JPH0836104A - 配光素子 - Google Patents

配光素子

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JPH0836104A
JPH0836104A JP6191117A JP19111794A JPH0836104A JP H0836104 A JPH0836104 A JP H0836104A JP 6191117 A JP6191117 A JP 6191117A JP 19111794 A JP19111794 A JP 19111794A JP H0836104 A JPH0836104 A JP H0836104A
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JP
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light distribution
light
transmissive
total reflection
distribution element
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Withdrawn
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JP6191117A
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English (en)
Inventor
Kaneyasu Ookawa
金保 大川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 配光角が大きく、しかも透過率が高い配光特
性を有する配光素子を提供する。 【構成】 配光素子11において、入射光束の一部を透
過して偏向射出する第1の透過面14と、前記入射光束
の他の一部を全反射する全反射面12と、全反射した後
の光束を透過して偏向射出する第2の透過面13とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透過型スクリーン、背
面投写型プロジェクションテレビ、液晶表示装置、車載
用照明装置、レーザ光源など特異な配光特性を必要とす
る装置に用いられる配光素子および一般用のレンズとし
て用いられる配光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、配光素子に関するものとして、特
開平2−29637号公報所載の技術が開示されてい
る。図12において、101は投写管、102は投写レ
ンズ、106aはフレネルスクリーン、106bはレン
チキュラースクリーン、107は拡散剤である。投写レ
ンズ102によりスクリーン上部に向かう光線Bは、フ
レネルスクリーン106aのフレネルレンズDにより略
平行光線となる。このとき、フレネルスクリーン106
aの出射面Eはプリズム作用を持たないため光線はその
ままレンチキュラースクリーン106bに入射し、拡散
剤107により拡散され上下に広がる。これに対し、ス
クリーン下部に向かう光線Cは、フレネルスクリーン1
06aの出射面Eのプリズム作用により上方に向く光線
となりレンチキュラースクリーン106bに入射し拡散
されて上下に広がる。これにより、スクリーン下部の光
線が上方に向き拡散されることから、スクリーン上部と
スクリーン下部が同時に見える範囲を拡大することがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来技
術においては、同時に見える範囲を大きくするほど、す
なわち配光角を大きくするほど、前記プリズム作用によ
る屈折角を大きくしなければならないために、屈折角の
大きい周辺部は透過率が小さくなり、その結果、周辺部
が暗くなるという問題点があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、請求項1、2、3、4または5に係る発明の目的
は、配光角が大きく、しかも透過率が高い配光特性を有
する配光素子を提供することである。請求項2に係る発
