JPH0834065A - Frp製中空体の引抜き成形方法 - Google Patents

Frp製中空体の引抜き成形方法

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JPH0834065A
JPH0834065A JP6192174A JP19217494A JPH0834065A JP H0834065 A JPH0834065 A JP H0834065A JP 6192174 A JP6192174 A JP 6192174A JP 19217494 A JP19217494 A JP 19217494A JP H0834065 A JPH0834065 A JP H0834065A
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JP
Japan
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reinforcing material
roving
mat
mandrel
tubular
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Application number
JP6192174A
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English (en)
Inventor
Ichizo Hara
市造 原
Yasuhiko Sato
康彦 佐藤
Masaya Hattori
雅彌 服部
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造用部材として使用できるような等方的に
機械的強度の高いFRP製長尺チューブを連続的に引抜
き法で成形できる方法を提供する。 【構成】 本発明に係るFRP製チューブの引抜き成形
方法は、ロービング列に熱硬化性樹脂を主成分とするマ
トリックスを含浸させて含浸ロービング列を形成する工
程と、マット層を構成し、それにマトリックスを含浸さ
せて含浸マットを形成する工程と、含浸マットの間に含
浸ロービング列を介在させてなる帯状の強化材集積体を
所要数それぞれ別途に形成する工程と、所要数の強化材
集積体を積層してフープワインディングを行い、かつ各
筒面の長手方向継ぎ目の周方向位置が相互にずれている
ようにして筒形強化材積層体を形成する工程と、金型を
介して加熱し、筒形積層体中の樹脂成分を硬化させてチ
ューブに成形する工程とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FRP製中空体の引抜
き成形方法に関し、更に詳細には機械的強度が等方的に
高く構造用部材として使用し得るFRP製中空体を連続
的に成形する引抜き成形方法に関するものである。ここ
で、中空体とは、筒状の長尺成形体であって、筒の形状
は問わず、円筒形、楕円筒形等の丸筒中空体並びに3角
筒状の中空体を含む多角筒状の中空体を意味する。
【0002】
【従来の技術】このようなFRP製中空体は、従来、主
としてハンドレイアップ法又はフィラメントワインディ
ング(FW)法により成形されていた。ハンドレイアッ
プ法は、はけ、へら、ローラーなどの簡単な器具を用い
て、型の上でガラス繊維に人の手で樹脂を含浸させなが
ら順次必要な厚さまで積み重ね、適切な温度管理下で樹
脂を硬化させ、硬化物を型より外し、成形品を得る方法
である。一方、FW方法は、ロービングを数十本引き揃
え、樹脂組成物(以下、マトリックスと言う)を含浸さ
せながら回転するマンドレル(金型)上に規則正しく巻
き付け、所定の厚さに達した後、硬化し、金型から脱型
して成形する方法である。
【0003】しかし、ハンドレイアップ法は、手作業に
よる極めて労働集約的な成形方法であるため、またFW
方法は、機械化されてはいるが、成形工程と加熱工程の
2工程から構成されたバッチワイズな不連続成形方法で
あるため、いずれも、工程が複雑で、作業能率が低く、
そのため成形コストが嵩んだ。また、ハンドレイアップ
法及びFW方法のいずれも、連続成形法でないため、製
品の均一性を確保し難く、同一の特性を有する成形品を
大量に生産する方法としては適当な方法でなかった。更
には、いずれも、作業環境が悪いため、働く場として人
気がなく、必要な人手を集めて大量に生産することも実
際には困難であった。しかも、長尺のFRP製筒状成形
体を成形するには、いずれも、その成形原理から見て、
本来的に適していなかった。
【0004】そこで、筒状のFRP製長尺成形体を連続
的に成形する方法として、いわゆるプルトルージョン
法、即ち引抜き成形方法も試みられている。従来のプル
トルージョン法は、主としてロービングを強化材として
使用し、要求する強度特性に合わせて多数のロービング
を引き揃え、これにマトリックスを含浸させ、成形体の
横断面と同じ形状をした金型に引き込み、金型内で硬化
させて長尺成形体を連続的に成形する方法である。従
来、FRP成形体の連続引抜き成形法は、図3に示すよ
うな装置を使用して実施されている。図8に示すよう
に、従来のFRP成形体の連続引抜き成形法では、強化
材としてロービングを使用しており、ロービング・クリ
ルAからロービングを引き出し、マトリックス含浸槽C
内を走行させてマトリックスを含浸させ、次いで形造り
(賦形)するフォーミングガイドFを通し、更にロービ
ング構造体を硬化型(金型)Gに引き込んで硬化させ
る。硬化した成形体Hを引抜き装置Iにより硬化型Gか
ら引き出し、カッターJで切断する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のプルト
