JPH0843285A - エンジンバルブの疲労強度測定方法 - Google Patents

エンジンバルブの疲労強度測定方法

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JPH0843285A
JPH0843285A JP6176544A JP17654494A JPH0843285A JP H0843285 A JPH0843285 A JP H0843285A JP 6176544 A JP6176544 A JP 6176544A JP 17654494 A JP17654494 A JP 17654494A JP H0843285 A JPH0843285 A JP H0843285A
Authority
JP
Japan
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fatigue
engine valve
temperature
boundary
valve
Prior art date
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Pending
Application number
JP6176544A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Sato
光司 佐藤
Komiharu Hara
巨実治 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンバルブの首部と軸部の境界近傍に発
生する疲労破断の強度を簡便で安価に定量評価する測定
方法を提供する。 【構成】 本発明は、エンジンバルブの首部と軸部の境
界が最高温となるように加熱手段により局部加熱し、前
記バルブを疲労試験機により所定の繰り返し引張応力を
与え、首部と軸部の境界近傍を疲労破断させることを特
徴とするエンジンバルブの疲労強度測定方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に用いられる
エンジンバルブの疲労強度の測定方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】エンジンバルブは、エンジンを構成する
部品のうち、最も高温に曝される部品の一つである。と
りわけ、直接高温の燃焼ガスと接触する排気エンジンバ
ルブの傘部の円周部、および首部(傘部と軸部を接続す
る部分をいい、厳密には、傘下斜面部、首アール部およ
びつなぎ部からなる)と軸部の境界近傍は、薄肉または
小径のため、温度変化に極めて敏感に追随する。このよ
うにエンジンバルブの中でも最も昇温し易い傘部の円周
部は、バルブの開閉時にバルブシートを衝打するため、
特性的には高温の耐摩耗性や靭性が求められ、一般的に
は高温強度や延性などを測定することで評価されてい
る。
【0003】これに対して、本発明が対象とする疲労強
度測定は、エンジンバルブの首部と軸部の境界近傍に発
生する、開閉時の衝撃的な引張応力の繰返しによる疲労
破断強度を評価する測定方法である。したがって、疲労
強度の評価方法が不適正で、高温の疲労強度が不十分な
材料を選定した場合には、上記の部分に疲労破断を起こ
しエンジンの故障につながる。従来、バルブの疲労強度
測定に関しては、エンジンバルブに加工前の丸棒素材を
機械加工して、小野式回転曲げ疲労試験機や、油圧式引
張疲労試験機を用いて素材状態の高温疲労強度を測定し
てきた。また、実際のエンジンバルブの疲労強度の測定
は、実機エンジンの耐久試験を行い、耐久後のエンジン
バルブに折れがないか、また、折れがない場合は寸法変
化、断面観察によりその損傷の程度を調べるに留まって
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エンジンバルブは丸棒
の素材状態から、熱間押出しや熱間据込み鍛造の工程を
経て実際のバルブ形状に成形される。また、熱処理条
件、窒化等の表面処理が施されるため、実際のエンジン
バルブの高温疲労強度は、丸棒素材のそれを必ずしも反
映するものではなかった。一方、実機耐久試験では、バ
ルブが実際にそのエンジンに使用可能か否かの判断は可
能であるが、エンジン型式、シリンダー毎の燃焼温度、
繰り返しの面圧等々の因子により、正確な優劣が着か
ず、数値化して普遍的なデータとして評価することがで
きない欠点があった。さらに、耐久試験の費用は莫大で
あるため、できる限り、事前に実体バルブの疲労強度を
定量評価できる手法の開発が望まれていた。本発明の目
的は、エンジンバルブの首部を軸部の境界近傍に発生す
る疲労破断の強度を簡便で安価に定量評価する測定方法
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、事前に実
体バルブの疲労強度を定量評価できる手法について鋭意
検討を行った結果、疲労試験機を用いてバルブの首部と
軸部の境界近傍が最も高温となるように、加熱手段を用
いて、その部分が所定温度となるように制御し、繰り返
し応力を与えて実体バルブの疲労破断回数を測定するこ
とで、強度を数値化することができた。この首部と軸部
の境界近傍を最高温に加熱する局部加熱手法を実体エン
ジンバルブに適用したことが従来にないまったく新規の
疲労強度測定方法である。この手法を用いて、応力−疲
労破断回数線図を作成すれば実際のエンジンバルブの疲
労強度がわかり、実機耐久試験を行わずとも、バルブの
強度推定が可能となる。
【0006】すなわち、本発明はエンジンバルブの首部
と軸部の境界が最高温となるように加熱手段により局部
加熱し、前記バルブを疲労試験機により所定の繰り返し
引張応力を与え、首部と軸部の境界近傍を疲労破断させ
ることを特徴とするエンジンバルブの疲労強度測定方法
である。なお、前記加熱手段としては、加熱範囲が狭
く、かつ温度制御が容易な高周波誘導加熱とするのが望
ましい。さらに、前記疲労試験機は、より実機の応力負
荷状態に近い様に試験片の軸方向へ繰返し応力が負荷さ
れる引張−引張型とするのが良い。
【0007】
【作用】前述のように、本発明が対象とする疲労破断が
発生する箇所は、エンジンバルブの首部と軸部の近傍で
起こるため、試験片の加熱位置はその近傍だけで良く、
加熱するための大掛かりな加熱装置も不用となる。加熱
手段は、試験片の一定位置を所定の温度に保持できるも
のであれば、バーナ加熱、抵抗線加熱など特に限定する
必要はないが、温度調整が簡単で加熱するための空間が
小さくてすむ高周波誘導加熱装置が望ましい。また、疲
労試験機は、試験片の断面寸法が長さ方向に一定しない
ため、引張−引張型にするのが良い。
【0008】なお、疲労試験に供するバルブ試験片の固
定方法は、例えばバルブ形状そのままのものを用いて実
際のバルブ形状に合わせた治具を作製して油圧締めして
も良く、またネジ加工を施してネジ締め等の方法で固定
