JPH0831326A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JPH0831326A
JPH0831326A JP18887894A JP18887894A JPH0831326A JP H0831326 A JPH0831326 A JP H0831326A JP 18887894 A JP18887894 A JP 18887894A JP 18887894 A JP18887894 A JP 18887894A JP H0831326 A JPH0831326 A JP H0831326A
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cell
plasma display
display panel
wall
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Kazunari Tanaka
一成 田中
Shozo Otomo
省三 大友
Toshihiro Kato
俊宏 加藤
Takashi Kawai
貴志 河井
Hiroshi Murakami
宏 村上
Takao Kuriyama
孝夫 栗山
Eiji Munemoto
英治 宗本
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Nippon Steel and Sumikin Electronics Devices Inc
Japan Broadcasting Corp
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Sumitomo Metal Ceramics Inc
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォトリソグラフィ法により障壁パターンを
形成し、該障壁パターンを焼成して得た密閉型の障壁の
欠け、欠落、あるいは亀裂の発生を防止し、歩留のよい
プラズマディスプレイパネルを提供する。 【構成】 フォトリソグラフィ法により障壁パターンを
形成し、該障壁パターンを焼成して得た密閉型の障壁を
有し、該障壁により多角形のセルを形成したプラズマデ
ィスプレイパネルである。そして、該障壁のセル内側コ
ーナー部を曲面とし、または交差する障壁の一方の障壁
の線幅を他方の障壁の線幅より細くし、あるいは前記セ
ルを形成する障壁の隣接セル側または外周側の障壁交差
部に、該隣接セル側または外周側から延びる楔状開口部
を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマディスプレイ
パネルに係り、より詳細には、各表示セルを形成する障
壁の交差部に発生する亀裂を防止し、発光時のクロスト
ーク、誤放電などを防止できるようにしたプラズマディ
スプレイパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】まず、プラズマディスプレイパネルの構
造に関し、直流(DC)型プラズマディスプレイパネル
を例にとって説明する。DC型カラープラズマディスプ
レイパネルの一例として模式図を図5に示す。このプラ
ズマディスプレイパネルは、一定の空間を隔てて絶縁板
よりなる前面板1と背面板2を配し、該両板1、2間に
相対向して交差するアノード電極群(陽極)3とカソー
ド電極群(陰極)4を設け、また両電極群3、4間に、
光のクロストークを防ぎ、両電極群3、4間を一定に隔
て、放電空間を確保するための障壁5を設け、該障壁5
により表示セル6と補助セル7を形成し、かつ両電極群
3、4間に希ガスを封入した構成とされている。
【0003】そして、このプラズマディスプレイパネル
の発光は、補助セル7における種火放電から荷電粒子な
どの供給をプライミングパス28を通して受けながら表
