JPH0841114A - 油中水型カチオン性ポリマーエマルジョンおよびその用途 - Google Patents

油中水型カチオン性ポリマーエマルジョンおよびその用途

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JPH0841114A
JPH0841114A JP17447194A JP17447194A JPH0841114A JP H0841114 A JPH0841114 A JP H0841114A JP 17447194 A JP17447194 A JP 17447194A JP 17447194 A JP17447194 A JP 17447194A JP H0841114 A JPH0841114 A JP H0841114A
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JP
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polymer emulsion
polymer
nonionic surfactant
weight
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JP17447194A
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Masahiro Hayashi
昌宏 林
Toshihiro Ikuma
俊裕 伊熊
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水溶解性、分散安定性、保存安定性が良好で
あり、かつ有姿粘度が低い油中水型重合体エマルジョン
であって、高分子凝集剤として使用できるものを提供す
る。 【構成】 特定のカチオン性ビニル単量体を水、疎水性
有機液体、非イオン性界面活性剤の存在下で単独重合、
またはこれと他の水溶性ビニル単量体と共重合させて得
られる油中水型ポリマーエマルジョンであって、(A)
ポリマーの濃度が、20〜70重量%であり、(B)疎
水性有機液体の濃度が、10〜50重量%であり、
(C)非イオン性界面活性剤の濃度が、8重量%以下で
あり、(D)非イオン性界面活性剤として、HLBが8
〜15の非イオン性界面活性剤の少なくとも1種を含む
ものであり、(E)ポリマーの塩水溶液粘度が、65〜
150mPa・sであることを特徴とする油中水型カチ
オン性ポリマーエマルジョン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油中水型カチオン性ポ
リマーエマルジョンおよびその高分子凝集剤としての用
途に関するものであり、さらに詳しくは水溶解性、分散
安定性、保存安定性が良好であり、かつ有姿粘度が低い
油中水型カチオン性ポリマーエマルジョン、さらに産業
廃水用および下水・し尿処理用の凝集剤および脱水剤、
製紙用歩留まり向上剤および濾水性向上剤などに使用さ
れる、高い性能を示す新規な高分子凝集剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、産業廃水用および下水・し尿処理
用の凝集剤および脱水剤、製紙用歩留まり向上剤および
濾水性向上剤などの用途に対し、カチオン性高分子凝集
剤が広く用いられてきた。これらカチオン性高分子凝集
剤は、カチオン性ビニル単量体の単独重合体またはこれ
と他の水溶性ビニル単量体との共重合体が一般的であ
り、その製品形態は粉末状ポリマーが主流であった。一
方、近年、その取扱性の良さから、製品形態として油中
水型ポリマーエマルジョンタイプの高分子凝集剤が数多
く提案されている。
【0003】例えば、特公昭54−37986号公報に
は、単量体水溶液30〜70重量%と疎水性液体70〜
30重量%を界面活性剤を用いて乳化分散させ、油中水
型ポリマーエマルジョンを得る方法が提案されており、
特開昭63−90510号公報には、水溶性ビニルモノ
マーと架橋剤を含む水溶液と、HLB値が3〜6である
疎水性界面活性剤を含む有機分散媒とを混合した後、ラ
ジカル重合触媒の存在下、温度30〜80℃で重合させ
油中水型エマルジョンポリマーを製造する方法などが提
案されており、また、特公昭51−47156号公報に
は、水溶性かつエチレン性不飽和単量体水溶液30〜7
0重量%、疎水性液体、濃度0.1ないし10重量%の
油中水型乳化剤、フリーラジカル開始剤からなる油中水
型乳濁液を作り、それを加熱して、フリーラジカルを生
成させて該単量体を重合させて重合体ラテックスとし、
これを下水、産業用廃液から固形分を脱水濃縮するのに
用いる方法が提案されている。
