JPH0833476B2 - 炉心の燃料サイクル寿命を延ばす方法 - Google Patents

炉心の燃料サイクル寿命を延ばす方法

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JPH0833476B2
JPH0833476B2 JP1040428A JP4042889A JPH0833476B2 JP H0833476 B2 JPH0833476 B2 JP H0833476B2 JP 1040428 A JP1040428 A JP 1040428A JP 4042889 A JP4042889 A JP 4042889A JP H0833476 B2 JPH0833476 B2 JP H0833476B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、発電のための商用原子炉の分野、特に、こ
のような原子炉の炉心に関するもので、より詳細には、
核燃料のより有効な利用を実現するための方法に関する
ものである。
2.先行技術の説明 商用加圧水型原子炉が技術的にも商業的にも成功して
いることは周知の通りである。このような原子炉におい
て、一般に炉心と称されている反応領域は、ウラン23
5、プルトニウム239又はプルトニウム241のような核分
裂性の燃料を含んでおり、その燃料で持続核分裂反応が
起こり、熱が発生する。炉心は、炉内構造物として知ら
れている機械的構成要素群によって、圧力容器内に構造
的に支持される。また、炉内構造物は、軽水のような冷
却媒体の流れを炉心内に導くと共に圧力容器外に案内す
る。原子炉冷却材と呼ばれるこの冷却媒体は、炉心で発
生した熱を取り出し、圧力容器の外部に設置された熱交
換器内で他の冷却媒体にその熱を伝達する。この第2の
冷却媒体は一般に水であり、熱交換器内で蒸気に変態
し、慣用の蒸気タービン発電機による発電に使用され
る。
一般に、このような原子炉において、炉心は、正方形
の横断面を有する複数の細長い燃料集合体からなり、こ
れ等の燃料集合体は互いに並置した配列で炉心に装荷さ
れている。核燃料集合体は複数本の燃料棒を備えてお
り、これ等の燃料棒も互いに並置した配列で組み込まれ
ている。燃料棒は、一般に、多数の核燃料ペレットを内
部に装填した中空管からなっている。各中空管の両端
は、同中空管に溶接された端栓により封止されている。
上述したような原子炉においては、どの原子炉でも、
所定の出力レベルにおける核燃料の核分裂率、即ち核分
裂過程により発生する中性子数は実質的に一定に維持さ
れる。核分裂性同位元素が1個の中性子を吸収した時に
最初に起きる1回の核分裂で熱が発生し、2個以上の中
性子が放出されることは周知である。核連鎖反応を持続
するためには、新たに発生した中性子のうちの1個が新
たに核分裂を起こさせなければならない。軽水炉におい
ては、水中の水素が、核分裂によって発生した高速中性
子を熱化、即ち減速することにより、新たに核分裂を起
こさせる確率を増すように作用する主な手段となってい
る。
持続連鎖反応において、余剰中性子(核分裂により発
生された中性子から次の核分裂に必要な中性子を除いた
もの)は除去しなければならない。余剰中性子の一部は
炉心から漏洩する。その他の中性子は、親物質同位元
素、即ち核分裂性同位元素に変わり得る同位元素によっ
て吸収され、その結果、より有用な燃料を作り出す。こ
の過程において、プルトニウム239がウラン238から生成
される。更に、他の中性子は、核分裂生成物(例えば、
キセノン、サマリウム等)により非生産的な反応におい
て吸収され、また、意図的に入れられた毒物に吸収され
る。意図的に入れられる毒物としては、制御棒、一時冷
却材に溶解された可溶性ほう素、及び可燃性吸収材等が
ある。制御棒は原子炉の短期間の制御に用いられ、可溶
性ほう素は長期間の制御に用いられる。可燃性吸収材
は、局所出力ピーキングを低下させたり、炉心寿命の初
期の可溶性ほう素の必要性を減じるために、炉心内に選
択的に配置される。燃料が減損すると、可燃性吸収材も
減少し、燃料における核分裂性毒物の増加を部分的に補
償する。可燃性吸収材は、特別な棒として、即ち燃料棒
の一体部分として入れることができる。
概略的に上述した中性子収支は、“反応度”として知
られている一般的な用語で表すことができる。反応度
は、局所領域が炉心の残りの領域から独立しているかの
ように、炉心平均状態又は固有局所状態を説明するため
に用いることができる。反応度は、中性子の生成数を中
性子の消滅数で割ったものとして算出される。自己持続
反応、即ち臨界の炉心の反応度は1.0である。定常状態
で実際に運転を行うためには、炉心はこの臨界状態を維
持していなければならない。実際に炉心を運転している
場合にこの状態が変えられると、過渡的挙動が起き、そ
