JPH0834387B2 - コレクタホロア式二段帰還増幅器 - Google Patents

コレクタホロア式二段帰還増幅器

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JPH0834387B2 JP4008889A JP4008889A JPH0834387B2 JP H0834387 B2 JPH0834387 B2 JP H0834387B2 JP 4008889 A JP4008889 A JP 4008889A JP 4008889 A JP4008889 A JP 4008889A JP H0834387 B2 JPH0834387 B2 JP H0834387B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はコレクタホロア式二段帰還増幅器に係り、よ
り詳細にはオーディオシステムの各種増幅器に適用さ
れ、外乱としての高周波雑音の影響を排除し、回路の正
常動作を維持させるための改良に関する。
[従来の技術] 一般に、増幅器が電子回路学上の卓上計算ではほぼ理
想的な特性に設計できているにもかかわらず、実際にそ
の設計に基づいて音響システムを構築して動作させる
と、ケースバイケースで音質評価が異なることが多い。
オーディオシステムに用いられている殆どの増幅器で
は、負帰還をかけることにより、オーディオ周波数帯域
での利得の安定化、周波数特性の改善、ひずみの軽減等
を実現して音質の向上を図っている。
しかしながら、前記のケースバイケースで音質が異な
る点については、単に周波数特性やひずみ率等のように
従来から基本特性として論じられている問題点を改善す
るだけでは十分な解決手段を与えていない。
この問題について、本願の発明者は、高級音質を指向
するオーディオ増幅器の音質劣化の原因の一つとして増
幅器に対する高周波または高周波雑音の影響を採り上
げ、それらがコレクタホロア式二段帰還増幅器のオーデ
ィオ周波数帯域での動作にどのような影響を与えるかに
ついて、実験を行いながら理論的な考察と検討を加えて
きている[「二段帰還増幅器の変調メカニズム」:音響
学会誌44,310-319(1988)]。
本願発明者は、前記の論文において次のような実験と
検討を行い、増幅器の入力インピーダンスが高周波帯域
で微小変動する結果、増幅器の回路自体が変調メカニズ
ムを有し、それが音質劣化の要因となることを明らかに
した。
ここに、実験回路としては第22図に示すような回路を
構成し、コレクタホロアの二段帰還回路の入力に適当な
レベルの高周波雑音(白色性雑音:−50dB〜−20dB,60M
Hzにおいて約15dB低下し、それ以上の周波数では急激に
低下)を与え、出力端の付加容量をバリキャップを用い
てオーディオ周波数(信号レベル:2Vrms,容量変動:+
1.7pF)で変化させる。そして、その出力端に出力され
てくる信号をローパスフィルタを通して観測し、分離検
出されたオーディオ信号のレベルが与えた高周波雑音の
レベルと如何なる関係にあるかを見るものである。尚、
この回路は帰還率を100%とし、バリキャップで次段に
接続されるであろう増幅器の入力容量を実現すると共
に、回路の状態変動を発生させている。
この実験の結果、バリキャップにオーディオ信号を入
力すると二段帰還増幅器の回路に状態変動が生じ、高周
波雑音が一種のキャリアとなって、変調を受けた雑音、
即ち被変調雑音が観測され、高周波雑音がオーディオ信
号によって振幅変調されている現像が見られた。このと
き、ローパスフィルタの出力にオーディオ信号が検出さ
れるが、これは被変調雑音を回路自体が検波して得られ
たものであり、更にこのオーディオ信号は高周波雑音を
取除くと消失した。換言すれば、回路自体の自励発振は
なく、オーディオ信号の出力レベルが高周波雑音の入力
レベルに大きく関わっていることが実験的に理解された
ことになる。
そこで、この実験回路をハイブリッドπ形等価回路の
組合せによる等価回路に書換えて入力インピーダンスと
ゲインを理論計算により求めてみると、ゲインの周波数
特性は実験結果とほぼ一致し、等価回路による理論的考
察が可能であることが理解され、また入力インピーダン
スについては、第23図及び第24図に示すように、ある高
周波帯域ではその実部が負の一定値をとると共に、虚部
が単純な容量リアクタンスを示すことが判明した。
また、周波数を固定しておき、初段トランジスタTr1
のコレクタ容量CC1や二段目トランジスタTr2の負荷容量
CL2を変化させてみると、それぞれ第25図から第28図に
示すように、前記の実部と虚部の値がそれらの容量変動
に対して顕著な変化を示すことが理解された。
そこで、以上の事実を総合して、第29図に示すような