明の目的は、上記目的に加え、配光素子を薄肉にするこ
とである。請求項3に係る発明の目的は、上記目的に加
え、配光素子の取扱を容易にすることである。請求項4
に係る発明の目的は、上記目的に加え、配光素子の出力
光量の効率を高めることである。請求項5に係る発明の
目的は、上記目的に加え、配光特性を安定させることで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1、2、3、4または5に係る発明は、配光
素子において、入射光束の一部を透過して偏向射出する
第1の透過面と、前記入射光束の他の一部を全反射する
全反射面と、全反射した後の光束を透過して偏向射出す
る第2の透過面とを備えたことを特徴とする。請求項2
に係る発明は、上記手段に加え、少なくとも前記第1の
透過面または前記全反射面および前記第2の透過面を複
数設けたことを特徴とする。請求項3に係る発明は、上
記手段に加え、入射側に第3の透過面を設けたことをこ
とを特徴とする。請求項4に係る発明は、上記手段に加
え、入射側に反射膜が施された第2の反射面を設けたこ
とを特徴とする。請求項5に係る発明は、上記手段に加
え、射出側に光拡散面を設けたことを特徴とする。
【0006】
【作用】請求項1、2、3、4または5に係る発明の作
用を説明する。光を偏向させる手段として、光学的境界
面(以後、光学面と呼ぶ)で透過させる手段(以後、透
過偏向と呼ぶ)と、光学面で反射させる手段(以後、反
射偏向と呼ぶ)とがあり、これらはいずれもスネルの法
則に従って偏向するものである。一方、フレネルの公式
により光学面での入射角が大きいほど透過率が小さく反
射率が大きくなることが知られている。特に入射側媒質
の屈折率が射出側媒質の屈折率より大きい場合には、全
反射、すなわち、ある特定の角度(臨界角)以上の入射
角に対して透過率0%、反射率100%であることも知
られている。
【0007】本願において、光学素子における入射光線
に対する射出光線のなす角を偏向角、光束を形成する光
線の最大角度差を配光角、光線に対応した強度特性を配
光特性と呼ぶことにする。また、本願において、配光素
子とは、ある定められた配光特性の入射光束を所望の配
光特性の射出光束として出力し得るための光学素子を指
すものである。
【0008】いま、説明の都合上、平行光束を入射光束
とし、射出光束が大きな配光角となるような透過偏向に
よる配光素子を考える。この場合、偏向角の小さな光線
については、個々の光学面における入射角を小さくする
ことができるので、配光素子全体としての透過率が大き
くなるが、偏向角の大きな光線については、全ての光学
面における入射角を小さくすることができないので、配
光素子全体としての透過率が小さくなるのである。
【0009】つぎに、「透過偏向による配光素子」を
「反射偏向による配光素子」に置き替えた場合を考え
る。この場合、偏向角の大きな光線については、反射面
における入射角を大きくできるため、反射率が大きくな
る(入射角が臨界角以上の場合は反射率100%)。こ
の場合、透過面における入射角を小さくしなければ意味
ないことになるが、この入射角を小さくすることは反射
面における入射角を変化させることによって容易に実現
できる。従って配光素子全体としての透過率が大きくな
る。一方、偏向角の小さな光線については、反射面を入
射光線に対して平行に近い配置が要求されるため、反射
面に高い精度が要求され、反射光線の特性がが不安定に
なりやすい。従って配光素子全体として見た場合、配光
特性が安定せず、製造しにくい形状となり好ましくな
い。
【0010】本請求項に係る発明は、以上の特性を利用
し、偏向角の小さな光線には第1の透過面による透過偏
向を用い、偏向角の大きな光線については全反射面およ
び第2の透過面による反射偏向を用いるように構成した
ので、配光素子全体として、配光角が大きくかつ透過率
が高いものとなっている。
【0011】請求項2に係る発明は、上記作用に加え、
請求項1記載の少なくとも第1の透過面または全反射面
および第2の透過面を複数とすることにより、薄型の配
光素子を実現する。請求項3に係る発明は、上記作用に
加え、請求項1または請求項2の構成において、入射側
