JPH08318479A - 遠隔操縦システム - Google Patents

遠隔操縦システム

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Publication number
JPH08318479A
JPH08318479A JP12115695A JP12115695A JPH08318479A JP H08318479 A JPH08318479 A JP H08318479A JP 12115695 A JP12115695 A JP 12115695A JP 12115695 A JP12115695 A JP 12115695A JP H08318479 A JPH08318479 A JP H08318479A
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JP
Japan
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force
control
force sense
sense data
work
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Application number
JP12115695A
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English (en)
Inventor
Manabu Ootsuka
まなぶ 大塚
Koji Ogusu
幸治 小楠
Yasumasa Hagiwara
康正 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 双方間の通信事情が悪く通信遅れが発生する
場合でも制御系統の安定性を確保することができ、遠隔
操縦を円滑に行えるようにする。 【構成】 マスタアーム7のグリップが操作されると、
そのときの力覚センサ19の力覚データが通信部4を介
してスレーブ6に伝達され、スレーブアーム7のハンド
がコントローラ8により駆動制御される。そして、スレ
ーブアーム7が受ける力は力覚センサ23が検出してそ
の力覚データはマスタ1側に伝達されてマスタアーム2
のグリップに同じ力を発生させる。両者間で、力覚デー
タのみを伝達することで駆動制御を行うので、通信遅れ
が生ずる場合に制御系統の安定性を保持させることがで
きるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操縦装置を操作してそ
の操作信号を送信して作業装置を駆動すると共に、その
作業装置からの動作状態を示す状態信号を受けて操縦装
置に再現させることにより遠隔操縦を行うようにしたバ
イラテラル・マスタスレーブ形式の遠隔操縦システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】操縦形ロボットにおいて、バイラテラル
方式のマスタスレーブロボットは、関節指令方式のロボ
ットに比べて操作が簡単であると共に、作業ロボットで
あるスレーブが受ける力を操作端であるマスタに帰還さ
せて作業対象の接触感覚を得ることができるようにして
いるので作業性も高い。
【0003】また、コンピュータを利用することで、操
縦側のマスタと作業側のスレーブとの構成を異なる構成
としてもそれらの間の整合性を高めて自由な構成とする
ことができるようになってきている。さらには、危険な
作業場所あるいは作業等においても、作業現場に配置さ
れるスレーブに対して安全な場所に設けたマスタにより
スレーブを遠隔操作して作業を行なわせるなどの用途に
も適用することができるようになってきている。
【0004】このようなマスタスレーブと呼ばれる遠隔
操縦システムにおいては、例えば、オペレータ(操作
者)が操縦に用いる操縦装置であるマスタを操作する
と、その操作に応じたハンドの位置や姿勢のデータがセ
ンサなどにより検出され、例えば遠隔地で作業を行うた
めの作業装置であるスレーブに検出されたデータが送信
され、マスタに応じた動作を行なわせるようになってい
るのである。
【0005】そして、この場合に、オペレータは作業対
象となるスレーブの動作状態をカメラで撮影してモニタ
しながら操縦装置を操作するようになっていると共に、
スレーブが作業対象から受ける力を検出してマスタに帰
還させてスレーブと同じ力を受けながら操作をすること
ができるのである。これによって、オペレータによる操
作の能率を高いものとして安全且つ迅速な作業を行える
ようにしているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来構成のバイラテラル・マスタスレーブ方式の
ものでは、マスタの位置姿勢のデータを短い周期で逐次
スレーブに送信することできめ細かな制御を行うことが
できるものであり、例えば、制御情報の伝達において
0.1〜0.2秒の遅れがあると、マスタやスレーブの
動作が不安定になるという問題点がある。つまり、スレ
ーブに急激な動作を行わせて作業対象に損傷を与えた
り、あるいはマスタに急激な力が作用して制御不能に陥
ったりするといった不具合がある。
【0007】また、遠隔の地においてスレーブを操作す
る場合に、通信環境が劣悪である状況下においては、マ
スタからの制御データの送信が迅速且つ正確にスレーブ
に伝達できなくなる場合があり、通信遅れあるいは制御
遅れが発生してしまう虞があり、場合によっては、制御
不能に陥る場合が生ずる。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、操縦装置の操縦用機械の位置姿勢のデ
ータを用いることなく、少ないデータにより作業装置を
駆動制御することができ、しかも、劣悪な通信環境でデ
ータの授受が頻繁に行えない状況下にあっても安定した
動作を行わせて安全に作業を行うことができるようにし
た遠隔操縦システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、操縦装置を操
作してその操作信号を送信して作業装置を駆動すると共
に、その作業装置からの動作状態を示す状態信号を受け
て操縦装置に再現させることにより遠隔操縦を行うよう
にした遠隔操縦システムを対象としているものであり、
前記操縦装置を、(1)操作者によって操作可能な操作
部を有する操縦用機械と、(2)この操縦用機械の操作
部を駆動制御可能な駆動部と、(3)前記操縦用機械の
操作部が操作されたときにその操作部を支持している部
位が受ける力を力覚データとして検出する操縦側力覚検
出手段と、(4)前記作業装置との間で相互に力覚デー
タの授受を行う伝達手段と、(5)この伝達手段を介し
て前記作業装置から伝達された力覚データに基づいて前
記駆動部に制御信号を与えて前記作業装置が受けている
力に対応する状態を前記操縦用機械の操作部に再現させ
る操縦側制御手段とを備えた構成とし、前記作業装置
を、(6)前記操縦用機械の操作部に対応した動作が可
能な作用部を有する作業用機械と、(7)この作業用機
械の作用部を駆動制御可能な駆動部と、(8)前記作業
用機械の作用部が駆動されたときにその作用部を支持し
ている部位が受ける力を力覚データとして検出する作業
側力覚検出手段と、(9)この作業側力覚検出手段が検
出した力覚データと前記伝達手段を介して前記操縦装置
側から伝達される力覚データとを合成した力覚データに
基づいて前記作業用機械の駆動部に制御信号を与えて前
記作用部を駆動制御する作業側制御手段とを備えた構成
としたところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0010】また、前記操縦装置側に設けられ前記伝達
手段により前記作業装置側との間で授受する力覚データ