等価回路による線形モデルを想定し、微分方程式をたて
ると、 R0(1−γ cos ω t)・dq/dt−{C0(1+γ c
os ω t)}−1・q=−Et sin ω t が得られる。尚、ここに、Et sin ω tは入力高周波
源、R0(1−γ cos ω t)とC0(1+γ cos ω
t)はそれぞれ先に言及した負性抵抗と容量リアクタ
ンスをモデル化したものに相当する。
そして、この式において、γ<0.3,γ<0.3,γ
=γという条件下に近似式をたてて電流に関する定常
解を求めた場合、及び、厳密解を求める式に対して負荷
容量CL2の変動が±1.7pFと小さいためγとγが1に
比較して極めて小さい値であるという近似条件を適用し
て電流に関する定常解を求めた場合の双方とも、一定の
条件を課しているもののその定常解は入力高周波により
被変調波が生成されている振幅変調の式となり、二段帰
還増幅器が高周波雑音に基づく変調メカニズムを有して
いることが理論的にも実証された。
尚、前記の理論的検討の際に、負性抵抗の存在が系の
安定・不安定に影響を及ぼす可能性があり得るため、系
の伝達関数から特性方程式を求めてその根を計算した
が、何れもその実部が負であり、系が安定していること
が理解された。即ち、二段帰還増幅器においては広範に
認められる現象であるが、入力インピーダンスに負性抵
抗を有していても系は安定であり、発振には至らないこ
とが確認された。
以上の内容から、本願発明者は、系として安定である
コレクタホロア式二段帰還増幅器がその系自体で高周波
変調メカニズムを具有しており、高周波雑音を取り込む
ことにより音質劣化を生じさせることを発見した。
そして、オーディオシステムにおける音質の向上に関
して、従来の入出力装置の改良や負帰還理論やフィルタ
理論とは別に、増幅器自体の高周波変調メカニズムが音
質へ与える影響を対象としてなされた研究は存在せず、
当然にその観点からの増幅器の改良に関する発明や考案
は存在しない。
[発明が解決しようとする課題] 前記のように、高周波雑音がコレクタホロア式二段帰
還増幅器に対して明らかに悪影響を与え、音質の劣化を
招くことが知られた。
従って、その増幅器を正常に動作させるには、回路ま
たはシステムを高周波雑音から極限にまで遮蔽する方法
と、増幅器自体が高周波雑音を受けても異常動作しない
ように回路設計する方法の二つの方法が考えられること
になる。
前者の高周波雑音の排除手段としては、システム内で
高周波を発生させないように注意し、また外部から侵入
してくる高周波雑音に対しては完全なシールドを施すと
共に、高周波ビーズの適用等各種の細かな対応策がある
が、複雑な回路網において完全に高周波雑音を排除する
ことは至難である。特に、最近のオーディオシステムに
見られるように、ディジタル回路が多種多様に実装され
ると高周波雑音源がそれだけ多くなり、増幅器や配線部
材をそれらから遮蔽することは殆ど不可能に近い。
そこで、本発明は、高周波雑音が存在する環境下にお
いても、回路自体がそれをろ波し、また回路自体が前記
の高周波変調メカニズムの発生条件を具有しないコレク
タホロア式二段帰還増幅器を提供し、ひいては理想的な
特性に設計した増幅器が実際のシステムに組込まれた場
合にも常にその設計仕様どおりの特性を発揮し、優れた
再生音質を実現することが可能なオーディオシステムを
提供することを目的として創作された。
[課題を解決するための手段] 第一の発明の基本的構成は第1図に示され、コレクタ
ホロア式二段帰還増幅器において、出力側トランジスタ
Tr2のベースとコレクタの間に第1の容量CAを、入力側
トランジスタTr1のベースに抵抗RAをそれぞれ付加し、
前記抵抗RAの抵抗値を高周波帯域における回路の位相余
裕がその抵抗RAを付加しない場合の位相余裕より小さく
なる範囲で設定し、且つ前記入力側トランジスタTr1
ベースとコレクタの間に回路の入力インピーダンスの実
部が0以上となる範囲に容量値を設定した第2の容量CB
を接続したことを特徴とするコレクタホロア式二段帰還
増幅器に係る。尚、第1図において、R1はコレクタ負荷
抵抗、R2はエミッタ抵抗、R3はコレクタ負荷抵抗、ZNF
は帰還インピーダンスである。
また、第二の発明は、前記の増幅器において、抵抗RA
に対してオーディオ周波数帯域で短絡要素となり、高周
波帯域では高抵抗要素となる誘導リアクタンスLAを並列
接続したコレクタホロア式二段帰還増幅器に係る。
[作用] 第一の発明において、各要素は次の役割を果たす。
容量CAは、高周波帯域においてトランジスタTr2の入
力側からの帰還率を増大させて回路の帰還理論上の安定
性を向上させ、高周波変調メカニズムによるオーディオ
出力電圧を低下させると共に、周波数特性の高周波帯域