に第3の透過面を設けることにより、取扱が容易となる
配光素子を実現する。請求項4に係る発明は、上記作用
に加え、請求項1または請求項2の構成において、入射
側に反射膜を施した第2の反射面を設けることにより、
出力光量の効率を高めた配光素子を実現する。請求項5
に係る発明は、上記作用に加え、請求項1、2、3、ま
たは4の構成において、射出側に光拡散面を設けること
により、安定した配光特性を有する配光素子を実現す
る。
【0012】
【実施例1】図1は第1実施例の配光素子を示す正面断
面図である。図1において、1は配光素子たる対物レン
ズであり、光軸を基準とする回転対称に形成されてい
る。2は第3の透過面の一部である周辺透過面であり、
平面をなしている。3は全反射面であり、放物面をなし
ている。周辺透過面2はRR’からSS’の範囲で示さ
れる輪帯状に形成され、この周辺透過面2に入射した平
行な輪帯光束(AA’からBB’の範囲で示される光
束)は、周辺透過面2を入射角0°で透過し、全反射面
3(PP’からSS’の範囲で示される部分)に到達す
るようになっている。4は放物面たる全反射面3の焦点
Fを中心とし、FP(またはFP’)を半径とする球面
の輪帯状の一部であり、第2の透過面を形成する。従っ
て、前述のように、全反射面3に到達した輪帯光束は全
反射面3にて全反射し、第2の透過面4を入射角0°に
て透過し、全反射面3の焦点Fに集光することになる。
また、周辺透過面2に入射した輪帯光束の外周部の光線
BB’が全反射面3で全反射した後、第2の透過面4と
交わる点をQQ’とすれば、このQQ’が第2の透過面
4の端部となる。すなわち、第2の透過面4はPP’か
らQQ’の範囲で形成されている。
【0013】5は第3の透過面の他の一部である中央透
過面であり、球面または非球面で形成されている。A
A’の範囲で示される平行な円光束の外周部の光束A
A’が中央透過面5で小さな入射角にて屈折透過して、
点QQ’を通るように形成されている。6は第1の透過
面であって、平面、球面または非球面で形成される透過
面であり、中央透過面5と合わせて、円光束AA’が全
反射面3の焦点Fに集光するように形成されている。以
上説明してきた周辺透過面2、全反射面3、第2の透過
面4、中央透過面5および第1の透過面6で囲繞された
内部、すなわち、図1のハッチングを施した部分は、光
学ガラス、透明プラスチックなどの光学材料からなって
いる。かかる構成により、第3の透過面(周辺透過面2
と中央透過面5との合成面)に入射した円光束BB’は
全て全反射面3の焦点Fに集光する。
【0014】本実施例の効果は、配光角が大きい場合
(すなわち、大きなNAで結像させる場合)において、
透過率が悪くなる外側の光束についてのみ放物面による
全反射を用いることにより、全体の透過率を大きくする
ことができることである。また、本実施例の特有の効果
は、単体の対物レンズとして取扱が容易になるととも
に、平行光束を微小点に結像できることである。
【0015】本実施例においては、全反射面3を放物面
としているが、楕円面を用いてもよい。また、全反射面
には、臨界角以上の入射角にて反射するように構成して
いるが、臨界角以下で、これに近い角度を求められる場
合には、全反射面に銀、アルミニュウムなどの反射膜を
蒸着してもよい。さらに対物レンズ1の成形は光学ガラ
スのプレス成形、透明プラスチックの射出成形や射出圧
縮成形などにより、容易に行うことができる。
【0016】
【実施例2】図2は第2実施例の配光素子を示す正面断
面図である。図2において、11は配光素子たる水中カ
メラレンズもしくは水中投影レンズであり、光軸を基準
にして回転対称に形成されている。12は全反射面であ
り、楕円面をなしている。13は楕円面たる全反射面1
2の第2の焦点F2 を中心とし、F2 P(またはF
2P’)を半径とする球面の輪帯状の一部であり、第2
の透過面を形成する。14は第1の透過面であり、球面
または非球面に形成され、第1の焦点F1 上の物点から
第1の透過面14に到達する光線は全て第2の焦点F2
に集光するように形成されている。ここで、第1の透過
面14の光軸からの最遠点R(またはR’)がF1
