JPH08309834A - 高密着易剥離多層ブロー成形品及びその成形方法 - Google Patents

高密着易剥離多層ブロー成形品及びその成形方法

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JPH08309834A
JPH08309834A JP12271495A JP12271495A JPH08309834A JP H08309834 A JPH08309834 A JP H08309834A JP 12271495 A JP12271495 A JP 12271495A JP 12271495 A JP12271495 A JP 12271495A JP H08309834 A JPH08309834 A JP H08309834A
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resin
molded product
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molding
outer layer
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JP12271495A
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Akira Ota
彰 大田
Satoru Furuki
哲 古木
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/22Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor using multilayered preforms or parisons

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 リサイクル再生樹脂化の容易な高密着易剥離
性の多層ブロー成形品及びそのブロー成形方法を提供す
る。 【構成】 熱可塑性樹脂AとBとが互いに化学的に接着
しない樹脂どうしであって、それぞれの成形収縮率aと
bの大小関係がa<bである2種類の樹脂A,Bを用い
て樹脂Aを外層側の少なくとも一部とし樹脂Bを内層側
として形成された多層パリソンを複数に分割された割金
型で型締めして賦形するブロー成形において、成形品が
まだ金型内にあって冷却されている工程中に、内層樹脂
Bと同種類の樹脂を主体とする発泡性樹脂を成形品内に
充填して発泡膨張させることによって金型内で成形品に
内圧をかけて、脱型後の成形品の寸法収縮率pを数値a
以下(p<a)に抑えるブロー成形方法及びそれによっ
て得られたブロー成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数の熱可塑性樹脂から
なる多層パリソンからのブロー成形法で製造され、内部
に発泡性樹脂を充填発泡させて中実の成形品としたもの
で、特にバリや廃棄された製品を回収し粉砕・再造粒す
るリサイクル再生樹脂化の容易な高密着易剥離性の多層
ブロー成形品及びそのブロー成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多層ブロー成形法及び多層ブロー成形品
は従来より良く知られており、容器やタンク類の大型成
形品の例としては、HDPE層/接着層/PA層/接着
層/HDPE層という3種5層の層構成をもつ自動車用
ガソリンタンクが有名である。また、特開平2−882
14号公報や特開平4−14427号公報には特殊な多
層形態をした自動車バンパーの例が記載されている。多
層化の第一義的な目的は、異なる性質の樹脂を積層する
ことによって製品機能を向上させることである。従来の
多層化では上記の例が全てそうであるように、互いに化
学的接着性のある樹脂どうしを用いるか又は間に接着性
樹脂の層を付加して各層間の化学的接着性を高めるのが
一般的である。
【0003】逆に、特開平5−77345号公報や特開
平5−213373号公報には、各層間が完全に化学的
接着も密着もしていないで最初から剥離していることを
利用した多層容器の例が記載されている。これらの容器
では外層部分は常に最初の容器形状を保つよう形成され
ているが、内層部分は内容物の使用による量の減少によ
って内部に空隙のできるのを防止する目的で形状と容量