における平坦化を図る役割を果たす。
抵抗RAは、前記と同様の出力電圧の低下を図ると共
に、周波数特性の高周波帯域における狭帯域化を図る役
割を果たす。
しかし、抵抗RAの付加は高周波帯域における帰還理論
上の安定性を低下させるものでもある。即ち、容量CA
抵抗RAは高周波帯域における出力電圧を低下させるとい
う点では共通しているものの、抵抗RAは高周波帯域にお
ける回路の位相余裕を小さくする機能を有し、帰還理論
上の安定性という点では相反する関係にあることにな
る。
本発明では、帰還理論上の安定性を犠牲にしても抵抗
RAを付加して高周波帯域の狭帯域化を優先させ、もって
回路自体の高周波雑音の受け入れ難さを補償する。
ところで、容量CAと抵抗RAを前記の条件で付加する
と、抵抗RAの付加により周波数特性における高周波帯域
にピークが生成されてしまう。
容量CBは、高周波帯域における狭帯域化を図りピーク
を消失させると共に、帰還理論上の安定性を向上させ、
更に、その容量値が回路の入力インピーダンスの実部が
0以上となる範囲に設定されることにより、従来技術に
おいて問題とされた高周波変調メカニズムの発生要因を
消滅させる役割を果たす。
即ち、本発明は、その増幅器としての回路自体に高周
波雑音の受け入れ難さと高周波変調メカニズムの発生要
因を除去する機能を具有させることにより、オーディオ
周波数帯域の正常な増幅動作を保証する。
尚、本発明の構成における容量CA,CBは、現実に回路
素子としてのコンデンサを付加する場合だけでなく、ト
ランジスタTr1,Tr2のベース−コレクタ間の容量をその
まま利用する場合も含む概念で理解されるべき要素であ
る。また、第1図では例示的にTr1をNPN型、Tr2をPNP型
のトランジスタとしているが、本発明では何れの型式を
用いるかは任意であり、増幅器の基本回路としては当然
にそれらの型式に対応させた回路が採用される。
第二の発明において、誘導リアクタンスLAは次の役割
を果たす。
前記の抵抗RAは第一の発明の増幅器の周波数特性にお
いて高周波帯域での狭帯域化を図るための要素となる
が、その回路上の位置付けとしては信号源抵抗となる。
従って、入力される信号のレベルが小さい場合には、同
抵抗RAがオーディオ帯域における雑音発生要素となる。
この問題に対し、誘導リアクタンスLAはオーディオ周
波数帯域では短絡要素、高周波帯域では高抵抗要素とな
る機能を有しており、第一の発明の成立条件を満足させ
ながら、オーディオ周波数帯域における雑音の発生を抑
止する役割を果たす。
[実施例] 以下、第2図から第21図を用いて本発明の一実施例を
実験と理論的検討を交えながら説明する。
第2図は実施例回路とその測定系を示し、二点鎖線で
囲まれている部分が実施例回路に相当し、他の測定系に
ついては前記の従来技術で説明したものとほぼ同様の構
成を採用している。ただ、本実施例では帰還率を1以下
に換えられるようにしたため、回路の直流バイアスをそ
の都度適正に変更する必要が生じ、直流電源E2を増設し
ている。他は従来技術のものと同様で、回路の入力端に
は−50〜−20dBm程度の白色性高周波雑音が加えられる
ようにしてあり、回路の出力端にはバリキャップを接続
して正味±1.7pFの容量変動を与えるようになってい
る。尚、直流電源E1はバリキャップに加える2Vrmsのオ
ーディオ信号に対して適正バイアスを与えるためのもの
である。
そして、回路の出力端よりローパスフィルタを介して
オーディオ信号を観測することになるが、実施例回路中
のTr1とTr2の諸定数は表1に示されるものであり、また
RNF,CNF,CA,RA,CB,LAはそれぞれ後記の各実験及び
理論的検討の過程で必要に応じて付加されるものであ
る。
《帰還量と安定性について》 前記の第22図で行った実験では帰還率を100%に設定
して高周波変調メカニズムの解析を行っているが、高周
波雑音に対する増幅器の挙動と変調メカニズムは当然に
帰還量と無関係ではあり得ない。そこで、帰還量を変化
させた場合の増幅器の高周波雑音に対する安定性を実験
により求め、既存の帰還理論がどのように対応するかを
検討した。
実験はCNF,CA,RA,CB,LAを付加しない状態で、帰
還抵抗RNFを0〜3.3kΩの範囲で変化させ、その都度E2
を変化させながら出力電圧を測定し、また理論計算は第
2図の実施例回路を第3図の等価回路へ書換え、表1の
諸定数を用いて出力電圧を計算し、それぞれRNFが0の
場合を基準にした出力電圧の比を求めた。尚、第3図に
おいて、rbはTr1,Tr2のベース拡がり抵抗、Zeはエミッ
タ抵抗reとエミッタ容量Ceによるインピーダンス、ZL
負荷インピーダンスで負荷抵抗RLと負荷容量CLの並列イ
ンピーダンス、IBはベース電流、ICはコレクタ電流、IF