【0004】さらに、特願平4−339502号には、
ポリマー濃度20〜70重量%、疎水性有機液体濃度1
0〜50重量%、非イオン性界面活性剤の濃度8重量%
以下、ポリマーエマルジョンの重量平均粒子径0.3μ
m以下である、カチオン性ビニル単量体を共重合して得
られる油中水型ポリマーエマルジョンが提案されてい
る。
【0005】しかし、油中水型ポリマーエマルジョンを
例えば高分子凝集剤として使用する場合、従来の油中水
型ポリマーエマルジョンでは、性能と保存安定性の両者
を充分に満足させることは困難であった。また、特願平
4−339502号の発明では、性能と保存安定性のバ
ランスが、従来の油中水型ポリマーエマルジョンに較べ
改善されたものの、近年の廃水処理量の増加傾向、排水
規制の強化、産業廃棄物の減量化等に対応した廃水処理
効率の向上に対する要求に充分に応えられるものとは言
えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の油中水型
ポリマーエマルジョンは、単量体組成、界面活性剤組成
重量平均粒子径などについて種々の改良がなされたもの
の、上記問題は未解決であり、保存安定性が良好で、か
つ排水処理効率の向上に対する要求に充分に応え得る凝
集性能を有する油中水型ポリマーエマルジョンおよびそ
れを用いた高分子凝集剤が強く求められている。本発明
は、水溶解性、分散安定性、保存安定性が良好であり、
かつ有姿粘度が低い油中水型カチオン性ポリマーエマル
ジョン、さらに産業廃水用および下水・し尿処理用の凝
集剤および脱水剤、製紙用歩留まり向上剤および濾水性
向上剤などの用途に対し、高い性能を示す油中水型カチ
オン性ポリマーエマルジョンタイプの新規な高分子凝集
剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の問
題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、従来の油
中水型カチオン性ポリマーエマルジョンにおいてはポリ
マーの塩水溶液粘度を一定範囲に制御することに着目し
た改良は見当たらず、しかも、特定のHLB範囲を有す
る非イオン性界面活性剤を使用し、かつ特定範囲のポリ
マー塩水溶液粘度を有する油中水型カチオン性ポリマー
エマルジョンを用いれば、上記課題を解決し得ることを
見い出し、本発明を完成するに到った。
【0008】すなわち本発明は、下記一般式(1)で表
わされるカチオン性ビニル単量体を水、疎水性有機液
体、非イオン性界面活性剤の存在下で単独重合、または
これと他の水溶性ビニル単量体と共重合させて得られる
油中水型ポリマーエマルジョンであって、(A)ポリマ
ーの濃度が、20〜70重量%であり、(B)疎水性有
機液体の濃度が、10〜50重量%であり、(C)非イ
オン性界面活性剤の濃度が、8重量%以下であり、
(D)非イオン性界面活性剤として、HLBが8〜15
の非イオン性界面活剤の少なくとも1種を含むものであ
り、(E)ポリマーの塩水溶液粘度が、65〜150m
Pa・sであること、を特徴とする油中水型カチオン性
ポリマーエマルジョンである。 一般式(1);
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Aは酸素原子またはNH;Zは炭
素数1〜4のアルキレン基または炭素数2〜4のヒドロ
キシアルキレン基;R1 は水素またはメチル基;R2
水素,炭素数1〜4のアルキル基,炭素数2〜4のヒド
ロキシアルキル基またはベンジル基;R3 、R4 はそれ
ぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜
4のヒドロキシアルキル基;X- は塩を形成する陰イオ
ンを表わす。)
【0011】本発明で用いる一般式(1)で示されるカ
チオン性ビニル単量体としては、ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートなどのようなジアルキルアミノ
(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートの中和塩
または4級化物、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド、ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリルアミドなどのようなジアルキルアミノ(ヒドロキ
シ)アルキル(メタ)アクリルアミドの中和塩または4
級化物などが挙げられる。
【0012】本発明で用いる他の水溶性ビニル単量体と