がその時の内容物の量の変化に応じて自在に変化できる
よう形成されているのが特徴である。一方、ブロー成形
品が金型内で冷却される工程中に発泡性樹脂を成形品内
に充填して発泡膨張させることにより金型内で成形品に
内圧をかけながら冷却固化させる技術も従来より良く知
られており、その一例が特開平5−138722号公報
に記載されている。
【0004】この技術はブロー成形品をその中空である
内部を容器やダクトとして利用するのではなく、全体と
して構造部材の役割を果たす製品とする場合に用いられ
るもので、中空部を発泡充填して中実の成形品にするこ
とにより軽量で、しかも各種強度に優れた製品とするこ
とが主目的である。多層ブロー成形品には、特開平5−
77345号公報や特開平5−213373号公報に記
載されているような特殊な用途の容器もあるが、大半は
特開平2−88214号公報や特開平4−14427号
公報等に記載されている例のように、各層間は強く化学
的に接着しているのが一般的である。こうした各層間が
強く化学的に接着している多層製品はリサイクル困難と
いう問題点がある。
【0005】すなわち、成形過程で発生するバリや廃棄
された製品を回収し粉砕・再造粒してリサイクル樹脂化
しようとする際、物性の異なる複数樹脂が混在したまま
のリサイクル樹脂では、それぞれの樹脂の持つ固有の優
れた物性がどれも継承されず、著しく低いグレードにな
ってしまうのが一般的だからである。特開平2−227
210号公報や特開平4−341805号公報には複数
樹脂を未分解のままリサイクルして一定レベル以上の物
性を有する再生樹脂を得る方法や、それら再生樹脂を利
用する方法等が記載されているが、これらにしても組み
合わせ得る樹脂の種類には限定があって、どのような樹
脂の組み合わせでも可能という普遍性があるわけではな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状から、多層
製品を各層に分離した上で再生樹脂化しようとする試み
もなされている。各層ごとに分離されてしまえば、それ
ぞれの層はそれぞれ単一の樹脂でできているので、再生
樹脂も元の単一樹脂に極めて近い物性のものが得られる
可能性が高い。しかし化学的に強く接着している多層製
品を各層ごとに分離することは、化学的に分離するにし
ろ機械的に剥離するにしろ、現状では大がかりな設備が
必要になって、とても経済的に採算の合うことではない
という問題点がある。本発明は、こうした問題点を解決
すべく、製品として使用されている時は各層間の高密着
度が保持されているが、分離を目的として機械的に剥そ
うとすれば各層が容易にしかも綺麗に剥離するよう形成
されているリサイクル再生樹脂化の容易な多層ブロー成
形品及びそのブロー成形方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】多層成形品を機械的に容
易にしかも綺麗に各層ごとに剥離するためには、まず各
層間が化学的に接着していないことが必要である。そし
て、化学的に非接着性であって、かつ製品の段階では各
層間の高密着度が保持されるためには、外層側が内層側
をいわゆるタガを嵌めたような状態で強く締め付けてい
ることが不可欠である。かかる構成からなる多層ブロー
成形品の成形方法について種々検討の結果本発明に至っ
た。
【0008】即ち本発明は、熱可塑性樹脂AとBとが互
いに化学的に接着しない樹脂どうしであって、前者の成
形収縮率a、後者の成形収縮率bの大小関係がa<bで
ある2種類の樹脂A,Bを用いて樹脂Aを外層側の少な
くとも一部とし樹脂Bを内層側として形成された多層パ
リソンを複数に分割された割金型で型締めして賦形する
ブロー成形において、成形品がまだ金型内にあって冷却
されている工程中に、内層樹脂Bと同種類の樹脂を主体
とする発泡性樹脂を成形品内に充填して発泡膨張させる
ことにより金型内で成形品に内圧をかけて、脱型後の成
形品の寸法収縮率pを数値a以下(p<a)に抑えるこ
とを特徴とする高密着易剥離多層ブロー成形方法であ
る。
【0009】また樹脂Aからなる外層側と樹脂Bからな
る内層側との間に、更にそれぞれ化学的に接着しない熱
可塑性樹脂Cからなる中間層を介在させること、あるい
は樹脂Aからなる外層側がパリソン外層側表面に占める
部分がパリソンの円周方向に略180度以上の範囲であ
ることにそれぞれ特徴を有する上記記載の高密着易剥離
多層ブロー成形方法である。
【0010】更に成形収縮率が内層側樹脂よりも小さい