の結果、出力レベルが変わる。従って、過剰反応度が炉
心に加えられると、出力は増加する。
局所領域の固有反応度は、可溶性ほう素が全く存在し
ない非燃料及び局所領域燃料のみを含んだ無限炉心が存
在するかのごとく、一般に表される。典型的な多領域炉
心では、ある領域は、1.0以上の値の固有反応度を有し
ている。所要の炉心臨界状態を得るには、高反応度の領
域は中性子を低反応度の領域に漏出しなければならな
い。その後、可溶性ほう素のレベルを調整して、炉心の
平均過剰反応度を減少させる。ある領域が1.0以上の固
有反応度レベルで燃焼されるので、多領域炉心は、より
良い燃料の利用を考慮している。
所要のエネルギー必要量を得るために、始動時に炉心
内が過剰反応度(制御棒と可溶性ほう素を入れていな
い)となるように設計され、この過剰反応度は炉心寿命
中に減損される。過剰反応度は、主に、可溶性ほう素を
用いて減損中に制御される。従って、炉心の燃焼に伴っ
て、過剰反応度と正味燃料含有量とが減少し、また、核
分裂生成毒物が増加するので、可溶性毒物の量は臨界を
維持するために減少させなければならない。可燃性毒物
の使用によっても、幾分、燃料の減損が補償される。こ
のようにして、過剰反応度のない状態になる。減損は、
炉心がもはや連鎖反応を持続できなくなるまで、或は、
可溶性ほう素のレベルを一定の低レベル以下に減じるこ
とが不可能となる等、原子炉の制御が余りにも困難とな
ったと判断されるまで、続く。一旦減損しきったら、原
子炉を停止し、燃料交換をする必要となる。
典型的な商用原子炉は、燃料が幾つかの領域に区分さ
れている。例えば、多くの炉心は3つの領域からなり、
各領域は、同様の反応度を有する多数の燃料集合体を含
んでいる。原子炉が停止されると、第1の領域は1回燃
焼の燃料集合体を含み、第2の領域は2回燃焼の燃料集
合体を含み、第3の領域は3回燃焼の燃料集合体を含ん
でいる。そして、3回燃焼の燃料集合体は炉心から取り
出され、使用済み燃料貯蔵設備に貯蔵される。2回燃焼
及び1回燃焼の燃料集合体は、各燃料集合体に対する出
力分布限界が要求に合うように、新燃料及び可燃性吸収
材と共に配置換えされる。新燃料の量及び濃縮度は、燃
料サイクルの末期までに所要のエネルギー発生量を得る
ために、始動時に必要とされる炉心過剰反応度により決
定される。この過程は、炉心の燃料交換毎に繰り返され
る。このように炉心をサイクル化する方法の目的は、核
燃料の消費、即ち燃焼度をできるだけ大きくすることに
ある。
上述した一般的な概念を用いる場合、燃料の利用、ひ
いては燃料サイクル費を改善する方法は色々と存在す
る。その内の2つが本発明の背景になつている。2つの
方法とは、漏れの少ないように考えられた低漏洩燃料サ
イクルの使用と、スペクトルシフトの概念の使用とであ
る。
低漏洩の燃料配置パターンの一般的原理は、新燃料を
炉心内の外周部から離れたところに配置し、外周部から
離れたところから出力を取り出すことである。炉心の外
周部における出力の減少は、中性子の漏洩を減少させ
て、より多くの中性子を利用して核分裂を起こさせ、か
くして反応度を増大させる。この過剰反応度は、燃料サ
イクル間に所要のエネルギー発生量を得るのに必要な燃
料濃縮度を減少させるために用いることができる。その
ため、この燃料サイクルにおける燃料費が減少する。
他の有用な概念は、出力分担(power sharing)とし
て知られているもので、漏れの少ない設計による反応度
増大(又は損失)の役割を担っている。ある燃料領域の
出力分担は、全炉心出力のうちこの領域の燃料によって
発生される出力分として簡単に表される。炉心反応度は
炉心の構成領域の中性子収支であるので、より大きな出
力を有する炉心構成領域は、同領域における燃料集合体
の総数に依存して、全体の中性子収支においてより大き
なウエートが割り当てられる。高反応度の燃料集合体と
低反応度の燃料集合体との間に漏れる中性子によって、
高反応度の燃料集合体は低反応度の燃料集合体のための
中性子源として作用する。燃料集合体の出力が高くなれ
ばなるほど、より多くの中性子が生成される。高反応度
燃料は“過剰”中性子を発生するので、高反応度の燃料
集合体における出力が高くなればなるほど、炉心全体の
反応度収支は上昇するであろう。
出力分担に関する上述の説明は、炉心寿命におけるど
の所定の瞬間においても間違いのないところである。し
かし、高出力の総合効果は領域のより高い燃焼度であ
り、そしてより高い燃焼度は寿命末期に向かって領域の
反応度を低下させる。従つて、低漏洩の炉心は、高反応
度の燃料集合体を内側に配置することにより炉心外周部
で非常に低出力で燃料サイクルを開始する傾向になって
いる。そのため、これ等の燃料集合体において高出力が
発生し、燃料サイクルの寿命末期までの領域燃焼度が増
