JPH08304749A - 光導波路型素子およびその製造方法 - Google Patents

光導波路型素子およびその製造方法

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JPH08304749A
JPH08304749A JP10979695A JP10979695A JPH08304749A JP H08304749 A JPH08304749 A JP H08304749A JP 10979695 A JP10979695 A JP 10979695A JP 10979695 A JP10979695 A JP 10979695A JP H08304749 A JPH08304749 A JP H08304749A
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JP
Japan
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core
refractive index
optical waveguide
cell
clad
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Application number
JP10979695A
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English (en)
Inventor
Koichi Arishima
功一 有島
Takeshi Sukegawa
健 助川
Takuji Yoshida
卓史 吉田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易にして信頼性の高い光導波路型素子およ
びその製造方法を提供する。 【構成】 クラッドまたはコアまたはクラッドおよびコ
アの一部をくり抜き、作製された当該セル構造部位に屈
折率変化を生じる液体を挿入し、剛直な材料で封じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信において屈折率
変化を用いて光の制御を行う機能性光導波路型素子およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合分波器、波長フィルタをはじめ
として、外部入力によって振幅変調、位相変調、偏波面
回転、光路スイッチ、周波数シフト等の制御を行う種々
の機能性導波路型部品が提案されている。電気、音波、
磁場、光等を外部から入力し、屈折率変化、偏波面回
転、分極誘起によって、振幅、位相変調、偏向、回折、
モード変換、2次高調波発生などの機能を持たせること
ができる。
【0003】このうち屈折率変化を用いる場合では、得
られる機能は、振幅、位相変調、偏向、回折、モード変
換など非常に多く、多種の光部品が可能であるために、
精力的にその実用化が図られている。屈折率変化を与え
る方法としては、強誘電体結晶への電界印加による電気
光学効果、表面弾性波デバイスへのRF信号の印加によ
る音響光学効果、金属ヒータへの電流注入による熱光学
効果の利用などが提案されてきた。しかし、これらは何
れも電力を必要とし、部品の大型化、特に集積化に対し
ては問題があった。
【0004】これに対し、最近、有機ホトクロミック材
料の光照射による屈折率変化を用いた光導波路型素子の
提案(海老澤、星野、助川著 アプライド フィジック
スレター 1994年、65巻、5号、2919頁〜2
921頁)がなされている。これらの素子は、上部クラ
ッドがなくコア部分がむき出しの光回路(リッジ型光導
波回路)、または、上部クラッドを部分的にエッチング
等により除去し、コア部分をむき出しにした光導波回路
に、ポリマー中に分散した有機フォトクロミック材料
を、スピンコート、キャスト等の方法で塗布することに
よって、作製される。ここで、光導波回路のコアまたは
下部クラッド材料としては、ガラス、誘電体、ポリマー
があり、具体的には、石英、LiNbO3 、ポリメチル
メタクリレートなどが挙げられるが、一般的には、導波
損失の小さい石英が最も用いられる。
【0005】その動作原理は、フォトクロミック材料の
吸収波長の光を、クラッド外部からまたはコアを通し
て、クラッド内部から照射し、フォトクロミック反応に
より屈折率変化を起こし、コア内を導波する光の位相に
影響を与え、合波条件、分波条件、反射条件が変えるこ
とであって、これによりスイッチング、フィルタリング
等の機能が実現される。
【0006】この有機フォトクロミック材料を用いた素
子は、光照射により動作するため、大電力を必要とせ
ず、かつフォトクロミック分子の持つ2つの分子構造が
熱的に安定で逆反応を起こさないものであれば、素子の
変化した状態を保つこと(自己保持性)が可能である、
などの優れた特徴をもっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の有機フ
ォトクロミック材料を用いた光導波路型素子において
は、有機フォトクロミック材料を分散させた有機ポリマ
ーからなるクラッドとこれと接するコアおよび下部クラ
ッドの石英との密着性に問題がある。
【0008】すなわち、有機ポリマーと石英では、それ
らの熱膨張率が2桁以上異なるため、温度変化に対して
密着性が大きく低下し、素子特性が劣化する欠点があ
る。
【0009】また、有機ポリマー塗布後、ポリマーの溶
媒の蒸発や硬化に伴う体積収縮が起こり、界面の剥離や
溶質の析出が発生し、初期に素子特性が低下する現象が
みられる。さらに、石英の屈折率に整合させるため使用
されているフッ素置換したポリメチルメタクリレート
は、接着性の点で問題がある。
【0010】石英コアと屈折率を整合するためには、ク
ラッド材料の有機ポリマーの屈折率は、石英の屈折率よ
り小さくする必要があるが、多くの有機ポリマーは、石
英の屈折率より大きいため、材料選択が非常に限定され
ている。
【0011】また、ポリマー塗布によるクラッド形成で
は、ポリマー塗布溶液の粘度、溶媒の蒸発速度や塗布速
度、塗布膜厚等のさまざまな塗布条件を最適化しなけれ
