JPH0842550A - 炭素繊維炭素複合材料製座金及びその製造方法 - Google Patents

炭素繊維炭素複合材料製座金及びその製造方法

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JPH0842550A
JPH0842550A JP6181531A JP18153194A JPH0842550A JP H0842550 A JPH0842550 A JP H0842550A JP 6181531 A JP6181531 A JP 6181531A JP 18153194 A JP18153194 A JP 18153194A JP H0842550 A JPH0842550 A JP H0842550A
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正晴 橘
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美穂子 山下
Hirotaka Nagao
博孝 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で、高強度、耐熱性、耐熱衝撃性に優れ
る炭素繊維炭素複合材料製座金及びその製造方法を提供
することを目的とする。 【構成】 高温でのゆるみを防止する座金であって、座
金材料として炭素繊維炭素複合材料を用いたことを特徴
とする炭素繊維炭素複合材料製座金及び原料プリフォー
ムドヤーンをヤーン状またはテープ状またはシート状と
して、芯棒に間隙保持用コイル材(中子)とともに少な
くとも1周分巻き付け、原料プリフォームドヤーンとコ
イル材(中子)を交互に配置した後、ホットプレスで約
300〜2000℃,常圧もしくは加圧下で成形し、成形品か
らコイル材(中子)を取外し、必要に応じて 700〜1200
℃で炭化、1500〜3000℃で黒鉛化し、成形品を1周分毎
に切断して炭素繊維炭素複合材料製座金を得ることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来には存在しない全
く新規な炭素繊維炭素複合材料(以下、「C/Cコンポ
ジット」と称す)製座金及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】座金は、機械要素間の締結部材として、
各種の機械、装置或いは機構に用いられており、今日に
おいては、日常家庭用品や工業用品、更にはその他の分
野において、必要不可欠の重要な部品となっている。
【0003】従来の座金は、一般にステンレス鋼、イン
コネル等の金属材料にて製造されているものであり、更
に近年、耐熱性、耐摩耗性及び耐腐食性に優れたセラミ
ックス材料を用いて製造されたものが知られている。
【0004】しかし、金属材料製座金は、耐熱性に劣
り、高温の使用環境下において使用が不可能又は長期的
な使用が不可能である。例えば、金属製座金としては、
ステンレス鋼、低合金鋼、工具鋼などが主に使われる
が、耐熱性合金と称されるものであっても 400℃を越え
る温度では、強度低下及び変形が著しく急激なヘタリが
起こるので、このような環境下では使用できないという
問題があった。またインコネル、ハステロイなどの超耐
熱性合金でも、700 ℃を越える温度では、強度低下及び
変形が著しく、急激なヘタリが起こるので、このような
環境下では座金として使用できないという問題があっ
た。
【0005】また、一般に金属製の座金は種類によって
は錆が発生しやすく、耐摩耗性も劣り、更には磁場の影
響を受けた場合には磁化され易いので、磁場の影響を受
け易い環境下における使用に制限を受ける等という問題
があった。
【0006】窒化珪素、ジルコニアなどのセラミックス
製座金は、繰り返し高温で使用すると破壊する可能性が
高く、従って熱衝撃に弱く、500 〜1000℃を越える温度
で急激に強度低下及び変形または破損する。また靭性が
ないため壊れやすく破損しないように取り扱いが極めて
困難性を伴う等という問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高強
度、高弾性率、軽量である特徴を有するC/Cコンポジ
ットを用いて、高温においても優れた形状及び寸法安定
性を有し、高硬度、耐摩耗性、耐触性、靱性が高く、熱
衝撃に強く、密度が高く、従って高温下での使用におい
てもゆるみを生じさせないC/Cコンポジット製座金及
びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の問題点を解決すべく、高強度、高弾性率、軽量等の特
