JPH0838183A - カルデスモン転写調節領域 - Google Patents
カルデスモン転写調節領域Info
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- JPH0838183A JPH0838183A JP6197202A JP19720294A JPH0838183A JP H0838183 A JPH0838183 A JP H0838183A JP 6197202 A JP6197202 A JP 6197202A JP 19720294 A JP19720294 A JP 19720294A JP H0838183 A JPH0838183 A JP H0838183A
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- Japan
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- caldesmon
- cad
- promoter
- cells
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 カルデスモンをコードしている遺伝子の5’
上流領域にある転写調節領域。 【効果】 本発明によりカルデスモンをコードしている
遺伝子の上流にあるプロモーター部分が解明され、これ
により、カルデスモンの発現を調節することが可能とな
り、ガンの治療薬、抗動脈硬化剤および消化管運動促進
剤として有用なカルデスモンを多量に発現させること、
遺伝子治療に用いること、およびカルデスモン発現の調
節物質をスクリーニングすることが可能となった。ま
た、動脈硬化症の診断に利用することもできる。
上流領域にある転写調節領域。 【効果】 本発明によりカルデスモンをコードしている
遺伝子の上流にあるプロモーター部分が解明され、これ
により、カルデスモンの発現を調節することが可能とな
り、ガンの治療薬、抗動脈硬化剤および消化管運動促進
剤として有用なカルデスモンを多量に発現させること、
遺伝子治療に用いること、およびカルデスモン発現の調
節物質をスクリーニングすることが可能となった。ま
た、動脈硬化症の診断に利用することもできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な転写調節領域
(プロモーター)に関する。更に詳細には、本発明は、
脊椎動物、特にヒトを含む平滑筋および非筋肉組織にお
ける、カルデスモンと呼ばれるタンパク質をコードする
遺伝子配列のプロモーターに関する。本発明のプロモー
ターは、適当なベクターに挿入され、宿主細胞内でカル
デスモンの発現調節に使用される。
(プロモーター)に関する。更に詳細には、本発明は、
脊椎動物、特にヒトを含む平滑筋および非筋肉組織にお
ける、カルデスモンと呼ばれるタンパク質をコードする
遺伝子配列のプロモーターに関する。本発明のプロモー
ターは、適当なベクターに挿入され、宿主細胞内でカル
デスモンの発現調節に使用される。
【0002】
【従来の技術】カルデスモンは、骨格筋、心筋を除く組
織において、カルモデュリン−アクチン−トロポミオシ
ン結合能を有するタンパク質であり、平滑筋および非筋
細胞のアクチン−ミオシン系の調節機構に関与してい
る。カルシウム濃度の低いときには、カルデスモンはア
クチンフィラメントトロポミオシン系に結合し、アクチ
ン−ミオシン間相互作用を抑制する。一方カルシウム濃
度の増加により、活発型のカルモデュリン・カルデスモ
ン複合体が形成され、この複合体はアクチンフィラメン
ト・トロポミン系から遊離する。この結果、カルデスモ
ンによるアクチン−ミオシン間の抑制作用が解除され、
アクチン−ミオシン間相互作用が起こる。
織において、カルモデュリン−アクチン−トロポミオシ
ン結合能を有するタンパク質であり、平滑筋および非筋
細胞のアクチン−ミオシン系の調節機構に関与してい
る。カルシウム濃度の低いときには、カルデスモンはア
クチンフィラメントトロポミオシン系に結合し、アクチ
ン−ミオシン間相互作用を抑制する。一方カルシウム濃
度の増加により、活発型のカルモデュリン・カルデスモ
ン複合体が形成され、この複合体はアクチンフィラメン
ト・トロポミン系から遊離する。この結果、カルデスモ
ンによるアクチン−ミオシン間の抑制作用が解除され、
アクチン−ミオシン間相互作用が起こる。
【0003】カルデスモン(以下、CaDと略記するこ
とがある。)には、高分子量型のカルデスモン(h−C
aD)と低分子量型のカルデスモン(l−CaD)があ
り、平滑筋組織には主にh−CaDが分布し、筋肉以外
の組織中には主にl−CaDが分布している。カルデス
モン自体のアミノ酸配列については、ニワトリについ
て、本発明者らによりすでに明らかにされている。h−
CaDは、Biochem. Biophys. Res. Commun. 164, 503
(1989)に記載されており、また、l−CaDは、特開平
3-240798号明細書に記載されている。同様に、ヒトのカ
ルデスモンについても、本発明者らにより、h−CaD
およびl−CaDがHeLa S3細胞からクローニン
グにより得られ、ゲノム構造が明らかにされている(Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 12122 (1992))。
とがある。)には、高分子量型のカルデスモン(h−C
aD)と低分子量型のカルデスモン(l−CaD)があ
り、平滑筋組織には主にh−CaDが分布し、筋肉以外
の組織中には主にl−CaDが分布している。カルデス
モン自体のアミノ酸配列については、ニワトリについ
て、本発明者らによりすでに明らかにされている。h−
CaDは、Biochem. Biophys. Res. Commun. 164, 503
(1989)に記載されており、また、l−CaDは、特開平
3-240798号明細書に記載されている。同様に、ヒトのカ
ルデスモンについても、本発明者らにより、h−CaD
およびl−CaDがHeLa S3細胞からクローニン
グにより得られ、ゲノム構造が明らかにされている(Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 12122 (1992))。
【0004】一方で、細胞形態の維持とアクチン構造と
は、密接に関連しており、ガン化による細胞形態変化と
アクチンケーブルの形態変化および消失とは、よく一致
していることが知られている(Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 72, 994 (1975))。また、ガン遺伝子を持つウイ
ルスを用いて培養細胞をガン化させるとカルデスモン量
が低下することが知られている(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 81, 3133(1984) )。
は、密接に関連しており、ガン化による細胞形態変化と
アクチンケーブルの形態変化および消失とは、よく一致
していることが知られている(Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 72, 994 (1975))。また、ガン遺伝子を持つウイ