を記憶する操縦側記憶手段と、前記操縦装置側に設けら
れ前記操縦側記憶手段に記憶された前記力覚データが読
み出されると、その時点で処理している力覚データの値
との偏差分に相当する変動を連続的に変化させるように
して前記操縦側制御手段に出力する操縦側フィルタ手段
と、前記作業装置側に設けられ前記力覚データを記憶す
る作業側記憶手段と、前記作業装置側に設けられ前記作
業側記憶手段に記憶された前記力覚データが読み出され
ると、その時点で処理している力覚データの値との偏差
分に相当する変動を連続的に変化させるようにして前記
操縦側制御手段に出力する作業側フィルタ手段とを設
け、前記伝達手段を、前記力覚データの授受をそれらの
サンプリング周期よりも長い設定伝達周期で授受するよ
うに構成することができる(請求項2の発明)。
【0011】そして、前記操縦装置と作業装置との間で
授受される力覚データをあらかじめ設定された変換比率
で変換する力覚変換手段を設ける構成とすることが好ま
しい(請求項3の発明)。
【0012】さらに、前記伝達手段を介して前記操縦装
置と作業装置との間で授受される力覚データを両者間の
設定座標系に対応させて座標変換を行う座標変換手段を
設けて構成することができる(請求項4の発明)。
【0013】また、前記作業装置の作業用機械による作
業時に前記作業側力覚検出手段により検出される力覚デ
ータがあらかじめ設定されている判定値の範囲内にある
か否かを判定する判定手段を設けることが好ましい(請
求項5の発明)。
【0014】そして、前記操縦装置に、前記操縦側力覚
検出手段から出力される前記操縦用機械の規模あるいは
形式などに対応した力覚データを前記制御手段で扱う所
定仕様の力覚データに補正して出力する補正手段を備え
る構成とすることができる(請求項6の発明)。
【0015】また、前記作業装置に、前記作業側力覚検
出手段から出力される前記作業用機械の規模あるいは形
式などに対応した力覚データを前記制御手段で扱う所定
仕様の力覚データに補正して出力する補正手段を備える
構成とすることもできる(請求項7の発明)。
【0016】さらに、前記伝達手段を、前記操縦装置と
前記作業装置との間で、前記力覚データを授受すると共
にいずれかの装置側から出力された非常停止用の通信信
号を授受するように構成することができる(請求項8の
発明)。
【0017】そして、前記操縦装置を、前記操縦用機械
が操作されると前記力覚検出手段により検出される力覚
データに基き前記駆動部に制御信号を与えて補助力を発
生させてそのときの操作力を低下させる補助制御手段を
備えた構成とすることが好ましい(請求項9の発明)。
【0018】
【作用および発明の効果】請求項1記載の遠隔操縦シス
テムによれば、操縦装置の操縦用機械を操作すると、そ
の操作による力が力覚検出手段により検出され、力覚デ
ータとして伝達手段を介して作業装置側に伝達されるよ
うになる。作業装置側では、伝達手段を介して力覚デー
タが送信されると、これに応じた力を駆動部を介して作
業用機械の作用部に発生させて駆動制御するようにな
る。これにより、作業用機械は、操縦用機械の操作部に
対応した動作を行うようになる。
【0019】そして、この作業用機械の作用部の駆動に
より、例えば被作業対象などに接触して作用部が受ける
力は作業側力覚検出手段によって検出され、その力覚デ
ータが伝達手段を介して操縦装置側に伝達されるように
なる。すると、操縦側制御手段は、伝達された力覚デー
タに基づいて駆動部を介して操作部を駆動制御して操作
者の操作力に抗する力を与えるようになる。この結果、
操作者は、操縦装置の操縦用機械の操作部を操作するこ
とにより、作業装置の作業用機械の作用部を駆動制御す
ることができ、そのとき作用部が受ける力はあたかも操
作部で被作業対象に接触したかのように受けた状態で作
業をすることができるようになる。
【0020】また、上述のように力覚データのみを双方
向で授受することにより、操縦装置の制御内容を作業装
置側に伝達すると共に作業装置側の受ける力の力覚デー
タを操縦装置側に伝達させるので、力覚データの伝達に
遅れが生ずる場合でも、位置制御を行う場合に比べて滑
らかな動作を行なわせることができるようになり、急激
な変動等による装置の破損や破壊を防止することができ
る。
【0021】請求項2記載の遠隔操縦システムによれ
ば、伝達手段は、力覚データのサンプリング周期よりも
長く設定された通信周期で操縦装置と作業装置との間の
力覚データの授受を行う。操縦装置および作業装置のそ
れぞれにおいては、伝達手段を介して授受するための力
覚データは記憶手段に記憶される。そして、操縦装置お
よび作業装置の各制御手段においては、新たに与えられ
た力覚データが前回の力覚データと大きく異なる値とな
る場合でも、その偏差に相当する変化分をフィルタ手段
を介して徐々に変化させた値として入力されるようにな
る。これにより、力覚データに基づく作業用機械あるい
は操縦用機械の動作を滑らかに行なわせることができる
ようになる。
【0022】この結果、通信の周期を力覚データのサン
プリング周期であるそれぞれの制御周期よりも長い設定
通信周期で力覚データの授受を行う構成としながら、作
業装置および操縦装置の双方を円滑に駆動制御させるこ
とができるようになり、これによって、例えば伝達手段
の力覚データの授受を行うための伝播媒体を、他のデー
タの授受も行われる伝播媒体を共用することにより行う
場合でも、他のデータの授受を阻害することなく実施で
きるようになる。
【0023】請求項3記載の遠隔操縦システムによれ
ば、伝達手段を介して操縦装置から作業装置に伝達され
る操縦側力覚検出手段の力覚データおよび作業装置から
操縦装置に伝達される作業側力覚検出手段の力覚データ
は、双方間で授受を行う際に、力覚変換手段によってあ
らかじめ設定された変換比率で変換した状態で取り扱わ
れるようになる。
【0024】これにより、操縦装置の操縦用機械を操作
したときに受ける力と作業装置の作業用機械を駆動制御
するときに及ぼす力とを、変換比率で変換した力覚デー
タで取り扱うことができるようになり、例えば、操作者
の及ぼす力よりも大きな力で作業装置を駆動させたい場
合や、逆に、小さい力で作業装置を駆動させたい場合な
どには、自動的に操縦用機械および作業用機械との間の
力の制御を適正な領域内で行うことができるようにな
り、操作性の向上を図ることができる。
【0025】請求項4記載の遠隔操縦システムによれ
ば、操縦装置の操縦用機械と作業装置の作業用機械との
間の位置や姿勢が異なる場合でも、座標変換手段を介し
て双方の力覚データの座標変換処理を行うことにより、
整合性を持たせることができるようになる。これによ
り、操縦用機械の位置姿勢を操作し易い状態にして操作
することができるようになり、操作性が向上するように
なる。
【0026】請求項5記載の遠隔操縦システムによれ
ば、例えば被作業対象を所定の場所に移動させるという
所定の作業を行なわせる場合に、操縦装置の操縦用機械
を操作したときに作業用機械側が被作業対象に接触して
受ける力を力覚データとして操作部側に反映していて
も、作業が適切に進行しているか否かを視覚的情報や操
作者が手に受ける反力だけではその作業が完遂できてい
るかを十分に認識できない場合でも、判定手段による判
定結果に基づいて作業を行うことにより、所定の作業の
進行状態を確実に把握することができるようになり、取
り扱いに慣れない操作者でも簡単に作業を行うことがで
きるようになり、作業性が向上するようになる。
【0027】請求項6記載の遠隔操縦システムによれ
ば、操縦用機械が作業用機械と規模が異なる場合でも、
操縦用機械を操作したときの力覚データを補正手段が補
正して作業用機械に対応する力覚データに変換すること
ができるようになる。これによって、使用可能な操縦用
機械の自由度が高くなり、使い勝手に優れた操縦用装置
