JPH08312533A - 冷凍装置用圧縮機及び冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置用圧縮機及び冷凍装置

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JPH08312533A
JPH08312533A JP15973495A JP15973495A JPH08312533A JP H08312533 A JPH08312533 A JP H08312533A JP 15973495 A JP15973495 A JP 15973495A JP 15973495 A JP15973495 A JP 15973495A JP H08312533 A JPH08312533 A JP H08312533A
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JP
Japan
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compressor
temperature
refrigerant
oil
refrigerating
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Application number
JP15973495A
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English (en)
Inventor
Masaya Shigenaga
昌弥 繁永
Toshiyuki Natsume
敏幸 夏目
Yukimasa Yano
幸正 矢野
Takahiro Okamoto
高宏 岡本
Shigeji Taira
繁治 平良
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍機油として非相溶油を用いても、圧縮機
起動時における信頼性を確保することが可能な冷凍装置
用圧縮機及び冷凍装置を提供する。 【構成】 冷凍機油として非相溶油を用いる圧縮機41
において、ケーシング1の下端部Aと低圧部Bとを電磁
弁8の介設された液吸上管2で接続する。制御器11
は、吐出管温度Td及び外気温度Twに基づいて、圧縮
機起動時に電磁弁8を一定時間T開弁する。またデフロ
スト運転後の起動である場合にも、電磁弁8を開弁す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷媒との間に相互溶
解性が乏しい非相溶油を冷凍機油として用いた冷凍装置
用圧縮機、及びその圧縮機を用いた冷凍装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図2は、この発明の冷凍装置の一実施例
を示す冷媒回路図であるが、この図を用いて従来例の冷
凍装置を説明する。この冷凍装置は、圧縮機41の吐出
管7、凝縮器42、膨張弁43、蒸発器44及び圧縮機
41の吸込管13を、順次第1ガス管45a、第1液管
45b、第2液管45c及び第2ガス管45dで環状に
接続し、さらに第1液管45bに第1電磁弁47を介設
する一方、第1ガス管45aと第2液管45cとの間を
第2電磁弁48が介設されたバイパス配管46で接続し
ている。また同図において49はアキュムレータであ
り、これは液冷媒を一旦貯溜してから蒸発させることに
より、圧縮機41での液圧縮を防止すべく設けられたも
のである。さらに同図において50はCPU、メモリ、
入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータ
で構成された制御装置であり、冷凍装置全体の制御を行
うものである。
【0003】上記構成の冷凍装置において冷凍運転を行
う場合には、制御装置50は第1電磁弁47を開弁する
一方で第2電磁弁48を閉弁し、さらにこの制御装置5
0からの圧縮機起動指令に従って圧縮機41内の駆動モ
ータがその圧縮機構の駆動を開始する。これによって圧
縮機41から冷媒が吐出され、凝縮器42、膨張弁4
3、蒸発器44を順次流通したのち再び圧縮機41に吸
入されて、冷媒が上記冷媒回路中を循環するようになっ
ている。そして冷媒回路中を循環する冷媒を媒体として
蒸発器44で吸収した熱量を凝縮器42で放出し、冷凍