ルスを用いて培養細胞をガン化させるとカルデスモン量
が低下することが知られている(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 81, 3133(1984) )。
【0005】これらの知見から、カルデスモンと細胞の
ガン化による細胞の形態変化には密接な関係にあること
が示唆されており、このため、カルデスモンはガンの治
療薬または診断薬としての可能性を有している。また、
h−CaDとl−CaDの発現変換は平滑筋細胞の形質
転換を最も顕著に反映している(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 85, 9049 (1997) )。このため、動脈硬化症診
断の有力な手段になるものと期待される。さらに、カル
デスモンは、アクチン−ミオシン系の調節機構に関与し
ているため、血管拡張または消化管運動促進剤として利
用可能である。
ガン化による細胞の形態変化には密接な関係にあること
が示唆されており、このため、カルデスモンはガンの治
療薬または診断薬としての可能性を有している。また、
h−CaDとl−CaDの発現変換は平滑筋細胞の形質
転換を最も顕著に反映している(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 85, 9049 (1997) )。このため、動脈硬化症診
断の有力な手段になるものと期待される。さらに、カル
デスモンは、アクチン−ミオシン系の調節機構に関与し
ているため、血管拡張または消化管運動促進剤として利
用可能である。
【0006】
【発明の構成】今回、本発明者は、カルデスモンをコー
ドしている遺伝子の上流にあるプロモーター部分を解明
した。これにより、カルデスモンの発現を調節すること
が可能となった。このため、カルデスモンを医薬として
多量に発現させること、遺伝子治療に用いること、およ
びカルデスモン発現の調節物質をスクリーニングするこ
とが可能となった。カルデスモンは、ガンの治療薬、抗
動脈硬化剤また消化管運動促進剤として使用できること
は、本発明者らによってすでに提案されており、この目
的の達成のために、本発明のプロモーターを用いること
ができる。本発明のプロモーターには、鳥類のみなら
ず、ヒトを含む脊椎動物、特にヒトのカルデスモンプロ
モーターも含まれる。
ドしている遺伝子の上流にあるプロモーター部分を解明
した。これにより、カルデスモンの発現を調節すること
が可能となった。このため、カルデスモンを医薬として
多量に発現させること、遺伝子治療に用いること、およ
びカルデスモン発現の調節物質をスクリーニングするこ
とが可能となった。カルデスモンは、ガンの治療薬、抗
動脈硬化剤また消化管運動促進剤として使用できること
は、本発明者らによってすでに提案されており、この目
的の達成のために、本発明のプロモーターを用いること
ができる。本発明のプロモーターには、鳥類のみなら
ず、ヒトを含む脊椎動物、特にヒトのカルデスモンプロ
モーターも含まれる。
【0007】本発明は、配列番号1で示されるニワトリ
のカルデスモン遺伝子のエクソン1a−1のDNA配列
のうち−315から−218までの転写調節領域(プロ
モーター)に関する。更に、本発明には、上記のプロモ
ーターの一部分が、置換、欠損または追加された塩基配
列(ホモログと称する)、上記プロモーターのフラグメ
ントおよびフラグメントのホモログが含まれる。
のカルデスモン遺伝子のエクソン1a−1のDNA配列
のうち−315から−218までの転写調節領域(プロ
モーター)に関する。更に、本発明には、上記のプロモ
ーターの一部分が、置換、欠損または追加された塩基配
列(ホモログと称する)、上記プロモーターのフラグメ
ントおよびフラグメントのホモログが含まれる。
【0008】配列番号1で示される塩基配列を有するD
NAのホモログとは、少なくとも10個、好ましくは少
なくとも20個、例えば30、40または60個の連続
した塩基配列領域で、少なくとも70%、好ましくは少
なくとも80または90%、より好ましくは、95%以
上相同性のあるものであり、そのようなDNAは、本発
明に含まれる。
NAのホモログとは、少なくとも10個、好ましくは少
なくとも20個、例えば30、40または60個の連続
した塩基配列領域で、少なくとも70%、好ましくは少
なくとも80または90%、より好ましくは、95%以
上相同性のあるものであり、そのようなDNAは、本発
明に含まれる。
【0009】本発明の転写調節領域を用いたカルデスモ
ン転写調節物質のスクリーニング方法は、例えば以下の
ようにして行なうことができる。すなわち、本発明の転
写調節領域を含む塩基配列を用いて、レポーター遺伝子
プラスミドを構築し、このプラスミドで形質転換した細
胞を用いて、スクリーニングすべき化合物と共存させ培
養を行なう。必要な培養量を得た後に、細胞から分離し
たレポーター活性を測定することにより、その物質が転
写に与える影響を知ることができる。また、レポーター
遺伝子を用いないで、本発明の転写調節領域を含む塩基
配列を用いてプラスミドを構築し、同様に形質転換を行
ない、スクリーニングすべき化合物と形質転換した細胞
を共存させ、培養した後、細胞から分離したCaDの発
現量によって、その物質の転写に与える影響を知ること
ができる。レポーター遺伝子としては、クロラムフェニ
コール、ルシフェラーゼ等を用いることができる。プラ
スミドとしては、pUC−CAT、pSV0CAT等が
挙げられる。用いる細胞としては、E.coli等の大腸菌、
枯草菌、酵母、種々の動物細胞(ニワトリ、マウス、ラ
ット、ヒトなど)が挙げられる。
ン転写調節物質のスクリーニング方法は、例えば以下の
ようにして行なうことができる。すなわち、本発明の転
写調節領域を含む塩基配列を用いて、レポーター遺伝子
プラスミドを構築し、このプラスミドで形質転換した細
胞を用いて、スクリーニングすべき化合物と共存させ培
養を行なう。必要な培養量を得た後に、細胞から分離し
たレポーター活性を測定することにより、その物質が転
写に与える影響を知ることができる。また、レポーター
遺伝子を用いないで、本発明の転写調節領域を含む塩基
配列を用いてプラスミドを構築し、同様に形質転換を行
ない、スクリーニングすべき化合物と形質転換した細胞
を共存させ、培養した後、細胞から分離したCaDの発
現量によって、その物質の転写に与える影響を知ること
ができる。レポーター遺伝子としては、クロラムフェニ
コール、ルシフェラーゼ等を用いることができる。プラ
スミドとしては、pUC−CAT、pSV0CAT等が
挙げられる。用いる細胞としては、E.coli等の大腸菌、
枯草菌、酵母、種々の動物細胞(ニワトリ、マウス、ラ
ット、ヒトなど)が挙げられる。
【0010】配列番号1で示されるプロモーターの作製
は、以下の方法により行なわれる。すなわち、(i) ゲノ
ムライブラリーのスクリーニングおよびシーケンシング
を行ない、(ii)プライマーエクステンションによりアニ
ーリングを行ない、(iii)クロラムフェニコールアセチ
ルトランスフェラーゼ(CAT)レポーター遺伝子プラ
スミドを構築し、(iv)このプラスミドで細胞を形質転換
した後、培養し、(v) デリーション解析により、CAT
