JPH08374Y2 - 電気めっき用陽極ケース - Google Patents

電気めっき用陽極ケース

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JPH08374Y2
JPH08374Y2 JP9921590U JP9921590U JPH08374Y2 JP H08374 Y2 JPH08374 Y2 JP H08374Y2 JP 9921590 U JP9921590 U JP 9921590U JP 9921590 U JP9921590 U JP 9921590U JP H08374 Y2 JPH08374 Y2 JP H08374Y2
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anode
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、粒状に形成された陽極金属材料を内部に
収納して、電気めっき処理槽内に設置し、陽極として機
能させる,電気めっき用陽極ケースに関する。
(従来の技術) 粒状に形成された銅等の陽極金属材料を、電気めっき
において陽極として用いるために、従来から第4図に示
すような電気めっき用陽極ケース1がある。
かかる陽極ケース1は、ステンレス鋼等の耐食性に富
んだ材料からなるもので、針金や金網等によって通水性
のある容器形状のケース本体2が形成され、そのケース
本体2の上端には吊り下げ金具としてのフック3が一体
的に固定されている。
そして、かかる陽極ケース1は、使用に先だって、ケ
ース本体2の上端部の開口2aから粒状の陽極金属材料4
を充填し、前記フック3をめっき処理槽のブスバーに係
止させて処理液中に吊り下げ、陽極として機能させるこ
ととしている。
(考案が解決しようとする課題) ところで、かかる陽極ケース1においては、前述のよ
うにフック3がケース本体2の一端に固定され、ケース
本体2の上下が固定的に一定となっている。
一方、かかる陽極ケース1内に充填される粒状の陽極
金属材料4は単にケース本体2内に充填されているにす
ぎず、陽極反応によって陽極金属が溶解して外形寸法が
小さくなるものであるため、めっき処理の進行にともな
って小径となった陽極金属材料4の粒子は徐々に落下し
てケース本体2の底部2bに集中する傾向がある。
このように陽極金属材料4の小径の粒子がケース本体
2の底部2bに集まると、この底部2bにおける陽極金属材
料4の表面積が増大する一方、ケース本体2の上部等の
他の部分での陽極金属材料4の表面積が減少することと
なるので、このケース本体2の上下方向において陽極金
属材料4からの溶解量がばらつき、めっき処理のおこな
われるべき製品への析出量が変化し、めっき厚さにむら
を生じる。
この考案は、このような事情に基づいてなされたもの
で、この種の電気めっき用陽極ケースを用いた電気めっ
きにおいて、製品に形成されるめっき厚さを均一にする
ことを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、請求項1記載の考案は、
縦長形状に形成したケース本体の内部に粒状の陽極金属
材料を収納するとともに、このケース本体の長手方向の
一端部を上にして、めっき処理槽の上方に配設されたブ
スバーに吊り下げる電気めっき用陽極ケースにおいて、
前記ケース本体には、その長手方向の両側端部のいずれ
の側をも上にしての吊り下げを可能とする吊り下げ金具
を設けたものである。
(作用) 請求項1記載の考案によれば、この種の電気めっき用
陽極ケースにおいて、そのケース本体の長手方向の両側
端部のいずれの側をも上にしての吊り下げを可能とする
吊り下げ金具を設けたので、内部に充填した粒状の陽極
金属材料が溶解により、底部に落下し、底部に小径の陽
極金属材料が過度に集まる前に、ケース本体の上下を反
転させて吊り下げればケース本体の上下方向での陽極金
属材料の溶解量の過度のばらつきの発生を防止すること
ができ、製品のめっき厚さのむらを抑制し、めっき厚さ
を均一にすることができる。
(実施例) 以下、図面に示す実施例によりこの考案を説明する。
まず、第2図により、電気めっき装置11の全体概略を
説明するが、この電気めっき装置11は硫酸銅めっき浴に
より製品としてのプリント配線板のスルーホールめっき
を行なうものである。
電気めっき装置11は、処理槽12と、ブスバー13とを有
し、14は陽極、15は製品である。
処理槽12内には、所定の液組成とした処理液16が貯溜
されている。
17は直流電源であって、そのプラス側はブスバー13に
接続されている。
ブスバー13は銅棒からなるもので、このブスバー13に
は本願考案に係る電気めっき用陽極ケース18を用いて構
成した陽極14が吊り下げられており、このブスバー13は
陽極14への通電機能を有するものである。
一方、電源17のマイナス側は、製品15に接続され、前
記陽極14とともに処理液16中に浸漬されて陽極14から溶
解した銅イオンは製品15の表面上に付着してめっきが行
なわれるようになっている。
ところで、本願考案にかかる陽極ケース18は第1図に
示すように構成されている。
すなわち、陽極ケース18はステンレス鋼等の耐食性を
有する材料からなるもので、ケース本体21と蓋22と吊り
下げ金具23とを有するものである。
ケース本体21は、略円筒状に形成された金網からな
り、両端部にはそれぞれ前記蓋22と螺合する口金21aが
設けられている。
そして、このケース本体21の長手方向の中間部の中央
部分には、環状の金具から枢軸21bを両側に突設し、こ
れらの枢軸21bにより前記吊り下げ金具23の基部23aがそ
れぞれ枢支され、これらの吊り下げ金具23はそれぞれ第
1図中の矢印のように揺動可能となっている。
これらの吊り下げ金具23の先端は、屈曲されてそれぞ
れフック23bが形成されており、これらのフック23bを前
記ブスバー13に係止することによって、処理槽12内にお
