JPH08325562A - 水溶性吸水防止剤及び吸水防止方法 - Google Patents

水溶性吸水防止剤及び吸水防止方法

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JPH08325562A
JPH08325562A JP7231977A JP23197795A JPH08325562A JP H08325562 A JPH08325562 A JP H08325562A JP 7231977 A JP7231977 A JP 7231977A JP 23197795 A JP23197795 A JP 23197795A JP H08325562 A JPH08325562 A JP H08325562A
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JP
Japan
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water
water absorption
branched
group
absorption inhibitor
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Pending
Application number
JP7231977A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohisa Suzuki
智久 鈴木
Kenichi Isobe
憲一 磯部
Akira Yamamoto
昭 山本
Mitsuo Asai
光雄 浅井
Seiji Ichinohe
省二 一戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の有機ケイ素化合物および/またはその
部分加水分解縮合物を主成分とし、使用方法が簡便で半
永久的な保存安定性を有する水溶性吸水防止剤を提供す
ると同時に、さらに、該吸水防止剤を水に希釈して基材
に塗布含浸させ、加熱乾燥または水洗いまたは加水分解
縮合触媒含有水溶液処理を施すことにより優れた撥水効
果を発揮する多孔性材料の吸水防止方法を提供するこ
と。 【解決手段】 下記一般式 [式中、R1は炭素原子数1〜20のアルキル基(直鎖
又は分枝でありその水素原子の一部若くは全部がハロゲ
ン置換されてもよい。)、R2は水素原子又は炭素原子
数1〜10のアルキル基(直鎖又は分枝である。)、R
3は水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基(直鎖
又は分枝である。)である。mは1〜2の整数、nは1
〜3の整数であり、但しm+nは3又は4である。Pは
1〜50、qは0〜25の整数である。]で示される有
機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解縮合物
を主成分とする水溶性吸水防止剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ケイ素化合物
および/またはその部分加水分解縮合物を主成分とする
水溶性吸水防止剤及びこれを水に希釈したものを基材、
特に多孔性材料に適応して該材料の吸水を防止する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多孔性土木建築材料に吸水防止剤
を付与する吸水防止方法としては、シリコーン系、アク
リル系、ウレタン系、エステル系、油脂系の樹脂または
これらのモノマーを溶解したものを材料に塗布含浸さ
せ、乾燥または重合する方法が知られている。
【0003】シリコーン系の吸水防止剤としては、溶剤
型のものと水型のものが知られているが、現在では溶剤
型のものが主流を占めている。
【0004】この溶剤型は、吸水防止機能に優れる反
面、火災爆発や中毒の危険性を有しており、地球環境の
保護や資源の活用の面から、溶剤を使用しない水型であ
って良好な機能を有する新たな吸水防止剤の開発が強く
望まれている。
【0005】水型の吸水防止剤として、古くからアルキ
ルシリケート系のものが使用されているが、吸水防止性
能は溶剤型に比べて十分ではなく、また、アルカリ性が
強く取扱上安全性の面で問題がある。
【0006】また、最近の水型の吸水防止剤として、特
開平5−156164号公報又は特開平5−22174
8号公報には、アルキルアルコキシシラン等を水中乳化
させたエマルジョンが示されている。
【0007】これらエマルジョン系が水型吸水防止剤の
主流を占めているが、成分的には加水分解反応の非常に
