JPH0844399A - 音響信号変換符号化方法および復号化方法 - Google Patents

音響信号変換符号化方法および復号化方法

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JPH0844399A
JPH0844399A JP7052389A JP5238995A JPH0844399A JP H0844399 A JPH0844399 A JP H0844399A JP 7052389 A JP7052389 A JP 7052389A JP 5238995 A JP5238995 A JP 5238995A JP H0844399 A JPH0844399 A JP H0844399A
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acoustic signal
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直樹 岩上
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健弘 守谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音響信号の周波数特性を能率的に平坦化し、
少ない情報量で符号化する。 【構成】 入力音響信号を変形離散コサイン変換してそ
のスペクトラム特性を求める。他方、入力音響信号から
線形予測分析部17で予測係数を求め、その予測係数を
スペクトラム概形計算部21でフーリエ変換して音響信
号のスペクトラム特性の概形を求め、正規化部22でそ
のスペクトラム特性をその概形で正規化して残差係数を
得る。残差概形正規化部26はその残差係数を、残差概
形計算部23で予測した残差概形により正規化して微細
構造係数を得て、量子化部25はその微細構造係数をベ
クトル量子化する。逆正規化部31は量子化微細構造を
逆正規化して残差係数を再生し、残差概形計算部23は
その再生残差係数から残次フレームの残差係数の概形を
予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はオーディオ信号、特に
音楽信号や音声信号などの音響信号を、周波数領域係数
に変換し、その周波数領域係数をできるだけ少ない情報
量でディジタル符号化する符号化方法、及びその符号化
音響信号を復号化する復号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、オーディオ信号を高能率に符号化
する方法として、原音をフレームと呼ばれる5〜50m
s程度の一定間隔の区間に分割し、その1フレームの信
号に時間−周波数変換(フーリエ変換)を行って得た周
波数領域係数(周波数軸上のそれぞれの点におけるサン
プル値)を、その周波数特性の包絡形状(スペクトラム
概形)と、周波数領域係数をスペクトラム概形で平坦化
して得られる残差係数との2つの情報に分離し、それぞ
れを符号化することが提案されている。このような符号
化法として、適応スペクトラム聴感制御エントロピー符
号化法(ASPEC :Adaptive Spectral Perceptual Entro
py Coding )や、重み付きベクトル量子化による変換符
号化法(TCWVQ:Transform Coding with Weighted Vect
or Quantization)、エムペグ−オーディオ・レイヤ3方
式(MPEG-Audio Layer III)などがある。それぞれの技
術については、K.Brandenburg, J.Herre, J.D.Johnston
etal:“ASPEC:Adaptive spectral entropy coding o
f high quality music signals”, Proc. AES'91及び
T.Moriya, H.Suda:“An 8 Kbit/s transform coderfor
noisy channels,”Proc.ICASSP'89, pp196-199 及びIS
O/IEC標準IS-11172-3に述べられている。
【0003】これらの符号化法では、高能率な符号化を
実現するためには、残差係数はできるだけ周波数特性が
平坦であることが望ましい。このため、上述のASPECやM
PEG-Audio Layer III では、周波数領域係数をいくつか
の小帯域に分割し、小帯域内の信号を、帯域の強さを表
すスケーリングファクタと呼ばれる値で割ることによっ
て正規化する事によって周波数特性の平坦化をはかる。
即ち図1に示すように入力端子11から入力されたディ
ジタル化された音響入力信号は時間−周波数変換部(変
形離散コサイン変換:MDCT)2により周波数領域係
数に変換され、この周波数領域係数は帯域分割部3によ
り複数の小帯域に分割され、これら小帯域信号はそれぞ
れ代表値計算・量子化部41 〜4n でその平均値又は最
大値などの帯域の強さを表す代表値(スケーリングファ
クタ)が計算され、かつそのスケーリングファクタは量
子化されて、全体として周波数領域係数の概形が得られ
る。前記分割された各小帯域信号は正規化部51 〜5n
でそれぞれ対応する帯域の前記量子化されたスケーリン
グファクタで正規化され帯域残差係数とされ、これら正
規化によって得られた帯域残差係数は量子化部6で帯域
合成されスペクトラム残差を得る。その結果、時間−周
波数変換部2により得られた前記周波数領域係数はその
周波数特性の概形が取り除かれ、平坦化された残差係数
となり、その残差係数は量子化される。この残差係数の
量子化を示すインデックスIR と、前記各代表値を量子
化したインデックスとがそれぞれ復号器へ送出される。
【0004】この方法よりも高能率な周波数領域係数の
平坦化方法として、線形予測分析を用いる方法がある。
周知のように、線形予測係数は入力信号の周波数特性を
平坦化するように動作する線形予測フィルタ(逆フィル
タと呼ばれている)のインパルス応答を表している。こ
の方法では、図2に示すように端子11に与えられたデ
ィジタル音響信号を線形予測分析・予測係数量子化部7
で線形予測し、得られた線形予測係数を線形予測分析フ
ィルタ、いわゆる逆フィルタ8にフィルタ係数として設
定し、この線形予測分析フィルタ8を端子11からの入
力信号で駆動することによって周波数特性の平坦化され
た残差信号を得る。この残差信号を時間−周波数変換部
(離散コサイン変換:DCT)2で周波数領域の信号、
即ち残差係数に変換し、残差量子化部6で量子化し、そ
の量子化を表すインデックスIRと線形予測係数を量子化
したインデックスIPとを復号器へ送出する。この方法
は、TCWVQ で用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の何れの方法にお
いても、周波数特性の全体的な概形を正規化するにとど
まり、オーディオ信号に含まれるピッチ成分のような微
視的な周波数特性の凹凸を能率良く除去することはでき
ない。このことが障害となり、ピッチ成分の強い音楽信
号や音声信号などを符号化する際の性能の向上が困難で
あった。
【0006】線形予測分析については斉藤、中田“音声
情報処理の基礎”第6章(オーム社)に、DCTについ
てはK.R.Rao, P.Yip著安田、藤原訳“画像符号化技術−
DCTとその国際標準”第2章(オーム社)に、および
MDCTについてはISO/IEC標準IS-11172-3に述べられ
ている。この発明の目的は、変換符号化において、入力
音響信号の周波数特性をその概形で正規化して得られる
残差係数にピッチ成分が含まれる場合でも少ない情報量
で能率良く符号化可能な符号化方法及びその符号化音響
信号を復号する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の符号化方法に
よれば、入力音響信号を周波数領域に変換して符号化す
る方法において、入力音響信号についてフレーム単位
で、その周波数特性の概形が平坦化された残差係数を得
る第1の段階と、その第1の段階で得られた現フレーム
の残差係数の概形を現在、または過去のフレームの残差
係数から予測し、予測残差概形を生成する第2の段階
と、第1の段階で得られた現フレームの上記残差係数
を、第2の段階で得られた予測残差概形で正規化して微
細構造係数を得る第3段階と、その第3段階で得られた
微細構造係数を量子化し、その量子化微細構造を表すイ
ンデックスを上記音響信号の符号化出力の少なくとも1
部として出力する第4の段階とを有している。
【0008】第1の段階で残差係数を得るには、入力音
響信号を周波数領域係数に変換した後にその周波数特性
の概形を取り除くか、入力音響信号を時間領域でその周
波数特性の概形を平均化した後に、周波数領域係数に変
換してもよい。第2の段階で予測残差概形を生成するに
は、量子化微細構造係数を逆正規化して再生残差係数を
生成し、その再生残差係数からそのスペクトラム概形を
求め、そのスペクトラム概形から次フレームの残差係数
に対する予測残差概形を合成する。
【0009】上記符号化方法の第2段階において、予測
残差概形が現フレームにおける残差係数のスペクトラム
概形に最も近くなるよう、そのスペクトラム概形を量子
化し、その量子化を表すインデックスを符号化出力の他
の一部として出力してもよい。その場合、現フレームの
残差係数のスペクトラム概形と、過去のフレームの量子
化スペクトラム概形とを予め決めた予測係数を使って線
形合成し、その線形合成値が上記スペクトラム概形と最
も近くなるように上記量子化スペクトラム概形を決定
し、その時の上記線形合成値を上記予測残差概形として
もよい。あるいは、現フレームの量子化スペクトラム概
形と、過去のフレームの上記予測残差概形とを線形合成
し、その線形合成値が上記スペクトラム概形と最も近く
なるように上記量子化スペクトラム概形を決定し、その
時の上記線形合成値を上記予測残差概形として得てもよ
い。
【0010】上記符号化方法において、重ね合わせ直交
変換を使って入力音響信号を周波数領域係数に変換して
もよい。その場合は、入力音響信号を線形予測分析して
得た線形予測係数のスペクトラム振幅を上記周波数領域
係数の概形として求め、それを使って周波数領域係数を
正規化するのが好ましい。この発明の復号化方法によれ
ば、周波数領域に変換されて符号化された音響信号を復
号する方法において、入力された第1の量子化インデッ
クスから再生した微細構造係数を、過去のフレームの情
報から合成した残差概形で逆正規化して現フレームの再
生残差係数を得る第1の段階と、その第1の段階で得ら
れた残差係数から元の音響信号の周波数特性の概形が与
えられた音響信号を再生する第2の段階とを有する。
【0011】第1の段階は、上記再生残差係数から次フ