はZCに流れる電流、ILはZLに流れる電流であり、数字の
添字はTr1,Tr2の区別を示す。
第4図は前記の実験結果と理論計算による出力電圧の
基準化比を示す。但し、前記の実験においては、等価回
路への置換が可能な誤差範囲とするために対象とする周
波数範囲を負性抵抗の偏差が10%以内に収まるように制
限した。また、帰還量を変化させることによる増幅器の
ゲインの変化分を、復調時に考慮する必要があるか否か
が問題となるが、試みにゲインの増加分だけ理論計算の
値を大きくしてみたところ、帰還量の変化に対して結果
は1.0強で殆ど一定値となっており、実験結果との対比
から非常に不自然になるため、ゲインの増加分を考慮し
なくても足りることが判明した。
次に、第3図の回路から伝達関数を求め、その実部か
ら系の安定性をみることとした。
この計算過程は省略するが、帰還率に関係するREにつ
いては1kΩとし、また計算過程で必要となったトランジ
スタの諸定数等はメーカー発表値を採用している。
計算の結果、吟味された伝達関数としては5根が得ら
れるが、殆どの場合に共役複素数である振動解が1組存
在し、その特性根の実部の値がダンピングファクタに相
当することになる。
次に、前記の計算過程から周波数特性上のピーク値を
求め、更に第3図を第5図のように等価的に書換え、ル
ープゲインと同ゲインから求まるゲイン余裕を算出し
た。尚、第5図におけるIiは電源eiに流れる電流であ
り、ZEIは終端インピーダンスであるが、後者のZEIにつ
いては、図中に2つあるRNFの内、ei側のRNFを0にすれ
ばei/Iiで計算できるので、ZEIに適当な初期値を与え
て収束するまで繰返し計算することにより確定させた。
以上から求められたダンピングファクタ、ピーク値、
及びゲイン余裕の計算結果は第6図に示される。但し、
各特性はRNFが0の場合を基準にして、ダンピングファ
クタは逆数に、ピーク値はデシベルを倍率に、ゲイン余
裕はデシベルを倍率にして更に逆数にとった値であり、
第4図と対照できるようにしてある。尚、第6図中の点
線は1kHzにおける帰還量を示している。
第6図を第4図と比較対照した場合、第4図の実験結
果との関係で何れの特性も一度最大値をとってから減少
している点で共通しているが、第4図で出力電圧の基準
化比が1となるRNFの値と第6図での該当RNFの値は大き
く異なる。ダンピングファクタが比較的近い傾向を示す
が、ダンピングファクタを求める計算過程は非常に複雑
であり、増幅器の設計段階でこれを用いることは実用的
でない。
従って、結果的には、帰還量の変化と増幅器の安定性
は1対1に対応しないが、全体的な傾向としては、帰還
量の減少が増幅器の安定性を向上させるといえる。即
ち、二段帰還増幅器は特別な高域補償を施さなくとも発
振に至ることはないが、高周波雑音に対する安定性とい
う点では必ずしも良好とはいえない。
《CNFの付加について》 従来から、RNFに対して帰還容量CNFを並列持続して高
域補償を行う方式も採用されているので、これについて
も検討を加えておくことにした。実験としては、前記の
システムをそのままで使用し、高周波雑音のレベルを−
40dBm、RNFを300Ωとした場合について、CNFを0から33
0pFまで変化させて出力電圧を測定し、理論計算として
は、第3図と第5図のRNFをZNF=RNF/(1+jωCNFR
NF)に置換してピーク値とゲイン余裕を求めた。
これらの結果は、第4図と第6図で用いたと同様の基
準化を行うことにより第7図に示され、同図から明らか
なように、CNFが20pF〜30pFの間で出力電圧は一旦最小
になり、CNFの増加に従って再び安定性が悪化するとい
う結果が得られ、これはゲイン余裕の計算結果をみても
ほぼ同様のことがいえる。尚、ピーク値の計算結果から
は、CNFの増大に従ってピーク値が低くなり、ピークが
消失することもあるので、CNFが大きい場合には正確な
結果が得られない。
以上から、CNFでの高域補償により安定性の向上が図
れるが、CNFの増加により再び安定性が悪化すること
や、最適領域も狭いということから、実用的に優れた補
償法であるかどうかには疑問が残る。
《CA(本願発明要素)の付加について》 第2図に示すように、Tr2がベース−コレクタ間に容
量CAを付加すると増幅器の安定性を向上させることがで
きる。
実験としてはRNFを0、REを∞とした100%帰還の場合
について、高周波雑音レベルを−40dBmにして、CAを0
から20pFまで変化させた場合の出力電圧を測定した。ま
た、理論計算としては、第8図の等価回路に書換え、Z
CA=1/jωCAとしてピーク値を算出すると共に、更にそ
の等価回路を第9図のように書換えてループゲインを求
め、ゲイン余裕を算出した。尚、ZEIの確定は前記と同