示セル6の内部に表示用放電を起こして紫外線を発生さ
せる。この紫外線によって励起された蛍光面8、9、1
0から可視光を得る。従って、このカラープラズマディ
スプレイパネルでは、高輝度を得るためのメモリー駆動
のため、あるいは色滲み防止のため、表示セルを形成す
る障壁は密閉型が必要となる。
【0004】ところで、このプラズマディスプレイパネ
ルにおける障壁は、近年、障壁幅の微細化、寸法精度の
向上およびパネルの大型化の観点から、フォトリソグラ
フィ法を用いた形成法が提案されている(特開平2−1
65538号公報参照)。このフォトリソグラフィ法
は、図6に示すように、基板11上に、障壁粉末と紫外
線硬化樹脂を混合したペースト(スリップ)を塗布して
塗布膜12を設け、この塗布膜12に、遮光マスク13
を用いて障壁パターン部分に紫外線14を照射し露光・
硬化させ、この工程を複数回繰り返すことにより塗布層
15を得る。そして、この塗布層15を一括現像してパ
ターンニングし、非露光部16を溶出することにより所
望とする高さの障壁パターン17を得た後、この障壁パ
ターン17を焼成することにより障壁18を形成する方
法である。そして、この方法によれば、100μm以下
のライン幅およびライン間隔をもち、かつ100μm以
上の障壁高さを有するプラズマディスプレイパネル用の
障壁を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このフォトリ
ソグラフィ法による障壁形成法の場合、次のような問題
がある。すなわち、 感光性ペースト中に、多くの紫外線硬化樹脂を必要
とするため障壁粉末の充填が阻害されるので、焼成時の
障壁パターン収縮率が大きい。 このため密閉型の障壁形状では、該障壁の焼成収縮
方向の均衡が保たれず、コーナー部に亀裂が発生しやす
い。 この亀裂は、発光時の発光漏れ(色滲み)となり、
パネル作成の歩留を低下させる。 また、この亀裂は隣接するセルから荷電粒子などを
過剰に通すため、誤放電を起こす原因となり、パネル作
成の歩留を低下させる。 等の問題がある。
【0006】本発明は、上述した課題に対処して創作し
たものであって、その目的とする処は、障壁の欠け、欠
落、あるいは亀裂の発生を防止し、歩留のよいプラズマ
ディスプレイパネルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そして、上記課題を解決
するための手段としての本発明のプラズマディスプレイ
パネルは、一定の空間を隔てて一対の絶縁板を配し、該
両絶縁板間に相対向して交差するアノード電極群とカソ
ード電極群を設け、かつ該両電極群間にフォトリソグラ
フィ法により形成した障壁パターンを焼成して得た密閉
型の障壁を設け、該障壁により多角形のセルを形成した
プラズマディスプレイパネルにおいて、該障壁のセル内
側コーナー部を曲面とした構成よりなる。
【0008】また、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルは、一定の空間を隔てて一対の絶縁板を配し、該両絶
縁板間に相対向して交差するアノード電極群とカソード
電極群を設け、該両電極群間にフォトリソグラフィ法に
より形成した障壁パターンを焼成して得た密閉型の障壁
を設け、該障壁により多角形のセルを形成したプラズマ
ディスプレイパネルにおいて、該障壁が、線幅の細い障
壁と線幅の広い障壁を有し、かつ該線幅の異なる障壁が
交差する構成としている。
【0009】更に、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルは、一定の空間を隔てて一対の絶縁板を配し、該両絶
縁板間に相対向して交差するアノード電極群とカソード
電極群を設け、かつ該両電極群間にフォトリソグラフィ
法により形成した障壁パターンを焼成して得た密閉型の
障壁を設け、該障壁により多角形のセルを形成したプラ