活性を測定し、(vi)ノザンブロット解析を行ない、(vii
i)イムノブロット解析を行なう。
は、以下の方法により行なわれる。すなわち、(i) ゲノ
ムライブラリーのスクリーニングおよびシーケンシング
を行ない、(ii)プライマーエクステンションによりアニ
ーリングを行ない、(iii)クロラムフェニコールアセチ
ルトランスフェラーゼ(CAT)レポーター遺伝子プラ
スミドを構築し、(iv)このプラスミドで細胞を形質転換
した後、培養し、(v) デリーション解析により、CAT
活性を測定し、(vi)ノザンブロット解析を行ない、(vii
i)イムノブロット解析を行なう。
【0011】より詳細に説明すると、(i) ゲノムライブ
ラリーのスクリーニングは、公知の方法により行なわれ
る(Biochem. Biophys. Res. Commun., 197, 145(199
3))。シーケンシングは、マキサム・ギルバート法やジ
デオキシ・ターミネーター法により行なわれる。 (ii)プライマーエクステンションは、対象となる細胞か
ら例えばグアニジン/セシウムクロライド法などによ
り、分離したRNAを標識したアンチセンスでアニーリ
ングした後、レトロウイルス由来の逆転写酵素を用いて
伸長することにより行なわれる。 (iii) CATレポーター遺伝子の構築は、上で得られた
RNA断片をpUC0CAT、pSVCAT等のプラス
ミドにクローニングすることにより行なわれる。 (iv)このプラスミドで対象細胞を形質転換するには、常
法で行なわれるが、例えば、リン酸カルシウム共沈法、
DEAE(ジエチルアミノエチル)−デキストラン法、
電気穿孔法などが用いられる。培養は、常法により行な
われるが、血清は添加しても、しなくてもよい。 (v) デリーション解析は、形質転換後、培養された細胞
を溶解し、この抽出物のデアセチラーゼを不活化した
後、アセチルコエンザイムと[14C]クロラムフェニコ
ールでインキュベートし、薄層クロマトグラフィーで分
析することにより行なわれる。 (vi)ノザンブロット解析は、常法により行なわれる。 (vii) イムノブロット解析は、公知であるが、例えば、
対象細胞のホモジネートを電気泳動で分離し、CaDの
特異的抗体とパーオキシダーゼ結合蛋白を用いて行なわ
れる。
ラリーのスクリーニングは、公知の方法により行なわれ
る(Biochem. Biophys. Res. Commun., 197, 145(199
3))。シーケンシングは、マキサム・ギルバート法やジ
デオキシ・ターミネーター法により行なわれる。 (ii)プライマーエクステンションは、対象となる細胞か
ら例えばグアニジン/セシウムクロライド法などによ
り、分離したRNAを標識したアンチセンスでアニーリ
ングした後、レトロウイルス由来の逆転写酵素を用いて
伸長することにより行なわれる。 (iii) CATレポーター遺伝子の構築は、上で得られた
RNA断片をpUC0CAT、pSVCAT等のプラス
ミドにクローニングすることにより行なわれる。 (iv)このプラスミドで対象細胞を形質転換するには、常
法で行なわれるが、例えば、リン酸カルシウム共沈法、
DEAE(ジエチルアミノエチル)−デキストラン法、
電気穿孔法などが用いられる。培養は、常法により行な
われるが、血清は添加しても、しなくてもよい。 (v) デリーション解析は、形質転換後、培養された細胞
を溶解し、この抽出物のデアセチラーゼを不活化した
後、アセチルコエンザイムと[14C]クロラムフェニコ
ールでインキュベートし、薄層クロマトグラフィーで分
析することにより行なわれる。 (vi)ノザンブロット解析は、常法により行なわれる。 (vii) イムノブロット解析は、公知であるが、例えば、
対象細胞のホモジネートを電気泳動で分離し、CaDの
特異的抗体とパーオキシダーゼ結合蛋白を用いて行なわ
れる。
【0012】また、配列番号1で示される塩基配列が一
旦確定されると、その後は化学合成によって、またはP
CR法によって、あるいは該塩基の断片または全長をプ
ローブとしてハイブリダイズさせることにより本発明の
塩基配列を得ることができる。さらに本塩基配列を含有
するベクターDNAを適当な宿主に導入し、これを増殖
させることによって、目的とする本発明の塩基配列を、
必要量得ることができる。
旦確定されると、その後は化学合成によって、またはP
CR法によって、あるいは該塩基の断片または全長をプ
ローブとしてハイブリダイズさせることにより本発明の
塩基配列を得ることができる。さらに本塩基配列を含有
するベクターDNAを適当な宿主に導入し、これを増殖
させることによって、目的とする本発明の塩基配列を、
必要量得ることができる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものでは
ない。
説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものでは
ない。
【0014】実施例1:ゲノムライブラリーのスクリー
ニングおよびシーケンシング ゲノムライブラリーのスクリーニングは、Haruna, M ら
の方法により行なった(Biochem. Biophys. Res. Commu
n., 197, 145 (1993)) 。λG102およびλB11
は、ニワトリ砂嚢のh−CaD、l−CaDおよび脳l
−CaDの5’上流領域をそれぞれ持っている。砂嚢タ
イプのCaDの詳細な制限酵素地図を図1に示す。λG
102のHindIII フラグメント、H3−D、H3−
EをpUC18に、H3−FをpUC19にそれぞれサ
ブクローニングした。λB11由来のEcoRIフラグ
メントおよびHindIII フラグメントをpTV118
NおよびMW219にそれぞれサブクローニングした。
DNAのシーケンシングは、ジデオキシチェーンターミ
ネーション法で決定した。
ニングおよびシーケンシング ゲノムライブラリーのスクリーニングは、Haruna, M ら
の方法により行なった(Biochem. Biophys. Res. Commu
n., 197, 145 (1993)) 。λG102およびλB11
は、ニワトリ砂嚢のh−CaD、l−CaDおよび脳l
−CaDの5’上流領域をそれぞれ持っている。砂嚢タ
イプのCaDの詳細な制限酵素地図を図1に示す。λG
102のHindIII フラグメント、H3−D、H3−
EをpUC18に、H3−FをpUC19にそれぞれサ
ブクローニングした。λB11由来のEcoRIフラグ
メントおよびHindIII フラグメントをpTV118
NおよびMW219にそれぞれサブクローニングした。
DNAのシーケンシングは、ジデオキシチェーンターミ
ネーション法で決定した。
【0015】実施例2:プライマーエクステンション 細胞内の総RNAをニワトリ胎児の砂嚢および脳からグ
アニジン/セシウムクロライド法により、単離した。そ
れぞれのRNA(20μg)を砂嚢h−CaDまたは脳
l−CaDのcDNAの5’ノンコーディング領域に相
当する(h−CaDのcDNAの51−74のヌクレオ
チドまたは、l−CaDのcDNA−140から−11
7のヌクレオチド)[γ32P]ATP(Amersham社)で
標識されたアンチセンス オリゴヌクレオチドを用いて
アニーリングした。続いて、42℃で1時間、Rous
関連ウイルスリバーストランスクリプターゼ(宝酒造)