様の手法によって行った。
これらの値を前記と同様に基準化して得られた結果は
第10図に示される。尚、ピーク値の特性が一部点線にな
っているのは、CAが15pF以上でピークが消失し、計算不
能となったからである。これは、安定性が向上するとピ
ーク値が存在しなくなり、微妙な判定に対しては意義を
有しなくなることを意味する。従って、後述の検討から
はピーク値に係る内容を除外することとする。
第10図から明らかなように、CAを20pFにすることによ
り出力電圧の基準化比で0.07程度に改善することがで
き、高周波雑音に対する安定性に関して相当の効果が得
られている。更に、この高域補償法は、CNFによる補償
と異なり漸近特性を有しているため、実際の設計におい
て補償が容易になるという利点も有している。
そこで、100%帰還に設定してあった帰還量を変化さ
せた場合の特性を、CAを20pFに固定して測定してみた。
この結果は第11図に示され、補償が有効に作用してい
ることにより出力電圧が全体的に低くなり、誘導ハムレ
ベルに近づいて若干その影響を受けているものの、RNF
が600Ω程度で最小になっている。
即ち、RNFが小さい場合にはRNFの増大に伴なう増幅器
の安定性の向上が優先して出力電圧が一度下降するが、
更にRNFが大きくなると安定性の改善度合より増幅器の
ゲインの上昇による雑音電圧の増加が優先し、特性が上
向きに転じていると考えられる。尚、この時にRNFを大
きくしてゲインを上昇させても誘導ハムレベルは上昇し
なかったので、誘導ハムによるものとは考えられず、ま
たRNFの増大と共に安定性が悪化し続けるとも思われな
い。
このように、増幅器の安定性はCA付加によって相当改
善され、その改善による特性も第4図の特性のように一
度最大値をとってから減少し続けた場合と本質的に異な
る。
《RA(本願発明要素)の付加について》 第2図に示すように、Tr1のベースに抵抗RAを挿入す
ると増幅器の高周波雑音に対する安定性を更に向上させ
ることができる。
実験としては、RNFを0、REを∞とした100%帰還の場
合について、高周波雑音レベルを−20dBmにして、RA
パラメータにしてCAを0から20pFまで変化させてオーデ
ィオ出力電圧を測定することとした。尚、ここに高周波
雑音レベルを−20dBmに上げたのは、補償が強力になる
と出力電圧が低下し、測定系に存在する誘導ハムの影響
が大きくなるからである。
この実験結果は第12図に示され、RAが4.3kΩになると
RAが0の場合に比較して安定性が大幅に改善されること
が理解できる。
そこで、理論計算として、RAをrb1に含めれば第9図
を用いてループゲインが算出できるため、RAが存在する
場合の帰還理論上の安定性を調べてみた。
第13図はRAが0のとき4.3kΩのときの位相余裕を計算
したものである。ここで、ゲイン余裕でなく位相余裕を
計算したのは、RAが4.3kΩのときに位相が−180°まで
回転しなくなり、ゲイン余裕の計算が一部不能になった
からである。
この第13図からは、次のような興味ある結果が得られ
ている。
即ち、グラフから明らかなように、CAが5pF以上にな
ると、RAが0のときより4.3kΩのときの方が位相余裕が
少なくなり、前記の出力電圧の特性に係る安定性に背反
して帰還理論上は不利になっていることである。換言す
れば、高周波雑音の影響を受けているコレクタホロア式
二段帰還増幅器においては、帰還理論上の安定性以外に
もう一つ異なる安定性を考慮する必要性が生じることに
なる。
そして、正にこの第二の安定性を支配するのが従来技
術において説明した高周波雑音による増幅器の変調メカ
ニズムであり、高級音質を保証するためには、先ず増幅
器の回路自体がその変調メカニズム発生の原因である高
周波雑音の影響を受けないために狭帯域化されることが
必要になる。
そこで、この問題点を詳細に検討するために、RAが0
のときと4.3kΩのときのゲインの周波数特性とループゲ
インの位相特性を第8図と第9図の等価回路を用いて計
算し、その結果をそれぞれ第14図と第15図に示した。
第14図のゲインの周波数特性から明らかなように、RA
が4.3kΩのときは6MHzの近辺に約5dBのピークがあるも
のの、それにより高い周波数では減衰し、20MHzで約20d
Bの減衰度を示している。一方、RAが0のときは約20MHz
まで特性は平坦で、RAが4.3kΩの場合に比較して遥かに
広帯域となっている。これは、RAが0のときの方がそれ
だけ高周波雑音の影響を受け易くなっていることを意味
する。
次に第15図の位相特性をみると、ループゲインが0dB
(図中の矢印)における位相余裕は、RAが0のときは60
°近くあるのに対し、RAが4.3kΩのときは約30°しかな
