JPH08333291A - ジイソプロピルエーテルの製造方法 - Google Patents

ジイソプロピルエーテルの製造方法

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JPH08333291A
JPH08333291A JP7164727A JP16472795A JPH08333291A JP H08333291 A JPH08333291 A JP H08333291A JP 7164727 A JP7164727 A JP 7164727A JP 16472795 A JP16472795 A JP 16472795A JP H08333291 A JPH08333291 A JP H08333291A
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water
catalyst
exchange resin
acidic ion
ion exchange
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Akira Yokomizo
晃 横溝
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水とプロピレンを反応せしめて、ジイソプロ
ピルエーテルを製造する方法において、水飽和型酸性イ
オン交換樹脂触媒及び水飽和型酸性イオン交換樹脂を脱
水乾燥し、アルコール処理した触媒からなる触媒の存在
下に反応を行うことを特徴とするジイソプロピルエーテ
ルの製造方法。 【効果】 本発明によれば、簡略化された方法で効率よ
く、しかも低コストで有用な、特にガソリン基材として
有用なDIPEを製造することができ、この製造方法は
DIPEの工業的製造方法として好適なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有用な、特に高オクタ
ン価ガソリン基材として有用な、ジイソプロピルエーテ
ル(以下、DIPEと略記する。)を水とプロピレンと
から簡単かつ効率的に製造する方法に関する。
【0002】DIPEは、発熱量が高く、蒸気圧が低
く、そしてリサーチ法オクタン価(RON)が110程
度と高く、かつモーター法オクタン価(MON)が99
と極めて高く、他のガソリン基材と比較しても優れたも
のであり、またセンシティビティーが小さいという特徴
を有している。なお、「センシティビティー」という語
は、RONとMONとの差を意味する語として当業界に
おいて常用されており、センシティビティーが小さい
程、高速時のノッキングが起こり難い。これらの物性か
らみると、DIPEは含酸素ガソリン基材として極めて
有用であり、また今後、含酸素ガソリン基材の需要が伸
びることを考慮すると、DIPEの需要がさらに増加す
るものと予想される。
【0003】
【従来の技術】DIPEの合成法としては、従来三通り
の製造方法が知られている。すなわち、モービル社が開
発したゼオライト触媒である、ゼオライトβ等のゼオラ
イト触媒の存在下、気液相下で水とプロピレンとを直接
水和させる方法(特開平1−246233号公報)、イ
ソプロピルアルコールとプロピレンとを反応させる方法
(特開昭52−131508号公報)、触媒として酸性
イオン交換樹脂を用いる(特開昭49−126607号
公報、特開昭49−117412号公報、ドイツ・テキ
サコAG)か、または硫酸を用い(米国特許第4471
142号、エクソン)、水とプロピレンとからイソプロ
ピルアルコールを製造する過程において、副生成物とし
て生成したDIPEを得る方法である。
【0004】しかしながら、ゼオライト触媒を用いた合
成法は、触媒の活性が低いので液空間速度(LHSV)
を小さくしなければならないため、触媒量に対し原料量
を少なくしなければならず、その結果、運転コストが高
くなるという難点を有する。
【0005】イソプロピルアルコールとプロピレンとを
反応させる合成法の場合、原料のイソプロピルアルコー
ルはプロピレンの水和によって得られたものを用いるた
め、製造の全プロセスは実質上二段反応となり、一段反
応と比較すると製造プロセスが煩雑となり、このため製
造コストが高くなるという問題が生じる。
【0006】イソプロピルアルコールの製造過程で、副
生成物としてDIPEを生成させる方法のうち、上記酸
性イオン交換樹脂を触媒として用いた方法ではDIPE
