JPH0835617A - 流体の噴流混合方法 - Google Patents

流体の噴流混合方法

Info

Publication number
JPH0835617A
JPH0835617A JP17229394A JP17229394A JPH0835617A JP H0835617 A JPH0835617 A JP H0835617A JP 17229394 A JP17229394 A JP 17229394A JP 17229394 A JP17229394 A JP 17229394A JP H0835617 A JPH0835617 A JP H0835617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
jet
flow
duct
gas
stage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17229394A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadahisa Masai
忠久 政井
Hidekazu Fujimura
秀和 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Engineering Co Ltd
Priority to JP17229394A priority Critical patent/JPH0835617A/ja
Publication of JPH0835617A publication Critical patent/JPH0835617A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nozzles For Spraying Of Liquid Fuel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】流体中に他の流体を噴出として供給し、均一な
混合流体を得ることを目的とし、具体的にボイラ,ガス
タービン燃焼器の低NOx化燃焼技術に効果的なもので
ある。 【構成】主流によって曲げられ潰される噴流の変形を利
用するために、主流と噴流との為す角が、30〜150
度の場合、噴流開口部が混合ダクトと或る角度(+10
〜80度,−10〜80度)を設けるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主流のガス流に他のガ
スを効率良く混合させる噴流混合に関するものであり、
例えばボイラで燃焼空気に排ガスを混合させ、燃焼空気
の酸素分圧を低下させて低NOx燃焼を行わせたり、又
ガスタービン燃焼器で多量の燃焼空気中にガス燃料を予
め混合して、火炎温度を均一化させて低NOx燃焼を行
わせる等に利用される。この他にも主流のガス流に他の
ガスを混合させる場合や流体中に液体を混合させる場合
にも利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】噴流を利用した流体混合方法のうち、代
表的なボイラの排ガス混合,ガスタービン燃焼器の燃料
予混合について説明する。例えば、特開平5−212258 号
公報に示される。この従来技術は、例えばボイラで燃焼
空気を導く煙風道内にボイラで発生した排気ガスの1部
を混合して燃焼空気中の酸素分圧を低下させ、低NOx
燃焼を行わせたり、又ボイラ出口系に設けられる排煙脱
硝装置に於いて、ボイラ起動時に節炭器をバイパスした
高温の排ガスと節炭器出口を通過した排ガスを混合させ
て脱硝反応に最適な温度に調節するなどの目的に利用さ
れている。
【0003】本従来技術では、煙風道のベンド部におい
て、内側コーナ部と外側コーナ部とを結ぶ線上に支流ガ
スの吹出し孔を有する主流ガス流路の絞り構造体である
ガスフォイル又は支流ガスの吹出しノズルを有するガス
注入管を、主流ガスダクトの幅方向に少なくとも1個設
置する。必要に応じてガスフォイル若しくはガス注入管
の間の主流ガス流路部に、主流ガスの整流板を設けたも
のである。このような構成における主流ガスの絞り部の
流速,流路幅,ガス吹出し孔より流出する支流ガスの流
速,ガス吹出し孔の開口面積の関係については、何等説
明が為されていない。
【0004】次に他の従来技術の例として、ガスタービ
ン燃焼器の燃焼空気とガス燃料の予混合については、例
えば、特開平4−270821号公報に示される。特開平5−50
6302号公報,特開昭62−502137号公報に示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の第1の問題
点は、合流ガスダクトの長さが、煙風道の配置上、支流
ガスの拡散に必要な距離が充分確保出来ない場合は、よ
り多くの整流板により、主流ガスの通路分割数を増加さ
せ、ガス吹出し孔の数を増加させる必要があるが、通路
分割数の増加により、構造が複雑化することである。
【0006】従来技術の第2の問題点は、支流ガスのガ
ス吹出し孔からの流出が単純な直交に近い流れの為、合
成ガスの良好な混合が得られる支流ガス量の範囲が狭い
ことである。一方、従来技術の第3の問題点は、予混合
用燃料ノズルから供給される2段予混合用燃料の分散が
充分でなく、局所的に燃料濃度の濃い部分が出来、その
部分の火炎温度が、高くなり、結果的にNOxの発生量
が多くなることである。
【0007】従来技術の第4の問題点は、2段予混合用
空気の流れが反転した後で、2段予混合用燃料を供給す
るために、2段予混合用空気の偏流、更に予混合用燃料
ノズルの影響により、混合直前の2段予混合用空気の流
量分布が複雑であり、その流量分布に対応して2段予混
合用燃料を供給することは、事実上不可能に近く、試行
錯誤的な実験に頼らざるを得ないことである。以上のよ
うに、主流ガス或いは2段予混合用空気と支流ガス或い
は2段予混合用燃料の拡散混合方法には幾つかの問題を
有していた。
【0008】本発明の第1の目的は、支流ガスの主流ガ
スへの供給方向を改善することにより拡散に必要な距離
の短縮化を図り、合成ガスダクトの長さが短い場合に
も、均質な混合状態を確保することである。
【0009】本発明の第2の目的は、支流ガスの主流ガ
スへの供給方向を改善することにより、良好な混合が得
られる支流ガスの流量範囲を拡大することである。これ
は、2段予混合用燃料の2段予混合用空気への拡散に対
しても全く同様である。
【0010】本発明の第3の目的は、与えられた予混合
部155の混合距離内において、更に均質な混合を得る
ことである。本発明の第4の目的は、2段予混合用空気
の偏流が少なく且つ予混合用燃料ノズルの影響を受けな
い構造とし、2段予混合用空気の流量分布に対応した予
混合用燃料を供給し、良好な予混合状態を得ることであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、主流ガスに
対して噴流の混合を良好にする為に、主流ガスの流れ方
向と或る角度を設けて噴流を供給した場合、主流ガスに
よって混合する噴流の軌道が曲げられ、やがて主流ガス
の流れ方向になり拡散するが、このときの噴流軌道上に
