JPH08336077A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JPH08336077A
JPH08336077A JP7143435A JP14343595A JPH08336077A JP H08336077 A JPH08336077 A JP H08336077A JP 7143435 A JP7143435 A JP 7143435A JP 14343595 A JP14343595 A JP 14343595A JP H08336077 A JPH08336077 A JP H08336077A
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JP
Japan
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image pickup
ofd
threshold
overflow drain
ccd
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JP7143435A
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Masaru Noda
勝 野田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 CCD撮像素子の1画像分毎の撮像の蓄積時
間の途中において、蓄積時間の推移と共にCCD撮像素
子のオーバーフロードレインの閾値を低値から順次に高
値へと切り替え変更する手段を設ける。 【効果】 強入射光量に対して、蓄積期間の途中の一部
の期間に過剰電荷をオーバーフロードレインへ排出する
ことが出来るので、強入射光量領域まで入射光量に比例
した成分を含む信号を撮像素子から取り出すことが可能
となり、撮像素子のダイナミックレンジが拡大される。
したがって、逆光撮影や屋内景と屋外景の混在撮影等に
おいても、黒つぶれや白つぶれの少ない階調再現に優れ
た画像を得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラ,テレビ
カメラ,スチルカメラ,工業用カメラ,マルチメディア
機器への画像取り込みカメラなどに幅広く利用可能な撮
像装置に係り、特に、固体撮像素子を使った撮像装置の
ダイナミックレンジを拡大する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ここでいうダイナミックレンジとは、同
一画面内でどれだけの暗い部分からどれだけの明るい部
分までを再現出来るかという、階調再現範囲を意味す
る。撮像装置を含むビデオシステム系のダイナミックレ
ンジは、人の視覚系に比べて大きく劣っている。このた
め、例えば逆光撮影や屋内景と明るい屋外景の同時撮影
の場合には、それが人の眼では十分見えている条件であ
っても、白つぶれや黒沈みが生じてうまく再現出来ない
ケースが多い。このような問題に対して、特に撮像系で
はダイナミックレンジ拡大が基本的課題とされ、古くか
ら研究開発が続けられてきている。
【0003】撮像系のダイナミックレンジを制限する要
素としては、光電変換部のダイナミックレンジと信号処
理系のダイナミックレンジとがある。撮像管を光電変換
部とするものでは、ハイライト部においてコメットテー
ルおよびブルーミングが生じてこれがダイナミックレン
ジを制限するため、ABO(Automatic Beam Optimize
r)という技術を用いてこれを改善し、定格の入射光量
(定格の白の輝度レベル)に対して8〜16倍の入射光
量まで耐えうるダイナミックレンジを得ている。また、
信号処理系では、ニー特性による高レベル(定格白を越
えるレベル)圧縮の処理を施し、光電変換部から得られ
る16倍までの信号を処理出来るようにしている。これ
らについては、例えば、「放送技術」昭和57年1月号
の129頁〜133頁の“白つぶれ現象を解消したハイ
ラチチュードカメラ”に記載されている。
【0004】ところで近年では、光電変換部にCCD撮
像素子を用いるものが多くなっているが、CCD撮像素
子のダイナミックレンジは、撮像管のそれよりも劣るの
が実情である。
【0005】図2は、CCD撮像素子の構造を模式的に
示している。フォトダイオード51で光電変換されて生
じる信号電荷は、その領域に蓄積時間分蓄積され、その
蓄積信号電荷は、1画像(例えば1フィールド)分の撮
像毎に1回開く読み出しゲート52を通って、垂直転送
CCD53に移送され、次に、垂直転送CCD53から
順次水平転送CCD54へと転送され、さらに、この水