レームに対する残差係数の概形を合成する第3段階を含
む。第3段階は更に、上記再生残差係数のスペクトラム
概形を計算する第4段階と、現フレームに対し、予め決
めた1又は連続する複数の過去のフレームの上記スペク
トラム概形にそれぞれ予測係数を乗残して線形合成によ
り現フレームの残差係数の概形を得る第5段階を含む。
【0012】第2の段階において周波数特性の概形が与
えられた音響信号を再生するには、周波数領域の再生残
差係数に与える場合と、再生残差係数を時間領域に変換
して得た残差信号に与える場合とがある。上記復号方法
において、上記残差概形は、符号側から送られたインデ
ックスを逆量子化して得た現フレームと過去のフレーム
の量子化スペクトラム概形を線形合成して得てもよい。
【0013】あるいは、上記残差概形は、過去のフレー
ムにおける残差概形と、符号側から送られたインデック
スを逆量子化して得た現フレームの量子化スペクトラム
概形を線形合成して得てもよい。
【0014】
【作用】一般に、周波数領域係数をスペクトラム概形で
正規化して得られる残差係数は、ピッチ成分を含んでお
り、全体のパワーに対してエネルギーの大きいスパイク
となって現れる。ピッチ成分は長時間持続することから
スパイクは複数フレームにわたって同じ位置に現れるの
で、残差係数のパワーはフレーム間で相関が高い。この
発明では、前フレームの残差係数の振幅またはその概形
と現フレームの相関を用いて残差係数の冗長度を取り除
くため、つまり前記スパイクを取り除き、残差係数より
も平坦化された微細構造係数を量子化するため高い量子
化能率が得られる。また、入力信号が複数のピッチをも
っている場合にも周波数領域上ではピッチは分離されて
いるので対応できる。
【0015】
【実施例】図3にこの発明による符号化方法を適用した
符号器10と復号化方法を適用した復号器50とを示
し、図中のA,B,…,Eで示す出力の波形例を図5A
〜5Eに示す。この発明においても、まず、入力音響信
号の符号化に必要なビット数を低減するため、入力信号
に対し、まず平坦化されたスペクトラム概形を有する残
差係数を求めるが、その方法としては例えば次の2つが
ある。
【0016】(a) 入力信号を周波数領域係数に変換する
と共に、入力信号のスペクトラム概形を求め、前記周波
数領域係数をそのスペクトラム概形で正規化して残差係
数を得る。 (b) 線形予測係数で制御される逆フィルタにより時間領
域で入力信号を処理して残差信号を求め、その残差信号
を周波数領域係数に変換し、残差係数を得る。
【0017】上記方法(a) において、入力信号のスペク
トラム概形を得る方法として次の3つの方法が考えられ
る。 (c) 上述の事実を応用して、入力信号の線形予測係数を
フーリエ変換して求める。 (d) 図1で説明したように、入力信号を変換して得た周
波数領域係数を複数の帯域に分割し、それぞれの帯域の
スケーリングファクタをスペクトラム概形として得る。
【0018】(e) 入力信号を変換して得た周波数領域係
数の絶対値を逆変換して得た時間領域信号の線形予測係
数を求め、その線形予測係数をフーリエ変換して求め
る。方法(c) と(e) は次の事実に基づいている。前述の
ように、線形予測係数は、入力信号の周波数特性を平坦
化するように動作する逆フィルタのインパルス応答(周
波数特性)を表しており、従って線形予測係数のスペク
トラム概形は、入力信号のスペクトラム概形に対応して
いる。詳しく言えば、線形予測係数をフーリエ変換して
得られるスペクトラム振幅は、入力信号のスペクトラム
概形の逆数となっている。
【0019】この発明は上記方法(a) と(c),(d),(e) の
どの組み合わせを使ってもよいし、方法(b) のみを使っ
てもよい。 図3の実施例は上記方法(a) と(c) の組み
合わせを使った場合である。符号器10には入力端子1
1からディジタル信号とされた音響信号が入力され、フ
レーム分割部14でそのN入力サンプルごとに過去2×
Nサンプルの入力系列を抽出し、この2×N個のサンプ
ルの系列を重ね合わせ直交変換(LOT:Lapped Ortho
gonal Transform) 処理用フレームとする。このLOT
処理用フレームは時間窓掛部15で時間窓が掛けられ
る。LOTについては例えばH.S.Malvar,“Signal Proc
essing with Lapped Transform, ”ArtechHouseに述べ
られている。例えば0から始まってn番目の窓関数の値
W(n)は式(1)で表わされるものを用いるのが一般的であ
り、この実施例でもこれを用いる。
【0020】 W(n)= sin{π(n+0.5)/(2N)} (1) この時間窓が掛けられた信号は一方で重ね合わせ直交変
換の一種であるN次のMDCT(Modified Discrete Cos
ine Transform:変形離散コサイン変換)部16で変形離
散コサイン変換されて周波数領域係数(周波数軸上のそ
れぞれの点におけるサンプル値)に変換され、例えば図
4Aに示すようなスペクトラム振幅が得られる。時間窓
掛け部15の出力は他方で線形予測分析部17で線形予
測分析され、P次の予測係数α0,…,αPが求められる。
この予測係数α0,…,αPを量子化部18で例えばLSP
パラメータ、あるいはkパラメータに変換してから量子
化してスペクトラム概形を示すインデックスIPを得る。
【0021】前記予測係数α0,…,αPのスペクトラム概
形がスペクトラム概形計算部21で求められる。図4B
は得られたスペクトラム概形の例を示す。予測係数のス
ペクトラム概形を得るには、例えば図5Aに示すよう
に、P+1個の量子化予測係数(αパラメータ)の後
に、(4×N-P-1)個の0をつなげて得た長さ4×Nのサン
プル系列を離散フーリエ変換(例えば高速フーリエ変換
FFT)し、更にその2×N次のパワースペクトラムを
計算し、このスペクトラムの各奇数次をそれぞれ取り出
し、それらについてそれぞれ平方根をとる。このように
して得られたN点のスペクトラム振幅は、スペクトラム
概形の逆数を表している。あるいは図5Bに示すように
P+1個の量子化予測係数(αパラメータ)の後に(2×
N-P-1)個の0をつなげた長さ2×Nのサンプル系列をF
FT分析し、その結果についてN次のパワースペクトラ
ムを計算する。0番目から始まってi番目のスペクトラ
ム概形の逆数は、i=N−1以外ではi+1番目とi番
目の各パワースペクトラムの平方根を平均して、つまり
補間して得る。N−1番目のスペクトラム概形の逆数
は、N−1番目のパワースペクトラムの平方根をとって
得る。正規化部22はこのようにして得られたスペクト
ラム概形で、MDCT部16からのスペクトラム振幅を
各対応サンプルごとに割って正規化し、図4Cに示すよ
うな現フレームFの残差係数R(F)を得る。ただし、前述
のように量子化予測係数αをフーリエ変換して直接得ら
れるものはスペクトラム概形の逆数であり、従って実際
には正規化部22はMDCT部16の出力とスペクトラ
ム概形計算部21の出力(スペクトラム概形の逆数)を
単に乗算すればよい。しかしながら、以降の説明におい
ても便宜上、スペクトラム概形計算部21はスペクトラ
ム概形を出力するものとする。
【0022】従来においては上述とは異なる方法で得た
残差係数を量子化してそのインデックスを送出するが、
一般に音響信号(特に音声信号、音楽信号)の残差係数
は図4Cに示したようにピッチ成分などの比較的大きな
変動を含んでいる。そこでこの発明では、過去又は現在
のフレームの残差係数から予測した現フレームの残差係
数R(F)の概形ER(F) で、現フレームの残差係数R(F)を正
規化して微細構造係数を得、その微細構造係数を量子化
する。この実施例では正規化により得られた微細構造係
数をそのレベルが大きい成分程、重要視するように重み
付き量子化する場合であり、スペクトラム概形計算部2
1で得られたスペクトラム概形と残差概形計算部23で
得られた残差係数概形ER(F) とを重み計算部24で各対
応サンプルごとに掛け合わせて重み付け係数w1,…,w
N(ベクトルWで表す)を得て量子化部25へ供給す
る。この重み付け係数に聴感制御を施すこともできる。
この実施例では、重み付け係数に0.6前後の定数をべき
乗する。この他の聴感制御方法として、エムペグ−オー
ディオ方式で用いられている聴覚モデルによって求めた
各サンプルごとに必要なSNR(信号対雑音比)を非対
数化して重み付け係数と掛け合わせる方法などもある。
この方法では、入力信号を分析して得られた周波数特性
から、各周波数サンプルごとに聴感的にノイズが検知で
きる最小のSNRを、聴覚モデルによってマスキング量
を推定することによって計算する。このSNRが各サン
プルごとに必要なSNRである。エムペグ−オーディオ
における聴覚モデルの技術についてはISO/IEC標
準IS-11172-3に述べられている。
【0023】正規化部22からの現フレームFの残差係
数R(F)を残差係数概形計算部23からの残差係数概形で
割って正規化して微細構造係数を得ることが残差概形正
規化部26で行われる。その現フレームの微細構造係数
はパワー正規化部27でその振幅の平均値またはパワー
の平均値の平方根である正規化ゲインg(F)で割算すこと
により正規化され、正規化微細構造係数X(F)=(x1,…,x
N)として量子化部25へ供給される。このパワー正規化
の際の正規化ゲインg(F)は逆正規化部31に与えられる
と共に量子化され、その量子化ゲインを示すインデック
スIGが出力される。
【0024】量子化部25では正規化微細構造係数X(F)
に対し重み付け係数Wにより重み付けを行った後、ベク
トル量子化する。この例ではインターリーブ型重み付き
ベクトル量子化する場合で、まず、N個のサンプルから
成る正規化微細構造係数xj(j=1,…,N)と重み付け係数wj
(j=1,…,N)の系列を、それぞれ同じように次のようにN
/M個ずつのM個の小系列にインターリーブして再配列
する。即ちそれぞれの係数のk番目の小系列のi番目の
サンプル値xk i ,wk i と、もとの系列のjサンプル目の
値xj,wjとの関係を次式(2)に示す。
【0025】 xk i=xiM+k, wk i=wiM+k, (2) 即ち、j=iM+kの関係がある。ただし、k=0,1,…,M
-1であり,i=0,1,…,(N/M)-1である。N=16、M=
4の場合の式(2)のインターリーブ法で正規化微細構造
係数xj(j=1,…,N)を再配列する場合の再配列前と後の関
係を図6に示す。重み付け係数wjの場合も同様である。
このようにして得られた微細構造係数と重み付け係数の
M個の小系列対の各々について重み付きベクトル量子化
する。インターリーブ後のk番目の小系列微細構造係数
のサンプル値をxk i ,重み付け係数の値をwk i ,符号帳
のインデックスmのベクトルC(m)のi番目の要素の値を
