JPH08325563A - 保冷剤組成物 - Google Patents

保冷剤組成物

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JPH08325563A
JPH08325563A JP7160096A JP16009695A JPH08325563A JP H08325563 A JPH08325563 A JP H08325563A JP 7160096 A JP7160096 A JP 7160096A JP 16009695 A JP16009695 A JP 16009695A JP H08325563 A JPH08325563 A JP H08325563A
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JP
Japan
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water
polyether polyurethane
chain
cold
weight
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JP7160096A
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English (en)
Inventor
Iwao Kuroda
巌 黒田
Kenjiro Nakamura
謙二郎 中村
Akio Nakajima
昭男 中島
Masaki Kawashima
正毅 川島
Masafumi Moriya
雅文 守屋
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Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍室で冷却しても柔軟性を保ち、冷却効果
に優れ、食品を冷却しながら輸送する時や、氷枕あるい
は氷嚢の代わりに用いる保冷材等に適した保冷剤組成物
を提供する。 【構成】 ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレ
ン鎖とを有するポリオキシアルキレングリコールをジイ
ソシアネート化合物で架橋して得られる水溶性ポリエー
テルポリウレタン0.5〜20重量%と無機塩1〜30
重量%を含有する含水ゲル状の組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は保冷剤組成物に関するも
のである。さらに詳しくは、冷凍室で冷却しても柔軟性
を保ち、冷却効果に優れ、食品の冷却しながら輸送する
時や、氷枕あるいは氷嚢の代わりに用いる保冷材等に適
した保冷剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品を低温下に輸送する時や、家
庭で氷枕あるいは氷嚢として保冷材が用いられている。
保冷材は、冷気を蓄積する保冷剤とこれを収納する容器
からなり、その性能は保冷剤に依るところが多い。通常
保冷剤としては保冷効果を高めるための化合物を溶解し
たゲル状の水溶液が用いられ、種々の改良が試みられて
いる。
【0003】従来、保冷剤としては、水に寒天、カラギ
ーナン等を10重量%程度溶解し、ゲル状態に調製した
ものを使用してきた。しかしながら、このような保冷剤
は、家庭用冷蔵庫の冷凍室で冷却すると、固化し柔軟性
を失い、氷枕、氷嚢等に用いたときに、人体との適合性
に欠け使用感の劣るものであった。さらに固化の程度が
著しく保冷剤を収容した容器が破損し易い欠点もあっ
た。
【0004】このような保冷剤の固化を防止するため、
種々の改良が試みられている。例えば、ポリビニルアル
コール、硼酸の多価金属塩と多孔性充填剤を併用する保
冷材(特開平4−222892)、多糖類水溶液にグリ
セリンまたはエチレングリコール、およびポリビニルア
ルコールを添加混合した溶液に、ホウ砂水溶液またはホ
ウ酸水溶液を添加混合して抱水ゲルを製造する方法(特
開昭52−61183)、コロイダルシリカと水溶性セ
ルロースエーテルとを併用する保冷材組成物(特開平6
−17037)、水溶性高分子と多価アルコールを含有
する水溶性ゲルに多価金属化合物を配合した保冷剤(特
開平6−25657)、分子状態で連続する均一なマト
リックス層を形成する吸水性樹脂と、凝固点降下作用の
ある水溶性化合物及び/又は凝固点降下作用を有する親
水性有機溶剤とを併用する保冷剤用含水ゲル組成物(特
開平6−65560)等が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
改良された保冷剤は、保冷材に用い冷凍室で冷却した時
に、従来の保冷剤を用いたものと比べると、固化しない
で柔軟性を保ち得るが、一方で冷却効果が低下する傾向
にあった。このように従来の保冷剤を用いた保冷材は、
冷却効果の高いものは冷却時固化して硬くなり、冷却軟
らかさを保ち得るものは冷却効果が劣る関係にあった。
