JPH0835056A - 耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセラミックス被覆金属材料 - Google Patents
耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセラミックス被覆金属材料Info
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- JPH0835056A JPH0835056A JP19011994A JP19011994A JPH0835056A JP H0835056 A JPH0835056 A JP H0835056A JP 19011994 A JP19011994 A JP 19011994A JP 19011994 A JP19011994 A JP 19011994A JP H0835056 A JPH0835056 A JP H0835056A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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- C23C28/04—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material
- C23C28/044—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material coatings specially adapted for cutting tools or wear applications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 セラミックス被覆の有する色調を損なうこと
なく耐指紋性および指紋拭き取り性を向上させたセラミ
ックス被覆金属材料を提供する。 【構成】鋼板等の金属基材上にTi、TiAl、Zr、
またはCrのうち一種または二種以上の窒化物、炭化物
または炭窒化物等のセラミックス層を0.1〜5.0μ
m被覆したセラミックス被覆金属材料であって、さらに
その表面に該セラミックス構成金属元素の透明な酸化物
を0.005〜0.02μm被覆することにより耐指紋
性および指紋拭き取り性を向上させたもの。
なく耐指紋性および指紋拭き取り性を向上させたセラミ
ックス被覆金属材料を提供する。 【構成】鋼板等の金属基材上にTi、TiAl、Zr、
またはCrのうち一種または二種以上の窒化物、炭化物
または炭窒化物等のセラミックス層を0.1〜5.0μ
m被覆したセラミックス被覆金属材料であって、さらに
その表面に該セラミックス構成金属元素の透明な酸化物
を0.005〜0.02μm被覆することにより耐指紋
性および指紋拭き取り性を向上させたもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材等の分野において
使用される、耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセ
ラミックス被覆金属材料に関する。
使用される、耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセ
ラミックス被覆金属材料に関する。
【0002】
【従来技術】近年、意匠性を有する建材として、例えば
鋼板に種々の方法により着色または発色処理を施したい
わゆるカラ−鋼板や、発色処理を施したチタン板等の金
属材料が使用されている。これらの金属材料において意
匠性の付与の手段としては、従来より化学発色法やTi
N等の気相コ−ティング法が使用されている。これらの
意匠性を付与された鋼板を建材として使用した場合、そ
の金属光沢を有する鮮やかな色調が長所となるが、指紋
等の汚れが付着したときに非常に目立つことが欠点とな
る。特に指紋の付着は建材としての美観を著しく損ねる
ため、これらの金属材料には耐指紋性および指紋拭き取
り性が要求される。例えば気相コーティング法により得
られるTiN被覆は指紋が付着し易く、かつ付着した指
紋を布等で拭き取ろうとしても取り切れないため、耐指
紋性および指紋拭き取り性を向上させる必要がある。耐
指紋性等を向上させる手段としては従来より、被覆層表
面にSiO2 等を含有する有機複合皮膜を形成する方法
等がある。
鋼板に種々の方法により着色または発色処理を施したい
わゆるカラ−鋼板や、発色処理を施したチタン板等の金
属材料が使用されている。これらの金属材料において意
匠性の付与の手段としては、従来より化学発色法やTi
N等の気相コ−ティング法が使用されている。これらの
意匠性を付与された鋼板を建材として使用した場合、そ
の金属光沢を有する鮮やかな色調が長所となるが、指紋
