JPH08332314A - 循環ポンプ保護フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配管切り詰めなどの配管工事が不要で、スラ
イスくず、石英破片などの粗粒子を、容易に目詰まりを
生じさせずに捕集する保護フィルタを得る。 【構成】 循環ポンプの薬液流入口９に装着される循環
ポンプ保護フィルタ３３であって、テーパ筒状のフィル
タ本体３４と、このフィルタ本体３４の側面及び小径側
の先端面に穿設される複数の濾過孔３７と、フィルタ本
体３４の大径側の端部外周に形成され循環ポンプのフィ
ッティング２３内に挿入されるとともに、フィッティン
グ２３内に突出された段部３１とフィッティング２３内
に挿入された薬液出口配管５の端部とに挟持されてフィ
ルタ本体３４を薬液流入口９に保持するフランジ部３５
とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造工程におけ
る洗浄装置、冷却水設備などに使用される循環ポンプの
保護フィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】半導体製造工程における例えば、洗浄装
置、特に、湿式洗浄装置には、循環濾過式洗浄槽を有す
るものがある。このような洗浄装置では、薬液を常時フ
ィルタで濾過循環させる機能を有する。薬液の循環に
は、隔膜型のダイヤフラムポンプや蛇腹型のベローズポ
ンプなどが使用される。ところで、このような洗浄槽を
有した洗浄装置には、薬液中の不純物粒子を濾過する薬
液用フィルタの他に、循環ポンプの直前に設置され、循
環ポンプの保護を行う保護フィルタが設けられる。従
来、この保護フィルタは、比較的粒径の大きい一般的な
薬液フィルタを小型化することで使用していた。そし
て、この保護フィルタは、洗浄槽と循環ポンプとを接続
する配管経路に取り付けられるのが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の保護フィルタは、洗浄槽と循環ポンプとを接続
する配管経路に取り付けられるため、現状使用中の洗浄
装置への取り付けに際しては、配管を短く切り詰めるな
どの配管工事が必要となり、施工コストが増大する問題
があった。また、従来の保護フィルタは、小型化のため
に、濾過面積が小さくなり、濾過能力が低下する問題が
あるとともに、一般的なマイクロフィルタである円形シ
ート状の平膜、プリーツ状のカートリッジフィルタ及び
ホローファイバー状の中空系型メンブランフィルタを用
いていたため、濾過孔が小さすぎ、洗浄槽からのスライ
スくずや石英破片などにより、濾過孔が容易に目詰まり
を起こした。本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、配管切り詰めなどの配管工事が不要で、スライスく
ず、石英破片、ウェーハ破片、洗浄槽自身の破片などの
粗粒子を、容易に目詰まりを生じさせずに捕集できる保
護フィルタを提供し、取付け性の向上、粗粒子に対する
容易な目詰まり防止を図ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る保護フィルタは、循環ポンプの薬液流入
口に装着される循環ポンプ保護フィルタであって、テー
パ筒状のフィルタ本体と、該フィルタ本体の側面及び小
径側の先端面に穿設される複数の濾過孔と、該フィルタ
本体の大径側の端部外周に形成され循環ポンプのフィッ
ティング内に挿入されるとともに、該フィッティング内
に突出された段部と該フィッティング内に挿入された薬
液出口配管の端部とに挟持されて該フィルタ本体を前記
薬液流入口に保持するフランジ部とを具備したことを特
徴とするものである。

【０００５】

【作用】フィルタ本体がテーパ筒状に形成され、円形平
面形状のものに比べ、濾過面積が大きくなる。また、薬
液出口配管が挿入される循環ポンプのフィッティング内
に装着され、薬液出口配管を切り詰めることなく、保護
フィルタの取り付けが可能となる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明に係る循環ポンプ保護フィルタ
の好適な実施例を図面を参照して詳細に説明する。図１
は本発明保護フィルタが装着されたポンプ薬液入口部の
断面図、図２は本発明保護フィルタの断面図、図３は本
発明保護フィルタを大径側から見た背面図、図４は本発
明保護フィルタが用いられる洗浄装置の概略構成図であ
る。先ず、本発明の保護フィルタが用いられる洗浄装置
の概略構成を図４に基づき説明する。薬液供給配管１が
設けられた洗浄槽３には薬液出口配管５が接続され、薬
液出口配管５はベローズポンプ７の薬液流入口９に接続
される。ベローズポンプ７の薬液排出口１１には循環フ
ィルタ１３が接続され、循環フィルタ１３は脈動防止用
ダンパ１５を介して再び洗浄槽３へと接続される。

【０００７】即ち、洗浄槽３内の薬液は、薬液出口配管
５からベローズポンプ７へ流れ、循環フィルタ１３、脈
動防止用ダンパ１５を経て再び洗浄槽３へ戻されるよう
になっている。本発明による保護フィルタは、このベロ
ーズポンプ７の薬液流入口９に取り付けられることにな
る。

【０００８】図１に示すように、ベローズポンプ７のケ
ーシング２１からは、薬液流入口９となるフィッティン
グ２３が突出され、フィッティング２３の外周には袋ナ
ット２５が螺合される。フィッティング２３の先端内周
には洗浄槽３からの薬液出口配管５であるテフロンチュ
ーブ２７が挿入され、テフロンチューブ２７は袋ナット
２５が締めつけられることにより、フィッティング２３
に気密状態で接続される。フィッティング２３の先端内
周には拡径部２９が形成され、拡径部２９とポンプケー
シング２１側のフィッティング内周との境は段部３１と
なっている。

