JPH08308609A - 足型の採取法および足型採取器 - Google Patents
足型の採取法および足型採取器Info
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- JPH08308609A JPH08308609A JP9167996A JP9167996A JPH08308609A JP H08308609 A JPH08308609 A JP H08308609A JP 9167996 A JP9167996 A JP 9167996A JP 9167996 A JP9167996 A JP 9167996A JP H08308609 A JPH08308609 A JP H08308609A
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- Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】足にフィットする靴が手に入らず、困っている
消費者が多い。簡単かつ正確に足型が採れることによ
り、足にフィットする靴を提供できるようにするのが目
的である。 【構成】低温域で軟化する熱可塑性樹脂の冷却硬化移行
時の物性を利用し、フィットした靴を履いた状態の足型
を採取する方法を開発すると同時に、熱可塑性樹脂を靴
などの履物の形に形成し、同じ足型採取作業が簡単に行
えるようにした。
消費者が多い。簡単かつ正確に足型が採れることによ
り、足にフィットする靴を提供できるようにするのが目
的である。 【構成】低温域で軟化する熱可塑性樹脂の冷却硬化移行
時の物性を利用し、フィットした靴を履いた状態の足型
を採取する方法を開発すると同時に、熱可塑性樹脂を靴
などの履物の形に形成し、同じ足型採取作業が簡単に行
えるようにした。
Description
【0001】 〔産業上の利用分野〕この発明は、ユー
ザーの足のサイズに合わせて作るフル・オーダーメイド
靴の靴型を製作する場合に於いて、靴型の原型として使
用できる足型の採取方法および、その採取を簡便に行な
うための足型採取器に関するものである。
ザーの足のサイズに合わせて作るフル・オーダーメイド
靴の靴型を製作する場合に於いて、靴型の原型として使
用できる足型の採取方法および、その採取を簡便に行な
うための足型採取器に関するものである。
【0002】 〔従来の技術〕ユーザー個々の足のサイ
ズに合わせる、フル・オーダーメイド靴を製作する場合
いの靴型は、対象となるユーザー自身が、平坦な場所で
直立した時の自然体の両足の足長、足幅、足高、足囲な
どの各部の長さを、メジャーや、その他計測用に開発さ
れた各種計測機器を駆使し丹念に測定し、その結果得ら
れる長さを基にして、さらにコロシや捨て寸と呼ばれる
加減調整をおこなった長さを基に、プラスチックやさく
ら材等の素材を機械的に加工し製作している。
ズに合わせる、フル・オーダーメイド靴を製作する場合
いの靴型は、対象となるユーザー自身が、平坦な場所で
直立した時の自然体の両足の足長、足幅、足高、足囲な
どの各部の長さを、メジャーや、その他計測用に開発さ
れた各種計測機器を駆使し丹念に測定し、その結果得ら
れる長さを基にして、さらにコロシや捨て寸と呼ばれる
加減調整をおこなった長さを基に、プラスチックやさく
ら材等の素材を機械的に加工し製作している。
【0003】コロシとは、自然体の足においては体重の
加重により、中足骨が扇状に広がるため、ボールガース
と呼ばれる足囲部を中心に拡張が生じ、足囲が大きくな
ってしまうため、この拡張した足囲を修正し、靴が足に
フィットするように、足囲を小さめに切り詰めを行うこ
とで、履き心地を決める重要な調整である。また捨て寸
とは、足の前後方向の動きに余裕を与えたり、靴のスタ
イルに合わせるための、膨らみをつける付加を行うこと
である。
加重により、中足骨が扇状に広がるため、ボールガース
と呼ばれる足囲部を中心に拡張が生じ、足囲が大きくな
ってしまうため、この拡張した足囲を修正し、靴が足に
フィットするように、足囲を小さめに切り詰めを行うこ
とで、履き心地を決める重要な調整である。また捨て寸
とは、足の前後方向の動きに余裕を与えたり、靴のスタ