ci(m) としたときのベクトル量子化の際の重み付き距離
尺度dk(m) は次式 dk(m)=Σ〔wk i{xk i−ci(m)}〕2 (3) で規定され、Σはi=0から(N/M)-1 までの加算オペレ
ータである。この距離尺度dk(m) が最小になる符号ベク
トルC(mk) を探索する事をk=1,…,Mに付いて行い、そ
れぞれの符号ベクトルのインデックスm1,…,mMから量子
化インデックスImを得る。
【0026】図7は上述のインターリーブ型重み付きベ
クトル量子化を行う量子化部25の構成を示す。この図
を参照してk番目の小系列xk i に付いての量子化手順を
説明する。入力微細構造係数xjと重み付け係数wj(j=1,
…,N)はインターリーブ部25Aで式(2)のように再配
列され、k番目の小系列xk i ,wk i がそれぞれ減算部2
5B及び2乗器25Eに与えられる。符号帳25Cから
選択したベクトルC(m)の要素系列ci(m) と微細構造係数
小系列xk i との差が減算部25Bで求められ、その差が
2乗器25Dで2乗される。一方、重み付け係数小系列
wk i は2乗器25Eで2乗され、その出力と2乗器25
Dの出力との内積が内積計算部25Fで求められ、その
内積値dk i が最小となるベクトルC(mk) を符号帳25C
から探索することが最適符号帳探索部25Gで行われ、
そのdk i が最小となるベクトルC(mk) を示すインデック
スmkが出力される。
【0027】このようにして、量子化部25で量子化に
より得られたM個のベクトルC(m1),C(m2),…,C(mM)を構
成する要素系列である量子化小系列C(m)は、逆正規化部
31で式(2)に従って元の配列に並べかえられて量子化
正規化微細構造係数とされ、これに対しパワー正規化部
27で得た正規化ゲインg(F)で逆正規化し、更に残差概
形計算部23からの残差係数概形が乗算されて量子化残
差係数Rq(F) が再生される。その量子化残差係数の概形
が残差概形計算部23により求められる。
【0028】残差概形計算部23の具体例を図8を参照
して説明する。この例では、残差概形正規化部26へ入
力された現フレームFの残差信号R(F)に対し、残差概形
計算部23が前フレームF−1の残差係数R(F-1)を使っ
て決定した予測係数β1(F-1)〜β4(F-1)を使って合成し
た残差概形ER(F) で正規化する場合である。残差概形計
算部23の線形合成部37は、この例では4つの縦続接
続された1フレーム遅延段351〜354と、それぞれの
遅延段の出力E1〜E4に予測係数β1〜β4を乗算する乗
算器361〜364と、全ての乗算結果の対応するサンプ
ルをそれぞれ加算し、加算結果を合成残差概形係数ER"
(F)(Nサンプル)として出力する加算器34とから構
成されている。現フレームFにおいて、遅延段351
354 はそれらの出力E1(F)〜E4(F)として過去のフレー
ム(F-1)〜(F-4)に測定した残差スペクトラム概形E(F-1)
〜E(F-4)を出力しており、予測係数β1〜β4としては、
前フレーム(F-1) で決定された値β1(F-1)〜β4(F-1)が
設定されている。従って、現フレームの加算器34の出
力ER"(F)は次式 ER"(F)=β1(F-1)E(F-1)+β2(F-1)E(F-2)+…+β4(F-1)E(F-4) で表される。
【0029】図8の例では、加算器34の出力ER は必
要に応じて定数加算部38にて同一定数が各サンプルに
加算されて予測残差概形係数ER' を得る。定数加算部3
8で定数を加算するのは加算器34の出力として得られ
る予測残差概形係数ER の予測が大きく間違っていた場
合に、その影響を小とするためである。この加算定数
は、例えば加算器34の出力の1フレームの平均パワー
に0.05を乗算した値であり、加算器34の出力である予
測残差概形係数ER の振幅の平均が1024のとき、前
記加算定数は50程度とされる。定数加算部38の出力
ER' は必要に応じて正規化部39で1フレーム(N点)
のパワーの平均が1になるように正規化して最終的な現
フレームFの予測残差概形(以降単に残差概形とも呼
ぶ)ER(F) を得る。
【0030】この様にして得られる残差概形ER(F) は、
例えば図4Dに示すように、正規化部22からの図4C
に示す残差係数R(F)中の強いピッチ成分と対応する位置
に単極性のインパルスを有している。一般に、オーディ
オ信号では隣接フレーム間でピッチ成分の周波数位置が
ほとんど変わらないので、残差概形正規化部26におい
てこの残差概形ER(F) により入力残差係数R(F)を割算す
ることにより、ピッチ成分レベルが抑圧され、図4Eに
示すようなランダム成分が主体の微細構造係数が得られ
る。この正規化により得られた微細構造係数が前述のよ
うにパワー正規化部27、量子化部25で順次処理さ
れ、それぞれ正規化ゲインg(F)と量子化小系列ベクトル
C(m)が逆正規化部31に与えられる。逆正規化部31で
は、再生部31Aでは、量子化小系列ベクトルC(m)を再
配列して量子化正規化微細構造係数Xq(F)を求め、それ
に正規化ゲインg(F)を乗算して量子化微細構造係数を再
生し、その再生出力に乗算器31Bで現フレームFの残
差概形ER(F) を乗算することにより量子化残差係数R
q(F) を再生する。現フレームFにおいてこの再生され
た量子化残差係数(再生残差係数)Rq(F) が残差概形計
算部23のスペクトラム振幅計算部32に与えられる。
【0031】スペクトラム振幅計算部32は、逆正規化
部31からの再生された量子化残差係数Rq(F) のN個の
サンプルのスペクトラムの振幅を計算する。その計算さ
れたN個のスペクトラム振幅に対し、窓関数畳み込み部
33で周波数窓関数が畳み込まれて現フレームFの再生
残差係数Rq(F) の振幅の概形、即ち残差係数概形E(F)を
得て線形合成部37に与える。スペクトラム振幅計算部
32では、例えば、再生残差係数Rq(F) の各サンプルの
絶対値をスペクトラム振幅とする方法や、再生残差係数
Rq(F) の各サンプルの2乗値と1つ前のフレーム(F-1)
の残差係数Rq(F-1) の対応するサンプルの2乗値との和
の平方根をスペクトラム振幅とする方法などがある。ま
た、このスペクトラム振幅を対数で表してもよい。窓関
数の畳み込み方法は、幅が3〜9サンプル程度で、窓関
数の形状として、三角窓、ハミング窓、ハニング窓、指
数関数窓などを用いることもできるし、窓形状を適応的
に可変にしても良い。窓関数として指数関数窓を使う場
合の具体例としては、gを1以上の予め決めた整数とす
ると、窓関数を例えば次式
【0032】
【数1】 で規定し、aの値として例えばa=0.5が用いられる。
上式の場合の窓の幅は2g+1である。窓関数の畳み込みに
より、周波数軸上の各点におけるサンプル値は、その正
方向に隣接するg個のサンプル値と負方向に隣接するg
個のサンプル値の影響を受けた値に変換される。これに
より、残差概形計算部23での残差概形の予測効果が過
敏にならないようにでき、従って復号音に異常音が生じ
るのを抑えることができる。窓の幅を12サンプル以上
とすると、残差係数概形中のピッチ成分にもとづく変動
が不明となり、好ましくない。
【0033】窓関数が畳み込まれて得られたスペクトラ
ム概形E(F)は、現フレームのスペクトラム概形E0(F) と
して線形合成部37に与えられると共に、予測係数計算
部40にも与えられる。予測係数計算部40は線形合成
部37への入力E0(F) と遅延段351 〜354 の出力E1
=E(F-1) 〜E4=E(F-4) が与えられ、後述のようにスペク
トラム概形E0(F) に対する加算器34の出力ER" の自乗
誤差が最小となるように予測係数β1(F)〜β4(F)を適応
的に決定する。その後、遅延段351〜354は与えられ
ているスペクトラム概形E0〜E3をそれぞれ取り込んで、
更新されたスペクトラム概形E1〜E4として出力し、1フ
レームに付いての処理サイクルを終了する。その結果得
られる加算器34の出力(合成残差概形)ER" に基づい
て、前述と同様に次フレーム(F+1) の残差係数R(F+1)に
対する予測残差概形係数ER(F+1)が生成される。
【0034】予測係数β1〜β4は以下のようにして求め
ることができる。図8では予測次数は4次となっている
が、ここでは一般化のためにQ次とする。qを1≦q≦
Qを満足する任意の整数とし、q段目における予測係数
の値をβq とする。乗算器361〜36Q(Q=4)に対
する予測係数(乗算係数)をβ1〜βQとし、また、q段
目出力の係数系列をベクトルEq で表し、遅延段351
〜35Qの出力をE1 ,E2 ,…,EQ とし、さらに、
窓関数畳み込み部33の出力であるスペクトラム概形の
係数系列(現フレームの残差係数概形係数)E(F)をベク
トルE0 で表す。この時、次式(4)で求められる相互相
関係数rを用いて、連立一次方程式(5)をβ1〜βQにつ
いて解くことによって加算器34の出力ER のE0 に対
する自乗誤差(予測誤差)が最小になる予測係数β1
βQ が求められる。
【0035】 ri,j =Ei ・Ej (4)
【0036】
【数2】 線形合成部37において参照する過去のフレームのスペ
クトラム概形は4フレーム前までに限ることなく、1フ
レーム前だけでも、それ以上前でもよく、従って遅延段
の数Qは1以上任意の数でよい。
【0037】この様に、図8の残差概形計算部23を使
った符号化方法によれば、正規化部22からの残差係数
R(F)は、その過去の残差係数から推定された残差概形ER
(F)で正規化されるため、その正規化された微細構造係
数は残差係数R(F)よりも概形の変化が少ない平坦なもの
になる。従って、それだけ少ないビット数で量子化する
ことができる。また残差係数のスペクトラム振幅系列に
対し窓関数畳み込み部33で周波数窓関数を畳み込んで
求めたスペクトラム概形E(F)から予測した残差概形E
R(F) で残差係数R(F)を正規化するので、残差係数R(F)
中の例えばピッチ成分とそれぞれ対応した位置に現れる
強いパルスに対し、残差概形の推定が周波数軸方向に1
サンプル程度ずれても大きな予測誤差を生ずることなく
動作する。窓関数畳み込みを用いない場合は、推定誤り
が生じると大きな予測誤差が生じる原因となる。
【0038】図3において、符号器10から線形予測係
数の量子化値を示すインデックスIPと、微細構造係数の
パワー正規化利得の量子化値を示すインデックスIGと、
微細構造係数の量子化値を示すインデックスImとが出力
される。復号器50においてはインデックスIP,IG,Im
が入力され、再生部51で入力されたインデックスImか
ら正規化微細構造係数が再生され、正規化ゲイン再生部
52で入力されたインデックスIGから正規化ゲインが再
生され、パワー逆正規化部53で前記再生された正規化