しては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メチルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トなどのノニオン性ビニル単量体、ビニルピリジン、
ビニルイミダゾリンなどのカチオン性ビニル単量体、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドプロパンス
ルホン酸、およびそれらの中和塩などのアニオン性ビニ
ル単量体などが挙げられる。
【0013】本発明で用いる疎水性有機液体としては、
n−パラフィン、イソパラフィン、ナフテン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、灯油、軽油、ナフサ、動物
油、植物油などの脂肪族炭化水素または芳香族炭化水
素、およびそれらの混合物などが挙げられる。
【0014】本発明で用いられるHLBが8〜15の非
イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエ
ートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエー
ト、ポリオキシエチレンソルビトールテトラステアレー
トなどのポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ルなどで示されるポリオキシエチレン誘導体、およびモ
ノオレイン酸ヘキサグリセリン、モノオレイン酸デカグ
リセリン、モノステアリン酸デカグリセリンなどで示さ
れるポリグリセリン脂肪酸エステル誘導体などが挙げら
れる。
【0015】本発明においては、ビニル単量体を重合さ
せるための重合開始剤は、一般的に用いられるラジカル
重合開始剤でよく、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、過
硫酸アンモニウム、過硫過カリウムなどの過酸化物、ま
たはそれらと亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄などの還元
剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤、アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)塩酸塩などのアゾ化合物などが挙げられる。
さらに、これらの重合開始剤を用いずに紫外線、放射線
などを用いてラジカル重合を開始させる方法もある。
【0016】本発明におけるBM型回転粘度計によるポ
リマーの塩水溶液粘度(ポリマー濃度:0.5重量%,
塩及び塩濃度:塩化ナトリウム4.0重量%,25℃,
60rpm)は、65〜150mPa・sである。65
mPa・sを下回る塩水溶液粘度の場合、充分な凝集性
能を発揮することが困難となる。また、150mPa・
sを越える塩水溶液粘度の場合、ポリマーエマルジョン
の安定化を充分に図ることが困難となる。
【0017】本発明のポリマーエマルジョンにおけるポ
リマー濃度は、通常20〜70重量%、好ましくは30
〜50重量%である。70重量%を越える濃度の場合、
エマルジョン粒子の重量平均粒子径を1.0μm以下と
することは、非常に困難となる。また、20重量%を下
回る濃度の場合、ポリマーを充分に高分子量化すること
が、困難となる。
【0018】本発明のポリマーエマルジョンにおける疎
水性有機液体の濃度は、通常10〜50重量%、好まし
くは25〜40重量%である。10重量%を下回る濃度
の場合、エマルジョン粒子の重量平均粒子径を1.0μ
m以下とすることは、非常に困難となる。また、50重
量%を超える濃度の場合も、保存安定性が良好なポリマ
ーエマルジョンを得ることが困難となる。本発明のポリ
マーエマルジョンにおける非イオン性界面活性剤の濃度
は、通常8重量%以下、好ましくは2〜6重量%であ
る。
【0019】本発明において、65〜150mPa・s
という高い塩水溶液粘度を有する油中水型カチオン性ポ
リマーエマルジョンを製造する方法としては、重合反応
温度、重合反応系のpH、重合開始剤の種類と添加量、
水と疎水性液体と非イオン性界面活性剤の組成比率など
を充分に検討することはもちろんであるが、本発明にあ
るHLBが8〜15の非イオン性界面活性剤を使用する
ことが重要であり、重合前のモノマーエマルジョンを微
細化させることが好ましい。それらにより、高い塩水溶
液粘度を有するポリマーを安定なポリマーエマルジョン
として製造することが可能となる。
【0020】本発明のポリマーの塩水溶液粘度は、塩と
して塩化ナトリウムを用い、ポリマー濃度が0.5重量
%であり、塩濃度が4.0重量%である水溶液を25℃