イルに合わせるための、膨らみをつける付加を行うこと
である。
【0004】靴型の製作にあたり、石膏、シリコン樹脂
等の形状印象材により足型形状印象を採取する場合もあ
るが、計測の正確を期する為の補助手段として利用され
ているに過ぎず、足型の形状印象を直接転写して靴型を
製作する方式は取られていない。形状印象によらないの
は、現在の中心的な生体形状印象採取方法である、シリ
コン樹脂などの凝固性の形状印象材を用いる方法では、
被写体となるユーザーに長時間、樹脂が完全凝固するま
で足を固定させておく等の負担をかけることのほかに、
次のような問題があるためである。
等の形状印象材により足型形状印象を採取する場合もあ
るが、計測の正確を期する為の補助手段として利用され
ているに過ぎず、足型の形状印象を直接転写して靴型を
製作する方式は取られていない。形状印象によらないの
は、現在の中心的な生体形状印象採取方法である、シリ
コン樹脂などの凝固性の形状印象材を用いる方法では、
被写体となるユーザーに長時間、樹脂が完全凝固するま
で足を固定させておく等の負担をかけることのほかに、
次のような問題があるためである。
【0005】足にフィットした靴を履いたときの足の形
状は、自然体の足の形状ではなく、靴という拘束物のな
かに嵌め込まれ、体重の加重による足囲の拡張が、靴の
甲革と中底により作られる、ある一定の形に抑え込まれ
た状態、すなわち圧力を受けて変形している生体形状で
ある。従って、この状態の形状印象を採取できればよい
わけであるが、シリコン樹脂などの流動性のある凝固性
形状印象材では、凝固過程で外側から被写体の生体に、
圧力を及ぼし変形させることができないため、どうして
も自然体の足の形状しか採取できない。従って折角苦労
して正確に採取して足型を製作しても、自然体の足の形
状であるため、その後にコロシのための加工を施さなく
てはならない。このため大幅な削り込みなどの、機械的
な加工を行わなければならないため、形状を転写する意
味が薄れるためである。
状は、自然体の足の形状ではなく、靴という拘束物のな
かに嵌め込まれ、体重の加重による足囲の拡張が、靴の
甲革と中底により作られる、ある一定の形に抑え込まれ
た状態、すなわち圧力を受けて変形している生体形状で
ある。従って、この状態の形状印象を採取できればよい
わけであるが、シリコン樹脂などの流動性のある凝固性
形状印象材では、凝固過程で外側から被写体の生体に、
圧力を及ぼし変形させることができないため、どうして
も自然体の足の形状しか採取できない。従って折角苦労
して正確に採取して足型を製作しても、自然体の足の形
状であるため、その後にコロシのための加工を施さなく
てはならない。このため大幅な削り込みなどの、機械的
な加工を行わなければならないため、形状を転写する意
味が薄れるためである。
【0006】 〔発明が解決しようとする課題〕このよ
うに足型の形状転写による靴型の製作ができないため、
靴型の製作は計測結果に基づく機械的加工とならざるを
えず、手作業でなされる計測作業、および加工作業に
は、どうしても誤差が生じてしまう可能性が高い。計測
を正確に行うため各種の計測機器が開発されているもの
の、特に人体生体の表面形状は複雑な三次元形状をして
おり、更に計測の基準点となる皮膚の突起部も、皮膚が
前後左右に動くこともあり、計測者によっても差が生じ
てしまう。また仮に計測が正確であっても、更にその数
値で加工をする段階でも、複雑な曲面加工のため誤差が
生じる可能性が大きい。また履き心地に大きく影響する
コロシの調整も、その適否はユーザー本人の感覚による
ため、第三者が正確に調整するには無理がある。
うに足型の形状転写による靴型の製作ができないため、
靴型の製作は計測結果に基づく機械的加工とならざるを
えず、手作業でなされる計測作業、および加工作業に
は、どうしても誤差が生じてしまう可能性が高い。計測
を正確に行うため各種の計測機器が開発されているもの
の、特に人体生体の表面形状は複雑な三次元形状をして
おり、更に計測の基準点となる皮膚の突起部も、皮膚が
前後左右に動くこともあり、計測者によっても差が生じ
てしまう。また仮に計測が正確であっても、更にその数
値で加工をする段階でも、複雑な曲面加工のため誤差が
生じる可能性が大きい。また履き心地に大きく影響する