樹脂Aを外層側の少なくとも一部とし、樹脂Aとは化学
的に非接着性で成形収縮率も大きい樹脂Bを内層側とす
る多層パリソンからのブロー成形品であって、内層側成
形品内には樹脂Bと同種類の樹脂を主体とする発泡性樹
脂が充填発泡して成形品全体の寸法収縮率pが外層側樹
脂Aの成形収縮率の数値a以下(p<a)に抑えられ
て、外層側と内層側が高密着度を保持されていることを
特徴とする高密着易剥離多層ブロー成形品である。
【0011】また樹脂Aからなる外層側と樹脂Bからな
る内層側との間に、それぞれと化学的に接着しない熱可
塑性樹脂Cからなる中間層が介在されていることあるい
は、多層ブロー成形品の外層側樹脂Aの成形品表面に占
める部分の面積が全表面積の略半分以上であって、かつ
外側に向かってほぼ凸形に湾曲した曲面になっているこ
とにそれぞれ特徴を有する上記記載の高密着易剥離多層
ブロー成形品である。以下本発明について詳細に説明す
る。
【0012】熱可塑性樹脂には普遍的に成形後収縮する
という性質がある。金型から脱型後、一定時間経過した
時点での成形品の寸法が金型キャビティの当該寸法より
小さくなる現象である。この寸法減少量の金型キャビテ
ィの当該寸法に対する割合を、本発明ではその樹脂の成
形収縮率a,b等と定義する。また成形収縮率は樹脂ご
との固有の物性で、当然異なる樹脂の間では大小の違い
がある。多層成形品の場合には、どの層の樹脂の成形収
縮率が最も強く影響するのか一概には言えないので、本
発明では成形品全体については寸法収縮率p,q等とし
て定義する。
【0013】この成形収縮率の差を利用して外層側が内
層側をタガを嵌めたような状態で強く締め付けるように
することが可能である。すなわち、内層に低い成形収縮
率aの樹脂Aを用い、外層にそれより大きい成形収縮率
b(a<b)の樹脂Bを用いて成形すれば、できる多層
ブロー成形品の寸法収縮率qは一般的にaとbの間の値
(a<q<b)となる。この時、外層樹脂Bは本来もっ
と収縮しようとする性質を維持しつつも収縮率の低い内
層の存在が抵抗となって結果的に割合qの段階までしか
収縮でぎず、逆に内層樹脂Aは外層の大きな収縮力を外
圧として受ける結果、本来の収縮率aを超えて割合qの
段階まで無理に収縮させられているのである。この状況
はまさに外層側が内層側を強く締め付けている状態を実
現している。
【0014】しかしながら、この方法では樹脂の組み合
わせに制限がある。必ず外層側樹脂の方が内層側樹脂よ
り大きい成形収縮率でなければならないという制限であ
る。逆の場合には、内外層が初めから分離していて本発
明の目的とする多層成形品の用をなさないものになって
しまう。本発明では、こうした逆の場合、すなわち外層
側樹脂の成形収縮率が内層樹脂の成形収縮率より小さい
場合に、外層側が内層側を強く締め付けて、層間の高密
着度が保持されている多層ブロー成形品が得られる成形
方法に関して種々研究の結果本発明を完成したものであ
る。
【0015】ブロー成形で、金型で賦形された成形品が
まだ金型内にあって冷却されている工程中に、発泡性樹
脂を成形品内に充填して発泡膨張させることにより金型
内で成形品に内圧をかけながら冷却固化させることで、
脱型後の発泡充填成形品の寸法収縮率pを発泡充填しな
い場合の成形品本来の寸法収縮率qよりかなり小さくす
ることができる。発泡膨張のプロセスを制御することに
より、pの値をqの値の1/3程度にまで減少させるこ
とも可能である。成形品が多層であって、内層樹脂の成
形収縮率が外層樹脂の成形収縮率より大きい場合でも、
内部に充填した発泡体からの圧力によって、発泡体を包
含した内層全体の寸法収縮率を外層樹脂の成形収縮率よ
り小さくすることが可能である。
【0016】これらの場合、発泡充填成形品の寸法収縮
率を下げる目的だけからは、成形品内に充填する発泡性
樹脂は成形品に用いられているのと同種類の樹脂を主体
とするものである必要は全く無い。しかし、成形品の樹
脂と同種類の樹脂を主体とする発泡性樹脂を用いる場合
には、成形品の内壁面と発泡体とを融着させることが可
能となり発泡充填成形品の表皮と中身との一体性が増す
ことにより、製品としての剛性や耐衝撃性等の各種強度
を、そうでない場合より著しく向上させることができ
る。また、リサイクルに際しても、元来同じ種類の樹脂
であるから、表皮としての成形品と中身の発泡体とを分
離することなく、いっしょに粉砕・造粒して再生樹脂化
することが可能である。