平転送CCD54から出力アンプ55へと転送されて、
そこで信号電圧に変換されて出力される。
【0006】このような構造においてダイナミックレン
ジを制限しているのは、まず、CCD撮像素子が取り扱
いうる最大信号量の制約が大きいことである。CCD撮
像素子が扱える最大信号量は、大まかに言って、1画素
を構成するフォトダイオード領域,垂直転送CCD,水
平転送CCDの各部の信号電荷許容量に関係し、このう
ちの最初に飽和する(最も容量の小さい)部分の信号電
荷許容量で、最大信号量が決まる。
【0007】垂直或いは水平転送CCD部が飽和する
と、再生画面上では縦或いは横方向の白の尾引きが生じ
るため、普通はフォトダイオード領域が最初に飽和する
ように設計されている。さらに実際には、フォトダイオ
ード領域が飽和すると、信号電荷が周辺画素に溢れてブ
ルーミングを起こすことになるため、図3に示すような
オーバーフロードレイン(以下、OFDと表記する)構
造を設け、飽和に至る少し手前のレベルから過剰電荷を
OFDに逃がすようにしている。
【0008】図3に示したものは縦形OFDで、フォト
ダイオードで発生する過剰電荷はn基板方向に流れる。
基板にかける正電位(Vsub)で、過剰電荷が流れ出
す閾値を調節する。このようなOFDを設けることによ
り、CCD撮像素子の最大信号量は、直接的には、OF
Dの閾値で決まることになる。
【0009】しかし、CCD撮像素子の最大信号量が制
約を受けることの根本要因は、あくまでも前述の通りフ
ォトダイオード領域,垂直転送CCD,水平転送CCD
の各部の信号電荷許容量であって、これらの許容量が、
素子構造の主に寸法によって支配されている以上、この
最大信号量を自在に大きくすることは事実上不可能であ
る。しかもこのことは、撮像素子の小形化が進むほどよ
り厳しくなる傾向を持つ。
【0010】次に、もう1つのダイナミックレンジの制
限要因は、CCD撮像素子では定格信号レベルをあまり
低く出来ないことである。CCD撮像素子では、その雑
音の発生メカニズムの特異性から、信号電流の大きさの
平方根に比例して発生するショット雑音成分が、画面の
暗い部分を除いた大部分の領域のS/Nを支配する。し
たがって、所望のS/Nを確保するには、所定の信号電
流を得るように相応量の入射光量を与える必要がある。
通常の設定はその撮像装置の用途によっても異なるが、
定格白レベルにおけるS/Nが40dB〜50dBとな
るようにしている。このようにして設定された定格白レ
ベルの信号電流は、前述の素子構造から決まる最大信号
量に対してそれほど小さくはならない。定格白レベルを
得る入射光量に対する最大信号量を得る入射光量の倍率
をもってダイナミックレンジを表す指標とし、これを前
述の撮像管の場合と同程度の8〜16倍とするのが願望
であるが、現状では2〜3倍に留まっているに過ぎな
い。
【0011】以上述べたように、CCD撮像素子のダイ
ナミックレンジは撮像管のそれに比べて数段劣っている
のが現状であり、一方では撮像素子の小形化が進んでい
くなかで、今後一層厳しい方向に向かう状況にある。
【0012】このような問題に対して幾つかの改善案が
報告されている。その1つは、「テレビジョン学会技術
報告」Vol.18,No.16,PP25〜30,Mar.1994;“対数変換C
CDラインセンサ”に記載されているもので、各画素に
対数変換特性を持たせ、フォトダイオードで発生した信
号電荷を対数圧縮して蓄積することで、強入射光領域の
ダイナミックレンジを拡大するのがその要点である。5
桁を越える範囲の入射光量変化に対して、対数に比例し
た信号が得られたと報告されており、S/Nを考慮した
としても、かなりの優れたダイナミックレンジが得られ
るものと推定される。しかし、この方法では画素ごとに
対数変換回路を必要とすることから、画素サイズが大き
くならざるを得ないのが欠点と思われる。上記の報告で
は垂直方向に3画素のラインセンサに留まっており、テ
レビ画像に対応するエリアセンサとして完成するには、
まだ多くの課題があるものと推定する。
【0013】他の1つは、「1994年テレビジョン学
会年次大会予稿集」PP479〜480;“高ダイナミックレン
ジカメラ”に記載されているもので、2個のCCD撮像
素子を用い、2個の間で入射光量に多/少の関係を付
け、2個の撮像素子の出力信号を画像の明部と暗部で切
り替え合成して用いることにより、ダイナミックレンジ
を拡大するのがその要点である。しかし、この方法では
撮像素子を2個必要とすること、分光用プリズムを必要
とすることが問題であり、特殊用途以外は実用性が低い
と考える。
【0014】さらに他の1つは、「テレビジョン学会技