コロシの調整も、その適否はユーザー本人の感覚による
ため、第三者が正確に調整するには無理がある。
【0007】更に、足の計測は一般的に平坦な場所に直
立している状態で行われるが、実際の靴は踵部が爪先よ
り高くなる。特にハイヒールなどは顕著であるが、この
ため足はかなり屈曲し、形状は大きく変化することも多
い。平坦な所では同じ計測値であっても、肉付き、皮下
脂肪や皮膚の厚さ、骨や関節の太さ硬さなどの個人差
で、形状の変化度合いが大きく異なることもあるため、
この変化を正確に靴型に反映させるのは困難である。
立している状態で行われるが、実際の靴は踵部が爪先よ
り高くなる。特にハイヒールなどは顕著であるが、この
ため足はかなり屈曲し、形状は大きく変化することも多
い。平坦な所では同じ計測値であっても、肉付き、皮下
脂肪や皮膚の厚さ、骨や関節の太さ硬さなどの個人差
で、形状の変化度合いが大きく異なることもあるため、
この変化を正確に靴型に反映させるのは困難である。
【0008】このような困難が多いためフル・オーダー
メイドでも、完全にフィットした靴がなかなか作れず、
修正を重ねるため手間と時間がかかり、どうしても高額
なものになる。この結果としてフル・オーダーメイドは
現在ほとんど普及していない。またセミ・オーダーメイ
ドも価格的には安価ではあるものの、適切な靴型を必ず
しも提供できないことからこれもあまり普及はしていな
い。
メイドでも、完全にフィットした靴がなかなか作れず、
修正を重ねるため手間と時間がかかり、どうしても高額
なものになる。この結果としてフル・オーダーメイドは
現在ほとんど普及していない。またセミ・オーダーメイ
ドも価格的には安価ではあるものの、適切な靴型を必ず
しも提供できないことからこれもあまり普及はしていな
い。
【0009】このため、現在はレデイメイドが主流であ
るが、これも足長と足囲の2か所の寸法のみを基準とし
た階段式サイズシステムであり、完全なフィット感が得
られる靴をみつけることは、なかなか難しい。特にデサ
インにこだわる婦人用革靴では、デサイン、サイズ共に
満足する靴にめぐり合う確率は極めて低く、どちらかを
犠牲にしている場合が多い。婦人の場合、デザインを優
先することが多く、サイズの合わない靴を無理して履く
ため、外反母趾、ハンマー指等の足指の障害まで引き起
こさせている。
るが、これも足長と足囲の2か所の寸法のみを基準とし
た階段式サイズシステムであり、完全なフィット感が得
られる靴をみつけることは、なかなか難しい。特にデサ
インにこだわる婦人用革靴では、デサイン、サイズ共に
満足する靴にめぐり合う確率は極めて低く、どちらかを
犠牲にしている場合が多い。婦人の場合、デザインを優
先することが多く、サイズの合わない靴を無理して履く
ため、外反母趾、ハンマー指等の足指の障害まで引き起
こさせている。
【0010】 〔課題を解決する為の手段〕課題の発生
する根本的原因は、足にフィットした靴を履いた状態の
足型を採取できないことにある。このため本発明の目的
は、フィットした靴を履いた状態そのままの、足の形状
印象を、ユーザー本人の感覚を基にして、本人が直接採
取する方式により、足型を製作する方法を開発すること
にある。またさらにこれを進めて、その足型採取作業を
ユーザー本人が、何処でも簡単にできるように工夫し
た、足型採取器を開発することにある。この開発により
目的に沿った足型を採取できれば、その足型を基とし
て、種々の公知の形状転写技術により、適切な靴型の製
作が期待できることとなる。
する根本的原因は、足にフィットした靴を履いた状態の
足型を採取できないことにある。このため本発明の目的
は、フィットした靴を履いた状態そのままの、足の形状
印象を、ユーザー本人の感覚を基にして、本人が直接採
取する方式により、足型を製作する方法を開発すること
にある。またさらにこれを進めて、その足型採取作業を
ユーザー本人が、何処でも簡単にできるように工夫し
た、足型採取器を開発することにある。この開発により
目的に沿った足型を採取できれば、その足型を基とし
て、種々の公知の形状転写技術により、適切な靴型の製
作が期待できることとなる。
【0011】この手段として熱可塑性樹脂の性質、とく
に樹脂を加熱軟化させた後の冷却硬化過程で、表面と内