を使用して作業を行なわせることができるようになる。
【0028】請求項7記載の遠隔操縦システムによれ
ば、作業用機械が操縦用機械と規模が異なったり、作業
用機械の規格が装置の標準的な座標系と異なる場合で
も、補正手段により力覚データを作業用機械に対応する
力覚データに変換するので、全体として取り扱う力覚デ
ータを作業用機械に合わせた形にする必要がなくなり、
汎用性に優れたものとすることができる。
【0029】請求項8記載の遠隔操縦システムによれ
ば、伝達手段においては、通常時には力覚データのみを
伝達することで効率的な駆動制御を行うことができ、非
常時においては、この伝達手段により非常停止用の通信
信号が伝達可能な構成とされているので、操縦装置ある
いは作業装置のいずれかにおいて故障が生じるなどした
ときに力覚データによる制御に優先させて停止制御を行
うことができるようになる。
【0030】請求項9記載の遠隔操縦システムによれ
ば、操縦装置の操縦用機械は、操作部を操作したとき
に、その操作力を減少させるように補助制御手段により
駆動部が駆動制御されるので、操縦用機械の操作性の向
上が図れるようになり、大きな力を必要とする作業にお
いても、軽い力を作用させることで簡単に達成すること
ができるようになる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を無線LAN回線を利用したバ
イラテラル形のマスタスレーブロボットに適用した場合
の第1の実施例について図1ないし図4を参照しながら
説明する。全体構成の概略的な外観を示す図2におい
て、操縦装置であるマスタ1は、操縦用機械であるマス
タアーム2,操縦側制御手段であるコントローラ3,通
信装置4およびモニタ5から構成されている。また、作
業装置であるスレーブ6は、作業用機械であるスレーブ
アーム7,作業側制御手段であるコントローラ8,通信
装置9およびカメラ10から構成されている。
【0032】上述した通信装置4および9は伝達手段を
構成するもので、これらの通信経路としては周知のイー
サネット(Ethernet)11に接続される無線LANアン
テナ12および13を介して行われるようになってい
る。また、カメラ10により撮影された画像の映像信号
は、映像信号ケーブル14に接続された送信アンテナ1
5および受信アンテナ16を介してモニタ5に送信して
画面に表示させるようになっている。
【0033】さて、マスタ1において、マスタアーム2
は、操作卓17上に配設されており、先端部に設けられ
たグリップ18は、3つの関節機構により回転可能に設
けられると共に、各関節機構部において軸回りにねじる
方向にも回転可能に設けられており、したがって操作卓
17に対して並進3自由度で且つ回転3自由度で操作可
能に設けられている。これにより、グリップ18は、所
定の可動範囲内において、後述するようにオペレータ
(操作者)Aによって任意の位置姿勢をとることができ
るように構成されている。
【0034】また、マスタアーム2には、グリップ18
がオペレータAによって操作されたときに受ける力を検
出する力覚検出手段としての力覚センサ19が配設され
ている。この力覚センサ19は、グリップ18の移動に
よって受ける力をマスタアーム2の直交座標系のx,
y,z軸方向への並進力の力覚データと、各座標軸回り
の回転力の力覚データとして検出し、ケーブル20を介
してコントローラ3に出力するようになっている。
【0035】そして、マスタアーム2には、図示はしな
いが駆動部としてモータなどからなる駆動機構が配設さ
れており、コントローラ3から制御信号が与えられると
これに応じてグリップ18を駆動させるようになってい
る。また、コントローラ3は、後述するように構成され
るもので、力覚データを演算処理して通信装置3を介し
てスレーブ6側に送信したり、力覚センサ19からの力
覚データおよびスレーブ6側から伝達される力覚データ
に基づいてマスタアーム2を駆動制御するようになって
いる。さらに、マスタアーム2には、後述するスレーブ
アーム7のハンド22による作業対象物の把持を行なわ
せるための指令を行うスイッチがグリップ18あるいは
別途に設けられている。
【0036】次に、スレーブ6において、スレーブアー
ム7は、基台21に回転可能に設置されており、先端部
に設けられたハンド22は3つの関節機構により回転可
能に設けられると共に、各関節機構部において軸回りに
ねじる方向にも回転可能に設けられており、したがって
並進3自由度で且つ回転3自由度とされている。これに
より、ハンド22は、所定の可動範囲内において、任意
の位置姿勢をとることができるように構成されている。
また、ハンド22は、作業対象となる物体を把持可能に
構成されており、後述するように操縦装置1側からの制
御内容に基づいて把持動作を行うようになっている。
【0037】そして、スレーブアーム7には、ハンド2
2が駆動制御されたときに受ける力を検出する力覚検出
手段としての力覚センサ23が配設されている。この力
覚センサ23は、ハンド22の移動によって受ける力を
スレーブアーム7の直交座標系のx,y,z軸方向への
並進力の力覚データと、各座標軸回りの回転力の力覚デ
ータとして検出し、ケーブル24を介してコントローラ
8に出力するようになっている。
【0038】そして、スレーブアーム7には、図示はし
ないが駆動部としてモータなどからなる駆動機構が配設
されており、コントローラ8から制御信号が与えられる
とこれに応じてハンド22を駆動させるようになってい
る。また、コントローラ8は、後述するように構成され
るもので、力覚データを演算処理して通信装置9を介し
てマスタ1側に送信したり、力覚センサ23からの力覚
データおよびマスタ1側から伝達される力覚データに基
づいてスレーブアーム7を駆動制御するようになってい
る。
【0039】カメラ10は、スレーブアーム7の基部7
aと一体に回転可能となるように配設されており、ハン
ド22の状態を撮影してその映像信号をアンテナ10a
から送信アンテナ15に送信するようになっている。な
お、この基部7aは、基台21の面の鉛直方向の軸の回
りに回動可能に配設されている。一方、送信アンテナ1
5から映像信号ケーブル14を介して受信アンテナ16
に伝達された映像信号は、モニタ5のアンテナ5aによ
り受信され、モニタ5はその内容を画面に表示するよう
になっている。
【0040】次に、図1を参照してコントローラ3,8
の内部のブロック構成について概略的に説明する。マス
タ1のコントローラ3は、座標変換部25,加算部2
6,フィルタ演算部27,逆変換演算部28およびサー
ボ部29から構成されている。座標変換部25は、補正
手段としての機能を有するもので、マスタアーム2の力
覚センサ19が検出する力覚データを内部で用いる標準
的な座標に変換するもので、これは、例えば作業装置6
側の規模やタイプが異なる場合に、両者の間で整合性を
持たせるためのもので、換言すると、この座標変換部2
5を設けていることにより、マスタアーム2とスレーブ
アーム7との規模やタイプの違いに対して柔軟に対応す
ることができるのである。この座標変換部25は送受信
制御部30を介して通信部4に変換した力覚データを与
えるようになっている。
【0041】加算部26は、座標変換部25を介してマ
スタアーム2の力覚センサ19が検出する力覚データを
与えられると共に、送受信制御部30を介してスレーブ
6側から送信される力覚データが与えられるようになっ
ており、これらを加算した値をフィルタ演算部27に出
力するようになっている。フィルタ手段としてのフィル
タ演算部27は、現在出力中の力覚データ値に対して新
たに与えられた力覚データの値が異なる場合に、その偏
差に相当する力覚データの量を徐々に変化させて出力す
るいわばローパスフィルタのような機能を有するもので