術報告」Vol.18,No.78,PP19〜24,Dec.1994;“視覚特性
を活かした広ダイナミックレンジ撮像処理技術”に記載
されているもので、CCDの蓄積時間(露光時間)の異
なる2枚の画像信号を合成して、ダイナミックレンジを
拡大するものである。被写体の低輝度部分ではCCDの
蓄積時間を標準とし、被写体の高輝度部分ではCCDの
蓄積時間を短くすることにより飽和を防止した状態で2
枚の画像を撮像し、この2種類の画像信号をCCDの蓄
積時間比に反比例したゲインをかけて合成する。さら
に、この手法を1個のCCDで実現するために、蓄積時
間を長/短とする2回の撮像を、1フィールド周期の間
にシリアルに行なわせ、先行の撮像信号をディジタルメ
モリに一旦格納したあとで、後行の撮像に同期したタイ
ミングでこれを読み出し、先行,後行の2つの撮像信号
を合成する。合成比率は上記と同様である。これにより
蓄積時間比の分だけダイナミックレンジが改善されると
報告している。しかし、この方法では、1画面分のメモ
リが必要なこと、1フィールド周期の間に2回の撮像を
行なうには高速動作のCCD撮像素子でなければならな
いことなどが問題である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、CC
D撮像素子を用いる撮像装置では、ダイナミックレンジ
を拡大することが基本的な課題である。この課題を解決
しようとする技術が幾つか提案されているものの、これ
ら従来技術はそれぞれがまた前記したような新たな副次
的問題を抱えており、依然として課題解決には至ってい
ない。
【0016】本発明は上記のような課題を解決するため
のものであり、特殊ではないCCD撮像素子を用い、し
かも、副次的な問題を発生することなくダイナミックレ
ンジを拡大した撮像装置を実現することを目的とするも
のである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、CCD撮像
素子による1画像(例えば1フィールド)分毎の撮像の
蓄積時間の途中において、蓄積時間の推移と共にCCD
撮像素子のオーバーフロードレイン(OFD)の閾値を
低値から順次に高値へと1回以上切り替え変更する手段
を設けることによって達成される。
【0018】
【作用】簡単のため、OFD閾値の切り替えが1回の場
合を先ず説明する。1画像分毎の撮像の蓄積時間がT
(秒)で、蓄積開始からT1(秒)までの第1期間のO
FD閾値がF1、T1からTまでの第2期間のOFD閾
値がFmであるとする。この場合のFmは、従来のOF
D閾値の設定と同じであり、フォトダイオード領域が飽
和に至る少し前のレベルから過剰電荷をOFDに逃がす
ように出来るだけ高い閾値となっている。この観点で添
字としてmaxを意味するmを付けている。F1はこれ
より低く設定される。撮像素子のフォトダイオードで光
電変換されて発生する信号電荷はフォトダイオード領域
に蓄積され、1画像分毎の撮像の蓄積時間の推移と共に
増加していく。
【0019】入射光があまり強くなくて、蓄積電荷がT
1までの第1期間において上記のOFD閾値F1に達し
ない場合は、第1期間のOFDは特に何らの作用をせ
ず、全蓄積期間Tにわたって従来と同様の信号電荷蓄積
が行なわれ、閾値Fmに達した場合にのみ過剰電荷がO
FDに逃がされる。
【0020】一方、入射光が強くて、蓄積電荷がT1ま
での第1期間において上記のOFD閾値F1に達した場
合は、閾値F1に達した時点からT1までの間にフォト
ダイオードで発生する信号電荷は過剰電荷としてOFD
に逃がされ、その間の蓄積電荷は一定値F1に留まる。
時刻T1においてOFD閾値がF1からそれより高いF
mに切り替わると、信号電荷の蓄積が再開され、第2期
間の時間の推移と共に信号電荷はF1からさらに増加し
ていく。蓄積時間の最終時刻Tにおいても蓄積電荷が閾
値Fmに達しない場合について、その最終時刻で得られ
る信号量は、第1期間のOFD閾値F1(一定値)に、
時刻T1からTまでの間(即ち時間(T−T1))を実
効的な蓄積時間とする信号を加えたものとなる。これは
依然として飽和すること無く、入射光量に比例した成分
を含んでいる。このことは、従来に比べてより強い入射
光量領域まで飽和させること無く信号蓄積が出来るとい
うことであり、これによりダイナミックレンジの拡大さ
れた撮像装置が実現される。蓄積時間の最終時刻T以前
において蓄積電荷が閾値Fmに達する場合についても、
Fmに達する入射光量が従来より高い領域に移り、やは
りダイナミックレンジ拡大の効果がある。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0022】〈第1実施例〉図1は本発明の第1実施例