各断面における噴流の拡散形状に着目したものである。
通常、一般に行われている主流ガスと噴流との為す角
は、直交に近い状態が多いが、局所的に見れば直交して
いない状態の場合もある。現実的に噴流が主流ガスとの
為す角は、30〜150度程度の範囲が適用可能領域と
考えられる。一方、公知のように、主流ガスによって噴
流の軌道が曲げられる場合、噴流断面形状は主流によっ
て押しつぶされ、噴流の方向に対して横方向に拡がる性
質を有している。本発明では、主流ガスによって噴流が
押しつぶされ、噴流の方向に対して横方向に拡がる性質
を利用して、主流ガスと噴流との混合を改善する手段を
提供するものである。本発明は、主流の通路断面形状が
環状ダクトを構成し、外側の環状ダクト壁面上に設ける
1個又は複数個の噴流開口部において、外側の環状ダク
ト壁面に垂直な方向に対する角度βが、10°<β<8
0°又は、−10°<β<−80°となるように噴流開
口部を傾斜して設けたことを特徴とする。
【0012】本発明は、主流の通路断面形状が環状ダク
トを構成し、内側の環状ダクト壁面及び外側の環状ダク
ト壁面上に各々設ける1個又は複数個の噴流開口部にお
いて、内側及び外側の環状ダクト壁面に各々垂直な方向
に対する角度βが、各々10°<β<80°又は、−10
°<β<−80°となるように噴流開口部を傾斜して設
けたことを特徴とする。
【0013】本発明は、主流の通路方向が半径方向(輻
流方向)となる内向き又は外向きの流れとなる円板形ダ
クトを構成し、片側の円板上に設ける1個又は複数個の
噴流開口部において、円板面に対する角度γが、10°
<γ<80°又は、−10°<γ<−80°となるよう
に噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴とする。
【0014】本発明は、主流の通路方向が半径方向(輻
流方向)となる内向き又は外向きの流れとなる円板形ダ
クトを構成し、互いに対向する円板面上に1個又は複数
個の噴流開口部において、各々の円板面に対する角度γ
が、10°<γ<80°又は、−10°<γ<−80°
となるように噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴と
する。
【0015】本発明は、主流の流体の流れ方向に対し、
噴流の噴出方向との為す角が直交する流れ場において、
主流の通路断面形状が長方形ダクト(正方形ダクトを含
む)の一辺に、1個又は複数個の噴流開口部を設け、噴
流開口部を有するダクト壁面に垂直な方向に対する角度
αが、10°<α<80°又は、−10°<α<−80°
となるように、噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴
とする。
【0016】流れ場において長方形ダクトの対向する両
面に、1個又は複数個の噴流開口部を設け、各々の噴流
開口部を有するダクト壁面に垂直な方向に対する角度α
が、10°<α<80°又は、−10°<α<−80°
となるように噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴と
する。
【0017】本発明は、主流の通路断面形状が円筒形ダ
クトにおいて、その円筒壁上に1個又は複数個の噴流開
口部を設け、円筒形ダクトに垂直な方向に対する角度β
が、10°<β<80°又は、−10°<β<−80°
となるように噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴と
する。
【0018】本発明は、主流の通路断面形状が環状ダク
トを構成し、内側の環状ダクト壁面上に設ける1個又は
複数個の噴流開口部において、内側の環状ダクト壁面に
垂直な方向に対する角度βが、10°<β<80°又
は、−10°<β<−80°となるように噴流開口部を
傾斜して設けたことを特徴とする。
【0019】本発明は、主流の通路断面形状が環状ダク
トを構成し、外側の環状ダクト壁面上に設ける1個又は
複数個の噴流開口部において、外側の環状ダクト壁面に
垂直な方向に対する角度βが、10°<β<80°又
は、−10°<β<−80°となるように噴流開口部を
傾斜して設けたことを特徴とする。
【0020】本発明は、主流の通路断面形状が環状ダク
トを構成し、内側の環状ダクト壁面及び外側の環状ダク
ト壁面上に各々設ける1個又は複数個の噴流開口部にお
いて、内側及び外側の環状ダクト壁面に各々垂直な方向
に対する角度βが各々10°<β<80°又は、−10
°<β<−80°となるように噴流開口部を傾斜して設
けたことを特徴とする。
【0021】本発明は、主流の通路方向が半径方向(輻
流方向)となる内向き又は外向きの流れとなる円板形ダ
クトを構成し、片側の円板上に設ける1個又は複数個の
噴流開口部において、円板面に対する角度γが、10°
<γ<80°又は、−10°<γ<−80°となるよう
に噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴とする。
【0022】本発明は、主流の通路方向が半径方向(輻
流方向)となる内向き又は外向きの流れとなる円板形ダ
クトを構成し、互いに対向する円板面上に1個又は複数
個の噴流開口部において、各々の円板面に対する角度γ
が、10°<γ<80°又は、−10°<γ<−80°
となるように噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴と
する。
【0023】本発明は、主流の流体の流れ方向に対し、
噴流の噴出方向との為す角ζが、90°<ζ<150°
の逆流の流れ場において、主流の通路断面形状が長方状
ダクト(正方形ダクトを含む)の一辺に、1個又は複数
個の噴流開口部を設け、噴流開口部を有するダクト壁面
に垂直な方向に対する角度αが、10°<α<80°又
は、−10°<α<−80°となるように噴流開口部を
傾斜して設けたことを特徴とする。
【0024】本発明は、長方形ダクトの対向する両面
に、1個又は複数個の噴流開口部を設け、各々の噴流開
口部を有するダクト壁面に垂直な方向に対する角度α
が、10°<α<80°又は、−10°<α<−80°と
なるように噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴とす
る。
【0025】本発明は、主流の通路断面形状が円筒形ダ
クトにおいて、円筒壁上に1個又は複数個の噴流開口部
を設け、円筒形ダクトに垂直な方向に対する角度βが、
10°<β<80°又は、−10°<β<−80°となる
ように噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴とする。
【0026】本発明は、主流の通路断面形状が環状ダク
トを構成し、内側の環状ダクト壁面上に設ける1個又は
複数個の噴流開口部において、内側の環状ダクト壁面に
垂直な方向に対する角度βが、10°<β<80°又
は、−10°<β<−80°となるように噴流開口部を
傾斜して設けたことを特徴とする。
【0027】本発明は、主流の通路断面形状が環状ダク
トを構成し、外側の環状ダクト壁面上に設ける1個又は