ルージョン法には次に説明するような、問題点があっ
た。それは、従来のプルトルージョン法による成形体の
強度的な問題である。従来のプルトルージョン法による
成形体は、表1に示すようにハンドレイアップ法又はF
W法により成形された成形体に比べて、機械的強度が低
いことであった。即ち、ロービングで強化されている長
手方向の引張強さ及び0°方向圧縮強さは、ほぼ同じ程
度の大きさであるが、90°圧縮強さが低く、また、成
形体内部にクラックが発生している例が多いことであっ
た。尚、圧縮強さは、後述の実施例において説明する方
法により求めたものである。
【表1】
【0006】更に、これまでの引抜き成形法では90°
方向の圧縮強度も低くなるため、FRP引抜き成形品を
構造部材として使用し、それらの加工、継合等を行った
場合、破壊、変形が生じることがしばしばあった。例え
ば、FRP成形品は、土木、建築分野で使用されている
アングル、Iビーム、H型鋼などの鋼製構造部材の代替
品として使用可能であるが、FRP成形品のジョイント
をボルト、ナットで締め付ける場合、FRP成形品には
その厚さ方向に大きな強度が要求され、厚さ方向の強度
が小さければ、FRP成形品はボルト、ナットを締め付
けた箇所で圧縮破壊する。また、FRP成形品の0°方
向と90°方向の強度に著しい差がある場合、FRP成
形品は破壊した箇所から図6に示したように強化材引抜
き方向に裂ける。
【0007】従って、FRP成形品を鋼製構造部材の代
替品として用いる場合、厚さ方向の圧縮強度が高くなけ
ればならず、また0°方向と90°の曲げ強度及び引張
強度が高く、かつ曲げ強度及び引張強度の0°方向と9
0°方向の値の差が各々小さくなければならない。更に
は、従来のプルトルージョン法で成形した成形品は、表
面が毛羽立って表面平滑性に乏しく、そのためそのまま
構造用部材として使用することが難しく、何らかの表面
処理を必要とした。
【0008】ところで、FRP製成形品は、耐食性に優
れ、軽量でその割に機械的強度が高く、即ち比強度が大
きいので、用途が広く、近年、柱、支柱、橋脚、ブーム
等を始めとする各種構造物の構造用部材として大量に使
用されるようになっている。そこで、構造用部材として
使用できるような等方的に強度の高いFRP製の長尺筒
状成形体を大量にかつ経済的に製造できる方法の開発が
望まれていた。
【0009】以上の要望に鑑み、本発明の目的は、構造
用部材として使用できるような等方的に機械的強度の高
いFRP製長尺中空体を連続的に引抜き法で成形できる
方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に適う成形体の
成形方法を開発するに当たり、本発明者等は、従来の技
術を研究し、また現在までに公開されている関連の特許
及び実用新案公報を詳細に調査した。以下に、特に関連
のある特許公開公報の開示内容を要約する。 1.特開昭50−75263号は、予備加熱のために高
周波加熱装置を用い、引抜き成形品の成形及びゲル化の
ためには加熱ダイを用い、予備加熱装置において繊維及
び樹脂を小さな区域に閉じ込め、予備加熱装置が樹脂で
汚損するのを防止する引抜き成形装置を提案している。 2.特開昭64−75225号は、成形品が、強化繊維
を軸方向に整列して形成される軸方向繊維層と、強化繊
維を軸線に対してラセン状に巻き付けて形成されたラセ
ン状繊維層とを具備することにより、軸方向及び横方向
の強度が従来品に比較して向上するとしている。 3.特開平2−38026号は、シート状補強繊維基材
の重ね合わせ体に樹脂を含浸し、その樹脂含浸重ね合わ
せ体を加熱ダイに通して引抜き、成形するに際し、上記
基材の重ね合わせ体の側端部に、側端縁を覆うように、
一方向性織物を、その一方向性織物の経糸が引抜き方向
になるように配置し、かつ上記基材に接合しておくこと
により、重ね合わせ体の側端部における補強繊維の配列
の乱れが防止され、機械的強度が向上し、製品特性のば
らつきが小さくなるとしている。
【0011】4.特開平4−108145号は、組紐機
の送りローラにより送られる組物構造体を、送りローラ
の周速度と同じ周速度の送込みローラにより引抜き式成
形機内に送り込み、送りローラの周速度より僅かに小さ
い周速度の引取りローラにより引き取ることにより、簡
単に組物構造体の寸法制御を行うことができるとしてい
る。 5.特開平4−163132号は、マットとクロスから
なる1対の積層された層の少なくとも1層とマット層と
を最外層の両面がマット層となり、マット層とクロス層
とが交互に位置するようにして樹脂液に含浸した後、含
浸ローラで積層処理して得られる樹脂含浸基材を用いる
ことにより、機械特性および難燃性に優れた、異方性の
少ない繊維強化プラスチックを生成できるとしている。
基材は、最外層を除いてマット層とクロス層との対で構
成されている。クロスをマットと積層することなく単独
で樹脂液に引き込んだ場合は、樹脂液の粘度が高いた
め、クロス表面に付着した液が含浸ローラで除去され、
クロスへの含浸性が非常に悪くなるので、マットとクロ
スは積層されて1対の層として樹脂液に引き込まれる必
要があるとしている。 6.特開平4−270640号は、繊維強化合成樹脂成
形品を引抜き成形方法を用いて成形するに際し、強化繊
維材に含浸させる硬化性樹脂として、少なくとも機械的
強度が比較的小さい強化繊維材に対しては光硬化性樹脂
液と熱硬化性樹脂液とを含浸させ、次いでこの強化繊維
材に光を照射して予備硬化させ、しかるのち成形通路に
送り込むことにより、繊維の切断やもつれ、皺入り等の
現象が少なくなり、整列段階でのトラブルが無くなると
している。 7.特開平4−290730号は、引抜き成形方法によ
り成形体を成形する場合、芯材層とその外層に繊維強化