に係る撮像装置の要部構成を示し、図4及び図5はその
動作を説明する図である。図1において、1はCCD撮
像素子で、その構造は先の従来技術の説明において図
2,図3に掲示したものと同じである。2はカメラ信号
処理部で、CCD撮像素子1の出力信号に対し撮像装置
としての既知の種々の処理を加え、出力端子5にビデオ
信号を出力する。3はOFD閾値切り替え変更手段で、
本発明に特有の部分である。4はCCD駆動・同期部
で、CCD撮像素子1に対しての垂直,水平転送パルス
等のCCDの駆動に必要な各種の駆動パルスの供給や、
カメラ信号処理部2に対しての同期信号や各種のパルス
の供給や、OFD閾値切り替え変更手段3に対しての閾
値切り替えタイミングの基準信号の供給等を行う。6は
レンズで、通常は絞り装置等も含む。
【0023】なお、撮像装置はこれら以外にもいくつか
の構成要素を含むが、本発明には直接関係がないので図
1では省略されている。また、本発明はカラー撮像装
置,モノクローム撮像装置のいずれに対しても適用可能
であるが、この第1実施例では、説明を簡単にするため
にひとまず、モノクローム撮像装置とする。
【0024】図4の(a)は、OFD閾値切り替え変更
手段3における閾値切り替え変更パターンを示してい
る。OFD閾値Fは、1画像分毎の撮像の信号電荷蓄積
開始から時刻T1までの第1期間においては、閾値F1
を取り、残りの時刻T1からTまでの第2期間において
は、閾値Fmを取る。図示の例では、閾値F1は閾値F
mに対して1/2に設定され、第1の期間T1は全蓄積
期間Tの3/4に設定されている。
【0025】図4の(b)は、1画像分毎の撮像の蓄積
信号電荷の推移を、OFD閾値切り替え変更パターンと
共に示している。図中で「イ」,「ロ」,「ハ」,
「ニ」の直線または折線は、入射光量が4通りに異なる
場合の蓄積信号電荷の推移を示し、直線または折線の傾
斜部の勾配は入射光量の強さに比例している。
【0026】図4の(b)における「イ」は、蓄積信号
電荷が時刻T1において丁度OFD閾値F1に達するよ
うな入射光量を与えた場合であり、蓄積信号電荷は全蓄
積期間Tにわたって直線的に増加していき、最終時刻T
における蓄積信号電荷Sは、S1となる。図から明らか
なように、S1=(T/T1)F1で表される。
【0027】図4の(b)における「ロ」は、仮りに従
来のようにOFD閾値が全蓄積期間にわたってFm=一
定であるとした場合の、蓄積電荷が最終時刻Tにおいて
丁度OFD閾値Fmに達するような入射光量を与えた場
合であり、蓄積信号電荷は、全蓄積期間Tの1/2の時
刻T/2においてOFD閾値F1に達し、時刻T1まで
は一定値(F1)に留まる。その後、OFD閾値がFm
に切り替え変更されると、蓄積信号電荷は再び増加し、
最終時刻Tにおける蓄積信号電荷SはS2となる。これ
は、従来のようにOFD閾値がFm=一定の場合に比べ
て、圧縮された量である。
【0028】図4の(b)における「ハ」は、上記した
「ロ」の2倍の入射光量を与えた場合であり、最終時刻
における蓄積信号電荷Sは、Sm(=Fm)となる。こ
こに、Smの添字mは最大値を意味する。
【0029】図4の(b)における「ニ」は、入射光量
をさらに上記した「ハ」の2倍に増した場合であり、最
終時刻Tに至る前に、蓄積信号電荷はOFD閾値Fmに
達している。この光量では、もはや入射光量に比例した
信号電荷を得ることは出来ない。
【0030】図5は、入射光量Lと、全蓄積期間の最終
時刻Tにおける蓄積信号電荷Sとの関係を描いたもので
ある。前掲図4の(b)における直線「イ」に相当する
入射光量がL1であり、L1以下の入射光量領域では入
射光量Lに比例した蓄積信号電荷が得られ、蓄積信号電
荷Sはkを比例定数として次式で表される。 S=kL (1)式 但し、L≦L1 L1={(F1/Fm)/(T1/T)}L0 これは図5において直線「ホ」で示されている。
【0031】次に、L1以上、Lm以下の入射光量領域
では、前掲図4の(b)の「ロ」に示すように、全蓄積
期間のうち、時刻T1からTまでの期間の蓄積電荷のみ
が入射光量に比例した信号電荷となり、これにOFD閾
値F1に相当する電荷が加わることから、最終時刻の蓄
積信号電荷Sは次式で表される。 S=F1+((T−T1)/T)kL (2)式 但し、L1≦L≦Lm これは図5において、直線「ヘ」で示されている。ここ
に、Lmの添字mは飽和直前の最大入射光量を意味す
る。
【0032】したがって全体では、太直線「ホ」と
「ヘ」のような折線となる。すなわち、入射光量L1を
ニーポイントとする、ニー圧縮特性が得られたことにな
る。図5から分かるように、OFD閾値が従来のように