遅いシラン化合物が使用されているため、材料へ塗布し
た場合、含浸性は良いものの材料表面でシランの揮散が
起こり表面撥水性がなくなり、水漏れ、汚れの付着、凍
害によるポップアップなどが生じ、耐久性の面で問題が
あり又外観が乳白色を呈する等の欠点がある。
【0008】さらに、エマルジョンの安定化のため、p
H調製等の工夫がなされているものの、その保存安定性
は有限であり、また、特別な装置使用によるエマルジョ
ン製造工程の煩雑さ等、多くの問題点を有している。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】本発明者は、上記従来公知の水型吸水防止
剤の有する問題点に鑑み、鋭意研究した結果、アルキル
アルコキシシランに水溶性を付与することにより、水溶
解時の均一性を高め、しかも使用する際、該有機ケイ素
化合物を使用する分だけ水で希釈すればよく、従って、
使用方法が簡便かつ半永久的な保存安定性を有する水溶
性吸水防止剤を提供出来ることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0010】本発明の目的は、特定の有機ケイ素化合物
および/またはその部分加水分解縮合物を主成分とし、
使用方法が簡便で半永久的な保存安定性を有する水溶性
吸水防止剤を提供すると同時に、さらに、該吸水防止剤
を水に希釈して基材に塗布含浸させ、加熱乾燥または水
洗いを施すことまたは加水分解縮合触媒含有水溶液で処
理することにより優れた撥水効果を発揮する多孔性材料
の吸水防止方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式「化2」
【化2】 [式中、R1は炭素原子数1〜20のアルキル基(直鎖
又は分枝でありその水素原子の一部若くは全部がハロゲ
ン置換されてもよい。)、R2は水素原子又は炭素原子
数1〜10のアルキル基(直鎖又は分枝である。)、R
3は水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基(直鎖
又は分枝である。)である。mは1〜2の整数、nは1
〜3の整数であり、但しm+nは3又は4である。Pは
1〜50、qは0〜25の整数である。]で示される有
機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解縮合物
を主成分とする水溶性吸水防止剤を提供するものであ
る。
【0012】また、本発明は、上記式中、R1が炭素原
子数3〜12のアルキル基(直鎖又は分枝でありその水
素原子の一部若くは全部がハロゲン置換されてもよ
い。)であり、R2が水素原子、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基のいずれかであり、R3
水素原子、メチル基、エチル基のいずれかであることを
特徴とする有機ケイ素化合物および/またはその部分加
水分解縮合物を主成分とする水溶性吸水防止剤を提供す
るものである。
【0013】また、本発明は、上記の水溶性吸水防止剤
を水に希釈して、基材に塗布又は含浸させ、加熱乾燥又
は水洗いすること又は加水分解縮合触媒含有水溶液で処
理することを特徴とする吸水防止方法を提供するもので
ある。
【0014】以下、本発明を詳述する。本発明の吸水防
止剤の主成分である有機ケイ素化合物は、下記一般式
「化3」で示される構造を有した化合物である。
【化3】
【0015】式中、R1は、炭素原子数1〜20のアル
キル基(直鎖又は分枝でありその水素原子の一部若くは
全部がハロゲン置換されてもよい。)であり、特に好ま
しくは、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基である。
【0016】R2は、水素原子又は炭素原子数1〜10
のアルキル基(直鎖又は分枝である。)であり、特に好
ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基である。
【0017】R3は、水素原子又は炭素原子数1〜8の
アルキル基(直鎖又は分枝である。)であり、特に好ま
しくは、水素原子、メチル基、エチル基である。
【0018】mは1〜2の整数、nは1〜3の整数であ
るが、特に好ましいものは、mは1、nは2又は3であ
り、m+n=3又は4を満たすものである。
【0019】Pは1〜50、qは0〜25の整数であ
る。
【0020】本発明の吸水防止剤の主成分である有機ケ
イ素化合物は、上記有機ケイ素化合物の少なくとも一種
から構成されるが、2種以上が併用されてもよい。
【0021】本発明に使用される上記有機ケイ素化合物
は、従来公知の反応であるアルキルクロロシランとポリ