(またはF1 P’)(PP’は全反射面12の第2焦点
2 側の端部を示す)上にあり、第2の透過面13のP
P’の反対側の端部Q(またはQ’)がF2 S(または
2 S’)(SS’は全反射面12の他の端部を示す)
上にあることが望ましい。
【0017】15は第2の透過面13と第1の透過面1
4を連結するための円筒面であり、16は配光素子11
を保持する保持面である。また、各々全反射面12〜保
持面16で示される部分は透明な光学材料により一体成
形され、均一な厚さに形成されている。12’〜16’
は、この形成された面、すなわち、全反射面12〜保持
面16の裏面を示す。図2において、裏面12’〜1
6’よりも左側は水で満たされており、右側は図示しな
い防水シールにより常に空気で満たされている。配光素
子11の成形厚さを薄くすることと、成形する光学材料
の屈折率を水の屈折率に近づけることにより、裏面12
〜16’の存在を光学的に無視することができる。全反
射面12の第2の焦点F2 の位置には、図示を省略した
テレビカメラ、投影用スクリーンまたは解析装置などが
配設される。
【0018】かかる構成により、楕円面たる全反射面1
2の第1の焦点にある水中の物点F1 を発した光束の中
で、中心に近い円光束AA’は第1の透過面14を屈折
透過し、第2の焦点F2 に集光する。また、外側の輪帯
光束(AA’からBB’の範囲で示される光束)は全反
射面12で全反射した後、第2の透過面13を入射角0
°にて透過し、やはり第2の焦点F2 に集光する。すな
わち、円光束BB’は全て第2の焦点F2 に集光するす
ることになる。
【0019】本実施例の効果は、第1実施例と同様に、
配光角が大きい場合(すなわち、大きなNAで結像させ
る場合)において、透過率が悪くなる外側の光束につい
てのみ楕円面による全反射を用いることにより、全体の
透過率を大きくすることができることである。また、本
実施例の特有の効果は、水中に存在する近距離物点を簡
単な構成で高解像撮影または投影ができることである。
【0020】本実施例の全反射面12も、入射角が臨界
角以下に求められた場合には、第1実施例と同様に、反
射膜の蒸着により対応することができる。また、本実施
例では、第1の焦点F1 の周辺を水で満たし、配光素子
11を水に近い屈折率の光学材料としているが、逆に、
配光素子11の光学材料の屈折率に近い透明な液体によ
り、第1の焦点F1 の周辺を満たしてもよい。
【0021】
【実施例3】図3は第3実施例の配光素子を示す正面断
面図である。図3において、21はLCDディスプレイ
用のバックライト照明部の断面を示す。22は棒状の蛍
光管、23は金属製の第1反射板であり、いづれも対向
して2個配置されている。24は第2反射板であり、第
2の反射面として比較的深さの浅いのこぎり状の表面2
4a(紙面に垂直な方向での大きさは、ディスプレイの
長手方向になるので相当量の大きさになる)が形成さ
れ、表面24a上には高反射率の金属が蒸着されてい
る。25は片側に比較的深さの深いのこぎり状の表面2
5aと他方に平面25bを有する透明板である。26は
LCD(液晶)であり、透明板25の平面25bと隣接
して配設されている。第2反射板24と透明板25と
は、表面24aと表面25aとが狭い間隔で対向するよ
うに配設されている。また、この間隔に光が有効に入射
するように蛍光管22と第1反射板23が図のように配
設されている。
【0022】本実施例においては、第1の透過面、全反
射面および第2の透過面は、透明板25の表面25aが
全て担うべく構成されている。蛍光管22を発した光
は、第2反射板24の表面24a上の点P1 に入射し、
表面24aで反射し、透明板25の表面25a上の点Q
1 で小さな入射角で屈折透過し、平面25b上の点R1
を通り、LCD26で振幅変調を受けた後、外部(図3
の右側)に射出する。これは前述の透過偏向に相当する
もので、表面25aが第1の透過面に当たる。本実施例
においては、第2反射板24の表面24aとの複合効果
により、配光角の大きな部分の配光特性を向上させるも
のである。一方、直接表面25a上の点P2 に入射した
光は、表面25aを小さな入射角で屈折透過し、反対側
の同面上の点Q2 で全反射し、平面25b上の点R2