保冷材は一般家庭において氷嚢、氷枕の代替として使用
されることを考慮すると、冷却時に人体との適合性を有
する柔軟性を有し、かつ冷却効果の優れるものが求めら
れていた。
【0006】本発明は、上記の点に着目して行ったもの
で、冷凍しても柔軟性を保ち、冷却効果に優れ、食品を
冷却しながら輸送する時や、氷枕あるいは氷嚢の代わり
に用いる保冷材等に適した保冷剤組成物を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため鋭意研究を行った結果、ポリオキシエチレン
鎖とポリオキシプロピレン鎖とを有するポリオキシアル
キレングリコールをジイソシアネート化合物で架橋して
得られる水溶性ポリエーテルポリウレタンと無機塩を主
成分として含有する組成物を、保冷材に用いたときに、
冷凍室で冷却しても固化することなく柔軟性を保ち、か
つ冷却効果に優れ、保冷剤に適することを見出し、本発
明を完成するに到った。
【0008】即ち、本発明は、ポリオキシエチレン鎖と
ポリオキシプロピレン鎖とを有するポリオキシアルキレ
ングリコールをジイソシアネート化合物で架橋して得ら
れる水溶性ポリエーテルポリウレタン0.5〜20重量
%と無機塩1〜30重量%を含有する含水ゲル状の保冷
剤組成物であり、さらにポリオキシアルキレングリコー
ルにポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖と
を50:50〜95:5の重量比で有し、かつポリオキ
シプロピレン鎖の平均分子量が700〜20,000で
あるポリオキシアルキレングリコールを用い、ポリオキ
シアルキレングリコールとジイソシアネートとを1:
0.5〜1.5のモル比で反応し架橋してなる水溶性ポ
リエーテルポリウレタンを用いる該含水ゲル状の保冷剤
組成物である。
【0009】本発明に用いる水溶性ポリエーテルポリウ
レタンは、保冷剤組成物に用いたときに、冷却下で柔軟
性を失わず、かつ冷却効果を高めるために、その分子中
にポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖から
なるポリオキシアルキレン鎖を有するものが好ましい。
【0010】またポリオキシアルキレン鎖としては、ポ
リオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とを5
0:50〜95:5の重量比にて有することがより好ま
しく、ポリオキシアルキレン鎖をこの比で有する水溶性
ポリエーテルポリウレタンを保冷剤組成物として用いる
と、良好な保冷効果と柔軟性を発揮する。水溶性ポリエ
ーテルポリウレタン分子を構成するポリオキシアルキレ
ン鎖が、ポリオキシエチレン鎖が50重量%未満でポリ
オキシプロピレン鎖が50重量%を越えるものである
と、保冷効果が短くなり、ポリオキシエチレン鎖が95
重量%を越えポリオキシプロピレン鎖が5重量%未満の
ものであると柔軟性が得られなくなり好ましくない。
【0011】さらに水溶性ポリエーテルポリウレタン
は、ポリオキシプロピレン鎖の平均分子量が700〜2
0,000のものが好ましく、これを保冷剤組成物とし
て用いた時、良好な柔軟性を保持し、優れた保冷効果を
発揮する。水溶性ポリエーテルポリウレタンの分子を構
成するポリオキシプロピレン鎖の平均分子量が700未
満であると、柔軟なゲルが得られなく、また平均分子量
が20,000を越えるものであると水溶性に乏しいも
のとなり好ましくない。
【0012】上記分子中にポリオキシエチレン鎖とポリ
オキシプロピレン鎖とを有する水溶性ポリエーテルポリ
ウレタンは、ポリオキシエチレン鎖と平均分子量が70
0〜20,000のポリオキシプロピレン鎖とを50:
50〜95:5の重量比で共重合体及び又は混合物とし
て有するポリオキシアルキレングリコールに、ジイソシ
アネート化合物を反応して得たものを用いることができ
る。
【0013】水溶性ポリウレタンを構成する、ポリオキ
シエチレン鎖と平均分子量が700〜20,000のポ
リオキシプロピレン鎖とを50:50〜95:5の重量
比で共重合体及び又は混合物として有するポリオキシア
ルキレングリコールとしては、ポリオキシエチレングリ
コールと平均分子量が700〜20,000のポリオキ
シプロピレングリコールとを上記の重量比に混合して得
られるポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンブロック共重合体で平均分
子量が700〜20,000のポリオキシプロピレン鎖
と各鎖を上記比で共重合するポリオキシアルキレングリ
コール、ポリオキシエチレングリコール及び又は平均分
子量が700〜20,000のポリオキシプロピレング
リコールとポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロック共重合体とを各鎖の比が上記となるよう混合して
得られるポリオキシアルキレングリコール等が挙げられ