グリコールとの脱塩酸反応や、アルキルアルコキシシラ
ンとポリグリコールとのエステル交換反応等によって製
造することができる。
【0022】上記有機ケイ素化合物の具体例を以下に示
す。 (CH3)2CHSi(OCH2CH2OH)3 CH3CH2CH2Si[O(CH2CH2O)2CH3]3 CH3CH2CH2Si[O(CH2CH2O)3CH3]3 CH3CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)10{CH2C(CH3)HO}2CH2CH
3]3 CH3CH2CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)5CH3]2(OCH3) CH3CH2CH2CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)3CH3]3 CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)15CH2CH3]3 CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)20CH3]2(OCH2C
H2CH3) CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)25CH3]2[OC
H(CH3)2] CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)3CH3]3 CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)40CH
3]3 CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si[O(CH2CH2O)
50CH2CH3]3
【0023】これらの化合物のうち特に好ましいもの
は、ポリエーテル基を3つ有する構造の有機ケイ素化合
物である。
【0024】また、上記有機ケイ素化合物が水中で一部
加水分解した部分加水分解縮合物を、本発明の水溶性吸
水防止剤に使用する有機ケイ素化合物として用いること
ができる。
【0025】本発明の水溶性吸水防止剤は、主成分であ
る上記有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分
解縮合物を、通常、水にて1〜40重量%、好ましくは
5〜30重量%の濃度に希釈して使用される。希釈しす
ぎると吸水防止剤本来の性能が発揮されないだけでな
く、多量に塗布しなければならないので乾燥に時間を要
し好ましくない。40重量%以上の場合には、希釈が十
分に行われず濃度が高すぎて相分離を起こす恐れがあ
り、さらに、粘度も高く材料への浸透性が悪くなり、そ
の結果塗り斑が発生する場合がある。
【0026】本発明の水溶性吸水防止剤を水に希釈する
際、この吸水防止剤に加水分解を促進するための触媒の
添加、水溶解性改善のためアルコール等の添加及び水溶
液の安定性維持のため必要に応じて有機酸等の酸を添加
を行っても良い。
【0027】本発明の水溶性吸水防止剤には、防腐剤、
防カビ剤、防蟻剤、あるいはCMC、PVA、水溶性ア
クリル樹脂、SBRラテックス、コロイダルシリカなど
を副次的に添加しても良い。
【0028】本発明の水溶性吸水防止剤を適用できる基
材としては、多孔性材料、木材、天然繊維、合成繊維、
無機繊維等が挙げられ、多孔性材料が特に好ましい。多
孔性材料としては、例えば、打放しコンクリート、計量
コンクリト、プレキャストコンクリート、軽量発泡コン
クリート(ALC)、モルタル、目地モルタル、石綿セ
メント板、パルプセメント板、木毛セメント板、ガラス
繊維入セメント板(GRC)、カーボン繊維入セメント
板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、ハードボード、
ドロマイトプラスター、ブロック、レンガ、タイル、
瓦、天然石、ガラスウール、ロックウール、セラミック
ファイバーなど無機質材料を主成分とする材料が挙げら
れる。
【0029】本発明の水溶性吸水防止剤を水に希釈し
て、基材に塗布又は含浸させ、加熱乾燥又は水洗いする
こと又は加水分解縮合触媒含有水溶液で処理することに
よって、本発明の吸水防止方法が提供される。
【0030】基材に含浸又は塗布された本発明の吸水防
止剤は、加水分解反応、縮合反応により強固に且つ優れ
た撥水層または吸水防止層を形成するが、その撥水層の
表面に、加水分解反応により生成したポリグリコールが
揮発せずに付着している。これにより水との親水性が増
すため本来有する撥水性能を発揮できない。従って、ポ