微細構造係数が前記再生された正規化ゲインにより逆正
規化されて微細構造係数とされる。その微細構造係数
は、残差逆正規化部54で、残差概形計算部55からの
残差概形ER が掛算されて逆正規化され、残差係数R(F)
が再生される。この再生された残差係数R(F)の概形が残
差概形計算部55で符号器10の残差概形計算部23と
同じ方法で計算される。
【0039】一方、再生・スペクトラム概形計算部56
で入力されたインデックスIPから線形予測係数α0〜αP
が再生され、更にその線形予測係数から、符号器10の
スペクトラム概形計算部21と同じ方法でスペクトラム
概形が計算され、その計算されたスペクトラム概形が逆
正規化部57で残差概形逆正規化部54からの再生残差
係数R(F)に対して掛算されて逆正規化され、周波数領域
係数が再生される。その周波数領域係数はフレーム毎に
逆MDCT部58でN次の逆変形離散コサイン変換がさ
れて2Nサンプルの時間領域信号(逆LOT処理用フレ
ームと呼ぶ)に変換される。この時間領域信号は窓掛部
59でフレームごとに例えば式(1)で表わされる形状の
時間窓がかけられる。その窓かけ出力はフレーム重ね合
わせ部61で長さ2×Nサンプルの逆LOT処理用現フ
レームの前半Nサンプルと前フレームの後半Nサンプル
とが互いに加算され、得られたNサンプルを現フレーム
の再生音響信号として出力端子91に出力される。
【0040】上述においてP,N,Mの各値は、P=6
0前後、N=512,M=64程度を目安に自由に選べ
るが、P+1<N×4でなくてはならない。また、上記
実施例では、図6で説明した残差概形係数のインターリ
ーブベクトル量子化の際の係数系列の分割数Mの値は、
N/Mの値が整数であるものとして説明したが、Mの値
は、必ずしもN/Mが整数となるように設定する必要は
ない。整数とならない場合には、分割したそれぞれの小
系列の一部を1サンプルずつ長くして、不足サンプル数
を補えばよい。
【0041】残差概形計算部23,55としては図9に
図8と対応する部分に同一符号を付けて示すように、窓
関数畳み込み部33の出力を平均計算部41で例えば1
0フレームにわたる平均を対応するサンプル毎に計算
し、又は1フレーム内平均をフレーム毎に求め、つまり
直流成分を検出し、その直流成分を窓関数畳み込みの出
力から減算器42で差引き、得られた変動分のみを遅延
段351 へ供給し、加算器34の出力に加算器43で同
じ平均計算部41の出力を加えてもよい。加算器34の
出力ER" が減算器42の出力E0 になるべく近ずくよう
に予測係数β1 〜βQ を決定する。このような予測係数
β1〜βQは、前述と同様に式(4)、(5)により決定する
ことができる。しかし図9の構成によれば、変動分につ
いてのみ予測するため予測の能率がより向上する。
【0042】更に図10に示すように図9中の減算器4
2の出力のフレーム内の各サンプルの2乗の平均値の平
方根、つまり標準偏差を振幅検出部44で計算し、この
標準偏差で減算器42の出力を割算器45において割る
ことにより正規化して変動を平坦化したスペクトラム概
形E0 を遅延段351 へ供給し、加算器34の出力ER"
が割算器45の出力になるべく一致するように式(4)、
(5)により予測係数β 1 〜βQ を決定し、加算器34の
出力に振幅検出部44の出力である標準偏差を乗算器4
6で乗算して逆正規化し、その逆正規化出力を加算器4
3へ供給して残差概形係数ER(F) を得る。ただし、図1
0のように処理すると、図8に示した構成における予測
係数β1〜βQを求める方程式(5)は、次式(6)
【0043】
【数3】 のように近似することが可能である。つまり、線形合成
部37に与えられるスペクトラム概形のパワーが正規化
されているので、式(5)の左辺第1項中の対角要素
r1,1,r2,2,…は互いに等しくなり、またri,j=rj,i
なる。式(6)中の行列はテプリッツ型なので、この方程
式はLevinson-Durbin アルゴリズムで高速に解くことが
できる。また、図8及び9では、Q×Q個の相関係数を
計算しなくてはならなかったが、図11ではQ個の相関
係数を計算するだけでよいので、予測係数β1 〜βQ
求めるのに少ない演算量ですむ。また、相関係数r
0,jは、式(4)のように求めても良いが、下式(7)のよ
うに互いにjフレーム離れた係数ベクトルEi とEi+j
の内積をi=0からnMAXに渡って加算して求めると、よ
り安定性が増す。
【0044】 r0,j = (1/S)ΣEi・Ei+j (7) ここで、Σはi=0からnMAXまでの総和演算子であり、
Sは平均化のための定数であり、S≧Qである。nMAX
値は、S−1でも良いし、(S-j-1) でも良い。なお、Le
vinson-Durbin アルゴリズムの詳細については、「音声
情報処理の基礎」(斉藤、中田共著、オーム社)に記述
してある。
【0045】図10において、振幅検出部44で標準偏
差を求める代りに、各サンプルの絶対値の平均値を用い
てもよい。図8及び9における予測係数β1 〜βQ の計
算について、相関係数ri,jを下式(8)のように計算する
こともできる。 ri,j = (1/S)ΣEn+i・En+i+j (8) ここで、Σはn=0からnMAX までの総和演算子であ
り、Sは平均化のための定数であり、S≧Qである。n
MAX の値は、S-1 でも良いし、S-j-1 でも良い。このよ
うに相関係数を計算すると、SがQよりも十分大きい場
合には、ri,j=r0,jと近似でき、予測係数を求める方程
式(5)は、式(6)と同一に近似でき、Levinson-Durbin
アルゴリズムで高速に解くことができる。
【0046】残差概形計算部23,55における残差概
形の予測係数β1〜βQを全帯域一括で決定していたが、
残差概形計算部23,55の入力をまず小帯域に分割
し、これら各小帯域毎に独立に予測係数を設定してもよ
い。この小帯域の分割方法としては、周波数領域におい
て線形尺度で等分割、対数尺度で等分割、バーク尺度で
等分割などを用いることができる。
【0047】残差概形計算部23,55において、予測
係数β1 〜βQ の予測誤差の影響が小さくなるように、
窓関数畳み込み部33における窓幅、窓中心、場合によ
っては窓形状を変更しても良い。また、窓関数の畳込み
と、予測係数β1 〜βQ による線形合成とを一括して行
ってもよい。その例を図11に示す。この例は予測次数
Qを4、窓幅Tを3とした場合で、遅延段351 〜35
4 の出力は、それぞれ周波数軸に沿って1サンプル正側
にシフトするシフタ7p1〜7p4と、1サンプル負側にシ
フトするシフタ7n1〜7n4とにそれぞれ供給され、正側
シフタ7p1〜7p4の各出力はそれぞれ乗算器8p1〜8p4
を通じて加算器34へ供給され、負側シフタ7n1〜7n4
の各出力はそれぞれ乗算器8n1〜8n4を通じて加算器3
4へ供給される。いま乗算器361,8n1,8p1,3
2,8n2,8p2,…,8p4の各乗算係数をそれぞれ
β123456,…,βu(この例ではu=1
2)とし、その各入力スペクトラム概形ベクトルを
1,E2,E3,E4,…,Eu とし、スペクトラム振幅
計算部32の出力をE0 とする時、加算器34の出力E
R のE0に対する2乗誤差が最小となる予測係数β1〜β
uは、予測係数計算部40において次の速度一次方程式
(10)を解くことにより求めることができる。
【0048】ri,j =Ei・Ej
【0049】
【数4】 この様にして決定された予測係数β1〜βuに対し得られ
る加算器34の出力E R は、図8と同様に必要に応じて
定数加算し、更に正規化して現フレームFの残差概形ER
(F) とされ、残差概形正規化部26で残差係数R(F)に対
する概形正規化のために使用される。このように窓関数
も適応化することは、図9及び10の例にも適用でき
る。
【0050】図3、8〜11の各例では、残差概形正規
化部26に入力された現フレームFの残差係数R(F)に対
し、残差概形計算部23において1つ前のフレームF−
1の残差係数R(F-1)を使って決定した予測係数β1(F-1)
〜βQ(F-1)(又はβu) を使って得られた予測残差係数
概形ER(F) を使って残差係数R(F)の正規化を行い、それ
によって微細構造係数を求める場合を説明した。しか
し、残差概形正規化部26に入力された現フレームFの
残差係数R(F)に対し、残差概形計算部23において現フ
レームで予測係数β1(F)〜βQ(F)(図11の場合はβu
であるが、以降全てβQで代表する) を決定し、次式 ER"(F)=β1(F)E1(F)+β2(F)E2(F)+…+βQ(F)EQ(F) により合成残差概形ER"(F)を求め、それから得られた予
測残差概形ER(F) を使って現フレームの残差係数R(F)を
正規化するように構成してもよい。その場合は、現フレ
ームFの残差係数R(F)を直接使って予測係数β1〜βQ
決定するため、図3中に破線で示すように正規化部22
の出力である現フレームの残差係数R(F)を直接残差概形
計算部23に与える。この方法は図8〜11のいずれの
残差概形計算部23にも適用できるが、代表して図8に
適用した場合の構成を図12に示す。
【0051】図12において、図8と対応する部分には
同じ番号を付けてある。図8と異なる点は、残差概形計
算部23にもう一組のスペクトラム振幅計算部32' と
窓関数畳み込み部33' を設け、現フレームの残差係数
R(F)を直接スペクトラム振幅計算部32' に与えてその
スペクトラム振幅概形を求め、それに窓関数畳み込み部
33' で窓関数を畳み込んでスペクトラム概形Et 0(F)を
求め、それを予測係数計算部40に与えていることであ
る。従って、再生残差係数Rq(F) から求めた現フレーム
のスペクトラム概形E0(F) は線形合成部37の第1遅延
段351 のみに与えられる。
【0052】まず、正規化部22(図3参照)から残差
概形正規化部26へ与えられた現フレームFでの入力残
差係数R(F)は、残差概形計算部23のスペクトラム振幅
計算部32' 及び窓関数畳み込み部33' でスペクトラ
ム振幅計算部32及び窓関数計算部33と同様の処理を
受け、残差係数R(F)のスペクトラム概形Et 0(F)が求めら
れ、それが予測係数計算部40に与えられる。予測係数
計算部40は、与えられた係数ベクトルEt 0 に対し加算
器34の出力ER" の2乗誤差が最小となるように、図8
の場合と同様に式(4)、(5)により予測係数β1〜β4
計算する。その係数β1〜β4が乗算器361〜364に与
えられた時の加算器34の出力が現フレームFの合成残
差概形ER"(F) として得られる。
【0053】合成残差概形ER"(F)は必要に応じて定数加
算部38、正規化部39で図8の場合と同様に処理され
て現フレームの残差概形ER(F) として残差概形正規化部
26に与え、現フレームFの入力残差係数R(F)を正規化