の収率はわずかに4%程度であり、DIPEの工業的製
造方法としての技術価値は乏しい。また、上記硫酸を触
媒として用いる方法ではDIPEの収率は3%程度とさ
らに低く、かつ反応回収液から触媒を除去するなどのた
めの分離精製工程が複雑なものとなると共に、上記回収
液が腐蝕性であるため、反応装置を構成する材料が高価
なものになるという問題がある。
【0007】一方、本発明者は、先に特定の酸性イオン
交換樹脂を用いて、水とプロピレンからDIPEを製造
する方法を提案している(特願平6−103624号、
特願平6−260045号)。しかし、1種類の酸性イ
オン交換樹脂を用いた場合(特願平6−103624
号)、前記従来法よりも低温でDIPEを得ることがで
きるが、副生成物の選択率が高い。また水飽和型酸性イ
オン交換樹脂と乾燥型酸性イオン交換樹脂を組合せた場
合(特願平6−260045号)、反応温度が高いと、
副生成物の選択率が高くなり、DIPEの生成が抑制さ
れてしまうという傾向を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、有用な、特にガソリン基材として有用な、DIPE
を簡略化された一段法で副生成物の生成を抑制し、従来
より一層効率よく製造し得る方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような実情におい
て、本発明者は鋭意検討した結果、DIPEの製造方法
において、気相、液相または気液混相の状態で、特定の
酸基濃度を有する水和活性の高い水飽和型酸性イオン交
換樹脂触媒とエーテル化活性が高い水飽和型酸性イオン
交換樹脂を脱水乾燥し、飽和または不飽和アルコール処
理した触媒を用いることにより、比較的低い反応温度で
水とプロピレンまたはプロピレンを含有する炭化水素混
合物とを一定の組成割合で反応させることにより、一段
法でDIPEを簡単にかつ従来より効率よく製造し得る
ことを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、水とプロピレンを反
応せしめて、ジイソプロピルエーテルを製造する方法に
おいて、(A)水飽和型酸性イオン交換樹脂触媒及び
(B)水飽和型酸性イオン交換樹脂を脱水乾燥し、飽和
または不飽和アルコール処理した触媒の2種類の触媒の
存在下に反応を行うことを特徴とするジイソプロピルエ
ーテルの製造方法を提供するものである。
【0011】なお、本明細書において、「meq./g」は
「Milli equivalent/gram」の略であり、乾燥触媒1g
当りのイオン交換能(meq.)を表す。
【0012】本発明において、原料として用いる水およ
びプロピレンは反応装置の腐蝕の原因となる酸性物質や
触媒毒となる塩基性物質を含まないことが好ましい。ま
た、本発明方法の反応により得られる反応生成成分の分
離精製工程において回収される反応回収液中のイソプロ
ピルアルコールを含有する水溶液を反応工程へリサイク
ルして使用することもできる。この際の水の濃度は、特
に制限されないが、通常70wt%、好ましくは80w
t%以上である。
【0013】ここで、原料のプロピレンとしては、プロ
ピレンのみの他、プロピレン混合物も使用することがで
きる。プロピレン混合物とは、プロピレンを主成分と
し、これに例えばプロパン、エタン、エチレン、イソブ
タン、ノルマルブタン、ブテン、ペンタン等の炭化水素
化合物を含む混合物をいう。
【0014】目的物として純度の高いDIPEを得たい
場合には、プロピレンそのものまたは不純物の少ないプ
ロピレン混合物を使用するのが後の分離精製を容易なら
しめるために好ましいが、高オクタン価ガソリン基材と
してのDIPEの製造を目的とする場合には、安価なプ
ロピレン混合物の使用で十分である。このプロピレン混
合物において、プロピレン濃度は30mol%以上、好
ましくは50mol%以上、特に好ましくは70mol
%以上である。
【0015】プロピレンおよびプロピレン混合物の来歴
は特に問題ではなく、その製造方法によって何等限定さ
れるものではない。例えば、エチレンプラント、接触改
質装置、接触分解装置等において生成したものを使用す
ることができる。
【0016】本発明で用いる水飽和型酸性イオン交換樹
脂触媒は、酸性イオン交換樹脂のうち、特定の含水率を
もつ酸性イオン交換樹脂で、三次元的な網目構造をもっ
た高分子に官能基すなわちイオン交換基を導入したもの
である。そして本発明方法に用いる強酸性カチオン交換
