JPH08332244A - 水噴霧消火方法 - Google Patents

水噴霧消火方法

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JPH08332244A
JPH08332244A JP14311795A JP14311795A JPH08332244A JP H08332244 A JPH08332244 A JP H08332244A JP 14311795 A JP14311795 A JP 14311795A JP 14311795 A JP14311795 A JP 14311795A JP H08332244 A JPH08332244 A JP H08332244A
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JP
Japan
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fire
water spray
fine water
extinguishing
compartment
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Pending
Application number
JP14311795A
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English (en)
Inventor
Akimitsu Yoshikawa
昭光 吉川
Masabumi Sonoda
正文 園田
Takeshi Takayama
剛 高山
Takao Nagata
隆生 永田
Yoshio Watanabe
良夫 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Protec Corp
Original Assignee
Yamato Protec Corp
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  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 毒性がなく、人的安全性を確保しながら、火
災規模の大きさなどにかかわらず十分な消火効力を発揮
させることができるようにする。 【構成】 密閉された区画内へ窒素ガスなどの不活性ガ
スを所定時間以内で放射し封入して区画内の酸素濃度を
16〜18%に低下させた後/または低下させると同時
に、その区画内へ粒子径が10〜200μmの微細水噴
霧を放射して消火を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば各種乗物の客室
やビルの電気室、コンピュータルーム、事務所等あるい
はトンネルの内部などのような密閉された区画内に発生
した火災を水噴霧により消火する水噴霧消火方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】密閉された区画内に発生した火災の消火
方法として、従来では、ハロンや二酸化炭素等の不燃性
ガスを区画内に放射して消火する方法や、例えば特開平
1−164378号公報などに開示されているように、
火災の発生した区画内に微細水噴霧を放射して消火する
方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の消火方
法のうち、ハロンガスの放射による消火方法の場合は、
消火時に生じる分解ガスの毒性や放射後のハロンガスが
大気中に飛散して成層圏のオゾン層を破壊するという環
境破壊の問題から使用が制限されており、現在それに代
わるハロン代替消火薬剤の研究開発が盛んに行なわれて
いるものの、現時点までに開発されているハロン代替消
火薬剤では、消火能力の点や消火時に生じる分解ガスの
毒性の面で十分に満足のいくものがない。また、二酸化
炭素ガスの放射による消火方法の場合は、消火に必要な
二酸化炭素濃度が28%と高く、これは人間の致死濃度
にも達しているために、消火時に密閉された区画内に閉
じ込められた人間が脱出し避難する上で非常に大きな問
題であり、また、そのような高濃度の二酸化炭素ガスが
誤って放射されると、生命に対する危険度は絶大なもの