大する。これは、幾分かの出力を外周部に戻すようシフ
トさせると共に、燃料サイクルの初期からの漏洩の若干
の増加と高反応度燃料集合体の出力分担及び反応度の低
下とにより、炉心全体の反応度を幾分損失させる。
発明の概要 低漏洩炉心の傾向を制御する手段が本発明の基本であ
り、これは、今後“出力シフト”と呼ぶことにする。可
動棒の位置の下方において炉心の内部に新燃料集合体又
は高反応度の燃料集合体を選択的に配置することによっ
て、減速吸収材棒、即ち“出力抑制棒”を使用し、同出
力抑制棒が挿入された時に、炉心寿命の初期におけるこ
れ等の燃料集合体の出力を減少させることができる。こ
れ等の位置は炉心の内部にあるとされる。出力の減少は
これ等の燃料集合体の蓄積燃焼度を低減させる。次に、
燃料サイクルのその後のある時点で、出力制御棒を取り
出して、炉心の出力分布を炉心の外周部から移し、これ
等の出力制御棒の下方にある燃料集合体にシフトさせ
る。炉心外周部から離れるような出力のシフトにより、
炉心の寿命が決定される時点である燃料サイクルの末期
での低漏洩の効果が維持される(臨界は炉心の全寿命に
亙って維持されていなければならない)。燃料サイクル
の初期の間は、出力抑制棒の下方にある燃料集合体の出
力は低く保たれているので、燃焼度は従つて低く、ま
た、その結果として、一旦出力抑制棒が引き抜かれれ
ば、これ等の燃料集合体の反応度及び出力は高くなるで
あろう。これは、出力分担の付加的な効果をもたらす。
従って、燃料サイクルの減損中に悪化する低漏洩の効
果と、逆の出力分担による反応度の損失との間にある固
有の釣り合いに依存するのではなく、“出力シフト”に
よりこれ等の効果もしくは影響を制御して、反応度に関
する付加的な利点をもたらし、燃料サイクルのコストを
低減する。本発明の目的は、これ等の影響、即ち低漏洩
及び出力分担の双方が一緒になって燃料サイクルの末期
において高反応度を生じさせ、従来の低漏洩炉心に勝る
燃料サイクル費上の利点をもたらすような仕方で、上述
の影響を制御できるように炉心を設計し運転することで
ある。
この過程に有る別の効果は、“出力シフト”の利点と
比較すると、もし有っても無視しうる程の利点ではある
が、一般にスペクトルシフト効果と言われている。スペ
クトルシフトがこの過程に占める役割は僅かであること
を認識するために、“出力シフト”と比較して“スペク
トルシフト”の利点を得る手段と対比して、スペクトル
シフトについて説明する。
スペクトルシフトは別の周知の現象であり、これは、
理論的にも実際的にも、所定の出力を発生するために、
低い濃縮度の核燃料を装填することができ、そのため燃
料サイクル費の低減効果があることが証明されている。
スペクトルシフトとは、高速中性子束対熱(低速)中性
子束の比率(分布)の変化のことであり、この変化は、
案内シンブル内の棒のような形態の手段により、水を排
除したり、再導入した時に起こる。軽水は、優れた減速
材であり、中性子を熱化即ち減速する。これ等の熱中性
子は、原子炉における核分裂の主な発生源である。従っ
て、水の排除により高速中性子対熱中性子の比率が増
す、即ちスペクトルが“硬化する”。硬化スペクトル
は、所定の燃焼度当たりのプルトニウム239の生産量を
増加させる。水を再導入した時にシフトが起こる。これ
により案内シンブルの回りの局所領域における熱中性子
束が増し、そのスペクトルを“軟化する”。スペクトル
の軟化により、蓄積されたプルトニウム239の核分裂率
が増大し、水排除棒が以前に存在していなかった時以上
に局所反応度及び出力が上昇する。炉心の平均的な最終
効果は反応度の増大であり、これは燃料費節約の可能性
を意味している。
スペクトルシフトがあるので、出力シフトは燃料サイ
クルの初期に棒の挿入を必要とし、これは結局水を排除
する。どちらの場合も、棒は燃料サイクルのある後の時
点で炉心から引き抜かれる。設計基準及び形態の違いは
出力抑制棒に対するスペクトルシフト用の棒の組成及び
位置である。スペクトルシフト効果が有効であるために
は、棒はできるだけ非吸収性でなければならず、さもな
いと中性子が吸収されてしまいプルトニウム239の生成
のために利用できなくなる。また、有効であるために
は、炉心の大部分がかかる棒をもっていなければなら
ず、さもないと、出力再分布は逆の出力分担効果により
スペクトルシフトについて得られた反応度増大の大部分
を失うことになる。炉心回りの限られた数の位置へのこ
れ等の棒の個々の配置はスペクトルシフトの目的を無効
にする可能性がある。
出力シフトでは、出力分布のシフトによる利点を得る
ため、限られた数の個々の所定位置に、減速・吸収棒も
しくは棒クラスタを配置する。複数の棒もしくは棒クラ
スタの吸収特性の程度は原子炉に依存するので、棒の吸
収が若干の局所スペクトルシフト効果をもたらすのに十
