JPH08336332A - えのき茸栽培瓶の蓋付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 えのき茸栽培瓶の蓋付け装置において、蓋の
表裏を選別し、確実に蓋を供給できる蓋供給機構をコン
パクトにまとめる。 【構成】 フランジを挟持して蓋を保持するレールを放
射状に設けた回転盤と、フランジを摺接させて蓋を誘導
するスロープ状のレールをスロープ板上に並べたガイド
とからなり、回転盤はレールを設けた面を内向きにして
蓋を収納するホッパの一側面を形成し、下方に向けて開
放する回転盤のレールとガイドのレールとが連続するよ
うに回転盤に対して前記ガイドを配した蓋供給機構を設
けてなる蓋付け装置で、回転盤に設けた放射状のレール
は回転盤の回転方向へ傾斜させ、フランジよりも小径の
蓋外周を摩擦により係止して蓋を保持する回転盤のレー
ルの前記蓋に対応する位置に貫通孔を設けて、回転盤の
回転により所定角度に達する貫通孔と対応する位置に空
気吹出口を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、えのき茸栽培ライン
で、えのき茸を栽培するため培養床を詰めた瓶へ自動的
に蓋を付ける装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】えのき茸は、培養床を詰めた瓶において
成育させ、この瓶内で成育した状態で収穫するという工
業製品に近い生産形態を持って栽培され、大量生産が行
われている。通常、菌を植え付けてから十分な大きさに
えのき茸が成育するまで、雑菌から培養床を隔離するた
め、培養床を詰めた瓶に蓋が取付けられる。この蓋付け
の作業は、従来から機械で行っていた。この蓋は、培養
床を詰めた瓶に嵌込む形状を有し、機械による取付け、
取外しが容易なように表側外周へフランジを形成してい
る。

【０００３】例えば、従来の蓋付け装置は、図８に見ら
れるように、フランジ13を挟持することで蓋６を保持し
て回転するベルト20と、フランジ13を摺接させて蓋６を
誘導するスロープ状のレール21,21をスロープ板25から
延設した構造のガイド22と、ベルト20からガイド22へ蓋
６を受け渡す誘導ベルト27とからなる蓋供給機構23を有
していた。ベルト20は、傾斜した掛止溝28で蓋６を捕ら
え、掛止溝28から蓋６が転がり落ちるのを摺接板29で防
ぎながら移送し、摺接板29が途切れる高さから誘導ベル
ト27で蓋６をガイド22へ受け渡すのである。ガイド22は
所定数の蓋６を横並びに整列させて、同数の瓶へ一斉に
取付けていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の蓋付け装置で
は、ベルトから誘導ベルト、そしてガイドへの蓋の受渡
しが不安定で、フランジを捉えて表が上向きになるよう
に(以下、順方向と呼ぶ)移送しなければならないが、蓋
外周を挟持して裏が上向きになるように(以下、逆方向
と呼ぶ)移送してしまう不具合があった。また、このベ
ルトからなる蓋供給機構は、水平方向に多くの設置スペ
ースを要し、各蓋付け装置間に通路用の空間を確保する
ためには離れて設置せねばならず、設置性に問題を有し
ていた。そこで、蓋の表裏を選別でき、確実に蓋を供給
できる蓋供給機構をコンパクトにまとめた蓋付け装置を
開発することとして、検討した。

【０００５】

【課題を解決するための手段】その結果、開発したもの
が、えのき茸栽培ラインにおいて培養床を詰めた瓶へ表
側外周にフランジを設けた蓋を付ける装置であって、フ
ランジを挟持して蓋を保持するレールを放射状に設けた
回転盤と、フランジを摺接させて蓋を誘導するスロープ
状のレールをスロープ板上に並べたガイドとからなり、
回転盤はレールを設けた面を内向きにして蓋を収納する
ホッパの一側面を形成し、下方に向けて開放する回転盤
のレールとガイドのレールとが連続するように回転盤に
対して前記ガイドを配してなる蓋供給機構を設けたこと
を特徴とするえのき茸栽培瓶の蓋付け装置である。回転
盤のレールは、例えばそれぞれが対称な関係にある断面
が鉤状で、蓋のフランジを抱えこむ形状のものが好まし
い。

【０００６】更に、回転盤に設けた放射状のレールは、
回転盤の回転方向へ傾斜させ、フランジよりも小径の蓋
外周を摩擦により係止して蓋を保持する回転盤のレール
の前記蓋に対応する位置に貫通孔を設け、回転盤の回転
により所定角度に達する貫通孔と対応する位置に空気吹
出口を配設するようにした。空気吹出口は、ホッパ又は
その他の蓋付け装置の構造部材に支持する。

