JPH083496A - 記録媒体液 - Google Patents

記録媒体液

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JPH083496A
JPH083496A JP14467994A JP14467994A JPH083496A JP H083496 A JPH083496 A JP H083496A JP 14467994 A JP14467994 A JP 14467994A JP 14467994 A JP14467994 A JP 14467994A JP H083496 A JPH083496 A JP H083496A
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JP
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ink
parts
recording
weight
formula
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JP14467994A
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Takeshi Matsumoto
健 松本
Hisahiro Tanaka
久裕 田中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ノズルの目詰まりや経時的変化を
起こさず、長期にわたって安定した噴射が可能であり、
且つ印字の乾燥時間が短く、しかもにじみの少ない高品
質記録を可能なものとする記録媒体液を提供することを
目的とするものである。 【構成】 比抵抗が10〜100Ω・cmの値を取り、
色素、下記一般式で表される化合物、電解質および液媒
体を含むことを特徴とする導電性インク。 H−(−O−CH2−CH2−)n−O−C64−R (但し、式中、Rは−Cm2m+1または−O−Cm'H2
m'+1のいずれか一方であって、mおよびm’は夫々8〜
9の数を、nは1〜90の数を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記用具、プリンタ等
の種々の記録用具に使用する記録媒体液(以下インクと
いう)、特に、導電性水性インクの通電発熱によって生
じた気泡の熱膨張を利用してインクを外部に吐出させる
インクジェット記録方式に好適な記録媒体液に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンタへの要求も高速化、低騒
音化、カラー化が益々高まってきており、インクジェッ
トプリンタが注目されてきている。
【0003】インクジェットヘッドのインク吐出原理は
ピエゾ素子や静電方式等、数多くがあるが、その中にイ
ンクに通電を行う方式が考えられている。従来のこの種
のインクジェット記録装置としては、例えば、特公平2
−50842号公報記載のインクジェット記録装置が知
られている。また、インクに直接通電を行いプラズマ流
体発生振動(特開平5−269986号公報)や衝撃的
体積変化(特公昭54−35773号公報)によってイ
ンクを吐出する方式等が考えられている。
【0004】ここではまず通電発熱型インクジェットヘ
ッドについて説明を行う。通電発熱型インクジェットヘ
ッドは1対の通電発熱用電極に導電性インクを介して電
流を流し、ジュール熱により導電性インクを加熱沸騰さ
せ、沸騰気泡の圧力により導電性インクをノズル穴から
印刷用紙等の記録媒体に一定量のインクを付着させるも
のである。
【0005】ここで図1と共に従来の通電発熱型インク
ジェットヘッドの構成、動作の説明を行う。
【0006】図1は、通電発熱型インクジェットヘッド
の主要部断面図である。1a、1bは導電性インク2に
電流を流すための通電発熱用電極である。ここで、通電
発熱用電極1a、1bは一般には適当な酸素過電圧を持
ち耐腐食性に優れる材料であるAu、Pt、Ni、P
d、Ti、Ti合金、若しくはこれらの組み合わせのい
ずれかの材質が使用されている。また、一般に知られて
いる電極材料、SnO2、In23、Cr、Cu、A
g、Au−Ge、Al、Al−Si、Al−Si−C
u、Mo、MoSi2、WSi2、W−Au、Mo−A
u、Cr−Cu−Au、Pb−Sn、Pb−In、In
23+SnO2、Cr−Cu−Cr、Al−Cu、Cr
−Cu、Ni−Cr−Auといった金属、合金も使用さ
れている。ただし、インクジェットヘッド動作時には1
kA/cm2以上の大電流密度が通電発熱用電極1a、
1bにかかるため、Au、Pt、Ni、Pd、Tiを通
電発熱用電極材料として使用した場合、電気化学反応が
容易に起こり酸化や溶解が発生していた。しかし、その
中でもTiは通電発熱用電極材料として安定であり、最
も好適に使用されている。また、Ti系の合金でTi−
Pt−Au、Ti−Ag−Au、Ti−Ag、Ti−A
l−V、Ti−Hf、Ti−V、Ti−Pt、TiSi
2といったものは耐酸化溶解性、不動態膜形成、高い自
然電位を持つ金属の添加といった点で好適に使用されて
いる。そこで、例としてTiを電極材料とした場合につ
いて述べる。通電発熱用電極1a、1bは従来使用され
ているスパッタリング法により形成され、電極形成基板
上に形成されたTi薄膜は非常に緻密な構造を有し、表