を用いてエクステンドした。これを6%ポリアクリルア
ミド尿素ゲルによる電気泳動で分離した。
アニジン/セシウムクロライド法により、単離した。そ
れぞれのRNA(20μg)を砂嚢h−CaDまたは脳
l−CaDのcDNAの5’ノンコーディング領域に相
当する(h−CaDのcDNAの51−74のヌクレオ
チドまたは、l−CaDのcDNA−140から−11
7のヌクレオチド)[γ32P]ATP(Amersham社)で
標識されたアンチセンス オリゴヌクレオチドを用いて
アニーリングした。続いて、42℃で1時間、Rous
関連ウイルスリバーストランスクリプターゼ(宝酒造)
を用いてエクステンドした。これを6%ポリアクリルア
ミド尿素ゲルによる電気泳動で分離した。
【0016】実施例3:CATレポーター遺伝子プラス
ミドの構築 pUC0CATを用いて、CaD遺伝子の5’上流領域
にバクテリアのクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼ(CAT)レポーター遺伝子を導入したプラ
スミドを構築した(Takenaka, Mら,J. Bio. Chem., 26
4, 2363 (1989))。KpnI/SpeI(Klenow処理を
行なった)フラグメント(0.65kb)をpUC18G1
02H3−Dから単離し、pUC0CATのHindII
I (Klenow処理を行なった)およびKpnIサイトにク
ローニングした。このプラスミドをGP1CATと名付
けた。
ミドの構築 pUC0CATを用いて、CaD遺伝子の5’上流領域
にバクテリアのクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼ(CAT)レポーター遺伝子を導入したプラ
スミドを構築した(Takenaka, Mら,J. Bio. Chem., 26
4, 2363 (1989))。KpnI/SpeI(Klenow処理を
行なった)フラグメント(0.65kb)をpUC18G1
02H3−Dから単離し、pUC0CATのHindII
I (Klenow処理を行なった)およびKpnIサイトにク
ローニングした。このプラスミドをGP1CATと名付
けた。
【0017】pUC19G102H3−Fから切りだし
たHindIII フラグメント( 0.3kb)をGP1CA
TのHindIII サイトにクローニングし、GP2CA
Tを得た。
たHindIII フラグメント( 0.3kb)をGP1CA
TのHindIII サイトにクローニングし、GP2CA
Tを得た。
【0018】GP3CATは、以下のようにして構築し
た。pUC18G102H3−Eから切りだしたHin
dIII /XbaIフラグメント(2.1 kb)をHind
III (部分消化した)/XbaI−GP2CATとライ
ゲーションした。
た。pUC18G102H3−Eから切りだしたHin
dIII /XbaIフラグメント(2.1 kb)をHind
III (部分消化した)/XbaI−GP2CATとライ
ゲーションした。
【0019】GP1CAT由来のデリーションは、制限
サイト(SacI、SphIおよびPstI)またはエ
クソヌクレアーゼIII とmung bean ヌクレアーゼを用い
て構築した。PB2CATは、pUC2CATのHin
dIII (Klenow処理を行なった)/XbaIサイトに、
pTV118NB11ERI由来のHincII/Xba
Iフラグメント(1.2 kb)を挿入することにより構築
した。pMW219B11H3由来のHincIIフラグ
メント(0.9 kb)をpUC0CATのHindIII
(Klenow処理を行なった)/XbaIにクローニングし
た。
サイト(SacI、SphIおよびPstI)またはエ
クソヌクレアーゼIII とmung bean ヌクレアーゼを用い
て構築した。PB2CATは、pUC2CATのHin
dIII (Klenow処理を行なった)/XbaIサイトに、
pTV118NB11ERI由来のHincII/Xba
Iフラグメント(1.2 kb)を挿入することにより構築
した。pMW219B11H3由来のHincIIフラグ
メント(0.9 kb)をpUC0CATのHindIII
(Klenow処理を行なった)/XbaIにクローニングし
た。
【0020】BPa(Sph1)CATBP1CAT由
来のデリーションプラスミドは、SphIにより消化さ
れたBP1CATの自動環化により構築した。キメラC
ATプラスミド、BP1(SphI)/GE200CA
TおよびBP1(SphI)/GE100CATは、以
下のようにして構築した。SacI/SphIフラグメ
ント(200b)とEcoRI/SphIフラグメント
(100bp)を、GP1(SacI)CATおよびG
P1Db−21CAT(GP1CATのデリーション部
分)からそれぞれ単離した。競合プラスミドであるpU
CG100は、pUC18にEcoRI/SphIフラ
グメントを挿入することにより構築した。
来のデリーションプラスミドは、SphIにより消化さ
れたBP1CATの自動環化により構築した。キメラC
ATプラスミド、BP1(SphI)/GE200CA
TおよびBP1(SphI)/GE100CATは、以
下のようにして構築した。SacI/SphIフラグメ
ント(200b)とEcoRI/SphIフラグメント
(100bp)を、GP1(SacI)CATおよびG
P1Db−21CAT(GP1CATのデリーション部
分)からそれぞれ単離した。競合プラスミドであるpU
CG100は、pUC18にEcoRI/SphIフラ
グメントを挿入することにより構築した。
【0021】実施例4:細胞の培養、形質転換およびC
ATのアッセイ ニワトリ胎児繊維芽細胞を10日令の胎児から調製し、
10%ウシ胎児血清を添加したダルベッコ・モディファ
イ・イーグル(Dulbecco modify Eagle )液で培養し
た。マウスの骨格筋細胞のクローンセルラインであるC
2C12をBlauらの方法に従って培養した(Cell 32, 1
171 (1983))。単核筋原細胞を頻繁に継代培養すること
により、低密度で培養した。この間、分化を低血清培養
液(2%ウマ血清添加のDMEM)とのスウィチィング
・コンフルーエンツ(switching confluents)培養によ
り誘発しながら行なった。転写とCATのアッセイは、
ゴーマン(Gormon, C.M.)らの方法により行なった(Mo
l. Cell. Bio., 2, 1044 (1982) )。
ATのアッセイ ニワトリ胎児繊維芽細胞を10日令の胎児から調製し、
10%ウシ胎児血清を添加したダルベッコ・モディファ
イ・イーグル(Dulbecco modify Eagle )液で培養し
た。マウスの骨格筋細胞のクローンセルラインであるC
2C12をBlauらの方法に従って培養した(Cell 32, 1
171 (1983))。単核筋原細胞を頻繁に継代培養すること
により、低密度で培養した。この間、分化を低血清培養
液(2%ウマ血清添加のDMEM)とのスウィチィング
・コンフルーエンツ(switching confluents)培養によ
り誘発しながら行なった。転写とCATのアッセイは、
ゴーマン(Gormon, C.M.)らの方法により行なった(Mo
l. Cell. Bio., 2, 1044 (1982) )。