【０００７】

【作用】本発明の蓋付け装置は、ホッパの一側面を形成
する回転盤により、ホッパからガイドへ直接に蓋を導
く。回転盤へ放射状に設けたレールは、回転盤の回転に
より、上昇側ではホッパから蓋をすくい、下降側では蓋
を解放する。前記作用は、回転盤のレールを回転盤の回
転方向へ傾斜させることで、より円滑に機能する。ガイ
ドは、この蓋が解放される位置において、回転盤のレー
ルから連続するスロープ状のレールへ蓋を受け渡し、移
送されてくる栽培瓶の口へ蓋を導く。

【０００８】回転盤のレールは、扇形の両辺に相当する
対で構成され、挟角に交わる関係のため、蓋は、フラン
ジをレールに挟持されて順方向に保持されるだけでな
く、蓋外周を摩擦によりレールに係止されて逆方向にも
保持されることがある。貫通孔は、回転盤の回転により
達する所定角度において、空気吹出口から蓋に高速気流
を吹き付けて、単に摩擦の係止により逆方向に保持され
た蓋をレールからホッパ内へ落下させ、ガイドへは順方
向の蓋のみを受け渡すようにするのである。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図を参照し
ながら説明する。図１は本発明の蓋付け装置の一部破断
正面図、図２は同一部破断側面図、図３は蓋６を保持し
た回転盤１のレール２,２を示した図であり、図４、図
５及び図７はこの蓋付け装置における蓋供給機構３の作
動手順１〜３を表した図１相当正面図で、図６は図５中
Ａ−Ａ断面図である。この培養床を詰めた培養床瓶詰め
工程ラインは、空の瓶に培養床を詰め、蓋をするまでの
作業を行う。

【００１０】本実施例では、図１及び図２に見られるよ
うに、左右のホッパ４それぞれに２基の回転盤１を設
け、各回転盤１が内向きに回転して１基のガイド５へ蓋
６を送り込む。ガイド５は、６列の蓋のラインを形成す
るスロープ状のレール７,７をスロープ板26から延設し
た構造である。各回転盤１からガイド５へ受け渡される
蓋６は、内側のラインから左右のラインへと等しく分配
される。蓋締め部８は、ガイド５から送られてくる蓋６
を横１列の単位で瓶９に取付けていく。この蓋締め部８
は、中心軸を対称とした凸部10を設けたローラ11を前後
に高低差を設けて配してなり、前後段のローラの凸部10
により、瓶９の口に載せた状態の蓋６を順に押圧して取
付けを行う。

【００１１】ホッパ４は、収納する蓋６が少なくなり、
山積み等の偏よった状態で収納されないように、 回転
盤１に対するホッパ背面12を傾斜させ、 更に前記背面
12を傾動可能にしている。このホッパ４への蓋の補充
は、作業者が行うが、例えば、蓋の量を計測するセンサ
を設け、一定量以下になった場合にコンベア等で自動的
に蓋を移送してくるようにしてもよい。

【００１２】回転盤のレール２,２は、図１に見られる
ように、回転方向へ傾斜させ、図３に見られるように、
鉤状の断面を対向させた形状である。レール２,２は、
蓋６が順方向を向くとフランジ13を挟持し(図３参照)、
逆方向を向くと蓋外周14を摩擦により係止して保持す
る。レール２,２が蓋６を保持する位置には、貫通孔15
が設けられ、約60度の位置に達する貫通孔15に対して向
けた空気吹出口16をホッパ４に支持させている。回転盤
１が回転し、貫通孔15が空気吹出口16の前を通過する
と、高速気流が空気吹出口16から噴出し、単にレール
２,２へ係止されているだけの逆方向の蓋６をホッパ４
内へ吹き落とす。こうして、ガイド５へ送られる蓋６
は、全て順方向を向いたものだけとすることができるの
である。

【００１３】ガイド５は、垂直面から水平面へと連続的
に湾曲したスロープ状のレール17を同様に湾曲したスロ
ープ板26上に並べた構造で、各レール17端を結ぶ線が回
転盤１の外周の円弧に沿って湾曲する斜辺を形成するよ
うにしている。更に本実施例では、前記レール端17を結
ぶ線と回転盤１の円弧との間を若干広くすることで、中
央付近へ送られて来る蓋６が左右のレール７,７へも移
動できるようにしている。このガイド５が蓋６で満たさ
れると、センサがこの状態を検知して、回転盤１が回転
を停止させ、蓋６の送り込みを中断するようにしてい
る。

