密閉式
    容積形圧縮機において、圧縮機構に電動機の駆動力を伝
    える伝達機構として、前端部に形成した第1球面部と旋
    回スクロールの部位で旋回中心軸から旋回半径だけ偏心
    した位置に設けた第1球面軸受とを球面対偶させ、中間
    部に形成した第2球面部と電動機回転軸上の固定点に設
    けた第2球面軸受とを球面対偶させ、後端部に形成した
    丸軸部にすべり嵌めされた球面ブッシュと電動機のロー
    タの部位で第1球面部と第2球面部の各中心を結ぶ直線
    の延長線上の位置に設けた第3球面軸受とを球面対偶さ
    せ、電動機の回転軸に対して傾斜するてこ部材を設け、
    さらに電動機のロータを回転軸心方向に移動させて位置
    決めする位置決め機構と、第2球面軸受を支持する支持
    機構とを設けたことを特徴とする密閉式容積形圧縮機。
  4. 【請求項4】 電動機のロータに、第3球面軸受を該ロ
    ータの半径方向外方に押圧する弾性部材を設けたことを
    特徴とする請求項3記載の密閉式容積形圧縮機。
  5. 【請求項5】 てこ部材は第2球面部から球面ブッシュ
    までの距離を第2球面部から第1球面部までの距離より
    大きくしたものであることを特徴とする請求項4記載の
    密閉式容積形圧縮機。
  6. 【請求項6】 電動機のロータは、中空円筒状の主ロー
    タ部材と、該主ロータ部材後端側に一体に取り付けられ
    た円板および該円板中心から後方に突出する軸部からな
    る副ロータ部材とから構成し、てこ部材は主ロータ部材
    内を通って配置され、第3球面軸受は副ロータ部材の円
    板内に配置されていることを特徴とする請求項3記載の
    密閉式容積形圧縮機。
  7. 【請求項7】 電動機のロータは、内部に斜め穴を形成
    した円柱状の主ロータ部材と、該主ロータ部材後端側に
    一体に取り付けられた円板および該円板中心から後方に
    突出する軸部からなる副ロータ部材とから構成し、てこ
    部材は主ロータ部材の斜め穴を通って配置され、第3球
    面軸受は副ロータ部材の円板内に配置されていることを
    特徴とする請求項3記載の密閉式容積形圧縮機。
  8. 【請求項8】 電動機のロータは、中空円筒状の主ロー
    タ部材と、該主ロータ部材後端側に一体に取り付けられ
    た円板および該円板中心から後方に突出する軸部からな
    る副ロータ部材とから構成し、てこ部材は主ロータ部材
    内を通って配置され、第3球面軸受および弾性部材は副
    ロータ部材の円板内に配置されていることを特徴とする
    請求項4記載の密閉式容積形圧縮機。
  9. 【請求項9】 副ロータ部材に軸端から第3球面軸受に
    通ずる給油孔を、第3球面軸受に該軸受を貫通する給油
    孔を、てこ部材の軸内には第1球面軸受、第2球面軸受
    および球面ブッシュに通じる給油孔をそれぞれ設けて、
    各給油孔を連通させ、かつ副ロータ部材の軸端と密閉容
    器に貯留する潤滑油とを連通させたことを特徴とする請
    求項5ないし8いずれかに記載の密閉式容積形圧縮機。
  10. 【請求項10】 第1球面部と第1球面軸受との接触面
    の少なくとも一方、第2球面部と第2球面軸受との接触
    面の少なくとも一方、および丸軸部と球面ブッシュとの
    接触面の少なくとも一方に給油溝を設けたことを特徴と
    する請求項9記載の密閉式容積形圧縮機。
  11. 【請求項11】 副ロータ部材の軸部に設けられた給油
    孔中に、長手方向に螺旋状にねじれた流路を有する螺旋
    部材を取り付けたことを特徴とする請求項9記載の密閉
    式容積形圧縮機。
  12. 【請求項12】 旋回スクロールの外円周面に当接する
    ピストン部材を構成要素にもち、旋回スクロール部材の
    旋回運動にともなうピストン部材の往復運動によるポン
    プ作用により、密閉容器底部に貯留する潤滑油を吸い上
    げるポンプ機構を設け、旋回スクロール部材に該ポンプ
    機構から第1球面軸受を収納する穴に通じる給油孔を設
    け、てこ部材の軸内には前端から後端止まりで第1球面
    軸受、第2球面軸受および球面ブッシュに通じる給油孔
    をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項3記載の密閉
    式容積形圧縮機。
  13. 【請求項13】 第1球面軸受と該第1球面軸受を収納
    する穴との間にシール部材を設けたことを特徴とする請
    求項12記載の密閉式容積形圧縮機。
  14. 【請求項14】 密閉容器内に前端から後端にかけて、
    固定したシリンダ、このシリンダ内で旋回するローラお
    よびこれらシリンダとローラ間の空間を仕切って圧縮作
    動室を形成するベーンとを有する圧縮機構と、ローラの
    旋回中心軸と同軸的に回転軸が配置された電動機とを備
    えた密閉式容積形圧縮機において、圧縮機構に電動機の
    駆動力を伝える伝達機構として、前端部に形成した第1
    球面部と旋回スクロールの部位で旋回中心軸から旋回半
    径だけ偏心した位置に設けた第1球面軸受とを球面対偶
    させ、中間部に形成した第2球面部と電動機回転軸上の
    固定点に設けた第2球面軸受とを球面対偶させ、後端部
    に形成した丸軸部にすべり嵌めされた球面ブッシュと電
    動機のロータの部位で第1球面部と第2球面部の各中心
    を結ぶ直線の延長線上の位置に設けた第3球面軸受とを
    球面対偶させ、電動機の回転軸に対して傾斜するてこ部
    材を設け、さらに電動機のロータを回転軸心方向に移動
    させて位置決めする位置決め機構と、第2球面軸受を支
    持する支持機構とを設けたことを特徴とする密閉式容積
    形圧縮機。
  15. 【請求項15】 電動機のロータに、第3球面軸受を該
    ロータの半径方向外方に押圧する弾性部材を設けたこと
    を特徴とする請求項14記載の密閉式容積形圧縮機。
  16. 【請求項16】 てこ部材は第2球面部から球面ブッシ
    ュまでの距離を第2球面部から第1球面部までの距離よ
    り大きくしたものであることを特徴とする請求項15記
    載の密閉式容積形圧縮機。
  17. 【請求項17】 電動機のロータは、中空円筒状の主ロ
    ータ部材と、該主ロータ部材後端側に一体に取り付けら
    れた副ロータ部材とから構成し、てこ部材は主ロータ部
    材内を通って配置され、第3球面軸受は副ロータ部材内
    に配置されていることを特徴とする請求項14記載の密
    閉式容積形圧縮機。
  18. 【請求項18】 電動機のロータは、中空円筒状の主ロ
    ータ部材と、該主ロータ部材後端側に一体に取り付けら
    れた副ロータ部材とから構成し、てこ部材は主ロータ部
    材内を通って配置され、第3球面軸受および弾性部材は
    副ロータ部材内に配置されていることを特徴とする請求
    項15記載の密閉式容積形圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008117539A1 (ja) * 2007-03-27 2008-10-02 Daikin Industries, Ltd. 可変クランク機構及び可変クランク機構を備えたスクロール流体機械
JP2012159008A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Sanyo Electric Co Ltd 金属部材の加工孔構造、並びにこの加工孔構造を用いて形成された冷凍サイクル装置
KR20200029933A (ko) * 2018-09-11 2020-03-19 엘지전자 주식회사 전동식 압축기

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