リグリコールを除去する方法として、加熱乾燥又は水洗
いを施すものである。
【0031】加熱乾燥条件は、80〜250℃にて3〜
48時間、好ましくは100〜200℃にて6〜36時
間である。80℃又は3時間以下であるとポリグリコー
ルが揮発しずらく、一方250℃又は48時間以上であ
ると吸水防止剤の有機ケイ素化合物のシロキサン結合の
切断が起こり好ましくない。
【0032】水洗い条件は、浸漬又は洗い流すなど、水
と接触させればよい。より実用的には、雨水に当たるこ
とで水洗いが行なわれ撥水性が発現するので、単に該吸
水防止剤の水希釈物を基材へ塗布し、戸外へ放置しても
よい。
【0033】上記の多孔性材料のうち、特に、レンガ、
タイル、瓦、天然石、ガラス、ウール、ロックウール、
セラミックファイバーなどの多孔性無機質材料が中性の
場合においては、本発明の水溶性吸水防止剤を水に希釈
して、基材に塗布又は含浸させ、さらに、加水分解縮合
促進触媒を含有する水溶液で処理することが好適であ
る。
【0034】加水分解縮合促進触媒としては、アルカリ
若くはアルカリ土類金属の水酸化物又はアミン化合物又
はアルカリシリケートなどのアルカリ性物質、塩酸若く
は硝酸等の無機酸又はスルホン酸若くはマレイン酸等の
有機酸などの酸性物質、KF若くはテトラブチルアンモ
ニウムフルオライド等の水中でフッ素イオンを生ずるフ
ッ素化合物等が挙げられる。これらのいずれかの水溶液
を調製し基材を浸漬して処理するものである。水溶液の
濃度は、0.01〜3%であり、好ましくは0.1〜1
%である。また、水溶液のpHは、アルカリ性条件で
は、pH10前後に調製することが好ましく、pH11
以上であると基材の白華を促進してしまい、pH9以下
であると加水分解縮合速度が遅く効果が得られないこと
がある。一方、酸性条件では、pH4前後に調製するこ
とが好ましく、pH3以下であると基材の耐久性が低下
してしまい、pH5以上であると触媒効果が得られない
ことがある。
【0035】このように本発明の吸水防止剤は、雨水の
漏水、酸性雨による材料の劣化、汚れの染み込み、海水
による塩害、寒冷地における凍害、材料中の塩の溶出に
よる白華など、多孔性材料等が有する水に起因する種々
の問題点の解決に役立つばかりでなく、種々の塗料や仕
上材の下地防水プライマーとしても優れている。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0037】[製造例1] トリス(メチルトリグリコ
ーロキシ)プロピルシラン CH3CH2CH2Si[O(CH2CH2O)3CH3]3 冷却菅、温度計、滴下漏斗を付した500mlの4つ口
フラスコにプロピルトリクロロシラン80g(0.45
mol)を仕込み攪拌した。内温100℃まで昇温後、
メチルトリグリコール148g(0.90mol)を滴
下したところフラスコ内が80℃まで低下した。さら
に、100℃にて1時間攪拌後、メチルトリグリコール
111g(0.68mol)と尿素40.6g(0.6
8mol)を添加し100℃にて2時間熟成した。熟成
後、反応混合液を分離して尿素塩酸塩を除去し、得られ
た生成物をプロピレンオキシド0.6gで中和した。中
和後、活性炭1.0gを用いて浮遊する尿素塩酸塩を取
り除き、ろ過後ストリップしたところ240.6gの無
色透明な液体が得られた。この液体を1H−NMRスペ
クトルで分析したところ上記化合物であることが確認さ
れた。
【0038】[製造例2] トリス(メチルトリグリコ
ーロキシ)ヘキシルシラン CH3(CH2)5Si[O(CH2CH2O)3CH3]3 製造例1のプロピルトリクロロシランの代わりに、ヘキ
シルトリクロロシランを用いて同様手順にて製造し上記
化合物を得た。
【0039】[製造例3] トリス(メチルトリグリコ
ーロキシ)デシルシラン CH3(CH2)9Si[O(CH2CH2O)3CH3]3 冷却菅、温度計、滴下漏斗を付した500mlの4つ口
フラスコにデシルトリメトキシシラン92g(0.35
mol)、メチルトリグリコール213g(1.3mo
l)とKOH0.1gを仕込み攪拌した。内温150℃
まで徐々に昇温を行い150℃にて10時間熟成を行っ
た後、冷却しキョーワード600(共和化学工業製)
0.2gと活性炭1gを添加し2時間攪拌した。このも
のをろ過し、ストリップしたところ227gの無色透明
な液体が得られた。この液体を1H−NMRスペクトル
で分析したところ上記化合物であることが確認された。
【0040】[実施例1]製造例1で得られた吸水防止
剤20部を水80部に希釈し、モルタルに浸漬養生後、
加熱乾燥条件として150℃にて24時間焼成した評価