である。
【0004】一方、特開平1−164378号公報に開
示されたような微細水噴霧の放射による消火方法の場合
は、火災条件や火災規模によって容易に消火可能なケー
スと消火が非常に困難なケースとがある。つまり、微細
水噴霧の放射による消火のメカニズムは、消火薬剤であ
るところの水の温度変化、蒸発潜熱による可燃物および
火炎の冷却作用、水の蒸発にともなって発生する水蒸気
による空気中の酸素濃度の希釈作用が相乗的に作用し
て、窒息効果を発揮し消火に至るものである。したがっ
て、規模の大きい火災の場合は、放射された微細水噴霧
の大半が高温火炎エネルギーによって急速に気化蒸発
し、発生した水蒸気と酸素との局所的な酸素置換反応に
より、火災周囲の空気中の酸素濃度が低下することによ
り燃焼反応を阻害し消火可能状態となる反面、規模の小
さい火災の場合は、微細水噴霧の蒸発気化が少なくて、
専ら水の冷却作用だけによる消火となり、消火が非常に
困難となる。
【0005】また、上記公報に開示されている微細水噴
霧の放射による消火方法には、不燃性ガスとしての空気
と水とを混合チャンバ内で混合して噴霧する方法と、水
だけを噴霧する方法とが示されているが、いずれの場合
も上述したと同様に、規模の小さい火災の消火は困難な
傾向がある。
【0006】以上のように、従来の消火方法で、ガス系
消火薬剤を用いる場合は、消火効力を有するものの、毒
性および人的安全性の面で問題があり、一方、微細水噴
霧の場合は、人的安全性に問題がないものの、消火効力
の面で十分でなかった。
【0007】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、人的安全性を確保しながら、火災規模の大き
さなどにかかわらず十分な消火効力を発揮させることが
できる水噴霧消火方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係る水噴霧消火方法は、密閉され
た区画内へ不活性ガスを所定時間以内で放射し封入して
区画内の酸素濃度を16〜18%に低下させた後、その
区画内へ粒子径が10〜200μmの微細水噴霧を放射
して消火することを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2の発明に係る水噴霧消火方
法は、密閉された区画内へ該区画内の酸素濃度が16〜
18%になるように不活性ガスを所定時間以内で放射し
封入すると同時に、粒子径が10〜200μmの微細水
噴霧を放射して消火することを特徴とするものである。
【0010】さらに、請求項3の発明に係る水噴霧消火
方法は、密閉された区画内へ粒子径が10〜200μm
の微細水噴霧を放射し、この微細水噴霧の放射が所定時
間継続しても消火しない場合には上記区画内へ上記微細
水噴霧と共に不活性ガスを放射し封入して該区画内の酸
素濃度を18%以下に低下させて消火することを特徴と
するものである。
【0011】上記の各消火方法において、上記不活性ガ
スとしては、窒素ガスを使用することが好ましい。
【0012】
【作用】請求項1の発明によれば、密閉された区画内で
火災が発生したとき、その区画内へ不活性ガスを所定時
間以内で放射し封入して、該区画内の酸素濃度を16〜
18%に低下させることにより、区画内の酸素濃度が1
気圧下での各種可燃物の燃焼を維持するに必要な濃度以
下の消火濃度に達していないまでも、自由燃焼をやや抑
制する。すなわち、区画内の雰囲気を、該区画内に在留
する人が酸素欠乏に起因して何等かの障害や生理的症状
を引き起こすことのない雰囲気で、かつ、燃焼能力の低
下された雰囲気とする。ついで、そのような酸素濃度雰
囲気中に粒子径が10〜200μm(これを平均粒子径
でいうと30〜150μm)の微細水噴霧を放射するこ
とによって、水の温度上昇、蒸発潜熱による可燃物およ
び火炎の冷却作用、水の蒸発にともなって発生する水蒸
気による空気中の酸素濃度のさらなる希釈作用の相乗に
より、火災規模の大きさに関係なく、所定の消火を確実
かつ容易に行なうことが可能である。
【0013】また、請求項2の発明によるときは、密閉
された区画内へ不活性ガスと微細水噴霧とを同時に放射
することにより、区画内の雰囲気を上記と同様に、酸素
欠乏に起因して何等かの障害や生理的症状を引き起こす