分なほど少ない場合には、ある状況が起こりうる。しか
し、位置の数が限られているので、また、棒の全体の吸
収は典型的なスペクトルシフト用の棒ほど少なくはない
ので、その効果は出力シフトの効果と比較して問題とな
らない。
細長い吸収棒からなる出力抑制棒は、燃料集合体にお
ける案内シンブルの配列と一致する配列に互いに集群化
されている。各燃料集合体における集群化された出力抑
制棒は、共通の構造支持部材に取り付けられる。この支
持部材は、炉心内で制御棒組立体を駆動し配置するのに
用いられたものと同様の駆動機構、即ち油圧式駆動機構
に取り付けられる。
可動式の出力抑制棒は、内側の高反応度の燃料が恐ら
く装荷されるであろう燃料集合体位置に、選択的に配置
される。同出力抑制棒は運転サイクルの大部分に亙りこ
れ等の高反応度の燃料集合体内に挿入される。この出力
抑制棒は、同出力抑制棒を含んでいる燃料集合体の燃焼
度を減じる。炉心寿命末期近くで出力抑制棒を引き抜く
ことにより、出力は、これ等の燃料集合体の方に、炉心
の外周部から離れた位置にシフトし、こうして漏洩が減
少する。これにより、低漏洩の設計であるために、より
少ない漏洩と、領域出力分担のシフトとにより、反応度
の増大をもたらし、もって燃料費を節約する。低漏洩燃
料パターンとは異なり、高領域燃焼度による重大な不利
益はない。また、出力抑制棒の下側の燃料においての
み、僅かなスペクトルシフト効果が実現される。
本発明の種々の他の目的や利点、特徴は、添付図面に
沿っての以下の説明から、当業者にとり容易に明らかと
なろう。
好適な実施例の説明 以下、図面について説明するが、同様な部分は同一の
参照符号によって示すこととする。第1図〜第4図はこ
の発明の一実施例を示している。第1図には、炉心9を
備えている典型的な加圧水型軽水炉(原子炉)8が示さ
れている。炉心9は複数の燃料集合体10を備えている。
燃料集合体10は、平行に配置された複数本の案内シンブ
ル、即ち案内管13の両端に取り付けられ互いに隔てられ
た下部ノズル11と上部ノズル12とを備えている。下部ノ
ズル11及び上部ノズル12への案内管13の取付部材は構造
用連結具からなる。また、複数の格子14も案内管13に構
造的に取り付けられ、その長手方向に沿って互いに隔て
られている。各格子14は、そこを貫通する複数の開口を
備えた箱状構造からなっている。或る格子14における各
開口は、他の格子14の各々における対応の開口と同軸に
整列されている。正方形の平行配列に配置された複数本
の燃料棒15の各々は、格子14の同軸に整列された開口の
1つに嵌着されている。燃料棒15は、同燃料棒15の外径
部に当接する指状のスプリング16を用いて格子14により
適所に保持される。図示実施例において、燃料集合体10
は17×17正方配列の燃料棒15からなり、これは燃料集合
体10の各側辺に17本の燃料棒15があることを意味してい
る。第3図はより明瞭にこの正方配列を示している。し
かし、第3図は明瞭化のために264本の燃料棒15を全て
示しているわけでないことに注意すべきである。燃料集
合体10を構成する他の構造も含む同燃料集合体10は、当
該技術分野において周知の型式の1つである。
複数の燃料集合体10は、互いに僅かな間隙をもつて並
設され、炉心9を構成している。4ループ型原子炉にお
いて、例えば、193体の燃料集合体10が炉心を構成す
る。燃料集合体10は、上部と下部の炉心支持板(図示し
ない)との間に取り付けられ、これ等の支持板によって
適所に保持されている。本発明が適用され得る典型的な
原子炉のその他の構造は、本発明にとり重要なものでは
なく、また、本発明の作用を理解するのにも必要ではな
い。従って、その他の構造については説明しない。17×
17正方配列の燃料集合体10が図面に示されているが、以
下に詳細に説明する本発明は、17×17正方配列の燃料集
合体10に限定されないこと、また、説明された特定の型
式の燃料集合体に限定されないことに注意すべきであ
る。この明細書における記載の意味を理解することによ
り、本発明は、軽水炉に用いられるいかなる燃料集合体
にも容易に適応しうることが分かる。
図示の燃料集合体10の型式においては、24本の案内管
13と1本の計装管18とがある。計装管18は燃料集合体10
の中心部の管である。
出力抑制棒組立体20は、制御棒がハブに取り付けられ
るのと全く同様にして周知の方法でハブ組立体22に平行
に配置され且つ構造的に取り付けられた複数本の出力抑
制棒21を備えている。ハブ組立体22は、出力抑制棒組立
体20が原子炉運転中の所要時に所要の量だけ炉心に出し
入れできるように、駆動機構7に取り付けられている。
駆動機構7は、制御棒の動作を制御するために従来から
用いられるものと同様な、機械的な駆動装置からなつて