樹脂としては、一般に市販されている種々の強酸性カチ
オン交換樹脂を用いることができる。例えば、スチレン
系の樹脂では、スチレンとジビニルベンゼンを共重合さ
せ、まず架橋したマトリックスをつくり、この重合体に
イオン交換基を導入させた、例えば、濃硫酸との反応に
よりスルホン化させ、ベンゼン核にスルホン酸基を導入
させた、スルホン酸型のイオン交換樹脂を触媒として使
用することができる。
【0017】本発明で用いる水飽和型酸性イオン交換樹
脂触媒は、強酸性スルホン酸型酸性イオン交換樹脂触媒
が好ましい。弱酸性のカルボン酸型酸性イオン交換樹脂
触媒は本反応において、高い活性が得られず、好ましく
ない。
【0018】ここで、水飽和型酸性イオン交換樹脂触媒
とは、樹脂の官能基に水和およびイオンに水和されて膨
潤状態にあるものをいい、一般にジビニルベンゼンの架
橋度が大きくなるほど、含水率が小さくなるが、ここで
は含水率が50%以上、好ましくは55%以上のものを
用いる。含水率とは、触媒の乾燥重量に対する水の重量
%を表す。
【0019】また、水飽和型酸性イオン交換樹脂触媒を
脱水乾燥し、飽和または不飽和アルコール処理した触媒
とは、エーテル化反応の阻害物質となる配位水を除去す
るため、減圧下の条件で適当時間脱水乾燥した後、水の
再配位を防ぐため飽和または不飽和アルコールを含浸さ
せて調製したものである。好ましい脱水乾燥処理条件
は、0.01〜50Torrの減圧下、30〜150℃、1
〜24時間である。その後、アルコールで含浸処理す
る。この処理の条件は特に規制されず、十分量のアルコ
ールを含浸あるいはアルコールに浸漬すればよい。アル
コールによる溶媒和の程度は主として最初の脱水乾燥の
程度によって左右される。アルコール処理の後に必要に
応じて再び乾燥を行うが、その条件は特に規制されず、
一般には常圧付近の圧力、室温〜100℃の温度、0.
5〜10時間程度が適当であり、用いるアルコールがイ
ソプロピルアルコールである場合には、常圧、40〜6
0℃、1〜10時間程度の条件で十分である。用いる飽
和または不飽和アルコールとしては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール、アミルアルコール等が使用できる。これらの
アルコールは、樹脂の官能基およびイオンに水が再配位
するのを防止するために用いられているものであり、反
応に使用されている間に、反応系中の組成に応じて置換
されてしまうものであるから、特にイソプロピルアルコ
ールである必要はない。ただ、本発明方法の目的物がD
IPEであることを考慮すれば、イソプロピルアルコー
ルで溶媒和しておくのが好ましい。
【0020】本発明で使用する「水飽和型酸性イオン交
換樹脂触媒を脱水乾燥し、飽和または不飽和アルコール
処理した触媒」という記載は、一見すると冗長で無意味
な限定を含んでいるかのように見え、「酸性イオン交換
樹脂触媒をそのままあるいはさらに乾燥した後、飽和ま
たは不飽和アルコール処理した触媒」で十分であるよう
に思われるかも知れないが、前者を用いた方が後者を用
いた場合よりも優れた反応結果が得られる。その理由は
明らかではないが、水和により保護されていた官能基ま
たはイオンを直ちにアルコールによる溶媒和により保護
するために、官能基やイオンが露出したまま保存されて
いた乾燥品をアルコール処理した場合よりも、官能基や
イオンが働き易くなっているものと思われる。また、ア
ルコール処理後の乾燥は任意であり、保存および取扱い
の便宜上の処理である。
【0021】以下の説明では、簡単のためにイソプロピ
ルアルコールで溶媒和したものについて記載する。
【0022】最終的なアルコールで処理された脱水イオ
ン交換樹脂において、エーテル化反応の際の阻害物質と
なる配位水は少量であるほど好ましく、最適な含水率は
20wt%以下、好ましくは10wt%以下、特に好ま
しくは2wt%以下となるように、飽和または不飽和ア
ルコールの含有率はアルコール処理後の乾燥重量に対し
て10wt%以上、好ましくは20wt%以上、特に好
ましくは30wt%以上になるように調製する。
【0023】水飽和型酸性イオン交換樹脂は水和反応に
おいて、高い活性が得られるが、エーテル化反応では、
触媒の配位水が阻害物質となり、高い活性が得られな
い。
【0024】そのため、水とプロピレンからのDIPE
一段合成法の場合、水飽和型酸性イオン交換樹脂単体の
みでは、高いDIPE選択率を得るのは困難である。