【0017】これらの性質を利用して、本発明では、熱
可塑性樹脂AとBとが互いに化学的に接着しない樹脂ど
うしであって、樹脂Aを外層とし樹脂Bを内層として形
成された多層パリソンを用いてブロー成形する。この際
多層パリソンの外層樹脂Aのパリソン表面に占める部分
は、パリソンの円周方向に略180度前後好ましくは1
80度以上を占めるように形成させることが望ましい。
この理由として樹脂Aの外層が樹脂Bの内層をタガを嵌
めるような状態で包み込むのに必要であるからである。
また成形品がまだ金型内にあって冷却されている工程中
に、内層樹脂Bと同種類の樹脂を主体とする発泡性樹脂
を成形品内に充填して発泡膨張させることにより金型内
で成形品に内圧をかけながら冷却固化させることで、脱
型後の発泡充填成形品の寸法収縮率pを外層樹脂Aの成
形収縮率aの値以下(p<a)に抑えることによって、
多層成形品の外層の内表面と発泡体を包含した内層全体
の外表面との間が化学的非接着であって、かつ高密着度
を保持している多層ブロー成形品及びその成形方法を提
供するものである。
【0018】本発明における、押出機からの溶融樹脂を
パリソンとして押し出した後、左右一対の割り金型で挟
んで、例えば5〜15kg/cm2好ましくは5〜8k
g/cm2程度の圧縮空気を吹き込み冷却成形するブロ
ー成形法自体は従来公知技術に属することであるが、本
発明は特に成形収縮率が小さい樹脂Aを外層とし成形収
縮率が大きい樹脂Bを内層として形成された多層パリソ
ンを用いること及び内層樹脂Bと同種類の樹脂を主体と
する発泡性樹脂を内層の成形品内に充填して発泡膨張さ
せることに特徴を有する。ここで使用できる内層樹脂及
び、これらの樹脂と同種類の樹脂を主体とする発泡性樹
脂を表1に示す。また、表1の内層樹脂と組み合わせる
ことの可能な外層樹脂を表2に示す。ただし、これらの
中で互いに化学的接着性があるために除外すべき組み合
わせを表3に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】 表1、表2、表3に言うフィラーとは、ガラス繊維、ガ
ラスビーズ、炭素繊維、炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ、高炉スラグ、金属粉、木粉、等である。また本発明
による多層ブロー成形品が3層の場合、中間層には表2
に示した樹脂の中から、その成形品の内層、外層に用い
られるべき樹脂と化学的に接着しない樹脂を任意に選ぶ
ことができる。なお発泡性樹脂を内層の成形品内に充填
して発泡膨張させる具体的な方法としては、発泡性樹脂
のビーズを充填して加熱発泡させるか、又はあらかじめ
少し発泡させた発泡性樹脂ビーズを充填した後、成形品
内に加熱水蒸気を通して本格的に発泡させる等の方法を
採用できる。
【0022】
【作用】上記手段によって製造された本発明の発泡樹脂
充填の多層ブロー成形品は、最外層が発泡体を包含する
最内層を周りから締め付ける形になっていて、互いの層
どうしの高密着度を保持しているので、成形品が製品と
して使用されている間に各層が互いに剥がれることはな
い。しかも、各層の樹脂間に接着性はないので各層は互
いに接着しておらず、各層を外層から順次機械的に剥し
ていけば、全ての樹脂層は容易にしかも綺麗に分離する
ことができる。
【0023】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて、本
発明を具体的に説明する。 実施例1 図1に本発明の1実施例にかかる成形品の外観の模式図
を示す。また図2はその断面の模式図である。この実施
例では概略凸形をした面であって成形品表面に占める部
分の面積が全表面積の略半分強である外層1として成形
収縮率が約0.5%のPA6+変性PPEのポリマーア
ロイ樹脂Aを用い、概略凹形をした面の外層2および内
層3全体として成形収縮率が約1.5%のフィラー強化
PP樹脂Bを共通に用いている。内部の発泡体4は、内
層3の樹脂Bと同種類のPP樹脂を主体とした発泡PP
樹脂で、成形品全体の寸法収縮率は約0.4%程度に抑
えられている。この時の発泡倍率は約100倍である。
【0024】またPA6+変性PPEのポリマーアロイ
樹脂からなる外層1は、概略凸形をした面から少し概略
凹形をした面の方にまで延在した部分5を形成してお
り、概略凹形をした面の外層部分のフィラー強化PP樹
脂との境界線上に成形品外部に向かって突き出た平板状