し、微細構造係数を得る。微細構造係数は図3で説明し
たようにパワー正規化部27でパワーが正規化され、更
に量子化部25で重み付きベクトル量子化され、パワー
正規化部27での正規化ゲインの量子化インデックスIG
と量子化部25での量子化インデックスImが復号器50
に供給される。一方、量子化部25から出力されたイン
ターリーブ型重み付きベクトルC(m)を逆正規化部31で
再配列し、正規化ゲインg(F)で逆正規化して得られた再
生残差係数Rq(F) は、残差概形計算部23のスペクトラ
ム振幅計算部32に与えられてN個のサンプル点のスペ
クトラム振幅をそれぞれ計算し、得られた残差係数振幅
に対し窓関数畳み込み部33で窓関数を畳み込んで残差
係数の概形E0(F) を得る。このスペクトラム概形E0(F)
を線形合成部37に対する現フレームFの入力係数ベク
トルE0 として与え、遅延段351〜354はそれぞれ与
えられたスペクトラム概形E0〜E3を取り込んで、更新さ
れたスペクトラム概形E1〜E4として出力し、1フレーム
に付いての処理サイクルを終了する。
【0054】図12の実施例では、現フレームの残差係
数R(F)からβ1〜β4を決定し、これを用いて現フレーム
の残差概形ER(F) を予測合成するが、図3の復号器50
においては、現フレームの再生残差係数Rq(F) は残差概
形逆正規化部54においてパワー逆正規化部53からの
現フレームの微細構造係数と残差概形計算部55からの
現フレームの残差概形係数とを使って求めるべきもので
あり、従って残差概形計算部55は現フレームの予測係
数β1〜β4を決定するための現フレームの残差係数R(F)
を与えられていない。従って、式(4)、(5)により予測
係数β1〜β4を決定することはできない。そこで、符号
器10において図12の残差概形計算部23を使った場
合、対応する復号器50の残差概形計算部55には、符
号器10側の予測係数計算部40で決定した現フレーム
の予測係数β1〜β4を量子化してその量子化インデック
スIBを供給し、復号器50では与えられたインデックス
IBから再生した係数β1〜β4を使って現フレームの残差
概形を計算する。
【0055】即ち、図13に復号器50の残差概形計算
部55を示すように、符号器10の予測係数計算部40
から与えられた現フレームの予測係数β1〜β4の量子化
インデックスIBは残差概形計算部55の逆量子化部60
で逆量子化されて予測係数β 1〜β4が再生され、線形合
成部62の乗算器661〜664に設定される。これらの
予測係数β1〜β4は遅延段651〜654の出力とそれぞ
れ乗算され、それら乗算結果は加算器67で加算され残
差概形ER が合成される。この合成残差概形E R は符号
器側と同様に定数加算部68、正規化部69で処理さ
れ、現フレームの残差概形ER(F) として残差概形逆正規
化部54に与えられる。残差概形逆正規化部54はパワ
ー逆正規化部53からの現フレームの微細構造係数と上
記残差概形ER(F) を乗算して現フレームの残差係数R(F)
を求め、スペクトラム振幅計算部63に与えると共に、
逆正規化部57(図3)に与える。与えられた再生残差
係数Rq(F) に対しスペクトラム振幅計算部63及び窓関
数畳み込み部64は図13の対応する部分と同様の処理
を行って残差係数のスペクトラム概形を得て、線形合成
部62に与える。従って、図12の残差概形計算部23
に対応する復号器の残差概形計算部55は予測係数計算
部を有していない。図12の予測係数計算部40におけ
る予測係数の量子化方法としては、例えば予測係数をL
SPパラメータに変換した後、例えばフレーム間差分ベ
クトル量子化等の量子化を施すLSP量子化法を用いる
ことができる。
【0056】図8〜10及び12の残差概形計算部23
において、それぞれ加算器34の現フレームの出力であ
る合成残差概形ER に対する1〜4フレーム前の残差係
数のスペクトラム概形E1 〜E4 の寄与の程度に応じ
て、それぞれ乗算器361 〜364 の乗算係数β1 〜β
4 を予め固定的に決めてもよく、例えば古いフレーム
程、重み(乗算係数)が小とされる。あるいは同一重
み、この例では1/4として4つのフレームのサンプル
係数の平均を用いてもよい。この様に係数β1 〜β4
固定した場合は、式(4)、(5)の計算を行う予測係数計
算部40は不要である。この場合、復号器50側の対応
する残差概形計算部55でも同じ係数β1 〜β 4 を使え
ばよいので係数β1 〜β4 を復号器50に転送する必要
はない。図11の場合も同様に係数β1 〜β12を固定し
てもよい。
【0057】図8〜10及び12の残差概形計算部23
の各例において、その構成を最も簡単にするには、例え
ば図8において、加算器34,遅延段352〜354,乗
算器362〜364を省略して、乗算器361 の出力を定
数加算部38へ直接供給し、前フレーム(F-1) のスペク
トラム概形E1=E(F-1)からのみ、残差概形係数ER(F)を
推定してもよい。この変形は図10にも同様に適用で
き、その場合、乗算器361 、8p1、8n1の出力のみを
加算器34に与えればよい。
【0058】図3及び8〜12の各例では、残差概形計
算部23は、合成残差概形係数ER"が、入力された再生
残差係数Rq(F) 又は残差係数R(F)から求めたスペクトラ
ム概形E(F)とできるだけ一致するように線形予測により
予測係数β(β12,…)を決めて予測残差概形係数ER
(F) を求めていたが、この様な線形予測を行わないで、
残差概形を決定する実施例を図14、15及び16を参
照して説明する。
【0059】図14は図3と対応させて符号器10と復
号器50の全体の構成を示し、残差概形計算部23に対
する接続は図3における破線の接続に対応する。従っ
て、図12の場合と同様な逆正規化部31は設けられて
いない。図3及び12と異なる点は、図14の実施例に
おける残差概形計算部23は、線形合成すべき残差概形
R が、与えられた残差係数R(F)のスペクトラム概形と
できるだけ一致するようにスペクトラム概形を量子化
し、その時の線形合成出力ER を残差概形ER(F) として
使うと共に、その時の量子化インデックスIQを復号器5
0に供給する。復号器50は、与えられたスペクトラム
概形量子化インデックスIQから残差概形計算部55で逆
量子化処理によりスペクトラム概形E(F)を再生し、残差
概形逆正規化部54に与える。その他の各部の処理は図
3の場合と同様であり、説明を省略する。
【0060】図14の実施例における符号器10と復号
器50の残差概形計算部23及び55の構成例を図15
に示す。残差概形計算部23は残差係数R(F)が与えら
れ、そのNサンプル点のスペクトラム振幅をそれぞれ計
算するスペクトラム振幅計算部32と、得られたN点の
スペクトラム振幅に窓関数を畳み込み演算し、スペクト
ラム概形E(F)を求める窓関数畳み込み部33と、得られ
たスペクトラム概形E(F)を量子化する量子化部30と、
量子化スペクトラム概形が現フレームの量子化スペクト
ラム概形係数Eq0として入力され、過去のフレームの量
子化スペクトラム概形係数と線形合成を行う線形合成部
37とから構成されている。線形合成部37は、図12
に示すものとほぼ同様に、遅延段351〜354と、乗算
器361 〜364 と、加算器34とから構成されてい
る。図15の場合、1〜4フレーム前の量子化スペクト
ラム概形係数Eq1〜Eq4をそれぞれ予測係数β1 〜β4
で乗算した結果だけでなく、乗算器360 で現フレーム
の入力量子化スペクトラム概形係数Eq0に予測係数β0
を乗算した結果も加算器34に与えて合成し、予測残差
概形ER(F) として出力する。また、予測係数β0 〜β4
は予め決めた固定値である。量子化部30は残差概形ER
(F) の、入力スペクトラム概形E(F)に対する2乗誤差が
最小となるようにスペクトラム概形E(F)を量子化し、得
られた量子化スペクトラム概形係数Eq0 を線形合成部3
7に与えると共に、その量子化インデックスIQを復号器
50の残差概形計算部55に供給する。
【0061】残差概形計算部55の再生部60は、与え
られた量子化インデックスIQから現フレームの量子化ス
ペクトラム概形係数を再生し、符号器10側と同様に遅
延段651 〜654 と乗算器660 〜664 と加算器6
7とから構成された線形合成部62は再生部60からの
現フレームの量子化スペクトラム概形係数と、遅延段6
1 〜654 からの過去のフレームの量子化スペクトラ
ム概形係数とを線形合成する。加算器67から合成され
た残差概形ER(F) が出力され、残差概形逆正規化部54
に与えられる。なお、乗算器660 〜664 には符号器
10側と同じ係数β0〜β4が与えられている。また、符
号器10の量子化部30における量子化法として、スカ
ラ量子化を行ってもよいし、ベクトル量子化を行っても
よい。後者の場合、図7で説明したようなインターリー
ブされた係数系列のベクトル量子化を使ってもよい。
【0062】図16は図15の変形実施例を示し、図1
5と対応する部分には同じ参照番号を付けてある。この
実施例では、量子化部30においてスペクトラム概形E
(F)に対する予測残差概形(加算器34の出力)ER(F)
の2乗誤差が最小となるように量子化を行う点は同じで
あるが、線形合成部37の構成が異なっている。即ち、
縦続接続された遅延段351〜354の入力として予測残
差概形ER(F) が与えられ、従って、遅延段351 〜35
4 からそれぞれ1〜4フレーム前の予測残差概形ER(F-
1)〜ER(F-4)が出力されている。また、量子化部30か
ら出力される量子化スペクトラム概形Eq(F) が直接加算
器34に入力されている。従って、線形合成部37は過
去のフレーム(F-1)〜(F-4)における予測残差概形ER(F-
1)〜ER(F-4)と現フレームFにおける量子化概形係数と
を線形合成し、現フレームの予測残差概形ER(F) を出力
する。復号器50側の線形合成部62も同様の構成とさ
れ、過去のフレームにおける合成残差概形と、再生され
た現フレームにおける量子化概形係数とを線形合成する
ことにより現フレームの残差概形を得る。
【0063】図8〜12、15及び16の各残差概形計
算部23において、帯域処理部を設け、窓関数畳み込み
部33からのスペクトラム概形を複数の帯域に区分し、
変動成分の少ない高次帯域に付いてそのスペクトラム概
形を振幅が一定の平坦な概形に近似してもよい。図17
は、例えば図8における畳み込み部33と遅延部35と
の間に挿入するそのような帯域処理部47の例を示す。
この例では窓関数畳み込み部33の出力E(F)は帯域処理
部47に入力され、分割部47Aで最低次(最低周波
数)から約2/3のサンプル点を中心に例えば50次程
度の幅の狭い中間帯域の成分EB(F) と、これより高次の