装置として作用している。
【0004】また上記のような冷凍運転においては、蒸
発器44は大気中の湿気を含んだ空気を冷却するので、
これを継続すると蒸発器44に霜が付着する場合があ
る。このような霜は蒸発器44の熱伝達特性を低下させ
て冷凍運転の効率を低下させるものであるため、除去す
る必要がある。そこで制御装置50は、蒸発器44に霜
が付着したことを検知するとデフロスト運転指令を発
し、デフロスト運転を開始すべく第1電磁弁47を閉弁
する一方で第2電磁弁48を開弁する。すると高温の吐
出冷媒が圧縮機41から直接に蒸発器44に流入するの
で、蒸発器44の温度が上昇して付着した霜が除去され
るようになっている。
【0005】ところで以上のような冷凍装置の冷媒とし
て、近年ではハイドロフルオロカーボンを主成分とする
HFC134a等のHFC系冷媒が用いられる。そして
冷凍機油としては、冷媒との相互溶解性が重要な特性の
一つとなることから、PAG(ポリエーテル)やエステ
ル系冷凍機油が用いられてきた。ところがPAGやエス
テル系冷凍機油では、従来の冷媒(例えばHCFC22
等)に対して用いられていた冷凍機油と比較して電気絶
縁性が低く、また吸湿性が高いものとなっている。従っ
て上記のような冷凍機油を用いた圧縮機では長期信頼性
が低く、また取扱い容易性が低いという問題があった。
【0006】そこでこの問題を解決するためになされた
ものとして、特開平5−157379号公報記載の冷凍
装置を挙げることができる。この冷凍装置では、冷凍機
油としてHFC系の冷媒との間に相互溶解性の乏しいハ
ードアルキルベンゼン油等の非相溶油を用いている。こ
のような非相溶油は、HCFC系冷媒に対して用いてい
た従前の冷凍機油と略同等の電気絶縁性の高さ、あるい
は吸湿性の低さを有しているので、圧縮機41の長期信
頼性及び取扱い容易性を確保することができる。そして
非相溶油が冷媒との間の相互溶解性に乏しいことから生
じる問題に対しては、次のような対策を講じている。す
なわち、例えばアキュムレータ49の配管接続を上下逆
転させて上側を蒸発器44の出口側に接続し、また下側
を圧縮器41の吸入側に接続し、そして上記アキュムレ
ータ49内には下側から上側へと冷媒吸入管を挿入す
る。そしてこの冷媒吸入管の側壁に油戻し孔を設けるこ
とにより、冷媒と共に吐出されてアキュムレータ49内
で液冷媒と分離して貯溜する冷凍機油が、冷媒と溶解せ
ずとも上記油戻し孔から確実に圧縮機41へと戻り、圧
縮機41内の冷凍機油量の減少を防止している。また装
置使用温度に対する冷凍機油の油粘度を所定値以下に管
理することによって、膨張弁43等が冷媒と共に吐出さ
れた冷凍機油によって閉塞されることを回避し、冷凍機
油が圧縮機41に確実に戻る装置を構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図4は、上記従来例の
冷凍装置における圧縮機41下端側の部分断面図であ
る。この圧縮機41では、圧縮機ケーシング1内の下端
部近傍に遠心ポンプ21に連なる油ピックアップ12を
配置し、その摺動部から滴下してきた冷凍機油をこの油
ピックアップ12から吸入し、再び遠心ポンプ21で各
摺動部へ送油するようになっている。なお同図において
13は冷媒を吸入するための吸入管である。
【0008】このような圧縮機41を長時間停止させた
ままにすると、作動時において摺動部に送油されていた
冷凍機油が、およそすべてケーシング1の下端側に滴下
し、その底部に貯溜する状態となる。同図にMで示す一
点鎖線は、上記状態における冷凍機油の最下限油面高さ
を示している。つまりこの圧縮機41は、上記状態にお
いて冷凍機油面が少なくとも上記最下限油面高さMより
も高い位置となる量の冷凍機油を装填して用いられるの
である。ところで圧縮機41が低温なためケーシング1
内部に液冷媒が存するような場合には、この液冷媒も上
記状態においてケーシング1の下端側に集まってくる。
このとき冷凍機油と液冷媒との間には相互溶解性が乏し
いため、これら両者は2相に分離してケーシング1内に
貯溜することになる。通常は液冷媒よりも冷凍機油の方
が比重が小さいため、同図に示すように下端側に液冷媒
層Qが、その上側に冷凍機油層Pが形成されるようにな
る(以下、このような状態を「寝込み状態」といい、そ
してこの寝込み状態において上記両層P、Qが形成され