徴を有するC/Cコンポジットに着目して鋭意研究の結
果、従来の座金では得られない高温における優れた形状
及び寸法安定性、高硬度、耐摩耗性、耐蝕性、高靱性、
強い熱衝撃性、高密度の座金を得ることを知見し、本発
明の完成するに至ったのである。
【0009】すなわち、本発明のC/Cコンポジット製
座金は高温でのゆるみを防止する座金であって、座金材
料としてC/Cコンポジットを用いたことを特徴とする
ものである。
【0010】本発明の座金に用いるC/Cコンポジット
には、含浸法、CVD法等の従来の方法により製造した
C/Cコンポジットの他、好ましくは、プリフォームド
ヤーン法によるC/Cコンポジットを用いることができ
る。
【0011】CVD法により得られるC/Cコンポジッ
トは、炭素繊維を予め簡単に成形し、炉に入れて高温下
で加熱し、次いで炭化水素系ガスを炉内に通して分解炭
化させ、炭素を表面に沈着固化させるものである。
【0012】他に、本発明に用いるC/Cコンポジット
を得る方法として、炭素繊維の束、織布、不織布など
を、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に
より所望の形状に成形した後、不活性ガス雰囲気で熱処
理を行って樹脂を炭化させる方法もある。
【0013】また炭素繊維で強化した樹脂成形体を焼成
炭化し、更に樹脂が炭化する際に分解物が抜けてできた
気孔に樹脂を含浸して炭化する操作を繰り返すことによ
り、本発明に用いるC/Cコンポジットを得る方法もあ
る。
【0014】本発明に使用するC/Cコンポジットに用
いる炭素繊維としては、石油ピッチ若しくはコールター
ルピッチを原料とし、紡糸用ピッチの調整、溶融紡糸、
不融化及び炭素化して得られるピッチ系炭素繊維並びに
アクリロニトリル(共)重合体繊維を耐炎化及び炭素化
して得られるPAN系炭素繊維の何れのものでもよい。
【0015】プリフォームドヤーン法により得られるC
/Cコンポジットが特に好ましく、当該プリフォームド
ヤーンは本件出願人による特願昭61−182483号に記載さ
れた方法により製造するものである。
【0016】プリフォームドヤーンにおいては、炭素繊
維束の周囲に熱可塑性樹脂からなる柔軟な被覆(即ちス
リーブ)が設けられている。
【0017】プリフォームドヤーンで用いる炭素繊維束
は、フィラメントのデニール数が約0.05〜約600 の範囲
内で、フィラメント数が約50〜300000のもの、特にフィ
ラメントのデニール数が約0.25〜約16で、フィラメント
数が約100 〜約48000 のものが好ましく、該スリーブの
肉厚は一般的には、均一なスリーブ形成及びプリフォー
ムドヤーンの柔軟性のため約5〜約1000μm とするのが
良く、特に約10〜約300 μm とするのが好ましい。
【0018】従って、プリフォームドヤーンとしては、
炭素繊維束に含有される最終的にマトリックスとなる粉
末状のピッチ、コークス類の粉末類も含めて、直径約0.
1 〜約10mmの範囲のものが適切であり、約0.5 〜約5mm
のものが好ましい。前記繊維束の周囲に上記スリーブを
設けることによって、プリフォームドヤーンの補強用繊
維含有量は、補強効果及び高品質で均一な成形品を得る
ため約5〜約70容量%の範囲で任意に選択される。
【0019】プリフォームドヤーンにおいて、柔軟なス
リーブ形成材として用いる熱可塑性樹脂は、後加工にお
ける成形温度で完全に溶解する樹脂であり、例えばポリ
アミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド
イミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニ
レンサルファイド等のポリマーが挙げられる。更に具体
的にはポリアミドとしては、ナイロン66、ナイロン12、
ナイロン6/66/12 ターポリマーのようなホモ又はコポリ
マーが用いられる。またポリエステルとしては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリオキシエト
キシベンゾエート、全芳香族ポリエステル等のホモポリ
マー又はこれらコポリマーが用いられる。
【0020】次いで得られた炭素繊維束を熱可塑性樹脂
で被覆してなる比較的太い柔軟性プリフォームドヤーン
と、比較的細い熱可塑性樹脂繊維糸又は比較的細い炭素
繊維束を、その何れか一方を経糸とし、他方を緯糸とし
て製織して一方向プリフォームドシートを製造する。