合成樹脂層を形成してなる複合体とし、その芯材層に等
方体(金属、木材、セラミック、各種合成樹脂等)を使
用し、芯材を一方向に移送しつつ、その表面に熱硬化性
樹脂を供給し、その外周囲に、別の比較的高温で硬化す
る熱硬化性樹脂を含浸した強化繊維を供給して引抜き成
形し、繊維強化合成樹脂層を形成することにより、芯材
と繊維強化合成樹脂層との密着性が向上し、引抜き方向
と、これに対して直角方向との強度差が小さくなるとし
ている。 8.特開平4−301435号は、引抜き成形方法によ
り成形体を成形する場合、芯材層とその外層に繊維強化
合成樹脂層を形成してなる複合体で成形体を成形しよう
としており、芯材(金属、木材、セラミック、各種合成
樹脂等)を一方向に移送しつつ、その表面に熱硬化性樹
脂を塗布し、その塗布面を離型用フィルムを介して加熱
し硬化させた後、その外周囲に別の比較的高温で硬化す
る熱硬化性樹脂を含浸した強化繊維を供給して引抜き成
形することにより、芯材と繊維強化合成樹脂層との密着
性が向上し、引抜き方向と、これに対して直角方向との
強度差が小さくなるとしている。
【0012】しかし、特開平4−163132号は、マ
ットとクロスとの対の積層体を使用しているので、材料
上で制約が多く、特開平4−290730号及び特開平
4−301435号は、異方性の解消のために芯材を使
用しており、そのため用途上で制約されると思われる。
その他の前掲公報は、本発明の目的としている異方性の
解消には大きな効果を期待できるとは評価できない。
【0013】上述した従来技術とは別の本発明の目的に
適った成形方法を開発するべく、本発明者等は、実験と
研究を重ねた末、以下の知見を得た。先ず第1として、
長尺のFRP製筒状成形体を等方的に強化するには、強
化材として、長手方向強度に寄与するロービングに加え
て、強化材繊維が等方的に配位されていて、長手方向並
びに横方向にも強度が強化されているマット、例えばチ
ョップドストランドマット、又はロービングクロス等の
マットを使用することが必要である。また、内部クラッ
クの発生を防止するには強化材含量を大きくする必要が
あり、更には成形体の表面に平滑性を付与するために、
表面の樹脂含有量を低下させることが必要である。
【0014】第2として、上述の等方的強化材層を構成
するには、先ず、ロービングを並列に配列したロービン
グ列をマットの間に介在させてシート状の強化材集積体
を形成し、次いでそれをマンドレルに縦沿えに巻き付け
て強化材積層体を形成する必要がある。
【0015】第3には、マンドレルに強化材を縦沿えに
巻き付けて強化材積層体を形成する際の問題を解決する
ことである。その問題とは、集積体の両側を一か所で長
手方向に継ぎ合わせて筒形に形成するように、いきなり
シート状の強化材集積体をマンドレルに巻き付けること
は、技術的に困難であると言うことである。大型の成形
品部材を成形するためには、比較的厚さの厚いシート状
の強化材集積体を必要するが、かかる厚いシート状の強
化材集積体をマンドレルに巻き付けようとすると、皺が
よったり、筒状にならずに変形したり、偏肉したりし
て、所望の形状でマンドレルに巻きつけることが、特に
困難であった。
【0016】従来、このような大型の成形品部材を成形
するに当たっては、強化材の殆どがロービングであり、
シート状の強化材集積体をマンドレルに巻きつけるよう
なことはしなかった。又、マットを比較的多く用いる場
合でも、1個のシート状の強化材集積体とせず、それを
2個以上の細い帯状体に分割して、マンドレルで合わせ
るようにしていた。例えば、成形品の幅の約1/4の幅
としたシート状の強化材集積体をマンドレルの左右上下
方向からマンドレルに巻きつけ、その上からフープワイ
ンディングを行い、強化材積層体の長手方向にほぼ直角
となるようにロービングを巻きつけた。しかし、このよ
うな従来方式では、成形品における強化材の継ぎ目は4
か所となり、そのため機械的強度が低下した。
【0017】そこで、本発明者は、前工程で形成された
シート状の強化材集積体の強化材構造を乱すことなく、
強化材集積体を筒状のマンドレルに縦沿えに巻き付けで
きるように、予め賦形ガイド、別名フォーミングガイド
(以下、フォーミングガイドと言う)によりシート状の
強化材集積体を略筒状に予備賦形する工程を設けて、こ
の問題を解決した。
【0018】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づいて、本発明に係るFRP製中空体の引抜き成形方
法は、複数のロービングを引き出し1段の並列に引き揃
えてロービング列を形成し、次いでこのロービング列に
熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂組成物(マトリック
ス)を含浸させて含浸ロービング列を形成する工程と、
一枚のマットを引き出して、又は同種又は異種の複数枚
のマットを引き出し重ね合わせて、それに前記樹脂組成
物を含浸させて含浸マットを形成する工程と、含浸マッ
トの間に含浸ロービング列を介在させた任意の集積構造
のシート状の強化材集積体を所要数それぞれ別途に形成
する工程と、第1の強化材集積体を賦形ガイドによって
シート状から筒状に賦形しつつ筒形マンドレルに縦沿え
に巻き付けてマンドレルの長手方向に継ぎ目を有する筒
形に形成しながらフープワインディングを行い、更に第
2の強化材集積体を同様に賦形しつつ筒形に形成し第1
の強化材集積体の外側に積層してフープワインディング
を行い、以下同様にして最終的には前記所要数の強化材
集積体を積層してフープワインディングを行って筒形強
化材積層体を形成する工程と、FRP製中空体製品とほ
ぼ同じ輪郭の空隙をマンドレルと協働して形成する金型