面は鏡面を有している。また、0.1μm以下の粒径で
柱状構造であるという特徴を有している。通電発熱用電
極1a、1bはリード線を介しプリンタ印字制御回路3
に接続されている。導電性インク2は共通インク室(図
示せず)から幅、高さ共に30〜80μmのインク流路
4を通り、ノズル穴5の先端まで供給されている。印刷
用紙6は導電性インク2が吐出するノズル穴5の前方1
mm程度の位置に配置されている。
【0007】次に、図2と共にインクジェットヘッドの
動作の説明を行う。印字信号に従って、プリンタ印字制
御回路3はインク流路4中の通電発熱用電極1a、1b
間に周波数100K〜10MHz、電圧10〜50Vの
交流信号をかけ、インク中に電流を流す。すなわち図2
(a)の如く、通電発熱用電極1aから導電性インク2
に電流を流す。この時、電流値は10mA程度流れる。こ
れを2MHzの交流駆動で行った場合、1周期500n
secで行われることになる。これを5〜10μsec
の間連続的に行うことにより導電性インク2はインク自
身の比抵抗Rによってw=V2/(R×t)なるジュー
ル熱を発生し、導電性インク2の温度が150から20
0℃程度に上昇してくる。そして、図2(b)の如く、
導電性インク2は加熱沸騰し気泡7が生成される。更に
図2(c)の如く、気泡7は成長し沸騰圧力によりノズ
ル穴5からインク滴8が吐出することになる。インク滴
8が吐出し、交流信号電圧の印加を停止すると同時に、
図2(d)の如く気泡7は急激に冷却し縮小し消滅す
る。最後に、導電性インク2が共通インク室より毛管現
象によりインク流路4に供給され、図2(e)の如く導
電性インク2は充填されインク吐出動作は完了すること
になる。
【0008】また、このようなインクジェット方式にお
いてカラー印字を行う際、ある色のインクを記録部材に
吐出して、そのインクが乾燥しないうちに他の色のイン
クが隣接して吐出された場合、記録部材面上で色のにじ
み(ブリーディング)が発生する。
【0009】従来、この問題を解決するため、インクの
記録部材への浸透性を高める手段として、ミセル濃度以
上の界面活性剤をインクに添加して、表面張力を一定の
値に調整する方法がある(特開昭55−29546号公
報)。この方法によれば、インクが記録部材の繊維間に
瞬時に浸透するため、見かけ上の速乾性が得られ、上記
のような色のにじみを抑制することが出来る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、界面活性剤を
インクに添加して表面張力を低くすることによって、印
字ドット径は広がり、解像度や印字品質の低下につなが
る。また、溶解性の低い界面活性剤では、インクの経時
的安定性に劣り、ノズルでのインク目詰まりを誘発する
ことになる。まして、比抵抗を10〜100Ω・cmに
するために電解質を意図的に加えた通電発熱型インクジ
ェットプリンタ用導電性インクは、通常のインクよりも
ノズルオリフィスでの目詰まりを生じやすく、従来知ら
れている界面活性剤を添加すると著しいノズル目詰まり
を起こし、実用性の低いものであった。
【0011】本発明は上記課題を解決するもので、本発
明の導電性インクは、ノズルの目詰まりや経時的変化を
起こさず、長期にわたって安定した噴射が可能であり、
且つ印字の乾燥時間が短く、しかもにじみの少ない高品
質記録を実現する記録媒体液を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、水溶性染料、電解質、湿潤剤並びに下記一
般式で表されるポリエチレングリコールアルキルフェニ
ルエーテルまたはその誘導体を水に溶解してなる通電発
熱型インクジェットプリンタ用インクを提供する。
【0013】一般式 H−(−O−CH2−CH2−)n−O−C64−R (但し、式中、Rは−Cm2m+1または−O−Cm'H2
m'+1のいずれか一方であって、mおよびm’は夫々8〜
9の数を、nは1〜90の数を表わす。) 本発明に使用される上記一般式で表されるポリエチレン
グリコールアルキルフェニルエーテルまたはその誘導体
の含有量は、他の構成成分の種類及び要求される液物性
等に応じて適宜決定されるが、インク100重量部に対
して通常は0.001〜20重量部、好適には0.04
〜10重量部とされるのが望ましいものである。
【0014】本発明に使用される記録剤は、従来公知の
染料や顔料の多くのものが有効である。例えば、直接染
料、塩基性染料、酸性染料、分散染料、反応性染料、ス
ピリット染料等の各種染料及びカーボンブラック、フタ
ロシアニンブルー、ジオキサンイエロー、キナクリドン
レッド等の各種顔料を挙げることができる。
【0015】これらの記録剤はインク100重量部中
0.1〜20重量部、好適には1〜10重量部とされる
のが望ましい。
【0016】本発明に使用される液媒体としては水及び
水と混合しうる有機溶剤が挙げられ、有機溶剤は所望の
物性値に合わせて必要量混和される。水と混合しうる有
機溶剤としてはメチルアルコール、エチルアルコール、
n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の
アルキルアルコール、アセトン、ジアセトンアルコール
等のケトンまたはケトアルコール、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル等のエーテルアルコール類等が挙げられる。