Fm=一定であった場合には、入射光量L0において信
号電荷が飽和してしまうのに対して、本発明の適用によ
り、信号電荷が飽和する入射光量をLmまで拡大出来
る。前述の通り、この実施例の設定では、F1はFmの
1/2、(T−T1)/T=1/4である。したがっ
て、Lm/L0=2となり、すなわちダイナミックレン
ジを2倍に拡大出来たことになる。
【0033】ところで、OFD閾値切り替え変更パター
ンは、図4の(a)に示したものに限らない。他のパタ
ーンの例を図6に示す。同図で太1点鎖線は、前掲の切
り替え変更パターンであり、パターン「チ」,「リ」が
その他の例である。直線「ト」は、全蓄積期間の最終時
刻TとOFD閾値の最終値Fmで決まる点から原点に引
いた直線であり、いずれの切り替え変更パターンもこの
直線「ト」と交差しているのが共通点である。このよう
に、OFD閾値切り替え変更時刻T1またはT1’また
はT1”と、第1の(低値の)OFD閾値F1またはF
1’またはF1”とで決まる点が、直線「ト」の右下側
に位置しているときに、本発明によるダイナミックレン
ジ拡大の効果が得られる。
【0034】〈第2実施例〉次に、OFD閾値の切り替
え変更の段数をさらに増やした場合を、本発明の第2実
施例として説明する。
【0035】図7の(a)は、OFD閾値切り替え変更
パターンを示し、信号電荷蓄積開始から時刻T1までの
第1期間においては閾値F1を取り、時刻T1からT2
までの第2期間においては閾値F2を取り、さらに時刻
T2からTまでの第3期間においては閾値Fmを取る。
図示の例では、閾値F1は閾値Fmに対して1/2に設
定され、閾値F2は閾値Fmに対して3/4に設定され
ている。また、第1の期間(T1)は全蓄積期間Tの3
/4に設定され、第2期間(T2−T1)は時刻T1か
らTまでの期間の3/4に設定されている。したがっ
て、第3期間(T−T2)は全蓄積期間Tの1/16と
なっている。
【0036】図7の(b)は、1画像分毎の撮像の蓄積
信号電荷の推移を、OFD閾値切り替え変更パターンと
共に示している。図中で「イ」,「ロ」,「ハ」,
「ニ」の直線または折線は、入射光量が4通りに異なる
場合の蓄積信号電荷の推移を示し、それぞれの入射光量
は前掲図4の(b)の場合と同一である。
【0037】入射光量の大きい図7の(b)における
「ハ」,「ニ」では、第2期間においてOFD閾値F2
に達し、時刻T2までは一定値(F2)に留まる。そし
て、第3期間において再び信号電荷蓄積が行なわれ、
「ニ」の場合で最終時刻Tで丁度最大値Fmに達する。
前掲図4に示したOFD閾値切り替え変更パターンの場
合では、入射光量「ニ」のとき最終時刻以前に飽和に至
ったのに対して、今回の第2実施例のOFD閾値切り替
え変更パターンでは、これが改善されている。
【0038】図8は、前掲図5と同様に、入射光量を横
軸に取って最終時刻Tにおける蓄積信号電荷を表したも
のである。勾配が2段階に圧縮されたニー特性を示す。
太折線の一部をなす3本の直線は、それぞれの領域で次
式で表される。 S=kL (3)式 但し、L≦L1 L1={(F1/Fm)/(T1/T)}L0 S=F1+((T−T1)/T)kL (4)式 但し、L1≦L≦L2 L2=[{(F2−F1)/Fm}/{(T2−T1)
/T}]L0 S=F2+((T−T2)/T)kL (5)式 但し、L2≦L≦Lm Lm=[{(Fm−F2)/Fm}/{(T−T2)/
T}]L0 上記の式に、前記のOFD閾値切り替え変更パターンの
諸パラメータを代入するか、または図8から読み取るか
の方法により、最大入射光量LmはL0に対して4倍に
拡大されていることが分かる。
【0039】このような、OFD閾値の切り替え変更パ
ターンの多段化をさらに進めることで、原理的には際限
なくダイナミックレンジを拡大することが可能である
が、現実には閾値と切り替えタイミングの実現精度等で
制限される。
【0040】ところで、入射光量LがL1以上のときに
は、OFDが作用している訳であり、このような入射光
量領域では、(4)式,(5)式が示すように、信号電
荷SはOFD閾値F1またはF2の項を含む。OFD閾
値は、前述のようにCCD撮像素子の基板に印加する正
電位(Vsub)で設定されるものであるが、同じ正電
位(Vsub)の印加に対しても、OFD閾値が1画素
毎に微妙に異なることがあり、このことが原因で、撮像
して得た画面上には高輝度部分でザラザラ状の固定した
雑音(通称面ザラ雑音と呼ばれる)を生じることがあ
る。そこで、この点を考慮した実施例を、次に説明す
る。
【0041】〈第3実施例〉図9は本発明の第3実施例
に係る撮像装置の要部構成を示す図で、本実施例は、上