ているケーシング1の下端側を、本明細書ではケーシン
グ1の底部と称している)。ところがこのとき液冷媒の
液面が上記油ピックアップ12よりも上側となっている
と、油ピックアップ12は液冷媒層Qに浸漬する。従っ
てこの状態で圧縮機41を起動すれば遠心ポンプ21か
らは冷凍機油ではなく液冷媒が各摺動部に送られること
になり、摺動部に焼き付き、磨耗等を生じて圧縮機41
の信頼性が著しく低下するという問題があった。
【0009】この発明は、上記従来の欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、冷凍機油とし
て非相溶油を用いても、圧縮機起動時における信頼性を
確保することが可能な冷凍装置用圧縮機及び冷凍装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の冷凍装
置用圧縮機は、冷凍機油として冷媒との間に相互溶解性
が乏しい非相溶油を用いた冷凍装置用圧縮機において、
圧縮機ケーシング1の底部Aと、圧縮機の作動時にこの
底部Aよりも低圧となるケーシング内の低圧部Bとを液
吸上管2によって接続したことを特徴としている。
【0011】また請求項2の冷凍装置用圧縮機は、回転
軸心を上下方向に有する回転子3と、この回転子3を取
り囲むと共にその内側方に吐出冷媒の流通路を形成する
固定子4とを備えた駆動モータ5と、この駆動モータ5
の下側に配置された圧縮機構6と、その入口側開口7a
が上記回転子3の上端部近傍に配置された吐出管7とを
備え、上記低圧部Bは、上記固定子4の外周側上部近傍
としたことを特徴としている。
【0012】さらに請求項3の冷凍装置は、請求項1又
は請求項2の圧縮機41を用いた冷凍装置において、液
吸上管2に開閉弁8を介設し、さらに圧縮機41の吐出
管温度Tdを検出する第1温度検出手段9と、外気温度
Twを検出する第2温度検出手段10と、制御手段11
とを設け、この制御手段11は、圧縮機起動指令に対応
して、上記吐出管温度Tdと外気温度Twとの温度差が
第1基準温度TH以下であって、かつ外気温度Twが
第2基準温度TH以下であるときに、上記開閉弁8を
開弁するよう構成したことを特徴としている。
【0013】請求項4の冷凍装置は、上記制御手段11
は、デフロスト運転終了後にあった最初の圧縮機起動指
令に対応して、上記開閉弁8を開弁するよう構成したこ
とを特徴としている。
【0014】請求項5の冷凍装置は、上記制御手段11
は、上記開閉弁8を開弁した後、所定時間T経過後に、
その開閉弁8を閉弁するよう構成したことを特徴として
いる。
【0015】
【作用】上記請求項1の冷凍装置用圧縮機では、圧縮機
の作動によって底部Aに貯溜する液冷媒及び冷凍機油が
低圧部Bに吸い上げられて攪拌、混合される。従って圧
縮機停止時に両者が2相に分離して貯溜していても、そ
の作動時には潤滑油として十分な冷凍機油濃度を確保で
き、圧縮機の焼き付き、磨耗等を防止して信頼性の向上
を図ることが可能となる。
【0016】また請求項2の冷凍装置用圧縮機では、圧
縮機構6及び吐出冷媒の流通路から離れた箇所を低圧部
Bとしているので、上記吸い上げによる攪拌、混合は確
実なものとなり、信頼性をさらに向上させることが可能
となる。
【0017】さらに請求項3及び請求項4の冷凍装置で
は、液冷媒と冷凍機油とが圧縮機41に2相に分離して
貯溜する可能性の高い場合に両者が攪拌、混合されるの
で、圧縮機41の安定した動作を確保でき、従って冷凍
装置の信頼性を向上させることが可能となる。
【0018】請求項5の冷凍装置では、その制御が簡素
となるので、安定した動作を容易に確保することが可能
となる。
【0019】
【実施例】次に、この発明の冷凍装置用圧縮機及び冷凍
装置の具体的な実施例について、図面を参照しつつ詳細
に説明する。
【0020】図1は、この発明の圧縮機の一実施例を示
す縦断面図である。この圧縮機41は、密閉形のケーシ
ング1内に駆動モータ5と、その下側に配置された圧縮
機構6とを備え、これら両者が駆動軸20によって連結
されている。そして上記圧縮機構6は、上部架構19、
下部架構18、これら両架構18、19の間に介装され
たシリンダ15及びこのシリンダ15のシリンダ室15
a内に配置されたローラ(ピストン)14を備え、この
ローラ14と上記駆動軸20とがクランク22を介して
