JPH0843248A - 超音速風洞 - Google Patents

超音速風洞

Info

Publication number
JPH0843248A
JPH0843248A JP17644794A JP17644794A JPH0843248A JP H0843248 A JPH0843248 A JP H0843248A JP 17644794 A JP17644794 A JP 17644794A JP 17644794 A JP17644794 A JP 17644794A JP H0843248 A JPH0843248 A JP H0843248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
suction
supersonic
pressure
supersonic nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17644794A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikazu Kimura
好和 木村
Kuniyoshi Tsubouchi
邦良 坪内
Susumu Nakano
晋 中野
Masato Ikegawa
正人 池川
Yasuhiko Aihara
康彦 相原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP17644794A priority Critical patent/JPH0843248A/ja
Publication of JPH0843248A publication Critical patent/JPH0843248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、超音速ノズルの面積比を変えること
なく、一つの超音速ノズルで連続的に異なる広範囲なマ
ッハ数が設定できる装置の提供を目的とする。 【構成】超音速ノズルを流体を通す多孔質壁と流体を通
さない絶縁板を軸方向に交互に組み合わせた構造にする
とともに、多孔質壁の外壁面を外気から遮蔽する吸引室
と、吸引室と吸引排気装置を接続する吸引排気管及び吸
引排気装置を設け、作動流体の質量の一部を超音速ノズ
ル内部から多孔質壁を通して半径方向へ吸引して主流の
質量を変更することにより、気流のマッハ数が変更でき
る超音速風洞。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音速風洞に係り、一
つの超音速ノズルを用いて計測部において広範囲にマッ
ハ数が設定できる装置及びその設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の超音速風洞の例であり、高
圧気体を供給する高圧気体供給源1と,高圧気体を高圧
気体供給源1から超音速ノズル4へ導く高圧気体供給管
2と,超音速ノズル4の入口部に設置されよどみ点状態
を作り流れを整流するプレナム室3と,その下流側に設
置され高圧気体を超音速状態まで膨張させる先細末広形
状の超音速ノズル4と,超音速ノズル4を通して膨張し
た気体を外気から遮蔽するとともに試験モデル6を設置
する試験チャンバー5と,縮小流路と断面積一定流路と
拡大流路から成り試験チャンバー5に流出した気体を排
気圧力まで上昇させ排気系へ導くディフューザ7及びデ
ィフューザ7を通して流出した気体を排気する排気系か
ら成る。
【0003】上記した従来技術の超音速風洞では、所望
のマッハ数の気流を得るために、ノズルスロート8の面
積A* とノズル出口部9の面積Aとの面積比A/A* を
所望のマッハ数に対応させた超音速ノズル4を使用する
必要がある。そのため、マッハ数を変更するためには、
複数の超音速ノズル4を製作するとともに、所望のマ
ッハ数に合わせて超音速ノズル4を交換する方式(ノズ
ル交換方式)と、油圧駆動装置と制御装置等により超
音速ノズル4の形状を変形させ所望のマッハ数に対応し
た超音速ノズル4の面積比A/A* に変更する方式(ノ
ズル形状変更方式)等がある。
【0004】ノズル交換方式の場合、複数の超音速ノズ
ル4を製作及び保管する必要があるとともに、試験マッ
ハ数は準備できる超音速ノズル4の数量に従い段階的に
なるという欠点がある。一方、ノズル形状変更方式で
は、油圧発生装置の大型化,制御系の複雑さ等で製作費
が膨大となり、さらに超音速ノズル4の形状を所望のマ
ッハ数に合わせて再現するためには厳正な校正が必要と
なる。また、この方式では二次元ノズルについては製作
が可能であるが、軸対称形状の超音速ノズルの製作は非
常に困難であるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においてマッ
ハ数を変更するためには、超音速ノズルの面積比を所望
のマッハ数に対応させて変更する必要があった。そのた
め、ノズル交換方式では面積比の異なる複数の超音速ノ
ズルを予め準備しておくとともに、必要に応じてそれら
を交換する必要があり、一方、ノズル形状変更方式では
複雑な可変機構が必要であった。
【0006】本発明は、超音速ノズルの形状変更及び交
換等でノズルスロートとノズル出口部の面積比を変える
ことなく、一つの超音速ノズルで連続的に広範囲なマッ
ハ数を設定できる装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】超音速風洞のマッハ数を
変更する他の方法として、作動流体の質量を制御する方
法があり、日本航空宇宙学会 第24期年会講演会 講
演集,(1993年)第66頁から第67頁等で論じら
れている。それによれば超音速ノズルの面積比を変える
ことなく超音速ノズル出口部の一定流路中の質量を変え
ることにより、一定流路中を流れる気流のマッハ数を変
えることが可能である。また、図3は、作動流体の質量
を半径方向へ吸引する際の吸気速度の軸方向成分がマッ
ハ数に及ぼす影響を示したもので、吸引量が同じ場合、
吸気速度の軸方向成分Uが小さいほどマッハ数を効率良
く増加させることができることを示している。さらに、
質量を吸引することにより比較的短距離でマッハ数を変
え均一な分布を得るためには超音速ノズルから気流の質
量を吸引する必要がある。
【0008】そのため、上記目的を達成するために、試
験モデル設置場所の上流側に設置されている超音速ノズ
ル及び試験チャンバーの壁面を多孔質壁で形成した質量
吸引部を設置するとともに質量吸引部の外壁面側を吸引
室等で外気から遮蔽するとともに、吸引室と真空ポンプ
等の吸引排気装置を吸引排気管等で接続するように構成
したものである。また、吸気速度の軸方向成分を小さく
するため、超音速ノズル及び試験チャンバーの質量吸引
部の多孔質壁を軸方向に複数に分割するとともに、各多
孔質壁のセグメントとセグメントの間を流体を通さない
絶縁板で絶縁するように構成したものである。さらに、
超音速ノズルの軸方向に渡って吸引圧力を設定するた
め、各多孔質壁のセグメント毎に吸引室で区切るととも