る。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体
としては、ポリオキシエチレングリコールにプロピレン
オキサイドを付加したもの、あるいはポリオキシプロピ
レグリコールにエチレンオキサイドを付加したもののい
ずれも用いることができる。さらにこれらの得られた共
重合体にプロピレンオキサイド又は及びエチレンオキサ
イドを付加したものも用いられる。
【0014】水溶性ポリエーテルポリウレタンを構成す
るジイソシアネート化合物としては、エチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチ
レンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ビス(イソシアノメチル)
シクロヘキサン、水素添加ジフェニルメタンジイソシア
ネート、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂環族
ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ジメチルジフェニレンジイソシアネート、ナフチ
レンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙
げられ、中でも脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイ
ソシアネートは耐光性に優れるポリエーテルポリウレタ
ンを得ることができる。
【0015】さらに本発明に用いるポリエーテルポリウ
レタンは、前記ポリオキシアルキレングリコールとジイ
ソシアネート化合物とを反応させて得られるもののう
ち、水溶性を有するものが好ましい。水溶性を有するポ
リエーテルポリウレタンは、ポリオキシアルキレングリ
コールにその有する水酸基当りジイソシアネート化合物
を0.5〜1.5モル当量反応して得られ、これを保冷
剤組成物に用いると冷却下でも良好な柔軟性を発揮す
る。ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネー
トとの反応比が水酸基当りに対し0.5モル当量未満で
は、十分な柔軟性を発揮しないポリエーテルポリウレタ
ンが得られ、また1.5モル当量を越えると過剰なイソ
シアネートによる架橋が起こり水溶性の低いポリエーテ
ルポリウレタンが得られ、それぞれ好ましくない。
【0016】ポリオキシアルキレングリコールとジイソ
シアネート化合物とのウレタン化反応は常法により行う
ことができ、例えばポリオキシアルキレングリコールに
ジイソシアネート化合物を加えて30〜250℃、より
好ましくは50〜200℃で行うことができる。このウ
レタン化反応は溶媒を用いても、また用いなくても行う
ことができるが、必要に応じて溶媒を用いる場合、溶媒
としてはイソシアネート基又は水酸基に対して不活性な
溶剤を用いることができ、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤、テトラヒドロフラン、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、クロ
ロベンゼン、ジクロロエタン、四塩化炭素等の塩素系溶
剤等が挙げられる。
【0017】また上記ウレタン化反応は触媒の存在下に
行うことが好ましく、触媒としては公知のウレタン製造
用触媒、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン
等の三級アミン類、酢酸トリブチル錫、ジラウリン酸ジ
ブチル錫、オクチル酸第一錫等の有機錫化合物、有機ビ
スマス化合物等を、ポリオキシアルキレングリコール及
びジイソシアネート化合物の合計量に対し5〜1000
ppm用いることができる。さらにポリオキシアルキレ
ングリコールの分解、劣化を防止するために上記ウレタ
ン化反応を、酸化防止剤の存在下に行うことが好まし
い。
【0018】次に本発明に用いる無機塩としては塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシ
ウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化第一鉄、塩化第
二鉄、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化アルミニウム、硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、硫酸第一銅、硫酸第二銅、硫酸アルミニウム
等が挙げられ、経済性、水への溶解性、水溶液の安定性
を高めるために塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウムを用いることがより好ましい。
【0019】本発明の保冷剤組成物は、前記水溶性ポリ
エーテルポリウレタンと、無機塩とを主成分とするゲル
状の水溶液であり、水溶液中に水溶性ポリエーテルポリ