結合されている。また同図において12は上記従来例と
同様の油ピックアップであってケーシング1下端部近傍
に設けられ、駆動軸20内に上下方向に延設された遠心
ポンプ21と連通している。さらに同図において13は
冷媒の吸込管であり、ケーシング1を貫通し、シリンダ
15の吸込口15bを介してシリンダ室15aの吸込側
と連通している。そして同図において17は圧縮された
冷媒の吐出通路穴であり、上部架構19、シリンダ15
及び下部架構18を上下に貫通して設けられ、それぞれ
シリンダ室15aの吐出側と連通し、その上端側及び下
端側には吐出通路管16が設けられている。
【0021】一方、上記駆動モータ5は、上記駆動軸2
0に結合され駆動軸20と一体となって回転する回転子
3と、この回転子3をとり囲むように配置された固定子
4と、その両端部を固定子4の両端から上下に突出させ
て固定子4の内周側に設けられたコイル4aとを備えて
いる。そして上記固定子4は、その内周面が上記回転子
3の外周面との間にわずかな隙間を形成する一方、その
外周面がケーシング1に密着して固定されている。また
同図において7は冷媒の吐出管であり、その入口側開口
7aが上記回転子3の上端部近傍に配置されている。
【0022】さらに同図においてAで示すケーシング1
の底部と、Bで示す固定子4の外側上部近傍とが液吸上
管2で接続され、この液吸上管2はその中間部に介設さ
れた電磁弁(開閉弁)8によって、内部の連通と遮断と
が切り替えられるようになっている。そしてこの電磁弁
8は制御器(制御手段)11によって開閉制御されるの
であるが、この制御器11には他に、吐出管7の温度T
dを検出する第1温度検出手段として機能する第1サー
ミスタ9からの吐出管温度信号と、外気温度Twを検出
する第2温度検出手段として機能する第2サーミスタ1
0からの外気温度信号と、冷凍装置全体の制御装置50
(図2参照)から発せられた圧縮機起動指令等の指令信
号とが入力されるようになっている。なお上記制御器1
1は制御装置50と同様に、CPU、メモリ及び入出力
インタフェース等を有するマイクロコンピュータによっ
て構成されたものであり、図示のように制御装置50と
は別に設けてもよいし、また単一のマイクロコンピュー
タによって両者を構成するようにしてもよい。また同図
においてMで示す一点鎖線は、上記従来例と同様に最下
限油面高さを示している。
【0023】次に、上記構成の圧縮機41の動作につい
て説明する。まず冷凍装置全体の制御装置50(図2参
照)から発せられた圧縮機起動指令に従って、駆動モー
タ5の回転子3が駆動軸20を中心にして回転を開始す
る。すると吸込管13を通じて冷媒がケーシング1内に
吸入され、さらにシリンダ吸込口15bからシリンダ室
15aの吸込側に吸入される。ローラ14は、駆動軸2
0に結合されたクランク22によって偏心を伴う回転運
動をシリンダ室15a内で行ない、シリンダ室15aに
吸入された冷媒はこの回転運動によって圧縮される。そ
して圧縮された高温高圧の冷媒は上記吸込側とはブレー
ド(図示せず)によって仕切られたシリンダ室15aの
吐出側から吐出通路穴17を通り、さらに吐出通路管1
6から圧縮機構6の上側及び下側に吐出される。従って
この圧縮機構6の近傍は非常に高温高圧となっている。
【0024】また上記圧縮機構6の上側には駆動モータ
5が配置されているのであるが、上記のようにその固定
子4の外周面がケーシング1と密着して固定されている
ため、上記高圧冷媒は固定子4の外周側を通過すること
はできない。そのため圧縮機構6から吐出された高圧冷
媒は、固定子4の内周面の内側方、例えば回転子3の風
穴等を流通路としてケーシング1の上端側へと流通する
ことになる。すると回転子3の上端部近傍には吐出管7
の入口側開口7aが配置されているので、上記流通路を
上昇してきた高圧冷媒は、そのまま吐出管7から吐出さ
れる。従って駆動モータ5近傍においては、高圧冷媒は
固定子4の内側方に形成された流通路と、この流通路の
上方のみを流通することになり、そのため固定子4の外
周側、特に図1のBで示す固定子4の外周側上部近傍
は、コイル4aによる遮蔽効果も相俟って、ケーシング
1内でも最も圧力の低い低圧部のひとつとなっている。
【0025】一方、冷凍機油は駆動軸20の回転による
遠心ポンプ21の作用によって各摺動部に送油され、そ
して摺動部から滴下してきた冷凍機油は油ピックアップ