いる。また、一群の出力抑制棒組立体20が単一の駆動機
構7により駆動されるように、複数の出力抑制棒組立体
20に1つのハブ組立体22が取り付けられている。出力抑
制棒組立体20は、米国特許第4,439,054号明細書に記載
されているような適当な油圧式駆動機構によって、選択
的に、炉心に挿入されたに引き抜かれたりしてもよい。
従って、駆動機構7の型式は重要ではないが、駆動機構
7に取り付けられる出力抑制棒21が、ハブのどこに配置
されようが、また、どのように取り付けられようが、炉
心内の所定の燃料集合体の位置に挿入でき且つ引き抜か
れ得ることが重要である。
案内管13の壁面には、原子炉運転中に出力抑制棒21を
冷却するために、原子炉冷却材が案内管13内に流入し、
そこを上方に流れて流出するように、その長手方向に沿
って複数の開口29が設けられている。出力抑制棒21を冷
却することが恐らく望ましい場合に、出力抑制棒21は原
子炉運転中にガンマ線照射により熱を吸収するであろ
う。出力抑制棒21を更に冷却するために、必要ならば、
環状の流通用の間隙が出力抑制棒21の外径と案内管13の
内径との間に設けられるとよい。
第4図を参照すると、各出力抑制棒21は、適当な吸収
材からなる積重ペレット(中性子吸収材)26が装填され
た構造材料製の管23を備えている。端栓24、25(第2
図、第4図)は、管23内にペレット26を完全に収容する
ように、構造的に管23に取り付けられている。出力抑制
棒21の過熱、及び/又は、減損に伴うガスの放出によっ
て、出力抑制棒21内が高圧となるのを防止するために、
出力抑制棒21内の上部にプレナム空間(図示しない)が
慣習的に設けられている。端栓24は細長い円筒部分27を
有しており、この円筒部分27はピストンとして機能し、
また、各案内管13の下端に設けられたダツシュポットと
関連して、出力抑制棒組立体20が燃料集合体10に挿入さ
れた場合に、急激な挿入と、起こり得る構成部材の損傷
とを防止する。
また、出力抑制棒21は、単に、適当な構造材料及び非
減損性の減速・吸収材料から作られた管23、即ち中実の
棒(図示せず)から構成することができる。このような
組み合わせは、管23内における別個の中性子吸収材ペレ
ット26の必要性を無くす。十分な構造強度と、所望の量
だけ燃料集合体の出力を減少させるのに十分な中性子の
吸収とが得られれば、管もしくは棒23の材料についても
ペレット26の材料についても厳密な要求はされない。こ
の要求は、恐らく、特定の炉心設計に応じて変わるであ
ろう。このような棒クラスタの中性子吸収は、“グレイ
棒”と原子力工業の分野で呼ばれているものと同様であ
ろう。グレイ棒のクラスタは、制御棒の強い吸収及び水
排除棒(スペクトルシフト炉心で使用される)の弱い吸
収と比較した場合、中程度の吸収性を有する。制御棒の
ために屡々使用される材料は、銀−インジウム−カドミ
ウム、ハフニウム、炭化ほう素、或はその他の強吸収性
材料である。ジルコニウムのように低い吸収特性を有す
る材料は水排除棒に使用される。各形式の棒の数が各ク
ラスタについて限定されていれば、これ等と同じ材料を
出力抑制棒について使用しうる。例えば、1側辺につき
17本の燃料棒を有する燃料集合体は24本までの棒を有す
ることができる。12本の制御形式の棒と12本の水排除棒
とを設けることによって、クラスタは、制御棒の約半分
の吸収特性を示すであろう。また、ステンレス鋼やハフ
ニウム・ジルコニウム合金のような材料もクラスタの各
棒を形成するのに使用しうるし、その結果、クラスタの
吸収特性は中程度になる。中性子吸収が強い材料と弱い
材料とを混合させても、特定の炉心構造に要求される所
望の中程度の吸収を十分に得ることができる。
グレイ棒と出力抑制棒との違いは、中性子吸収強度を
決めるための設計基準と、用途とにある。グレイ棒は、
炉心全体の平均出力を制御する目的で炉心反応度又は冷
却材温度に小さな変化を生じさせるために使用される。
出力分布に大きな影響を与えることなく炉心出力を変化
させる時に、上述のような小さな変化を得るために、或
る中性子強度が要求される。これ等の影響のバランスに
よつて使用すべき材料が決まる。一方、出力抑制棒は、
主に、高反応度燃料の位置において所定量だけ出力を減
少させるように出力分布に局所的変化を生じさせるため
に使用される。これが、出力抑制棒に必要な中性子吸収
の強度を決定する。グレイ棒は、予定された領域燃料装
荷パターンによって決定された特別の位置に配置する必
要はない。出力抑制棒は、使用すべき燃料装荷パターン
の種類もしくは形式を決める。
出力抑制棒21の物理的な長さ、及び/又は、有効長さ
は、従来の全長制御棒の長さと実質的に等しい。或は、
出力抑制棒21の有効長さは、所要のの出力抑制の長さ及
び量に整合する長さであれば、どのようなものでもよ