ズマディスプレイパネルにおいて、該セルを形成する障
壁の隣接セル側または外周側の障壁交差部に、該隣接セ
ル側または外周側から延びる楔状開口部を設けた構成と
している。
【0010】更にまた、本発明のプラズマディスプレイ
パネルは、一定の空間を隔てて一対の絶縁板を配し、該
両絶縁板間に相対向して交差するアノード電極群とカソ
ード電極群を設け、かつ該両電極群間にフォトリソグラ
フィ法により形成した障壁パターンを焼成して得た密閉
型の障壁を設け、該障壁により多角形のセルを形成した
プラズマディスプレイパネルにおいて、該障壁が、線幅
の細い障壁と線幅の広い障壁を有し、かつ該線幅の異な
る障壁が交差し、また該各セルを形成する障壁のセル内
側コーナー部を曲面とした構成よりなる。
【0011】
【作用】本発明のプラズマディスプレイパネルは、各セ
ルを形成する障壁のセル内側コーナー部を曲面としてい
るので、該障壁を焼成して形成する際に、障壁収縮の方
向性が緩和され、その亀裂の発生を抑制でき、発光時の
発光濡れ(色滲み)を防止できる。
【0012】また、各セルを形成する障壁を、線幅の細
い障壁と線幅の広い障壁で形成すると共に、該線幅の異
なる障壁を交差させているので、該障壁の焼成の際に、
線幅の細い障壁の焼成収縮の絶対値が、線幅の広い障壁
の焼成収縮に対してより小さくなることにより、向きの
異なる障壁の収縮バランスが良くなり、その交差部の亀
裂の発生を抑制できる。
【0013】また、各セルを形成する障壁の隣接セル側
または外周側の障壁交差部に、該隣接セル側または外周
側から延びるスリットを設けた後、該障壁の焼成収縮に
より該スリットを開口させる場合は、該スリットが開口
して焼成収縮を緩和・吸収することになるので、亀裂の
発生を抑制できる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を具体化
した実施例について説明する。
【0015】−実施例1− 本実施例のプラズマディスプレイパネルは、前述した従
来技術で説明したように、一定の空間を隔てて絶縁板よ
りなる前面板1と背面板2を配し、該両板1、2間に相
対向して交差するアノード電極3,とカソード電極4,
を設け、また両電極3、4間に、光のクロストークを防
ぎ、両電極群3、4間を一定に隔て、放電空間を確保す
るための密閉状の障壁5を設け、該障壁5により表示セ
ル6と補助セル7を形成し、かつ両電極3、4間に希ガ
スを封入した構成とされている(図5参照)。
【0016】前面板1と背面板2は、ガラス板等よりな
る絶縁基板であって、前面板1の内側には、カソード電
極4が平行に複数本設けられ、また背面板2の内側に
は、アノード電極3が、カソード電極と直交するように
複数本設けられている。アノード電極3は、Ni,Al
等の導体金属、あるいはこれらの合金、更にこれらの金
属に少量のガラスを混入したペーストが用いられ、表示
電極3aと補助電極3bからなる。またカソード電極4
は、酸化インジウム、酸化スズを蒸着した透明電極が用
いられている。
【0017】障壁5は、図1、図5に示すように、アノ
ード電極3に平行な三本の縦障壁5bと、カソード電極
4に平行で、縦障壁5bと直交する複数本の横障壁5a
で形成され、縦障壁5bと横障壁5aにより区画された
複数個の空間に、カソード電極4と表示電極3aにより
四角形の表示セル6が形成されている。そして、この障
壁5が、複数個並列に設けられ、隣接する障壁5,5間
の空間に、補助電極3bとカソード電極4により補助セ
ル7が形成されている。
【0018】ここで、縦障壁5bと横障壁5aの障壁側
コーナー部には、図1に示すように、アール部23が形
成されている。そして、そのアール(曲面)は、その曲
率半径が、障壁幅の1/2以上であることが好ましい。
これは、後述する試験結果を総合的に検討した結果に基
づくものである。
【0019】次に、本実施例のプラズマディスプレイに