12から吸い上げられて、再び遠心ポンプ21によって
各摺動部に送油される。従って圧縮機41が寝込み状態
にあり、図4に示すように液冷媒層Qが底部に形成され
ている状態では上記従来例と同様に油ピックアップ12
が液冷媒層Qに浸漬することとなる。しかしながらこの
状態から電磁弁8を開弁して圧縮機41を駆動すると、
高圧の底部Aと最低圧の低圧部Bとが液吸上管2で連通
することになるため、両者A、Bの圧力差によって底部
Aに貯溜する液冷媒が液吸上管2を介して低圧部Bに確
実に吸い上げられるようになる。これが継続されるとケ
ーシング1の底部Aに貯溜する液冷媒と冷凍機油とが攪
拌されることによって混合するので、油ピックアップ1
2からは潤滑油としての機能を果たすのに充分な冷凍機
油濃度を有する液が確実に吸い上げられることになる。
従って寝込み状態から起動しても圧縮機の焼き付き、磨
耗等を防止することができ、その信頼性の向上を図るこ
とができる。
【0026】図2は、上記構成の圧縮機41を使用した
冷凍装置の一実施例の冷媒回路図である。ここでは冷媒
としてはHFC系冷媒であるHFC134aを、そして
冷凍機油としては非相溶油であるハードアルキルベンゼ
ンを用いている。この冷媒回路の構成、冷凍運転及びデ
フロスト運転等については従来例と同じであるのでここ
での説明は省略し、以下においては主に冷凍装置の起動
時における圧縮機41の制御及び作用について、図3に
示すフローチャートに基づいて説明する。
【0027】冷凍装置の作動は、圧縮機41の起動によ
って開始されるが、冷凍装置全体の制御装置50はその
ために圧縮機起動指令を発する。そして制御器11はこ
の圧縮機起動指令を受けて、図3にそのフローチャート
を示す制御ルーチンを開始する。
【0028】まずステップS1では第1サーミスタ9か
ら吐出管温度Tdを、そして第2サーミスタ10から外
気温度Twをそれぞれ読み込む。次にステップS2にお
いて上記吐出管温度Tdと外気温度Twとの温度差を計
算し、さらにこの温度差を、あらかじめ設定されている
第1基準温度THと比較する。圧縮機41が作動する
と高温の吐出冷媒によって吐出管温度Tdは上昇し、外
気温度Twよりも高くなる。従って上記温度差が一定値
以下であれば、圧縮機41が長時間停止状態にあると判
断でき、そして上記第1基準温度THは、そのような
判断を確実に行うことができる温度として設定されてい
る。そこで上記温度差が第1基準温度TH以下であっ
て圧縮機が長時間停止状態にあると判断されると、さら
に外気温度Twと第2基準温度THとを比較する。圧
縮機41が長時間停止状態にあって、しかも外気温度T
wが一定値以下であるときは、上記したように圧縮機4
1内に液冷媒が貯溜するようになるが、第2基準温度T
は、このように液冷媒が貯溜していることを確実に
判断できる温度として設定されている。従って吐出管温
度Tdと外気温度Twとの温度差が第1基準温度TH
以下(あるいは未満としてもよい)であって、かつ外気
温度Twが第2基準温度TH以下(あるいは未満とし
てもよい)であるときは、圧縮機41が寝込み状態にあ
ると判断することができ、これは液冷媒が底部に貯溜し
ている場合であるので、次にステップS4に進む。
【0029】一方、ステップS2で液冷媒が圧縮機ケー
シング1の底部に貯溜していると判断されなかった時は
ステップS3に進み、上記圧縮機駆動指令がデフロスト
運転終了後に発せられた最初の圧縮機駆動指令か否かを
判断する。デフロスト運転では高圧吐出冷媒が有する熱
量を蒸発器44に与え続けるため、圧縮機41の温度が
下降しやすく、従って外気温度Twの如何にかかわらず
そのケーシング1の底部Aに液冷媒が貯溜する場合があ
る。そこでこのような場合にも、圧縮機駆動指令を受け
たときにはステップS4へと進むようにしている。従っ
て上記ステップS2での判断と合わせて、液冷媒が底部
に貯溜する場合には確実にステップS4へと進むように
なっている。
【0030】次にステップS4では、液吸上管2に介設
された電磁弁8を開弁して図1に示す底部Aと低圧部B
とを連通させ、駆動モータ5を起動する。すると上記し
たように、2相に分離して底部に貯溜する冷凍機油と液
冷媒とが、液吸上管2を通じた攪拌によって混合され
る。そしてステップS5では、上記のような攪拌をT秒
間継続させる。このT秒間の間に圧縮機ケーシング1内