ある。
【0042】逆変換演算部28は、フィルタ演算部27
を介して与えられる合成された目標位置データに対して
マスタアーム2に実際に対応する関節角目標データに逆
変換してサーボ部29に出力するもので、このサーボ部
29を介してマスタアーム2のグリップ18を駆動制御
するようになっている。また、送受信制御部30は、力
覚データを記憶するための記憶手段であるメモリを内部
に備えており、座標変換部25から与えられる力覚デー
タおよび通信部4から入力される力覚データをそれぞれ
所定のアドレスに格納記憶するように構成されている。
【0043】次に、スレーブ6のコントローラ8は、座
標変換部31,加算部32,フィルタ演算部33,逆変
換演算部34およびサーボ部35から構成されている。
座標変換部31は、補正手段としての機能を有するもの
で、スレーブアーム7の力覚センサ23が検出する力覚
データを内部で用いる標準的な座標に変換するもので、
マスタアーム2の座標変換部25と同様の働きをするも
のである。この座標変換部31は送受信制御部36を介
して通信部9に変換した力覚データを与えるようになっ
ている。
【0044】加算部32は、座標変換部31を介してス
レーブアーム7の力覚センサ23が検出する力覚データ
を与えられると共に、送受信制御部36を介してマスタ
1側から送信される力覚データが与えられるようになっ
ており、これらを加算した値をフィルタ演算部33に出
力するようになっている。フィルタ手段としてのフィル
タ演算部33は、現在出力中の力覚データ値に対して新
たに与えられた目標位置データの値が異なる場合に、そ
の偏差に相当する関節角目標データの量を徐々に変化さ
せて出力するようにしたいわばローパスフィルタのよう
な機能を有するものである。
【0045】逆変換演算部34は、フィルタ演算部33
を介して与えられる合成された力覚データに対してスレ
ーブアーム7に実際に対応する力覚データに逆変換して
サーボ部35に出力するもので、このサーボ部35を介
してスレーブアーム7のハンド22を駆動制御するよう
になっている。また、送受信制御部36は、力覚データ
を記憶するための記憶手段であるメモリを内部に備えて
おり、座標変換部31から与えられる力覚データおよび
通信部9から入力される力覚データをそれぞれ所定のア
ドレスに格納記憶するように構成されている。
【0046】次に本実施例の作用について図3および図
4をも参照して説明する。まず、本実施例における力覚
データの授受に基づく駆動制御の原理について簡単に説
明する。なお、本実施例においては、システムの実施を
容易なものとするために、マスタ1とスレーブ6とが基
本的には同じ制御方法で且つ同じ構成の制御装置として
独立して制御されるように構成されており、以下の説明
においては、このような仮定のもとに、マスタ1および
スレーブ6に共通な制御方法について、スレーブ6を例
にとって説明する。
【0047】初めに、図4に示すように、任意の位置を
原点とする仮想座標系Pを定義する。この場合に、この
仮想座標系Pは、原点Opをスレーブ6のスレーブアー
ム7に行なわせる作業の内容に応じて適宜に設定するこ
とができるもので、直交座標系であるものとする。そし
て、簡単のために、その初期状態においては、スレーブ
アーム7の位置制御のために基台21を基準として設定
されているベース座標系Bと同じ方向を向いているもの
とされている。
【0048】さて、仮想座標系Pとスレーブ6のスレー
ブアーム7のハンド22部分とは、仮想的な剛体で一体
化されているものとして扱うこととし、仮想座標系Pの
位置姿勢はスレーブアーム7を動作させるために、ハン
ド22の目標の位置姿勢として扱うことにする。すなわ
ち、仮想座標系Pが並進移動すればスレーブアーム7の
ハンド22も並進移動するように制御し、仮想座標系P
が傾いた場合にはハンド22も同様に傾くように制御す
るものとしているのである。
【0049】次に、仮想座標系Pの運動については、こ
れが受ける外力を基にして、スレーブ6のコントローラ
8により演算を行って逐次その制御内容を求めるように
なっている。この場合、まず、力覚センサ23により検
出された固有の力覚データは、座標系の各座標軸に沿っ
た方向への並進力を示す力覚データと、各座標軸の回り
に回転力(トルク)の力覚データとして得られるもの
で、これらの力覚データは、座標変換部31にて初期状
態の仮想座標系Pの上で表現される力とトルクの力覚デ
ータに変換されるようになる。
【0050】このように変換された力覚データは、送受
信制御部36内のメモリに転送されると共に、加算部3
2に与えられるようになる。力覚データの通信について
は後述することにして、スレーブ6内部の動作について
続けて説明する。すなわち、加算部32においては、座
標変換部31から与えられる力覚データとマスタ1側か
ら送受信制御部36を介して与えられた力覚データとを
加算してフィルタ演算部33に与えるようになる。
【0051】フィルタ演算部33においては、与えられ
た力とトルクとの力覚データに基づいて、フィルタ演算
処理を行うことにより仮想座標系Pにおける並進変位と
回転角度との制御データに変換するようになる。この場
合、フィルタ演算部33における演算処理においては、
前回の制御周期における制御データに対して今回の制御
データが大きく変動することがないように目標となる並
進変位と回転角度が設定されるようになっている。
【0052】この後、逆変換演算部34においては、仮
想座標系Pに対して設定された並進変位と回転角度とに
対応して、実際のスレーブアーム7のハンド22が移動
すべき目標位置と姿勢とを演算し、この演算結果に基づ
いてスレーブアーム7の各関節部分の回転角度が算出さ
れ、サーボ部35においては、それらの算出された回転
角度のデータに基づいて実際にスレーブアーム7の各関
節のモータを駆動してハンド22を目標位置および姿勢
となるように駆動制御するのである。
【0053】次に、マスタ1のマスタアーム2をオペレ
ータAが操作したときのスレーブ6側の動作について、
図3に示す制御プログラムのフローチャートをも参照し
て説明する。なお、ここではスレーブ6の動作を中心と
して説明するが、マスタ1側のコントローラ3において
も略同様の制御を行うようになっているので、以下マス
タ1の動作についても簡単に説明する。
【0054】すなわち、スレーブ6のコントローラ8
は、マスタ1側からの制御信号によって起動の命令を受
けて制御動作を開始すると、まず、制御周期t(この場
合、例えば2ミリ秒)を計時する計時動作を開始させる
ようになり(ステップS1)、続いて力覚センサ23の
検出出力を力覚データとしてサンプリングし、内部に取
り込むようになる(ステップS2)。
【0055】次に、コントローラ8は、座標変換部31
にて、前述したようにして力覚センサ23から与えられ
た力覚データに対して座標変換処理を行ってこれを加算
部32および送受信制御部36に出力するようになる
(ステップS3)。この場合、送受信制御部36におい
ては、入力された力覚データはメモリ内の所定のアドレ
スに格納記憶されるようになっている。
【0056】続いて、コントローラ8は、加算部32に
おいて、メモリ内の所定アドレスに書き込まれている力
覚データを読出してマスタ1側から通信部9を介して与
えられている力覚データを取り入れるようになる(ステ
ップS4)。そして、コントローラ8は、加算部32に
おいて、仮想座標系P上の力覚データと通信部9から送
受信制御部36を介して読出された力覚データとのベク
トル和の演算を行うようになる(ステップS5)。
【0057】次に、コントローラ8は、フィルタ演算部
33にて、上述した力覚データのベクトル和にフィルタ
処理を行って仮想座標系Pの位置と姿勢とを演算により
求めるようになり(ステップS6)、続いて、スレーブ