等の汚れが付着したときに非常に目立つことが欠点とな
る。特に指紋の付着は建材としての美観を著しく損ねる
ため、これらの金属材料には耐指紋性および指紋拭き取
り性が要求される。例えば気相コーティング法により得
られるTiN被覆は指紋が付着し易く、かつ付着した指
紋を布等で拭き取ろうとしても取り切れないため、耐指
紋性および指紋拭き取り性を向上させる必要がある。耐
指紋性等を向上させる手段としては従来より、被覆層表
面にSiO2 等を含有する有機複合皮膜を形成する方法
等がある。
【0003】しかし、これらの方法では、バーコート法
や吹き付け塗装法により皮膜形成を行うため、意匠性の
保持に必要な均一薄膜の形成が困難であり、処理後の外
観が損なわれることや、膜厚を薄くすることが出来ない
ため、膜厚に対応して色調の変化する干渉色が生じ、セ
ラミックス被覆層の色調が乱されること等の問題があっ
た。また、有機質の皮膜を被覆するために、被覆金属材
料が本来有していた金属光沢が損なわれるという欠点が
あった。さらに製造上の問題点として、耐指紋性の皮膜
形成のために別工程が必要であり、製造コストが上昇す
ることが挙げられる。
や吹き付け塗装法により皮膜形成を行うため、意匠性の
保持に必要な均一薄膜の形成が困難であり、処理後の外
観が損なわれることや、膜厚を薄くすることが出来ない
ため、膜厚に対応して色調の変化する干渉色が生じ、セ
ラミックス被覆層の色調が乱されること等の問題があっ
た。また、有機質の皮膜を被覆するために、被覆金属材
料が本来有していた金属光沢が損なわれるという欠点が
あった。さらに製造上の問題点として、耐指紋性の皮膜
形成のために別工程が必要であり、製造コストが上昇す
ることが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消すべく案出されたものであり、気相コーティ
ングしたセラミックス被覆金属材料の表面に、該セラミ
ックスを構成する金属の酸化物の透明な皮膜を形成する
ことにより、耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセ
ラミックス被覆金属材料を提供するものである。
問題を解消すべく案出されたものであり、気相コーティ
ングしたセラミックス被覆金属材料の表面に、該セラミ
ックスを構成する金属の酸化物の透明な皮膜を形成する
ことにより、耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセ
ラミックス被覆金属材料を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明において、金属基
材としては例えば普通鋼板、特殊鋼板、ステンレス鋼板
等の鋼板、チタン板、アルミニウム板または銅板等の金
属材料が用いられる。これらの金属材料の中では価格お
よび強度の観点より鋼板を使用することが好ましい。特
に耐食性を要求される外装建材等の分野では、基材とし
て耐食性に優れたステンレス鋼板を使用することが最も
好ましい。金属基材上への被覆層の形成には例えばスパ
ッタリング法やイオンプレーティング法等の気相コーテ
ィング法を用いる。金属基材に色調を付与するための有
色のセラミックス層としてTi、TiAl系合金、Zr
またはCrの中の一種または二種以上の金属の窒化物、
炭化物または炭窒化物等のセラミックスの一種または二
種以上を被覆する。これらのセラミックス被覆層は、窒
化物を形成する場合には窒素や亜酸化窒素等のN原子を
含有する気体を、炭化物を形成する場合にはアセチレン
やプロパン等のC元素を含有する気体を、炭窒化物を形
成する場合にはNおよびCを含有する気体の混合気体
を、それぞれ該金属の蒸気と反応させることにより形成
する。該セラミックス被覆の膜厚は0.1〜5μmが好
ましい。これらの理由は、膜厚が0.1μm未満ではセ
ラミックス特有の色調が安定して得られず、5μmを超
過すると製造コストが上昇するためである。
材としては例えば普通鋼板、特殊鋼板、ステンレス鋼板
等の鋼板、チタン板、アルミニウム板または銅板等の金
属材料が用いられる。これらの金属材料の中では価格お
よび強度の観点より鋼板を使用することが好ましい。特
に耐食性を要求される外装建材等の分野では、基材とし
て耐食性に優れたステンレス鋼板を使用することが最も
好ましい。金属基材上への被覆層の形成には例えばスパ
ッタリング法やイオンプレーティング法等の気相コーテ
ィング法を用いる。金属基材に色調を付与するための有
色のセラミックス層としてTi、TiAl系合金、Zr
またはCrの中の一種または二種以上の金属の窒化物、
炭化物または炭窒化物等のセラミックスの一種または二
種以上を被覆する。これらのセラミックス被覆層は、窒
化物を形成する場合には窒素や亜酸化窒素等のN原子を