記した面ザラ雑音を考慮した1つの実施例である。同図
において、図1の第1実施例と均等な構成要素には同一
符号を付し、その説明は重複を避けるため割愛する。
【0042】図9において、7は新たに追加された機能
操作手段である。その構造は、例えば、図10に示すよ
うな操作ボタンなどを備えるものであり、撮像装置の使
用者(カメラマン)による操作を受け付け、OFD閾値
切り替え変更手段3に対して、OFD閾値切り替え変更
の動作のオン/オフや、OFD閾値切り替え変更パター
ンの選択等の指令を発行する。
【0043】被写体の状況をカメラマンが観察し、コン
トラストがさほどではない、または、コントラストはあ
るものの高輝度部分のディテール再現が必要ない(白く
つぶれてもよい)などと判断した場合には、オフのボタ
ンを押せばよい。こうすることにより、高輝度部分での
面ザラ雑音を防止することが出来る。
【0044】また、被写体のコントラストが大きく、し
かも、その高輝度部分のディテールの再現が大切と判断
した場合には、オンのボタンを押せばよい。こうするこ
とにより、本発明のダイナミックレンジ拡大の効果が発
揮され、高輝度部分のディテールの再現が可能となる。
さらに、必要とするダイナミックレンジの大きさに応じ
て、OFD閾値切り替え変更パターンを選択するボタン
を押せば、最適なディテール再現性能が得られ、前述の
面ザラ雑音の影響を最小限にくい止めることが出来る。
また、オートのボタンは、これを押しておくと、切り替
え変更パターンの選択や機能のオン/オフが自動で行な
われるようにするものである。
【0045】〈第4実施例〉図11は本発明の第4実施
例に係る撮像装置の要部構成を示す図で、本実施例は、
上記した切り替え変更パターンの選択や機能のオン/オ
フを自動で行うようにした1つの実施例である。同図に
おいて、図9の第3実施例と均等な構成要素には同一符
号を付し、その説明は重複を避けるため割愛する。
【0046】図11において、8は画像評価手段であ
り、カメラ信号処理部2から信号を受け取って、画像の
コントラストや高輝度部分の分布状況等を評価し、OF
D閾値切り替え変更機能のオン/オフや切り替え変更パ
ターンの選択等を判定して、その結果を、機能操作手段
7を介してまたは直接にOFD閾値切り替え変更手段3
へ供給する。これにより、カメラマンの被写体観察やボ
タン操作等の作業負担が軽減される。
【0047】〈第5実施例〉図12は本発明の第5実施
例に係る撮像装置の要部構成を示す図で、本実施例は、
本発明をカラーカメラに適用した1つの実施例である。
同図において、前述した各実施例と均等な構成要素には
同一符号を付し、その説明は重複を避けるため割愛す
る。
【0048】図12において、1R,1G,1BはCC
D撮像素子であり、それぞれ赤(R),緑(G),青
(B)の色光を光電変換する。9は、レンズ6からの入
射光を赤(R),緑(G),青(B)の3原色色光に分
解して、上記各CCD撮像素子に光を導くためのプリズ
ムである。10R,10G,10Bは伸長回路(または
デ・ニー回路とも呼ばれる)である。2’はカラーカメ
ラ信号処理部であり、前記第1実施例におけるカメラ信
号処理部2をカラー用にしたものである。その他は、前
述の実施例と同等である。
【0049】OFD閾値切り替え変更手段3は、前述の
実施例と同様の動作をなし、3個のCCD撮像素子1
R,1G,1BのOFD閾値を、同時に切り替え変更す
る。したがって、3個のCCD撮像素子1R,1G,1
Bの光電変換特性(入射光量対出力信号特性)は、前掲
図5または図8と同様の特性を示す。各伸長回路10
R,10G,10Bは、各CCD撮像素子1R,1G,
1Bの光電変換特性と丁度相補の関係となる入出力特性
を有する。
【0050】このような入出力特性図を、図13,図1
4に示すが、これらは図5,図8の縦軸と横軸を逆にし
たものに相当する。これにより、各伸長回路10R,1
0G,10Bの出力には、入射光量に対して直線関係の
信号が得られ、後続のカラーカメラ信号処理部2’では
通常のカメラ信号処理を行なえばよい。
【0051】このように、伸長回路をR,G,Bの各チ
ャンネルに設けることの意義は、特に白バランス調整を
し易くすることにある。白バランス調整とは、被写体を
照明する光源の色温度が変わった場合に、白色の被写体
に対するR,G,Bの信号量バランスが崩れるのを、各
チャンネルの利得を加減することで合わせ込むものであ
るが、このとき、撮像素子から各チャンネルの利得を加
減する回路までの間に、図5や図8のような非線形があ
ったのではうまくいかない。そこで、本実施例のような
伸長回路を設けて直線に戻す訳である。