おける障壁構造について、その作用・効果を確認するた
めに、図1に示される密閉型の障壁5として、障壁幅:
60μm、表示セルの内径:460×560μm、障壁
高さ:200μmの形状を有する密閉型のコーナー部の
アール(曲面)部の曲率半径を変更して、フォトリソグ
ラフィ法を利用し、No. 1〜No. 5の5種類の障壁を作
成し、それぞれの障壁のコーナー部の亀裂の発生の有
無、アール部を設けたことによる表示セルの開口部の減
少率について観察、測定した。ここで、障壁材料、焼成
温度は一定条件とした。そして、その結果を表1に示
す。
【0020】
【表1】
【0021】そして、表1に示すように、障壁幅:60
μm、表示セルの内径:460×560μm、障壁高
さ:200μmの形状の障壁で、該障壁のコーナー部に
アール部がない場合、該コーナー部に亀裂が認められた
(No. 5参照)。これに対して、該コーナー部にアール
部を設けた場合、亀裂は認められなかった(No. 2,3
参照)。ただ、その曲率半径が200μm以上の場合
は、表示セルの開口部が13.4%程度減少するため、
パネル化したとき発光輝度の低下が予想される。またア
ール部を有し、その曲率半径が25μm以下の場合は、
亀裂が認められた(No. 1参照)。これは、焼成の際の
収縮を完全に吸収することができないことによると考え
られる。このことより、該障壁のコーナー部にアール部
を設けることの作用・効果が確認できると共に、該アー
ル部は、障壁幅の1/2以上が好ましいことが確認でき
た。
【0022】なお、前述した実施例は、障壁幅:60μ
m、表示セルの内径:460×560μm、障壁高さ:
200μmの形状の障壁のもので説明したが、該アール
部の寸法は、障壁幅、表示セルの大きさ(障壁の長さ、
高さ)、障壁焼成収縮率(障壁材料、焼成温度等によっ
て可変)等によって決定される。
【0023】−実施例2− 本実施例のプラズマディスプレイパネルは、図2に示す
ように、横障壁5aの障壁幅Aを、縦障壁5bの障壁幅
Bより細くした障壁構造を有している。すなわち、フォ
トリソグラフィ法によって障壁パターンを作成する際
に、該横方向の障壁パターンの線幅を、縦方向の障壁パ
ターンの線幅より細くし、該障壁パターンを焼成の際の
収縮による影響を除いた障壁構造を有している。
【0024】ここで、縦障壁5bの障壁幅Bと、横障壁
5aの障壁幅Aは、障壁高さが、200μm、表示セル
の内径が、420μm×550μmの場合で、横障壁5
aの障壁幅Aを縦壁壁5bの障壁幅Bより、好ましくは
20μm以上細くした場合が好ましい。これは、後述す
る試験結果を総合的に検討した結果に基づくものであ
る。
【0025】次に、本実施例のプラズマディスプレイに
おける障壁構造について、その作用・効果を確認するた
めに、図2に示される密閉型の障壁5を、障壁高さが、
200μm、表示セル内径が、420μm×550μm
とし、その縦障壁と横障壁の障壁幅を変えて、フォトリ
ソグラフィ法を利用し、No. 1〜No. 5の5種類の障壁
を作成し、それぞれの障壁のコーナー部の亀裂の発生の
有無について、観察、測定した。ここで、障壁材料、焼
成温度は一定条件とした。そして、その結果を表2に示
す。
【0026】
【表2】
【0027】そして、その結果、表2に示すように、横
障壁の障壁幅と、縦障壁の障壁幅を同幅とした場合(N
o. 5参照)、および横障壁の障壁幅を、縦障壁の障壁
幅より太くした場合(No. 4参照)は、該障壁のコーナ
ー部に亀裂が認められた。これに対して、該横障壁の障
壁幅を縦障壁の障壁幅より細くした場合、該亀裂が認め
られなかった。これは、前述した通り、横障壁の焼成収
縮の絶対値が、縦障壁の焼成収縮に対してより小さくな
ることにより、特に補助セル側の縦障壁とそれに交差す
る横障壁の収縮バランスが良くなるためと考えられる。
ただし、横障壁の障壁幅が、30μm未満の場合(No.