含有する気体を、炭化物を形成する場合にはアセチレン
やプロパン等のC元素を含有する気体を、炭窒化物を形
成する場合にはNおよびCを含有する気体の混合気体
を、それぞれ該金属の蒸気と反応させることにより形成
する。該セラミックス被覆の膜厚は0.1〜5μmが好
ましい。これらの理由は、膜厚が0.1μm未満ではセ
ラミックス特有の色調が安定して得られず、5μmを超
過すると製造コストが上昇するためである。
【0006】セラミックス被覆金属材料の表面への、耐
指紋性および指紋拭き取り性を有する酸化物被覆層の形
成は、金属蒸着の際に反応ガスとして酸素を導入するこ
とにより行われる。酸化物の被覆は、セラミックスの被
覆と同一の蒸着室において反応ガスを切り換えることに
より行うことも、セラミックスの被覆とは異なった蒸着
室において行うことの何れも可能である。なお、被覆に
よりセラミックス層の有する色調が変化することを避け
るために、酸化物被覆層は透明であることが必要であ
る。酸化物被覆層の膜厚は被覆時間および酸素の導入量
により制御される。該膜厚としては0.005〜0.0
2μmが好ましい。膜厚が0.005μm未満では均一
な被覆を得ることが困難であり、耐指紋性および指紋拭
き取り性の向上の効果が十分ではない。また、膜厚が
0.02μmを超えると干渉色が生じ、セラミックス被
覆層の色調が変化するためである。この耐指紋性および
指紋拭き取り性の向上に対する酸化物被覆の効果は、析
出した酸化物の粒度が小さくて被覆層表面の平滑度が増
すために、酸化物被覆層と付着物との接触角が小さくな
り、汚れが付着し難くなり、かつ付着した汚れが取り易
くなることによると考えられる。また、酸化物それ自体
の物性として反応性が乏しいことが、耐指紋性および指
紋拭き取り性の向上に寄与することも考えられる。
指紋性および指紋拭き取り性を有する酸化物被覆層の形
成は、金属蒸着の際に反応ガスとして酸素を導入するこ
とにより行われる。酸化物の被覆は、セラミックスの被
覆と同一の蒸着室において反応ガスを切り換えることに
より行うことも、セラミックスの被覆とは異なった蒸着
室において行うことの何れも可能である。なお、被覆に
よりセラミックス層の有する色調が変化することを避け
るために、酸化物被覆層は透明であることが必要であ
る。酸化物被覆層の膜厚は被覆時間および酸素の導入量
により制御される。該膜厚としては0.005〜0.0
2μmが好ましい。膜厚が0.005μm未満では均一
な被覆を得ることが困難であり、耐指紋性および指紋拭
き取り性の向上の効果が十分ではない。また、膜厚が
0.02μmを超えると干渉色が生じ、セラミックス被
覆層の色調が変化するためである。この耐指紋性および
指紋拭き取り性の向上に対する酸化物被覆の効果は、析
出した酸化物の粒度が小さくて被覆層表面の平滑度が増
すために、酸化物被覆層と付着物との接触角が小さくな
り、汚れが付着し難くなり、かつ付着した汚れが取り易
くなることによると考えられる。また、酸化物それ自体
の物性として反応性が乏しいことが、耐指紋性および指
紋拭き取り性の向上に寄与することも考えられる。
【0007】本発明においては、金属基材上に有色のセ
ラミックス層を直接被覆してもよいが、該セラミックス
被覆層と金属基材の中間層として、該セラミックス被覆
層を構成する金属元素を金属状態で被覆してもよい。該
金属中間層を設けることにより、該セラミックス被覆層
の金属基材に対する密着性が向上する。本発明において
は、該金属中間層の膜厚についてなんら規定するもので
はないが、その膜厚としては0.02〜0.5μmが好
ましい。該膜厚が0.02μm未満では密着性向上効果
が少なく、また0.5μmを超えると製造コストが増大
する。
ラミックス層を直接被覆してもよいが、該セラミックス
被覆層と金属基材の中間層として、該セラミックス被覆
層を構成する金属元素を金属状態で被覆してもよい。該
金属中間層を設けることにより、該セラミックス被覆層
の金属基材に対する密着性が向上する。本発明において
は、該金属中間層の膜厚についてなんら規定するもので
はないが、その膜厚としては0.02〜0.5μmが好
ましい。該膜厚が0.02μm未満では密着性向上効果
が少なく、また0.5μmを超えると製造コストが増大
する。
【0008】
【作用】本発明においては、有色のセラミックス層を被
覆した金属基材の表面に、該セラミックス層を構成する
金属の透明な酸化物をさらに被覆している。酸化物被覆
層の表面は平滑度が良好であり汚れが付着し難いため、
セラミックス被覆金属材料の耐指紋性および指紋拭き取
り性が向上する。
覆した金属基材の表面に、該セラミックス層を構成する
金属の透明な酸化物をさらに被覆している。酸化物被覆
層の表面は平滑度が良好であり汚れが付着し難いため、
セラミックス被覆金属材料の耐指紋性および指紋拭き取
り性が向上する。
【0009】