部の温度分布の差による、樹脂全体としての物性の変化
などを利用し、従来の凝固性形状印象材での問題点を克
服し、目的に沿った足型の採取を行う方法を、以下のと
おり開発する。
に樹脂を加熱軟化させた後の冷却硬化過程で、表面と内
部の温度分布の差による、樹脂全体としての物性の変化
などを利用し、従来の凝固性形状印象材での問題点を克
服し、目的に沿った足型の採取を行う方法を、以下のと
おり開発する。
【0012】熱可塑性樹脂は可塑性に優れ強度も高いこ
とから型材として優れているが、融点が高いものが多
く、これらを軟化させた状態で、生体に直接応用するこ
とはできない。しかし一部には80°C以下の比較的低
温域に融点や軟化温域を有する熱可塑性樹脂がある。こ
れらの樹脂もやはり融点域では、直接生体への接触は難
しい。しかし、冷却硬化移行時の樹脂全体としての性質
を観察すると、樹脂全体としては柔らかい餅状のよう
に、十分な流動性や柔軟性が保たれている状態であるも
のの、表面は放熱のため内部より先に温度降下するた
め、皮膚接触が可能となる状態を示すことがある。この
状態の間に樹脂を、生体の形状採取部分面に張り付け、
伸展成型させ、その状態で冷却硬化を待てば、熱可塑性
樹脂でも、生体の形状印象を採取することができる。
とから型材として優れているが、融点が高いものが多
く、これらを軟化させた状態で、生体に直接応用するこ
とはできない。しかし一部には80°C以下の比較的低
温域に融点や軟化温域を有する熱可塑性樹脂がある。こ
れらの樹脂もやはり融点域では、直接生体への接触は難
しい。しかし、冷却硬化移行時の樹脂全体としての性質
を観察すると、樹脂全体としては柔らかい餅状のよう
に、十分な流動性や柔軟性が保たれている状態であるも
のの、表面は放熱のため内部より先に温度降下するた
め、皮膚接触が可能となる状態を示すことがある。この
状態の間に樹脂を、生体の形状採取部分面に張り付け、
伸展成型させ、その状態で冷却硬化を待てば、熱可塑性
樹脂でも、生体の形状印象を採取することができる。
【0013】しかし本発明の目的である加圧変形させた
生体形状採取方法としては、樹脂がまだこのように柔ら
かい餅状の状態では無理がある。即ち樹脂が柔らかいた
め、伸展成形はやりやすいものの、外部から、伸展され
た樹脂表面に圧力をかけると、その加圧体と生体とのあ
いだに樹脂が挟まり、圧力の掛からない左右方向に樹脂
の逃げが生じ、型としての形状が崩れることとなる。従
ってこの段階では生体を加圧変形させることはできず、
凝固性の形状印象材と同様に、専ら自然体の生体形状の
採取ができるに止まる。このような自然体の生体形状の
採取での熱可塑性樹脂の利用は、現在でも整形外科にお
けるギブスやその補強材の製作や、かつら製作時の頭の
形状の採取等に一部利用されている。
生体形状採取方法としては、樹脂がまだこのように柔ら
かい餅状の状態では無理がある。即ち樹脂が柔らかいた
め、伸展成形はやりやすいものの、外部から、伸展され
た樹脂表面に圧力をかけると、その加圧体と生体とのあ
いだに樹脂が挟まり、圧力の掛からない左右方向に樹脂
の逃げが生じ、型としての形状が崩れることとなる。従
ってこの段階では生体を加圧変形させることはできず、
凝固性の形状印象材と同様に、専ら自然体の生体形状の
採取ができるに止まる。このような自然体の生体形状の
採取での熱可塑性樹脂の利用は、現在でも整形外科にお
けるギブスやその補強材の製作や、かつら製作時の頭の
形状の採取等に一部利用されている。
【0014】さらに目的に沿った生体形状採取法を開発
するため、生体上に伸展された樹脂の、冷却過程の物性
を細かく観察すると、当初柔らかかった樹脂も、冷却に
従い粘性を高める一方、流動性と可塑性は減少しはじめ
る。この現象は冷却が早い表面部から先に出現するた
め、樹脂の表面と内部の間に、流動性及び可塑性に差が
生じることとなる。この変化は目的とする加圧変形させ
た生体の形状採取には最適の状況を作りだす。即ち樹脂
の表面が硬化を開始するため、樹脂表面はゴムのような
弾力性を持ちはじめるものの、内部にはまだ残留熱によ
る流動性が残っているため、樹脂全体の挙動としては、
ある程度の縮小や伸展が可能な状態を示す。この状態で
圧力をかけると、樹脂は逃げを生じさせる事なく、多少