に保ち、BM型回転粘度計にて回転速度60rpmで測
定する。オリマーの塩水溶液を調製する方法としては、
まず、ポリマー濃度が0.52重量%となるように、イ
オン交換水に対して撹拌下でポリマーエマルジョンを添
加し、ポリマーを完全溶解する。この際、ポリマーの分
子鎖が切断されず、かつ完全溶解し得るように撹拌速度
と溶解時間を最適に保つことが肝要である。次に、溶解
したポリマー水溶液に対して撹拌下で塩化ナトリウムを
添加し、塩化ナトリウム濃度が4.0重量%、ポリマー
濃度が0.5重量%となるように調製し、溶解する。た
とえば、宮本製作所製のジャーテスターを用いて、1リ
ットルビーカーにて500ml程度のイオン交換水に、
200rpmの撹拌下でポリマーエマルジョンを添加
し、2時間撹拌後、15時間放置し、再び200rpm
の撹拌下で塩化ナトリウムを添加し、30分撹拌して塩
水溶液を調製する方法などが好ましい。
【0021】本発明においては、ポリマーエマルジョン
を微細化し、ポリマーエマルジョンの重量平均粒子径を
1.0μm以下とすることが好ましい。一般的に重合前
のモノマーエマルジョンを微細化することにより、重合
後の重合体エマルジョンも均一かつ微細な粒子とするこ
とができる。モノマーエマルジョンを微細化することに
より、高い塩水溶液粘度を有するポリマーを、微細化さ
れた安定なポリマーエマルジョンとして製造することが
可能となる。モノマーエマルジョンの重量平均粒径を微
細化する方法としては、単量体、水、疎水性有機液体、
非イオン性界面活性剤の組成比率および疎水性有機液
体、非イオン性界面活性剤の種類の選定などを充分に検
討することはもちろんであるが、これら混合液に対し
て、極めて強力な剪断力を与えることが必要となる。剪
断力を与える手段としては、ホモジナイザー、インライ
ンホモミキサーなどの機器を用いて、充分な平均循環数
(液が羽根と外壁の間を通過する回数の平均値)を保つ
ことが、重要である。
【0022】本発明のポリマーエマルジョンの重量平均
粒子径を測定する方法としては、光散乱法・遠心沈降光
透過法・レーザー回折法・電気的検知帯法などの種々の
測定方法があり、各々の方法に対応した測定機器が考案
されているが、測定範囲と精度から考えると、光散乱法
が好ましい。たとえば、大塚電子製のレーザー粒子径解
析システムLPA−3000/3100などの測定機器
を用いて測定する方法が好ましい。
【0023】特定のHLB範囲を有する非イオン性界面
活性剤を使用し、かつ特定範囲のポリマー塩水溶液粘度
を有する本発明の油中水型カチオン性ポリマーエマルジ
ョンは、凝集性能に優れ、保管時におけるエマルジョン
粒子の沈澱や再凝集等がなく、分散安定性、保存安定性
に優れたものである。本発明の高分子凝集剤は、本発明
の油中水型カチオン性ポリマーエマルジョンを主成分と
するものであって、従来の高分子凝集剤に比べ、性能が
著しく改良されており、保管時におけるエマルジョン粒
子の沈澱や再凝集などがなく、保存安定性、水溶解性に
優れ、産業廃水用および下水・し尿処理用の凝集剤およ
び脱水剤、製紙用歩留まり向上剤および濾水性向上剤な
どの用途に好適である。
【0024】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、その主旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。 (実施例1)2リットルビーカーにて疎水性有機液体と
してアイソパーM(エクソン社製、イソパラフィン)5
60gおよび非イオン性界面活性剤としてポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレート(HLB:13.3)
96gを混合し、オイル液を作製した。別に1リットル
ビーカーにてジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸
塩(80%水溶液)420gおよびアクリルアミド22
4gをイオン交換水258gに溶解し、単量体水溶液を
作製した。オイル液に対してホモジナイザーを用い、8
000rpmにて撹拌しながら単量体水溶液を徐々に加
えた。
【0025】添加終了後、180分間乳化分散を継続し
(平均循環数:3000回パス)、モノマーエマルジョ
ンを作製した。撹拌機、温度計および窒素導入管を接続
した2リットルの3つ口セパラブルフラスコに作製した
モノマーエマルジョンを全量仕込み、窒素ガスを1.5
リットル/分の流量で120分間バブリングし、モノマ
ーエマルジョンを脱気した。
【0026】次に、このモノマーエマルジョンの温度を
35℃の一定温度に保持した後、重合開始剤として0.