【実施例】金属基材としてSUS304鏡面仕上げ材を
使用した。コ−ティングはマグネトロンスパッタリング
法により0.1μmの厚みのTiを被覆した後、反応ガ
スとしてN2 を使用してTiNを0.3μm被覆した。
その後反応ガスをO2 に切り換えてTi酸化物を0.0
25μmまでの種々の厚さ被覆した。生成したTi酸化
物はESCA(X線光電子分光分析法)による結合エネ
ルギーの測定および組成分析の結果、TiO2 であるこ
とが分かった。酸化物の被覆による色調の変化は、JI
SZ8722に基づきD−8度法により分光測色を行っ
て評価した。なお、被覆金属材料の色調は、JISZ8
729によるa*、b*およびL*を用いて表示した。
耐指紋性の評価として、JISK2246に準拠した人
工指紋液(塩化ナトリウム:7g/l、尿素:1g/
l、乳酸:4gl)を被覆層表面に滴下して、被覆層と
人工指紋液との接触角を測定した。指紋拭き取り性の評
価としては、人工指紋液を染み込ませたガーゼを被覆層
表面に捺印した後、付着した人工指紋液を布で拭き取
り、拭き取り面に残存する塩素の量をEPMA(電子線
マイクロ分析法)により測定した。測定結果を表1に示
す。
使用した。コ−ティングはマグネトロンスパッタリング
法により0.1μmの厚みのTiを被覆した後、反応ガ
スとしてN2 を使用してTiNを0.3μm被覆した。
その後反応ガスをO2 に切り換えてTi酸化物を0.0
25μmまでの種々の厚さ被覆した。生成したTi酸化
物はESCA(X線光電子分光分析法)による結合エネ
ルギーの測定および組成分析の結果、TiO2 であるこ
とが分かった。酸化物の被覆による色調の変化は、JI
SZ8722に基づきD−8度法により分光測色を行っ
て評価した。なお、被覆金属材料の色調は、JISZ8
729によるa*、b*およびL*を用いて表示した。
耐指紋性の評価として、JISK2246に準拠した人
工指紋液(塩化ナトリウム:7g/l、尿素:1g/
l、乳酸:4gl)を被覆層表面に滴下して、被覆層と
人工指紋液との接触角を測定した。指紋拭き取り性の評
価としては、人工指紋液を染み込ませたガーゼを被覆層
表面に捺印した後、付着した人工指紋液を布で拭き取
り、拭き取り面に残存する塩素の量をEPMA(電子線
マイクロ分析法)により測定した。測定結果を表1に示
す。
【0010】
【表1】
【0011】本発明の実施例(試料番号1〜6)の場
合、被覆した酸化物の膜厚とともに色調が僅かに変化し
たが、この変化は目視により許容出来る範囲であった。
被覆層と人工指紋液との接触角は酸化物の被覆により増
大しており、酸化物被覆による耐指紋性向上の効果は明
かである。また、人工指紋液を布で拭き取った後の表面
では、Clの残存が殆ど観察されず、指紋拭き取り性も
良好であった。酸化物被覆層の膜厚が0.004μmで
は(試料番号7)、被覆層と人工指紋液との接触角は酸
化物無被覆(試料番号9)のそれよりも増加したが、人
工指紋液拭き取り後においてClの残存が多く、指紋拭
き取り性は満足すべきものではなかった。酸化物被覆層
の膜厚が0.025μmでは(試料番号8)、耐指紋性
および指紋拭き取り性は良好であったが、酸化物被覆に
より色調が大きく変化してしまった。
合、被覆した酸化物の膜厚とともに色調が僅かに変化し
たが、この変化は目視により許容出来る範囲であった。
被覆層と人工指紋液との接触角は酸化物の被覆により増
大しており、酸化物被覆による耐指紋性向上の効果は明
かである。また、人工指紋液を布で拭き取った後の表面
では、Clの残存が殆ど観察されず、指紋拭き取り性も
良好であった。酸化物被覆層の膜厚が0.004μmで
は(試料番号7)、被覆層と人工指紋液との接触角は酸
化物無被覆(試料番号9)のそれよりも増加したが、人
工指紋液拭き取り後においてClの残存が多く、指紋拭
き取り性は満足すべきものではなかった。酸化物被覆層
の膜厚が0.025μmでは(試料番号8)、耐指紋性
および指紋拭き取り性は良好であったが、酸化物被覆に
より色調が大きく変化してしまった。
【0012】図1に酸化物を被覆したものおよび酸化物
無被覆の被覆層表面のSEM(走査電子顕微鏡)観察結
果を示す。酸化物を被覆した被覆層表面の結晶粒は非常
に微細であり、酸化物無被覆のものと比較して表面の平
滑度が向上している。このために結晶粒間に指紋液等の
汚染物が進入し難くなり、耐指紋性および指紋拭き取り
性が向上するものと考えられる。
無被覆の被覆層表面のSEM(走査電子顕微鏡)観察結
果を示す。酸化物を被覆した被覆層表面の結晶粒は非常
に微細であり、酸化物無被覆のものと比較して表面の平
滑度が向上している。このために結晶粒間に指紋液等の
汚染物が進入し難くなり、耐指紋性および指紋拭き取り
性が向上するものと考えられる。
【0013】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明におい