の温度が上昇して液冷媒はガス化するので、油ピックア
ップ12からは冷凍機油のみが吸い上げられることにな
る。そこでステップS6において電磁弁8を閉弁し、一
連の制御ルーチンを終了する。そしてこのように時間経
過による制御によって電磁弁8を閉弁しているので、制
御ルーチンは簡素なものとなり、安定した動作を容易か
つ確実に行うことができる。また制御ルーチンが多少複
雑化してもよい場合であれば、吐出管温度Td及び外気
温度Twに基づいた制御によって閉弁するようにしても
よい。またこのようにステップS6で電磁弁8を閉弁す
るのは、液吸上管2で低圧部Bに吸い上げられた冷凍機
油が吐出冷媒と共に吐出管7から吐出される等の弊害が
生じるおそれを防止するためである。従って液冷媒がケ
ーシング1の底部に貯溜する可能性がなく、ステップS
3からステップS7へと進んだ場合には、電磁弁8は閉
弁させたままで駆動モータ5を起動するようにしてい
る。
【0031】以上にこの発明の具体的な実施例について
説明したが、この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、この発明の範囲内で種々変更して実施すること
ができる。例えば上記実施例では低圧部として図1に示
すように固定子4の外周側上端部近傍Bを選択したが、
これは同図に示すように固定子4の外周側下端部近傍C
としてもよい。この場合には圧縮機構6に近くなるた
め、上端部近傍Bよりもいくらか圧力が高くなる可能性
も考えられる。しかし、吐出通路管16から固定子4の
内側方に形成される冷媒流通路へと至る流路からは離
れ、また固定子4から下側に突出するコイル4aによる
遮蔽効果とも相俟って少なくとも底部Aよりも低圧を確
保することができる。そしてこのような構成を採用した
場合には、液吸上管2が短縮できるので、コストダウン
及び省スペース等の点で有利となる。また上記図1に示
した実施例では、液吸上管2の高圧側をケーシング1の
底部Aの内、特に下端部に接続したものを例示している
が、底部A、つまり液冷媒や冷凍機油の貯溜する部分で
あれば、例えばケーシング1の側面等であってもよい。
この場合には液冷媒Qではなく冷凍機油Pを吸い上げる
場合も考えられるが、いずれを吸い上げても攪拌による
両者の混合はなされるのであるから、配管スペース等を
考慮して接続箇所を選択することができる。
【0032】また図2に示す冷媒回路は一例であって、
例えば四路切換弁を備えたヒートポンプシステムとして
構成してもよく、またデフロスト運転についても同図に
示すホットガスバイパス方式以外に、例えば逆サイクル
方式などを採用してもよい。
【0033】さらに上記実施例では冷媒としてHFC1
34aを用いたが、例えばHFC32、HFC125等
の他のHFC系冷媒を用いてもよいし、これらを混合し
たものでもよい。さらに冷凍機油についても、上記実施
例ではハードアルキルベンゼンを用いたが、上記HFC
系冷媒との間に相互溶解性の乏しい非相溶油、例えばソ
フトアルキルベンゼン、ポリアルファオレフィン、パラ
フィン系鉱油、ナフテン系鉱油等を単独または混合して
用いてもよい。またこれらの冷凍機油に、酸化防止剤、
極圧剤、磨耗防止剤、熱安定性向上剤、消泡剤等を添加
したものを用いてもよい。さらにHFC系冷媒と、上記
冷凍機油との組み合わせに限らず、相互に溶解性の乏し
い冷媒と冷凍機油との組み合わせであれば、本発明を適
用し、その効果を得ることができる。またこの発明は横
置式圧縮機においても実施可能である。
【0034】
【発明の効果】上記請求項1の冷凍装置用圧縮機では、
圧縮機の作動によって底部に貯溜する液冷媒及び冷凍機
油が低圧部に吸い上げられて攪拌、混合される。従って
圧縮機停止時に両者が2相に分離して貯溜していても、
その作動時には潤滑油として十分な冷凍機油濃度を確保
でき、圧縮機の焼き付き、磨耗等を防止して信頼性の向
上を図ることが可能となる。
【0035】また請求項2の冷凍装置用圧縮機では、圧
縮機構及び吐出冷媒の流通路から離れた箇所を低圧部と
しているので、上記吸い上げによる攪拌、混合は確実な
ものとなり、信頼性をさらに向上させることが可能とな
る。
【0036】さらに請求項3及び請求項4の冷凍装置で
は、液冷媒と冷凍機油とが圧縮機に2相に分離して貯溜
する可能性の高い場合に両者が攪拌、混合されるので、
圧縮機の安定した動作を確保でき、従って冷凍装置の信