【0052】なお、前掲図9や図11に示したような、
OFD閾値切り替え変更パターンを各種切り替えるよう
な装置にあっては、これに連動して、伸長回路の伸長特
性も変更しなければならないことは言うまでもない。ま
た、カラーカメラ信号処理部2’がディジタル信号処理
方式のものにおいては、伸長回路はディジタル式のもの
であってもよい。この場合は、A/D変換器が伸長回路
の前段に配置される。もちろん、アナログ式の伸長回路
をA/D変換器の前段に設けることも可能であるが、A
/D変換器のダイナミックレンジの観点からは、ディジ
タル式伸長回路をA/D変換器の後段に設けるのが得策
である。なおまた、光学系経路に色温度変換光学フィル
タを挿入し、これを各種切り替えて色温度補正するよう
な装置においては、このような伸長回路は必須ではな
い。
【0053】〈第6実施例〉図15は本発明の第6実施
例に係る撮像装置の要部構成を示す図で、本実施例は、
本発明を単板式カラーカメラに適用した1つの実施例で
ある。同図において、前述した各実施例と均等な構成要
素には同一符号を付し、その説明は重複を避けるため割
愛する。
【0054】図15において、1’は単板式カラーCC
D撮像素子、2”は単板式カラーカメラ用信号処理部で
あり、単板式カラーカメラ用信号処理部2”には、公知
の機能ブロック、すなわち、輪郭強調回路21,ガンマ
補正回路22Y,色分離回路23、白バランス回路2
4,ガンマ補正回路22C,カラーエンコード回路25
が備えられている。また、10は伸長回路、11はA/
D変換器、12Y,12CはD/A変換器である。その
他は、今までの実施例で説明したものと同等である。
【0055】伸長回路10は、前掲図13,図14に図
示したような伸長特性を有する。このような特性の伸長
回路の実現方法については、例えば特開平3−2953
88号公報に詳述されている。伸長回路10の出力に
は、入射光量に対して直線関係の信号が得られ、これに
後続する通常の単板式カラーカメラ用信号処理部2”に
おいて、ダイナミックレンジの拡大されたカラービデオ
信号が生成される。
【0056】ただし、伸長回路10の出力信号はダイナ
ミックレンジが拡大されているため、単板式カラーカメ
ラ用信号処理部2”はそれに見合った広大なダイナミッ
クレンジを持っていることが必要である。例えば、図8
の撮像素子光電変換特性と図14の伸長特性との組み合
わせでは、従来に比べて4倍の振幅の信号がカメラ信号
処理部に入力される可能性があり、これに対応するに
は、ディジタル信号処理のビット数を2ビット増やした
設計にすることが望ましい。しかし、このようなビット
数増加が信号処理回路に取って負担となる場合は、例え
ば図8の撮像素子光電変換特性に対して図13の伸長特
性を組み合わせることで、ビット数を1ビット節約する
ことが出来る。この場合、伸長されない超高輝度部分で
カラーが正しく再生されなくなるかも知れないが、この
ような高輝度部分は元々カラーが重要ではないので、実
用上は十分許容されうることが多い。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、CCD撮
像素子の1画像分毎の撮像の蓄積時間の途中において、
蓄積時間の推移と共にCCD撮像素子のオーバーフロー
ドレインの閾値を低値から順次に高値へと切り替え変更
する手段を設けたことにより、強入射光量に対して、上
記の蓄積期間の途中の一部の期間に過剰電荷をオーバー
フロードレインへ排出することが出来、これにより、強
入射光量領域まで入射光量に比例した成分を含む信号を
撮像素子から取り出すことが可能となり、撮像素子のダ
イナミックレンジが拡大される。そして、本発明を適用
した撮像装置では、逆光撮影や屋内景と屋外景の混在撮
影等においても、黒つぶれや白つぶれの少ない階調再現
に優れた画像を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る撮像装置の要部構成
を示すブロック図である。
【図2】CCD撮像素子の構造を模式的に示す説明図で
ある。
【図3】CCD撮像素子のオーバーフロードレイン構造
を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施例の動作を説明するため図
で、(a)はOFD閾値切り替え変更手段のOFD閾値
切り替え変更パターンを示す説明図であり、(b)は蓄
積信号電荷の推移を示す説明図である。
【図5】本発明の第1実施例における、入射光量と全蓄
積期間の最終時刻における蓄積信号電荷の関係を示す説
明図である。
【図6】本発明の第1実施例における、OFD閾値切り
替え変更パターンの他の例を示す説明図である。