【0017】本発明に於いては水と混合される有機溶剤
の量は通常液媒体100重量部中80重量部以下である
ことが望ましい。
【0018】これらの有機溶剤の中で水より沸点の高い
ものは、ノズル先端の乾燥防止のための湿潤剤としての
機能をも有するものであるが、本発明に特に好適に使用
される湿潤剤として多価アルコール類が挙げられる。多
価アルコール系湿潤剤として具体的に示せば、例えばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレングリコール;例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
シレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原
子を含むアルキレングリコール;例えばエチレングリコ
ールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエー
テル、ジエチレングリコールエチルエーテル等のジエチ
レングリコールの低級アルキルエーテル;グリセリン;
等が挙げられる。
【0019】本発明に於いて特に好適に使用される液媒
体は、液媒体100重量部中水が10〜70重量部、多
価アルコール20〜50重量部、その他、水と混和しう
る有機溶剤が70重量部以下の範囲で構成される。
【0020】液物性を調整するための他の添加剤として
pH調整剤、比抵抗調整剤、粘度調整剤、表面張力調整
剤が挙げられる。
【0021】本発明に於いて好適に使用されるpH調整
剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに所
望のpH値に制御できるものであれば大概のものを挙げ
ることができる。具体的に例示すれば低級アルカノール
アミン、例えばアルカリ金属水酸化物等の1価の水酸化
物、水酸化アンモニウム等が挙げられる。
【0022】また、通電発熱型インクジェットプリンタ
においてはインクに導電性を持たせることが必要不可欠
である。従って、使用目的にあった比抵抗値となる様に
インクが調合される必要がある。
【0023】従って、このような比抵抗値を有するイン
クを得るために所望に応じて必要量添加される比抵抗調
整剤としては、例えば、塩化アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウ
ム、過塩素酸リチウム、臭化カリウム等の無機塩、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミ
ン塩酸塩等の水溶性アミン類、テトラメチルアンモニウ
ムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等
の4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0024】粘度調整剤及び表面張力調整剤としては、
使用される液媒体及び記録剤に悪影響を及ぼさないで効
果的なものであれば通常知られているものの中の全てが
使用可能である。
【0025】具体的には、粘度調整剤としては、ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、ポリビニ
ルピロリドン、アラビアゴムスターチ等が好適なものと
して例示できる。
【0026】本発明に於いて好適に使用される表面張力
調整剤としては、アニオン系、カチオン系、及びノニオ
ン系の界面活性剤が挙げられ、具体的には、アニオン系
としてポリエチレングリコールアルキルエーテル硫酸、
エステル塩、高級アルコール硫酸塩、ナフタリンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物等、カチオン系としてポリ2−ビ
ニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体
等、ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノアルキルエステル、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン等が挙げられる。
【0027】これらの界面活性剤の他、ジエタノールア
ミン、プロパノールアミン、モルホリン酸等のアミン
酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム等の塩基性
物質、N−メチル−2−ピロリドン等の置換ピロリドン
等も有効に使用される。これらの表面張力調整剤は、所
望の値の表面張力を有するインクが調合されるように、
互いに叉は他の構成成分に悪影響を及ぼさない範囲内に
おいて必要に応じて2種以上混合して使用しても良い。
【0028】これら表面張力調整剤の添加量は種類、調
合されるインクの他の構成成分種及び所望される記録特
性に応じて適宜決定されるものであるが、インク100
重量部に対して、通常は0.0001〜10重量部、好
適には0.001〜5重量部とされるのが望ましい。
【0029】本発明のインクの特に好適な粘度は10c
P以下、表面張力は35〜65dyne/cmの範囲と
されるのが良い。粘度調整剤、表面張力調整剤を含まな
いで調合されたインクがこの範囲を外れた場合に、上記
した調整剤で調整することが望ましい。