複数個の噴流開口部において、外側の環状ダクト壁面に
垂直な方向に対する角度βが、10°<β<80°又
は、−10°<β<−80°となるように噴流開口部を
傾斜して設けたことを特徴とする。
【0028】本発明は、主流の通路断面形状が環状ダク
トを構成し、内側の環状ダクト壁面及び外側の環状ダク
ト壁面上に各々設ける1個又は複数個の噴流開口部にお
いて、内側及び外側の環状ダクト壁面に各々垂直な方向
に対する角度βが各々10°<β<80°又は、−10
°<β<−80°となるように噴流開口部を傾斜して設
けたことを特徴とする。
【0029】本発明は、主流の通路方向が半径方向(輻
流方向)となる内向き又は外向きの流れとなる円板形ダ
クトを構成し、片側の円板上に設ける1個又は複数個の
噴流開口部において、円板面に対する角度γが、10°
<γ<80°又は、−10°<γ<−80°となるよう
に噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴とする。
【0030】本発明は、主流の通路方向が半径方向(輻
流方向)となる内向き又は外向きの流れとなる円板形ダ
クトを構成し、互いに対向する円板面上に1個又は複数
個の噴流開口部において、各々の円板面に対する角度γ
が、10°<γ<80°又は、−10°<γ<−80°
となるように噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴と
する。
【0031】本発明は、噴流開口部において、各壁面上
に設ける噴流開口部が突起又は、陥没した部分に設けら
れた場合は、各断面における噴流分布の形状即ち、通路
高さ方向に対する噴流の中心の断面に対する投影軸との
為す角が、10°〜80°又は、−10°〜−80°と
なるように噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴とす
る。
【0032】本発明は、主流の流体の流れ方向に対し、
噴流の噴出方向との為す角ζが、30°<ζ<90°の
順流の円筒状の流れ場において、主径方向に対して噴流
開口部断面上に投影される噴流の中心軸との為す角が、
10°〜80°又は、−10°〜−80°となるように
1個又は複数個の噴料開口部を傾斜して設けたことを特
徴とする。
【0033】本発明は、主流の流体の流れ方向に対し、
噴流の噴出方向との為す角が直交する円筒状の流れ場に
おいて、半径方向に対して噴流開口部断面上に投影され
る噴流の中心軸との為す角が、10°〜80°又は、−
10°〜−80°となるように、1個又は複数個の噴流
開口部を傾斜して設けたことを特徴とする。
【0034】本発明は、主流の流体の流れ方向に対し、
噴流の噴出方向との為す角ζが、90°<ζ<150°
の逆流の円筒状の流れ場において、半径方向に対して噴
流開口部断面上に投影される噴流の中心軸との為す角
が、10°〜80°又は、−10°〜−80°となるよ
うに1個又は複数個の噴流開口部を傾斜して設けたこと
を特徴とする。
【0035】
【作用】本発明の詳細を説明する前に、主流ガスと直交
する噴流に対して、その噴流の拡散状況、即ち作用につ
いて説明する。上述のように主流ガス流れ方向と或る角
度を持った噴流でも類似の拡散状況となるが、ここでは
最も典型的な角度として直交する場合を例にとって説明
する。
【0036】図1は、混合ダクト2内を図示のように主
流ガス1が流れており、これに対して噴流ガスダクト3
より噴流開口部4から噴流が図示のように主流ガス1に
直交して供給された状況を示している。この状態におい
て、噴流開口部4を起点とし、主流ガス流れ方向11を
x軸、噴流流れ方向10をy軸とする。更に噴流中心軸
6に沿って軸をζ軸とする。これまでの研究によれば、
噴流外側境界5を与える式は、
【0037】
【数1】
【0038】ここで、y0 :噴流のy軸方向外側境界距
離 d:噴流開口部直径 α:主流ガス速度に対する噴流ガス速度の比 噴流中心軸6(ξ軸)を与える式は、
【0039】
【数2】
【0040】ここで、y0 :噴流のy軸方向中心距離 噴流内側境界7を与える式は、
【0041】
【数3】
【0042】ここで、yi :噴流のy軸方向内側境界距
離 式(1)〜(3)によって噴流の流れ状況を知ることが
できる。図2は、図1のD−D断面を示したものであ
る。この位置は、図1より明らかなように、噴流開口部
4より後流の地点であるが、噴流の分布13の状況を示
したものである。図で噴流開口部4の横方向をz軸(x
軸,y軸の直交する軸12)とする。この噴流の分布1
3のy軸上において、図1に示した噴流外側境界5,噴
流内側境界7は、図示のような位置となる。図から明ら
かなように、噴流開口部4より噴出する噴流は、y軸方
向の拡がりに比べてz軸方向の拡がりが大きい特徴があ
る。すなわち、主流ガス1と噴流の速度が与えられた
時、噴流開口部4の直径d,噴流開口部4間のピッチ
p,混合ダクト2の高さHとの間に最適な分散が得られ
る条件が決定されることになる。すなわち、ピッチpが
狭い場合には、隣りの噴流と干渉し、局所的に噴流の濃
度分布の濃い処が発生するし、又、混合ダクト2の高さ
Hが大きい場合には、噴流自体が、対向壁に到達しない
ので、混合ダクト2の後流において、噴流の分散が悪く
なることを示唆するものである。図3は、噴流の拡散に
ついて、これまでに行われた実験結果を示すものであ
る。ここで図上より、ξ/dとして噴流のその時点にお
ける断面の発達状況を示している。図上の3断面の斜線
部は、いわゆるポテンシャルコアと言われるもので、主
流ガス1が全く混合していない領域を示すものである。
このように、噴流の中心軸(ξ軸)に沿って、主流ガス1
の影響を受けて、噴流断面の発達は、肝臓形となること
が知られている。図4は、円筒形ダクト14内に、円形
噴流ダクト16を挿入し、環状空間15を形成した具体
例を示したものである。円形噴流ダクト16上には、複
数個(図示では12個)の噴流開口部4を設け、放射状
すなわちR方向に噴流を設定した場合を示す。主流ガス
1は、紙面に垂直に流れるものとしている。噴流開口部
4より後流における噴流の分布13は、図2と同じよう
に、図示の形状となることが判る。したがって、円筒形
ダクト14の壁近傍或いは円形噴流ダクト16の壁近傍
には、噴流が仲々拡散しないことが判る。
【0043】本発明では、このような噴流の性質を利用
して良好な拡散混合を行わせる方法に関するものであ
り、具体的には、図2〜図4で示されるz方向又はθ方
向の噴流の拡がり特性を利用することに関するものであ
る。
【0044】
【実施例】以下、本発明について、図面を用いて詳細に
説明する。図5は長方形のダクトの一辺に、複数個の噴
流開口部4を噴口面19に対して傾斜させて設けた具体
例を示す。図左に座標軸を示している。主流ガス流れ方
向17は、図示のように紙面に垂直に紙面に向って流れ
ている。つまり、図2と同位置における断面を示してい
る。図から判るように、噴流は、y軸に対してα度だけ
右に回転したy′軸が噴流の流れ方向としている。これ
により、噴流開口部4よりx軸方向に或る距離後流にお
ける噴流の分布13を図示のようになる。つまり、噴流