の弾性をもち変形縮小を伴いながら、圧力を生体側へ伝
えることができる。このため生体を加圧変形させると同
時に、樹脂もその変形に則して変形させることができ
る。その状態で放熱による完全硬化を待つと、加圧変形
した生体の形状を採取することができることとなる。
するため、生体上に伸展された樹脂の、冷却過程の物性
を細かく観察すると、当初柔らかかった樹脂も、冷却に
従い粘性を高める一方、流動性と可塑性は減少しはじめ
る。この現象は冷却が早い表面部から先に出現するた
め、樹脂の表面と内部の間に、流動性及び可塑性に差が
生じることとなる。この変化は目的とする加圧変形させ
た生体の形状採取には最適の状況を作りだす。即ち樹脂
の表面が硬化を開始するため、樹脂表面はゴムのような
弾力性を持ちはじめるものの、内部にはまだ残留熱によ
る流動性が残っているため、樹脂全体の挙動としては、
ある程度の縮小や伸展が可能な状態を示す。この状態で
圧力をかけると、樹脂は逃げを生じさせる事なく、多少
の弾性をもち変形縮小を伴いながら、圧力を生体側へ伝
えることができる。このため生体を加圧変形させると同
時に、樹脂もその変形に則して変形させることができ
る。その状態で放熱による完全硬化を待つと、加圧変形
した生体の形状を採取することができることとなる。
【0015】具体的な手法としてはこの性質を利用し、
樹脂を軟化させたのち、放熱により皮膚へ接触可能とな
った段階で足の周りに伸展させ、表面の硬化開始を待っ
て、ユーザー本人がボールガース部をフィット感に基づ
き加減しながら抑え込むことにより、中足骨の拡張を調
整し、適切なコロシの入った足型を採取する事ができ
る。またこの抑え込みを行う段階で、希望するヒール高
に合わせた傾斜をもつ足型採取台を用意し、この上に足
を乗せ、その形に沿って硬化させれば、靴を履いた状態
そのままの形状を採取できることとなる。
樹脂を軟化させたのち、放熱により皮膚へ接触可能とな
った段階で足の周りに伸展させ、表面の硬化開始を待っ
て、ユーザー本人がボールガース部をフィット感に基づ
き加減しながら抑え込むことにより、中足骨の拡張を調
整し、適切なコロシの入った足型を採取する事ができ
る。またこの抑え込みを行う段階で、希望するヒール高
に合わせた傾斜をもつ足型採取台を用意し、この上に足
を乗せ、その形に沿って硬化させれば、靴を履いた状態
そのままの形状を採取できることとなる。
【0016】さらに熱可塑性エラストマーの中には粘性
が強く、融点以上でも樹脂間の結合力が強く、流動化せ
ず、予め成形されていた形状を保つものがある。そのた
めこの性質を利用し、予め希望するヒール高の靴などの
形状に成形しておけば、樹脂を足の表面に伸ばす手間が
要らず、また足型採取台なども用意する必要はなく、そ
のままお湯などで加熱軟化させ、表面の温度低下をみて
皮膚接触が可能となった段階で、靴を履くように足を入
れ、そのまま外側から抑え込むことにより同様の足型を
採取できる。このようにして、希望するヒール高の靴を
履いた時と同じ足型を簡単に採取できるので足型採取器
として利用できる。ユーザーは何時でも何処でもお湯が
手に入る場所であれば、自由に足型を採取することがで
きる。
が強く、融点以上でも樹脂間の結合力が強く、流動化せ
ず、予め成形されていた形状を保つものがある。そのた
めこの性質を利用し、予め希望するヒール高の靴などの
形状に成形しておけば、樹脂を足の表面に伸ばす手間が
要らず、また足型採取台なども用意する必要はなく、そ
のままお湯などで加熱軟化させ、表面の温度低下をみて
皮膚接触が可能となった段階で、靴を履くように足を入
れ、そのまま外側から抑え込むことにより同様の足型を
採取できる。このようにして、希望するヒール高の靴を
履いた時と同じ足型を簡単に採取できるので足型採取器
として利用できる。ユーザーは何時でも何処でもお湯が
手に入る場所であれば、自由に足型を採取することがで
きる。
【0017】 〔作用〕この様にして得られた足型は、
開発の目的に沿い、フィットした靴を履いた状態そのま
まの足型であるため、これをそのまま雌型として利用
し、シリコン樹脂などの公知の各種印象転写技術により
足の形状模型を製作し、さらにこれに捨て寸部分を付け
足して、靴型の原型とすることができる。捨て寸部分