突出部分6が合計8個設けられ、そのうちの4個の平板
状箇所は両面からボルト・ナットで締結されている(こ
の図2には締結用ボルト・ナットは描かれていな
い。)。この実施例1の成形品は自動車用バンパーを念
頭に置いた試作品で、上記8個の平板状箇所6の残りの
4箇所はバンパーである本成形品を車体に組み付けるた
めのブラケットとして用いられている。層構成は概略凸
形面の外層1がバンパーの正面側表面にあたり、この層
にPA6+変性PPEのポリマーアロイ樹脂を用いたの
は美観、滑らかさ、耐熱性、形状安定性等を持たせるた
めである。
【0025】また、概略凹形面外層2および内層3全体
はバンパーの構造部材としての役割を担う部分で、これ
らの層にフィラー強化PP樹脂を選んだのは、発泡PP
樹脂が比較的容易に作れることは言うに及ばず、構造部
材として十分な強度を持ち、かつPA6+変性PPEの
ポリマーアロイ樹脂との間に接着性がなく、価格もそれ
ほど高価ではないからである。この成形品は概略凹形を
した面に設けられた平板状突出部分6を両側から締め付
けているボルト・ナットをはずしてしまえば、PA6+
変性PPEのポリマーアロイ樹脂の外層1と発泡体を包
含するフィラー強化PP樹脂の内層3とに機械的にしか
も綺麗に分離することができ、別々に粉砕・造粒するこ
とによって、それぞれの再生樹脂を作ることができる。
本実施例1はこれら再生樹脂を約30%の重量比率でそ
れぞれのバージン樹脂に混入して成形したものである。
【0026】図3に実施例1の成形品を成形する場合の
パリソンの横断面の模式図を示す。また、図4に金型左
半体本体7と金型右半体のスライドコア8及び金型右半
体本体9からなるブロー成形金型の横断面の模式図を示
す。この金型は平板状突出部分6をパリソンのコンプレ
ッションによって形成するために複数個のスライド・コ
ア10及びスライド・ピース機構11を設けた構造にな
っている。(この図4は金型の上半分だけを示している
ものである。) 図5にスライド・コア及びスライド・ピース機構の動作
を含めた型締動作の様子〜が示されている。(図5
も金型の上半分だけが示されている。)
【0027】実施例2 図6に本発明の実施例2にかかる成形品の模式図(一部
切断断面を示す)を示す。この実施例2では外層1に成
形収縮率が約0.8%のABS樹脂を用い、内層3に成
形収縮率が約1.5%のフィラー強化PP樹脂を用いて
いる。内部の発泡体4は内層樹脂と同種類のPP樹脂を
主体とした発泡PP樹脂で、成形品全体の寸法収縮率は
約0.5%程度に抑えられている。この時の発泡倍率は
約70倍である。
【0028】この実施例2の成形品は、机やテーブルの
天板とかシステムキッチンのドアあるいはパーティショ
ン等を念頭に置いた試作品で、外層1に選ばれたABS
樹脂は外表面の美観、平滑性、高光沢性、形状安定性等
に資するためのものであり、一方内層3にフィラー強化
PP樹脂を用いるのは構造部材としての各種強度をもた
せるためと、ABS樹脂との間で接着性がなく価格も安
価で、しかも両樹脂の成形温度がともに240℃前後と
近いために成形が比較的簡単である上に、PPを主体と
する発泡性樹脂体4が比較的容易に作れるからである。
【0029】この成形品は金型の合わせ面の痕跡である
パーティングラインあるいは成形品の稜線に沿って外層
部分だけを切開すれば、外層1と発泡体4を包含する内
層3とに容易にしかも綺麗に分離することができ、別々
に粉砕・造粒することによって、それぞれの再生樹脂を
作ることができる。本実施例2はこれら再生樹脂を約3
0%の重量比率でそれぞれのバージン樹脂に混入して成
形したものである。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の多層ブロー
成形品は、製品としての使用期間中は、最外側の樹脂層
がより内側の樹脂層を幾何学的に作用する物理的な力に
よって締め付けて各層が互いに強く密着して、間に接着
層を介在させた従来の多層ブロー成形品と同等の物性を
有し、かつ各層を人為的に剥そうとする場合には、各層
が接着していないために容易に剥せるようになる。すな
わち、多層であることによって製品としての価値を高
め、しかも使用後はそれぞれ単一樹脂だけの部分に容易
に解体できるので、リサイクルによってほとんど物性の
低下しない樹脂を再生することができ、そのことによっ
てリサイクルそのものを商業的に採算に合う事業にする
ことができ極めて高い経済的効果をもたらすと同時に、