軸をα度回転させることによって噴流のz方向の拡がり
が大きい為に、図示z′軸方向に噴流が拡がることにな
る。これは、混合ダクト2をベースに考えると図2に比
べてy軸方向への拡がりが増加することになる。角度α
を増加させることにより、このy軸方向の噴流の拡がり
が増加するので、混合ダクト2のy軸方向の噴流の拡散
が大幅に改善されることになる。図5の具体例では主流
ガス流れ方向17と噴流との為す角は直交として、y軸
とz軸をαだけ回転させており、噴口面19に対する噴
流開口部4が(90−α)度だけ傾斜させている。噴流
と主流ガス流れ方向17は、本発明では直交に限定して
いないが、現実的に噴流開口部の傾斜製作限界,噴流自
体の貫通距離,ダクト高さHと流れの条件より決定すべ
きものである。一方、混合ダクト2の横方向は、噴流開
口部4のピッチpを変えることにより、隣接した噴流の
分布13との干渉を防止し、均一な拡散を行うことがで
きる。図5の例では、図示のピッチの1/2位が混合ダ
クト2の横方向の拡散に対して良好な混合状態を与える
ものと考えられる。図では、理解しやすいように、ピッ
チを大きくして噴流の分布の干渉を避けて示している。
角度αの効果を期待するには、αが10〜80度位が良
く、混合ダクト2の高さ方向との関係もあるが、45〜
60度程度が、現実的に最適な角度である。角度αが2
0度以下の場合は、本発明による効果が少なく、逆に角
度80度以上では噴流開口部4の製作が困難となるから
である。
【0045】図6は、本発明による環状通路に対する具
体例であり、図4と同位置に於ける噴流の分布13の状
況を示したものである。図4では、噴口面19に垂直に
噴流開口部4を設けているが、本発明による図6では、
法線方向R軸にβ度だけ傾斜したR′軸に噴流開口部4
を設けている。主流ガス流れ方向17は、紙面に垂直で
下向きに流れている。したがって主流ガス1と噴流は、
図4と同じく直交しているが、噴口面19に対して傾斜
した噴流を環状空間15に噴出させている。このような
状態で、噴流開口部4より後流の位置に於ける噴流の分
布13は、図示のように拡散することになる。つまり、
図4の場合と比較すれば明らかなように、円形噴流ダク
ト16の壁面や円筒形ダクト14の壁面近傍に噴流が拡
散するようになり、環状空間15への噴流の分散が均一
化されることになる。図6では、理解しやすいように、
隣接する噴流の分布13を示すために、噴流開口部4の
数を減少して示しているが、最も良好な噴流の拡散の為
には、隣接した噴流の分布13が、重複もせず且つ図示
のように離れることもないように噴流開口部4の数を選
定することである。つまり、環状空間15の全域に噴流
の分布13を均一に分散させることが、重要となる。主
流ガス1,噴流の流れ条件を考慮し、円筒形ダクト14
と円形噴流ダクト16で構成される環状空間の大きさよ
り、最適な噴流開口部4の直径d,隣接した噴流開口部
4間のピッチ,角度βを選定することができる。尚、図
6では、環状空間15の内側に複数個の噴流開口部4を
設けた具体例で説明したが、複数個の噴流開口部4を外
側に設けたり、更に内側と外側の両方に設けた場合も本
発明に含まれる。
【0046】図7〜図9は、本発明による他の具体例を
示す。図7は、主流ガス1が、構造中心軸25に対して
内向きの流れの場合もある。内向きの主流ガス1の流れ
方向に対し、噴流開口部4を図示のように構造中心軸に
平行で且つ噴口面19に対して垂直でない或る角度γと
した場合である。当然のことながら、主流ガス1の流れ
方向が、図示と反対に外向き流であっても、噴流開口部
4が対向円板側に設けた場合や、両側に噴流開口部4を
設けた場合も本発明が適用できるものである。噴流ガス
ダクト3から供給される噴流ガスは、噴流開口部4より
噴出し、図示のような噴流23となる。噴流開口部4
は、破線で示されるように、噴口面19に垂直でなく、
噴流円板22のθ方向に角度γだけ傾いて設けている。
この状況を図8に示している。図8は、図7のE−E断
面視図を示したもので、図示のようなノズルリング26
上に、噴流開口部4が設けられているが、噴口面19に
対して垂直でなく或る角度γを設けている状況が理解で
きる。図7において、噴流開口部4が設けてあるノズル
リング26やそれに対向して対向円板21に設けた突起
は、主流ガス1を整流する役目をもたせているが、これ
は絞り部と全く同じ役目である。本発明と直接的な関係
ではないが、主流ガス1を整流して噴流を噴出させた
後、急拡大された流路により後流での乱流拡散を促進さ
せるのに有効と考える為である。この意味では、図示の
ような混合出口ダクト24により、混合ダクトが曲った
形状とすることにより、混合出口ダクト内に、いわゆる
2次流れを誘起して乱流拡散を促進させることが同様に
期待できる。これらは、噴流混合装置の構成によって決
まる乱流拡散効果であり、本発明と直接的に関係ではな
い。つまり、前記のノズルリング26やそれに対向して
設けた対向円板上の突起がなくても、又混合出口ダクト
24が図示のようでない場合も、本発明が適用できるも
のである。
【0047】図9は、図7のF視図の半径ρ1 上の展開
図を示したものである。図7では表示できなかった角度
γが示されている。つまり、噴口面19に対して噴流開
口部4が角度γとすることにより、噴流の分布13が図
示のようになる。噴流の分布13は、対向円板21側と
噴流円板22側に拡がり、又噴流開口部4間のピッチを
最適化することによって半径ρ1 上で、より均質の噴流
の拡散を得ることができるものである。図7〜図9の具
体例では、主流ガス1と噴流開口部4からの噴流の為す
角が直交した例を示したが、この角は30〜150度の
範囲であれば良く、本発明に含まれるものである。以
上、各々の流れの場について、本発明の内容を説明した
が、以下、ガスタービン用燃焼器への適用した具体例に
ついて説明する。
【0048】図10は、ガスタービン燃焼器の具体的な
断面を示す図である。先ず動作について説明すると、圧
縮機(図示せず)より供給される圧縮空気28は、ディ
フューザ29で減速された後、空気溜30に供給され
る。この供給された圧縮空気28の1部は、3段予混合
用空気31として、2段予混合用空気絞り部37が通
り、予混合通路32内に於いて、2段予混合用燃料34
と混合した後、予混合ガス出口33より2段燃焼室43
に供給され、燃焼を行うものである。一方、或る部分負
荷以下の燃焼は、1段燃料47を1段燃料ノズルより1
段燃焼室42に供給して行わせ、上記2段燃焼室43で
の燃焼を或る負荷より行わせて定格負荷とするものであ
る。燃焼順序は、1段燃焼室42で燃焼し、次いで或る
負荷より2段燃焼室43で燃焼する。前記のように、2
段燃焼室43には、火炎温度の均一化を図り、低NOx
燃焼を行う為に、2段予混合用燃料34は、予混合通路
32内に於いて、2段予混合用空気31と予混合された
後、燃焼するが、1段燃焼室42の火炎により着火させ
る必要がある。しかし、2段予混合用空気31で希釈す
る結果、単位体積当りの発熱量が1/20〜1/30に
低下するので着火が困難となる。そこで、着火時に可動
リング49により2段予混合用空気31の流量を低下さ