に、各吸引室に流量制御弁を設置するように構成したも
のである。また、試験チャンバーの質量吸引部は、軸方
向に連続的に開口率を変えることができるスライド式バ
ルブを設置するように構成したものである。
【0009】
【作用】作動流体の主流の質量を所望のマッハ数に対応
させるよう、超音速ノズルの流量制御弁または試験チャ
ンバーのスライド式バルブの開口率を設定するととも
に、吸引排気装置を起動する。次に、作動流体を高圧気
体供給源から超音速ノズル及び試験チャンバーへ導く
と、作動流体の質量の一部がそれぞれの多孔質壁及び吸
引排気管を通して半径方向へ吸引され吸引排気装置に導
かれる。また、質量の吸引量は、流量制御弁またはスラ
イド式バルブの開口率または吸引排気装置の吸引圧力を
調節することにより設定することができるので、一つの
超音速ノズルで広範囲なマッハ数を設定することができ
る。また、作動流体の主流の質量を超音速ノズル及び試
験チャンバーの質量吸引部の絶縁板で区切られた多孔質
壁のセグメントを通して吸引することにより、吸引速度
の軸方向成分を小さくすることができるのでマッハ数を
効率良く増加させることができる。さらに、超音速ノズ
ルの各多孔質壁のセグメントの吸引排気管毎に設けた流
量制御弁を調節することにより、軸方向に渡って質量の
吸引量を適正に設定することができるので、ノズル出口
部に均質な流れを発生させることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明の超音速風洞の基本構成は図2の従来の技術と同様
である。高圧気体を供給する高圧気体供給源1と,高圧
気体を高圧気体供給源1から超音速ノズル4へ導く高圧
気体供給管2と,超音速ノズル4の入口部に設置されよ
どみ点状態を作り流れを整流するプレナム室3と,その
下流側に設置され高圧気体を超音速状態まで膨張させる
先細末広形状の超音速ノズル4と,超音速ノズル4を通
して膨張した気体を外気から遮蔽するとともに試験モデ
ル6を設置する試験チャンバー5と,縮小流路と断面積
一定流路と拡大流路から成り試験チャンバー5に流出し
た気体を排気圧力まで上昇させ排気系へ導くディフュー
ザ7及びディフューザ7を通して流出した気体を排気す
る排気系から成る。
【0011】本発明の第1の実施例を図1により説明す
る。超音速ノズル4のノズルスロート8の下流側は、多
孔質壁10を軸方向に複数に分割するとともに、各多孔
質壁10のセグメントとセグメントの間は流体を通さな
い絶縁板11等で絶縁した構造としてある。また、各多
孔質壁10の外壁面側はセグメント毎に吸引室12で分
割して外気から遮蔽するとともに、吸引室12と図示し
ない吸引排気装置は吸引排気管13によって接続してあ
る。さらに、各吸引排気管13には流量制御弁14が設
置してあり、各多孔質壁10のセグメント毎に質量の吸
引量を調節することができる。そのため、超音速ノズル
4の軸方向に渡って各位置からの質量の吸引量を適正に
設定できるので、超音速ノズル4の軸方向に渡って質量
を滑らかに減少させてノズル出口部9に均質な流れを発
生させることができる。質量の吸引量は、吸引排気装置
の吸引圧力を変えた場合でも変更することができる。な
お、吸引排気装置としては、超音速風洞の減圧排気装置
と併用するか、または真空ポンプ等の吸引排気装置を別
に設置する。
【0012】ここで、超音速風洞の運転方法について簡
単に説明する。初めに、作動流体の主流の質量を所望の
マッハ数に対応させるため、各吸引排気管13に設置し
た流量制御弁14の開口率を調節して、各多孔質壁10
のセグメントから吸引する質量を設定するとともに、吸
引排気装置を起動する。次に、作動流体を高圧気体供給
源から超音速ノズル4へ導くと、超音速ノズル4で作動
流体を超音速流に加速するとともに、作動流体から質量
の一部を超音速ノズル4の各多孔質壁10,吸引室12
及び吸引排気管13を通して吸引排気装置に吸引され
る。これにより、主流の質量を所望のマッハ数に対応し
た質量まで減少させることができるのでノズル出口部9
に所望のマッハ数が得られる。また、作動流体の主流の
質量を絶縁板11で挟まれた多孔質壁10のセグメント
を通して吸引することにより、吸気速度の軸方向成分を
小さくすることができる。
【0013】本発明によれば、超音速風洞において、作
動流体の質量の一部を超音速ノズルの多孔質壁を通して
半径方向へ吸引するとともに、流量制御弁によって質量
の吸引量を調節することにより主流の質量を変更するこ
とができるので、一つの超音速ノズルで広範囲にマッハ
数が設定できるという効果がある。また、作動流体の質
量の一部を絶縁板で挟まれた多孔質壁のセグメントを通
して吸引することにより、吸気速度の軸方向成分を小さ
くできるので、マッハ数を効率良く増加できるという効
果がある。さらに、超音速ノズル内部の軸方向の圧力分
布に対応して各流量制御弁の開口率を調節することによ
り、超音速ノズル軸方向の各位置から吸引する質量を適
正に設定できるので、超音速ノズルの軸方向に渡って吸
引量を適正に設定できるという効果がある。
【0014】本発明の第2の実施例を図4により説明す
る。本発明は、超音速ノズルから質量を吸引する際の超
音速ノズル軸方向の吸引圧力分布の設定法に関するもの
である。図4は超音速ノズル軸方向のマッハ数変化及び
静圧変化を示したもので、横軸が超音速ノズル4の軸方
向位置X,縦軸が超音速ノズル4内部のマッハ数M及び
静圧Pの変化である。マッハ数M1 は、超音速ノズル4
の内部から質量を吸引しない場合の超音速ノズル4固有
のマッハ数で、ノズルスロート8で1となり、超音速ノ
ズル4の面積の増加に伴って増加しノズル出口部9にお
いてノズルスロート8とノズル出口部9の面積比に対応
したマッハ数M1extとなる。この時の静圧Pはノズル出
口部9に近づくに従って低下する。一方、マッハ数M2
は超音速ノズル4の内部から質量を半径方向へ吸引して
ノズル出口部9に所望のマッハ数M2extを実現しようと
した場合のマッハ数の増加曲線である。また、このマッ
ハ数増加曲線に対応した超音速ノズル4内部の静圧の変
化がP2 である。このマッハ数M2 及び静圧P2 の変化
は計算により求まる。従って、超音速ノズル4の各位置
において静圧をP1 からP2 まで低下するように質量を
吸引して、ノズル出口部9において静圧をP2extまで低
下させることにより、ノズル出口部9に所望のマッハ数
2extを実現できる。
【0015】本実施例によれば、超音速ノズル軸方向の
各位置から吸引する質量を適正に設定できるので、超音
速ノズル出口部に所望のマッハ数に対応した均質な流れ
が実現できるという効果がある。
【0016】本発明の第3の実施例を図5により説明す
る。本発明は、超音速ノズル4各位置における質量の吸
引量を自動的に設定して、ノズル出口部9に所望のマッ
ハ数M2extが得られるようにしたものである。基本構成
は、多孔質壁10と絶縁板11を軸方向に交互に組み合
わせた超音速ノズル4と,超音速ノズル4の多孔質壁1
0の外壁面を外気から遮蔽する吸引室12と,吸引室1
2と図示しない吸引排気装置を接続する吸引排気管13