アーム7のハンド22先端の目標位置および姿勢を計算
により求めるようになる(ステップS7)。この後、コ
ントローラ8は、逆変換演算部34にて、いま求めた目
標位置および姿勢のデータからスレーブアーム7の6つ
の関節機構に対する目標角度を計算すると共に(ステッ
プS8)、スレーブアーム7の各関節機構の現在の角度
を示すエンコーダ出力の値をサンプリングするようにな
る(ステップS9)。
【0058】そして、コントローラ8は、サーボ部35
にて、スレーブアーム7の各関節機構に対して目標角度
に対するエンコーダ出力の偏差に相当する制御量をモー
タに与えて駆動制御することによりスレーブアーム7の
ハンド22を目標位置および姿勢となるように制御ので
ある(ステップS10)。コントローラ8は、この後、
マスタ1側から停止の命令要求の信号が入力されている
か否かを判定し(ステップS11)、「NO」の場合に
は制御周期t(2ミリ秒)が経過するまで待機して(ス
テップS12)から、再びステップS1に戻って上述の
制御内容を繰り返し実行するようになる。
【0059】また、停止の要求信号が入力されている場
合には、コントローラ8は、スレーブアーム7に対する
制御動作を停止すべく、各部のモータを停止させると共
に、ブレーキを動作させてハンド22の移動を停止させ
(ステップS13)、制御プログラムを終了するように
なる。
【0060】さて、上述のようにスレーブ6が動作する
状態において、マスタ1のマスタアーム2に対してオペ
レータAがグリップ18を操作してこれを所望の位置姿
勢に変位させると、そのときグリップ18の動作に応じ
てグリップ18部分に働いている力を検出する力覚セン
サ19によりそれらの値を力覚データとして検出するよ
うになる。これらの力覚データは、スレーブ6と同様に
して例えば制御周期2ミリ秒でサンプリングされてお
り、逐次送受信制御部30のメモリ内に記憶保持される
ようになっている。
【0061】そして、このようにマスタ1の送受信制御
部30のメモリ内に記憶保持された力覚データは、通信
部4によって所定の通信周期Tでスレーブ6側の通信部
9との間で力覚データの伝達が行われるようになる。こ
の場合に、通信周期は、マスタ1,スレーブ6の各内部
で行われる制御周期t(2ミリ秒)とは無関係でしかも
通常においてはそれよりも長い時間に設定されるように
なっている。
【0062】したがって、スレーブ6においては、通信
部9がマスタ1の通信部4との通信により得られた力覚
データの値は、次に通信を行うまで同じ値の力覚データ
としてメモリ内に保持されていることになる。そして、
この間にスレーブ6内においては、所定の制御周期tで
スレーブアーム7の駆動制御を行うので、何回かはマス
タ1側からの同じ力覚データに基づいて制御動作を行う
ことになるが、フィルタ演算部33にて力覚データが急
激に変動しても目標位置および姿勢が急激に変動せず、
徐々に変動するように演算して駆動制御するようになっ
ているので、通信周期Tが例えば100ミリ秒程度の長
い値に設定された場合でも、それによる制御内容につい
ての不都合は実用上において問題がない程度となって実
質的に解消されるようになる。
【0063】なお、マスタ1側においては、スレーブ6
側と略同様の駆動制御動作を行っており、前述したスレ
ーブ6の制御プログラムに準じた制御プログラムにてコ
ントローラ3によりマスタアーム2のグリップ18の位
置姿勢を駆動制御するようになっている。なお、この場
合においては、オペレータAがグリップ18を操作した
ときに、その操作力を補助するようにコントローラ3に
より補助力を与えるように駆動制御され、少ない力でグ
リップ18を操作させることができるようになる。
【0064】このような本実施例によれば、基本的には
力覚データのみをマスタ1とスレーブ6との間で伝達さ
せる構成としているので、系を安定した動作で駆動制御
することができるようになり、この結果、マスタ1やス
レーブ6内での制御周期tよりも長い通信周期Tで力覚
データの授受を行ってもスレーブ6の制御状態に急激な
力を作用させたり動作状態が不安定に陥るという従来の
不具合を解消することができる。そして、このことは、
通信タイミングが遅れたりあるいは通信環境が劣悪な場
合でアクセスするまでの遅れ時間が発生する状況下にお
いてもスレーブ6の動作に悪影響を及ぼすのを防止する
ことができるようになることを示しているものである。
【0065】また、本実施例によれば、コントローラ
3,8にはそれぞれ座標変換部25,31を設けてマス
タアーム2あるいはスレーブアーム7の規模やタイプが
異なる場合でも、それらの間での力覚データの変換を一
定の仮想座標系Pに一旦変換した状態で取り扱うことが
できるようになり、内部におけるデータの形式をその都
度対応させるという複雑な手間をかける必要がなくな
り、座標変換部25,31において対応できる構成とし
ておくだけで対応できるようになる。
【0066】さらに、本実施例においては、通信部4,
9間で、基本的には力覚データのみの伝達を行う構成と
しながら、非常時に停止を行なわせるための信号の授受
を可能とし、この非常停止信号を受けたときには優先的
に停止制御を行う構成としたので、緊急に停止する必要
がある場合には迅速に対応することができ、これによっ
て万一の事故の発生にも的確に対応することができるよ
うになる。
【0067】そして、本実施例においては、マスタ1側
において、マスタアーム2のグリップ18が操作される
ことに対応して、コントローラ3によってグリップ18
の動作を補助するように補助力を与える構成としている
ので、グリップ18の操作性が高くなる。
【0068】図5ないし図10は本発明の第2の実施例
を示すもので、以下、第1の実施例と異なる部分につい
て説明する。すなわち、この実施例においては、マスタ
1およびスレーブ6にそれぞれ設けられている送受信制
御部37,38の構成が以下のように異なる構成とされ
ている。
【0069】すなわち、マスタ1の送受信制御部37
は、前述の送受信制御部30に加えて、送信力覚増幅部
39,受信力覚増幅部40,送信力覚座標変換部41,
受信力覚座標変換部42を備えた構成とされ、スレーブ
6の送受信制御部38は、送受信制御部36に加えて、
送信力覚増幅部43,受信力覚増幅部44,送信力覚座
標変換部45および受信力覚座標変換部46を備えた構
成とされている。
【0070】そして、マスタ1のコントローラ3におけ
る座標変換部25から出力される力覚データは、送信力
覚増幅部39および送信力覚座標変換部41を介して送
受信制御部30に与えられるようになっており、一方、
送受信制御部30から出力される力覚データは、受信力
覚座標変換部42および受信力覚増幅部40を介して加
算部26に与えられるようになっている。
【0071】また、スレーブ6のコントローラ8におけ
る座標変換部31から出力される力覚データは、送信力
覚増幅部43および送信力覚座標変換部45を介して送
受信制御部36に与えられるようになっており、一方、
送受信制御部36から出力される力覚データは、受信力
覚座標変換部46および受信力覚増幅部44を介して加
算部32に与えられるようになっている。
【0072】この場合、例えばマスタ1において、送信
力覚増幅部39は、あらかじめ設定された増幅率K(例
えば5)で入力された力覚データの値を増幅して出力す
るもので、逆に受信力覚増幅部40は増幅率Kの逆数の
増幅率1/Kで入力される力覚データの値を増幅(減
衰)して出力するものである。つまり、増幅部39およ
び40により、マスタ1からスレーブ6に送信する力覚
データをKという力覚ダイナミックレンジで変換するも
のである。
【0073】また、マスタ1の送信力覚座標変換部4
1,受信力覚座標変換部42、あるいはスレーブ6の送
信力覚座標変換部45,受信力覚座標変換部46は、後