3参照)は、該横障壁に欠落や欠けが発生した。これ
は、後述する実施例4により解決することができる。こ
のことより、該横障壁の障壁幅を縦障壁の障壁幅より細
くすることによる作用・効果が確認できると共に、該横
障壁の障壁幅を縦障壁の障壁幅より好ましくは20μm
以上細くした場合が好ましいことが確認できた。
【0028】従って、本実施例のプラズマディスプレイ
の場合、各セルを形成する障壁のうち、該セルの短辺方
向の障壁幅を、該セルの長辺方向の障壁幅より細くして
いるので、該障壁の焼成の際に、該短辺方向の障壁の焼
成収縮の絶対値が、該長辺方向の障壁の焼成収縮に対し
てより小さくなることにより、両者のバランスが良くな
り、その交差部の亀裂の発生を抑制できる。
【0029】−実施例3− 本実施例のプラズマディスプレイパネルは、図3に示す
ように、各表示セル6を形成する障壁5の補助セル7側
の障壁交差部25に、該補助セル7側から延びる楔状開
口部26を設けた構成よりなる。そして、この構成とす
ることにより、障壁パターンを焼成する際に、横障壁5
aの焼成収縮の絶対値が、縦障壁5bの焼成収縮に対し
てより小さくなることにより、特に補助セル側の縦障壁
とそれに交差する横障壁5aの収縮バランスが良くな
り、その交差部の亀裂の発生を抑制できる。
【0030】ここで、楔状開口部26は、焼成前の障壁
パターンにおいて、図4に示すように、スリットであっ
て、そのスリット幅Eが、横障壁5aの障壁幅Aの1/
2以上で、そのスリット長さFが縦障壁5bの障壁幅B
と同幅若しくはそれ以上であることが好ましい。これ
は、後述する試験結果を総合的に検討した結果に基づく
ものである。
【0031】次に、本実施例のプラズマディスプレイに
おける障壁構造について、その作用・効果を確認するた
めに、図3に示される密閉型の障壁5を、図4の説明図
に示すように、障壁高さ:150μm、表示セルの内
径:420μm×550μm:横障壁の障壁幅A:60
μm、縦障壁の障壁幅B:60μmとし、楔状開口部2
6のスリット幅E、スリット長さF、および障壁交差部
25におけるスリット幅Gを変えて、フォトリソグラフ
ィ法を利用して作成し、それぞれの障壁の剥がれ、障壁
のコーナー部の亀裂の発生の有無について、観察、測定
した。ここで、障壁材料、焼成温度は一定条件とした。
そして、その結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】そして、その結果、表3に示すように、ス
リットを設けなかった場合(No. 5参照)は、コーナー
部に亀裂が発生したのに対して、障壁パターンに、前記
スリットを形成し、該障壁パターンを焼成して障壁4を
作成した場合、収縮による障壁剥がれ、障壁のコーナー
部の亀裂が認められなかった(No. 1、2参照)。た
だ、スリット幅Eが、障壁交差部におけるスリット幅G
より小さいとスリットが形成できず、またスリット幅E
がスリット幅Gの3倍以上であると、スリット形成の効
果が表れなかった(No. 3参照)。またスリット幅E
は、スリット幅G以上であって、スリット幅の3倍未満
であることが好ましいことが確認できた。また、横障壁
の障壁幅Aと、スリット幅Gとの差は、40μm以上確
保することが好ましく、横障壁の障壁幅Aとスリット幅
Gとの差が40μm未満の場合は、障壁強度が確保でき
ず、障壁の欠け、剥がれが発生するため好ましくないこ
とが確認できた(No. 4参照)。このことより、 3G>E>G , A−G≧40 の関係にすることが、より好ましいことが確認できた。
【0034】従って、本実施例のプラズマディスプレイ
によれば、各セルを形成する障壁の隣接セル側の障壁交
差部に、該隣接セル側から延びる楔状開口部を設けてい
るので、該隣接セルの放電空間を広くできると共に、該
障壁の焼成の際に、該開口部が熱収縮を吸収し、その交
差部の断線および亀裂の発生を抑制できる。
【0035】−実施例4− 本実施例のプラズマディスプレイパネルは、前述した実
施例1と実施例2の障壁構造を組み合わせた障壁構造を
有する構成よりなる。すなわち、図7に示すように、縦
障壁5bと横障壁5aの障壁側コーナー部にアール部2
3が形成されると共に、横障壁5aの障壁幅Aを、縦障
壁5bの障壁幅Bより細くした障壁構造を有している。
【0036】次に、本実施例のプラズマディスプレイに
おける障壁構造について、その作用・効果を確認するた
めに、図7に示される密閉型の障壁5を、障壁のセル内
側コーナー部の曲率半径が50μm、25μm、0μ
m、障壁高さが、200μm、表示セルの内径が、42
0μm×550μmとし、その縦障壁と横障壁の障壁幅
を変え、フォトリソグラフィ法を利用し、No. 1〜No.