【0025】そこで本発明では、上記触媒、すなわち水
飽和型酸性イオン交換樹脂触媒とイソプロピルアルコー
ルのエーテル化反応において高い活性を示す、水飽和型
酸性イオン交換樹脂の配位水を減圧下で脱水乾燥し、イ
ソプロピルアルコールを含浸処理した触媒を組合せて用
いることにより相乗効果が生じ、高い水和活性とエーテ
ル化活性を示し、高いDIPE選択率が得られることを
見出したものである。
【0026】酸基濃度は本発明において重要であり、水
飽和型の酸性イオン交換樹脂は2.2〜3.0meq./g
の範囲にあるのが好ましく、特に2.3〜2.6meq./
gが好ましい。酸基濃度が小さ過ぎると、プロピレン転
化率が低くなる。また酸基濃度が高過ぎると、プロピレ
ンの重合反応が促進され、コーキングにより触媒の失活
を引き起こす原因となり好ましくない。酸基濃度は、前
記したとおり、乾燥品についての値であるから、水飽和
型酸性イオン交換樹脂を脱水乾燥し、飽和または不飽和
アルコール処理した触媒の酸基濃度も実質的に上記した
範囲内である。
【0027】比表面積、平均細孔径は特に制限されない
が、以下の範囲とすることにより、より効率的にDIP
Eの収率を向上させることができる。水飽和型の酸性イ
オン交換樹脂の比表面積は25〜38m2/g、さらに
30〜38m2/gが好ましい。また、水飽和型の配位
水を脱水乾燥し、イソプロピルアルコール処理した酸性
イオン交換樹脂の比表面積は30〜50m2/g、さら
に35〜50m2/gが好ましい。この比表面積範囲よ
り小さ過ぎたり、また大き過ぎるとDIPEの収率が低
下する傾向となり、好ましくない。水飽和型の酸性イオ
ン交換樹脂の平均細孔径は50〜170Å、さらに10
0〜170Åが好ましい。脱水乾燥処理し、かつイソプ
ロピルアルコール処理した酸性イオン交換樹脂の平均細
孔径は150〜300Å、さらに150〜250Åが好
ましい。この平均細孔径範囲より小さ過ぎたり、また大
き過ぎるとDIPEの収率が低下する。
【0028】本発明では、触媒に水和活性の高い水飽和
型の酸性イオン交換樹脂とエーテル化活性の高い水飽和
型を脱水乾燥し、イソプロピルアルコールを含浸した酸
性イオン交換樹脂を用いることにより高いDIPE収率
が得られる。
【0029】水飽和型の触媒と脱水乾燥処理し、イソプ
ロピルアルコールを含浸した触媒の混合比は、体積比で
2:8〜8:2、さらに3:7〜7:3が好ましい。水
飽和型触媒の体積比が大き過ぎると、水和活性が大き
く、反応中間体のイソプロピルアルコールの選択率が高
くなるが、エーテル化反応は進行し難く、DIPEの収
率が小さくなる。また、脱水乾燥処理し、イソプロピル
アルコールを含浸した触媒の体積比が大き過ぎると、水
和活性が小さくなるため、全体のDIPE収率が低下す
る。
【0030】本発明方法は、回分式でも連続式でも実施
でき、連続式の場合、固定床、移動床、流動床等各種の
触媒床を採用し得るが、一般には固定床流通式を採用す
るのが有利である。固定床流通式の場合、触媒の充填方
法は、上流側に水飽和型酸性イオン交換樹脂触媒、下流
側に脱水乾燥処理し、イソプロピルアルコールを含浸し
た酸性イオン交換樹脂触媒を充填するのがよいが、特に
これに拘束されることなく、水飽和型酸性イオン交換樹
脂触媒と脱水乾燥処理し、イソプロピルアルコールを含
浸した酸性イオン交換樹脂触媒を均一に混合させた状態
で充填してもかまわない。
【0031】水飽和型酸性イオン交換樹脂触媒と脱水乾
燥処理し、イソプロピルアルコールを含浸した酸性イオ
ン交換樹脂触媒は、それぞれ1種類とは限らず、2種類
以上用いてもよい。
【0032】本発明の方法でDIPEを製造するには、
上記した2種類の酸性イオン交換樹脂触媒の存在下、水
とプロピレンとを反応させるが、この際水とプロピレン
のモル比はDIPEの収率向上に関し、特に重要であ
る。
【0033】この場合、水に対するプロピレンのモル比
を0.5〜50の範囲にすることが必要であり、特に2
〜30、さらに2〜20とすることが好ましい。このモ
ル比が小さ過ぎると、水和反応により生成されたイソプ
ロピルアルコールのエーテル化反応への逐次反応が進行
し難く、イソプロピルアルコールの選択率が高くなり、
DIPEの選択率が低下する。またこのモル比が大き過
ぎると、プロピレンの重合反応による副生成物の選択率
が高くなり、DIPEの生成が抑制される。そしてプロ
ピレンの重合反応によりコークが生成して、触媒の失活