に筒形強化材積層体を引き込み、かつ引抜きつつ金型を
介して加熱し、筒形強化材積層体中の樹脂成分を硬化さ
せて中空体に成形する工程とを備えたことを特徴として
いる。
【0019】また、本発明に係るFRP製中空体の引抜
き成形方法により角形中空体を形成する場合には、筒形
マンドレルを円筒部と角筒部とその中間の移行部とから
なるマンドレルとし、前記第1及びそれに続く強化材集
積体をマンドレルの円筒部に巻きつけて形成した円筒形
強化材積層体を角筒部に移行させて角筒形強化材積層体
を形成する工程と、前記金型と前記マンドレルの角筒部
とによって形成される空隙が、角筒形FRP製中空体製
品の断面とほぼ同じ輪郭であることを特徴としている。
本発明方法においては、先ず、円筒形マンドレルに縦沿
えに巻きつけて円筒形強化材積層体を形成し、次いで角
形マンドレルに移行させることにより、より一層容易に
所望の形状の角形中空体を形成することができる。
【0020】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明方法で使用する樹脂組成物(以下、マトリックス
と言う)は、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂等
の熱硬化性樹脂から選ばれる任意のFRP成形用樹脂に
充填材、硬化剤、離型剤、低収縮材、粘度低減剤、脱泡
剤、硬化遅延剤等の副資材を適宜加えたものを使用する
ことができる。
【0021】本発明に用いるロービングは、モノフィラ
メントを集束したストランドを任意の番手になるように
引き揃えたものや、フィラメントを直接集束して引き揃
えたものである。ロービングは、主に曲げ強度及び引張
強度の向上並びに成形のし易さに寄与する。ロービング
としては、重量が2000〜5000g/kmのもの、特
に4000〜5000g/kmのものが好ましい。また、
ロービングの繊維本数は、2000〜4000であるこ
とが好ましい。ロービング層は、2層以上重ねないで用
いる。ロービング層とは、ロービングを並列に配列して
なるものであって、例えば2200Tex (2200g/
km)のロービングであれば、2〜4mm間隔、4400Te
x (4400g/km)のロービングであれば、6〜8mm
間隔で平行に並べた一層を言う。
【0022】本発明で用いるマットには、チョップドス
トランドマット及びコンティニュアスストランドマット
がある。チョップドストランドマットは、所定の長さに
切断したストランドをランダム方向に分散させて均一な
厚みに積層し、結合剤によりマット状に成形したもので
ある。チョップドストランドマットとしては、重量が3
00〜700g/m2、特に600〜700g/m2ののも
のを好適に用いることができる。コンティニュアススト
ランドマットは、ストランドを切断せずにループ状に均
一な厚さに積み重ね、結合剤によりマット状に成形した
ものである。コンティニュアスストランドマットとして
は、重量が300〜700g/m2、特に600〜700
g/m2のものを好ましく用いることができる。
【0023】本発明で用いるクロスには、ロービングク
ロス及びすだれクロスがある。ロービングクロスとして
は、所定の番手(Tex )のロービングを織った平織、綾
織等のものを使用できる。ロービングクロスの重量は、
400〜800g/m2、特に600〜800g/m2であ
ることが好ましい。すだれクロスは、平行に並べたヤー
ン、ロービング等を有機繊維でつなぎ合わせた強化材で
あり、主に引抜き方向に対して直角方向の強度を強化す
るために用いられる。すだれクロスとしては、重量が5
0〜400g/m2、特に200〜400g/m2のものが
好ましい。
【0024】一般に、成形品の形状及び厚さが大きい場
合、マットとクロスだけを用いて引抜くことは極めて難
しく、例えば最外層をマットにその内側をロービング層
にし、この最外層のマットの内側のロービング層、或い
は中間層に介装したロービング層で中間層のマットやク
ロスを挟み込みながら引抜くことによって、成形し易く
なる。中間層にマット及びクロスだけを使用するとき
は、マット:クロスの体積比を20:80〜80〜20
とすることができ、特に40:60〜60:40とする
ことが好ましい。マットが20/100より少なくなる
と樹脂の含浸性が悪くなる。マットが80/100より
も多くなると成形性が悪くなり、成形品中にボイドが発
生し易くなる。
【0025】成形品の厚さが厚く、マットとクロスだけ
では成形し難い場合、中間層のクロスとクロス、クロス
とマット、マットとマットのいずれの間にもロービング
層を一層挟み込むことができる。その割合は、〔クロス
+マット〕:ロービングの体積比を5:95〜95:
5、特に80:20〜95:5とすることが好ましい。
ロービングが95/100より多くなると、引抜き方向
に割れが発生し易くなると共に、引抜き方向の曲げ強度
及び引張強度が極端に大きくなり、しかも引抜き方向に
直角方向の曲げ強度及び引張強度は小さくなる。ロービ
ングが5/100よりも少ないと、引抜き易さを得るた
めの効果は殆どなくなる。
【0026】本発明において、ロービング、マット、ク
ロス等を構成する強化材素材としては、アラミド繊維、
カーボン繊維、ガラス繊維等のいかなる材質のものでも
用いることができ、ロービングの番手や、マット、クロ
ス、すだれクロスの目付等にも何らの限定もない。
【0027】また、本発明において最外層及び中間層に
用いるマットとしては、通常のチョップドストランドマ
ットやコンティニュアスストランドマットの他、これら
を予め数層重ね合わせてなるマット状の強化材(例え
ば、Brunswick Technology Inc. 社製「BTIマット」
など)を使用することもできる。