せて着火させるようになっている。発生した高温高圧ガ
スは、1段静翼44を通り、高温高圧ガス45としてタ
ービン部に送られ、動力を得るものである。図11は、
図10のG部詳細図を示すものであり、2段予混合用空
気31と2段予混合用燃料噴流46が本発明による噴流
混合の状態となる。この構成は、図7〜図9で示したも
のと類似している。予混合通路32での混合を決める技
術的なポイントは、2段予混合ノズル36より供給され
る2段予混合用燃料噴流46の初期における分散状態で
あり、前述までに示した本発明の方法によって、2段予
混合用空気絞り部37の極く近くの後流において均質な
分散を行わせることが重要となる。予混合ガス出口33
より均質な予混合ガス供給して低NOx燃焼が達成され
たものである。本発明の内容は、図10,図11では判
り易く説明が出来ないので、図11のH−H断面の展開
図により説明する。図12は、その展開図であり、2段
予混合用空気絞り部37の極く近くの後流の燃料分散状
態を示している。噴口面19に対して噴流開口部4が角
度γだけ回転させることにより、噴流の分布13は図の
ようになり、噴流開口部4の間のピッチを最適化させる
ことにより図のように通路全体に分配することができ
る。このように、2段予混合用空気絞り部37の極く近
い後流における2段予混合用燃料34の分散が図示のよ
うな状態であれば、ベンド部50によって生じる2次渦
や予混合通路32での拡散によって、より均質な予混合
ガスを2段燃焼室43に供給することができ、低NOx
燃焼を行わせることが出来る。
【0049】さて、噴流開口部4のピッチに対して噴流
横幅との比をとり、濃度の偏差との関係について説明す
る。実験は、図11に示すような予混合通路32を用
い、角度γ=60゜として予混合ガス出口33に於ける
燃料濃度の偏差を図12に示した。実験は、噴流開口部
4から噴出する速度を変え、2段予混合用空気31を一
定として行ったものである。図12から明らかなよう
に、噴流横幅が、噴流開口部4のピッチに対して大きく
なり、隣接する噴流の分布13との干渉度が大きくなる
につれて、予混合ガス出口33に於ける燃料濃度の均質
度が低下することが判った。本発明により、隣接する噴
流の分布13との干渉を抑制し、流路幅全体に燃料を分
散させることにより、均質度の高い予混合ガスを得るこ
とができる。図14は、予混合化を2重に実施したガス
タービン燃焼器の具体例を示す。即ち、1段予混合用燃
料51は、1段予混合ノズル52より噴出され1段燃料
流58として1段予混合部61に供給される。一方、空
気溜30に供給された圧縮空気28の1部は、1段予混
合用空気53となり、1段予混合部61に供給され、こ
こで前記1段燃料流58と予混合し、1段スワラ56を
通り、1段予混合ガス出口62より燃焼室57に供給さ
れ燃焼する。2段の予混合通路32は、前記図10,図
11で説明したので省略する。このように、予混合化を
2重に実施する燃焼器では、燃焼の裕度幅、すなわち最
適な燃焼幅が狭くなる欠点が生じるので、本具体例で
は、起動用燃料54を燃焼器軸芯上に配置された起動用
バーナ55により燃焼幅を拡大する必要が生じる。さ
て、本具体例の本発明の適用部分は、前記2段予混合ノ
ズル36から噴出した2段燃料流59と2段予混合用空
気31との予混合過程ともう1つは1段予混合ノズル5
2から噴出した1段燃料流58と1段予混合用空気53
との予混合過程に適用されている。いずれも、2段予混
合ノズル36および1段予混合ノズル52の面に垂直で
なく、図11および図12で示されるように角度γを設
けて、隣接する2段燃料流59や1段燃料流58との干
渉を出来るだけ避けると共に図3に示した横風を受ける
噴流の断面の発達特性を利用して2段予混合用空気絞り
部37や1段予混合空気絞り部63、更に予混合通路3
2や1段予混合部61の幅又は高さ方向に燃料の分散を
拡大させることができる。いずれも、2段予混合ノズル
36や1段予混合ノズル52より噴出された2段燃料流
59や1段燃料流58の極く初期の混合過程に於いて、
この横風を受ける噴流の断面の発達特性を利用して燃料
を出来るだけ広く均一に分散させることにより、予混合
ガス出口33や1段予混合ガス出口62に於ける燃料濃
度分布の均質化を達成させることができるものである。
【0050】図15は、1段予混合用空気53が、環状
直進流となる1段予混合部61に、1段予混合用燃料5
1を内側壁より噴流として1段燃料流B60のように供
給し、予混合させる他のガスタービン燃焼器への本発明
の他の具体例を示したものである。本発明による1段燃
料流B60の1段予混合用空気53との予混合は、図6
に示すように、1段予混合部61の断面上に於いて角度
βだけ傾けて燃料ノズル噴口を設けることである。これ
により、隣接する噴流の分布13との干渉を防止すると
共に横風を受ける噴流の発達特性を利用して、燃料が噴
出された極く初期の段階において、内周,外周側へ幅広
く1段予混合用燃料51を分散させることである。これ
により、その後の1段予混合部61での拡散が更に進む
ので、1段予混合ガス出口62より、燃料濃度分布が均
質な予混合ガスを燃焼室57に供給することができる。
要するに、本発明では、横風を受ける噴流の発達特性を
利用して、噴流(ここでは燃料)の極く初期において均
一に1段予混合部61の断面上に広く分散させ且つ隣接
する噴流の分布13との干渉を防止する方法を提案する
ものである。以上は、燃料ノズル噴口を内周上に設けた
具体例であるが、外周側に設ける場合もあり、又1段予
混合部61の半径方向の距離が大きく、横風を受ける噴
流の貫通距離が相対的に小さい場合には、内周と外周の
両側に燃料ノズル噴口を設ける場合もある。又、本具体
例では、二重に構成された予混合通路のうち、1段目に
設けた場合で説明したが、2段目に設けても良いし、更
に1段目と2段目に適用する場合もある。又、2段以上
の多段化構造や更に燃焼室53への予混合ガスの供給
を、複数個のバーナに分け、その各々に対して1段予混
合部61を構成したマルチ方式などに応用する場合もあ
る。本発明は、上記いずれの場合に対しても、横風を受
ける噴流の断面の発達、つまり断面形状の変形特性を利
用したものであり、これまで燃料と空気の予混合させる
ガスタービン燃焼器に具体例を絞って説明したものであ
り、他の噴流を利用した気体と気体の混合、例えば、公
知例に示したものに対しても適用できるものである。
【0051】次に、本発明の他の具体例について説明す
る。図16は、従来技術で示したものに関し、特に拡散
燃焼を行うJ部に本発明を適用した具体例を示すもので
ある。前記、予混合ガスを燃焼室に供給して燃焼させる
予混合燃焼と異なり、拡散燃焼では、燃料を直接燃焼室
に供給して、拡散しながら燃焼を行わせるものである。
拡散燃焼の場合は、燃焼の安定性,燃焼する領域が広く
従来から実用化されているが、局所的に火炎温度が高く
なり、発生するNOx(窒素酸化物)の量が多く欠点が
あった。しかし、局所的な高温火炎の領域を小さくする
ことにより、NOxの生成量を低減することが出来る。
要は、燃焼室内の燃料の分散を初期の段階で強化するこ