合成樹脂成形品の廃棄によって起きるであろう環境汚染
を未然に防止することに貢献するものである。また、従
来、接着層を介在させなければならなかった多層ブロー
成形品に接着層が不要になるので、その分の製造コスト
が下がり、より経済的になるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の多層ブロー成形品の外観の模式図で
ある。
【図2】実施例1の多層ブロー成形品の横断面の模式図
である。(この図2ではボルト・ナットが省略されてい
る)
【図3】実施例1の成形品を成形したパリソンの横断面
の模式図である。
【図4】実施例1の成形品を成形した金型の上半分の横
断面の模式図である。
【図5】実施例1の成形品を成形した金型の型締動作の
様子を示す図である。
【図6】実施例2の多層ブロー成形品の外観の模式図
(一部切断断面を示す)である。
【符号の説明】
1 概略凸形をした面の外層 2 概略凹形をした面の外層 3 内層 4 発泡体部分 5 外層の延在部分 6 突出部分 7 金型左半体本体 8 金型右半体のスライドコア 9 金型右半体本体 10 スライド・コア 11 スライド・ピース機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂AとBとが互いに化学的に
    接着しない樹脂どうしであって、前者の成形収縮率a、
    後者の成形収縮率bの大小関係がa<bである2種類の
    樹脂A,Bを用いて樹脂Aを外層側の少なくとも一部と
    し樹脂Bを内層側として形成された多層パリソンを複数
    に分割された割金型で型締めして賦形するブロー成形に
    おいて、成形品がまだ金型内にあって冷却されている工
    程中に、内層樹脂Bと同種類の樹脂を主体とする発泡性
    樹脂を成形品内に充填して発泡膨張させることにより金
    型内で成形品に内圧をかけて、脱型後の成形品の寸法収
    縮率pを数値a以下(p<a)に抑えることを特徴とす
    る高密着易剥離多層ブロー成形方法。
  2. 【請求項2】 樹脂Aからなる外層側と樹脂Bからなる
    内層側との間に、更にそれぞれ化学的に接着しない熱可
    塑性樹脂Cからなる中間層を介在させることを特徴とす
    る請求項1記載の高密着易剥離多層ブロー成形方法。
  3. 【請求項3】 樹脂Aからなる外層側がパリソン外層側
    表面に占める部分がパリソンの円周方向に略180度以
    上の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の高密着易剥離多層ブロー成形方法。
  4. 【請求項4】 成形収縮率が内層側樹脂よりも小さい樹
    脂Aを外層側の少なくとも一部とし、樹脂Aとは化学的
    に非接着性で成形収縮率も大きい樹脂Bを内層側とする
    多層パリソンからのブロー成形品であって、内層側成形
    品内には樹脂Bと同種類の樹脂を主体とする発泡性樹脂
    が充填発泡して成形品全体の寸法収縮率pが外層側樹脂
    Aの成形収縮率の数値a以下(p<a)に抑えられて、
    外層側と内層側が高密着度を保持されていることを特徴
    とする高密着易剥離多層ブロー成形品。
  5. 【請求項5】 樹脂Aからなる外層側と樹脂Bからなる
    内層側との間に、更にそれぞれと化学的に接着しない熱
    可塑性樹脂Cからなる中間層が介在されていることを特
    徴とする請求項4記載の高密着易剥離多層ブロー成形
    品。
  6. 【請求項6】 多層ブロー成形品の外層側樹脂Aの成形
    品表面に占める部分の面積が全表面積の略半分以上であ
    って、かつ外側に向かってほぼ凸形に湾曲した曲面にな
    っていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の
    高密着易剥離多層ブロー成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10278107A (ja) * 1997-04-08 1998-10-20 Jsr Corp 多層ブロー成形品
JP2000264144A (ja) * 1999-03-17 2000-09-26 Inoac Corp 車両用バンパー

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