と,吸引排気管13に設置して超音速ノズル4の各多孔
質壁のセグメントから吸引する質量を調節する流量制御
弁14と,流量制御弁14の開口率を制御する制御装置
20と,ノズル出口部9において所望のマッハ数M2ext
となるように超音速ノズル4内部でのマッハ数M2 の増
加曲線を求めるとともに、制御装置20を介して流量制
御弁14の開口率を調節して質量の吸引量を設定する演
算処理装置21と,プレナム室3と超音速ノズル4及び
試験チャンバー5の内部の静圧変動を検知する圧力セン
サ22と,超音速ノズル4の圧力を圧力センサ22へ導
く圧力導管24と,圧力センサ22のデータを演算処理
装置に取り込むデータ収録装置23から成る。
【0017】ここで、超音速風洞の運転方法について説
明する。初めに、演算処理装置21でノズル出口部9に
所望のマッハ数M2extの気流が得られるように、超音速
ノズル4軸方向でのマッハ数M2 の増加曲線を求めると
ともに、超音速ノズル4各位置での質量の吸引量を求め
る。次に、超音速ノズル4各位置での質量の吸引量のデ
ータを演算処理装置21から制御装置20へ送るととも
に、制御装置20はこのデータにより各流量制御弁14
の開口率を調節する。次に、吸引排気装置を起動すると
ともに、高圧気体供給源から超音速ノズル4へ作動流体
を導くと、超音速ノズル4では断面積の増加に伴い作動
流体が膨張するとともに、作動流体から質量の一部が超
音速ノズル4の各多孔質壁10のセグメント及び吸引排
気管13を通して吸引排気装置に吸引される。従って、
主流の静圧が所望のマッハ数M2に対応した静圧P2
で低下し、ノズル出口部9に所望のマッハ数M2extが実
現できる。また、プレナム室3,超音速ノズル4及び試
験チャンバー5の圧力変動は圧力センサ22で常時検知
するとともに、それらのデータはデータ収録装置23を
介して演算処理装置21にフィードバックすることによ
り、圧力変動が生じた場合でも流量制御弁14の開口率
を自動的に調節することにより質量の吸引量を調節し、
超音速ノズル4の内部に適正なマッハ数分布とする。ま
た、作動流体の主流の質量を絶縁板11で挟まれた多孔
質壁10のセグメントを通して吸引することにより、吸
気速度の軸方向成分を小さくすることができる。なお、
質量の吸引量は吸引排気装置の吸引圧力を変えた場合で
も変更することができる。
【0018】本発明によれば、超音速風洞において、超
音速ノズル軸方向の各位置から吸引する質量を演算処理
装置で求めるとともに、流量制御弁の開口率を自動的に
調節することにより質量の吸引量を変更できるので、気
流のマッハ数を容易に設定できるという効果がある。ま
た、作動流体の質量の一部を超音速ノズルの多孔質壁を
通して半径方向へ吸引するとともに、流量制御弁によっ
て質量の吸引量を調節することにより主流の質量を変更
することができるので、一つの超音速ノズルで広範囲に
マッハ数が設定できるという効果がある。
【0019】次に、本発明の第4の実施例を図6により
説明する。超音速ノズル4は、第1の実施例と同様にノ
ズルスロート8の下流側が多孔質壁10を軸方向に複数
に分割するとともに、各多孔質壁10のセグメントとセ
グメントの間を流体を通さない絶縁板11で絶縁した構
造としてある。そのため、絶縁板11で挟まれた多孔質
壁10のセグメントを通して質量を吸引すると、絶縁板
11によって吸気速度の方向が制限されるので吸気速度
の軸方向成分を小さくすることができる。また、超音速
ノズル4の壁面厚さは、圧力の高いノズルスロート8近
傍を厚くして質量の吸引抵抗を大きくし、圧力が低くな
るノズル出口部9に近づくに従って薄くして吸引抵抗を
小さくしてある。これにより、超音速ノズル4の軸方向
に渡って各位置から吸引する質量の吸引量を適正にでき
るので、ノズル出口部9に均質な流れを発生させること
ができる。また、超音速ノズル4の外壁面側は、吸引室
12で外気から遮蔽するとともに、吸引室12と図示し
ない吸引排気装置は吸引排気管13によって接続してあ
る。また、吸引排気管13には流量制御弁14が設置し
てあり吸引圧力を任意に設定することができる。なお、
質量の吸引量は吸引排気装置の吸引圧力を変えた場合で
も変更することができる。
【0020】本発明によれば、超音速風洞において、作
動流体の質量の一部を超音速ノズルの多孔質壁を通して
半径方向へ吸引するとともに、流量制御弁によって質量
の吸引量を調節することにより主流の質量を変更するこ
とができるので、一つの超音速ノズルで広範囲にマッハ
数が設定できるという効果がある。また、作動流体の質
量の一部を絶縁板で挟まれた多孔質壁のセグメントを通
して吸引することにより、吸気速度の軸方向成分を小さ
くできるので、マッハ数を効率良く増加できるという効
果がある。さらに、超音速ノズル軸方向の圧力に応じて
多孔質壁の壁面厚さを変えて吸引抵抗を変えることによ
り、超音速ノズル軸方向の各位置から吸引する質量を適
正に設定できるという効果がある。
【0021】第4の実施例では、超音速ノズル4の各多
孔質壁10のセグメントの厚さを変えることによって各
セグメントの吸引抵抗を変更したが、各セグメント毎に
吸引抵抗が異なる多孔質壁10を使用した場合でも第4
の実施例と同様の効果が得られる。すなわち、ノズルス
ロート8近傍は吸引抵抗の大きい多孔質壁とし、ノズル
出口部9に近づくに従って吸引抵抗の小さい多孔質壁と
した場合でも同様の効果が得られる。
【0022】本発明の第5の実施例を図7により説明す
る。本実施例は、第4の実施例において質量の吸引量を
自動的に調節するため、演算処理装置21,制御装置2
0及びデータ収録装置23を構成するとともに、プレナ
ム室3,吸引室12及び試験チャンバー5に圧力センサ
22を設置する。演算処理装置21で超音速ノズル4の
内部から吸引する質量の吸引量を算出して制御装置20
を介して流量制御弁14の開口率を調節する。次に、高
圧気体供給源より高圧気体を超音速ノズル4へ導くと、
超音速ノズル4では断面積の増加に伴い作動流体が膨張
するとともに、作動流体から質量の一部は超音速ノズル
4の多孔質壁10の各セグメントを通して吸引排気装置
に吸引されるので、ノズル出口部9に所望のマッハ数が
得られる。また、プレナム室3,吸引室12及び試験チ
ャンバー5の内部の圧力変動は圧力センサ22で常時検
知するとともに、それらのデータはデータ収録装置23
を介して演算処理装置21にフィードバックする。その
ため、圧力変動が生じた場合でも制御装置20を介して
流量制御弁14の開口率を自動的に調節して質量の吸引
量を調節し、超音速ノズル4の内部に適正なマッハ数分
布を保持することができる。
【0023】本発明によれば、超音速風洞において、超
音速ノズル軸方向の各位置から吸引する質量を演算処理
装置で求めるとともに、その質量の吸引量に合わせて流
量制御弁の開口率を自動的に調節できるのでマッハ数が
容易に設定できるという効果がある。また、作動流体の
質量の一部を超音速ノズルの多孔質壁を通して半径方向
へ吸引するとともに、流量制御弁によって質量の吸引量
を調節することにより主流の質量を変更することができ