通り、LCD26で振幅変調を受けた後、外部に射出す
る。これは前述の反射偏向に相当するもので、表面25
aが全反射面と第2の透過面とを兼ねている。この場合
は配光角の小さな部分の配光特性を確保するものであ
る。
【0023】以上2本の光線を用いてその作用を説明し
たが、実際には蛍光管22の大きさと発光時の開き角の
特性があるので、前記2本の光線の近傍で配光特性を有
することになり、また、蛍光管22と第1反射板23と
を対向して2個配置することと合わせると、全体として
配光角が大きく、照明効率が高いLCDディスプレイ用
のバックライト照明部が実現する。
【0024】なお、透明板25の表面25aで形成され
る頂角α(図3参照)は76°以下とし、60〜75°
が好ましい。また、第2反射板24の表面24aで形成
される頂角β(図3参照)は120°〜150°が好ま
しい。さらに、表面24aおよび表面25aのピッチは
0.5mm程度が好ましい。
【0025】
【実施例4】図4〜図6は第4実施例を示し、特に図4
および図5は第4〜第8実施例に共通の概念を示す。図
4は偏向角が小さい場合の配光素子の局部構成を示す断
面図、図5は偏向角が大きい場合の配光素子の局部構成
を示す断面図、図6はこれらの局部構成を合成した配光
素子を示す正面図である。
【0026】図4において、31は透過平面、32aは
AB間に入射した光束のみを所定の方向に偏向させるた
めの局部構成された透過面の1つを示し、32bは透過
面の1つ32aを複数に連設するための連結面である。
透過平面31と透過面の1つ32aおよび連結面32b
との間は、透明ガラス、透明プラスチックなどの屈折率
nの光学材料で満たされている。透過平面31と透過面
の1つ32aとで透過型プリズムを構成する。ここで透
過面31および透過面の1つ32aは、それぞれ特許請
求項における第3の透過面および第1の透過面に相当す
るものである。
【0027】透過平面31上の一点Pに入射角θ0 で入
射した光線は、光学材料の屈折率nと入射角θ0 とで定
まる屈折角θ1 の方向に偏向し、透過面の1つ32a上
の一点Qに向かい、さらに、この透過面の1つ32aの
傾きαで定まる入射角i3 でで入射し、さらに偏向して
射出角θ3 の方向に射出する。そして、傾きαを変化さ
せれば、これに従って偏向角(θ0 とθ3 の差)を任意
に得ることができることは、スネルの法則により明らか
である。しかしながら、このような透過型のプリズムの
場合、前記偏向角を大きくするほど透過率が小さくなる
ことは、フレネルの公式により明らかである。すなわ
ち、透過型プリズムにより偏向角を与える場合、大きい
偏向角には適さないことになる。なお、図4において、
透過型プリズムを構成する連結面32bの点Bにおける
傾きβは屈折角θ1 と同一に設定し、光束のケラレを防
止している。これらの透過型プリズムを構成している図
4に示された符号は下記の数式にて、その相互関係を表
示する。この中で、数式(1)はスネルの法則から、数
式(5)および(6)はフレネルの公式からそれぞれ導
かれたものである。
【0028】
【数1】
【0029】図5において、31は図4と同じ透過平
面、32cは点AB間に入射した光束のみを所定の方向
に偏向させるための局部構成された反射面の1つ、32
dは反射面の1つ32cからの反射光束を透過させるた
めの透過面を示す。反射面の1つ32cおよび透過面3
2dと透過平面31との間は、図4の透過型プリズムと
同様に屈折率nの光学材料で満たされている。透過平面
31、反射面の1つ32cおよび透過面32dとで反射
型プリズムを構成するものである。ここで透過面31、
反射面の1つ32cおよび透過面の32dは、それぞれ
特許請求項における第3の透過面、全反射面および第2
の透過面に相当するものである。
【0030】透過平面31上の一点Pに入射角θ0 で入
射した光線は、光学材料の屈折率nと入射角θ0 とで定
まる屈折角θ1 の方向に偏向し、反射面の1つ32c上
の一点Qに向かい、さらに、この反射面の1つ32cの
傾きαで定まる入射角i2 でで入射し、この反射面の1
つ32cで全反射し、角度θ2 なる光線として、透過面