【図7】本発明の第2実施例の動作を説明する図で、
(a)はOFD閾値切り替え変更手段のOFD閾値切り
替え変更パターンを示す説明図であり、(b)は蓄積信
号電荷の推移を示す説明図である。
【図8】本発明の第2実施例における、入射光量と全蓄
積期間の最終時刻における蓄積信号電荷の関係を示す説
明図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る撮像装置の要部構成
を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3実施例における、機能操作手段
の1例を示す説明図である。
【図11】本発明の第4実施例に係る撮像装置の要部構
成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5実施例に係る撮像装置の要部構
成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第5実施例における、伸長回路の特
性を示す説明図である。
【図14】本発明の第5実施例における、伸長回路の特
性を示す説明図である。
【図15】本発明の第6実施例に係る撮像装置の要部構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1R,1G,1B CCD撮像素子 1’ 単板式カラーCCD撮像素子 2 カメラ信号処理部 2’ カラーカメラ信号処理部 2” 単板式カラーカメラ用信号処理部 3 OFD閾値切り替え変更手段 4 CCD駆動・同期部 5 出力端子 6 レンズ 7 機能操作手段 8 画像評価手段 9 プリズム 10,10R,10G,10B 伸長回路 11 A/D変換器 12Y,12C D/A変換器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーバーフロードレインを備える蓄積型
    撮像素子を用いた撮像装置において、 上記撮像素子による1画像分毎の撮像の蓄積時間の途中
    において、蓄積時間の推移と共に上記オーバーフロード
    レインの閾値を低値から順次に高値へと1回以上切り替
    え変更するオーバーフロードレイン閾値切り替え変更手
    段を設けたことを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 オーバーフロードレインを備える蓄積型
    撮像素子を用いた撮像装置において、 上記撮像素子による1画像分毎の撮像の蓄積時間の途中
    において、蓄積時間の推移と共に上記オーバーフロード
    レインの閾値を低値から順次に高値へと1回以上切り替
    え変更するオーバーフロードレイン閾値切り替え変更手
    段と、 上記撮像素子から出力される信号に対して強入射光量領
    域に対応する信号部分を伸長する伸長回路と、を設けた
    ことを特徴とする撮像装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載において、 前記オーバーフロードレイン閾値切り替え変更手段の機
    能のオン/オフ操作、乃至閾値切り替え変更パターンの
    選択操作を行なう機能操作手段を有することを特徴とす
    る撮像装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3記載におい
    て、 前記オーバーフロードレイン閾値切り替え変更手段は複
    数の閾値切り替え変更パターンを有し、画像評価手段の
    指令によりその1つが選択されることを特徴とする撮像
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006270622A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Konica Minolta Holdings Inc 撮像装置及び画像処理方法
US8295429B2 (en) 2005-12-01 2012-10-23 Seiko Epson Corporation Discarding unnecessary charge in a CCD color image sensor

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JP4678218B2 (ja) * 2005-03-24 2011-04-27 コニカミノルタホールディングス株式会社 撮像装置及び画像処理方法
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