るので、一つの超音速ノズルで広範囲にマッハ数が設定
できるという効果がある。
【0024】次に、本発明の第6の実施例を図8により
説明する。本実施例では、超音速ノズル4のノズルスロ
ート8下流側の壁面を一体型の多孔質壁10で形成する
ようにしたもので、半径方向への吸引圧力が大きい場
合、または質量吸引時の吸気速度の軸方向成分を小さく
できる指向性の強い多孔質壁10を使用した場合、吸気
速度の軸方向成分を小さくできるのでマッハ数を効率良
く増加させることができる。また、超音速ノズル4の壁
面の厚さは、圧力の高いノズルスロート8近傍を厚く
し、圧力の低くなるノズル出口部9に近づくに従って薄
くして超音速ノズル4の軸方向に渡って質量の吸引抵抗
を変える構造としてある。また、超音速ノズル4の外壁
面側は吸引室12で外気から遮蔽するとともに、吸引室
12と図示しない吸引排気装置は吸引排気管13によっ
て接続してある。さらに、吸引排気管13には流量制御
弁14を設置しており質量の吸引量を任意に設定するこ
とができる。なお、質量の吸引量は、吸引排気装置の圧
力を変えた場合でも変更することができる。
【0025】本発明によれば、超音速風洞において、作
動流体の質量の一部を超音速ノズルの多孔質壁を通して
半径方向へ吸引するとともに、流量制御弁によって質量
の吸引量を調節することにより主流の質量を変更するこ
とができるので、一つの超音速ノズルで広範囲にマッハ
数が設定できるという効果がある。また、超音速ノズル
軸方向の圧力に応じて壁面厚さを変えて吸引抵抗を変え
ることにより、超音速ノズル軸方向の各位置から吸引す
る質量を適正に設定できるという効果がある。本発明の
第7の実施例を図9により説明する。本実施例は、第6
の実施例において質量の吸引量を自動的に調節するた
め、演算処理装置21,制御装置20及びデータ収録装
置23を構成するとともに、プレナム室3,吸引室12
及び試験チャンバー5に圧力センサ22を設置する。演
算処理装置21で超音速ノズル4の内部から吸引する質
量の吸引量を算出して制御装置20を介して流量制御弁
14の開口率を調節する。次に、高圧気体供給源より高
圧気体を超音速ノズル4へ導くと、超音速ノズル4では
断面積の増加に伴い作動流体が膨張するとともに、作動
流体から質量の一部が超音速ノズル4の多孔質壁10の
各セグメントを通して吸引排気装置に吸引されるので、
ノズル出口部9に所望のマッハ数が得られる。また、プ
レナム室3,吸引室12及び試験チャンバー5の内部の
圧力変動は圧力センサ22で常時検知するとともに、そ
れらのデータはデータ収録装置23を介して演算処理装
置21にフィードバックする。そのため、圧力変動が生
じた場合でも制御装置20を介して流量制御弁14の開
口率を自動的に調節して質量の吸引量を調節し、超音速
ノズル4の内部に適正なマッハ数分布を保持することが
できる。
【0026】本発明によれば、超音速風洞において、軸
方向の超音速ノズル各位置から吸引する質量を演算処理
装置で求めるとともに、その質量の吸引量に合わせて流
量制御弁の開口率を自動的に調節できるのでマッハ数が
容易に設定できるという効果がある。また、作動流体の
質量の一部を超音速ノズルの多孔質壁を通して半径方向
へ吸引するとともに、流量制御弁によって質量の吸引量
を調節することにより主流の質量を変更することができ
るので、一つの超音速ノズルで広範囲にマッハ数が設定
できるという効果がある。
【0027】本発明の第8の実施例を図10により説明
する。ノズル出口部9とディフューザ7入口部の間に作
動流体が自由噴流するフリージェット空間19を有する
超音速風洞の場合、作動流体がディフューザ7へ吸引さ
れる際にエゼクタ効果が発生して試験チャンバー5の内
部圧力がノズル出口部9と同等またはそれ以下の静圧ま
で低下する。そのため、超音速ノズル4の内部と試験チ
ャンバー5の間には圧力差が生じるので、超音速ノズル
4の内部と試験チャンバー5の内部を連通するように構
成することにより、作動流体の主流から質量の一部を半
径方向へ吸引することができる。本実施例は、このエゼ
クタ効果を利用して作動流体の質量の一部を超音速ノズ
ル4内部から半径方向へ吸引して主流のマッハ数を変更
するようにしたものである。超音速風洞の構成として
は、多孔質壁10と絶縁板11を交互に組み合わせた超
音速ノズル4と、その外壁面側に取り付け複数の吸引孔
または吸引スリット16を有し質量の吸引量を調節する
スライド式バルブ17a,17bと、スライド式バルブ
可動部17bを移動させ開口率を変更するジャッキ18
と、フリージェット空間19を外気から遮蔽する試験チ
ャンバー5から成る。なお、ジャッキ18の他端は吸引
室12に固定してあるため、ジャッキ18を伸縮させる
ことによりスライド式バルブ17a,17bを開閉する
ことができる。また、スライド式バルブ可動部17bの
駆動装置は、直進運動をする駆動装置であればジャッキ
18と同様の効果が得られる。
【0028】作動流体を超音速ノズル4からフリージェ
ット空間19へ噴出して超音速風洞が作動すると、試験
チャンバー5の内部にはエゼクタ効果が発生して圧力が
低下し、超音速ノズル4の内部と試験チャンバー5の内
部に圧力差が生じる。そのため、超音速ノズル4の内部
から質量の一部が多孔質壁10を通して試験チャンバー
5の内部に吸引される。また、質量の吸引量はスライド
式バルブ17a,17bの開口率を調節することにより、
作動流体の主流の質量を所望のマッハ数に対応させるこ
とができるのでノズル出口部9に所望のマッハ数を実現
することができる。
【0029】本発明によれば、フリージェット空間を有
する超音速風洞において、超音速ノズル内部と試験チャ
ンバー内部を連通するように構成することにより、エゼ
クタ効果によって超音速ノズルの内部から試験チャンバ
ーの内部へ作動流体の質量の一部を吸引できるととも
に、スライド式バルブの開口率を調節することによって
吸引量が変更できるので、一つの超音速ノズルで広範囲
にマッハ数が設定できるという効果がある。
【0030】本発明の第9実施例を図11により説明す
る。本実施例は、第8の実施例において質量の吸引量を
自動的に調節するため、演算処理装置21,制御装置2
0及びデータ収録装置23を構成するとともに、プレナ
ム室3,超音速ノズル4及び試験チャンバー5に圧力セ
ンサ22を設置する。演算処理装置21で超音速ノズル
4の内部から吸引する質量の吸引量を算出するとともに
制御装置20を介してジャッキ18を作動させ、スライ
ド式バルブ17a,17bの開口率を調節する。次に、
高圧気体供給源から高圧気体を超音速ノズル4へ導く
と、超音速ノズル4では断面積の増加に伴い作動流体が
膨張するとともに、作動流体から質量の一部が超音速ノ
ズル4の各多孔質壁10のセグメントを通して吸引排気
装置に吸引されるので、ノズル出口部9に所望のマッハ
数が得られる。また、プレナム室3,超音速ノズル4及
び試験チャンバー5の内部の圧力変動は圧力センサ22
で常時検知するとともに、それらのデータはデータ収録
装置23を介して演算処理装置21にフィードバックす