【0028】本発明方法では、積層したシート状強化材
集積体の長手方向継ぎ目の周方向位置が相互にずれてい
るようにすることにより、金型内への強化材集積体の挿
入が容易になり、成形品における偏肉発生が抑制されて
周方向の強度が均一になると共に成形体の座屈に対する
抵抗性が増大する。また、強化材積層体を形成するため
に積層する強化材集積体の層数は、成形体に必要な機械
的強度に応じて任意に設定することができる。これによ
って、90°方向の圧縮強度と面圧強度を大きくするこ
とができる。また、筒形強化材積層体上にドライマット
のみ又はドライマットとプラスチック製不織布の双方を
被着させる工程を備えることが望ましい。これによっ
て、金型内に挿入し易くなり、また過剰のマトリックス
を吸収し、成形品の外観が良くなる。
【0029】以下、添付図面を参照しながら、本発明方
法の実施をより詳細に説明する。図1は本発明に係るF
RP製中空体の引抜き成形方法を実施するための成形装
置の構成例を示す模式的側面図、図2は図1の成形装置
の平面的配置を示すと共に成形装置の構成と関連させて
強化材の形成から成形中空体の引抜きに至る工程の流れ
を説明する説明図である。図1、2に示す本成形装置1
0は、FRP製角筒形中空体を引抜きにより成形する装
置であって、外側強化材集積体(以下、簡単に外側集積
体と略称する)と内側強化材集積体(以下、簡単に内側
集積体と略称する)の2段で円筒形強化材積層体(以
下、簡単に円筒形積層体と略称する)を構成するように
なっている。成形装置10では、強化材収納装置、強化
材の含浸装置、マンドレル、金型等の必要な装置がマン
ドレルの長手方向に沿ってほぼ直線横置き状に、即ち水
平な床上にマンドレルの前後に直線状に配置されてい
る。
【0030】成形装置10に設けられたマンドレル12
は、基端12Aで支持された片持ち梁形式の成形型であ
って、長手方向に一体的に形成された、円筒形マンドレ
ル部12Bと、角形マンドレル部12Cと、その間の移
行マンドレル部12Dとから構成されている。角形マン
ドレル部12C(点線で表示)の主要部は、後述する金
型38の中空部に位置している。フープワインディング
によるロービングの巻き付けの効果をより高めるため
に、導入部となる円筒形マンドレル部12Bの断面の円
周長が成形部となる角形マンドレルの断面の周長よりも
3〜7%短くなっている。それによって、導入部で巻き
付けたロービングが成形部で周方向に若干引っ張られ、
その下の強化材積層体を成形部に密着させて、正確な形
状を形成することができる。移行マンドレル部12D
は、導入部から成形部に向かって導入部の円形断面から
成形部の断面形状に変化すると共に断面の周長が若干大
きくなる。
【0031】成形装置10は、強化材収納装置として、
マンドレル12のほぼ延長線後方にマットラック14
と、マットラック14の両側に同じ構造の2組のロービ
ングラック16A、Bを備えている。マットラック14
は、同じ構造の2個のマットラック14A、Bから構成
され、図1に示すようにマットを巻回したロール18を
多数収納し、ロービングラック16は、ロービングを巻
回した多数のクリル20を収納している。
【0032】22及び24は、それぞれロービング列及
びマット層にマトリックスを含浸させるロービング含浸
装置及びマット含浸装置である。マット含浸装置22の
前方には整列装置26が位置し、マット含浸装置22か
ら引き出されたマット層の間にロービング含浸装置24
から引き出されたロービング列を介在させて所望の配列
で整列し、任意の集積構造に集積されたシート状の強化
材集積体を所要数それぞれ別個に形成する。尚、本構成
の成形装置では、強化材集積体の数は、外側集積体と内
側集積体の2個である。整列装置26の前方には、外側
集積体及び内側集積体を更に整列しつつマンドレル12
に案内する2段の整列ガイド28及び29が設けてあ
る。更に、マンドレル12の近傍にはシート状の外側集
積体及び内側集積体をそれぞれ縦沿えで円筒形マンドレ
ル12に巻きつけるために内側集積体用の円筒形フォー
ミングガイド30及外側集積体用の円筒形フォーミング
ガイド32が設けてある。円筒形フォーミングガイド3
0及び32は、長いシート状内側集積体及び外側集積体
を長手方向に継ぎ目を有する円筒形に円滑に移行させる
ために必要な曲面を備えている。
【0033】円筒形フォーミングガイド30及び32の
前方にはそれぞれ内側集積体用のフープワインディング
装置34及び外側集積体用のフープワインディング装置
36が設けてあり、更に金型38との間には外側集積体
の外側をドライマットで被覆するためにドライマットを
供給するドライマット架台40がマンドレル12の両側
に設けてある。金型38は、中空部を有する筒型の金型
であって、その中空部にマンドレル12の角形マンドレ
ル部12Cを配置させ、それと協働して角筒形中空体と
同じ断面形状を有する空隙を形成する。それによって、
金型38は、角筒形強化材積層体中のマトリックスを硬
化させつつ成形する。また、樹脂を硬化させるのに必要
な熱を金型38に供給する共に引抜き装置(プラー)に
よる引っ張りに抗して金型38を固定するために、加熱
源を有するプラテン42が金型38の上下から密着して
金型38を強固に締結している。更に、金型38で硬
化、成形された角筒形中空体を引き抜くために既知のプ
ラー(図示せず)が金型38の前方に設けてある。
【0034】次に、図1及び図2を参照しながら、本発
明に係るFRP製角筒形中空体の引抜き成形方法の実施
を説明する。先ず、ロービングラック16に収納された
クリル20からそれぞれロービング50を引き出し、所
定本数のロービング50を1段の並列に引き揃えてロー
ビング列52を形成する。ロービング50を並列に引き