用サンプルを作製した。このサンプルについての表面状
態、吸水防止性、浸透深さ及び撥水性についての各性能
試験結果を表1に示す。
【0041】(a)表面状態及び吸水防止性(吸水率) JISモルタル(50×50×25mm)の全面に、吸
水防止剤の水希釈物を有効成分が100g/m2 になる
ように5分間浸漬し、25℃、50%RHの雰囲気下で
7日間養生後、150℃にて24時間焼成させた。目視
にてこのものの表面状態を観察した。評価基準は下記の
通りである。 「表面状態評価基準」 ○:濡れ色なし。 ×:濡れ色有。 引き続き、この供試体を水道水中に28日間全面浸漬さ
せ、吸水防止性として、次式にて吸水率を算出した。 吸水率(%)={(吸水後のモルタル重量)−(処理前
のモルタル重量)}/(処理前のモルタル重量)×10
【0042】(b)浸透深さ 上記(a)試験と同様に浸漬養生焼成した供試体を、2
つに切断(縦断)し、切断面に水をかけて硬化層を見易
くし、表面からの浸透深さ(mm)を測定した。
【0043】(c)撥水性 上記(a)試験と同様に浸漬養生焼成した供試体の表面
に、0.5ccの水滴を落とし、状態観察を行った。評
価基準は次の通りである。 「評価基準」 ○:接触角大(撥水性良好)。 △:接触角中。 ×:吸水される。
【0044】[実施例2]製造例2で得られた吸水防止
剤を用いて、実施例1と同様に、各種性能試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0045】[実施例3]製造例3で得られた吸水防止
剤を用いて、実施例1と同様に、各種性能試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0046】[実施例4]製造例1で得られた吸水防止
剤をモルタルに浸漬養生後、水道水中に24時間浸漬さ
せ、さらに、25℃、50%RHの雰囲気下で24時間
乾燥し、評価用サンプルを作製した。このサンプルにつ
いて、実施例1と同様に、(a)表面状態、吸水防止性
(吸水率)、(b)浸透深さ、(c)撥水性についての
各性能試験を行った。その結果を表1に示す。
【0047】[実施例5]製造例2で得られた吸水防止
剤を用いて、実施例4と同様に、各種性能試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0048】[実施例6]製造例3で得られた吸水防止
剤を用いて、実施例4と同様に、各種性能試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0049】[比較例1]上記多孔性材料用吸水防止剤
で処理を施さなかったモルタルの各種性能試験結果を表
1に示す。
【0050】[比較例2]アルキルシリケート系水溶性
吸水防止剤Polon C(信越化学工業(株)製商品
名、シリコーン分20%、通常基材を含浸させて使用す
るタイプ。)100部をモルタルに浸漬養生して評価用
サンプルを作製した。このサンプルについて実施例1と
同様に各性能試験を行い、その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】[製造例4] トリス(メチルトリグリコ
ーロキシ)デシルシラン CH3(CH29Si[O(CH2CH2O)3CH33 冷却菅、温度計、滴下漏斗を付した500mlの4つ口
フラスコにデシルトリクロロシラン92g(0.35m
ol)を仕込み攪拌した。内温100℃まで昇温後、メ
チルトリグリコール147.6g(0.9mol)を滴
下したところフラスコ内が80℃まで低下した。さら
に、100℃にて1時間攪拌後、メチルトリグリコール
110.7g(0.68mol)と尿素40.6g
(0.68mol)を添加し100℃にて2時間熟成し
た。熟成後、反応混合液を分離して尿素塩酸塩を除去
し、得られた生成物をプロピレンオキシド0.6gで中
和した。中和後、活性炭1.0gを用いて浮遊する尿素
塩酸塩を取り除き、ろ過後ストリップしたところ61
9.4gの無色透明な液体が得られた。この液体を
−NMRスペクトルで分析したところ上記化合物である
ことが確認された。
【0053】[実施例7]製造例4で得られた吸水防止
剤20部を水80部に希釈し、レンガ(日本煉瓦(株)
製)に浸漬養生後、1%に調製されたマレイン酸水溶液
にレンガを24時間浸漬し、引き続き24時間乾燥して
評価用サンプルを作製した。このサンプルについての表
面状態、吸水防止性、浸透深さ及び撥水性についての各
性能試験結果を表2に示す。
【0054】(a)表面状態及び吸水防止性(吸水率) レンガ(210×100×30mm)の全面に、吸水防
止剤の水希釈物を有効成分が100g/m になるよ