【0022】細胞を、直径60mmのシャーレに1×1
05 個の濃度で蒔き、24時間培養した。プロモーター
領域のデリーション解析のために、培養した細胞に、1
0μgのCATコンストラクトと1μgのコントロール
プラスミド(ニワトリβアクチンの下流にルシフェラー
ゼコーディング領域またはサルウイルス40のアーリー
プラスミドを含んだ)を含んだカルシウムフォスフェー
ト−DNAの沈澱物を加えた。
05 個の濃度で蒔き、24時間培養した。プロモーター
領域のデリーション解析のために、培養した細胞に、1
0μgのCATコンストラクトと1μgのコントロール
プラスミド(ニワトリβアクチンの下流にルシフェラー
ゼコーディング領域またはサルウイルス40のアーリー
プラスミドを含んだ)を含んだカルシウムフォスフェー
ト−DNAの沈澱物を加えた。
【0023】5時間の形質転換の後、ニワトリ胎児繊維
芽細胞を30秒間、グリセリンショックにさらし、48
時間培養した。筋原細胞への形質転換は、グリセリンシ
ョックを行なわず、カルシウム沈澱と15〜20時間放
置した以外は、同様の操作により行なった。初期筋芽細
胞への形質転換は、シャーレに2×105 個の密度で細
胞を蒔き、1日間培養した後、筋原細胞の時と同様に行
なった。ただし、形質転換後、15〜20時間で低血清
培養液に換え、細胞を72時間培養した。
芽細胞を30秒間、グリセリンショックにさらし、48
時間培養した。筋原細胞への形質転換は、グリセリンシ
ョックを行なわず、カルシウム沈澱と15〜20時間放
置した以外は、同様の操作により行なった。初期筋芽細
胞への形質転換は、シャーレに2×105 個の密度で細
胞を蒔き、1日間培養した後、筋原細胞の時と同様に行
なった。ただし、形質転換後、15〜20時間で低血清
培養液に換え、細胞を72時間培養した。
【0024】細胞を、0.25Mトリス−塩酸バッファー
(120μl、pH 7.5)に懸濁し、3回の凍結、融解
で溶解した。ルシフェラーゼ活性の検量は、細胞抽出物
20μlを用いて、ドゥ・ウェット(de Wet, J. R. )
らの方法により行なった(Mol.Cell. Biol., 7, 725 (1
987) )。
(120μl、pH 7.5)に懸濁し、3回の凍結、融解
で溶解した。ルシフェラーゼ活性の検量は、細胞抽出物
20μlを用いて、ドゥ・ウェット(de Wet, J. R. )
らの方法により行なった(Mol.Cell. Biol., 7, 725 (1
987) )。
【0025】86μlの細胞抽出物を65℃で5分間加
熱し、内因性のデアセチラーゼを不活性化した。そし
て、適量を1mMアセチルコエンザイムAおよび
[14C]クロラムフェニコール(Amersham社)を37℃
でインキュベートした。生成物を酢酸エチルで抽出し、
薄層クロマトグラフィーで分析した。pUC0CATお
よびpUC2CAT(Takenaka, M. et al, J. Biol. C
hem., 264, 2363 (1989))をそれぞれネガティブおよび
ポジティブコントロールとして用いた。形質転換実験の
大部分の培養の複数のセットによって、2ないし3の異
なるプラスミドが繰り返し得られた。比CAT活性は、
X線フィルムを用いたデンシオメトリー解析により測定
した。
熱し、内因性のデアセチラーゼを不活性化した。そし
て、適量を1mMアセチルコエンザイムAおよび
[14C]クロラムフェニコール(Amersham社)を37℃
でインキュベートした。生成物を酢酸エチルで抽出し、
薄層クロマトグラフィーで分析した。pUC0CATお
よびpUC2CAT(Takenaka, M. et al, J. Biol. C
hem., 264, 2363 (1989))をそれぞれネガティブおよび
ポジティブコントロールとして用いた。形質転換実験の
大部分の培養の複数のセットによって、2ないし3の異
なるプラスミドが繰り返し得られた。比CAT活性は、
X線フィルムを用いたデンシオメトリー解析により測定
した。
【0026】実施例5:In vivo 競合アッセイとCaD
プロモーター活性の血清の効果 GP1Db−21CATとその競合するプラスミドであ
るpUCGE100およびコントロールプラスミドとし
てpUC18をニワトリ胎児繊維芽細胞に共形質転換
し、デリーション解析によりCAT活性をアッセイし
た。血清の効果は以下のようにして測定した。必要なC
AT構築をニワトリ胎児繊維芽細胞に形質転換し、その
細胞をおのおの貧血清培養液(0.5 %胎ウシ胎児血清添
加のDMEM)中で50時間培養するか、同様に42時
間培養したのち、成長培養液で8時間刺激を加えた。
プロモーター活性の血清の効果 GP1Db−21CATとその競合するプラスミドであ
るpUCGE100およびコントロールプラスミドとし
てpUC18をニワトリ胎児繊維芽細胞に共形質転換
し、デリーション解析によりCAT活性をアッセイし
た。血清の効果は以下のようにして測定した。必要なC
AT構築をニワトリ胎児繊維芽細胞に形質転換し、その
細胞をおのおの貧血清培養液(0.5 %胎ウシ胎児血清添
加のDMEM)中で50時間培養するか、同様に42時
間培養したのち、成長培養液で8時間刺激を加えた。
【0027】実施例6:ノザンブロット解析 ニワトリ胎児繊維芽細胞から得られた細胞総RNAを1
%ホルムアルデヒドアガロースゲルに分離し、ナイロン
メンブラン(Hybond-N+, Amersham 社)に移した。合成
DNAをプローブとして2種のCaDのmRNAを検出
した。おのおののプローブは、砂嚢または脳CaDのc
DNAに対応するアンチセンスDNAである。すなわ
ち、h−CaDのcDNAヌクレオチド1〜25部分、
Tm=74℃(Hayashi, K. et al, Biochem. Biophys.
Res. Commun., 164, 503 (1989))またはl−CaDの
cDNAヌクレオチド−140〜−117部分、Tm=
74℃(Hayashi, K. et al, J. Biol. Chem., 266, 35
5 (1991))である。メンブランは、ホルムアミドを添加
せず、55℃で[γ32P]で標識されたそれぞれのプロ
ーブとハイブリダイズした。メンブランは、2×SS
C、0.1 %SDSで室温下、15分間、さらに6×SS
C、0.1 %SDSで55℃で30分間洗浄したのち、8
0℃でライティング・プラス・インテンシファイイング
・スクリーンズ(Lighting-Plus intensifying screen
s, Du Pont 社)に曝した。ノザンブロット解析は、同
じプローブを用いたメンブランの複数セットに対して、
また同じメンブランに対して、製造社が推奨する方法に
従ってプローブを除去した後、違うプローブでハイブリ
ダイズしたものに対して行なわれた。
%ホルムアルデヒドアガロースゲルに分離し、ナイロン
メンブラン(Hybond-N+, Amersham 社)に移した。合成
DNAをプローブとして2種のCaDのmRNAを検出
した。おのおののプローブは、砂嚢または脳CaDのc
DNAに対応するアンチセンスDNAである。すなわ
ち、h−CaDのcDNAヌクレオチド1〜25部分、
Tm=74℃(Hayashi, K. et al, Biochem. Biophys.