揃える際には適当な整列手段51を使用してロービング
50を所定の配列で整列させるのが好ましい。次いで、
ロービング列52をロービング含浸装置22に導き、熱
硬化性樹脂を主成分とする樹脂組成物(マトリックス)
を含浸させて含浸ロービング列54を形成する。ここ
で、マットラック14の上方(A側)に示してあるロー
ビングラック16Aからロービング50Aを引き出し、
含浸させて形成した含浸ロービング列54Aを、次に述
べるように、含浸マット68Aの間に介在させて外側集
積体58を構成する。また、マットラック14の下方
(B側)に示してあるロービングラック16Bからロー
ビング50Bを引き出し、含浸させて形成した含浸ロー
ビング列54Bを含浸マット68Bの間に介在させて内
側集積体60を構成する。
【0035】一方、マットラック14Aに収納されたマ
ットロール18Aから所望の種類及び枚数のマット62
Aを引き出し、重ね合わせてマット層64Aを形成す
る。マット62Aを重ね合わせるには適当な重ね合わせ
手段66を使用して相互に擦り合わないようにマットを
引き揃えるのが好ましい。次いで、マット層64Aをマ
ット含浸装置24に導き、マトリックスに含浸させて含
浸マット68Aを形成する。続いて、上述のように、A
側のロービングラック16Aから引き出されて形成され
た含浸ロービング列54Aを整列装置26によって含浸
マット68Aの間に介在させて所望の強化材構造に集積
し、外側集積体58を形成する。
【0036】同様に、マットラック14Bに収納された
マットロール18Bから所望の種類及び枚数のマット6
2Bを引き出し、重ね合わせてマット層64Bを形成
し、更にマット含浸装置24に導いて含浸マット68B
を形成する。B側のロービングラック16Bから引き出
されて形成された含浸ロービング列54Bを整列装置2
6によって含浸マット68Bの間に介在させて所望の強
化材構造に集積し、内側集積体60を形成する。
【0037】ロービング列52にマトリックスを含浸さ
せる工程では、ロービング列52をマトリックスに浸漬
させた後、過剰なマトリックスを各ロービング50から
絞り取るようにするのが望ましい。過剰なマトリックス
を各ロービング50から搾り取ることにより、成形した
角筒形中空体中のガラス含量を大きくして機械的強度を
向上させることができる。また、マット層64にマトリ
ックスを含浸させて含浸マット68を形成する工程で
は、マット層64上からマトリックスを流下するように
して含浸させ、かつその流下量を制御するのが望まし
い。これにより、成形した角筒形中空体中のガラス含量
を大きくして機械的強度を向上させることができる。
【0038】整列装置26から出て集積された内側集積
体60を2段の整列ガイド28及び29を通過させて、
更に所望の配置に整列する。次いで、円筒形フォーミン
グガイド30に導き、シート状から円筒形に移行する前
の予備的な曲面形状に賦形しつつ円筒形マンドレル部1
2Bに縦沿えで巻き付けて、長手方向に継ぎ目を有する
円筒形の内側強化材層70に賦形する。次いで、円筒形
に賦形された内側強化材層70をフープワインディング
装置34に通し、常用の手法で数本のロービングを内側
強化材層70の外周に横巻きにして内側強化材層70が
バラケルのを防止して一体化する。
【0039】同様に、整列装置26から出て集積された
外側集積体58を2段の整列ガイド28及び29を通過
させて、更に所望の配置に整列する。次いで、円筒形フ
ォーミングガイド32を経由して、シート状から円筒形
に移行する前の予備的な曲面形状に賦形しつつ円筒形マ
ンドレル部12Bより円筒形に賦形された内側強化材層
70上に縦沿えで巻き付け、長手方向に継ぎ目を有する
円筒形の外側強化材層72に賦形する。更に、フープワ
インディング装置36に通し、常用の手法で数本のロー
ビングを外側強化材層72の外周に横巻きにして外側強
化材層72がバラケルのを防止して一体化すると共に金
型38に挿入し易い円筒形積層体74を形成する。円筒
形積層体74を形成する際、内側強化材層70の継ぎ目
71と外側強化材層72の継ぎ目73とは、図3に示す
ように周方向にずれているように円筒形フォーミングガ
イド30及び32の取り付け位置及び姿勢を調整する。
内側強化材層70と外側強化材層72のそれぞれの長手
方向継ぎ目の周方向位置が異なるようにすることによっ
て、金型内への強化材積層体74の挿入が容易になり、
成形品における偏肉発生が抑制されて周方向の強度が均
一になると共に成形体の座屈に対する抵抗性が増大す
る。
【0040】次いで、ドライマット架台40からドライ
マット76を引き出し、形成された円筒形積層体74の
外側に被着させる。これにより、角筒形中空体の成形体
製品表面の平滑度を向上させることができる。これによ
って、金型内に挿入し易くなり、また過剰のマトリック
スを吸収し、成形品の外観が良くなる。引き続き、円筒
形積層体74を移行マンドレル部12Dに沿わせつつ、
更に金型38に引き込む。金型38内で加熱、硬化させ
つつ、金型38内を貫通する角形マンドレル部12Cと
金型38との協働により円筒形積層体74を所望の形状
の角筒形中空体78に成形する。成形された角筒形中空
体78をプラー(図示せず)により引っ張って金型38
から引き出し、所望の長さに切断して製品とする。
【0041】金型38では、金型38内の空隙を貫通す
る円筒形積層体74にマトリックスを注入して、成形体
中に巻き込まれる気泡を追い出してボイド発生を防止す
ることもできる。また、金型38内に引き込んだ円筒形
積層体74を加熱する前に一旦基準の温度に冷却して、
金型38の加熱温度の調節を完全にすることにより、硬
化工程の温度管理を万全にすることもできる。
【0042】本発明方法では、上述のように、1の工程