1%塩化第一鉄水溶液28g及び0.1%過硫酸アンモ
ニウム水溶液14gを順次添加して重合を開始した。約
4時間後に重合は終了し、重量平均粒子径が0.25m
μ(大塚電子製レーザー粒子径解析システムLPA−3
000/3100を用いて、光散乱法にて測定。以下重
量平均粒子径の測定方法は全て同様)で、塩水溶液粘度
が71.5mPa・sの油中水型ポリマーエマルジョン
を得た。
【0027】(実施例2〜5)また、同様の方法で疎水
性有機液体、非イオン性界面活性剤、単量体などの組成
と重合開始剤を変更して重合を行うことによって油中水
型カチオン性ポリマーエマルジョンを得た。それらの重
合仕込み組成を実施例1と併せて表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】また、実施例1〜5のポリマーエマルジョ
ンのポリマー濃度、疎水性有機液体濃度、非イオン性界
面活性剤濃度、塩水溶液粘度、エマルジョンの重量平均
粒子径を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】(比較例1)実施例2の重合条件と同様の
方法で、ホモジナイザーの回転数と乳化時間を変更して
重合を行い、重合後のポリマーエマルジョンの塩水溶液
粘度を本発明の範囲外としたポリマーエマルジョンを得
た。
【0032】(比較例2)実施例3の重合条件と同様の
方法で、ホモジナイザーの回転数と乳化時間を変更し、
さらに開始剤水溶液の濃度を変更して重合を行い、重合
後のポリマーエマルジョンの塩水溶液粘度を本発明の範
囲外としたポリマーエマルジョンを得た。
【0033】(比較例3)実施例5の重合条件と同様の
方法で、重合開始剤水溶液の濃度を変更して重合を行
い、重合後のポリマーエマルジョンの塩水溶液粘度を本
発明の範囲外としたポリマーエマルジョンを得た。
【0034】(比較例4)実施例2の重合条件と同様の
方法で、非イオン性界面活性剤を本発明の範囲外のHL
Bを有するものに変更して重合を行い、重合後のポリマ
ーエマルジョンの塩水溶液粘度を本発明の範囲外とした
ポリマーエマルジョンを得た。
【0035】(比較例5)実施例4の重合条件と同様の
方法で、非イオン性界面活性剤を本発明の範囲外のHL
Bを有するものに変更して重合を行い、重合後のポリマ
ーエマルジョンの塩水溶液粘度を本発明の範囲外とした
ポリマーエマルジョンを得た。表3に比較例1〜5の乳
化条件、非イオン性界面活性剤および重合開始剤の仕込
み組成を示す。
【0036】
【表3】
【0037】また、比較例1〜5のポリマーエマルジョ
ンのポリマー濃度、疎水性有機液体濃度、非イオン性界
面活性剤濃度、塩水溶液粘度、エマルジョンの重量平均
粒子径を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】次に、実施例1〜5、比較例1〜5によっ
て得られた各ポリマーエマルジョンの保存安定性を調べ
るために、各ポリマーエマルジョンを製造直後から60
日間40℃の恒温槽中に保管し、有姿粘度とエマルジョ
ン状態を経時的に測定した。有姿粘度は、BM型回転粘
度計(ローターNo.3,30rpm)にて25℃で測
定し、エマルジョン状態は、目視によりエマルジョンの
分散性と均一性を評価した。これら保存安定性の測定結
果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】表5に示すように、実施例1〜5に示した
本発明の油中水型ポリマーエマルジョンは、比較例1〜
5の油中水型ポリマーエマルジョンに比して製造直後の
エマルジョンの有姿粘度が低く、分散性、均一性に優れ
たものであることがわかる。さらに、経時におけるエマ
ルジョンの有姿粘度、分散性、均一性の変化が少なく、
保存安定性に優れたものであることがわかる。
【0042】(実施例6)紙パルプ排水の生物処理によ
り発生した余剰汚泥(pH6.0,SS濃度:1.94
%)の200mlに対して、実施例1〜5、比較例1〜
5で得られたポリマーエマルジョンからなる高分子凝集
剤の0.1%水溶液を添加し、プロペラ羽根付き撹拌機
を用いて500rpmで90秒間撹拌し、フロックを形
成させた。凝集したスラリーに対して、ヌッチェテスト
(100メッシュナイロン濾布)を行い、30秒後の濾
液量を測定した。さらに、得られたフロックを遠心脱水
し(100メッシュナイロン濾布,3000rpm,1
分)、脱水ケーキの含水率を測定した。結果を表6に示
す。
【0043】
【表6】
【0044】(実施例7)パルプスラリー(NBKP、
濃度:0.5%、CSF:225ml)に、填料として
対パルプ固形分当り10%の酸化チタンを添加してスラ
リーを調整した。このスラリー1500mlを硫酸にて
pH4.5に調整した後、実施例1〜5、比較例1〜5
で得られたポリマーエマルジョンからなる高分子凝集剤
の0.1%水溶液を添加し、プロペラ羽根付き撹拌機を
用いて500rpmで60秒間撹拌し、フロックを形成
させた。DDJテスター(TAPPIスタンダード、1
00メッシュ金網)を用いて、凝集したスラリーを50
0rpmで30秒間撹拌した後濾過し、濾液のSS濃度
を測定した。結果を表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】(実施例8)パルプスラリー(NBKP、
濃度:1.0%、CSF:425ml)に、填料として
対パルプ固形分当り20%の重炭酸ナトリウムを添加し
てスラリーを調整した。このスラリー1000mlに対
して、実施例1〜5、比較例1〜5で得られたポリマー