い。従って、全長出力抑制が好ましいが、部分長出力制
御でも満足される。
この発明の主目的の1つは“燃料サイクル費”と一般
に称されるものを改善することにある。これは、所定量
のエネルギーを発生させるために必要とされる燃料を少
なくし、或は、より大きなエネルギーが所定量の核燃料
から発生されるように、核燃料からできるだけ大きな反
応度を取り出すことを意味している。いずれにしても、
現実の財務経費を節減する結果となる。
平均燃料サイクイル費の差額を決定するのに便利な方
法は、同一濃縮度及び同一サイクル燃焼長さ(燃料サイ
クル中のエネルギー発生量)を有する平衡状態の種々の
炉心について、寿命末期(EOL)の反応度(KEOL)を比
較することによる。この寿命末期の反応度は、全制御棒
を炉心外に出すと共に、寿命末期の所定の可溶性ほう素
濃度をゼロ近くにして、評価すべきである。寿命末期の
反応度を増大させることにより、同じ燃料サイクルの長
さを得るための新燃料の濃縮度が低減し、それにより燃
料サイクル費を節減する。
反応度は中性子の生成数を中性子の全損失で割つたも
のとして単に定義しうる。中性子の生成数は、核分裂毎
に生じる中性子の平均数(N)と核分裂の回数(F)と
を掛けたものである。一定数の核分裂が出力の割合を維
持するのに必要とされるので、NとFの値は、多くの原
子炉の炉心、特に商用発電プラントにおいて基本的に一
定となっている。中性子の損失は吸収(A)と漏洩
(L)に起因する。中性子の吸収は、核分裂(F)と、
非核分裂、即ち捕獲(C)の場合に起きる。
上述の関係は、 KEOL=1/(1/N+C/NF+L/NF) のような方程式の形態で表される。分母の第1項1/N
は、上述したように、一定のものとして取り扱うことが
できる。分母の第3項L/NF、即ち炉心の漏洩分の変化
は、所定の炉心型式(炉心の形状寸法と反射体とが確
定)については、漏洩が大ざっぱには状態と状態との間
の外周部平均出力比として変化するので、状態毎に概ね
予測できる。分母の第2項C/NF)即ち捕獲率はもっと複
雑である。
全捕獲量(C)は、各燃料領域の捕獲量(Ci)の合計
であり、これは、その領域の体積に、諸領域の平均中性
子束と捕獲断面積とを掛けたものである。中性子束はそ
の領域の出力が増加するにつれて増加する。一定の可溶
性ホウ素濃度における捕獲断面積、即ち捕獲の確率は、
燃料の燃焼と共に増加する。領域毎の炉心出力分即ち出
力分担分の割合の合計は1に等しいので、特に領域捕獲
と核分裂断面積がほぼ一定と考えられている場合、即ち
領域平均燃焼度が殆ど変化しない場合に、出力分担はウ
ェートを付ける機能の一形式と考えることができる。し
かし、燃焼度の増加に伴い、捕獲の確率が増し核分裂の
確率が減少するので、全捕獲率は、最も大きな出力分担
を有する領域(複数の場合もある)の燃焼度の変化によ
って影響を大きく受ける。従って、捕獲は領域出力分担
(中性子束分布を変える)の変化と共に変化し、また、
捕獲と核分裂断面積とを変える領域燃焼度の変化と共に
変化する。
寿命末期において、廃棄されるべき燃料は、確定され
た又は所定の廃棄燃焼度の要件を平均して満たしていな
ければならない。従って、状態毎の捕獲断面積はその領
域について一定であると考えることができる。次のサイ
クルのために炉心に残つている領域だけが状態毎に捕獲
断面積が変化する。装荷すべき最も新しい領域、即ち最
新燃料領域は、一般に、最も小さな捕獲断面積を有して
いる。最新燃料領域の出力分担を増加させることによっ
て、他の領域の出力が低下し、より新しい燃料領域に対
する捕獲断面積のウェートがもっと増す。また、これ
は、より大きな値の捕獲断面積を有する燃料からなる高
燃焼領域の重要性を減じる。従って、寿命末期におい
て、より新しい燃料領域の高出力、及び/又は、当該領
域の低燃焼度が全捕獲量(C)を減じ、その結果、反応
度を増大させる。
低漏洩パターンは、燃料サイクルの初期、即ち寿命初
期(BOL)に、炉心の内側、即ち中心方向に新燃料を配
置することによって、寿命末期の漏洩を減じる。炉心の
外周部に沿って新燃料を装荷する標準的な3領域もしく
はゾーン構造と比較して、低漏洩パターンは外周部から
離れた位置で出力を引き出す。上述の方程式の第3項の
分母(L/NF)、即ち漏洩率は、低漏洩パターンにとって
最も重要な変数である。出力シフト燃料サイクルの極く
初期に生じるので、新燃料からより高い出力を生ずる出
力分担変化によってもまた、この新燃料はより高い燃焼
度となる。新燃料の高燃焼度は出力分担の効果に相当す
る。これ等の燃料集合体に可燃性毒物を使用しても、燃
焼度を大きく減じるほど十分に低く且つ長く出力を維持
することができない。これを達成し得る毒物は、寿命末
期に毒物ペナルティーを招くであろう。従って、漏洩率
は減少し、他方、捕獲率は、低漏洩パターンのために殆