【0021】当該プリフォームドシートは、本件出願人
による特願昭63−231791号公報に開示されている。当該
プリフォームドシートの経糸若しくは緯糸として用いら
れる熱可塑性樹脂繊維糸は、後加工における成形温度で
完全に溶融する樹脂繊維糸であり、例えばポリアミド、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、ポ
リイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
ファイド等のポリマーの繊維が挙げられる。更に具体的
には、ポリアミド繊維としては、ナイロン66、ナイロン
6、ナイロン12、ナイロン6/66/12 ターポリマーのよう
なホモ又はコポリマーから得られる繊維が用いられ、ま
たポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート、ポリオキシエトキシベンゾエー
ト、全芳香族ポリエステル等のホモポリマー又はこれら
のコポリマーから得られる繊維が用いられ、この熱可塑
性樹脂繊維糸としてはできるだけ細い糸を使用するのが
良く、前記プリフォームドヤーンに対して、直径が1/5
以下のものを使用するのが、プリフォームドヤーンの直
線性を保持して通常織物にしたことによる後加工時の強
度低下を殆どなくすため好ましい。
【0022】更に、プリフォームドヤーンと熱可塑性樹
脂繊維との交織割合は、プリフォームドヤーン中の補強
用繊維と熱可塑性樹脂との割合によって変わり、また成
形後の複合材料の用途によっても変わるが、通常プリフ
ォームドシート全体での補強用繊維の割合が約3〜約70
容量%程度になるようにするのが好ましい。
【0023】本発明の座金には、ばね座金、平座金等が
ある。ばね座金にはコイル系ばね座金、歯付き座金、波
形座金等が含まれ、平座金には波形座金等が含まれる。
【0024】次に本発明のC/Cコンポジット製座金の
製造方法を、本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0025】本発明のC/Cコンポジット製座金の第1
の製造方法は、原料プリフォームドヤーンをヤーン状ま
たはテープ状またはシート状として、芯棒に間隙保持用
コイル材(中子)とともに少なくとも1周分巻き付け、
原料プリフォームドヤーンとコイル材(中子)を交互に
配置した後、ホットプレスで約 300〜2000℃,常圧〜50
0 kg/cm2 の条件下で成形し、成形品からコイル材(中
子)を取外し、次いで必要に応じて 700〜1200℃で炭
化、1500〜3000℃で黒鉛化し成形品を1周分毎に切断す
ることを特徴とするものである。
【0026】さらに、本発明のC/Cコンポジット製座
金の第2の製造方法は、原料プリフォームドヤーンをシ
ート状として、積層し、ホットプレスで 300〜2000℃で
加圧下でブロック状に成形し、この成形品を必要に応じ
て 700〜1200℃で炭化、1500〜3000℃で黒鉛化すること
によりC/Cコンポジット製ブロックを得、このブロッ
クを機械研削加工により座金に成形することを特徴とす
るものである。
【0027】上記ブロックには四角形断面のもの円筒状
のもの等種々の形状のものを用いることができる。ま
た、研削加工としては、例えば座金の円形状の外径、内
径をせん盤により加工した後、せん盤加工その他の研削
加工により、所望の座金形状を削り出すようにする。
【0028】本発明の両方法により、ばね座金及び平座
金の双方が製造できるが、平座金については第2の方法
の方が簡単かつ低コストであるため好ましい。
【0029】温度が 300℃未満だとマトリックスの炭化
が十分に行なわれず、また成形品が十分に作製されない
ため好ましくない。2000℃を超える温度又は500kg/cm2
以上の圧力だと装置的にも大規模なものが必要となり好
ましくない。特に、 300℃以上、好ましくは 500℃以上
でホットプレス処理をおこなった際には成形体中に揮発
分が殆ど残存せず、従って、次いで、黒鉛化処理しても
ガスの発生がないため、気孔が殆どなく、再含浸処理、
炭化処理、黒鉛化処理を繰り返すことなしに、充分な機
械的強度を有する複合材料を得ることができる。
【0030】更に、上記C/Cコンポジット製座金の他
に、酸化防止、浸炭防止、表面の平滑化等のため、C/
Cコンポジット基材の表面に各種のコーティングを施し
たものも使用することができる。
【0031】該コーティングには、SiC, TiC, ZrC, WC,
TiN, ZrN, AlN, BN, Si3N4, Al2O3, TiO2,Cr2O3, SiO