とにより、発生するNOx量を低減することができるも
のである。さて、従来技術で説明したものJ部は、複数
個の1段燃料ノズルにより構成され、その先端のノズル
噴口より1段燃料を供給していた。特に、噴射方向は、
噴角が70〜180度であるが、本発明と異なり燃料ノ
ズルの投影面上では、いずれも放射方向である。このた
めに燃料の噴流の拡がりが、周方向が主体となるため
に、1段燃焼室の断面上への燃料分散が充分でなく、高
温火炎領域が広くなりNOxの発生量が多い欠点があっ
た。図16について説明すると、燃焼空気の1部は、外
部開口80より外側開口空気68が、燃焼室74に供給
される。同時に燃焼空気の他の1部は、内側開口81よ
り内側開口空気69が、燃焼室74に供給される。これ
らは、燃焼室頭部板71と燃料ノズルリング66とで構
成された開口より燃焼室74内に供給される燃焼空気で
あるが、この他、ノズルリング内筒空気開口78および
内筒空気開口79を通して、内筒空気70が内筒内部に
供給され、内筒壁73上に設けられた開口部を介して燃
焼室74に供給される。又、燃焼空気の他の1部は、燃
焼室壁72の開口部より燃焼室74内に供給される。こ
れらの内筒壁73や燃焼室壁72は図示のように壁の冷
却として用いられるが、場合により燃焼室74内に直接
供給される燃焼空気開口が設けられることがある。内筒
壁73を設けることにより、燃焼室74の上流において
環状空気とし、燃料と燃焼空気の拡散を促進させている
が、燃料室頭部板71より流入する燃焼空気に対応した
燃料分配を行わせる必要がある。一方、ガス燃料64
は、燃料マニホルド65に供給され、燃料ノズルリング
66の先端に設けたノズル噴口67より、噴角ψ(通
常、ψは60〜120度が良く用いられる)が設定さ
れ、燃焼室壁72および内筒壁73で構成される環状空
気に噴出させ、燃料の分散を図っている。しかし、外側
燃料流75や外側燃料流76のように、外側開口空気6
8や内側開口空気69によって図示した破線のような軌
跡となる。すでに述べたように、横風を受けた場合、こ
の噴流は、燃焼室74の各断面に関して周方向の拡がり
が、大きい特性(図3参照)があり、隣接する噴流の分
散と干渉が起こり易く又、半径方向への分散が悪くな
る。本発明は、このような横方向に拡がる噴流の特性を
利用するために、ノズル噴口67を燃料ノズルリング6
6の先端で構成される平面上に垂直でなく成る角度を設
けることを提案するものである。この状況を図17に示
す。図17は、図16のK視図を示すものであり、図1
6の噴角ψを持たせ、更に外向きのノズル噴口67に対
し半径方向にδの角度を設けている。内向きのノズル噴
口67に対して同様にεの角度を設ける。これらのδ,
εの角度は、発達した噴流の断面が互いに干渉すること
なく半径方向に拡散するような流れ条件、更に燃焼室壁
72,内筒壁73の関係より得られるものである。図1
7では、外向きのノズル噴口67が24個、δ≒45
度,内向きのノズル噴口67が16個,ε≒45度の噴
流(ガス燃料)の場合を示している。外向きのノズル噴
口67の方向と内向きのノズル噴口67がθ方向に対し
て同方向を示したが反対方向、つまり左廻りと右廻りと
しても良い。又、図示では燃料ノズルリング66が一体
化された具体例を示しているが、複数個に分割した構成
であっても良いことが判る。図17のように外向きのノ
ズル噴口67に対してα角度傾斜させ、内向きのノズル
噴口67に対してε角度傾斜させて全体として左廻りに
燃料を噴出させた場合、各噴流の分布は、図18の状態
となる。図18は、図16のM−M断面視図を示したも
のであり、各々外側燃料流75,内側燃料流76の個々
の噴流の分布13を示している。図示のように、燃料の
分散が、環状の燃焼室74の全域に対して均一に行われ
ていることを示している。内側燃料流76の分布は、や
や重複しているが、角度εとノズル噴口67の数、更に
流れの条件を最適化することによって重複を避けること
が可能である。つまり、図17の内向きのノズル噴口6
7の数を減じれば、各噴流の分布13の重複を簡単に回
避できることが理解できる。このように、ノズルリング
PCDを境にして、外向きと内向きのノズル噴口67を
設けた場合は、図示のような噴流の分布13の集合とな
るが、図17で内側燃料流76を右廻りとすれば、外向
きの噴流の分布と同じ方向となるものである。以上は、
燃料ノズルリング66に外向きと内向きにノズル噴口6
7を設けた具体例を示したが、環状の燃焼室74の寸法
によっては、つまり燃焼室幅が噴流の分布13の拡がり
に対して図17より狭い場合は、外向き又は内向きだけ
のノズル噴口67が適用されることになる。このよう
に、片側だけの場合、燃料ノズルリング66の位置は、
外向きの噴流では内筒壁73側に、内向きの噴流では燃
焼室壁72側に寄せて設ける必要がある。要するに、横
風を受ける噴流の均一な分散に関し、噴流の横方向に拡
がる特性を利用し、噴流の初期段階において、燃焼室7
4の断面上に均一な分散を行わせることが、本発明のポ
イントである。
【0052】
【発明の効果】主流の流体中に他の流体を効率良く混合
させる場合、特に他の流体を噴流として供給し混合させ
ることは、構造的にも単純であり、良く利用されてい
る。本発明では、ボイラ,ガスタービン燃焼器を具体例
として、ガス流体を主体に説明したが、流体が液体でも
差支えない。しかし、他の流体を複数個の噴流に分割し
て混合を行う場合には、主流に対する噴流の貫通距離が
浅くなり、結果的に混合効率が低下することが生じる。
特に、従来技術の第1の問題点として示したように、噴
流として供給する他の流体の位置的な問題、すなわち、
噴流供給後の混合ダクトの長さが短い場合が代表的な例
である。上述のように主流に或る角度(現実的には、3
0〜150度)を有して噴流を供給すると、主流によっ
て押潰される結果、横方向に大きく拡がる特性を利用し
て、主流と噴流の初期の状態に於いて主流に広く分散さ
せることが本発明の要点である。つまり、混合ダクトの
長さを短縮できるものである。
【0053】本発明の第2の効果について述べる。
(2)に示されるように、噴流のy軸方向への貫通距離
c は、噴流開口部直径dを一定とした場合、主流ガス
と噴流速度の比(α)によって決定される。速度比αが
大きい場合、噴流のy軸方向への貫通距離yc が大きく
なる。しかし、本発明では、図5に示すように、噴流開
口部をαだけ傾斜させることにより、 (1)貫通距離がy′=yccosαとなり、速度比(α)
の影響が緩和される。 (2)噴流の横方向への拡散により、y方向への拡散が
改善される。
【0054】つまり、速度比の影響が緩和され、且つy
方向への拡散が改善されるので噴流の主流に対する混合
が良くなるものである。つまり、良好な混合が得られる
噴流の流量が、より広い範囲に亘り確保することができ
るものである。
【0055】次に、噴流をガス燃料とし、主流が空気の
場合、つまり燃焼を行わせることを考えて見たい。燃焼
によって生じるNOxは、前記のように、局所的に火炎
温度の高い領域の有無、更にはその領域の大きさ(滞溜
時間と考えても良い)によって変化する。先で予混合燃
焼について考えると、燃焼室内へ供給される予混合ガス