【0030】本発明において使用されるインクには、上
記のような添加剤が所望に応じて必要量添加されるが、
更に記録部材に付着する場合の記録媒体被膜の形成性に
被膜強度に優れたものを得るために、例えばアルキッド
樹脂、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン等の樹脂重合体が添
加されても良い。
【0031】本発明のインクの好ましい使用方法として
は、前記の通電発熱型インクジェット記録方式で示した
が、本発明のインクはこの用途に限定されず、他のイン
クジェット記録方式のインクとしても有用であるととも
に、インクジェット記録方式以外のインク、例えばその
他のプリンタや筆記用具のインクとしても有用であるこ
とは勿論である。
【0032】
【作用】本発明のインクは主として上記の成分からなる
ものであり、すでに述べた通り、本発明のインクは、特
に通電発熱型インクジェット記録方式に用いた場合に
は、従来困難とされていた導電性インクの吐出安定性、
インク流路中の安定性、保存安定性等一般的な要求性能
を満たすとともに、従来は印字時の滲みのために高品質
の画像を形成し得なかったインクジェット記録用紙以外
の普通紙等の被記録材においても滲みのない高品質の画
像を形成することができ、且つ高い浸透速度でインクの
記録部材への定着時間を短くし、多色重ね印字の際の色
にじみを抑制することができる。
【0033】以上の如き作用効果を奏する本発明のイン
クは、種々の筆記具、種々のプリンタ用インクとして有
用なものであり、紙、プラスチックシートその他の任意
の被記録材に優れた印字品質の画像を与えるものであ
る。
【0034】
【実施例】
(実施例1) ・Direct Fast Black G 1.5部(重量部) (住友化学社製染料) ・ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル (エマルゲン840S、花王社製;式 H−(−O−CH2−CH2−)39.6−O−C64−C817 の化合物) 2部 ・トリエタノールアミン塩酸塩 17部 ・ジエチレングリコール 25部 ・精製水 54.5部 をビーカーに秤量し充分攪拌溶解して均一な溶液とし
た。これを0.5μmのテフロン製漉紙で加圧漉過を行
い黒色のインクを得た。これをロータリーポンプと肉厚
ゴム管で連結されているバキューム・ドライング・オー
ブン中に収納し排気して4時間脱ガス処理を行った。こ
のようにして得られたインクの記録性について図1に示
す通電発熱型インクジェットヘッドにより検討した。
【0035】尚記録性については5KHzの8時間連続
作動による連続吐出安定性、5KHzの信号を2秒間隔
で与えた場合の間欠吐出安定性、2ケ月間放置後の外観
変化及び装置後の吐出応答性、紙に対する印字乾燥時間
について検討した。紙に対する印字乾燥時間とは、イン
クが記録部材に付着してから、その上を物体が摩擦して
も汚れなくなる迄の時間を表す。記録条件を(表1)に
示す。また、その結果を(表2)に示す。その結果本発
明のインクは、2ケ月間放置後もノズルの目詰まりはな
く、いずれの特性に於ても良好な結果を与え安定した吐
出を示した。紙に対する印字乾燥時間は1秒未満と短
く、得られた画像はにじみも少なく極めて鮮明であるこ
とが確認された。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(比較例1)下記組成のインクを実施例1
と同様な方法で調製した。 ・Direct Fast Black G 1.5部(重量部) (住友化学社製染料) ・ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム (ペレックスOT-P、花王社製) 1部 ・トリエタノールアミン塩酸塩 17部 ・ジエチレングリコール 26部 ・精製水 54.5部 次に図1に示した方式により記録を行ったところ、1日
間の放置でノズルの完全閉塞を生じた。紙に対する印字
乾燥時間は1秒未満であったが、にじみが顕著に認めら
れた。
【0039】(比較例2)下記組成のインクを実施例1
と同様な方法で調製した。 ・Direct Fast Black G 1.5部(重量部) (住友化学社製染料) ・ポリオキシエチレンラウリルエーテル (エマルゲン108、花王社製) 1部 ・トリエタノールアミン塩酸塩 17部 ・ジエチレングリコール 26部 ・精製水 54.5部 次に図1に示した方式により記録を行ったところ、1日
間の放置で噴射方向の偏向が認められ、ノズルの顕微鏡
観察でもオリフィス周辺に付着物が認められた。紙に対
する印字乾燥時間は1秒未満であったが、にじみが顕著
に認められた。
【0040】(実施例2)下記組成のインクを実施例1
と同様な方法で調製した。 ・Direct Fast Black G 1.5部(重量部) (住友化学社製染料) ・ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル (エマルゲン810、花王社製;式 H−(−O−CH2−CH2−)9.3−O−C64−C817 の化合物) 2部 ・トリエタノールアミン塩酸塩 17部 ・ジエチレングリコール 25部 ・精製水 54.5部 次に図1に示した方式により記録を行い、8時間にわた
って噴射した後噴射を休止して、2ケ月間の放置後再噴
射試験を行ったところノズルの目詰まりもなく、安定な