6の6種類の障壁を作成し、それぞれの障壁のコーナー
部の亀裂の発生の有無について、観察、測定した。ここ
で、障壁材料、焼成温度は一定条件とした。そして、そ
の結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】そして、その結果、焼成後の障壁外観評価
において、欠落の認められた横障壁幅:25μm、縦障
壁幅:50μmで、コーナー部にアール部が形成されて
いないの障壁(実施例2のNo. 3参照)、また亀裂の認
められた縦横障壁幅:60μm、コーナー部に曲率半
径:25μmのアール部が形成されている障壁(実施例
1のNo. 1参照)であっても、表4に示すように、欠
落、欠け、および亀裂が認められなかった(No. 3、N
o. 6参照)。このことから、障壁のコーナー部にアー
ル部を形成し、かつ横障壁を縦障壁より細くすることに
よって、欠け、欠落、亀裂のない障壁が形成できること
が確認できた。
【0039】従って、本実施例のプラズマディスプレイ
によれば、各セルを形成する障壁のコーナー部を曲面と
し、かつ該セルの短辺方向の障壁幅を、該セルの長辺方
向の障壁幅より細くしているので、前述した実施例1と
実施例2の利点を合わせもち、いっそう欠けや亀裂の発
生を防止できる。
【0040】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で変
形実施できる構成を含む。因に、セル配列は、千鳥格子
状等の配列よりなる密閉型の障壁についても同様であ
り、また表示セルの放電空間(開口部)の形状は、四角
形に限定されるものでなく、六角形等の多角形としても
よい。
【0041】ところで、前述した各実施例においては、
セルが、表示セルと補助セルを有する構成で説明した
が、補助セルを有しない構成であってもよい。すなわ
ち、図8に示すような基本単位を有するプラズマディス
プレイに、前述した実施例1〜実施例4を具体化した構
成としてもよい(図9〜図11参照)。さらに前述した
各実施例においては、DC型プラズマディスプレイを例
にとって説明したが、本発明は、その他すべてのプラズ
マディスプレイにもあてはまる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項1のプラズマディスプレイパネルによれば、各
セルを形成する障壁のコーナー部を曲面としているの
で、該障壁を焼成して形成する際に、障壁収縮の方向性
が緩和され、その亀裂の発生を抑制でき、発光時の発光
濡れ(色滲み)を防止できるという効果を有する。
【0043】また、本発明の請求項2のプラズマディス
プレイパネルによれば、各セルを形成する障壁を、線幅
の細い障壁と線幅の広い障壁で形成すると共に、該線幅
の異なる障壁を交差させているので、該障壁の焼成の際
に、線幅の細い障壁の焼成収縮の絶対値が、線幅の広い
障壁の焼成収縮に対してより小さくなることにより、向
きの異なる障壁の収縮バランスが良くなり、その交差部
の亀裂の発生を抑制できる。
【0044】また、本発明の請求項3のプラズマディス
プレイパネルによれば、各セルを形成する障壁の隣接セ
ル側または外周側の障壁交差部に、該隣接セル側または
外周側から延びるスリットを設けた後、該障壁の焼成収
縮により該スリットを開口させる場合は、該スリットが
開口して焼成収縮を緩和・吸収することになるので、亀
裂の発生を抑制できる。
【0045】また、本発明の請求項4のプラズマディス
プレイパネルによれば、該障壁が、線幅の細い障壁と線
幅の広い障壁を有し、かつ該線幅の異なる障壁が交差
し、また該各セルを形成する障壁のセル内側コーナー部
を曲面としてなるので、前述した請求項1と請求項2の
効果を合わせもち、いっそう欠けや亀裂の発生を防止で
きるという効果を有する。
【0046】従って、本発明によれば、発光特性に優れ
たプラズマディスプレイパネルの作成が可能で、かつ高
精細なプラズマディスプレイパネルが歩留よく作成でき
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示し、密閉型障壁の表示セ
ルのコーナー部に曲面を設けた密閉型障壁の構造を示す
概略図である。
【図2】 本発明の実施例を示し、各表示セルを構成す
る横障壁を縦障壁に対して細くした障壁構造を示す概略
図である。
【図3】 本発明の実施例を示し、各セルを構成する隣
接セル側の障壁交差部に、隣接セル側から延びる楔状開
口部を設けた密閉型障壁の構造を示す概略図である。
【図4】 密閉型障壁に設ける楔状開口部の寸法を説明