る。そのため、圧力変動が生じた場合でも制御装置20
を介してスライド式バルブ17a,17bの開口率を自
動的に調節して質量の吸引量を調節し、超音速ノズル4
の内部に適正なマッハ数分布を保持する。
【0031】本発明によれば、超音速風洞において、超
音速ノズルから吸引する質量を演算処理装置で求めると
ともに、その質量の吸引量に合わせてスライド式バルブ
の開口率を自動的に調節できるのでマッハ数が容易に設
定できるという効果がある。また、作動流体の質量の一
部を超音速ノズルの多孔質壁を通して半径方向へ吸引す
るとともに、スライド式バルブによって質量の吸引量を
調節することにより主流の質量を変更することができる
ので、一つの超音速ノズルで広範囲にマッハ数が設定で
きるという効果がある。
【0032】次に、本発明の第10の実施例を図12に
より説明する。本実施例は、ノズル出口部9と試験モデ
ル6の設置場所の間の試験チャンバー5に設けた質量吸
引部15から、作動流体の質量の一部を半径方向へ吸引
してマッハ数を変更するようにしたものである。質量吸
引部15の壁面は多孔質壁10を軸方向に複数に分割す
るとともに、各多孔質壁10のセグメントとセグメント
の間を流体を通さない絶縁板11で絶縁した構造として
ある。また、その外壁面側には複数の吸引孔まては吸引
スリット16を有するスライド式バルブ17a,17b
が設置してあり、開口率を軸方向に連続的に変えること
ができる。また、スライド式バルブ可動部17bにはジ
ャッキ18が接続してあり、ジャッキ18の他端は吸引
室12に固定してある。そのため、ジャッキ18を伸縮
させることによりスライド式バルブ17a,17bを開
閉することができる。また、スライド式バルブ17a,
17bの外側は吸引室12によって外気から遮蔽してお
り、吸引室12と図示しない吸引排気装置は吸引排気管
13によって接続してある。なお、スライド式バルブ可
動部17bの駆動装置は直進運動する駆動装置であれば
ジャッキ18と同様の効果が得られる。
【0033】ここで、超音速風洞の運転方法について説
明する。質量吸引部16から吸引する質量をスライド式
バルブ17a,17bの開口率を調節して設定後、吸引
排気装置を起動する。この状態で、作動流体を高圧気体
供給源から超音速ノズル4へ導くと、ノズル出口部9に
はノズルスロート8とノズル出口部9の面積比に対応し
た超音速ノズル4固有のマッハ数の超音速流れが発生す
る。また、質量吸引部15では作動流体の質量の一部が
多孔質壁10,吸引室12及び吸引排気管13を通して
吸引排気装置に吸引され、試験モデル6の設置場所にお
いて所望のマッハ数の超音速流れが得られる。また、作
動流体の質量を絶縁板11で挟まれた多孔質壁10のセ
グメント及びスライド式バルブ17a,17bを通して
吸引することにより、吸気速度の軸方向成分を小さくす
ることができる。なお、質量の吸引量は、吸引排気装置
の吸引圧力を変えた場合でも変更することができる。
【0034】本発明によれば、超音速風洞において、試
験チャンバーの質量吸引部を通して作動流体の質量の一
部を半径方向へ吸引するとともに、質量の吸引量をスラ
イド式バルブの開口率を調節することにより設定できる
ので、一つの超音速ノズルで広範囲にマッハ数が設定で
きるという効果がある。また、スライド式バルブの開口
率は軸方向に連続的に変えられるので、質量の吸引量を
質量吸引部の軸方向に連続的に変更できるという効果が
ある。
【0035】本発明の第11の実施例を図13により説
明する。本実施例は、第10の実施例において質量の吸
引量を自動的に調節するため、演算処理装置21,制御
装置20及びデータ収録装置23を構成するとともに、
プレナム室3,質量吸引部15及び吸引室12に圧力セ
ンサ22を設置する。演算処理装置21で質量吸引部か
らの質量の吸引量を算出し、制御装置20を介してジャ
ッキ18を作動させてスライド式バルブ17a,17b
の開口率を調節する。次に、高圧気体供給源より高圧気
体を超音速ノズル4へ導くと、超音速ノズル4では断面
積の増加に伴い作動流体が膨張するとともに、質量吸引
部15からは作動流体の質量の一部が吸引排気装置に吸
引されるので、試験モデル6設置場所に所望のマッハ数
が得られる。また、プレナム室3,吸引室12及び質量
吸引部15の圧力変動は圧力センサ22で常時検知する
とともに、それらのデータはデータ収録装置23を介し
て演算処理装置21にフィードバックする。そのため、
圧力変動が生じた場合でも制御装置20を介してスライ
ド式バルブ17a,17bの開口率を自動的に調節して
質量の吸引量を調節し、試験チャンバー5の試験モデル
6の設置場所に適正なマッハ数分布を保持する。
【0036】本発明によれば、超音速風洞において、試
験チャンバーの質量吸引部から吸引する質量を演算処理
装置で求めるとともに、質量の吸引量に合わせてスライ
ド式バルブの開口率を自動的に調節できるのでマッハ数
が容易に設定できるという効果がある。また、作動流体
の質量の一部を試験チャンバーの質量吸引部の多孔質壁
を通して半径方向へ吸引するとともに、スライド式バル
ブによって質量の吸引量を調節することにより主流の質
量を変更することができるので、一つの超音速ノズルで
広範囲にマッハ数が設定できるという効果がある。
【0037】図14は第10の実施例または第11の実
施例において、試験チャンバー5の質量吸引部15から
質量を半径方向へ吸引する際に、質量吸引部15で質量
を効率良く吸引し、質量吸引部出口部において均質な流
れが得られる質量吸引部15の軸方向の吸引圧力分布を
示したもので、横軸が質量吸引部の軸方向位置X,縦軸
が質量吸引部の吸引圧力P3 である。吸引圧力P3 は、
質量吸引部15の前半では圧力勾配を大きくして急激に
低下させ、後半では圧力勾配を緩やかに低下させて質量
を吸引するようにしたものである。このような圧力分布
で質量を半径方向へ吸引することにより、質量吸引部1
5を短くできるので超音速風洞を小型化できるととも
に、質量吸引部15の出口部の試験モデル6設置場所の
計測位置において均質な流れが得られるという効果があ
る。
【0038】また、図14に示すような圧力分布で試験
チャンバー5の質量吸引部15から質量を吸引するた
め、第10の実施例または第11の実施例において超音
速ノズル4に近い質量吸引部15の前半には吸引抵抗の
小さい多孔質壁10を使用し、下流側になるに従って吸
引抵抗の大きい多孔質壁10を使用することにより、図
14に示すような圧力分布で質量を吸引することができ
る。または、超音速ノズル4に近い質量吸引部15の前
半では多孔質壁の厚さを薄くして吸引抵抗を小さくし、
下流側になるに従って多孔質壁を厚くして吸引抵抗を大
きくすることにより、図14に示すような圧力分布で質
量を吸引することができる。
【0039】第11の実施例において図14に示すよう
な質量の吸引圧力に設定するとともに質量の吸引量を自
動的に調節するため、第11の実施例と同様に演算処理
装置21,制御装置20及びデータ収録装置23を構成
するとともに、プレナム室3,吸引室12及び質量吸引