32d上の一点Rに向かい、さらに、この透過面32d
の傾きβで定まる入射角i3 で入射し、この面を屈折透
過して射出角θ3 の方向に射出する。この場合も、傾き
αまたはβを変化させれば、これに従って偏向角(θ0
とθ3 との差)を任意に得ることはスネルの法則により
明らかである。
【0031】図5の反射型プリズムにおいては、大きな
偏向角の設定に対して透過面における入射角が、図4の
透過型プリズムに比べて小さくでき、しかも反射面にお
ける反射率を100%となしうるので、透過効率を大き
くできる。逆に全反射面を使うため小さな偏向角の設定
に対しては、透過面における入射角i3 の絶対値が大き
くなるので、透過率が小さくなる。これらの反射型プリ
ズムを構成している図5に示された符号は下記の数式に
て、その相互関係を表示する。この中で、数式(1)は
スネルの法則から、数式(11)および(12)はフレ
ネルの公式からそれぞれ導かれたものである。
【0032】
【数2】
【0033】図6は、図4の透過型プリズムと図5の反
射型プリズムとを混在させて形成した配光素子を示すも
のである。図6において、31は透過平面であり、32
は透過面の1つ32aと反射面の1つ32cおよび透過
面32dを混在させて成る合成面である。図6では、合
成面32は細部を省略して描かれており、点P3 を通る
光軸を基準として、双方のプリズムは回転対称面に形成
されている。偏向角の小さな点P2,P3,P4 において
は、透過型プリズムを形成するように面配置をし、また
偏向角の大きな点P1,P5 においては、反射型プリズム
を形成するように面配置されるものである。
【0034】本実施例の効果は、以上のように透過型プ
リズムと反射型プリズムを配設したので、偏向角の大小
を問わず、高い透過率が得られるため、配光角が大きい
場合でも高い透過率を得ることができることである。
【0035】本実施例では、透過平面31、透過面の1
つ32a、反射面の1つ32cおよび透過面32dを平
面にて形成し、透過型プリズムおよび反射型プリズムと
してきたが、これらの平面に替えて、少なくとも一方を
球面などの曲面で形成することにより、偏向角を大きく
し、さらに優れた配光特性を得ることができる。
【0036】
【実施例5】図7〜図8は第5実施例を示し、図7は本
実施例の配光素子の正面図、図8は本実施例の変形例の
配光素子の側面図である。なお、本実施例においても、
配光素子の局部構成を示す断面図たる図4および図5
と、符号の関係を示す数1および数2とを引用して説明
する。また、表1は図4、図5および図7における符号
で示されたデータを具体的に表示するものである。
【0037】図7において、31は透過平面であり、3
2は透過面の1つ32aと反射面の1つ32cおよび透
過面32dとを混在させて成る合成面である。図7で
は、合成面32は細部を省略して描かれており、光軸を
基準として、双方のプリズムが回転対称面をなしてい
る。すなわち、光軸からの距離yが一定の値までは透過
型プリズム、それより周辺では反射型プリズムが形成さ
れている。
【0038】下記に示す表1において、Nは光線番号、
yは図4および図5に示す点Bと光軸との距離(図7参
照)、dは図4および図5に示す光軸方向の距離を示
す。Aは図5における点Sで光束の一部が欠られる場合
の射出光束の大きさと入射光束の大きさの比率(従っ
て、この値が1のときは、点Sにおける光束のケラレが
ないことを示す)であり、以後開口率と呼ぶ。Rはこの
開口率Aと透過面での透過率とで理論的に求められる総
合的な透過率を示し、反射防止膜を施せばこの値はさら
に大きくなる。α、β、θ0123 は図4および
図5に示す符号と一致している。
【0039】
【表1】
【0040】本実施例の効果は、第4実施例の効果に加
え、平行光束を配光角が大きくかつ透過率が高い発散光
束に変換することができることである。また、βをyに
かかわらず0°としているので、加工が容易である。
【0041】本実施例は、θ3 がyに比例する配光特性
が得られる例であるが、 tanθ3 がyに比例するように
合成面32を決めることもできる。この場合には、ピッ
チ(図5における点Bと隣接する点Sとの距離)を小さ