いてこの陽極ケース18を所要の高さに保持させ、同時に
めっき用の電気回路を構成させている。
このように構成された陽極ケース18は次のように用い
られる。
すなわち、ケース本体21の一端側(仮に、第1図中A
側)の蓋22を閉じて容器状とし、この中には従来と同様
の粒状の陽極金属材料4としての銅材を充填し、他端側
(仮に、第1図中B側)の蓋22を閉じることによって粒
状の陽極金属材料4をケース本体21内に封入する。
この状態で、一方の端部(仮に、第1図のB側)を上
にして、前記フック23bをブスバー13に係止して処理液1
6中に浸漬させ陽極14として機能させる。
この状態でめっき処理を行い,陽極ケース18中の陽極
金属材料4が溶解して、その粒の外形が小さくなったと
判断される場合には、陽極ケース18の吊り下げ金具23に
対してケース本体21の上下を反転させ(第1図のA側を
上に、B側を下にする)て、めっき処理を継続する。
このように、ケース本体21の上下方向の向きを反転さ
せることによって、ケース本体21の底部に集中する傾向
のある,陽極金属材料4の粒径の小さい粒子がケース本
体21内の広い範囲に分散され、ケース本体21の上下方向
での陽極金属材料4の溶解量に過度のばらつきの発生を
防止することができ、製品15のめっき厚さのむらを抑制
し、めっき厚さを均一にすることができる。
次に、第3図に示す,第2実施例を説明するが、この
第2実施例は先に説明した実施例とは吊り下げ金具の構
造のみが異なり、その他の点は同様であるので、以下、
この相違点と関連する事項のみを説明し、共通する事項
については同一の参照番号を付与して説明を省略する。
すなわち、この第2実施例の吊り下げ金具31は、ケー
ス本体21の一端側の口金21aに固定されたフック31aと、
他端側の口金21aに固定されたフック31bとからなるもの
である。
そのため、ケース本体21の一端側(例えば、第3図中
B側)を上としてブスバー13に係止する場合にはフック
31bをブスバー13に係止することにより行なわれ、ケー
ス本体21を反転させて他端側(第3図中A側)を上とし
てブスバー13に係止する場合にはフック31aを用いれば
よく、その間には他のフック31aまたは31bの処理液16中
に単に存在しているにすぎない。
このように構成した陽極ケース18においても、前述と
同様にケース本体21内に充填された粒状の陽極金属材料
4の溶解による粒径の変化に応じてケース本体21の上下
を反転することができ、これによって小径となった陽極
金属材料4の底部への集中を抑制し、製品15へのメッキ
厚さの均一化を図ることができる。
この第2実施例の場合、先の実施例とは異なり、吊り
下げ金具が固定されており可動部分が存在しないので、
耐久性が高く、また中間部分に吊り下げ金具23が存在し
ないので、製品15に向けての陽極金属材料4のイオンの
移動を損なうおそれもない。
なお、以上説明した実施例は、硫酸銅めっき浴により
製品としてのプリント配線板について銅めっきを行なう
場合に関するものであるが、本願はこれに限らず、その
他製品のめっき処理にも実施することができ、また、ニ
ッケルめっき等のその他の電気めっきであっても同様に
実施することができるのは勿論である。
(考案の効果) 以上説明したように、請求項1記載の考案によれば、
この種の電気めっき用陽極ケースにおいて、そのケース
本体の長手方向の両側端部のいずれの側をも上にしての
吊り下げを可能とする吊り下げ金具を設けたので、内部
に充填した粒状の陽極金属材料が溶解により、底部に落
下し、底部に小径の陽極金属材料が過度に集まる前に、
ケース本体の上下を反転させて吊り下げればケース本体
の上下方向での陽極金属材料の溶解量の過度のばらつき
の発生を防止することができ、製品のめっき厚さのむら
を抑制し、めっき厚さを均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案にかかる陽極ケースの斜視図、第2図
は電気めっき装置の全体概略図、第3図は第2実施例の
陽極ケースの斜視図、第4図は従来例の陽極ケースの説
明図である。 4;陽極金属材料、12;めっき処理槽、13;ブスバー、18;
陽極ケース、21;ケース本体、23,31;吊り下げ金具。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦長形状に形成したケース本体の内部に粒
    状の陽極金属材料を収納するとともに、このケース本体
    の長手方向の一端部を上にして、めっき処理槽の上方に
    配設されたブスバーに吊り下げる電気めっき用陽極ケー
    スにおいて、 前記ケース本体には、その長手方向の両側端部のいずれ
    の側をも上にしての吊り下げを可能とする吊り下げ金具
    を設けたことを特徴とする電気めっき用陽極ケース。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電気めっき用陽極ケースに
    おいて、 前記ケース本体の長手方向の中間部に、前記長手方向と
    直交する方向を枢軸として揺動可能に前記吊り下げ金具
    を枢支したことを特徴とする電気めっき用陽極ケース。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電気めっき用陽極ケースに
    おいて、 前記ケース本体の長手方向両端部にそれぞれフックを設
    け、前記吊り下げ金具としたことを特徴とする電気めっ
    き用陽極ケース。
JP9921590U 1990-09-21 1990-09-21 電気めっき用陽極ケース Expired - Lifetime JPH08374Y2 (ja)

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JPH0456762U JPH0456762U (ja) 1992-05-15
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