部15に圧力センサ22を設置する。また、質量吸引部
15は超音速ノズル4に近い前半に吸引抵抗の小さい多
孔質壁10を使用し、下流側になるに従って吸引抵抗の
大きい多孔質壁10を使用する。または、超音速ノズル
4に近い前半では多孔質壁10の厚さを薄くして吸引抵
抗を小さくし、下流側になるに従って多孔質壁10を厚
くして吸引抵抗を大きくする。
【0040】演算処理装置21で質量吸引部15からの
質量の吸引量を算出するとともに、制御装置20を介し
てジャッキ18を作動させてスライド式バルブ17a,
17bの開口率を設定する。次に、高圧気体供給源より高
圧気体を超音速ノズル4へ導くと、超音速ノズル4では
断面積の増加に伴い作動流体が膨張するとともにノズル
出口部9には超音速ノズル4固有のマッハ数の超音速流
れが得られる。一方、質量吸引部15では、軸方向の吸
引抵抗が前半は小さく後方になるに従って大きくなるの
で、図14に示すような圧力分布で作動流体の質量の一
部が吸引排気装置に吸引されるため、試験モデル6の設
置場所において所望のマッハ数が得られる。また、プレ
ナム室3,吸引室12及び質量吸引部15の圧力変動は
圧力センサ22で常時検知するとともに、それらのデー
タはデータ収録装置23を介して演算処理装置21にフ
ィードバックされる。そのため、圧力変動が生じた場合
でも制御装置20を介してスライド式バルブ17a,1
7bの開口率が自動的に調節されるため、試験チャンバ
ー5の試験モデル6の設置場所には所望のマッハ数が保
持できる。これにより、試験チャンバー5の質量吸引部
15を短くできるので、超音速風洞が小型化できるとと
もに質量の吸引量を自動的に調節できるという効果があ
る。
【0041】第10の実施例または第11の実施例と第
1の実施例または第3の実施例または第4の実施例また
は第5の実施例または第6の実施例または第7の実施例
または第8の実施例または第9の実施例を組み合わせ
て、超音速ノズル及び試験チャンバーの両方に質量吸引
部を設けた場合でも、作動流体の質量の一部をそれぞれ
の質量吸引部を通して吸引するとともに、流量制御弁ま
たはスライド式バルブの開口率を調節することにより質
量の吸引量を設定できるので、一つの超音速ノズルで広
範囲にマッハ数が設定できるという効果がある。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、超音速風洞において、
超音速ノズルまたは試験チャンバーに設けた質量吸引部
の多孔質壁を通して作動流体の質量の一部を半径方向へ
吸引するとともに、質量の吸引量を流量制御弁またはス
ライド式バルブで調節することにより主流の質量を変更
できるので、一つの超音速ノズルで広範囲にマッハ数が
設定できるという効果がある。
【0043】また、本発明によれば、作動流体の質量の
一部を超音速ノズルまたは試験チャンバーの絶縁板で挟
まれた多孔質壁のセグメントを通して吸引することによ
り、吸気速度の軸方向成分を小さくできるので、マッハ
数を効率良く増加させることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例の縦断面図である。
【図2】従来技術の構成図である。
【図3】吸気速度の軸方向成分の影響を示す図である。
【図4】本発明による第2の実施例を示す図である。
【図5】本発明による第3の実施例を示す図である。
【図6】本発明による第4の実施例の縦断面図である。
【図7】本発明による第5の実施例の縦断面図である。
【図8】本発明による第6の実施例の縦断面図である。
【図9】本発明による第7の実施例の縦断面図である。
【図10】本発明による第8の実施例の縦断面図であ
る。
【図11】本発明による第9の実施例の縦断面図であ
る。
【図12】本発明による第10の実施例の縦断面図であ
る。
【図13】本発明による第11の実施例の縦断面図であ
る。
【図14】質量吸引圧力曲線を示す図である。
【符号の説明】
1…高圧気体供給源、2…高圧気体供給管、3…プレナ
ム室、4…超音速ノズル、5…試験チャンバー、6…試
験モデル、7…ディフューザ、8…ノズルスロート、9
…ノズル出口部、10…多孔質壁、11…絶縁板、12
…吸引室、13…吸引排気管、14…流量制御弁、15
…質量吸引部、16…吸引孔またはスリット、17a…
スライド式バルブ固定部、17b…スライド式バルブ可
動部、18…ジャッキ、19…フリージェット空間、2
0…制御装置、21…演算処理装置、22…圧力セン
サ、23…データ収録装置、24…圧力導管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池川 正人 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 相原 康彦 東京都世田谷区松原6丁目41番13号

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧気体を貯留する高圧気体供給源と,高
    圧気体を超音速ノズルへ導く高圧気体供給管と,その下
    流側に設置され作動流体を膨張させ加速する超音速ノズ
    ルと,超音速ノズルを通して膨張した気体を外気から遮
    蔽するとともに試験モデルを設置する試験チャンバー
    と,試験チャンバーに流出した気体を排気圧力まで上昇
    させ排気系へ導くディフューザ及び排気系からなる超音
    速風洞において、超音速ノズルを流体を通す多孔質壁と
    流体を通さない絶縁板を軸方向に交互に組み合わせた構
    造にするとともに、多孔質壁の外壁面を外気から遮蔽す
    る吸引室と,吸引室と吸引排気装置を接続する吸引排気
    管及び吸引排気装置を設け、作動流体の質量の一部を超
    音速ノズル内部から多孔質壁を通して半径方向へ吸引し
    て主流の質量を変更することにより、気流のマッハ数が
    変更できることを特徴とする超音速風洞。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の超音速風洞において、質
    量の吸引量を多孔質壁のセグメント毎に設定するととも
    に、超音速ノズル内部からこれらの多孔質壁を通して作
    動流体の質量の一部を半径方向へ吸引して主流の質量を
    変更することにより、気流のマッハ数が変更できること
    を特徴とする超音速風洞。
  3. 【請求項3】超音速ノズルの多孔質壁のセグメント毎に
    吸引室で外気から遮蔽し、各吸引室と吸引排気装置を吸
    引排気管で接続するとともに各吸引排気管に質量の吸引
    量を調節する流量制御弁を設置し、各流量制御弁の開口
    率を調節して超音速ノズル内部から作動流体の質量の一
    部を半径方向へ吸引して主流の質量を変更することによ
    り、気流のマッハ数が変更できることを特徴とする請求
    項2に記載の超音速風洞。
  4. 【請求項4】所望のマッハ数に対応した超音速ノズル軸
    方向の圧力分布曲線を算出するとともに、超音速ノズル