述するように、マスタ1のマスタアーム2の操作を行う
場合の座標系とスレーブ6のスレーブアーム7の駆動制
御を行う場合の座標系との間で互換性を持たせるための
もので、これによって、マスタアーム2の位置姿勢をオ
ペレータAが操作しやすい配置状態として操作を行うこ
とができ、また、作業対象物Wに対してスレーブアーム
7の位置姿勢を適切に配置した状態とすることができる
ようになるものである。
【0074】さて、この実施例においては、新たに付加
された機能として次に説明する内容の動作が行われる。
まず、増幅部を設ける構成については、例えば、次のよ
うな状況に対応しようというものである。すなわち、例
えば、遠隔操作によりスレーブアーム7のハンド22に
ボールペンを用いて文字を書かせるといった作業を行な
わせる場合に、実際にスレーブアーム7による動作によ
ってボールペンが紙を押し付ける力が大き過ぎると、紙
を損傷してしまって好ましくないため、実際には、例え
ば、押し付け力を0〜200グラム程度の範囲に制御す
ることが好ましい。
【0075】ところが、遠隔操作を行うオペレータAが
例えば0〜1000グラムの範囲の力で操作を行うと仮
定すると、オペレータAの操作力の望ましいダイナミッ
クレンジと作業を通じてスレーブアーム7が受ける力の
望ましいダイナミックレンジとが異なる範囲になる。こ
のような場合でも、オペレータAがスレーブアーム7の
ダイナミックレンジに対応するように気をつけて操作を
行うといった煩わしいことを行うことなく、自由に操作
を行えるように、両者の間のダイナミックレンジの変換
を行うようにしたのが増幅部39,40,43,44の
働きである。
【0076】つまり、ダイナミックレンジの変換比率K
を例えば「5」として設定しておくことにより、マスタ
1側の力覚データを送信する際にそれを5分の1にして
スレーブ6側に送信し、スレーブ6側から送信される力
覚データを5倍して伝達するように構成しているのであ
る。これにより、オペレータAが1000グラムの力で
操作した力覚データは5分の1の200グラムの力の力
覚データとしてスレーブアーム7が駆動されるのであ
る。
【0077】また、このようなダイナミックレンジの変
換を特に行う必要がない場合には、力覚ダイナミックレ
ンジKの値を「1」として設定しておくことで、実質的
に変換を行わないようにすることができる。
【0078】また、力覚座標変換部を設ける構成につい
ては、作業の内容をカメラ10により撮影してモニタ5
によって確認しながら行うことに起因して発生する次の
ような状況に対応しようというものである。すなわち、
一般に、オペレータAにとって、自分が操作するマスタ
アーム2のグリップ18の運動の前後,左右あるいは上
下の方向に対して、モニタ5に映し出されるスレーブア
ーム7の前後,左右あるいは上下の動作方向が一致して
いない場合には、操作が非常に行いにくくなり不便であ
る。そこで、これら両者が任意の位置関係にある状態で
もオペレータAに対するモニタ5の画面に整合性を持た
せるために座標変換の演算を行うものである。
【0079】この場合、例えば、マスタアーム2,スレ
ーブアーム7の位置関係とオペレータAの視線方向とカ
メラ10の視線方向とが図8に示すような関係にある場
合を考える。いま、マスタアーム2の座標系MA(x,
y,z)において、x軸をオペレータAの後方に,y軸
を右方に,z軸を上方にとり、スレーブアーム7の座標
系SA(X,Y,Z)において、X軸を基準位置の前方
に,Y軸を左方に,Z軸を上方にとる場合では、両者の
間の相関は、SA(X,Y,Z)とMA(−x,−y,
z)という関係として運動を対応させる必要がある。
【0080】そこで、スレーブアーム7の初期状態の仮
想座標系Pで表現された力とトルクの力覚データ(F
x,Fy,Fz,Tx,Ty,Tz)は、送信力覚座標
変換部45にて次に示す式(1)の変換を行って通信部
9側からマスタ1の通信部4に送信するようにしてい
る。なお、ここで、Fx,Fy,FzはそれぞれX軸,
Y軸,Z軸方向への力を示し、Tx,Ty,Tzはそれ
ぞれX軸,Y軸,Z軸回りのトルクを示している。
【0081】
【数1】
【0082】また、逆に、マスタ1の通信部4から送信
された力覚データつまりマスタアーム2の初期状態の仮
想座標系Pで表現された力とトルクの力覚データ(f
x,fy,fz,tx,ty,tz)については、コン
トローラ8内に入力する際に受信力覚座標変換部46に
て式(2)で示す変換を行ってから出力するようにして
いる。なお、ここで、fx,fy,fzはそれぞれx
軸,y軸,z軸方向への力を示し、tx,ty,tzは
それぞれx軸,y軸,z軸回りのトルクを示している。
【0083】
【数2】
【0084】また、一般的には、図9に示すように、ス
レーブアーム7の第1関節の初期状態の位置が前述した
ベース座標系Bから角度θだけ回転している場合には、
上述した式(1),(2)を用いて変換処理を行う代わ
りに、次に示す式(3)および式(4)の座標変換を行
えば良く、さらには、式(3),(4)中のθの値を
「0」に設定すれば式(1),(2)として得ることが
できるようになる。
【0085】
【数3】
【数4】
【0086】上述のようにして座標変換処理を行うこと
により、モニタ5の映像を見ながらマスタアーム2のグ
リップ18の操作をする際に、スレーブアーム7のハン
ド22の動作との間に整合性を持たせることができるの
で、円滑な操作を行うことができるようになる。なお、
上述のような座標変換処理を行う必要がない場合には、
座標変換行列に相当する式を単位行列に設定することに
より対処することができるようになっている。
【0087】また、本実施例の構成においては、オペレ
ータAによるマスタアーム2のグリップ18の操作でス
レーブアーム7のハンド22を駆動制御させる場合に、
所定の作業内容に対する作業の完遂度合いを判定する機
能を備えている。
【0088】なお、このような機能を設ける理由として
は、例えば、図10に示すように、スレーブアーム7の
ハンド22によってワークWを把持した状態で、そのワ
ークWを載置すべきトレイ47に対して図示の状態に駆
動制御させたときに、オペレータAが作業に慣れていな
い場合にはマスタアーム2のグリップ18に載置したと
きの力覚データによる力が再現されたときにその感覚を
的確に把握することが難しい場合がある。そして、この
ような状況においては、一般的にモニタ5を見ながら操
作を行うことになるが、認識したい部分が陰となってし
まって画面上で確認できなくなる場合があり、このた
め、ワークWがトレイ47に押さえ付けられて端部に損
傷を与えてしまうなどの不手際が生ずることになる。
【0089】そこで、あらかじめコントロール3および
8内で力覚データの値が指定範囲にあるときにモニタ5
の画面上に表示したり、あるいはブザー音などを発して
オペレータAにその状態にあることを促すように構成さ
れているのである。これによって、オペレータの作業効
率が向上すると共に、ワークWへの損傷等の発生も極力
防止することができるようになるものである。
【0090】さて、上述の構成においては、それぞれマ
スタ1およびスレーブ6の各コントローラ3,8におい
ては第1の実施例と同様の動作を行うようになっている
が、そのとき、双方の間で授受される力覚データが次の
ようにして処理されるようになっている。図6にはマス
タ1側の通信プログラムを示し、図7にはスレーブ6側
の通信プログラムを示しており、以下、これら図6,7
を参照すると共に、図8ないし図10も参照しながら、
制御動作の内容について説明する。なお、以下の説明に
おいて、マスタ1の送受信制御部37のことを単に「マ
スタ」と呼び、スレーブ6の送受信制御部38のことを
単に「スレーブ」と呼んで制御内容について説明するこ
ととする。