【００１４】上記構造を有する本実施例の蓋付け装置
は、以下のように作動する。まず、図４に見られるよう
に、ホッパ４に収納された蓋６が、回転する回転盤１の
レール２,２にひっかけられるように捉えられる。この
とき、蓋６が順方向であればフランジ13が挟持されて保
持されて移送され、蓋６が逆方向であればうまく保持さ
れないか、蓋外周14がレール２,２に摩擦で係止された
だけの状態で保持されて移送される。

【００１５】次に、図５及び図６に見られるように、回
転盤１に従い外側から上昇してくる蓋６は、空気吹出口
16からの高速気流を貫通孔15を通して受ける。この時、
逆方向に保持された蓋６は吹き落されるが、順方向に保
持された蓋６は、フランジ13をレール２,２にしっかり
と保持されているので落下しないのである。蓋６はホッ
パ４内に落下して、再び回転盤１にすくい上げられて供
給される。

【００１６】空気吹出口16を通過し、回転盤１の内側へ
移った蓋６は、図７に見られるように、レール２,２の
傾斜により半径方向へ解放され、摺動又は転動しながら
ガイド５のスロープ板26上に移り、まず内側のレール
７,７へと導かれる。ガイド５では、前述したように内
側のレール７,７が蓋６で満たされと、送り込まれる蓋
６は次第に外側のレール７,７へと移動していくように
なる。こうして、ガイド５は１列単位で蓋６を導いて、
図１に見られるように、蓋締め部８において６個単位で
瓶９に蓋６を取付けられていくのである。

【００１７】

【発明の効果】本発明の蓋付け装置により、蓋の表裏の
選別をしながら、高速かつ確実に蓋を供給できるように
なり、えのき茸の培養床瓶詰め工程の安定した運用がで
きるようになる。また、回転盤とホッパとが一体である
ことからも分かるように、蓋の供給機構が極めてコンパ
クトにまとめられているので、設置性の問題が生じず、
ライン全体の縮小化を可能とする。こうして、本発明の
蓋付け装置は、従来懸案であった運用性、設置性の問題
点を改善し、作業効率を向上させるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の蓋付け装置の一部破断正面図である。

【図２】同機の一部破断側面図である。

【図３】同機の回転盤のレール端面を示した斜視図であ
る。

【図４】蓋付け装置における蓋供給機構の作動手順１を
表した図１相当正面図である。

【図５】蓋付け装置における蓋供給機構の作動手順２を
表した図１相当正面図である。

【図６】図５中Ａ−Ａ断面図である。

【図７】蓋付け装置における蓋供給機構の作動手順３を
表した図１相当正面図である。

【図８】従来の蓋付け装置の正面図である。

【符号の説明】

１ 回転盤 ２ レール(回転盤) ３ 蓋供給機構 ４ ホッパ ５ ガイド ６ 蓋 ７ レール(ガイド) ８ 蓋締め部 ９ 瓶 10 凸部 11 ローラ 12 ホッパ背面 13 フランジ 14 蓋外周 15 貫通孔 16 空気吹出口 17 レール端(ガイド) 19 培養床瓶詰め工程ライン 20 チェーン 21 レール(ガイド) 22 ガイド 23 蓋供給機構 24 ホッパ 25 スロープ板（従来） 26 スロープ板（本願） 27 誘導ベルト 28 掛止溝 29 摺接板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 えのき茸栽培ラインにおいて培養床を詰
   めた瓶へ表側外周にフランジを設けた蓋を付ける装置で
   あって、フランジを挟持して蓋を保持するレールを放射
   状に設けた回転盤と、フランジを摺接させて蓋を誘導す
   るスロープ状のレールをスロープ板上に並べたガイドと
   からなり、回転盤はレールを設けた面を内向きにして蓋
   を収納するホッパの一側面を形成し、下方に向けて開放
   する回転盤のレールとガイドのレールとが連続するよう
   に回転盤に対して前記ガイドを配してなる蓋供給機構を
   設けたことを特徴とするえのき茸栽培瓶の蓋付け装置。
2. 【請求項２】 回転盤に設けた放射状のレールが、回転
   盤の回転方向へ傾斜してなる請求項１記載のえのき茸栽
   培瓶の蓋付け装置。
3. 【請求項３】 フランジよりも小径の蓋外周を摩擦によ
   り係止して蓋を保持する回転盤のレールの前記蓋に対応
   する位置に貫通孔を設け、回転盤の回転により所定角度
   に達する貫通孔と対応する位置に空気吹出口を配設して
   なる請求項１記載のえのき茸栽培瓶の蓋付け装置。