を引き起こす原因となる。また、未反応プロピレンも増
えるため、反応後の分離、回収工程から反応工程へリサ
イクルされるプロピレンの量が増大するという不利益も
生じる。
【0034】また反応温度は30〜200℃、特に70
〜150℃、さらに90〜140℃とすることが好まし
い。反応温度が低いと、未反応原料が多くなるため、リ
サイクルコストが高くなる。反応温度が高いと、プロピ
レンの重合反応による副生成物の選択率が高くなり、D
IPEの生成が抑制されるだけでなく、スルホン酸基の
脱離により触媒の失活を引き起こす。
【0035】反応圧力は10〜150kg/cm2、特
に30〜120kg/cm2、さらに40〜100kg
/cm2とすることが好ましい。反応圧力が低いと、反
応結果が優れず、また反応圧力が高過ぎると、高価な材
質からなる耐圧反応装置の肉厚を増さねばならずコスト
の上昇をもたらす。
【0036】さらにまた、原料の供給速度(LHSV
(h-1))は、プロピレンを基準として、0.01〜3
0、特に0.05〜20、さらに0.1〜10とするこ
とが好ましい。用いるLHSVが小さ過ぎると、触媒量
に対する原料量を少なくしなければならないため、運転
コストが高くなる。またLHSVが大き過ぎると、未反
応原料が多くなるため、リサイクルコストが高くなる。
【0037】固定床流通式反応装置を用いて気相反応ま
たは気液反応を行う場合には、原料の分散性を向上させ
るためにキャリヤーガスを用いてもよく、その場合窒素
あるいは水素、メタン、炭酸ガスなどを使用することが
できる。
【0038】反応終了後、生成したDIPEを回収する
方法としては種々の方法があり、特に限定されない。目
的物に望まれる純度や性状、使用目的等に応じて任意適
当な手段が採用され得る。例えば以下の方法が挙げられ
る。
【0039】目的物が高オクタン価ガソリン基材である
場合、プロピレンの水和反応工程から流出した反応回収
成分から、まず未反応プロピレンを分離し、分離された
プロピレンを該反応工程へリサイクルする。次いで、残
った反応回収液をガソリン留分とブレンドし、得られた
油層を高オクタン価ガソリンとして回収し、水層成分を
水和反応工程へリサイクルすることにより、DIPEを
ガソリン基材として回収することができる(特願平5−
350960号)。
【0040】DIPEをディーゼル燃料の燃焼性改善剤
として使用したい場合には、上記のガソリンの代わりに
灯、軽油留分を用いて上記と同様に処理すればよい(特
願平6−85855号)。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに具体的に説明するが、これらは単に例示であって
本発明を制限するものではない。
【0042】実施例1 (i)本実施例で触媒Aとして用いた、水飽和型スルホ
ン酸型酸性イオン交換樹脂(Amberlyst−16、オルガ
ノ社製)の性状は下記の通りである。 粒径(mm) 0.35〜1.2 嵩密度(g/l) 770 水分含有率(%) 55〜60 酸基濃度(meq. /g) 2.3 比表面積(m2/g) 35 細孔容積(ml/g) 0.24 平均細孔径(Å) 150
【0043】(ii)上記触媒Aを70℃、10Torr、1
2時間の条件で減圧乾燥し、配位水を除去した後、イソ
プロピルアルコールを含浸させ、常圧下、50℃、3時
間の条件で乾燥処理を行った。触媒の含水率は1.5w
t%、イソプロピルアルコール含有率38%であった。
このイソプロピルアルコール含浸触媒を触媒Bとする。
【0044】(iii)固定床流通式反応器の触媒層上部
に水飽和型スルホン酸型酸性イオン交換樹脂触媒A(Am
berlyst−16、オルガノ社製)、下部に上記した触媒
Bを充填させ、触媒Aと触媒Bの体積比を2:1とし、
反応温度130℃、反応圧力70kg/cm2、水に対
するプロピレンのモル比を1とし、LHSV(プロピレ
ン基準)が0.5h-1の条件で反応原料を上方から下方
に通し、反応開始から2時間後の反応回収成分をGC
(ガスクロマトグラフィー)分析したところ、プロピレ
ン転化率51.8mol%、全生成物に対するイソプロ
ピルアルコール(IPA)の選択率76.7%、DIP
Eの選択率23.0%、その他炭化水素化合物の選択率
0.3%であった。
【0045】実施例2 実施例1で用いたと同じ触媒を用いて、反応温度130
℃、反応圧力70kg/cm2、水に対するプロピレン
のモル比を4とし、LHSV(プロピレン基準)が0.