【0091】まず、「マスタ」は、図6の通信プログラ
ムのフローチャートにしたがって動作を開始すると、起
動開始の処理を行い(ステップA1)、続いて通信周期
Tを例えば100ミリ秒として設定し(ステップA
2)、スレーブ6の通信部9に通信開始信号を送信する
ようになる(ステップA3,図中「イ」で示す破線の矢
印も参照)。
【0092】これを受けて、「スレーブ」においては、
図7の通信プログラムのフローチャートにしたがって動
作を開始すると、マスタ1の通信部4から通信開始信号
を受信すると(ステップB1,図中「イ」で示す破線の
矢印も参照)、力覚ダイナミックレンジK(例えば
「5」)を設定し(ステップB2)、この後、マスタ1
の通信部4に通信開始受諾信号を送信するようになる
(ステップB3,破線矢印「ロ」参照)。この後、「ス
レーブ」は、コントローラ8に制御開始命令信号を出力
し(ステップB4)、双方向通信を開始させるようにな
り(ステップB5)、この状態でマスタ1の通信部4か
ら力覚データが送信されてくるのを待機するようになる
(ステップB6)。
【0093】「マスタ」においては、通信部4にてスレ
ーブ6の通信部9から通信開始受諾信号を受信すると
(ステップA4)、コントローラ3に制御命令開始信号
を出力するようになり(ステップA5)、これによって
双方向通信を開始させるようになる(ステップA6)。
そして、次に、「マスタ」は、座標変換部25から力覚
データをメモリ内の所定アドレスから読出し(ステップ
A7)、続いて読出した力覚データをスレーブ6の通信
部9に送信すると(ステップA8)、送信動作を完了し
て(ステップA9)、この後、通信周期Tの半分の時間
T/2(半周期つまり50ミリ秒)が経過するまで待機
するようになる(ステップA10)。
【0094】半周期の待機状態が終了すると、「マス
タ」は、スレーブ6の通信部9に対して力覚データ要求
信号を出力するようになる(ステップA11)。なお、
上述の場合に、無線LAN回線を用いたイーサネット1
1では、使用環境の空間における電波環境の影響によ
り、マスタ1の通信部4とスレーブ6の通信部9との間
での通信が可能となるまでの時間が未知であり、上述し
た半周期の待機を行う期間は場合によって変動するもの
となる。さらに、このような通信が可能となる時間が変
動する場合でも、前述したように、マスタ1およびスレ
ーブ6のそれぞれにおける駆動制御については支障を来
すものではない。
【0095】なお、「マスタ」においては、各増幅部3
9,40は力覚ダイナミックレンジKの値が「1」に設
定されており、各力覚座標変換部41,42においては
座標変換を実質的に行わないでそのまま出力するように
設定されている。
【0096】一方、「スレーブ」においては、マスタ1
の通信部4から送信された力覚データを受信すると(ス
テップB7)、これによって受信動作が完了し(ステッ
プB8)、この後、いま受信した力覚データに基づいて
受信力覚座標変換部46にて式(2)あるいは式(4)
で示した座標変換の演算を実行し(ステップB9)、続
いて、座標変換された力覚データを受信力覚増幅部44
にて1/K倍に増幅(K分の1に減衰)してメモリの所
定アドレスに記憶させるようになる(ステップB10,
11)。「スレーブ」は、マスタ1の通信部4からの通
信要求信号を受信するのを待機するようになる。
【0097】そして、この後、「スレーブ」は、マスタ
1の通信部4から送信される通信要求信号を受信すると
(ステップB12)、コントローラ8内の座標変換部3
1から出力された力覚データを記憶しているメモリの所
定アドレスから読出し(ステップB13)、その力覚デ
ータを送信力覚増幅部43にて力覚ダイナミックレンジ
K(=5)で増幅演算すると共に(ステップB14)、
送信力覚座標変換部45にて前述の式(3)に示す座標
変換処理を行う(ステップB15)。続いて、「スレー
ブ」は、こうして得られた力覚データを通信部9を介し
てマスタ1の通信部4に送信するようになり(ステップ
B16)、これにて送信処理を完了する(ステップB1
7)。
【0098】さて、「マスタ」においては、スレーブ6
の通信部9から力覚データを受信すると(ステップA1
2)、これにて受信動作を終了し(ステップA13)、
この後、いま受信した力覚データをメモリ内の所定アド
レスに書き込み(ステップA14)、半周期T/2(5
0ミリ秒)だけ制御を休止する(ステップA15)。そ
して、「マスタ」は、この後、オペレータAによる停止
要求がある場合にはこれを停止要求信号としてスレーブ
6の通信部9側に送信し(ステップA16)、続いて、
そのような停止要求がなかった場合にはステップA7に
戻って再び上述の処理を繰り返すようになる(ステップ
A17)。
【0099】そして、停止要求があった場合には、「マ
スタ」はコントローラ3に制御停止命令信号を出力して
(ステップA18)、双方向通信の処理を停止し(ステ
ップA19)、こののち通信制御プログラムを終了する
ようになる。
【0100】また、「スレーブ」においても、マスタ1
の通信部4から停止要求の信号を受信しなかった場合に
はステップB6に戻って再び上述の処理を繰り返すよう
になり(ステップB19)、停止要求信号を受信した場
合にはコントローラ8に制御停止命令信号を出力する
(ステップB20)と共に、双方向通信の処理を停止し
(ステップB21)、通信制御プログラムを終了するよ
うになる。
【0101】このような第2の実施例によれば、第1の
実施例の効果に加えて、次のような効果を得ることがで
きる。すなわち、力覚増幅部39,40,43,44を
設けてマスタ1とスレーブ6との間でダイナミックレン
ジが異なる場合でも増幅率Kで設定する力覚ダイナミッ
クレンジの値で変換処理を行うことにより、オペレータ
Aによるマスタアーム2のグリップ18に対する操作力
をオペレータAに対応した設定状態としながら、スレー
ブアーム7によるハンド22の動作を適切な操作力で駆
動制御することができるようになり、操作性の向上を図
ることができるようになる。
【0102】また、本実施例によれば、力覚座標変換部
41,42,45,46を設けることにより、作業の内
容をカメラ10により撮影してモニタ5によって確認し
ながらマスタアーム2のグリップ18を操作する際に発
生する視点の違いによる操作性の不具合を解消すること
ができるようになる。
【0103】本発明は、上記実施例にのみ限定されるも
のではなく、次のように変形また拡張できる。本発明
は、操縦装置および作業装置の双方に、マスタ1および
スレーブ6によるロボット・マニピュレータを用いる構
成としているが、一般的な機械全般に適用することがで
き、例えば、単純な関節構造を有するロボットや、エク
ソスケルトン形のマスタや、あるいはマイクロマシン,
遠隔操縦車などをスレーブとして用いることができる。
【0104】マスタ1とスレーブ6との間における通信
周期は適宜の時間に設定することができる。無線LAN
回線以外の無線通信回線を用いたり、有線通信回線を用
いて伝達手段を構成するものにも適用することができ
る。ワークWの所定作業に対する適正範囲内の報知をブ
ザーなどの専用の報知手段を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す全体のブロック構
成図
【図2】全体構成の概略説明図
【図3】スレーブの制御プログラムのフローチャート
【図4】スレーブアームの座標系の作用説明図
【図5】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図6】マスタ側の通信部の制御プログラムのフローチ
ャート
【図7】スレーブ側の通信部の制御プログラムのフロー
チャート
【図8】マスタ側とスレーブ側との座標系が異なる場合
の位置関係の説明図(その1)