ど変化しない。本発明は、この考え方を改良するもので
ある。
出力抑制棒21の使用により、原子力発電プラントの運
転員が、内側の新燃料集合体の燃焼度を全燃料サイクル
に亙って制御できるようにする。低漏洩と出力分担の再
分布との効果は、新燃料から出力抑制棒21を引き抜くこ
とによって寿命末期に得られる。
第5図は、炉心9に193体の燃料集合体10を有する4
ループ型原子炉のための代表的な炉心制御棒配置パター
ンに概略的に示している。制御棒を収容できる燃料集合
体の位置が97箇所考えられる。原子炉停止のみのための
制御棒があり、また、原子炉の制御と停止とに用いられ
る制御棒もある。“○”印が付けられた燃料集合体の位
置が全部で53箇所あり、これ等は制御棒と関連される。
従って、炉心には44個の未使用の位置がある。それ等
は、各々、“×”印が付けられている。従って、図示実
施例において、出力抑制棒組立体20が使用できる位置が
44箇所ある。
第6図は、第5図の炉心9の外周部を概略的に示して
いる。また、第6図は、4ループ型式の3燃料領域の8
分の1炉心モデルを示している。また、第6図は、本発
明による出力抑制棒組立体20を使用するために、第5図
の燃料集合体の再配置を示している。第5図の炉心の残
りの8分の7も、第6図に従って再配置されることは理
解されるであろう。第6図の8分の1炉心モデルは、再
配置を示す便宜及び容易化の目的にのみ用いられてい
る。例示のために強調されている、“PS"の印が付けら
れた2−2、4−2、4−4、6−2、6−4、6−6
の燃料集合体10の位置は、出力抑制棒組立体20が設置さ
れる炉心の位置を示している。出力抑制棒組立体20がよ
り有効な6−2、6−4の位置に配置できるように、6
−2、6−4の位置の制御棒は、それぞれ、5−3、8
−2に移し変えられたことに注意すべきである。
第6図に示される例示の炉心9′に採用された燃料装
荷計画は出力抑制棒組立体20の配置に従っている。符号
1、2、3は、燃料サイクルの寿命初期における1回燃
焼、2回燃焼、3回燃焼の燃料集合体10を示している。
また、記号“Fr"は未燃焼の新燃料を示している。従っ
て、出力抑制棒組立体20は、外周部の炉心位置8−1、
8−2、7−5を除き、新燃料集合体10の位置Frの全て
に配置される。こうして、前記44箇所の未使用制御棒位
置のうち36箇所が、出力抑制棒組立体20を備えることに
なる。
第6図に示される例示の炉心9′において、出力抑制
棒組立体20が引き抜かれると、寿命末期の新燃料10のFr
領域の燃焼度は低く維持され、この領域で発生される出
力は増加し、3つの要素の全て、即ち漏洩、出力分布及
び燃焼度が、寿命末期の反応度を増大させる方向に移行
した。勿論、これは、従来技術の低漏洩パターン以上に
燃料サイクル費を低減する。加えて、僅かながらもスペ
クトルシフトの利益も、出力抑制棒21を収容している燃
料集合体について得られる。
第7図は、この明細書に記載された装置及び方法を用
いて且つ第6図に示された例によって得られた平均値、
即ちKEOLの増加をグラフの形で示している。この図面
は、燃焼度を変化させることによる領域もしくはゾーン
反応度に対する影響を示している。実線で示されている
曲線Yは、所定の濃縮度の燃料集合体10における燃料の
燃焼度に対する反応度の普通の、即ち従来の減少を示し
ている。このような曲線は、燃料集合体10の濃縮度を変
えることによって、色々と形成される。しかし、このよ
うな付加的な曲線は本発明の説明のために示す必要はな
い。点線で示された曲線Zは、出力抑制棒21が(領域1
にある)新燃料に挿入された場合の、反応度対燃焼度の
関係を示している。点Wにおいて、出力抑制棒組立体20
は引き抜かれている。点V、V′、V″は各燃料サイク
ルの寿命末期の領域燃焼度と反応度を表しており、点
T、T′、T″は出力抑制棒21を備えていない従来の炉
心の寿命末期を表している。3領域炉心において、領域
3は、点Vが点Tと一致するように固定されている(こ
れは廃棄燃焼度である)ことに注意すべきである。ま
た、寿命末期での炉心の反応度の変化(△K)によって
利益が決定されることにも注意すべきである。この反応
度変化(△K)は、寿命末期での領域出力及び領域体積
により、或はまた、3つに分けられた領域の各々の燃焼
度減少の合計からなる燃焼度の減少により、ウエイトが
付けられた各領域の反応度の関数からなる。寿命末期の
反応度変化は、出力抑制棒21を用いることによって、出
力抑制棒21のない炉心の出力と同量の出力の発生を、よ
り小さな濃縮度であっても可能とし、もつて燃料費を節
約できることを意味している。
本発明により得られる反応度効果の向上は、炉心寿命
のサイクルを第1の運転期間と第2の運転期間とに分け
るものと考えることにより、達成されることに注意され