するための参照図である。
【図5】 プラズマディスプレイパネルの基本単位を示
す模式図である。
【図6】 フォトリソグラフィ法による障壁の形成方法
の説明図である。
【図7】 本発明の実施例を示し、密閉型障壁の表示セ
ルのコーナー部に曲面を設け、かつ各表示セルを構成す
る横障壁を縦障壁に対して細くした密閉型障壁の構造を
示す概略図である。
【図8】 補助セルを有しないプラズマディスプレイパ
ネルの基本単位を示す模式図である。
【図9】 図8のプラズマディスプレイパネルに具体化
した本発明の他の実施例の概略図である。
【図10】 図8のプラズマディスプレイパネルに具体
化した本発明の他の実施例の概略図である。
【図11】 図8のプラズマディスプレイパネルに具体
化した本発明の他の実施例の概略図である。
【符号の説明】
1・・・前面板、2・・・背面板、3・・・アノード電
極群(陽極)、4・・・カソード電極群(陰極)、5・
・・障壁、5a・・・横障壁、5b・・・縦障壁、6・
・・表示セル、7・・・補助セル、8,9,10・・・
蛍光面、11・・・基板、12・・・塗布膜、13・・
・遮光マスク、14・・・紫外線、15・・・塗布層、
16・・・非露光部、17・・・障壁パターン、18・
・・障壁、21・・・障壁交差部、23・・・アール
部、25・・・障壁交差部、26・・・楔状開口部、2
8・・・プライミングパス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 俊宏 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 河井 貴志 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 村上 宏 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 栗山 孝夫 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 宗本 英治 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の空間を隔てて一対の絶縁板を配
    し、該両絶縁板間に複数の電極群およびフォトリソグラ
    フィ法により形成した障壁パターンを焼成して得た密閉
    型の障壁を設け、該障壁により多角形のセルを形成した
    プラズマディスプレイパネルにおいて、該障壁のセル内
    側コーナー部を曲面としたことを特徴とするプラズマデ
    ィスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 一定の空間を隔てて一対の絶縁板を配
    し、該両絶縁板間に複数の電極群およびフォトリソグラ
    フィ法により形成した障壁パターンを焼成して得た密閉
    型の障壁を設け、該障壁により多角形のセルを形成した
    プラズマディスプレイパネルにおいて、該障壁が、線幅
    の細い障壁と線幅の広い障壁を有し、かつ該線幅の異な
    る障壁が交差することを特徴とするプラズマディスプレ
    イパネル。
  3. 【請求項3】 一定の空間を隔てて一対の絶縁板を配
    し、該両絶縁板間に複数の電極群およびフォトリソグラ
    フィ法により形成した障壁パターンを焼成して得た密閉
    型の障壁を設け、該障壁により多角形のセルを形成した
    プラズマディスプレイパネルにおいて、該セルを形成す
    る障壁の隣接セル側または外周側の障壁交差部に、該隣
    接セル側または外周側から延びる楔状開口部を設けたこ
    とを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 一定の空間を隔てて一対の絶縁板を配
    し、該両絶縁板間に複数の電極群およびフォトリソグラ
    フィ法により形成した障壁パターンを焼成して得た密閉
    型の障壁を設け、該障壁により多角形のセルを形成した
    プラズマディスプレイパネルにおいて、該障壁が、線幅
    の細い障壁と線幅の広い障壁を有し、かつ該線幅の異な
    る障壁が交差し、また該各セルを形成する障壁のセル内
    側コーナー部を曲面としてなることを特徴とするプラズ
    マディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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