Res. Commun., 164, 503 (1989))またはl−CaDの
cDNAヌクレオチド−140〜−117部分、Tm=
74℃(Hayashi, K. et al, J. Biol. Chem., 266, 35
5 (1991))である。メンブランは、ホルムアミドを添加
せず、55℃で[γ32P]で標識されたそれぞれのプロ
ーブとハイブリダイズした。メンブランは、2×SS
C、0.1 %SDSで室温下、15分間、さらに6×SS
C、0.1 %SDSで55℃で30分間洗浄したのち、8
0℃でライティング・プラス・インテンシファイイング
・スクリーンズ(Lighting-Plus intensifying screen
s, Du Pont 社)に曝した。ノザンブロット解析は、同
じプローブを用いたメンブランの複数セットに対して、
また同じメンブランに対して、製造社が推奨する方法に
従ってプローブを除去した後、違うプローブでハイブリ
ダイズしたものに対して行なわれた。
【0028】実施例7:CaD発現のイムノブロット解
析 ニワトリ胎児繊維芽細胞およびC2C12細胞のホモジ
ネートを9%ナトリウムドデシルスルフェート−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動で分離し、CaD(35kD
a)のカルボン酸ドメイン特異的抗体と西洋ワサビパー
オキシダーゼ結合蛋白Aを用いて、イムノブロットし
た。ブロットは、ECL(enhanced chemiluminescenc
e, Amersham 社) で現像した。
析 ニワトリ胎児繊維芽細胞およびC2C12細胞のホモジ
ネートを9%ナトリウムドデシルスルフェート−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動で分離し、CaD(35kD
a)のカルボン酸ドメイン特異的抗体と西洋ワサビパー
オキシダーゼ結合蛋白Aを用いて、イムノブロットし
た。ブロットは、ECL(enhanced chemiluminescenc
e, Amersham 社) で現像した。
【0029】[結果] ニワトリのカルデスモン5’上流領域部分の遺伝子:λ
G102およびλB11のゲノムクローンからのDNA
断片を適当なクローニングベクターにサブクローニング
し、核酸配列を同定した。核酸配列を配列表2に示す。
以前に投稿されたcDNA配列(Hayashi, K. et al, B
iochem. Biophys. Res. Commun., 164, 503 (1989)およ
びHayashi, K. et al, J. Biol. Chem., 266, 355 (199
1))とこのシーケンスの解析から、λG102およびλ
B11が、1番目のエクソンの5’上流領域を含むこと
が明かとなった(エクソン1a−1およびエクソン1b
は、それぞれ砂嚢CaD、脳CaDをコードしてい
る)。
G102およびλB11のゲノムクローンからのDNA
断片を適当なクローニングベクターにサブクローニング
し、核酸配列を同定した。核酸配列を配列表2に示す。
以前に投稿されたcDNA配列(Hayashi, K. et al, B
iochem. Biophys. Res. Commun., 164, 503 (1989)およ
びHayashi, K. et al, J. Biol. Chem., 266, 355 (199
1))とこのシーケンスの解析から、λG102およびλ
B11が、1番目のエクソンの5’上流領域を含むこと
が明かとなった(エクソン1a−1およびエクソン1b
は、それぞれ砂嚢CaD、脳CaDをコードしてい
る)。
【0030】砂嚢タイプのカルデスモンのmRNAの転
写開始点は、プライマーエクステンション解析により同
定された。砂嚢CaDのmRNAの転写開始点は、mR
NAの翻訳開始コドンであるATGより、218塩基上
流であった。TATAボックスは、5’上流領域中に、
転写開始点より−27の位置にTATTとして見いださ
れた。砂嚢タイプのCaDの5’上流領域にSpI結合
サイト様の配列(TGGGAGGGC)が見られ、TA
TAボックスの近い上流には、CCAATボックスが位
置していた。オクタマー転写因子(OTF1)結合サイ
ト様の配列(ATGCTAAT)は、かなり上流である
−898と−891の間に位置していた。加えて、タン
デムリピート配列(TAAAAAATAA)は、−55
1と−523の間に位置していた。−1189と−11
78の間の配列は、特有のパリンドローム構造を形成し
ていた。
写開始点は、プライマーエクステンション解析により同
定された。砂嚢CaDのmRNAの転写開始点は、mR
NAの翻訳開始コドンであるATGより、218塩基上
流であった。TATAボックスは、5’上流領域中に、
転写開始点より−27の位置にTATTとして見いださ
れた。砂嚢タイプのCaDの5’上流領域にSpI結合
サイト様の配列(TGGGAGGGC)が見られ、TA
TAボックスの近い上流には、CCAATボックスが位
置していた。オクタマー転写因子(OTF1)結合サイ
ト様の配列(ATGCTAAT)は、かなり上流である
−898と−891の間に位置していた。加えて、タン
デムリピート配列(TAAAAAATAA)は、−55
1と−523の間に位置していた。−1189と−11
78の間の配列は、特有のパリンドローム構造を形成し
ていた。
【0031】CAT測定によるニワトリCaDプロモー
ターの特徴付け:1a−1および1bエクソンの5’上
流領域のプロモーター活性を、ニワトリ胎児繊維芽細胞
を用いたCATアッセイにより測定した。砂嚢タイプC
aDについての結果を図2に示す。GP3CAT、GP
2CATおよびGP1CATは高いCAT活性を示し、
一方、BP2CATおよびBP1CATは活性は非常に
低いが、ネガティブコントロールであるpUC0CAT
とは識別できる程度の活性を示した。この結果は、砂嚢
CaDおよび脳CaDのプロモーターは、おのおの5’
上流領域に独立した活性を示すことを示唆している。脳
タイプのCaDのプロモーターが活性が低いことは、ノ
ザンブロット解析で砂嚢タイプCaDがニワトリ胎児繊
維芽細胞中で主要発現型であることとよく一致してい
る。対照的に、これらのCATの構成は、複数のEボッ
クスを持つGP3CATおよびBP2CATでさえ、成
長や分化条件での、C2C12細胞中のプロモーター活
性を示さない。これらの結果は、筋原細胞および初期筋
芽細胞のC1C12細胞において、CaDの発現量が非
常に少ないというイムノブロット解析の結果とよく一致
する。
ターの特徴付け:1a−1および1bエクソンの5’上
流領域のプロモーター活性を、ニワトリ胎児繊維芽細胞
を用いたCATアッセイにより測定した。砂嚢タイプC
aDについての結果を図2に示す。GP3CAT、GP
2CATおよびGP1CATは高いCAT活性を示し、
一方、BP2CATおよびBP1CATは活性は非常に
低いが、ネガティブコントロールであるpUC0CAT
とは識別できる程度の活性を示した。この結果は、砂嚢
CaDおよび脳CaDのプロモーターは、おのおの5’
上流領域に独立した活性を示すことを示唆している。脳
タイプのCaDのプロモーターが活性が低いことは、ノ
ザンブロット解析で砂嚢タイプCaDがニワトリ胎児繊
維芽細胞中で主要発現型であることとよく一致してい
る。対照的に、これらのCATの構成は、複数のEボッ
クスを持つGP3CATおよびBP2CATでさえ、成
長や分化条件での、C2C12細胞中のプロモーター活
性を示さない。これらの結果は、筋原細胞および初期筋
芽細胞のC1C12細胞において、CaDの発現量が非
常に少ないというイムノブロット解析の結果とよく一致
する。
【0032】さらにGP1CATから得た、デリーショ