頼性を向上させることが可能となる。
【0037】請求項5の冷凍装置では、その制御が簡素
となるので、安定した動作を容易に確保することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の冷凍装置用圧縮機の一実施例の縦断
面図である。
【図2】この発明の冷凍装置の一実施例の冷媒回路図で
ある。
【図3】上記実施例の制御ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図4】従来例の冷凍装置用圧縮機の部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 液吸上管 3 回転子 4 固定子 5 駆動モータ 6 圧縮機構 7 吐出管 8 電磁弁 9 第1サーミスタ 10 第2サーミスタ 11 制御器 41 圧縮機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 幸正 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 ダイキン工業株式会社滋賀製作所内 (72)発明者 岡本 高宏 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 ダイキン工業株式会社滋賀製作所内 (72)発明者 平良 繁治 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 ダイキン工業株式会社滋賀製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍機油として冷媒との間に相互溶解性
    が乏しい非相溶油を用いた冷凍装置用圧縮機において、
    圧縮機ケーシング(1)の底部(A)と、圧縮機の作動
    時にこの底部(A)よりも低圧となるケーシング内の低
    圧部(B)とを液吸上管(2)によって接続したことを
    特徴とする冷凍装置用圧縮機。
  2. 【請求項2】 回転軸心を上下方向に有する回転子
    (3)と、この回転子(3)を取り囲むと共にその内側
    方に吐出冷媒の流通路を形成する固定子(4)とを備え
    た駆動モータ(5)と、この駆動モータ(5)の下側に
    配置された圧縮機構(6)と、その入口側開口(7a)
    が上記回転子(3)の上端部近傍に配置された吐出管
    (7)とを備え、上記低圧部(B)は、上記固定子
    (4)の外周側上部近傍としたことを特徴とする請求項
    1の冷凍装置用圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の圧縮機(41)
    を用いた冷凍装置において、液吸上管(2)に開閉弁
    (8)を介設し、さらに圧縮機(41)の吐出管温度
    (Td)を検出する第1温度検出手段(9)と、外気温
    度(Tw)を検出する第2温度検出手段(10)と、制
    御手段(11)とを設け、この制御手段(11)は、圧
    縮機起動指令に対応して、上記吐出管温度(Td)と外
    気温度(Tw)との温度差が第1基準温度(TH)以
    下であって、かつ外気温度(Tw)が第2基準温度(T
    )以下であるときに、上記開閉弁(8)を開弁する
    よう構成したことを特徴とする冷凍装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段(11)は、デフロスト運
    転終了後にあった最初の圧縮機起動指令に対応して、上
    記開閉弁(8)を開弁するよう構成したことを特徴とす
    る請求項3の冷凍装置。
  5. 【請求項5】 上記制御手段(11)は、上記開閉弁
    (8)を開弁した後、所定時間(T)経過後に、その開
    閉弁(8)を閉弁するよう構成したことを特徴とする請
    求項3又は請求項4の冷凍装置。
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JP2007327497A (ja) * 2007-07-17 2007-12-20 Toshiba Kyaria Kk 圧縮機
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