噴射特性が実施例1と同様に得られた。紙に対する印字
乾燥時間は約5秒と短く、にじみも少なかった。
【0041】(実施例3)下記組成のインクを実施例1
と同様な方法で調製した。 ・Direct Fast Black G 1.5部(重量部) (住友化学社製染料) ・ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル (エマルゲン930、花王社製;式 H−(−O−CH2−CH2−)30.5−O−C64−C817 の化合物) 2部 ・トリエタノールアミン塩酸塩 17部 ・ジエチレングリコール 25部 ・精製水 54.5部 次に図1に示した方式により記録を行い、8時間にわた
って噴射した後噴射を休止して、2ケ月間の放置後再噴
射試験を行ったところノズルの目詰まりもなく、安定な
噴射特性が実施例1と同様に得られた。紙に対する印字
乾燥時間は約5秒と短く、にじみも少なかった。
【0042】(実施例4)下記組成のインクを実施例1
と同様な方法で調製した。 ・Direct Fast Black G 1.5部(重量部) (住友化学社製染料) ・ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル (エマルゲン950、花王社製;式 H−(−O−CH2−CH2−)50−O−C64−C817 の化合物) 2部 ・トリエタノールアミン塩酸塩 17部 ・ジエチレングリコール 25部 ・精製水 54.5部 次に図1に示した方式により記録を行い、8時間にわた
って噴射した後噴射を休止して、2ケ月間の放置後再噴
射試験を行ったところノズルの目詰まりもなく、安定な
噴射特性が実施例1と同様に得られた。紙に対する印字
乾燥時間は2〜3秒であり、にじみも少なかった。
【0043】(実施例5)下記組成のインクを実施例1
と同様な方法で調製した。 ・Direct Fast Black G 1.5部(重量部) (住友化学社製染料) ・ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル (エマルゲン980、花王社製;式 H−(−O−CH2−CH2−)80−O−C64−C817 の化合物) 2部 ・トリエタノールアミン塩酸塩 17部 ・ジエチレングリコール 25部 ・精製水 54.5部 次に図1に示した方式により記録を行い、8時間にわた
って噴射した後噴射を休止して、2ケ月間の放置後再噴
射試験を行ったところノズルの目詰まりもなく、安定な
噴射特性が実施例1と同様に得られた。紙に対する印字
乾燥時間は2〜3秒であり、にじみも少なかった。
【0044】以上の様に本実施例の記録媒体液は、一般
的な記録媒体液として利用可能であり、特に通電発熱型
インクジェットプリンター用の記録媒体液として用いる
と良好な効果を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば導電性インクに適した界面活性剤を目的に合わ
せた有効量で導電性インクに添加することにより、従来
困難とされていた導電性インクの吐出安定性、インク流
路中の安定性、保存安定性等一般的な要求性能を満たす
とともに、従来は印字時の滲みのために高品質の画像を
形成し得なかったインクジェット記録用紙以外の普通紙
等の被記録材においても滲みのない高品質の画像を形成
することができ、且つ高い浸透速度でインクの記録部材
への定着時間を短くし、多色重ね印字の際の色にじみを
抑制することができる。
【0046】従って、導電性インクで従来課題となって
いたノズルの目詰まりや経時的変化を解消しつつ、短い
印字乾燥時間且つにじみの少ない高品質記録をも両立さ
せた通電発熱型インクジェットプリンタ用等に用いられ
る記録媒体液を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通電発熱型インクジェットヘッドの主要部断面
【図2】通電発熱型インクジェットヘッドの吐出動作図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの
    うち少なくとも1種以上の染料および/または顔料、お
    よび下記一般式で表される化合物の少なくとも1種を含
    む比抵抗が10〜100Ω・cmの値になるように調整
    された、電解質および液媒体からなる記録媒体液。 H−(−O−CH2−CH2−)n−O−C64−R (但し、式中、Rは−Cm2m+1または−O−Cm'H2
    m'+1のいずれか一方であって、mおよびm’は夫々8〜
    9の数を、nは1〜90の数を表わす。)
  2. 【請求項2】記録媒体液100重量部中、一般式で表さ
    れる化合物が0.001〜20重量部含有されている請
    求項1記載の記録媒体液。
  3. 【請求項3】液媒体100重量部中水が10〜70重量
    部、多価アルコール20〜50重量部の範囲で含有され
    ている請求項1記載の記録媒体液。
  4. 【請求項4】記録媒体液の粘度が10cP以下、表面張
    力が35〜65dyne/cmの範囲にある請求項1記
    載の記録媒体液。
JP14467994A 1994-06-27 1994-06-27 記録媒体液 Pending JPH083496A (ja)

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