の濃度の均一度によって発生するNOx量が変化する。
理想的には、燃料ガスの分子が、空気中の分子と完全に
均一な混合気では、燃料量と空気量の比率によってNO
x発生量が決定され、その比率における最少のNOx量
が決定される。しかし、現実的に分子拡散状態を望むこ
とは、機器の制限があり困難なことである。予混合ガス
に燃料の濃度が高いと、その部分の火炎温度が高くな
り、発生するNOx量は、増加することになる。一方、
拡散燃焼では燃料ガスを直接的に燃焼室に供給して燃焼
させるので、火炎中の燃料濃度の高い部分が生じ、その
部分の火炎温度が高く発生するNOx量が多くなる。予
混合燃焼に比べて拡散燃焼では、上述の理由で、NOx
量が多く発生するが、NOx生成量は、火炎温度だけで
なく反応時間によっても変化する。つまり、拡散燃焼に
於いても、燃料ガスの分散を迅速にし、且つ与えられた
空気量を有効に利用することによって発生するNOx量
を低減させることが出来るものである。拡散燃焼の低N
Ox化の手段として、火炎の分割化は、その代表的な技
術として知られているが、結局の処、これも又燃料ガス
の早期分散と空気量を有効に利用して火炎の高温部を小
さくしているものである。前述のように、本発明は、主
流によって押潰される噴流の横方向の拡がり特性を利用
するものであり、予混合燃焼のみならず拡散燃焼に対し
ても火炎の均一化、発生するNOx量を抑制する上で、
大きな効果があるものである。これが、本発明による第
3の効果である。
【0056】次に、従来技術に示したように、2段予混
合用空気を反転して利用する場合、反転後の2段予混合
用空気の流れに偏流が生じ、加えて予混合用燃料ノズル
によって2段予混合用空気の流量に大きな差を生じ、流
量分布の不均一性が増大する。このような流れ場に、燃
料の噴流を設けると、局所的に空気流量と燃料流量のア
ンバランスが大きくなり、結果的に均一な濃度分布を有
する予混合ガスを得ることが困難となるものである。
【0057】本発明では、図11,図14,図15の具
体例に示すように、出来るだけ空気側(主流)の偏流が
生じにくい位置において噴流の分散,混合を行った後、
偏流を生じる構成としており、このような場合には、偏
流によって生じる2次流れが、空気と燃料の混合を一層
助長することになり、結果的に予混合ガス出口33にお
いて燃料濃度の均一な予混合ガスを得ることが出来るも
のである。これが本発明による第4の効果である。以上
のように、本発明は、気体と気体,液体と液体の混合
が、噴流を用いる場合、均一な混合体を得る上で、極め
て効果的であり、ガス燃焼の場合は、NOxの発生を抑
制する上で極めて効果のあるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】主流ガスに直交するように配置された噴流の主
流ガス流に平行な断面の説明図。
【図2】図1のD−D断面で主流ガス流に直角な断面上
の噴流の横方向拡がりを説明する。
【図3】図1の噴流中心軸(ξ軸)に沿う噴流断面の発
達状況を説明する図。
【図4】円筒形ダクトで主流ガスが環状流路で、ダクト
中心より外向き噴流を設けたとき、噴流開口部より或る
距離後流の噴流断面の発達状況を説明する図。
【図5】本発明による主流ガス流れに直角な長方形のダ
クト断面上において噴流が、角度αだけ右廻りに傾斜さ
せy′軸方向に噴出したとき、噴流開口部より後流の噴
流断面の発達状況を示す図。
【図6】本発明による主流ガス流れが、環状空間を流れ
る場合の断面に、内側の円形噴流ダクトに、図示のよう
に噴流開口部をβだけ右廻りに傾斜しR′軸方向に噴流
を設けたとき、噴流開口部より後流の断面上における噴
流の発達状況を示す図。
【図7】主流ガスが、軸芯に向う流れに対応して、噴流
開口部を設ける本発明による具体例を示す図。
【図8】図7のE−E断面視図で、噴流開口部が接線方
向に傾斜した本発明による具体例を示す図。
【図9】図7のF視図で、本発明による噴流開口部の場
合の半径ρ1 上の噴流断面の発達状況を示す展開図。
【図10】部分的(2段目のみ)に予混合燃焼用適用し
たガスタービン燃焼器に本発明を適用した具体例を示す
図。
【図11】図10のG部詳細図。
【図12】図11のH−H断面上における噴流断面の発
達を示すもので、噴流開口部が角度γだけ傾斜して設け
た本発明による噴流の分布状況を示す図。
【図13】噴流開口部間のピッチに対して噴流横幅が及
ぼす濃度標準偏差への影響を示す実験データを示す図。
【図14】2段予混合燃焼を用いたガスタービン燃焼器
に本発明を適用した具体例を示す断面図。
【図15】2段予混合燃焼を用いたガスタービン燃焼器
に本発明を適用した他の具体例を示す断面図。
【図16】ガスタービン燃焼器のJ部の拡散燃焼部に本
発明を適用した具体例を示す断面図。
【図17】図16のK視図を示し、特に本発明による噴
流開口部より供給される噴流の方向を示す図。
【図18】図16のM−M断面上における図17のよう
に噴流を設けたときの各噴流断面図の発達状況を示す
図。
【符号の説明】
1…主流ガス、2…混合ダクト、3…噴流ガスダクト、
4…噴流開口部、5…噴流外側境界、6…噴流中心軸
(ξ軸)、7…噴流内側境界、8…混合領域、9…噴流
ガス、10…噴流流れ方向(y軸)、11…主流ガス流
れ方向(x軸)、12…x軸とy軸に直交する方向(z
軸)、13…噴流の分布、14…円筒形ダクト、15…
環状空間、16…円形噴流ダクト、17…主流ガス流れ
方向、18…1段燃料ノズル、19…噴口面、20…噴
口対向面、21…対向円板、23…噴流円板、24…混
合出口ダクト、25…構造中心軸、26…ノズルリン
グ、27…絞り部、28…圧縮空気、29…ディフュー
ザ、30…空気溜、31…2段予混合用空気、32…予
混合通路、33…予混合ガス出口、34…2段予混合用
燃料、35…2段予混合用燃料室、36…2段予混合ノ
ズル、37…2段予混合用空気絞り部、38…内筒、3
9…1段燃焼室壁、40…2段燃焼室壁、41…接続
筒、42…1段燃焼室、43…2段燃焼室、44…1段
静翼、45…高温高圧ガス、46…2段予混合用燃料噴
流、47…1段燃料、48…1段燃料ノズル、49…可
動リング、50…ベンド部、51…1段予混合用燃料、
52…1段予混合ノズル、53…1段予混合用空気、5
4…起動用燃料、55…起動用バーナ、56…1段スワ
ラ、57…燃焼室、58…1段燃料流、59…2段燃料
流、60…1段燃料流B、61…1段予混合部、62…
1段予混合ガス出口、63…1段予混合用空気絞り部、
64…ガス燃料、65…燃料マニホルド、66…燃料ノ
ズルリング、67…ノズル噴口、68…外側開口空気、
69…内側開口空気、70…内筒空気、71…燃焼室頭
部板、72…燃焼室壁、73…内筒壁、74…燃焼室、
75…外側燃料流、76…内側燃料流、77…頭部プレ
ート、78…ノズルリング内筒空気開口、79…内筒空
気開口、80…外側開口、81…内側開口、82…ノズ
ルリングPCD。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主流の流体の流れ方向と噴流の噴出方向と
    に交差角を持たせ流体の噴流混合を行う方法において、