うに5分間浸漬し、25℃、50%RHの雰囲気下で7
日間養生した。次に、1%マレイン酸水溶液に24時間
浸漬した後、25℃、50%RHの雰囲気下で24時間
乾燥した。目視にてこのものの表面状態を観察した。評
価基準は下記の通りである。 「表面状態評価基準」 ○:濡れ色なし。 ×:濡れ色有。 引き続き、この供試体を水道水中に28日間全面浸漬さ
せ、吸水防止性として、次式にて吸水率を算出した。 吸水率(%)={(吸水後のレンガ重量)−(処理前の
レンガ重量)}/(処理前のレンガ重量)×100
【0055】(b)浸透深さ 上記(a)試験と同様に浸漬養生焼成した供試体を、2
つに切断(縦断)し、切断面に水をかけて硬化層を見易
くし、表面からの浸透深さ(mm)を測定した。
【0056】(c)撥水性 上記(a)試験と同様に浸漬養生焼成した供試体の表面
に、0.5ccの水滴を落とし、状態観察を行った。評
価基準は次の通りである。 「評価基準」 ○:接触角大(撥水性良好)。 △:接触角中。 ×:吸水される。
【0057】[実施例8]実施例7記載の1%マレイン
酸水溶液の代わりに1%KF水溶液を用いて実施例7と
同様に各種性能試験を行った。その結果を表2に示す。
【0058】[実施例9]実施例7記載の1%マレイン
酸水溶液の代わりにメチルシルセスキオキサンとナトリ
ウムとの反応物の1%水溶液を用いて実施例7と同様に
各種性能試験を行った。その結果を表2に示す。
【0059】[比較例3]上記多孔性材料用吸水防止剤
で処理を施さなかったレンガの各種性能試験結果を表2
に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明の水溶性吸水防止剤は使用方法が
簡便であり、しかも保存安定性に優れている。
【0062】本発明の水溶性吸水防止剤は、水に希釈し
て、例えば、セメントコンクリート、モルタル、レン
ガ、タイル、瓦、石材等の各種無機系多孔性材料材料に
塗布又は含浸させ養生後、加熱乾燥若くは水洗いを施す
と優れた撥水性(吸水防止効果)を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07F 7/18 D06M 13/50 (72)発明者 山本 昭 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 浅井 光雄 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 一戸 省二 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式「化1」 【化1】 [式中、R1は炭素原子数1〜20のアルキル基(直鎖
    又は分枝でありその水素原子の一部若くは全部がハロゲ
    ン置換されてもよい。)、R2は水素原子又は炭素原子
    数1〜10のアルキル基(直鎖又は分枝である。)、R
    3は水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基(直鎖
    又は分枝である。)である。mは1〜2の整数、nは1
    〜3の整数であり、但しm+nは3又は4である。Pは
    1〜50、qは0〜25の整数である。]で示される有
    機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解縮合物
    を主成分とする水溶性吸水防止剤。
  2. 【請求項2】 前記式中、R1が炭素原子数3〜12の
    アルキル基(直鎖又は分枝でありその水素原子の一部若
    くは全部がハロゲン置換されてもよい。)であり、R2
    が水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
    ロピル基のいずれかであり、R3が水素原子、メチル
    基、エチル基のいずれかであることを特徴とする請求項
    1記載の水溶性吸水防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の水溶性吸水防止
    剤を水に希釈して、基材に塗布又は含浸させ、加熱乾燥
    又は水洗いすることを特徴とする吸水防止方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の水溶性吸水防止
    剤を水に希釈して、基材に塗布又は含浸させた後、加水
    分解縮合触媒を含有する水溶液で処理することを特徴と
    する吸水防止方法。
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