2 等のセラミックス類、Cr, Zr, Ti, Si, B 等の金属
類、ガラス類、グラッシーカーボン等を用いることがで
きる。
【0032】またコーティングする方法としてはCVD
法、PVD法、イオンプレーティング、スパッタリン
グ、溶射、水性ガラスコーティング、レーザー蒸着法、
プラズマ溶射、メッキライニング、塗装等の従来の方法
を用いることができ、コーティングは、最終製品である
座金に直接、又はC/Cコンポジット基材に施してもよ
い。なお、C/Cコンポジットの製法自体はCVD法、
含浸法によるものを用いてもよく、この場合も同様の座
金を製造することができる。
【0033】本発明の方法を用いて、高温で使用するこ
とができる重ね板ばね、引張および圧縮コイルばね、ね
じりコイルばね、ガータスプリング、竹の子ばね、トー
ションバー、渦巻きばね、皿ばね、薄板ばね、線細工ば
ね、輪ばね、ファスナばね、止め輪、スプリングピン、
ばね板ナット、シート用ばね等を製造することもでき
る。
【0034】例えば上記の方法によってC/Cコンポジ
ットを得た後、機械加工により板形状に加工し、これを
重ねて板ばねを製造することができる。またC/Cコン
ポジットを皿ばね形状に機械加工することにより皿ばね
を得ることもできる。
【0035】
【実施例】本発明を次の実施例及び比較例により説明す
る。
【0036】実施例1 炭素繊維含有率(Vf)が40%となるように調製した原
料プリフォームドヤーンをシート(テープ)状として、
芯棒に間隙保持用コイル材(中子)とともに1周分巻き
付けて、原料プリフォームドヤーンとコイル材(中子)
が交互に配置するようにした。これをホットプレスで約
550℃,200 kg/cm2の条件下で成形した。成形品からコ
イル材(中子)を取外し、次いで 800℃で炭化、2000℃
で黒鉛化してC/Cコンポジット製コイルばねを得た
(図1,図2,図3参照)。得られたC/Cコンポジッ
ト製ばね座金は、 密度1.6g/cm3 外径(D)18.4mm 内径(d)10.2mm
幅(b)3.7mm 厚さ(t)2.5mm であった。
【0037】このばね座金をM10(JIS B020
5、JIS B1163)のC/Cコンポジット製のボ
ルトとナットで締めつけ、1200℃に昇温する試験を50回
繰り返し行った後、ボルトとナットを取り外したとこ
ろ、C/Cコンポジット製ばね座金に形状及び寸法の変
化はみられなかった。
【0038】比較例1 インコネル製のばね座金をM10のC/Cコンポジット
製のボルトとナットで締めつけ、1200℃に昇温した後、
ボルトとナットを取り外したところ、インコネル製のば
ね座金は、形状及び寸法が変形してばね特性が消失し再
使用できなかった。
【0039】比較例2 窒化珪素製のばね座金をM10のC/Cコンポジット製
のボルトとナットで締めつけ、1200℃に昇温した後、ボ
ルトとナットを取り外したところ、窒化珪素製のばね座
金は、ばね高さが約10%小さくなった。
【0040】実施例2 炭素繊維含有率(Vf)が40%となるように調製した原
料プリフォームドヤーンをシート又はテープ状として、
芯棒に間隙保持用コイル材(中子)とともに10周分巻き
付けて、原料プリフォームドヤーンとコイル材(中子)
が交互に配置するようにした。これをホットプレスで約
530℃,250 kg/cm2の条件下で成形した。成形品からコ
イル材(中子)を取外し、次いで 800℃で炭化、2000℃
で黒鉛化したものを1周分ずつに切断してC/Cコンポ
ジット製ばね座金を10個を得た。得られたC/Cコンポ
ジット製ばね座金は、 密度1.6g/cm3 外径(D)28mm 内径(d)16.2mm 幅
5.2mm 厚さ(t)4mm であった。
【0041】このばね座金のうち1個をM16(JIS
B0205、JIS B1163)のC/Cコンポジ
ット製のボルトとナットで締めつけ、1200℃に昇温する
試験を100 回繰り返し行った後、ボルトとナットを取り
外したところ、C/Cコンポジット製ばね座金に形状及
び寸法の変化はなかった。
【0042】実施例3 炭素繊維含有率(Vf)が40%となるように調製した原
料プリフォームドヤーンをシート状として積層し、ホッ
トプレスで約550 ℃,200 kg/cm2で成形した。次いで 8
00℃で炭化、2000℃で黒鉛化し、C/Cコンポジット製
の板を得た。これを機械加工によって座金の形状にして
C/Cコンポジット製平座金を得た(図4,図5参
照)。得られた平座金は、 密度1.6g/cm3 外径(D)37mm 内径(d)22mm 厚さ