は、付け加える加工であり、足の大きさや靴の形などに
より、その寸法と形状が凡そ経験的に決められるため、
この付加工程で大きな誤差が発生することは少ない。こ
の原型を基に、倣い工作加工等の公知の方法により靴型
を製作し、得られた靴型により適切な靴の製作が可能と
なる。即ち足型以降の工程も、ほぼ機械的にできるため
熟練なども必要なく、低コストで適切な靴型を製作でき
ることとなる。
開発の目的に沿い、フィットした靴を履いた状態そのま
まの足型であるため、これをそのまま雌型として利用
し、シリコン樹脂などの公知の各種印象転写技術により
足の形状模型を製作し、さらにこれに捨て寸部分を付け
足して、靴型の原型とすることができる。捨て寸部分
は、付け加える加工であり、足の大きさや靴の形などに
より、その寸法と形状が凡そ経験的に決められるため、
この付加工程で大きな誤差が発生することは少ない。こ
の原型を基に、倣い工作加工等の公知の方法により靴型
を製作し、得られた靴型により適切な靴の製作が可能と
なる。即ち足型以降の工程も、ほぼ機械的にできるため
熟練なども必要なく、低コストで適切な靴型を製作でき
ることとなる。
【0018】 〔実施例〕本発明の実施が可能な熱可塑
性樹脂は、加熱により融点をこえると流動化する樹脂
と、粘性を保ち当初の形状を維持する樹脂とに分かれ
る。前者は採取する足の大きさや、靴の形など全く自由
にでき、またその樹脂を何度でもそのまま再利用できる
ため、コストが安く済むメリットがあるが、足の表面に
樹脂を引き伸ばす手間がかかるという欠点がある。これ
に対し後者は予め採取作業がやりやすいように、靴など
の形に成形しておくことが出来るので、足型採取器とし
て利用出来るなど、極めて利便性が高い。しかし樹脂の
再利用は樹脂同士の接着力が高いので限界があり、その
分コストも高くなる欠点がある。従って実施例も樹脂の
性質により分けて実施した。
性樹脂は、加熱により融点をこえると流動化する樹脂
と、粘性を保ち当初の形状を維持する樹脂とに分かれ
る。前者は採取する足の大きさや、靴の形など全く自由
にでき、またその樹脂を何度でもそのまま再利用できる
ため、コストが安く済むメリットがあるが、足の表面に
樹脂を引き伸ばす手間がかかるという欠点がある。これ
に対し後者は予め採取作業がやりやすいように、靴など
の形に成形しておくことが出来るので、足型採取器とし
て利用出来るなど、極めて利便性が高い。しかし樹脂の
再利用は樹脂同士の接着力が高いので限界があり、その
分コストも高くなる欠点がある。従って実施例も樹脂の
性質により分けて実施した。
【0019】まず、前者の樹脂による足形採取法を、以
下のとおりの手順で実施した。ポリカプロラクトン樹脂
ペレット300グラムを、約80゜Cのお湯2リットル
の中に投入すると、樹脂の融点は600゜Cであるた
め、ほどなくペレットは軟化し一塊の餅状となった。そ
の状態でお湯を捨て、樹脂表面を霧吹きで冷却促進させ
ると20秒ほどで樹脂表面は45゜Cと皮膚接触可能な
温度となった。この状態で素早く取り出し、図−1の通
り、靴の形に準じ足の廻りに厚さ2ミリ見当にほぼ均等
に引き延ばした。この状態で更に20秒ほど待つと樹脂
は餅状からゴムシート状に硬化を開始した。この段階で
図−2の通り、所定の靴のヒールの高さに合わせて作ら
れた足型採取台に足をのせ、体重を掛けながら外側から
両手でボールガース部を押さえ込み、約40秒ほど固定
すると樹脂は完全硬化し、靴を履いた状態の雌型の足型
が得られた。
下のとおりの手順で実施した。ポリカプロラクトン樹脂
ペレット300グラムを、約80゜Cのお湯2リットル
の中に投入すると、樹脂の融点は600゜Cであるた
め、ほどなくペレットは軟化し一塊の餅状となった。そ
の状態でお湯を捨て、樹脂表面を霧吹きで冷却促進させ
ると20秒ほどで樹脂表面は45゜Cと皮膚接触可能な
温度となった。この状態で素早く取り出し、図−1の通
り、靴の形に準じ足の廻りに厚さ2ミリ見当にほぼ均等
に引き延ばした。この状態で更に20秒ほど待つと樹脂
は餅状からゴムシート状に硬化を開始した。この段階で
図−2の通り、所定の靴のヒールの高さに合わせて作ら
れた足型採取台に足をのせ、体重を掛けながら外側から
両手でボールガース部を押さえ込み、約40秒ほど固定