    軸方向の圧力分布がこの圧力分布曲線に対応するように
    超音速ノズル内部から作動流体の質量の一部を半径方向
    へ吸引して主流の質量を変更することにより、気流のマ
    ッハ数が変更できることを特徴とする請求項1または請
    求項2または請求項3に記載の超音速風洞。
  5. 【請求項5】超音速ノズルの多孔質壁の厚さをセグメン
    ト毎に変えることにより質量の吸引抵抗をセグメント毎
    に設定し、これらの多孔質壁のセグメントを通して超音
    速ノズル内部から作動流体の質量の一部を半径方向へ吸
    引して主流の質量を変更することにより、気流のマッハ
    数が変更できることを特徴とする請求項2に記載の超音
    速風洞。
  6. 【請求項6】超音速ノズルの多孔質壁のセグメント毎に
    吸引抵抗が異なる多孔質壁を使用するとともに、この多
    孔質壁のセグメントを通して超音速ノズル内部から作動
    流体の質量の一部を半径方向へ吸引して主流の質量を変
    更することにより、気流のマッハ数が変更できることを
    特徴とする請求項2に記載の超音速風洞。
  7. 【請求項7】高圧気体を貯留する高圧気体供給源と,高
    圧気体を超音速ノズルへ導く高圧気体供給管と,その下
    流側に設置され作動流体を膨張させ加速する超音速ノズ
    ルと,超音速ノズルを通して膨張した気体がフリージェ
    ット空間に噴出し、その噴出した気体を外気から遮蔽す
    るとともに試験モデルを設置する試験チャンバーと、試
    験チャンバーに噴出した気体を排気圧力まで上昇させ排
    気系へ導くディフューザ及び排気系からなる超音速風洞
    において、超音速ノズルを多孔質壁と絶縁板を交互に組
    み合わせた構造にするとともに、各多孔質壁の外壁面側
    と試験チャンバー内部を連通するように構成し、超音速
    風洞が作動時に発生するエゼクタ効果によって、超音速
    ノズル内部から作動流体の質量の一部を試験チャンバー
    内部へ吸引して主流の質量を変更することにより、気流
    のマッハ数が変更できることを特徴とする超音速風洞。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の超音速風洞において、試
    験チャンバーに多孔質壁と絶縁板を交互に組み合わせた
    質量吸引部と,その外側に開口率を軸方向に連続的に変
    更できるスライド式バルブと,質量吸引部を外気から遮
    蔽する吸引室と,吸引室と吸引排気装置を接続する吸引
    排気管及び吸引排気装置を構成し、試験チャンバー内部
    から質量吸引部の多孔質壁を通して作動流体の質量の一
    部を半径方向へ吸引して主流の質量を変更することによ
    り、気流のマッハ数が変更できることを特徴とする超音
    速風洞。
  9. 【請求項9】請求項8に記載した試験チャンバーを設置
    したことを特徴とする請求項1または請求項2または請
    求項3または請求項4または請求項5または請求項6ま
    たは請求項7に記載の超音速風洞。
  10. 【請求項10】超音速ノズル上流の貯気圧を検知する圧
    力センサと超音速ノズル内壁面静圧の圧力を検知する圧
    力センサと試験チャンバー内の圧力を検知する圧力セン
    サを設け、圧力センサからの信号を収録するデータ収録
    装置とこれらの圧力信号を演算処理する演算処理装置と
    その演算結果から流量制御弁を自動的に操作するための
    制御装置を設けて質量吸引部での質量の吸引量を自動的
    に設定して、超音速ノズル内部から作動流体の質量の一
    部を半径方向へ吸引して主流の質量を変更することによ
    り、気流のマッハ数が変更できることを特徴とする請求
    項1または請求項2または請求項3または請求項4に記
    載の超音速風洞。
  11. 【請求項11】超音速ノズル上流の貯気圧を検知する圧
    力センサと吸引室内の圧力を検知する圧力センサと試験
    チャンバー内の圧力を検知する圧力センサを設け、圧力
    センサからの信号を収録するデータ収録装置とこれらの
    圧力信号を演算処理する演算処理装置とその演算結果か
    ら流量制御弁を自動的に操作するための制御装置を設け
    て超音速ノズルまたは試験チャンバーの質量吸引部での
    質量の吸引量を自動的に設定して、質量吸引部から作動
    流体の質量の一部を半径方向へ吸引し、主流の質量を変
    更することにより、気流のマッハ数が変更できることを
    特徴とする請求項5または請求項6または請求項8に記
    載の超音速風洞。
  12. 【請求項12】超音速ノズル上流の貯気圧を検知する圧
    力センサと超音速ノズル出口部の圧力を検知する圧力セ
    ンサと試験チャンバー内の圧力を検知する圧力センサを
    設け、圧力センサからの信号を収録するデータ収録装置
    とこれらの圧力信号を演算処理する演算処理装置とその
    演算結果から流量制御弁を自動的に操作するための制御
    装置を設けて質量吸引部での質量の吸引量を自動的に設
    定して、超音速ノズル内部から作動流体の質量の一部を
    半径方向へ吸引し、主流の質量を変更することにより、
    気流のマッハ数が変更できることを特徴とする請求項7
    に記載の超音速風洞。
JP17644794A 1994-07-28 1994-07-28 超音速風洞 Pending JPH0843248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17644794A JPH0843248A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 超音速風洞

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17644794A JPH0843248A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 超音速風洞

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0843248A true JPH0843248A (ja) 1996-02-16

Family

ID=16013872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17644794A Pending JPH0843248A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 超音速風洞

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0843248A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006517498A (ja) * 2003-01-16 2006-07-27 エルベ シモエン エア噴射装置の付属品及び該付属品を備える噴射装置