から次の工程に進む経路に案内機能と共に緊張力制御機
能をも有するガイド、例えば整列装置26、整列ガイド
28、29、更には円筒形フォーミングガイド30、3
2を設け、引抜き装置によって金型38から角筒形中空
体78を引き抜くことにより、ロービング及びマットを
それぞれ引き出し、経路途中に別のプラーを設けること
なく、更に後の工程に順次移行するにしている。これに
よって、被加工物を引っ張るプラーの数を最小限に抑
え、かつ工程中及び工程間の被加工物の緊張程度の調整
を一層容易にしている。
【0043】
【実施例】以下、上述の図1及び図2に示す成形装置1
0を使用して、上述した本発明に係るFRP製中空体の
引抜き成形方法を実施し、実施例品として長尺角筒形中
空体の成形品を得た。角筒形中空体の形状は、長手方向
に直交する断面が長方形の四角筒状で、長手方向に中空
部を備え、図4に示すように、その寸法は、外周の外側
長辺の長さWが200mm、外側短辺の長さHが170mm
で、壁の厚さTが15mmであった。
【0044】実施例1 1.マトリックス 気温21.0°Cの下で、下記の成分を下記の配合で混
合して、マトリックスを調製した。調製したマトリック
スの粘度は、22.0Pであった。 (1)樹脂 ビスフェノールA系のビニルエステル樹脂「リポキシ
R−802 昭和高分子社製」:80重量部 ノボラック系のビニルエステル樹脂「リポキシH−6
30 昭和高分子社製」:20重量部
【0045】(2)硬化剤 パーオキシジカーボネート系低温硬化剤「パーカドッ
クス16 化薬アクゾ社製」:2重量部 パーオキシケタール系高温用硬化剤「トリゴノックス
29B75 化薬アクゾ社製」:1.0重量部 (3)離型剤 ステアリン酸粉末「新日本理化社製」:3.5重量部 (4)充填剤 炭酸カルシウム「ホワイトンSB(赤)白石カルシウ
ム社製」:40重量部
【0046】2.強化材構造 (1)ガラス繊維製ロービング 4450g/km 旭フ
ァイバー社製 (2)ガラスチョップドストランドマット 600g/
m2 日東紡社製 (3)ガラス繊維製ロービングクロス 800g/m2
日東紡社製 第1層:チョップドストランドマット 第2層:チョップドストランドマット 第3層:ロービング 第4層:ロービングクロス 第5層:チョップドストランドマット 第6層:ロービング 第7層:ロービングクロス 第8層:チョップドストランドマット 第9層:ロービング 第10層:ロービングクロス 第11層:チョップドストランドマット 第12層:ロービング 第13層:ロービングクロス 第14層:チョップドストランドマット 第15層:ロービング 第16層:ロービングクロス 第17層:チョップドストランドマット 第18層:ロービング 第19層:ロービングクロス 第20層:チョップドストランドマット 第21層:ロービング 第22層:ロービングクロス 第23層:チョップドストランドマット 第24層:ロービング 第25層:ロービングクロス 第26層:チョップドストランドマット 第27層:ロービング 第28層:チョップドストランドマット 第29層:チョップドストランドマット
【0047】上述の強化材積層構造において、第1層と
第2層のチョップドストランドマットは、ドライマット
として作用し、第3層から第17層まではロービングの
本数が114本、マット及びクロスの幅が820mmであ
って内側強化材積層体として、第18層から第29層ま
ではロービングの本数が106本、マット及びクロスの
幅が760mmであって、外側強化材積層体として構成さ
れている。外側強化材積層体の上及び内側強化材積層体
の上にはフープワインディングによりロービングが巻回
されている。 3.成形条件 引抜き力:Max12t 引抜き速度:15cm/分
【0048】4.成形した角形中空体の試験結果 角形中空体の試験結果は、表2に示す通りである。
【表2】
【0049】[試験方法] 1.引張強さ試験 島津製作所社製のオートグラフ(容量:25t)を用
い、JIS K 7054 (ガラス繊維強化プラスチックの引張
試験方法)に従って、平板成形品の引張強さ試験を行っ
た。 2.曲げ強さ試験 島津製作所社製のオートグラフ(容量:25t)を用
い、JIS K 7055 (ガラス繊維強化プラスチックの曲げ
試験方法)に従って、平板成形品の曲げ強さ試験を行っ
た。0゜曲げ強さとはロービングと同じ方向の曲げ強さ
であり、90゜曲げ強さとはロービングに対して直角な
方向の曲げ強さである。
【0050】3.圧縮強さ試験 島津製作所社製のオートグラフ(容量:25t)を用
い、JIS K 7056 (ガラス繊維強化プラスチックの圧縮
試験方法)に従って、平板成形品の圧縮強さ試験を行っ
た。0゜圧縮強さと及び90゜圧縮強さの圧縮方向をそ
れぞれ図5(a)及び(b)に示す。
【0051】
【発明の効果】請求項1に記載のFRP製中空体の引抜
き成形方法によれば、含浸ロービング列を形成する工程
と、含浸マットを形成する工程と、含浸マットの間に含
浸ロービング列を介在させて、シート状の強化材集積体
を所要数それぞれ別途に形成する工程と、強化材集積体
を予備賦形する工程と、マンドレルにより筒形強化材積
層体を形成する工程と、筒形強化材積層体上にドライマ
ットを被着させる工程と、金型に筒形強化材積層体を引
き込み、かつ引抜きつつ金型を介して加熱し、筒形強化
材積層体中の樹脂成分を硬化させて中空体に成形する工
程とを備えることにより、従来のプルトルージョン法に
比べて、機械的強度が等方的に高く、構造用部材として
使用し得るFRP製中空体を速い引抜き速度で、例えば
15cm/min で連続引抜き成形できる。
【0052】請求項2に記載のFRP製中空体の引抜き
成形方法によれば、筒形マンドレルを円筒部と角筒部と