くすることにより、球面収差の小さい凹レンズ(すなわ
ち、平行光束を入射したときに1点から放射するような
発散光束が得られるレンズ)の特性を有する配光素子と
なる。
【0042】また、図8に示すように、合成面のプリズ
ムが回転対称面ではなく、面対称面となっている場合
は、1方向(図8では左右方向)にのみ広がりをもつ配
光特性が得られる。これは、投写型テレビに用いられて
いる透過型スクリーンとして有効である。この場合、射
出側に拡散面が必要となり、必要に応じて入射側にフレ
ネルレンズを配設して、上下方向に拡散性をもたせれば
よい。また、図4および図5における透過面の1つ32
a、反射面の1つ32cおよび透過面32dは平面とし
ているが、球面にすることにより、連続した強度の配光
特性を得ることができる。
【0043】
【実施例6】図9は第6実施例の配光素子の正面図であ
る。なお、本実施例においても、配光素子の局部構成を
示す断面図たる図4および図5と、符号の関係を示す数
1および数2とを引用して説明する。また、表2は図
4、図5および図9における符号で示されたデータを具
体的に表示するものである。
【0044】図9において、31は透過平面であり、3
2は透過面の1つ32aと反射面の1つ32cおよび透
過面32dとを混在させて成る合成面である。図9で
は、合成面32は細部を省略して描かれており、光軸を
基準として、双方のプリズムが回転対称面をなしてい
る。すなわち、光軸からの距離yが一定の値までは透過
型プリズム、それより周辺では反射型プリズムが形成さ
れている。
【0045】下記に示される表2に用いられる符号は、
表1のものと全く同一である。この場合、常にθ3 =−
θ0 の条件を満たすため、図9に示すように、点Oの共
役像がO’に形成できる。すなわち、薄型の等倍レンズ
の機能を有する配光素子となる。
【0046】
【表2】
【0047】本実施例の効果は、第4実施例の効果に加
え、広がり角の大きい発散光束を効率よく透過し、収束
光束に変換できることである。
【0048】本実施例では、合成面32は回転対称面と
なっているが、これに替えて、面対称面とすることによ
り、点物点または点像を線像に変換することができる。
【0049】
【実施例7】図10は第7実施例の配光素子の正面図で
ある。なお、本実施例においても、配光素子の局部構成
を示す断面図たる図4および図5と、符号の関係を示す
数1および数2とを引用して説明する。また、表3は図
4、図5および図10における符号で示されたデータを
具体的に表示するものである。
【0050】図10において、31は透過平面であり、
32は透過面の1つ32aと反射面の1つ32cおよび
透過面32dとを混在させて成る合成面である。図10
では、合成面32は細部を省略して描かれており、光軸
を基準として、双方のプリズムが回転対称面をなしてい
る。すなわち、光軸からの距離yが一定の値までは透過
型プリズム、それより周辺では反射型プリズムが形成さ
れている。
【0051】下記に示される表3に用いられる符号は、
表1のものと全く同一である。この場合、図10に示す
ように、中心部には配光せず、いわゆる輪帯状の配光特
性が得られる。すなわち、顕微鏡などの照明装置である
暗視野照明などに用いられる効率の高い輪帯照明機能を
有する配光素子となる。さらに、必要に応じて、射出側
にコリメータレンズを配置することも効果的である。
【0052】
【表3】
【0053】本実施例の効果は、第4実施例の効果に加
え、広がり角の大きい発散光束を効率良く透過し、輪帯
光束に変換できることである。
【0054】
【実施例8】第4〜第7実施例に示した配光素子は、合
成面32が露出しているため、使われ方によっては、キ
ズや汚れにより、表面の機能が劣化する。また、光源ま
たは合成面32のピッチの大きさによっては、配光特性
がリング状またはストライプ状に明暗を繰り返す配光分
布となる場合がある。この現象は第4実施例での説明の
ように、平面ではなく球面を用いることで大幅に緩和さ
れるが、第8実施例では、より簡単な構造でこれらの欠
点を解消するものである。
【0055】図11は第8実施例の配光素子を示す正面
図である。図11において、配光素子は素子本体30と