CN103868670A (zh) * 2014-03-21 2014-06-18 西北工业大学 一种连续式跨声速风洞实验段流场马赫数控制方法
CN106813890A (zh) * 2016-12-19 2017-06-09 中国航天空气动力技术研究院 一种用于风洞跨声速试验前室超压的预判方法
KR101869648B1 (ko) * 2017-03-23 2018-06-21 국방과학연구소 풍동시험모형의 유량교정 시험장치 및 이를 이용한 유량교정 시험방법
CN108662173A (zh) * 2018-07-02 2018-10-16 中北大学 一种用于连接激波管低压段与真空泵的阀门
CN109596302A (zh) * 2018-11-02 2019-04-09 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种飞行器模型低速风洞实验的流量控制引射系统
CN110160734A (zh) * 2019-05-23 2019-08-23 华中科技大学 基于多孔介质的风洞喷管、主动降噪装置及方法
CN110411704A (zh) * 2019-08-13 2019-11-05 中国空气动力研究与发展中心低速空气动力研究所 一种用于低速风洞飞行器进排气模拟试验的引射器模块
CN113390600A (zh) * 2021-07-26 2021-09-14 中国空气动力研究与发展中心计算空气动力研究所 用于热解气体气动热效应的激波风洞试验模拟装置及方法
CN118150108A (zh) * 2024-05-11 2024-06-07 中国空气动力研究与发展中心超高速空气动力研究所 高马赫数稀薄气体流动生成方法以及边界层控制喷管

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006517498A (ja) * 2003-01-16 2006-07-27 エルベ シモエン エア噴射装置の付属品及び該付属品を備える噴射装置
CN103868670A (zh) * 2014-03-21 2014-06-18 西北工业大学 一种连续式跨声速风洞实验段流场马赫数控制方法
CN106813890A (zh) * 2016-12-19 2017-06-09 中国航天空气动力技术研究院 一种用于风洞跨声速试验前室超压的预判方法
KR101869648B1 (ko) * 2017-03-23 2018-06-21 국방과학연구소 풍동시험모형의 유량교정 시험장치 및 이를 이용한 유량교정 시험방법
CN108662173A (zh) * 2018-07-02 2018-10-16 中北大学 一种用于连接激波管低压段与真空泵的阀门
CN108662173B (zh) * 2018-07-02 2019-08-23 中北大学 一种用于连接激波管低压段与真空泵的阀门
CN109596302A (zh) * 2018-11-02 2019-04-09 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种飞行器模型低速风洞实验的流量控制引射系统
CN110160734A (zh) * 2019-05-23 2019-08-23 华中科技大学 基于多孔介质的风洞喷管、主动降噪装置及方法
CN110411704A (zh) * 2019-08-13 2019-11-05 中国空气动力研究与发展中心低速空气动力研究所 一种用于低速风洞飞行器进排气模拟试验的引射器模块
CN110411704B (zh) * 2019-08-13 2020-11-06 中国空气动力研究与发展中心低速空气动力研究所 一种用于低速风洞飞行器进排气模拟试验的引射器模块
CN113390600A (zh) * 2021-07-26 2021-09-14 中国空气动力研究与发展中心计算空气动力研究所 用于热解气体气动热效应的激波风洞试验模拟装置及方法
CN118150108A (zh) * 2024-05-11 2024-06-07 中国空气动力研究与发展中心超高速空气动力研究所 高马赫数稀薄气体流动生成方法以及边界层控制喷管

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104848904B (zh) 进气道流量测量系统
CN113049210B (zh) 一种气流能量掺混的测量系统
US5396793A (en) Altitude gas turbine engine test cell
JPH0843248A (ja) 超音速風洞
CN108388281A (zh) 引射驱动的闭环回流的暂冲式超声速风洞流场控制方法
US8052388B2 (en) Gas turbine engine systems involving mechanically alterable vane throat areas
CN104897406A (zh) 一种旋转冲压压缩转子平面叶栅实验系统
CN113029573B (zh) 一种低雷诺数平面叶栅高空流动模拟装置
US2957306A (en) Gas jets for controlling entrance and/or exit flow effective diameter
CN113339332A (zh) 用于航空发动机的单涵道引射装置
US10781756B2 (en) Active tip clearance control system for gas turbine engine
US8371162B2 (en) Apparatus and method for testing a compressor
US2729974A (en) Transonic flow control with reduced power
CN113309636A (zh) 用于航空发动机的双涵道引射装置
US6920890B2 (en) Airflow controller
JP2001271710A (ja) ジェットエンジン用騒音低減装置及び排気ノズル
SE439441B (sv) Sett att reducera ljudalstringen vid flerkanalsmunstycken och flerkanalsmunstycke for genomforande av settet
CN116735141A (zh) 一种直流暂冲吹引式亚高超声速风洞的阀门组及工作方法
US3695388A (en) Quiet jet discharge nozzle
JPH10185756A (ja) 連続式風洞装置
JP2914080B2 (ja) 自動車用排出ガスサンプリング装置
CN109781427B (zh) 液体姿控发动机高模试验逆向稀薄来流模拟装置
CN109436346B (zh) 发动机双通道单可动件进气调节方法
JPH05248985A (ja) 風 洞
US20130104557A1 (en) Gas turbine engine cooling valve