て、有色セラミックス被覆層の表面に、さらに透明な酸
化物を被覆することにより、有色セラミックス被覆層の
有する色調を変化させることなく、耐指紋性および指紋
拭き取り性に優れたセラミックス被覆金属材料を得るこ
とができた。
て、有色セラミックス被覆層の表面に、さらに透明な酸
化物を被覆することにより、有色セラミックス被覆層の
有する色調を変化させることなく、耐指紋性および指紋
拭き取り性に優れたセラミックス被覆金属材料を得るこ
とができた。
(a)実施例:酸化物を0.01μm被覆したもの、お
よび(b)比較例:酸化物無被覆のセラミックス被覆金
属材料の表面のSEM観察結果である。
よび(b)比較例:酸化物無被覆のセラミックス被覆金
属材料の表面のSEM観察結果である。
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および比較例のセラミックス被覆金属材
料の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果
である。 (a)実施例:酸化物を0.01μm被覆したもの。 (b)比較例:酸化物無被覆のもの。
料の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果
である。 (a)実施例:酸化物を0.01μm被覆したもの。 (b)比較例:酸化物無被覆のもの。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属基材上にTi、TiAl系合金、Z
rまたはCrの中の一種または二種以上の金属の窒化
物、炭化物または炭窒化物のセラミックスの一種または
二種以上を厚さ0.1〜5.0μm被覆し、さらに該セ
ラミックス被覆層の表層に該金属の酸化物を厚さ0.0
05〜0.02μm被覆した耐指紋性および指紋拭き取
り性に優れたセラミックス被覆金属材料。 - 【請求項2】 金属基材とセラミックス被覆層との中間
層としてセラミックス構成金属元素よりなる金属層を有
する請求項1に記載の耐指紋性および指紋拭き取り性に
優れたセラミックス被覆金属材料。 - 【請求項3】 金属基材が鋼板である請求項1または請
求項2に記載の耐指紋性および指紋拭き取り性に優れた
セラミックス被覆金属材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19011994A JPH0835056A (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセラミックス被覆金属材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19011994A JPH0835056A (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセラミックス被覆金属材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0835056A true JPH0835056A (ja) | 1996-02-06 |
Family
ID=16252710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19011994A Withdrawn JPH0835056A (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 耐指紋性および指紋拭き取り性に優れたセラミックス被覆金属材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0835056A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1116799A1 (de) * | 2000-01-14 | 2001-07-18 | Hauzer Techno Coating Europe Bv | PVD-Verfahren zur Herstellung einer Beschichtung |
-
1994
- 1994-07-21 JP JP19011994A patent/JPH0835056A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1116799A1 (de) * | 2000-01-14 | 2001-07-18 | Hauzer Techno Coating Europe Bv | PVD-Verfahren zur Herstellung einer Beschichtung |
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