高次帯域成分EH(F) と低次の低次帯域成分EL(F) に分割
し、高次帯域成分EH(F) を平均部47Bへ供給して、そ
の高次帯域のスペクトラム振幅の平均値を求めて、高次
帯域成分EH(F) を全てその平均値に置き換えて出力し、
低次帯域成分EL(F) はそのまゝ出力する。また中間帯域
の成分EB(F) については、漸近部47Cにより中間帯域
の高低両端におけるスペクトラム振幅がそれぞれ平均部
47Bで得た平均値及び低次帯域EL(F)の最高次のスペ
クトラム振幅に一致し、その間で直線的に変化するよう
に各スペクトラム点の振幅が修正されて出力される。つ
まり、高周波成分は変動が少ないので高次帯域内のスペ
クトラム振幅を一定値、ここでは平均値、に近似してい
る。
【0064】図8〜12の各残差概形計算部23におい
て、入力音響信号の典型的な複数の状態に応じた好まし
い予測係数β1 〜βQ (又はβu) の組をそれぞれイン
デックスに対応した係数ベクトルとして符号帳に用意し
ておき、もっとも良く残差概形を予測する係数ベクトル
を符号帳から選択して使用し、その係数ベクトルを示す
インデックスを復号器50の残差概形計算部55に転送
してもよい。
【0065】図8〜11の各実施例のように、過去の残
差係数概形から現在の残差概形を予測する線形予測モデ
ルにおいては、その系の安定性を判断するためパラメー
タkが用いられるが、この発明においても、予測係数を
kパラメータに変換して、その絶対値が1.0に近い、或
いは1.0を越えている場合、強制的に予め決められた係
数に設定したり、または別の残差概形構成方法に、例え
ば図8から図9へ切り替えたり、あるいは予め決められ
た残差概形(例えば凹凸のない平坦な信号)に切り替え
る、などの処理を施して系の安定性が増すようにするこ
ともできる。
【0066】図3及び14の実施例の符号器10では、
線形予測分析部17で線形予測分析の際、窓掛け部15
からの入力音響信号の自己相関係数を用いて予測係数を
求めた。しかし、図18に示すようにMDCT部16で
求めた周波数領域係数の各サンプル(スペクトラム)の
絶対値を絶対値部81で求め、その絶対値出力を逆フー
リエ変換部82で逆フーリエ変換して自己相関係数と
し、その自己相関係数を線形予測分析部17で線形予測
分析してもよい。この場合は、その分析に先立って相関
を求める必要はない。
【0067】更に、図3及び14の各実施例において
は、符号器側では入力信号の線形予測係数α0〜αPを量
子化し、その量子化予測係数をフーリエ変換して入力信
号のスペクトラム概形(周波数特性の概形)を求め、そ
の概形により入力信号の周波数特性を正規化して残差係
数を得た。また、その量子化予測係数のインデックスIP
を復号器に転送し、復号器でそのインデックスIPから線
形予測係数α0 〜αP を得、更にその線形予測係数から
周波数特性の概形を求めた。しかし、以下のようにして
もよい。即ち、図19に図3と対応する部分に同一符号
を付けて示すように、MDCT部16からの周波数領域
係数をスケーリングファクタ計算量子化部19に分岐入
力して、その周波数領域係数をいくつかの小帯域に分割
し、その各小帯域ごとのサンプルの絶対値の平均値、ま
たは最大値をスケーリングファクタとして求め、このス
ケーリングファクタを量子化し、そのインデックスIS
復号器50へ送出する。また前記求めたスケーリングフ
ァクタでMDCT部16からの周波数領域係数を正規化
部22において、各対応小帯域ごとに割算して残差係数
R(F)を得て残差概形正規化部26へ供給する。更に、前
記求めたスケーリングファクタと、残差概形計算部23
からの残差係数の概形の対応する小帯域のサンプルとを
重み計算部24で乗算して重み付け係数W(w1,…,wN)を
得て量子化部25へ供給する。復号器50では入力され
たインデックスISからスケーリングファクタ再生部71
でスケーリングファクタを再生し、そのスケーリングフ
ァクタを逆正規化部57で残差概形逆正規化部54から
の再生残差係数に乗算して周波数領域係数を再生して逆
MDCT部58へ供給する。
【0068】上述では入力音響信号を周波数領域係数に
変換した後、残差係数を得たが、入力音響信号から時間
領域でスペクトラム概形を取り除いた残差信号を求め、
その残差信号を周波数領域の残差係数に変換してもよ
い。即ち、図20に図3と対応する部分に同一符号を付
けて示すように、入力端子11からの音響入力信号は線
形予測分析部17で線形予測分析され、得られた線形予
測係数α0〜αPは量子化部18で量子化され、その量子
化された線形予測係数が逆フィルタ28にフィルタ係数
として設定され、この逆フィルタ28に端子11からの
入力音響信号が通されて、平坦化された周波数特性を有
する時間領域の残差信号を得る。この残差信号はコサイ
ン変換部29で離散コサイン変換されて周波数領域の残
差係数R(F)に変換されて残差概形正規化部26へ供給さ
れる。一方、量子化部18からの量子化線形予測係数が
スペクトラム概形計算部21へ供給され、入力信号の周
波数特性の概形が求められ、重み計算部24に与えられ
る。符号器10におけるその他の部分の処理は図3と同
様である。
【0069】復号器50では残差概形逆正規化部54か
らの再生残差係数Rq(F) は逆コサイン変換部72で逆離
散コサイン変換されて時間領域の残差信号とされて合成
フィルタ73へ供給される。一方、入力されたインデッ
クスIPは再生部74で線形予測係数α0〜αPに再生さ
れ、その線形予測係数が合成フィルタ73のフィルタ係
数として設定される。合成フィルタ73は逆コサイン変
換部72からの残差信号が与えられ、音響信号を合成し
て出力端子91へ出力する。図20に示した例では時間
周波数変換はMDCTよりもDCTの方が適する。
【0070】図3、14、19及び20の実施例におけ
る量子化部25として、図21に示すように構成し、図
22に示す処理手順に従って量子化を行ってもよい。即
ち、まずスカラー量子化部25Aにおいて量子化幅制御
部25Dから与えられた予め決められた最大量子化幅で
微細構造係数X(F)をスカラー量子化する(S1)。次に誤差
計算部25Bにおいて入力された微細構造係数X(F)に対
する量子化された微細構造係数Xq(F) の誤差を計算する
(S2)。誤差としては、例えば重み付け係数Wを使った重
み付け2乗誤差を使う。次に量子化ループ制御部25C
においてこの量子化誤差が聴感的に許容される所定値よ
り小さいかを判断する(S3)。この時、量子化誤差が所定
値より小さければ、その量子化微細構造係数Xq(F) とそ
れを表すインデックスImを出力すると共に、使用された
量子化幅を表すインデックスIDを量子化幅制御部25D
から出力し、量子化処理を終了する。量子化ループ制御
部25Cは、ステップS3で量子化誤差が所定値より大
きいと判断した場合は、量子化微細構造係数Xq(F) に使
用されるビット数が使用可能最大ビット数を越えていな
いか判断する(S4)。使用されるビット数が使用可能最大
ビット数を越えていなければ、処理ループを継続すべき
と判断し、量子化幅制御部25Dに対し前回より小さい
所定の量子化幅をスカラー量子化部25Aに与えさせ(S
5)、スカラー量子化部25Aで再量子化する。以下同様
の処理手順を繰り帰る。ステップS4で使用ビット数が
使用可能最大ビット数以上の場合は、前回のループによ
る量子化微細構造係数Xq(F) とそのインデックスImと共
に量子化幅インデックスIDを出力して量子化処理を終了
する。
【0071】この量子化部25に対応する復号器50の
再生部51(図3、14、19、20参照)には、量子
化インデックスImと量子化幅インデックスIDを供給し、
再生部51はこれらのインデックスに基づいて微細構造
係数を再生する。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
ピッチ成分を含む信号が入力された場合にみられる周波
数領域の残差係数におけるフレーム間の高い相関を利用
して、その残差係数の概形を正規化して、より平坦化し
た微細構造係数として量子化するため、高い量子化能率
が得られる。また、複数ピッチが存在する場合にも周波
数領域ではピッチが分離されるので問題を生じない。更
に、残差係数の概形を適応的に決定するので、ピッチ成
分の変化傾向に追従することもできる。
【0073】また、MDSTのような重ね合わせ直交変
換を使って入力音響信号を周波数領域係数に変換し、そ
れを、音響信号の線形予測係数から求めたスペクトラム
振幅(即ち入力音響信号の周波数特性の概形)で周波数
領域において正規化する実施例では、フレーム間ノイズ
を生じさせないで周波数領域係数の高能率な平坦化を実
現することが可能である。
【0074】P=60,N=512,M=64,Q=2
とし、線形予測係数α0〜αPと正規化ゲインの量子化の
ための情報量を十分大きくとり、微細構造係数を2ビッ
ト/サンプルの情報量でベクトル量子化する条件で、図
8に示した残差概形計算部23を用いて様々な音楽ソー
スを符号化復号化した場合、残差概形計算部23,55
を取り除いて符号化復号化した場合よりも平均約5dB,
最大約10dBのセグメンタルSNRの改善がみられる。
また、聴感的にもより自然性の高い音が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】入力信号の周波数特性をスケーリングファクタ
によって平坦化する従来の符号器を示すブロック図。
【図2】入力信号の周波数特性を線形予測分析フィルタ
で平坦化する従来の符号器を示すブロック図。
【図3】この発明の符号化方法が適用された符号器、及
びこの発明の復号化方法が適用された復号器の各実施例
を示すブロック図。
【図4】Aは図3におけるMDCT部で求めた周波数領
域波形の例、Bはスペクトラム概形計算部により求めた
スペクトラム概形の例、Cは正規化部22により求めた
残差係数の例、Dは残差概形計算部23で求めた残差概
形の例、Eは残差概形正規化部26で求めた微細構造係
数の例をそれぞれ示す図。
【図5】Aは予測係数から周波数特性の概形を得る方法
を示す図、Bは予測係数から周波数特性の概形を得る他
の方法を示す図。
【図6】ベクトル量子化の際の信号系列と分割小系列と
の関係例を示す図。
【図7】量子化部25の構成例を示すブロック図。
【図8】図3中の残差概形計算部23,55の具体例を
示すブロック図。
【図9】図8中の残差概形計算部23,55の変形例を
示すブロック図。
【図10】図9中の残差概形計算部23、55の変形例
を示すブロック図。
【図11】図3中の残差概形計算部23,55で窓関数
及び予測係数の両者を適応的に制御するようにした例を
示すブロック図。
【図12】図3中の残差概形計算部23の更に他の例を
示すブロック図。
【図13】図12に対応する復号器側の残差概形計算部
55の例を示すブロック図。