ことのない、かつ、燃焼能力の低下された雰囲気としつ
つ、水の温度上昇、蒸発潜熱による可燃物および火炎の
冷却作用、水の蒸発にともなって発生する水蒸気による
空気中の酸素濃度のさらなる希釈作用の相乗によって火
災規模の大きさに関係なく、所定の消火を確実容易かつ
敏速に行なうことが可能である。
【0014】さらに、請求項3の発明によれば、まず最
初に、密閉された区画内へ粒子径が10〜200μmの
微細水噴霧を放射させることで、水の温度上昇、蒸発潜
熱による可燃物および火炎の冷却作用、水の蒸発にとも
なって発生する水蒸気による空気中の酸素濃度の希釈作
用の相乗によって窒息効果を発現させて大規模な火災に
対しては不活性ガスの放射を要することなく消火を行な
い、それでも消火しない小規模な火災の場合に限り、微
細水噴霧と共に不活性ガスを放射し封入して該区画内の
酸素濃度を18%以下に低下させることで、上述の請求
項2の発明と同様に、所定の消火を確実容易に行なうこ
とが可能である。
【0015】また、上記のような消火にあたって用いら
れる微細水噴霧の粒子径の範囲として、その下限を10
μmに設定することにより、汎用噴霧ノズルによる生成
および放射を可能にできるとともに、その上限を200
μmに設定することにより、200μmを越える粒子径
のものに比べて十分な消火効力を発揮させることが可能
であり、さらにまた、上記のような10〜200μmの
範囲の微細水噴霧による消火の場合は、全使用水量が少
なくてすむために、水損による被害を避ける上でも有効
である。なお、上記各請求項の発明において、不活性ガ
スとして窒素ガスを使用することで、分解ガスの毒性お
よび人的安全性になんらの問題がない上に、最も安価に
入手可能で全消火費用の低減を図ることも可能である。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例としての実験例を図面
にもとづいて説明する。図1および図2は、本発明によ
る消火方法の実験に供した実験室の平面図および正面図
を示し、同図において、1は微細水噴霧の放射用ノズル
で、実験室R内の天井付近に火源3を取り囲んで周方向
にほぼ等間隔で計12個配置する。2は窒素ガスの放射
用ノズルで、実験室R内の天井付近で火源3の両側に2
個配置する。
【0017】上記したような実験室Rでの消火実験方法
における各設定条件および各種測定要領はそれぞれ次の
通りである。 実験室Rの大きさ:3m(L)×3m(S)×2.5m
(H)=22.5m3 水噴霧放射用ノズル:1.25l/min、12個(総
量15l/min、放射圧力7kg/cm2 ) 火源3:直径(φ)が200mmおよび430mmの火
皿にそれぞれ燃料としてn−ヘプタンを貯溜 酸素濃度測定:実験室Rの床面から0.5mの高さで火
源3の近傍位置4から吸引したガスサンプルをセンサー
で測定 微細水噴霧の粒子径測定:位相ドップラー式レーザー粒
子分析計で平均粒子径を測定
【0018】上記のような設定条件および測定要領のも
とで、つぎの実験例1〜5に述べるような消火実験を行
ない、消火時間及び消火時の酸素濃度を測定した。 実験例1:火源3における各火皿のn−ヘプタンに点火
し、1分間の予備燃焼を行なった後、水噴霧放射用ノズ
ル1から微細水噴霧を放射して消火を行なった(従来例
に相当する)。 実験例2:火源3における各火皿のn−ヘプタンに点火
し、1分間の予備燃焼を行なった後、ノズル2から4m
3 の窒素ガスを30秒以内で放射すると同時に、水噴霧
放射用ノズル1から微細水噴霧を放射して消火を行なっ
た(請求項2の発明に相当する)。 実験例3:火源3における各火皿のn−ヘプタンに点火
し、1分間の予備燃焼を行なった後、ノズル2から5.
3m3 の窒素ガスを30秒以内で放射すると同時に、水
噴霧放射用ノズル1から微細水噴霧を放射して消火を行
なった(請求項2の発明に相当する)。 実験例4:火源3における各火皿のn−ヘプタンに点火
し、1分間の予備燃焼を行なった後、ノズル2から4m
3 の窒素ガスを30秒以内で放射し、さらに予備燃焼開
始の1分30秒後に水噴霧放射用ノズル1から微細水噴
霧を放射して消火を行なった(請求項1の発明に相当す
る)。 実験例5:火源3における各火皿のn−ヘプタンに点火
し、1分間の予備燃焼を行なった後、ノズル2から5.