ンCAT構成を用いて、組織特異的に砂嚢タイプCaD
の発現率が高いシークエンスを探した。その結果、GP
1CATからGP1D8CATまでからのデリーション
は、同等のCAT活性を示した。興味深いことに、GP
1Da−10CATおよびGPaDb−21CATは、
先のデリーションより3倍高い活性を示したのに対し
て、GPa(SPhI)CATの活性は劇的に低下し
た。
ンCAT構成を用いて、組織特異的に砂嚢タイプCaD
の発現率が高いシークエンスを探した。その結果、GP
1CATからGP1D8CATまでからのデリーション
は、同等のCAT活性を示した。興味深いことに、GP
1Da−10CATおよびGPaDb−21CATは、
先のデリーションより3倍高い活性を示したのに対し
て、GPa(SPhI)CATの活性は劇的に低下し
た。
【0033】これらの結果から、転写開始点から−21
7までは、TATAボックス、Sp1結合サイト様の配
列、CCAATボックスを含む根本的なプロモーター領
域であり、−372から上流の配列がプロモーター活性
に必須の調節領域であることが解った。
7までは、TATAボックス、Sp1結合サイト様の配
列、CCAATボックスを含む根本的なプロモーター領
域であり、−372から上流の配列がプロモーター活性
に必須の調節領域であることが解った。
【0034】この調節領域は、ネガティブレギュレータ
ー(−372から−346)とポジティブレギュレータ
ーの2つに分けられる。CArGボックスは、ポジティ
ブレギュレーターの方に属していた。これらの事実か
ら、砂嚢タイプのCaDの発現は、ポジティブレギュレ
ータであるエクソン1a−1の−315から−218に
依存すると考えられた。
ー(−372から−346)とポジティブレギュレータ
ーの2つに分けられる。CArGボックスは、ポジティ
ブレギュレーターの方に属していた。これらの事実か
ら、砂嚢タイプのCaDの発現は、ポジティブレギュレ
ータであるエクソン1a−1の−315から−218に
依存すると考えられた。
【0035】
【発明の効果】カルデスモンをコードしている遺伝子の
上流にあるプロモーター部分を解明した。これにより、
カルデスモンの発現を調節することが可能となり、カル
デスモンを医薬として多量に発現させる、遺伝子治療に
用いる、カルデスモン発現の調節物質をスクリーニング
することが可能となった。カルデスモンは、ガンの治療
薬、抗動脈硬化剤また消化管運動促進剤として使用でき
ることが知られており、この目的の達成のために、本発
明のプロモーターを用いることができる。また、動脈硬
化症の診断に用いることができると考えられる。
上流にあるプロモーター部分を解明した。これにより、
カルデスモンの発現を調節することが可能となり、カル
デスモンを医薬として多量に発現させる、遺伝子治療に
用いる、カルデスモン発現の調節物質をスクリーニング
することが可能となった。カルデスモンは、ガンの治療
薬、抗動脈硬化剤また消化管運動促進剤として使用でき
ることが知られており、この目的の達成のために、本発
明のプロモーターを用いることができる。また、動脈硬
化症の診断に用いることができると考えられる。
【0036】
配列番号: 1 配列の長さ: 98 配列の型: 核酸 鎖の数: 一本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類: cDNA to mRNA 配列 GGATAACCAA AAAAGGGCAT GTAGCAAGAC AGTTTTGGCA GCTTGCATGA ATTTTCGGAG -256 CTTTTTAGGT CTTGGTTTTC TGATGAGTGG CTTCCTGA -218
【0037】配列番号: 2 配列の長さ: 3073 配列の型: 核酸 鎖の数: 一本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類: cDNA to mRNA 起源 生物名 : White Leghorn 組織の種類:Gizzard 配列の特徴 特徴を表わす記号 : promoter 存在位置 : -315..-218 特徴を決定した方法 : E 配列 TCTAGACCAC AGCATTATCT TAGCTTTTGA TTGTAAATTT CAAAGGAAAA ATTGGTAAAC -2982 CGTAGAGAGC CACAGTTTCT ACAGCTTTCT GGGTATTTCT AACATGGTCC TTCAAGGGAG -2922 TTGACTGCAC ATTTGTGCTC TGAGAACACT TTGGTGGCTC GGCATGTACA AATGCATTGG -2862 TTCTTATCAC CCTTGCCCTG AGTTACCATC TCAAGAGCTG AGCAATGAAC ATTGCATGGC -2802 CCTTTCTTCC TATCATAAGA ACAATTCTAA TATTGATGTC TTGTTCTGGG GCCTGATTTC -2742 TACACTTGCT ATTTTTTTGA TGTCTTACAT CTGCAATCAT AAATCAAGAG CTGGATTCTT -2682 CAGACACAGG TTTTCAGCCT TGTGCATTTT TCAGCACATT GTGCTATGGC ACAAAGAGTT -2622 TGATCGTCAG GGTCAAAGCA GAGGGGAAAG GAAATTGTGG CTAGAGTGGC AACCTTGGCA -2562 GCGAGGGCAA GGACTACGAG GGTAGTTCCC TAATTTCCTA CTGTTGTGGA TTGAGACATA -2502 TTATAGCTGT GTATTTACAG CAGGCATCTG CAGGTTGCTC CTGGTTATAG GATGCCATGG -2442 GACATCCACT AGAAATTTAG CTCAGCATTC TCAGTAGCTC AGATTCTCAA AAATATCTCC -2382 AGGAGATCTG TGCTAGCTCA TTGGTTTGGA AGTTTCAAGT CTTGAAATCC AAAAGTTTCT -2322 CCAGGTGAAA TTCAGCTCAG CTAGAAGGAT GAAAACTTTA CTTTTCATGA TACCATTTCC -2262 CCAGGGCAAA ATCAGACTTT TTGCAGGATT TTGATGGAAA AATGACCTAC AACACTTAGT -2202 CTGGGATGCT TTGACAGGGG AGCATCAAAA CTCATGCCAA GCCTCTTTCA AAACACACAG -2142 CTGCTTTCAG CCTTAAGTAG TTTGTACCTA CTAGCTCCCT GTTGCAGTGG ACACTGAGGC -2082 TGCAGCAGTT CAGTTGATGG TTATACAAGA ACAAGAACCT CAAGTTACAT CTAACATAGA -2022 ATCATGGAAT CGTCTGAGTT GGAAGGGACC TTTAAGGGCC ATATGGTTCA ACTCTCCTGC -1962 AATGAAGATG GTCTCCCACA GGGTAGGTCA GGTTGCTCAG AGCCCTATCC AGCCTGACCT -1902 TGAGTGTCTC CAGGTGTGAG GCATCCACAT CCAGATTTCT GCTCTCCCCA TCAGCATCCC -1842 TTAAACCTTT TTACTCTTTA GCCTGGATTT TTGAATGTTT TACCTTCTAA AAATCTGGGA -1782 AGATGGTAGG ATCAAGTATG AATTTGTCAT TTCTTTCTAA GTAATGTTAT TTCCTCTTTT -1722 TATTTGGTCA TCAACACATA GGTTAATAAT TTCTGTAATT AATAGAATGA CAGAGAACAA -1662 ATACATTCTT CTCCATAGTT TAGTAAATCC TGCAAACCAA GCTATATATG TAGCTGTATA -1602 TATTATTTTT AATATTTAAA GCCATCATAT TCACATAATG GAAGACATCT GGTATTTGAG -1542 AATTTCTAAA GGGTTTTTGG AAAAAAAAAG TGTCTTCTAA AAACCAGCAA CATTTTTTTT -1482 TACTTTATTA AAGTTGTGAA ATTTAAAATG ACACTGTAAA ATTGGAATTG CTTGGTGTAA -1422 ATCTGCAGAG CTTTGGCTCT TTAAATATTT TTTTTTGTTG TAAAGATTAG TTTACTGTCT -1362 GTGGACTGAA TCCTTCTTGC ATTACACATG TGACTAAATC CATGGGGCCC AGTGACCAGA -1302 AATAAAGACC CAGAAAGGCA TTAAAATAGT TTAGCCTGCT CAGCTGCAAA GTCATCTTAC -1242 ACATATTTTC CCCCTAACTG GTTTTGTGTA TGTTATTGTC AAATATGAAT CTGCAGAATA -1182 TCTCCTGGTC TGGAATCCTG TCCTGTGGAG CAGTCAGCAC TTCTCTTTCA GCCTTGCTTA -1122 GCGGCTGGTA CATGTGTTAG GGTCCGTGCA CTGCAATAAT TTTCACATTT CTTTTCACAC -1062 TCTCTTAATT TATGTCGGTC ATTTGTTTCC CGCATCAGTC TGCATCTGTT CTTTCATTTT -1002 AAGCTCTCTG TGTAATTTGG AAAGTTATCA ATAATGATCA CAAAAGAAAA AAAAAAGAAA -942 AAGAAAAAAT GGGATAAAAA ATGATTCTAA GCTTCCTTTA TCCATGCTAA TGGAAGATAT -882 TGAAAAGTAT TGTGCAGAAT ATATAGACGT AGGGTCTGCC CTCGTAGTAA ATGAATCTGT -822 TTAAATGTAT ATAGAAATAG CTGTACGCCT GGAAACGAAA CCCCTTCATT CTACTACCAA -762 GGATCATTGT CATAACTCTG AATCCCATTT AAAGTTGCTT TTCAGAGCAG GGATATTCTA -702 TATGTAACTT CTGTTGCACT GTTTGAGATG GAAGCAGGCT GCGGAGCCTG CCAACTCATC -642 TTTCATGTGC CTTTCCCACT GGTGTGTCTT TGCAGAATCA AGCTTGCACA GCAGAGAGTT -582 TCTGTGTTCC CTCTTACATG TGGTGCTCGT TAAAAAATAA TAATAATAAT AAAAAATCAA -522 CAATAAAGTT TTGCTGTAGT GGAATTATTT ATTTGATTTT TAAAGACCTG GTGCAGAAAG -462 TAAATATGTT TACTGTGCTC TTTTCCTTTC AGTGTGCTTC CTTTTTTTGA GCTCCGTTTG -402 TATTCAACAA GACAGCCTCT TTCTCCAAGA TTAACATTTC TTATGATTGT TCCTGACAGA -342 GGATTTACTT TCAGAGGCCC TGCTAAGGAT AACCAAAAAA GGGCATGTAG CAAGACAGTT -282 TTGGCAGCTT GCATGAATTT TCGGAGCTTT TTAGGTCTTG GTTTTCTGAT GAGTGGCTTC -222 CTGAGCATGC CTAGGGAATG ACAGGCATCT CTGCAGGCAG GCTGAACCCA CCTTGGCTTG -162 TGCGTACGCA TTGGCTGCCT ATTAGAATAA ATTGAGGACA ATGCATACCG CTGCCTGCCA -102 ATTGTAAACA TAAGGGATAT GTATTCACTT AGCATTGACT TTTGGGAGGG GCCAAGGCAA -42 GGCTGTAGTT TTATTGAATA GGGCTGTATG TGAGGCTGCT GGTGTGCCTT TCTTGCTGCG +19 CTCCTGCCCA AGCAGCCAGT TATTCATTTC CTTCCTACTA GTTGAAAACT TTTCACCGCT +79 GAGGTAAGGG CA +91
【図1】 砂嚢タイプカルデスモンの制限酵素地図であ
る。
る。
【図2】 砂嚢タイプカルデスモンプロモーターのクロ
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CA
T)活性を示す。
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CA
T)活性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 48/00 C07H 21/04 B
Claims (4)
- 【請求項1】 動物のカルデスモン転写調節領域。
- 【請求項2】 配列番号1で示されるカルデスモン転写
調節領域の塩基配列。 - 【請求項3】 配列番号1で示されるカルデスモン転写
調節領域の塩基配列のホモログ、フラグメントまたはフ
ラグメントのホモログ。 - 【請求項4】 配列番号1で示されるカルデスモン転写
調節領域の塩基配列を用いるカルデスモン発現調節物質
のスクリーニング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6197202A JPH0838183A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | カルデスモン転写調節領域 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6197202A JPH0838183A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | カルデスモン転写調節領域 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0838183A true JPH0838183A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16370521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6197202A Pending JPH0838183A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | カルデスモン転写調節領域 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0838183A (ja) |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP6197202A patent/JPH0838183A/ja active Pending
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