5h-1の条件で反応開始から2時間後の反応回収成分を
GC分析したところ、プロピレン転化率32.0mol
%、全生成物に対するIPAの選択率44.5%、DI
PEの選択率54.1%、その他炭化水素化合物の選択
率1.4%であった。
【0046】実施例3 実施例1で用いたと同じ触媒を用いて、反応温度130
℃、反応圧力70kg/cm2、水に対するプロピレン
のモル比を6とし、LHSV(プロピレン基準)が0.
5h-1の条件で反応開始から2時間後の反応回収成分を
GC分析したところ、プロピレン転化率46.5mol
%、全生成物に対するIPAの選択率22.9%、DI
PEの選択率63.1%、その他炭化水素化合物の選択
率14.0%であった。
【0047】実施例4 実施例1で用いたと同じ触媒を用いて、イソプロピルア
ルコール含有水溶液(水:90wt%)を用い、反応温
度130℃、反応圧力70kg/cm2、水に対するプ
ロピレンのモル比を4(イソプロピルアルコールのモル
比を0.03)とし、LHSV(プロピレン基準)が
0.25h-1の条件で反応開始から3時間後の反応回収
成分をGC分析したところ、プロピレン転化率50.8
mol%、全生成物に対するIPAの選択率18.3
%、DIPEの選択率76.6%、その他炭化水素化合
物の選択率5.1%であった。
【0048】比較例1 触媒Aの存在下、反応温度130℃、反応圧力70kg
/cm2、水に対するプロピレンのモル比を1とし、L
HSV(プロピレン基準)が0.5h-1の条件で反応開
始から2時間後の反応回収成分をGC分析したところ、
プロピレン転化率22.9mol%、全生成物に対する
IPAの選択率90.1%、DIPEの選択率9.8
%、その他炭化水素化合物の選択率0.1%であった。
【0049】比較例2 固定床流通式反応装置を用いて触媒層上部に実施例1で
用いた水飽和型スルホン酸型酸性イオン交換樹脂触媒A
(Amberlyst−16、オルガノ社製)、下部に下記の性
状を有する乾燥型スルホン酸型酸性イオン交換樹脂触媒
C(Amberlyst−15、オルガノ社製)を充填させ、触
媒Aと触媒Cの体積比を2:1とし、反応温度130
℃、反応圧力70kg/cm2、水に対するプロピレン
のモル比を4とし、LHSV(プロピレン基準)が1h
-1の条件で反応させた。触媒Cの性状 粒径(mm) 0.3〜1.2 嵩密度(g/l) 600 水分含有率(%) 1.5以下 酸基濃度(meq. /g) 4.7 比表面積(m2/g) 50 細孔容積(ml/g) 0.4 平均細孔径(Å) 240 反応開始から2時間後の反応回収成分をGC分析したと
ころ、プロピレン転化率15.1mol%、全生成物に
対するIPAの選択率38.8%、DIPEの選択率3
2.8%、その他炭化水素化合物の選択率28.4%で
あった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、特定の酸性イオン交換
樹脂を組合せて用いることにより、簡略化された方法で
効率よく、有用な、特にガソリン基材として有用なDI
PEを製造することができ、この製造方法はDIPEの
工業的製造方法として好適なものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水とプロピレンを反応せしめて、ジイソ
    プロピルエーテルを製造する方法において、(A)水飽
    和型酸性イオン交換樹脂触媒及び(B)水飽和型酸性イ
    オン交換樹脂を脱水乾燥し、飽和または不飽和アルコー
    ル処理した触媒の2種類の触媒の存在下に反応を行うこ
    とを特徴とするジイソプロピルエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】 該飽和または不飽和アルコールがイソプ
    ロピルアルコールである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 該水飽和型酸性イオン交換樹脂触媒の酸
    基濃度が2.2〜3.0meq./gである請求項1または
    2記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006206536A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Nippon Zeon Co Ltd シクロアルキルアルキルエーテルの製造方法

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