することもできる。その他、試験片にずれのないかぎ
り、いかなる締め付け方法でも問題はない。ただし、そ
の際治具の形状が大きくなりすぎると、高周波による誘
導電流が治具側に流れ、治具の方が高温にならないよう
に治具の形状と高周波コイルのサイズを注意深く検討す
る必要がある。そのような配慮を行い、最高温度を示す
部位に熱電対を取り付け測温を行うことで、最高温部で
疲労クラックの発生と破断を生じせしめることが可能と
なる。
【0009】また、疲労試験は一般に荷重制御と歪み制
御の2種類が用いられるが、本測定方法の場合は、試験
片に温度勾配がつくため、荷重制御方式が望ましい。こ
のような測定方法を用いれば、同じ組成の棒材でも、熱
間押出しや熱間据込み鍛造等の製造工程、固溶化+時効
処理や直接時効処理等の熱処理、および各種手法におけ
る窒化やCrメッキ等の表面処理状態が疲労強度に及ぼす
影響を数値化して評価できる。さらに、舶用、自動車な
どに使用される燃料の種類によって、PbO,PbSO4,Na2S
O4,CaSO4等の薬品をバルブ表面に塗布したり、試験雰囲
気を制御することにより、実機エンジン中で実際に生じ
る腐食環境下でのバルブの腐食疲労強度を測定すること
ができる。なお、本発明の測定方法により、SKH35
をはじめとするC−Cr−Ni含有オーステナイト系耐
熱鋼、NCF751をはじめとするNi−Cr−Fe基
超耐熱合金等からなるいかなるエンジンバルブ用合金か
ら製造されるバルブの疲労強度も評価できるようになっ
た。
【0010】
【実施例】JIS規格SUH35からなる表面に窒化処理
を施した軸径6mmの自動車用エンジンバルブを用い、図
2に示す形状の試験片に加工した。傘側はM9、軸側は
M6にネジ加工し、それに合う雌ネジの治具を作製し
た。高周波コイルは直径6mmの水冷中空銅製パイプをコ
イル内径25mmで1重巻きに加工したものを用いた。こ
れらの試験片、治具、高周波コイルを油圧サーボ式引張
型疲労試験機に取り付け、首部と軸部の境界に熱電対を
取り付けその部位が最高温となるよう高周波コイルの位
置を調整した。図3は上記疲労試験の実施状況を示す概
略図である。
【0011】最高温度を800℃および850℃とし、周波数
10Hzのサイン波を用い、最少引張応力を最大引張応力で
除した応力比が0.1となるように制御し、大気雰囲気下
で試験を実施した。図1に本測定方法による試験結果を
示す。いずれも破断位置は、首部と軸部の境界近傍であ
った。いずれの温度でも最大応力と疲労破断回数は、右
下がりで下向きに湾曲状のカーブで表され、試験800℃
と850℃における106回疲労強度は、それぞれ115MPaと85
MPaであった。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、自動車の内燃機関に用
いられる排気エンジンバルブの首部と軸部の境界近傍の
疲労強度を実測することが可能となり、その結果エンジ
ン出力に見合った最適な排気エンジンバルブを容易に選
定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定方法により、窒化処理を施したJ
IS規格SUH35製エンジンバルブの首部と軸部の境
界近傍の高温疲労強度を測定した図である。
【図2】自動車用エンジンバルブの実体バルブおよび実
体バルブから削り出した試験片の一例を示す図である。
【図3】疲労試験の実施状況を示す概略図である。
【符号の説明】
1 傘部、2 首部、3 軸部、4 チャック、5 高
周波誘導コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンバルブの首部と軸部の境界が最
    高温となるように加熱手段により局部加熱し、前記バル
    ブを疲労試験機により所定の繰り返し引張応力を与え、
    首部と軸部の境界近傍を疲労破断させることを特徴とす
    るエンジンバルブの疲労強度測定方法。
  2. 【請求項2】 加熱手段が高周波誘導加熱である請求項
    1に記載のエンジンバルブの疲労強度測定方法。
  3. 【請求項3】 疲労試験機が引張−引張型である請求項
    1または2に記載のエンジンバルブの疲労強度測定方
    法。
JP6176544A 1994-07-28 1994-07-28 エンジンバルブの疲労強度測定方法 Pending JPH0843285A (ja)

Priority Applications (1)

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JP6176544A JPH0843285A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 エンジンバルブの疲労強度測定方法

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JP6176544A JPH0843285A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 エンジンバルブの疲労強度測定方法

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JPH0843285A true JPH0843285A (ja) 1996-02-16

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JP6176544A Pending JPH0843285A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 エンジンバルブの疲労強度測定方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1026494A1 (en) * 1999-02-01 2000-08-09 Ngk Insulators, Ltd. Method and device for testing the strength of ceramic engine-valves

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1026494A1 (en) * 1999-02-01 2000-08-09 Ngk Insulators, Ltd. Method and device for testing the strength of ceramic engine-valves
US6367321B1 (en) 1999-02-01 2002-04-09 Ngk Insulators, Ltd. Test method on the strength of ceramic engine-valves and testing device for the same

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