すると樹脂は完全硬化し、靴を履いた状態の雌型の足型
が得られた。
【0020】次に後者の樹脂による足型採取器および足
型採取法を、以下の通りの手順で実施した。予め2ミリ
厚のシート状に加工されたトランスポリイソプレン樹脂
シートを、靴の型紙状に切り取り、加熱によりお互いに
接着する性質を利用し、電気ごてにて図−3の通り、ハ
イヒール様に仕上げた。この樹脂の融点は67゜Cであ
るため電気ごてでなくとも、ドライヤーなどでも自在に
加工が可能である。ヒール部分およびヒールによりリフ
トされる靴底部分については、体重の加重や加熱により
所定の靴の形が崩れることの無いように、肉圧を十分に
厚く加工した。なお実際に使用する足型採取器について
は、このような製作の手間を無用とするため、各種の公
知の樹脂成形法を用い、規格生産するとともに、ヒール
部や靴底部のように、加熱時にも強度を保つ必要のある
部分については、熱に強い樹脂を用いる方法が考えられ
る。この足型採取器による足型採取は、足型採取法に準
じて、約80°Cのお湯に浸け軟化させる方法により行
なった。樹脂の厚さが均等なことに加え、軟化すると樹
脂の色が半透明に変色するなど加熱・放熱の管理がやり
やすいこと、さらにヒール部分と靴底部分が強固に取り
付けられているため足型採取台が必要ないこと等によ
り、簡単に足型を採取できた。なお採取後の足型採取器
は凡そ図−4の通りとなった。
型採取法を、以下の通りの手順で実施した。予め2ミリ
厚のシート状に加工されたトランスポリイソプレン樹脂
シートを、靴の型紙状に切り取り、加熱によりお互いに
接着する性質を利用し、電気ごてにて図−3の通り、ハ
イヒール様に仕上げた。この樹脂の融点は67゜Cであ
るため電気ごてでなくとも、ドライヤーなどでも自在に
加工が可能である。ヒール部分およびヒールによりリフ
トされる靴底部分については、体重の加重や加熱により
所定の靴の形が崩れることの無いように、肉圧を十分に
厚く加工した。なお実際に使用する足型採取器について
は、このような製作の手間を無用とするため、各種の公
知の樹脂成形法を用い、規格生産するとともに、ヒール
部や靴底部のように、加熱時にも強度を保つ必要のある
部分については、熱に強い樹脂を用いる方法が考えられ
る。この足型採取器による足型採取は、足型採取法に準
じて、約80°Cのお湯に浸け軟化させる方法により行
なった。樹脂の厚さが均等なことに加え、軟化すると樹
脂の色が半透明に変色するなど加熱・放熱の管理がやり
やすいこと、さらにヒール部分と靴底部分が強固に取り
付けられているため足型採取台が必要ないこと等によ
り、簡単に足型を採取できた。なお採取後の足型採取器
は凡そ図−4の通りとなった。
【0021】なおこれらの樹脂は、完全硬化後もある程
度の弾力性を有するため、足を型から抜きにくい場合
は、靴の履き口部を鋏で切り開き、樹脂を広げて足を引
き出すことが出来る。足を引き出したのち切り口を合わ
せれば、元の形状寸法を復元出来る。以上採取した各足
型にシリコン樹脂を流し込み、得られたシリコンの足型
の精度を実際の足と比較検証したところ、誤差は1ミリ
以内であり靴型の原型とする所期の目的をクリアした。
この足型に、希望する靴の形に準じ、捨て寸部分を同じ
シリコン樹脂等で追加成型し、靴型の原型とすることが
できる。この原型から倣い工作加工等の公知の形状転写
技術により靴型の製作が可能となる。
度の弾力性を有するため、足を型から抜きにくい場合
は、靴の履き口部を鋏で切り開き、樹脂を広げて足を引
き出すことが出来る。足を引き出したのち切り口を合わ
せれば、元の形状寸法を復元出来る。以上採取した各足
型にシリコン樹脂を流し込み、得られたシリコンの足型
の精度を実際の足と比較検証したところ、誤差は1ミリ
以内であり靴型の原型とする所期の目的をクリアした。
この足型に、希望する靴の形に準じ、捨て寸部分を同じ
シリコン樹脂等で追加成型し、靴型の原型とすることが
できる。この原型から倣い工作加工等の公知の形状転写
技術により靴型の製作が可能となる。
【0022】 〔発明の効果〕本発明は以上のとおり、
フィットした靴を履いたときの足型を反映した靴型をメ
ーカーの底付け工程に投入できる事により、完全にフィ
ットする靴を、安価かつ迅速に消費者に提供できる道を