く、帰還理論上の安定性はRAが4.3kΩのときの方が遥か
に悪いと判断される。
即ち、この増幅器が高周波雑音を受け入れ易いかどう
かという事象と、増幅器自身が具有する帰還理論上の安
定性に係る事象とは当然のことながら別の事象であると
考えられ、この場合には前者の事象が優先されるべきで
あり、増幅器は帰還理論上の安定性を犠牲にしても高周
波雑音の受け入れ難さを確保する必要がある。
以上の観点から、本実施例の増幅器に即してみれば、
CAを5pF以上とり、帰還理論上の安定性を確保させるこ
とが必要であるが、それによって周波数特性が広帯域化
するため、帰還理論上の安定性を犠牲にしてもRAを挿入
することにより狭帯域化しておく必要があることにな
る。
《CB(本願発明要素)の付加について》 前記のようにCAとRAの付加によって増幅器の帰還理論
上の安定性と周波数特性の狭帯域化をバランスをもって
実現することができ、当然に増幅器への高周波雑音の影
響も抑制できることになるが、第14図に示したように、
周波数特性の狭帯域化を図るために付加したRAによって
約6MHz付近にピークができてしまう。
そこで、実験として、第2図の回路からRE及びRNF
除去して100%帰還とし、CAを20pF、RAを4.3kΩ、高周
波雑音レベルを−20dBmとした状態で、同図に示すよう
にTr1のベース−コレクタ間に容量CBを接続したとこ
ろ、大幅な出力電圧の低下と前記のピークの消失が実現
できた。
第16図は前記の条件でCBを0から20pFに増加させてい
った場合の出力電圧の減少傾向を示し、CBが20pFになる
とCBが0のときに比較して出力電圧は約1/4になり、補
償を全く行わなかったCA=0,RA=0,CB=0の場合と比較
すると約1/60に減少し、十分な効果が認められた。現
に、この際に測定された出力電圧の成分は殆ど雑音だけ
になり、出力端に配したバリキャップによる変動の影響
は消失していた。
また、理論計算として、CBを付加した場合の等価回路
として第17図を考え、入力インピーダンスとゲインの周
波数特性を求め、更に第17図を第18図の等価回路へ書換
えることによりループゲインを求めると共に、位相余裕
を計算した。但し、第17図においてZCBはCBによるイン
ピーダンスであり、第18図においてICBはCBに流れる電
流である。
この結果、CBが20pFのときのゲインの周波数特性とル
ープゲインの位相特性としては、前記の第14図と第15図
に点線として示されるような特性が得られた。
ここに、RAの付加により生じていたピークは第14図に
示すように完全に消失し、且つ更なる大幅な狭帯域化が
図れている。即ち、高域遮断周波数は約1.8MHzに下り、
RA=4.3kΩ,CA=20pFの場合に比較して約1/3、RA=0,C
A=20pFの場合に比較すれば1桁以上も狭帯域化されて
いる。
一方、位相特性についてみると、ループゲインがOdB
になる周波数に向って位相余裕が急激に回復し、そのOd
Bの点で約90°を確保していることが確認できる。一般
に補償を大きくしすぎると、オーディオ周波数における
帰還増幅器の高周波ひずみ率を悪化させる場合がある
が、この状態で1kHzと10kHzにおける高周波ひずみ率を
測定してみたところ0.1%未満であり、問題にする程度
のひずみ率の悪化はみられなかった。
また、CBを増加させた場合の位相余裕の変化は第19図
に示され、CBが0のときに約33°であったものが、CB
20pFになると90°以上にまで増大しており、帰還理論的
にも十分安定性が向上していることが理解される。
次に、入力インピーダンス特性についてCBをパラメー
タにして計算してその実部を求めたところ、第20図に示
すような結果が得られた。
このグラフから明らかなように、CBの増大に伴い負性
抵抗は消失し、CBが5pFで完全に正の抵抗成分へ転じて
いる。
即ち、第20図と第16図のCBの変化に対応した出力電圧
の変化を比較してみると、CBが5pFの段階ではまだ十分
な補償がなされているとはいえないが、少なくとも、入
力インピーダンスに負性抵抗を有している帰還増幅器は
重大な欠陥を含んでいるといえる。
また、従来の補償が全く行われていない実験回路に対
して考察したと同様に、本実施例回路についてTr1のコ
レクタ容量CC1とTr2の負荷容量CL2を想定し、それらを
変化させてみた場合の入力インピーダンスの実部及び虚
部を理論計算により求めると、第2表及び第3表のよう
な結果が得られた。ここに、得られたインピーダンスは
第23図から第28図に示した傾向とは全く異なり、本実施
例回路における入力インピーダンスの虚部は同様に容量
リアクタンスを示しているが、実部が何れも正の値を保
持し、更にその実部がCC1,CL2の変化に対して殆ど変動
していないことが理解される。