たい。第1の運転期間は始動時から炉心寿命の中期まで
であり、第2の運転期間は中期から寿命末期までであ
る。出力抑制棒を、炉心寿命の前半の間炉心に挿入して
おき、炉心寿命の後半の間取り出しておくことは可能で
ある。しかし、一般的に、原子炉の第1の運転期間が炉
心の燃料サイクルの寿命の大部分、例えば90〜95%を占
め、第2の運転期間が炉心寿命全体の10〜5%を占める
時には、多量の反応度増大が起きる。実際に、第1の運
転期間は、始動時から、炉心がもはや臨界を維持できな
くなる時点までのことがある。しかし、実施上の理由
で、第1の運転期間は、一定の出力が均等に発生される
ように、幾分短くするべきである。
出力抑制棒21に必要な吸収材の量は、公知の中性子方
程式を用いて試行錯誤することによって決定できる。燃
焼度は捕獲断面積を決定し、捕獲断面積は中性子束分布
を決定し、中性子束分布は出力を決定し、更に、出力は
燃焼度を決定する。従つて、このような相互依存の変数
のバランスのために、所要の吸収度を直接計算する明確
な方法はない。所要の吸収度の値を最適化すべく、出力
抑制棒21について異なる吸収量を有する複数の平衡サイ
クルを形成することが必要であろう。局所燃料棒ピーク
出力(local fuel pin peak powers)と同様に、領域燃
焼度と寿命末期出力とに対する全体的な影響を決定する
ために、サイクル減損をシミュレートすることが必要で
あろう。これ等の全ての要素は、互いに適宜にバランス
していなければならない。局所出力ピーキングを制御す
るための吸収必要量は、内側の新燃料集合体のサイクル
の初期付近でより高くなっているが一般的であるので、
出力抑制が中性子を吸収しすぎないように可燃性吸収材
を考慮しなければならない。出力抑制棒の存在のため
に、必然的に、可燃性吸収材は一体的な燃料吸収材の形
態をとる必要があるであろう。
本発明は、実際的であると考えられた特定の実施例又
は変形例、或は特定の用語で説明され図示されている
が、本発明の範囲はそれ等によって限定されるべきもの
ではなく、この明細書から理解されるであろう他の変形
例や実施態様は、特に特許請求の範囲から逸脱しない限
り、本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明が適用され得る原子炉の部分断面正面
図、第2図は、本発明に従った出力抑制棒組立体を備え
る典型的な燃料集合体の部分断面正面図、第3図は、第
2図の3−3線に沿う第2図の燃料集合体の断面図、第
4図は、第2図の燃料集合体の案内管内に嵌挿された1
本の出力抑制棒の拡大部分断面図、第5図は、燃料集合
体位置と制御棒パターンとを示す、典型的な商用軽水炉
のための典型的な炉心構造の概略説明図、第6図は、本
発明による出力抑制棒を用いている、第5図と同様な炉
心の代表的な部分と一配列例とを示す概略説明図、第7
図は、本発明の使用によって得られた反応度効果を示す
典型的な燃料反応度と燃焼度のグラフである。 8……原子炉、9……炉心 10……燃料集合体、21……出力抑制棒 26……中性子吸収材(ペレット)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉において、列状に配置された複数の
    燃料集合体と、複数の制御棒位置とを備え、前記燃料集
    合体のあるものは、高反応度の燃料集合体であり、前記
    制御棒位置のあるものは、前記燃料集合体内に挿入され
    るようになっている制御棒と、前記燃料集合体内に挿入
    されるようになっている可動の出力抑制棒とを有する、
    炉心の燃料サイクル寿命を延ばす方法であって、 前記炉心を、その燃料サイクル寿命の初期に、前記高反
    応度の燃料集合体の大部分が炉心周囲の内側に配置され
    るパターンにして、同炉心からの中性子の漏洩を最少に
    し、 非減損性の中性子吸収材からなる前記出力抑制棒を前記
    高反応度の燃料集合体のあるものに挿入することによっ
    て、燃料サイクル寿命の第1期間の間、前記高反応度の
    燃料集合体のあるものの出力分担、従って燃焼度を制限
    し、 前記炉心の燃料サイクル寿命の第2期間の間前記高反応
    度の燃料集合体の前記あるものから前記出力抑制棒を取
    り出すことによって、前記第2期間の間前記高反応度の
    燃料集合体の前記あるものの出力分担を増し、前記高反
    応度の燃料集合体の前記あるものによって発生された出
    力の上昇による出力分担効果と、低漏洩の効果とから、
    炉心全体の反応度を上昇させる、 諸ステップからなる、炉心の燃料サイクル寿命を延ばす
    方法。
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