ウレタンを0.5〜20重量%と無機塩を1〜30重量
%含有したものが保冷効果及び柔軟性に優れ、さらに約
−20℃から約45℃の間でゲルの状態を保ちながら液
温が変化しても状態の変化が少ないため好ましく、さら
に水溶性ポリエーテルポリウレタン5〜10重量%、無
機塩を5〜20重量%含有したものは一層優れた保冷効
果を発揮し、より好ましい。ここで約−20℃は家庭用
の冷蔵庫で達し得る温度であり、約45℃は発熱した時
の体温以上に相当する温度であり、この温度範囲で保冷
剤組成物がゲル状を保ち得ると身体への適合性に優れる
保冷材が得られる。一方この温度範囲で保冷剤組成物が
固化するものは装着したとき硬くて身体に適合しない使
用感の悪い保冷材が得られ、また保冷剤組成物が水のよ
うに粘度の低い溶液の場合、氷嚢や氷枕のように使用し
たとき頭の重み、あるいはそのもの自体の重みで内容物
が脇に押し退けられるなど、患部へ適切な冷却を行うこ
とのできない保冷材が得られ好ましくない。
【0020】保冷剤組成物中、水溶性ポリエーテルポリ
ウレタンの含有量が0.5重量%未満のものは良好なゲ
ル状の水溶液が得られず、20重量%を越えるものは均
一なゲルの状態が得られなくなる。また保冷剤組成物
中、無機塩の含有量が1重量%未満のものは水溶液がゲ
ルの状態を保持できなくり、30重量%をこえるものは
保冷効果が低下し各々好ましくない。
【0021】本発明の保冷剤組成物の調製は、水に水溶
性ポリエーテルポリウレタンと無機塩とを、添加後撹拌
して溶解して、両者を所定の濃度の水溶液にして行うこ
とができる。ここに用いる水は冷却したものでも常温又
は加熱したものでも良く、又水溶液を調製するとき、必
要な量の水を始めから用いても、分けて用いても良い。
さらに水溶性ポリエーテルポリウレタンと無機塩との添
加する順位は、同時でもいずれが先であっても良いが、
溶解のし易さを考慮すると水溶性ポリエーテルポリウレ
タンを先に添加し溶解することが好ましい。
【0022】本発明の保冷剤組成物は、水に水溶性ポリ
エーテルポリウレタンと無機塩とを所定量含有すること
を必須とするが、さらに柔軟性等を向上せしめるため、
ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の水溶性高分子、エチレングリ
コール、グリセリンプロピレングリコール等の水溶性多
価アルコール等を併用することができる。水溶性高分子
は保冷剤組成物の保冷効果を向上せしめることができ、
その保冷剤組成物への添加量は0.5〜20重量%が好
ましく、また水溶性多価アルコールは保冷剤組成物は冷
却効果を向上せしめることができ、保冷剤組成物への添
加量は1〜30重量%が好ましい。
【0023】本発明の保冷剤組成物は種々の容器に充填
して用いることができ、例えば、ゴム、軟質塩化ビニー
ル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ある
いはその他の合成樹脂を用いた柔軟な容器に充填して保
冷材を形成し、これを氷嚢や氷枕の代用、あるいは冷凍
保存材料に用いたり、冷却を要する生鮮食品等を収容す
る容器の形状に合わせた硬質の容器に保冷剤組成物を充
填して保冷材料を形成し、生鮮食品等の冷却に用いるこ
とができ、保冷剤組成物を漏れることなく収容すること
のできる容器であれば、その形状及び素材はどのような
ものであってもよい。
【0024】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに
限定されない。以下「%」は「重量%」を表す。
【実施例】
【0025】・水溶性ポリエーテルポリウレタンの調
製。 表1に示すポリオキシプロピレングリコールのエチレン
オキサイド付加体、ポリオキシエチレンプロピレングリ
コールとポリオキシエチレングリコールの混合物又はポ
リオキシエチレングリコールのプロピレンオキサイド付
加体をポリオキシアルキレングリコールとして用い、こ
れに表1に示す種類のジイソシアネート化合物を表1に
示す比で50〜100℃で、30時間反応して、水溶性
ポリエーテルポリウレタンを調製した。水溶性ポリエー
テルポリウレタンの調製に用いた、ポリオキシアルキレ
ングリコールの種類、ジイソシアネート化合物の種類及
びその反応比、水溶性ポリエーテルポリウレタンの略号
を表1に示す。なお、表1中のEOはエチレンオキサイ
ドを、POはプロピレンオキサイドを示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1〜11、参考例1〜4 前記水溶性ポリエーテルポリウレタン(PU−1〜1
1)、無機塩及び多価アルコールを表2〜4に示す量を
用い、25℃の水に撹拌下、水溶性ポリエーテルポリウ
レタン又はポリオキシアルキレングリコールを添加して
溶解し、次いで溶液の撹拌下に、無機塩及び多価アルコ
ールを徐々に添加して溶解して保冷剤組成物を得た。得
られた保冷剤組成物150gを厚さ0.5mmのポリエ
チレン樹脂フィルム製袋状容器(100mm×140m