【図14】この発明の符号器と復号器の他の実施例を示
すブロック図。
【図15】図14における残差概形計算部23、55の
具体例を示すブロック図。
【図16】図14における残差概形計算部23、55の
具体例を示すブロック図。
【図17】残差概形計算部23においてスペクトラム概
形の高次帯域部を一定値に近似した処理をする帯域処理
部の構成を示すブロック図。
【図18】図3の符号器における部分変形例を示すブロ
ック図。
【図19】この発明による符号化方法及び復号化方法を
適用した符号器及び復号器の他の例を示すブロック図。
【図20】時間領域で残差信号を得る構成とした符号器
とそれに対応する復号器の例を示すブロック図。
【図21】図3、14、19及び20の実施例における
量子化部25の他の構成例を示すブロック図。
【図22】図21の量子化部による量子化処理手順を示
すフロー図。

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力音響信号を周波数領域に変換して符
    号化する音響信号変換符号化方法において、 入力音響信号についてフレーム単位に、その周波数特性
    の概形が平坦化された周波数領域の残差係数を得る第1
    の段階と、 上記第1の段階で得られた現フレームの上記残差係数の
    概形を、現在または過去のフレームの上記残差係数から
    予測し、予測残差概形を生成する第2の段階と、 上記第1の段階で得られた現フレームの上記残差係数
    を、上記第2の段階で得られた上記予測残差概形で正規
    化して微細構造係数を得る第3の段階と、 上記第3の段階で得られた上記微細構造係数を量子化
    し、その量子化微細構造を表すインデックスを上記音響
    信号の符号化出力の少なくとも一部として出力する第4
    の段階、とを含む。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の符号化方法において、上
    記第2の段階は、現フレームの上記予測残差概形によ
    り、上記量子化微細構造係数を逆正規化して再生残差係
    数を生成する第5の段階と、上記再生残差係数からその
    スペクトラム概形を求める第6段階と、上記スペクトラ
    ム概形から次フレームの上記残差係数に対する上記予測
    残差概形を合成する第7の段階と、を含む。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の符号化方法において、上
    記第7の段階は、現フレームに対し予め決めた1つ又は
    連続する複数の過去のフレームの上記再生残差係数のス
    ペクトラム概形から線形合成により上記予測残差概形を
    合成する処理を含む。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の符号化方法において、上
    記第2段階は、上記過去のフレームの上記再生残差係数
    のスペクトラム概形から合成する上記予測残差概形が、
    現フレームの残差係数の概形を目標としてそれに近づく
    よう上記過去のフレームの上記スペクトラム概形に対す
    る上記線形合成を制御する第8段階を含む。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の符号化方法において、上
    記線形合成の最適制御は、現フレームの上記再生残差係
    数のスペクトラム概形を目標に決定され、決定された最
    適制御は次フレームにおける上記線形合成に適用され
    る。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の符号化方法において、上
    記線形合成の最適制御は、現フレームの上記残差係数の
    スペクトラム概形を目標に決定され、決定された最適制
    御は現フレームにおける上記予測残差概形の線形合成に
    適用される。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の符号化方法におい
    て、上記第7段階の上記線形合成は、上記過去のフレー
    ムの上記再生残差係数のスペクトラム概形に対してそれ
    ぞれ予測係数を乗算し、それによって得られた乗算結果
    を加算して上記予測残差概形を得る処理であり、上記第
    8段階は、上記加算結果が上記目標に近づくよう上記予
    測係数を決定する処理を含む。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の符号化方法において、上
    記第8段階は上記予測係数決定のための上記目標が現フ
    レームの上記残差係数のスペクトラム概形の場合、上記
    予測係数を量子化したインデックスを上記符号化出力の
    他の一部の符号として出力する第9段階を含む。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の符号化方法におい
    て、上記第7段階の上記線形合成は各上記過去のフレー
    ムのサンプル群に対し、周波数軸上において少くとも1
    サンプル正方向及び負方向にそれぞれずれた第1シフト
    サンプル群と第2シフトサンプル群を生成し、上記第1
    及び第2シフトサンプル群にそれぞれ予測係数を乗算
    し、これら乗算結果を上記過去のフレームに対する予測
    係数の乗算結果と共に全て加算することによって上記予
    測残差概形を得る処理を含む。
  10. 【請求項10】 請求項3、5乃至9のいずれかに記載
    の符号化方法において、上記第6の段階は、上記再生残
    差係数から求めた上記スペクトラム概形の現在及び過去
    の複数フレーム間平均値を各サンプルごとに、または現
    フレーム内サンプルの平均値を求める第10の段階と、
    上記平均値を現フレームの上記スペクトラム概形から減
    算し、その減算結果を上記スペクトラム概形として上記
    第7段階に与える第11段階とを含み、上記第7段階は
    上記線形合成の結果に上記平均値を加算し、その加算結
    果から上記予測残差概形を得る第12の段階を含む。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の符号化方法におい
    て、上記第6の段階は、上記第11の段階の減算結果の
    フレーム内平均振幅を計算する第13の段階と、上記第
    13の段階で得た上記減算結果の平均振幅で上記第11
    段階の上記減算結果を割算し、その割算結果を上記スペ
    クトラム概形として上記第7段階に与える第14段階を
    含み、上記第7段階は上記線形合成の結果に上記第13
    段階の上記減算結果の平均振幅を乗算し、その乗算結果
    を上記線形合成の結果として上記第12段階に与える第
    14段階を含む。
  12. 【請求項12】 請求項3、5乃至11のいずれかに記
    載の符号化方法において、上記第6の段階は上記再生残
    差係数の上記スペクトラム概形に窓関数を畳み込む処理
    を含み、上記第7段階はその畳み込み結果を上記スペク
    トラム概形として使い線形合成を行う処理を含む。
  13. 【請求項13】 請求項3、5乃至12のいずれかに記
    載の符号化方法において、上記第7の段階は上記線形合
    成の結果に予め決めた定数を加算して上記予測残差概形
    を得る処理を含む。
  14. 【請求項14】 請求項4乃至9のいずれかに記載の符
    号化方法において、上記第8の段階における上記線形合
    成の制御は、上記目標の周波数領域係数及び上記再生残
    差係数のスペクトラム概形をそれぞれ複数の小帯域に分
    割し、この小帯域ごとに行う処理を含む。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の符号化方法において、
    上記第2の段階は、上記予測残差概形が現フレームにお
    ける上記残差係数のスペクトラム概形に最も近くなるよ
    うに上記スペクトラム概形を量子化し、その量子化を表
    すインデックスを上記符号化出力の他の一部として出力
    する処理を含む。
  16. 【請求項16】 請求項15の符号化方法において、上
    記第2段階は現フレームの上記量子化スペクトラム概形
    と、過去のフレームの量子化スペクトラム概形とを予め
    決めた予測係数を使って線形合成し、その線形合成値が
    上記スペクトラム概形と最も近くなるように上記量子化
    スペクトラム概形を決定し、その時の上記線形合成値を
    上記予測残差概形として得る処理を含む。
  17. 【請求項17】 請求項15の符号化方法において、上
    記第2段階は現フレームの量子化スペクトラム概形と、
    過去のフレームの上記予測残差概形とを線形合成し、そ
    の線形合成値が上記スペクトラム概形と最も近くなるよ
    うに上記量子化スペクトラム概形を決定し、その時の上
    記線形合成値を上記予測残差概形として得る処理を含
    む。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至17のいずれかに記載の
    符号化方法において、上記第1段階は、上記入力音響信
    号を周波数領域係数に変換し、上記入力音響信号をフレ
    ーム毎に線形予測分析して線形予測係数を求め、上記線
    形予測係数を周波数領域係数に変換して上記音響信号の
    スペクトラム概形を求め、上記音響信号の周波数領域係
    数を上記スペクトラム概形で正規化して上記残差係数を
    得る処理を含む。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至17のいずれかに記載の
    符号化方法において、上記第1段階は、上記入力音響信
    号を周波数領域係数に変換し、上記周波数領域係数のス
    ペクトラム振幅を時間領域信号に逆変換し、上記時間領
    域信号を線形予測分析して線形予測係数を求め、上記線
    形予測係数を周波数領域係数に変換して上記音響信号の
    スペクトラム概形を求め、上記音響信号の周波数領域係
    数を上記スペクトラム概形で正規化して上記残差係数を
    得る処理を含む。
  20. 【請求項20】 請求項18又は19記載の符号化方法
    において、上記線形予測係数を周波数領域係数に変換す
    る処理は、上記線形予測係数を量子化して量子化線形予
    測係数を求め、上記量子化線形予測係数を上記線形予測
    係数として上記周波数領域係数に変換すると共に、上記