【０００９】この拡径部２９には保護フィルタ３３が取
り付けられ、保護フィルタ３３はフィルタ本体３４がテ
ーパ筒状に形成される。保護フィルタ３３の先端側（小
径側）と反対側の大径部外周にはフランジ部３５が形成
される。保護フィルタ３３は、フランジ部３５がフィッ
ティング２３の内周に突出する段部３１と、フィッティ
ング２３内に挿入されたテフロンチューブ２７の端部と
によって挟持されることによって保持される。また、保
護フィルタ３３はフランジ部３５が挟持状態となり、先
端側がテフロンチューブ２７の内側に突出した向きで取
り付けられる。即ち、保護フィルタ３３は、薬液の上流
側に先端が突出する向きで取り付けられる。

【００１０】図２、図３に示すように、保護フィルタ３
３の先端及び側面には、多数の濾過孔３７が穿設されて
いる（なお、本実施例では、先端面に一つのみが穿
設）。この濾過孔３７は、例えば、テフロンチューブ２
７の内径が１６ｍｍ程度であった場合、内径が３ｍｍ〜
４ｍｍ程度のもので穿設される。保護フィルタ３３は、
薬液上流方向に向かって突出するテーパ筒形状であるた
め、通常の薬液流れ方向に直交する円形シート状の平膜
フィルタに比べ、薬液が通過することとなる濾過面積が
大幅に増えることになる。また、保護フィルタ３３は、
フィッティング２３と反対側のテフロンチューブ２７内
に突出されるため、フィッティング２３の内径が種々に
異なる場合でも、その影響を受けることなく、取付けが
行える。

【００１１】このように構成される保護フィルタ３３で
は、上述のように、フィルタ本体３４をテーパ筒状に形
成したので、濾過面積が大幅に大きくなる。また、保護
フィルタ３３に形成される濾過孔３７は、通常のマイク
ロフィルタとは異なり、大径のものであるため、ウェー
ハ破片など粗粒子のものを目詰まりを起こさずに捕集す
ることが可能となる。そして、保護フィルタ３３は、フ
ィッティング２３内に挿入されるテフロンチューブ２７
内へ挿入されるため、テフロンチューブ２７を切り詰め
ることなく、取り付けが可能となる。

【００１２】このように、上述の保護フィルタ３３によ
れば、現状使用中の濾過装置においても、配管を切り詰
めることなく、取り付けが行えるので、配管工事が極め
て簡単なものとなり、施工コストを低減させることがで
きる。また、濾過面積が大きく確保され、しかも、粗粒
子用に穿設された濾過孔３７を有しているので、目詰ま
りを起こすことなく粗粒子の捕集が可能となる。更に、
本実施例の保護フィルタ３３では、テーパ筒状の先端側
をテフロンチューブ２７に挿入して取り付けるため、全
ての循環ポンプに対応させて取り付けることができる。

【００１３】なお、本実施例では、湿式洗浄装置を例に
説明したが、本発明の保護フィルタは、その他の薬液供
給ラインに用いるものであってもよい。また、湿式以外
の乾式洗浄装置のガス系にも使用することができる。更
に、本発明の保護フィルタは、洗浄装置に限らず、冷却
水配管などにおける水スクラバー（除外装置）の粗粒子
フィルタとしても使用することができる。

【００１４】また、上述の実施例では、保護フィルタ３
３をテフロンチューブ２７内に挿入して取り付けること
としたが、所定のフィッティング内径が確保できるもの
であれば、保護フィルタ３３の先端側をフィッティング
２３内に挿入して取り付けることも可能である。このよ
うな方向で保護フィルタ３３を取り付ければ、保護フィ
ルタ３３が薬液流れ方向に対して籠状となり、フィルタ
清掃又はフィルタ交換時の捕集された破片などの除去が
容易となる。

【００１５】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る循環ポンプ保護フィルタは、循環ポンプの薬液流入口
に装着できるので、現状使用中の濾過装置においても、
配管を切り詰めることなく、取り付けが行え、配管工事
が極めて簡単なものとなり、施工コストを低減させるこ
とができる。また、濾過面積が大きく確保されるので、
容易に目詰まりを起こすことなく粗粒子を捕集すること
ができる。この結果、取付け性の向上、粗粒子に対する
容易な目詰まりを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明保護フィルタが装着されたポンプ薬液入
口部の断面図である。

【図２】本発明保護フィルタの断面図である。

【図３】本発明保護フィルタを大径側から見た背面図で
ある。

【図４】本発明保護フィルタが用いられる洗浄装置の概
略構成図である。

【符号の説明】

５ 薬液出口配管 ７ ベローズポンプ（循環ポンプ） ９ 薬液流入口 ２３ フィッティング ３１ 段部 ３３ 循環ポンプ保護フィルタ ３４ フィルタ本体 ３５ フランジ部 ３７ 濾過孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 循環ポンプの薬液流入口に装着される循
   環ポンプ保護フィルタであって、 テーパ筒状のフィルタ本体と、 該フィルタ本体の側面及び小径側の先端面に穿設される
   複数の濾過孔と、 該フィルタ本体の大径側の端部外周に形成され循環ポン
   プのフィッティング内に挿入されるとともに、該フィッ
   ティング内に突出された段部と該フィッティング内に挿
   入された薬液出口配管の端部とに挟持されて該フィルタ
   本体を前記薬液流入口に保持するフランジ部とを具備し
   たことを特徴とする循環ポンプ保護フィルタ。
2. 【請求項２】 前記フィルタ本体の小径側が前記薬液出
   口配管内に挿入される向きで取り付けられることを特徴
   とする請求項１記載の循環ポンプ保護フィルタ。