(t)3.2mm であった。
【0043】このばね座金をM20(JIS B020
5、JIS B1163)のC/Cコンポジット製のボ
ルトとナットで締めつけ、1200℃に昇温する試験を70回
繰り返し行った後、ボルトとナットを取り外したとこ
ろ、C/Cコンポジット製平座金に形状及び寸法の変化
はなかった。
【0044】比較例3 インコネル製の平座金をM20のC/Cコンポジット製
のボルトとナットで締めつけ、1200℃に昇温した後、ボ
ルトとナットを取り外したところ、インコネル製の平座
金は、ボルトとナットの形状に圧痕を生じて使用できな
くなった。
【0045】参考例1 更に、実施例3と実施した条件下で、C/Cコンポジッ
ト製の板を得た後、これを機械加工により幅50mm、厚さ
8mmとして全長600 mmの3枚重ねあわせの重ね板ばねを
製造し(図6,7参照)、そのばね定数は2.1 kg/mmで
あった。
【0046】参考例2 また同様に実施例3を実施した条件下でC/Cコンポジ
ット製の板を得た後、これを機械加工により外径(D)
100 mm、内径(d)50mm、厚さ(t)3mm、高さ(h)
1.5 mmの皿ばねを製造した。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のC/Cコ
ンポジット製座金は、C/Cコンポジット材の性質によ
り金属製座金に比して耐摩耗性、耐蝕性、耐薬品性が良
く、また靭性が高いのでセラミックス製座金ばねに比し
て機械的衝撃に強く、耐熱性が高く、熱衝撃にも強く、
高温での使用においても形状及び寸法の変化を呈さず、
締め付けにゆるみが生ぜず繰り返し使用することができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のC/Cコンポジット製ばね座金の平面
図である。
【図2】本発明のC/Cコンポジット製ばね座金のA−
A側面図である。
【図3】本発明のC/Cコンポジット製ばね座金のA−
A平面図である。
【図4】本発明のC/Cコンポジット製平座金の側面図
である。
【図5】本発明のC/Cコンポジット製平座金の平面図
である。
【図6】本発明の方法を用いて製造した重ね板ばねの側
面図である。
【図7】本発明の方法を用いて製造した重ね板ばねの平
面図である。
【図8】本発明の方法を用いて製造した皿ばねの側面図
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08 (72)発明者 長尾 博孝 埼玉県川口市末広1丁目17番3号 第2川 口ハイツ1F 株式会社アクロス内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温でのゆるみを防止する座金であっ
    て、座金材料として炭素繊維炭素複合材料を用いたこと
    を特徴とする炭素繊維炭素複合材料製座金。
  2. 【請求項2】 上記座金がばね座金である請求項1記載
    の炭素繊維炭素複合材料製座金。
  3. 【請求項3】 上記座金が平座金である請求項1記載の
    炭素繊維炭素複合材料製座金。
  4. 【請求項4】 原料プリフォームドヤーンをヤーン状ま
    たはテープ状またはシート状として、芯棒に間隙保持用
    コイル材(中子)とともに少なくとも1周分巻き付け、
    原料プリフォームドヤーンとコイル材(中子)を交互に
    配置した後、ホットプレスで約300 〜2000℃,常圧〜50
    0 kg/cm2 の条件下で成形し、成形品からコイル材(中
    子)を取外し、次いで必要に応じて 700〜1200℃で炭化
    した後、1500〜3000℃で黒鉛化し、成形品を1周分毎に
    切断して、炭素繊維炭素複合材料製座金を得ることを特
    徴とする炭素繊維炭素複合材料製座金の製造方法。
  5. 【請求項5】 原料プリフォームドヤーンをシート状と
    して、積層し、ホットプレスで 300〜2000℃で加圧下で
    ブロック状に成形し、この成形品を必要に応じて 700〜
    1200℃で炭化、1500〜3000℃で黒鉛化することにより炭
    素繊維炭素複合材料製ブロックを得、このブロックを機
    械研削加工により座金に成形して炭素繊維炭素複合材料
    製座金を得ることを特徴とする炭素繊維炭素複合材料製
    座金の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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