その中間の移行部とからなるマンドレルとし、円筒形強
化材積層体上にドライマットを被着させる工程に引き続
き、ドライマットを被着させた円筒形強化材積層体を円
筒形マンドレルから角形マンドレルに移行させて角筒形
強化材積層体に変形する工程と、金型とマンドレルの角
筒部とによって形成される空隙を角筒形FRP製中空体
製品の断面とほぼ同じ輪郭にすることにより、一層容易
に所望の形状の角筒形中空体を引抜き法により成形する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るFRP製角筒形中空体の引抜き成
形方法を実施する成形装置の一例の模式的側面図であ
る。
【図2】図1に示す成形装置の平面配置図である。
【図3】外側強化材層の継ぎ目と内側強化材の継ぎ目の
位置関係を説明する断面図である。
【図4】成形した角筒形中空体の形状、寸法を示す角筒
形中空体の断面図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、それぞれ圧縮強さ試
験における0°圧縮強さ及び90°圧縮強さの圧縮方向
を示す説明図である。
【図6】従来の成形方法を説明するためにその工程を示
すフローチャートである。
【図7】従来の連続引抜き成形法により成形された成形
品の機械的強度の不足を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 成形装置 12 マンドレル 14 マットラック 16 ロービングラック 18 ロール 20 クリル 22 ロービング含浸装置 24 マット含浸装置 26 整列装置 28、29 整列ガイド 30、32 円筒形フォーミングガイド 34、36 フープワインディング装置 38 金型 40 ドライマット架台 42 プラテン 50 ロービング 52 ロービング列 54 含浸ロービング列 58 外側強化材集積体 60 内側強化材集積体 62 ガラスマット 64 ガラスマット層 68 含浸マット 70 円筒形に賦形された内側強化材層 72 円筒形に賦形された外側強化材層 71、73 継ぎ目 74 円筒形強化材積層体 76 ドライマット 78 角筒形中空体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のロービングを引き出し1段の並列
    に引き揃えてロービング列を形成し、次いでこのロービ
    ング列に熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂組成物(マト
    リックス)を含浸させて含浸ロービング列を形成する工
    程と、 一枚のマットを引き出して、又は同種又は異種の複数枚
    のマットを引き出し重ね合わせて、それに前記樹脂組成
    物を含浸させて含浸マットを形成する工程と、 含浸マットの間に含浸ロービング列を介在させた任意の
    集積構造のシート状の強化材集積体を所要数それぞれ別
    途に形成する工程と、 第1の強化材集積体を賦形ガイドによってシート状から
    筒状に賦形しつつ筒形マンドレルに縦沿えに巻き付けて
    マンドレルの長手方向に継ぎ目を有する筒形に形成しな
    がらフープワインディングを行い、更に第2の強化材集
    積体を同様に賦形しつつ筒形に形成し第1の強化材集積
    体の外側に積層してフープワインディングを行い、以下
    同様にして最終的には前記所要数の強化材集積体を積層
    してフープワインディングを行って筒形強化材積層体を
    形成する工程と、 FRP製中空体製品とほぼ同じ輪郭の空隙をマンドレル
    と協働して形成する金型に筒形強化材積層体を引き込
    み、かつ引抜きつつ金型を介して加熱し、筒形強化材積
    層体中の樹脂成分を硬化させて中空体に成形する工程と
    を備えたことを特徴とするFRP製中空体の引抜き成形
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のFRP製中空体の引抜
    き成形方法において、筒形強化材積層体を形成する工程
    に代えて、筒形マンドレルを円筒部と角筒部とその中間
    の移行部とからなるマンドレルとし、前記第1及びそれ
    に続く強化材集積体をマンドレルの円筒部に巻きつけて
    形成した円筒形強化材積層体を角筒部に移行させて角筒
    形強化材積層体を形成する工程を備え、 前記金型と前記マンドレルの角筒部とによって形成され
    る空隙が、角筒形FRP製中空体製品の断面とほぼ同じ
    輪郭であることを特徴とするFRP製中空体の引抜き成
    形方法。
  3. 【請求項3】 前記金型内の空隙を貫通する筒形強化材
    積層体に樹脂組成物(マトリックス)を注入する工程を
    備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のFRP
    製中空体の引抜き成形方法。
  4. 【請求項4】 前記金型内に引き込んだ筒形強化材積層
    体を加熱する前に一旦冷却する工程を備えることを特徴
    とする請求項1から3のうちのいずれか1項記載のFR
    P製角中空体の引抜き成形方法。
  5. 【請求項5】 第1の強化材集積体及びそれに続く強化
    材集積体のそれぞれの前記長手方向継ぎ目の周方向位置
    が相互にづれているように強化材積層体を形成すること
    を特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記
    載のFRP製中空体の引抜き成形方法。
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