3m3 の窒素ガスを30秒以内で放射し、さらに予備燃
焼開始の1分30秒後に水噴霧放射用ノズル1から微細
水噴霧を放射して消火を行なった(請求項1の発明に相
当する)。 なお、ここで窒素ガスの放射量4m3 は、その全量を実
験室R内に放射したときの酸素濃度が18%になり、ま
た、5.3m3 は、その全量を実験室R内に放射したと
きの酸素濃度が17%になるように設定された量であ
る。
【0019】上記各実験例1〜5での実験結果は、表1
に示す通りであった。この表1から明らかなように、火
皿直径(φ)が200mmのような小さな火災の場合
は、微細水噴霧の放射だけでは消火不能であったのに対
して、窒素ガスの放射を併用することで消火可能とな
り、また、火皿直径(φ)が430mmのような大きな
火災の場合は、窒素ガスの放射を併用することで消火時
間の短縮が可能である。また、窒素ガスの放射量が多い
ほど消火時間の短縮が可能である。
【0020】なお、実験例4および5における消火時間
は、微細水噴霧の放射開始時間が予備燃焼開始の1分3
0秒後であるから、実際の消火時間は表1の数値から3
0秒を差し引いた値である。
【0021】
【表1】
【0022】なお、上記各実験例には記載していない
が、密閉された区画内へ粒子径が10〜200μmの微
細水噴霧を放射し、この微細水噴霧の放射が所定時間継
続しても消火しない場合に上記区画内へ上記微細水噴霧
と共に窒素ガスなどの不活性ガスを放射し封入して該区
画内の酸素濃度を18%以下に低下させて消火を行なう
場合も、小さい火災を確実に消火可能であるとともに、
大きな火災に対しては窒素ガスなどの不活性ガスを用い
ないで消火することも可能である。
【0023】
【発明の効果】以上のように、請求項1および請求項2
の発明によれば、粒子径が10〜200μmの微細水噴
霧の放射と区画内の酸素濃度が16〜18%の範囲に低
下される不活性ガスの放射とを併用することによって、
区画内に在留する人が酸素欠乏に起因して何等かの障害
や生理的症状を引き起こすことのない人的安全性を保ち
つつ、酸素濃度の低下にともなう燃焼能力の低下作用
と、水の温度上昇、蒸発潜熱による可燃物および火炎の
冷却作用、水の蒸発にともなって発生する水蒸気による
空気中の酸素濃度のさらなる希釈作用との相乗によっ
て、火災規模の大きさにかかわらず、所定の消火を確実
容易かつ迅速に行なうことができるという効果を奏す
る。
【0024】また、請求項3の発明によれば、大規模な
火災のように、微細水噴霧の放射だけでも十分な消火効
力のあるときは不活性ガスを放射しないで迅速な消火を
行ないながら、微細水噴霧の放射だけでは消火しない小
規模な火災のような場合に限り、微細水噴霧と不活性ガ
スとを併用して放射するといった2段階の消火作用を行
なうことが可能で、消火に要する費用の可及的低減効果
を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による消火方法の実験に供した実
験室の平面図である。
【図2】図1に示す実験室の正面図である。
【符号の説明】
1 微細水噴霧の放射用ノズル 2 窒素ガス(不活性ガス)放射用ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 隆生 大阪府大阪市東成区深江北2丁目1番10号 ヤマトプロテック株式会社内 (72)発明者 渡辺 良夫 大阪府大阪市東成区深江北2丁目1番10号 ヤマトプロテック株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉された区画内へ不活性ガスを所定時
    間以内で放射し封入して区画内の酸素濃度を16〜18
    %に低下させた後、その区画内へ粒子径が10〜200
    μmの微細水噴霧を放射して消火することを特徴とする
    水噴霧消火方法。
  2. 【請求項2】 密閉された区画内へ該区画内の酸素濃度
    が16〜18%になるように不活性ガスを所定時間以内
    で放射し封入すると同時に、粒子径が10〜200μm
    の微細水噴霧を放射して消火することを特徴とする水噴
    霧消火方法。
  3. 【請求項3】 密閉された区画内へ粒子径が10〜20
    0μmの微細水噴霧を放射し、この微細水噴霧の放射が
    所定時間継続しても消火しない場合には上記区画内へ上
    記微細水噴霧と共に不活性ガスを放射し封入して該区画
    内の酸素濃度を18%以下に低下させて消火することを
    特徴とする水噴霧消火方法。
  4. 【請求項4】 上記不活性ガスとして、窒素ガスを使用
    する請求項1〜3のいずれかに記載の水噴霧消火方法。
JP14311795A 1995-06-09 1995-06-09 水噴霧消火方法 Pending JPH08332244A (ja)

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