開く。これにより現在の既成靴システムでは満足の得ら
れない消費者にも、満足のゆく靴を提供できる。また通
信販売のような、試し履きのできないシステムでも、足
型採取器を媒介としてユーザーの足の形状をメーカーサ
イドに伝えることができるため、的確な靴を消費者に提
供できることとなる。このため、流通の合理化をはかる
ことができるとともに、売れ残りが発生しないことか
ら、資源の節約にもつなげることができる。
フィットした靴を履いたときの足型を反映した靴型をメ
ーカーの底付け工程に投入できる事により、完全にフィ
ットする靴を、安価かつ迅速に消費者に提供できる道を
開く。これにより現在の既成靴システムでは満足の得ら
れない消費者にも、満足のゆく靴を提供できる。また通
信販売のような、試し履きのできないシステムでも、足
型採取器を媒介としてユーザーの足の形状をメーカーサ
イドに伝えることができるため、的確な靴を消費者に提
供できることとなる。このため、流通の合理化をはかる
ことができるとともに、売れ残りが発生しないことか
ら、資源の節約にもつなげることができる。
【図1】本発明の足型採取法の模式図
【図2】本発明の足型採取法の模式図
【図3】本発明の足型採取器(足型採取前)
【図4】本発明の足型採取器(足型採取後)
1 熱可塑性樹脂 2 足型採取台 3 お湯抜き孔
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂による足型の採取法
- 【請求項2】 熱可塑性樹脂を履物の形に成形した足型
採取器
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9167996A JPH08308609A (ja) | 1995-03-10 | 1996-03-09 | 足型の採取法および足型採取器 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8997195 | 1995-03-10 | ||
JP7-89971 | 1995-03-10 | ||
JP9167996A JPH08308609A (ja) | 1995-03-10 | 1996-03-09 | 足型の採取法および足型採取器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08308609A true JPH08308609A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=26431350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9167996A Pending JPH08308609A (ja) | 1995-03-10 | 1996-03-09 | 足型の採取法および足型採取器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08308609A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014000426A1 (zh) * | 2012-06-29 | 2014-01-03 | Dong Xin | 鞋靴内部尺寸的测量方法及其测量工具 |
CN106510100A (zh) * | 2015-09-14 | 2017-03-22 | 欧利速精密工业股份有限公司 | 鞋体内部容积的三维尺寸测量系统 |
-
1996
- 1996-03-09 JP JP9167996A patent/JPH08308609A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014000426A1 (zh) * | 2012-06-29 | 2014-01-03 | Dong Xin | 鞋靴内部尺寸的测量方法及其测量工具 |
CN106510100A (zh) * | 2015-09-14 | 2017-03-22 | 欧利速精密工业股份有限公司 | 鞋体内部容积的三维尺寸测量系统 |
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