以上の検討と考察からみて、CBは増幅器に対して三つ
の機能を果たしているといえる。即ち、第一は第14図の
周波数特性に示したように回路自体の高域遮断周波数を
大幅に低下させて、高周波雑音を受け入れ難くする機能
であり、第二は第16図に示したように従来技術で説明し
た高周波変調メカニズムを生じさせる要因(第29図のモ
デル化等価回路ではγとγに相当)を極小にする機
能であり、第三は第20図に示すように入力インピーダン
スの実部を正にして増幅器本来の姿にすることにより、
第19図に示すように帰還理論的に安定性を確保させる機
能である。
《帰還率変化での検証》 ところで、前記の実験においては問題を簡素化するた
めに増幅器からRE,RNFを除去し、100%帰還の場合につ
いて検討を展開してきたが、実際にはゲインを1以上で
使用する場合が多い。そこで、前記に設定した補償方式
のままで、ゲインのみを増加させた場合に高周波雑音に
対する安定性が如何になるかを実験した。即ち、CA=20
pF,RA=4.3kΩ,CB=20pFに設定すると共に、REを1kΩ
としてRNFを0から5kΩまで変化させた場合の出力電圧
を測定した。
この結果は第21図に示され、RNFの増加に伴い、出力
電圧はリニアに上昇している。
この特性を補償が不完全である場合の第11図(CAのみ
を付加)と比較してみると本質的な差があり、第11図で
はゲインの増加、即ち出力電圧は帰還量の減少に従って
一旦下降した後に上昇しているのに対し、第21図では出
力電圧がゲインの増加と完全に比例して増大している。
前記したように、増幅器のゲインが増加すればそれだ
け雑音電圧が多く出力されてくると考えれば、補償が不
完全である場合においては雑音電圧に起因するそれ以外
の要因が絡んでいたことになり、一方、RAとCBを付加し
て補償を完全にした場合においては極めて正常な増幅が
なされていると判断される。これは、出力電圧の成分が
殆ど雑音であったことからも裏付けられ、更に安定性も
十分に確保されていて、帰還量の減少がもはや安定性に
寄与する余地もなくなっていると考えられる。
これとは逆に、補償を全く行わなかった場合の第4図
の特性を振り返ってみると、RNFの増加によって一時的
に帰還の安定性が悪化したために生じたと考えられる若
干のピークを除いて、出力電圧が上昇する傾向は存在し
ない。これは、第21図と対比すると、増幅器の安定性が
如何に悪い状態であったかを裏付けていることになる。
《LAの付加》 ところで、前記のCA,RA,CBによる補償を行った増幅
器においては、RAが信号源抵抗として挿入されることに
なり、ムービングコイル型のカートリッジを高いゲイン
のヘッドアンプを用いて使用する場合には、RA自体がオ
ーディオ周波数帯域における雑音源になる。
しかしながら、前記の高周波雑音に対する補償のため
にはRAが必須の要素であり、これを除去すると前記の補
償条件が成立しなくなる。
そこで、このような場合には、第2図に示すように、
RAに対して誘導リアクタンスLAを並列接続することによ
りその問題点を解消する。即ち、LAはオーディオ周波数
帯域の信号に対しては短絡要素として機能して信号源抵
抗をなくし、一方、高周波雑音に対しては無限大抵抗要
素としての機能を有することになり、高周波雑音に対す
るRAの存在を維持させて前記の補償条件の成立を担保す
る。
本実施例回路についてみれば、LAとして160μHから5
00μH程度のものを並列接続することにより信号源抵抗
となるRAの付加に伴うオーディオ周波数帯域の雑音を除
去することができる。
[発明の効果] 本発明は以上のような構成を有することにより、次の
ような効果を奏する。
請求項(1)の発明は、コレクタホロア式二段帰還増
幅器に容量と抵抗とを付加するという極めて簡単な手段
により、回路自体に高周波雑音の受け入れ難さを具有さ
せると共に、回路の高周波雑音に起因する変調メカニズ
ムの発生をなくし、もって設計仕様どおりの優れた増幅
特性を有し、高周波雑音フリーともいうべき理想的な増
幅器を実現する。
尚、本発明に係る増幅器は、オーディオシステムにお
ける二段帰還増幅器として利用するだけでなく、多段接
続した増幅システムとして、またプッシュプル増幅回路
のペア増幅部として等のように多種多様な適用範囲を有
している。
請求項(2)の発明は、請求項(1)の発明における
一要素である抵抗RAが信号源抵抗になり、信号レベルが
低い入力に対する増幅器として用いる場合には抵抗RA
オーディオ周波数帯域の雑音を発生せしめる原因となる
が、抵抗RAに誘導リアクタンスLAを並列接続しておくこ
とにより、高周波雑音の影響を除去するための条件を成
立させながらオーディオ周波数帯域の雑音の発生を防止
することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を示す回路図、第2図は本
発明の実施例回路及びその実験回路を示す図、第3図は
等価回路図、第4図はCNF=0,CA=0,RA=0,CB=0,LA
0でRNFを変化させたときの出力電圧の基準化比を示す
グラフ、第5図は等価回路図、第6図はCNF=0,CA=0,R
A=0,CB=0,LA=0でRNFを変化させたときのダンピング
ファクタ,ピーク値,ゲイン余裕の基準化比及び1kHzで
の帰還量の変化を示すグラフ,第7図はRNF=300Ω,CA
=0,RA=0,CB=0,LA=0でCNFを変化させた場合の出力
電圧,ゲイン余裕,ピーク値の基準化比の変化を示すグ
ラフ、第8図及び第9図は等価回路、第10図はRNF=0,C
NF=0,RA=0,CB=0,LA=0でCAを変化させた場合の出力
電圧,ゲイン余裕,ピーク値の基準化比の変化を示すグ
ラフ、第11図はCNF=0,CA=20pF,RA=0,CB=0,LA=0で
RNFを変化させた場合の出力電圧の変化を示すグラフ、
第12図はRNF=0,CNF=0,CB=0,LA=0でRAをパラメータ
にCAを変化させたときの出力電圧の変化を示すグラフ、
第13図はRNF=0,CNF=0,CB=0,LA=0でRAを0及び4.3k
Ωに設定してCAを変化させたときの位相余裕の変化を示
すグラフ、第14図はRNF=4kΩ,CNF=0,CA=0,RA=0,CB
=0,LA=0のとき、RNF=0,CNF=0,CA=20pF,RA=0,CB
=0,LA=0のとき、RNF=0,CNF=0,CA=20pF,RA=4.3k
Ω,CB=0,LA=0のとき、及びRNF=0,CNF=0,CA=20p
F,RA=4.3kΩ,CB=20pF,LA=0のときのゲイン周波数
特性を示すグラフ、第15図はRNF=0,CNF=0,CA=20pF,R
A=0,CB=0,LA=0のとき、RNF=0,CNF=0,CA=20pF,RA
=4.3kΩ,CB=0,LA=0のとき、及びRNF=0,CNF=0,CA
=20pF,RA=4.3kΩ,CB=20pF,LA=0のときの位相余裕
の周波数特性を示すグラフ、第16図はRNF=0,CNF=0,CA
=20pF,RA=4.3kΩ,LA=0でCBを変化させたときの出
力電圧の変化を示すグラフ、第17図及び第18図は等価回
路図、第19図はRNF=0,CNF=0,CA=20pF,RA=4.3kΩ,L
A=0でCBを変化させたときの位相余裕の変化を示すグ
ラフ、第20図はRNF=0,CNF=0,CA=20pF,RA=4.3kΩ,L
A=0でCBをパラメータにとり、入力インピーダンスの
実部の周波数特性を示すグラフ、第21図はCNF=0,CA=2
0pF,CB=20pF,RA=4.3kΩ,LA=0でRNFを変化させたと
きの出力電圧の変化を示すグラフ、第22図は従来の増幅
器回路及びその実験回路図、第23図は同増幅器回路に係
る入力インピーダンスの実部の周波数特性を示すグラ
フ、第24図は同入力インピーダンスの虚部の周波数特性
を示すグラフ、第25図は周波数をパラメータにとり、C
C1を変化させたときの入力インピーダンスの実部の変化
を示すグラフ、第26図は同虚部の変化を示すグラフ、第
27図は周波数をパラメータにとり、CL1を変化させたと
きの入力インピーダンスの実部の変化を示すグラフ、第
28図は同虚部の変化を示すグラフ、第29図は従来の増幅
器回路の線形モデル等価回路図である。 Tr1,Tr2……トランジスタ、CA,CB……容量 RA,R1,R2,R3……抵抗 LA……誘導リアクタンス ZNF……帰還インピーダンス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コレクタホロア式二段帰還増幅器におい
    て、出力側トランジスタのベースとコレクタの間に第1
    の容量を、入力側トランジスタのベースに抵抗をそれぞ
    れ付加し、前記抵抗の抵抗値を高周波帯域における回路
    の位相余裕がその抵抗を付加しない場合の位相余裕より
    小さくなる範囲で設定し、且つ前記入力側トランジスタ
    のベースとコレクタの間に回路の入力インピーダンスの
    実部が0以上となる範囲に容量値を設定した第2の容量
    を接続したことを特徴とするコレクタホロア式二段帰還
    増幅器。
  2. 【請求項2】入力側トランジスタのベースに付加した抵
    抗に対してオーディオ周波数帯域で短絡要素となり、高
    周波帯域では高抵抗要素となる誘導リアクタンスを並列
    接続した請求項(1)記載のコレクタホロア式二段帰還
    増幅器。
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