【図9】マスタ側とスレーブ側との座標系が異なる場合
の位置関係の説明図(その2)
【図10】所定作業時の力覚データの許容範囲を説明す
るためのハンドの部分を示す図
【符号の説明】
1はマスタ(操縦装置)、2はマスタアーム(操縦用機
械)、3はコントローラ(操縦側制御手段)、4は送信
装置(伝達手段)、5はモニタ、6はスレーブ(作業装
置)、7はスレーブアーム(作業用機械)、8はコント
ローラ(作業側制御手段)、9は送信装置(伝達手
段)、10はカメラ(撮像手段)、11はイーサネット
(伝達経路)、12,13は無線LANアンテナ、14
は映像信号ライン、15は送信アンテナ、16は受信ア
ンテナ、17は操作卓、18はグリップ(操作部)、1
9は力覚センサ(操縦側力覚検出手段)、20はケーブ
ル、21は基台、22はハンド(作用部)、23は力覚
センサ(作業側力覚検出手段)、24はケーブル、25
は座標変換部(補正手段)、26は加算部、27はフィ
ルタ演算部(フィルタ手段)、28は逆変換演算部、2
9はサーボ部、30は送受信制御部、31は座標変換部
(補正手段)、32は加算部、33はフィルタ演算部
(フィルタ手段)、34は逆変換演算部、35はサーボ
部、36は送受信制御部、37,38は送受信制御部、
39は送信力覚増幅部(操縦側変換手段)、40は受信
力覚増幅部(操縦側変換手段)、41,45は送信力覚
座標変換部(座標変換手段)、42,46は受信力覚座
標変換部(座標変換手段)、43は送信力覚増幅部(作
業側変換手段)、44は受信力覚増幅部(作業側変換手
段)である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操縦装置を操作してその操作信号を送信
    して作業装置を駆動すると共に、その作業装置からの動
    作状態を示す状態信号を受けて操縦装置に再現させるこ
    とにより遠隔操縦を行うようにした遠隔操縦システムに
    おいて、 前記操縦装置は、以下の(1)〜(5)の要素を備える
    と共に、前記作業装置は以下の(6)〜(9)の要素を
    備える構成としたことを特徴とする遠隔操縦システム。
    前記操縦装置は、(1)操作者によって操作可能な操作
    部を有する操縦用機械と、(2)この操縦用機械の操作
    部を駆動制御可能な駆動部と、(3)前記操縦用機械の
    操作部が操作されたときにその操作部を支持している部
    位が受ける力を力覚データとして検出する操縦側力覚検
    出手段と、(4)前記作業装置との間で相互に力覚デー
    タの授受を行う伝達手段と、(5)この伝達手段を介し
    て前記作業装置から伝達された力覚データに基づいて前
    記駆動部に制御信号を与えて前記作業装置が受けている
    力に対応する状態を前記操縦用機械の操作部に再現させ
    る操縦側制御手段とを備え、 前記作業装置は、(6)前記操縦用機械の操作部に対応
    した動作が可能な作用部を有する作業用機械と、(7)
    この作業用機械の作用部を駆動制御可能な駆動部と、
    (8)前記作業用機械の作用部が駆動されたときにその
    作用部を支持している部位が受ける力を力覚データとし
    て検出する作業側力覚検出手段と、(9)この作業側力
    覚検出手段が検出した力覚データと前記伝達手段を介し
    て前記操縦装置側から伝達される力覚データとを合成し
    た力覚データに基づいて前記作業用機械の駆動部に制御
    信号を与えて前記作用部を駆動制御する作業側制御手段
    とを備えている。
  2. 【請求項2】 前記操縦装置側に設けられ前記伝達手段
    により前記作業装置側との間で授受する力覚データを記
    憶する操縦側記憶手段と、 前記操縦装置側に設けられ前記操縦側記憶手段に記憶さ
    れた前記力覚データが読み出されると、その時点で処理
    している力覚データの値との偏差分に相当する変動を連
    続的に変化させるようにして前記操縦側制御手段に出力
    する操縦側フィルタ手段と、 前記作業装置側に設けられ前記力覚データを記憶する作
    業側記憶手段と、 前記作業装置側に設けられ前記作業側記憶手段に記憶さ
    れた前記力覚データが読み出されると、その時点で処理
    している力覚データの値との偏差分に相当する変動を連
    続的に変化させるようにして前記操縦側制御手段に出力
    する作業側フィルタ手段とを備え、 前記伝達手段は、前記力覚データの授受をそれらのサン
    プリング周期よりも長い設定伝達周期で授受するように
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の遠隔操
    縦システム。
  3. 【請求項3】 前記操縦装置と作業装置との間で授受さ
    れる力覚データをあらかじめ設定された変換比率で変換
    する力覚変換手段を設けたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の遠隔操縦システム。
  4. 【請求項4】 前記伝達手段を介して前記操縦装置と作
    業装置との間で授受される力覚データを両者間の設定座
    標系に対応させて座標変換を行う座標変換手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    遠隔操縦システム。
  5. 【請求項5】 前記作業装置の作業用機械による作業時
    に前記作業側力覚検出手段により検出される力覚データ
    があらかじめ設定されている判定値の範囲内にあるか否
    かを判定する判定手段を設けたことを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の遠隔操縦システム。
  6. 【請求項6】 前記操縦装置は、前記操縦側力覚検出手
    段から出力される前記操縦用機械の規模あるいは形式な
    どに対応した力覚データを前記制御手段で扱う所定仕様
    の力覚データに補正して出力する補正手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の遠隔
    操縦システム。
  7. 【請求項7】 前記作業装置は、前記作業側力覚検出手
    段から出力される前記作業用機械の規模あるいは形式な
    どに対応した力覚データを前記制御手段で扱う所定仕様
    の力覚データに補正して出力する補正手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の遠隔
    操縦システム。
  8. 【請求項8】 前記伝達手段は、前記操縦装置と前記作
    業装置との間で、前記力覚データを授受すると共にいず
    れかの装置側から出力された非常停止用の通信信号を授
    受するように構成されていることを特徴とする請求項1
    ないし7のいずれかに記載の遠隔操縦システム。
  9. 【請求項9】 前記操縦装置は、前記操縦用機械が操作
    されると前記力覚検出手段により検出される力覚データ
    に基き前記駆動部に制御信号を与えて補助力を発生させ
    てそのときの操作力を低下させる補助制御手段を備えて
    いることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記
    載の遠隔操縦システム。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003061916A1 (fr) * 2002-01-21 2003-07-31 Toudai Tlo, Ltd. Robot-telephone
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