補助部材40とからなる。素子本体30は第3の透過面
たる透過平面31に反射防止膜を施した入射平面33
と、第4〜第7実施例で示した透過プリズムと反射プリ
ズムとの合成面32とを備えている。また補助部材40
は、砂目面34と、反射防止膜を施した射出平面35と
を備えている。素子本体30に設けた段部36は、光束
の有効範囲外に形成されており、合成面32と砂目面3
4との間に隙間を与えるためのものである。37は素子
本体30と補助部材40との接合面であり、接着剤にて
図11のように接合・固着されている。
【0056】合成面32からの光束は、砂目面34にて
散乱光となる。砂目面34は完全拡散面ではなく、指向
性を保ちつつこれを緩和する機能を有するため、前述の
リング状またはストライプ状に明暗を繰り返す配光分布
とはならず、局部的な配光むらのみが解消される。その
他の作用は第4〜第7実施例と同様である。
【0057】本実施例の効果は、第4実施例の効果に加
え、安定した配光特性が得られるとともに、配光素子の
取扱が容易であることである。
【0058】
【発明の効果】請求項1〜5の発明によれば、配光素子
の配光角を大きくすることができ、しかも高い透過率を
得ることができる。請求項2〜5の発明によれば、上記
効果に加え、配光素子を薄肉にすることができる。請求
項3または請求項5の発明によれば、上記効果に加え、
配光素子の取扱いを容易にすることができる。請求項4
〜5の発明によれば、上記効果に加え、光の利用効率を
高くすることができる。請求項5の発明によれば、上記
効果に加え、配光特性を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の配光素子を示す正面断面図である。
【図2】実施例2の配光素子を示す正面断面図である。
【図3】実施例3の配光素子を示す正面断面図である。
【図4】実施例4の偏向角が小さい場合の配光素子の局
部構成を示す断面図である。
【図5】実施例4の偏向角が大きい場合の配光素子の局
部構成を示す断面図である。
【図6】実施例4の局部構成を合成した配光素子を示す
正面図である。
【図7】実施例5の配光素子を示す正面図である。
【図8】実施例5の変形例の配光素子を示す側面図であ
る。
【図9】実施例6の配光素子を示す正面図である。
【図10】実施例7の配光素子を示す正面図である。
【図11】実施例8の配光素子を示す正面図である。
【図12】従来技術の透過型スクリーンを示す縦断面図
である。
【符号の説明】
11 配光素子 12 全反射面 13 第2の透過面 14 第1の透過面 15 円筒面 16 保持面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【数2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光束の一部を透過して偏向射出する
    第1の透過面と、前記入射光束の他の一部を全反射する
    全反射面と、全反射した後の光束を透過して偏向射出す
    る第2の透過面とを備えたことを特徴とする配光素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記第1の透過面または前記
    全反射面および前記第2の透過面を複数設けたことを特
    徴とする請求項1記載の配光素子。
  3. 【請求項3】 入射側に第3の透過面を設けたことをこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の配光素
    子。
  4. 【請求項4】 入射側に反射膜が施された第2の反射面
    を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の配光素子。
  5. 【請求項5】 射出側に光拡散面を設けたことを特徴と
    する請求項1、2、3または4記載の配光素子。
JP6191117A 1994-07-21 1994-07-21 配光素子 Withdrawn JPH0836104A (ja)

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