    量子化線形予測係数を表すインデックスを上記符号化出
    力の他の一部として出力する処理を含む。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至17のいずれかに記載の
    符号化方法において、上記第1段階は、上記入力音響信
    号を周波数領域係数に変換し、上記周波数領域係数を複
    数の小帯域に分割してそれぞれのスケーリングファクタ
    を求め、上記入力音響信号の周波数領域係数を上記スケ
    ーリングファクタで正規化して上記残差係数を得る処理
    を含む。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至17のいずれかに記載の
    符号化方法において、上記第1段階は、上記入力音響信
    号を線形予測分析して線形予測係数を求め、上記線形予
    測係数で制御された逆フィルタに上記音響信号を通して
    残差信号を得て、上記残差信号を周波数領域係数に変換
    して上記残差係数を得る処理を含む。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の符号化方法におい
    て、上記残差信号を得る処理は、上記線形予測係数を量
    子化して得られた量子化線形予測係数を上記線形予測係
    数として上記逆フィルタに与えてそれを制御すると共
    に、上記量子化線形予測係数を表すインデックスを上記
    符号化出力の他の一部として出力する処理を含む。
  24. 【請求項24】 請求項1乃至23のいずれかに記載の
    符号化方法において、上記入力音響信号を周波数領域係
    数に変換する処理は、上記入力音響信号をフレーム単位
    に重ね合わせ直交変換する処理を含む。
  25. 【請求項25】 フレーム毎に予め決めた複数のサンプ
    ルの周波数領域係数に変換されて符号化された音響信号
    を復号する復号化方法において、 入力された第1量子化インデックスから再生した微細構
    造係数を、過去のフレームの情報から予測した残差係数
    の概形で逆正規化して現在フレームにおける再生残差係
    数を得る第1の段階と、 上記第1段階で得られた上記再生残差係数から音響信号
    の周波数特性の概形が与えられた音響信号を再生する第
    2の段階と、を含む。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の復号方法において、
    上記第1段階は上記再生残差係数から次フレームに対す
    る上記残差係数の概形を合成する第3段階を含む。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の復号方法において、
    上記第3の段階は、上記再生残差係数のスペクトラム概
    形を計算する第4の段階と、現フレームに対し、予め決
    めた1又は連続する複数の過去のフレームの上記スペク
    トラム概形にそれぞれ予測係数を乗算して線形合成によ
    り現フレームの上記残差係数の概形を得る第5の段階が
    含まれる。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の復号方法において、
    上記第5の段階は、上記線形合成により得られる上記残
    差概形が現在フレームにおける上記再生残差係数の概形
    にもっとも近くなるように上記線形合成を適応的に制御
    する第6の段階が含まれる。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の復号方法において、
    上記第6の段階における上記線形合成の制御は、上記残
    差係数のスペクトラム概形を複数の小帯域に分割し、こ
    の小帯域ごとに行う処理を含む。
  30. 【請求項30】 請求項27、28又は29記載の復号
    方法において、上記第4の段階は、上記再生残差係数か
    ら求めた上記スペクトラム概形の現在及び過去の複数フ
    レーム間平均値を各サンプルごとに、またはフレーム内
    サンプルの平均値を求める第7の段階と、上記平均値を
    現フレームの上記スペクトラム概形から減算し、その減
    算結果を上記スペクトラム概形として上記第5段階に与
    える第8段階を含み、上記第5段階は上記線形合成の結
    果に上記平均値を加算して上記予測残差概形を得る第9
    の段階を含む。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の復号方法において、
    上記第3の段階は、上記第8の段階の減算結果のフレー
    ム内平均振幅を計算する第10の段階と、上記平均振幅
    で上記第8の段階の減算結果を割算し、その割算結果を
    上記スペクトラム概形として上記第5段階に与える第1
    1段階とを含み、上記第5段階は上記線形合成の結果に
    上記減算結果の平均振幅を乗算し、その乗算結果を上記
    線形合成の結果として上記第9段階に与える第12段階
    を含む。
  32. 【請求項32】 請求項27乃至31のいずれかに記載
    の復号方法において、上記第4の段階は上記再生残差係
    数のスペクトラム概形に窓関数を畳み込む処理を含み、
    上記第5段階はその畳み込み結果を上記スペクトラム概
    形として使って上記線形合成を行う処理を含む。
  33. 【請求項33】 請求項27乃至31のいずれかに記載
    の復号方法において、上記第5段階は上記線形合成は各
    上記過去のフレームのサンプル群に対し、周波数軸上に
    おいて少くとも1サンプル正方向及び負方向にずれた第
    1シフトサンプル群と第2シフトサンプル群を生成し、
    上記第1及び第2シフトサンプル群にそれぞれ予測係数
    を乗算し、これら乗算結果を上記過去のフレームに対す
    る予測係数の乗算結果と共に全て加算することにより上
    記予測残差概形を得る処理を含む。
  34. 【請求項34】 請求項27乃至33のいずれかに記載
    の復号方法において、上記第5の段階は上記線形合成の
    出力に予め決めた定数を加算して上記予測残差概形を得
    る処理を含む。
  35. 【請求項35】 請求項26記載の復号方法において、
    上記第3の段階は、上記再生残差係数のスペクトラム概
    形を計算する第4の段階と、現フレームに対し、予め決
    めた1又は連続する複数の過去のフレームの上記スペク
    トラム概形のそれぞれに、入力された第3の量子化イン
    デックスにより指定された上記予測係数を乗算し、これ
    ら乗算結果を加算することにより現フレームの上記再生
    残差係数の概形を得る第5の段階を含む。
  36. 【請求項36】 請求項25又は35記載の復号方法に
    おいて、上記第1段階における上記再生残差概形は、符
    号側から送られたインデックスをそれぞれ逆量子化して
    得た現フレームと過去のフレームの量子化スペクトラム
    概形を線形合成して得る。
  37. 【請求項37】 請求項25又は35記載の復号方法に
    おいて、上記第1段階における上記再生残差概形は、過
    去のフレームにおける合成残差概形と、符号側から送ら
    れたインデックスを逆量子化して得た現フレームの量子
    化スペクトラム概形を線形合成して得る。
  38. 【請求項38】 請求項25乃至37の何れかに記載の
    復号方法において、上記第2段階は、入力された第2量
    子化インデックスを逆量子化して上記音響信号の周波数
    特性の概形情報を再生する処理と、上記周波数特性の概
    形情報に基づいて上記周波数特性の概形が与えられた上
    記音響信号を再生する処理とを含む。
  39. 【請求項39】 請求項38記載の復号方法において、
    上記第2段階は、入力された上記第2インデックスから
    上記周波数特性の概形情報として上記音響信号の線形予
    測係数を再生し、上記再生された線形予測係数から上記
    音響信号の周波数特性の概形を求め、上記第1段階で得
    た上記再生残差係数を上記音響信号の周波数特性の概形
    で逆正規化して上記周波数領域係数を得て、上記周波数
    領域係数を時間領域信号に変換して上記音響信号を得る
    処理を含む。
  40. 【請求項40】 請求項39記載の復号方法において、
    上記周波数特性の概形を求める処理は、上記線形予測係
    数をフーリエ変換し、その結果得られたスペクトラム振
    幅を上記周波数特性の概形として得る処理を含む。
  41. 【請求項41】 請求項38記載の復号方法において、
    上記第2段階は、上記第1段階で得られた上記再生残差
    係数を時間領域の残差信号に変換する処理と、入力され
    た第2量子化インデックスから上記周波数特性の概形情
    報として上記音響信号の線形予測係数を再生する処理
    と、上記線形予測係数をフィルタ係数として上記残差信
    号を逆フィルタ処理して上記音響信号を再生する処理を
    含む。
  42. 【請求項42】 請求項38記載の復号方法において、
    上記第2段階は、上記第1段階で得られた上記再生残差
    係数を複数の小帯域に分割し、入力された量子化スケー
    ルファクタインデックスからそれぞれの小帯域に対応す
    るスケールファクタを上記周波数特性の概形情報として
    再生し、それぞれの小帯域の上記再生残差係数を対応す
    る上記スケールファクタで逆正規化して上記周波数特性
    の概形が付与された周波数領域係数を求め、上記周波数
    領域係数を時間領域信号に変換して上記音響信号を再生
    する処理を含む。
  43. 【請求項43】 請求項39又は40記載の復号方法に
    おいて、上記周波数領域係数から上記時間領域信号への
    変換は逆重ね合わせ直交変換である。
  44. 【請求項44】 請求項38記載の復号方法において、
    上記第2の段階は上記周波数特性の概形情報に基づいて
    上記再生残差計数に上記周波数特性の概形を与えて周波
    数領域係数を生成する処理と、上記周波数領域係数を時
    間領域信号に変換することにより再生された上記音響信
    号を得る処理を含む。
  45. 【請求項45】 請求項44記載の復号方法において、
    上記周波数領域係数から上記時間領域信号への変換は逆
    重ね合わせ直交変換である。
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