    主流が流れる通路断面において、噴流が主流によって横
    方向に拡散する特性を利用するために、通路断面の高さ
    方向に対して、右又は左に噴流を傾斜させて供給する流
    体の噴流混合方法。
  2. 【請求項2】主流の流体の流れ方向に対し、噴流の噴出
    方向との為す角ζが、30°<ζ<90°の順流の流れ
    場における流体の噴流混合方法において、主流の通路断
    面形状が長方形ダクト(正方形ダクトを含む)一辺に、
    1個又は複数個の噴流開口部を設け、噴流開口部を有す
    るダクト壁面に垂直な方向に対する角度αが、10°<
    α<80°又は、−10°<α<−80°となるように
    噴流開口部を傾斜して設けたことを特徴とする流体の噴
    流混合方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、長方形ダクトの対向す
    る両面に、1個又は複数個の噴流開口部を設け、各々の
    噴流開口部を有するダクト壁面に垂直な方向に対する角
    度αが、10°<α<80°又は、−10°<α<−8
    0°となるように噴流開口部を傾斜して設けたことを特
    徴とする流体の噴流混合方法。
  4. 【請求項4】請求項2において、主流の通路断面形状が
    円筒形ダクトであって、その円筒壁上に1個又は複数個
    の噴流開口部を設け、円筒形ダクトに垂直な方向に対す
    る角度βが、10°<β<80°又は、−10°<β<
    −80°となるように噴流開口部を傾斜して設けたこと
    を特徴とする流体の噴流混合方法。
  5. 【請求項5】請求項2において、主流の通路断面形状が
    環状ダクトを構成し、内側の環状ダクト壁面上に設ける
    1個又は複数個の噴流開口部において、内側の環状ダク
    ト壁面に垂直な方向に対する角度βが、10°<β<8
    0°又は、−10°<β<−80°となるように噴流開
    口部を傾斜して設けたことを特徴とする流体の噴流混合
    方法。
JP17229394A 1994-07-25 1994-07-25 流体の噴流混合方法 Pending JPH0835617A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17229394A JPH0835617A (ja) 1994-07-25 1994-07-25 流体の噴流混合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17229394A JPH0835617A (ja) 1994-07-25 1994-07-25 流体の噴流混合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0835617A true JPH0835617A (ja) 1996-02-06

Family

ID=15939247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17229394A Pending JPH0835617A (ja) 1994-07-25 1994-07-25 流体の噴流混合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0835617A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008161862A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Ningbo Wanhua Polyurethanes Co Ltd 噴射型混合反応装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008161862A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Ningbo Wanhua Polyurethanes Co Ltd 噴射型混合反応装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5515680A (en) Apparatus and method for mixing gaseous fuel and air for combustion including injection at a reverse flow bend
JP5100287B2 (ja) タービンエンジンを運転する装置
JP5746091B2 (ja) ローブスワーラ
US6722132B2 (en) Fully premixed secondary fuel nozzle with improved stability and dual fuel capability
US9222666B2 (en) Swirler, combustion chamber, and gas turbine with improved swirl
US5829967A (en) Combustion chamber with two-stage combustion
JP4004955B2 (ja) 拡散混合器
CN101886808A (zh) 带预混合直接喷射辅助燃料喷嘴的干式低NOx燃烧系统
KR19990072562A (ko) 저-배기연소를위한균일한연료/공기예비혼합을갖는버너및예비혼합방법
JP2009074706A (ja) ガスタービン燃焼器
JPH11248159A (ja) ガスタービン用予混合式燃焼室
US6978619B2 (en) Premixed burner with profiled air mass stream, gas turbine and process for burning fuel in air
JPH10196954A (ja) ガスタービンエンジンの燃焼器圧力変動を減少する方法
JPH10196958A (ja) ガスタービンエンジンの燃焼器内で燃料を燃焼する方法
JPH10196955A (ja) ガスタービンエンジンの燃焼器内で燃料を燃焼する方法
US20160281978A1 (en) Fuel Nozzle With Multiple Flow Divider Air Inlet
JPH0835617A (ja) 流体の噴流混合方法
JP2005188776A (ja) 熱風発生装置および制御方法
CN111386428B (zh) 辐射壁燃烧器
JP2007155320A (ja) 対向流燃焼器
JPH09119639A (ja) 低NOxガスタービン燃焼器の予混合メインノズル
KR102382600B1 (ko) 복합 선회 연소기
JPH04126921A (ja) 予混合型ガスタービン燃焼器
US20240027068A1 (en) Injector, combustor comprising same, and gas turbine comprising same
JPH06101841A (ja) ガスタービン燃焼器の空気−燃料予混合構造