エマルジョンからなる高分子凝集剤の0.1%水溶液を
添加し、プロペラ羽根付き撹拌機を用いて500rpm
で60秒間撹拌し、フロックを形成させた。カナディア
ンスタンダードフリーネステスターを用いて、凝集した
スラリーの濾水度を測定した。結果を表8に示す。
【0047】
【表8】
【0048】表6〜表8に示すように、本発明による油
中水型ポリマーエマルジョンタイプの高分子凝集剤は、
比較例の油中水型ポリマーエマルジョンからなる高分子
凝集剤に比して産業廃水用の脱水剤、製紙用歩留まり向
上剤及び濾水性向上剤などの用途に対し、優れた性能を
示すことがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明の油中水型重合体エマルジョン
は、カチオン性ビニル単量体を水、疎水性有機液体、非
イオン性界面活性剤の存在下で単独重合、またはこれと
他の水溶性ビニル単量体と共重合させて得られる、特定
の(A)ポリマーの濃度、(B)疎水性有機液体の濃
度、(C)非イオン性界面活性剤の濃度を有し、かつ
(D)非イオン性界面活性剤として、HLBが8〜15
の非イオン性界面活性剤の少なくとも1種を含むもので
あり、(E)ポリマーの塩水溶液粘度が、65〜150
mPa・sである油中水型カチオン性ポリマーエマルジ
ョンであって、水溶性、分散安定性、保存安定性が良好
であり、かつ製品有姿粘度が低いものである。
【0050】本発明の油中水型重合体エマルジョンを主
成分とする高分子凝集剤は、保存安定性、水溶解性に優
れており、産業廃水用および下水・し尿処理用の凝集剤
および脱水剤、製紙用歩留り向上剤および濾水性向上剤
などの用途に対して、従来の高分子凝集剤に比べ、優れ
た性能を発揮するため、その産業上の利用価値は大き
い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされるカチオン
    性ビニル単量体を水、疎水性有機液体、非イオン性界面
    活性剤の存在下で単独重合、またはこれと他の水溶性ビ
    ニル単量体と共重合させて得られる油中水型ポリマーエ
    マルジョンであって、 (A)ポリマーの濃度が、20〜70重量%であり、 (B)疎水性有機液体の濃度が、10〜50重量%であ
    り、 (C)非イオン性界面活性剤の濃度が、8重量%以下で
    あり、 (D)非イオン性界面活性剤として、HLBが8〜15
    の非イオン性界面活剤の少なくとも1種を含むものであ
    り、 (E)ポリマーの塩水溶液粘度が、65〜150mPa
    ・sであること、を特徴とする油中水型カチオン性ポリ
    マーエマルジョン。 一般式(1); 【化1】 (式中、Aは酸素原子またはNH;Zは炭素数1〜4の
    アルキレン基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキレ
    ン基;R1 は水素またはメチル基;R2 は水素,炭素数
    1〜4のアルキル基,炭素数2〜4のヒドロキシアルキ
    ル基またはベンジル基;R3 、R4 はそれぞれ独立に炭
    素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキ
    シアルキル基;X- は塩を形成する陰イオンを表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 上記HLB8〜15の非イオン性界面活
    性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
    誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
    ル誘導体、またはポリグリセリン脂肪酸エステル誘導体
    である請求項1に記載の油中水型カチオン性ポリマーエ
    マルジョン。
  3. 【請求項3】 上記油中水型ポリマーエマルジョンの重
    量平均粒子径が、1.0μm以下である請求項1に記載
    の油中水型カチオン性ポリマーエマルジョン。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の油中水型カチオン性ポ
    リマーエマルジョンを主成分とする高分子凝集剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114810A (ja) * 2000-08-03 2002-04-16 Hymo Corp 油中水型高分子エマルジョンの製造方法及びその使用方法
JP2011099076A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Hymo Corp 製紙用薬剤及びそれを用いた抄紙方法
JP2012228664A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Hymo Corp 汚泥処理剤および汚泥脱水処理方法
JP2013248583A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Hymo Corp 凝集処理剤および排水処理方法
JP2016094584A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 Mtアクアポリマー株式会社 高分子凝集剤の製造方法

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