m、最高容量200cc)に充填し、容器の開口部をヒ
ートシールして保冷材を調製し、これを冷却効率、保冷
効果、柔軟性、保形性を測定し、保冷剤組成物の性能を
評価した。保冷剤組成物の性能の試験方法を以下に、ま
た試験結果を表2〜4に示す。表2〜4中のPUGは水
溶性ポリエーテルポリウレタン又はポリオキシアルキレ
ングリコールを表し、ポリアクリル酸ナトリウムは平均
分子量が200万〜300万のものを、メチルセルロー
スは信越化学株式会社製メトロースSM−4000を、
ポリビニルアルコールは信越化学工業株式会社製PA2
0Sを用いた。
【0028】・冷却効率試験 25℃の保冷材を−15℃の冷凍庫に静置し、保冷剤組
成物の中心の温度が−10℃に達するまでの時間を測定
した。試験結果は時間の短いものが冷却効率に優れるこ
とを表す。
【0029】・保冷効果試験 −15℃に冷却した保冷材を25℃の恒温槽に静置し、
保冷剤組成物の中心の温度が20℃に達するまでの時間
を測定した。試験結果は時間の長いものが保冷効果に優
れることを表す。
【0030】・柔軟性試験 −15℃、10℃及び25℃に保った保冷材を、手で押
して柔らかさを判定し、その柔軟性を以下の基準に従っ
て評価した。 ○:どの部分も均一な柔らかさを保っている状態。 △:手で押すと変形するが柔らかくない状態、あるいは
柔らかい部分と硬い部分が混在する状態。 ×:固く、手で押しても変形しない状態。
【0031】・保型性試験 保冷材に温度計を突き刺し、−15℃、10℃及び25
℃に保ったあと、温度計を抜き、抜いた箇所の形の戻り
具合を確認し、その保型性を以下の基準に従って評価し
た。 ○:自然に温度計を抜いた箇所の窪みが無くなった。 △:振動による外力を加えると温度計を抜いた箇所の窪
みが無くなった。 ×:振動による外力を加えても温度計を抜いた箇所の窪
みが無くならない。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】比較例1〜3 ポリオキシプロピレングリコール(平均分子量200
0)の68モルエチレンオキサイド付加体(PG−1、
比較例−1)及び市販保冷材に用いられていると同様な
高分子化合物と多価アルコールと水からなる保冷剤組成
物(比較例2)、ポリビニルアルコールと多価金属塩と
水からなる保冷剤組成物(比較例3)を用い、実施例1
と同様に保冷材を調製し、得られた保冷材を用いて実施
例1と同様に各試験を行い、保冷剤組成物の性能を評価
した。その結果を表4に示す。
【0036】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の保冷剤組成
物は、水溶性ポリエーテルポリウレタンと無機塩とを含
有する含水ゲル状組成物で、各種の容器に充填して保冷
材として用いるもので、保冷材の冷却効率、保冷効果に
優れる保冷材が得られ、これを輸送用の保冷等に用い
て、生鮮食品の鮮度を保たせることができ、また軟質の
容器を用いた保冷材は−20℃程度から60℃の範囲で
柔軟でかつ内容物が偏ったりしないように形を保つこと
ができ、これを氷嚢あるいは氷枕のように使用すると、
人体への適合性が良く、患部を良好に冷やすことができ
る等の効果を発揮する。
フロントページの続き (72)発明者 川島 正毅 愛知県岩倉市野寄町西出1番地の1 ミヨ シ油脂株式会社名古屋工場内 (72)発明者 守屋 雅文 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨシ 油脂株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロ
    ピレン鎖とを有するポリオキシアルキレングリコールを
    ジイソシアネート化合物で架橋して得られる水溶性ポリ
    エーテルポリウレタン0.5〜20重量%と無機塩1〜
    30重量%を含有することを特徴とする含水ゲル状の保
    冷剤組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロ
    ピレン鎖とを50:50〜95:5の重量比で有し、か
    つポリオキシプロピレン鎖の平均分子量が700〜2
    0,000であるポリオキシアルキレングリコールを用
    い、ポリオキシアルキレングリコールとジイソシアネー
    トとを1:0.5〜1.5のモル比で反応し架橋してな
    る水溶性ポリエーテルポリウレタンを用いることを特徴
    とする請求項1に記載の含水ゲル状の保冷剤組成物。
JP7160096A 1995-06-02 1995-06-02 保冷剤組成物 Pending JPH08325563A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005097543A (ja) * 2003-09-05 2005-04-14 Sk Kaken Co Ltd 蓄熱体
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