ばならず、かつ光導波回路上の非常に狭い間隙を完全に
満たすためには、特別な装置を用いて、注意深くかつ時
間をかけて、塗布しなければならない。
【0012】本発明は、これらの従来の事情を鑑みてな
されたものであって、その課題は簡易にして信頼性の高
い光導波路型素子およびその製造方法を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、光が導波する
コアとその周りの屈折率の低いクラッドからなる光導波
路において、クラッドまたはコアまたはクラッドおよび
コアの一部をくり抜き、作製された当該セル構造部位に
屈折率変化を生じる液体を挿入し、剛直な材料で封じる
ことを最も主要な特徴とする。
【0014】すなわち、本発明の請求項1の光導波路型
素子は、光が導波するコアと該コアの周りに配置された
該コアより屈折率の低いクラッドとを有してなる光導波
路を有し、該光導波路に該光導波路の前記クラッドまた
は前記コアまたは前記クラッドおよびコアの一部がくり
抜かれたセル構造を有し、該セル内には屈折率変化を生
じる液体が注入されており、該セルの開口部が剛直な材
料で封じられていることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項2の光導波路型素子は、前
記請求項1の素子において、前記屈折率変化を生じる液
体が有機ホトクロミック材料と有機溶媒からなる液体で
あることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項3の光導波路型素子は、前
記請求項1の素子において、前記剛直な材料が紫外から
近赤外領域の光に対して透過性の高い材料であることを
特徴とする。
【0017】また、本発明の請求項4の光導波路型素子
の製造方法は、光が導波するコアと該コアの周りに配置
された該コアより屈折率の低いクラッドを有する光導波
路の前記クラッドまたは前記コアまたは前記クラッドお
よびコアの一部をくり抜いてセル構造を構成し、該セル
内に屈折率変化を生じる液体を注入するとともに、該セ
ルの開口部を剛直な材料で封じることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項5の光導波路型素子の製造
方法は、前記請求項4の製造方法において、前記屈折率
変化を生じる液体として有機ホトクロミック材料と有機
溶媒からなる液体を用いる特徴とする。
【0019】本発明の請求項6の光導波路型素子の製造
方法は、前記請求項4の光導波路型素子の製造方法前記
剛直な材料として紫外から近赤外領域の光に対して透過
性の高い材料を用いることを特徴とする。
【0020】これまでの光導波回路に有機材料を搭載す
る方法としては、成形性のある有機ポリマーをマトリッ
クス材料として用いる方法が一般的であったが、有機ポ
リマーと光導波回路の材料である石英との熱膨張率の違
いが、熱的変化に対する素子信頼性を大きく低下させる
要因であった。例えば、石英の線膨張係数は5.5×1
-7-1であるのに対して、一般に有機ポリマー6〜8
×10-5-1の範囲であり、ほぼ2桁膨張率が異なる。
このため、熱的な変動を与えた場合、石英と有機ポリマ
ーの界面で剥離が生じ、素子特性の低下を招き、素子信
頼性を大きく損ねていた。
【0021】これに対して、本発明では、有機材料を光
導波回路に搭載する方法として、有機材料を溶解させた
溶液を、エッチング等で導波回路をくり抜いた部位に挿
入する構成および方法を採用した。これにより、光導波
回路と有機材料の界面は、固体と液体の界面であるた
め、界面での剥離は生じない。
【0022】本発明では熱膨張率の大きな溶液をマトリ
ックスとするため、温度に対する屈折率変化が問題とな
る。ここで、屈折率の温度依存性は下式で表され、
【0023】
【数1】
【0024】分子屈折の温度変化はほとんど無視できる
ため、温度に対する屈折率変化の要因は密度変化であ
り、線膨張率で表される。
【0025】そこで、本発明では、この熱膨張に基づく
屈折率変化を抑制するため、セル上部は剛直な材料で封
止することを特徴とする。上部を剛直な材料で封じるこ
とによって熱膨張を抑えれば、温度変化に伴う屈折率変
化の抑制は可能である。具体的な数値で示すと、20℃
から80℃の温度上昇に伴う圧力上昇は、約0.2kg
重/cm2 であり、この圧力は通常の接着材による接着
で十分耐久できる値である。
【0026】また、この剛直な封止材料として、光透過
性材料を用いることによって、紫外から近赤外のフォト
クロミック反応を誘起する光線を透過できるため、コア
を通してクラッド内部からの光照射以外に、素子上部の
遠隔から光照射することによって、素子を動作させるこ
とも可能である。
【0027】本発明に用いられる溶媒は、有機材料の良
溶媒であること以外に、屈折率が石英のそれより小さい
こと、沸点が高いことが選択の基準となる。
【0028】有機溶媒をクラッド層として用いる場合
は、有機溶媒の屈折率はコア材料の屈折率より小さいこ
とが必須条件となる。有機溶媒の屈折率は、CRC ハ
ンドブック オブ ケミストリ アンド フィジックス
(第66版)(ロバート,C,ウィースト(Rober
t,C,Weast)編、CRC出版、フロリダ、米
国、1985) E−366〜E−368 に掲示され
ているように、有機溶媒中の約60%は、石英の屈折率
1.45より小さく、かつ90%以上は、1.50以下
である。複数の溶媒を混合した場合は、屈折率は混合比
にほぼ比例するので、ほとんどの溶媒を1.45以下に
することができ、溶媒選択の自由度は非常に大きい。
【0029】本発明の溶媒をセルに封入した素子構造で
は、溶媒の沸点以上において急激な圧力上昇が起こり、
信頼性は低下する。このため、封入する溶媒の沸点は高
いほどセル内部圧力の上昇は起こりにくく、信頼性は高
いことになる。
【0030】以上の選択基準を考慮し、使用可能な溶媒
の例を表1およびこれに続く表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】本発明におけるクラッドまたはコアまたは
クラッドおよびコアのくり抜きは、光導波回路を火炎堆
積法等で作製後、反応性エッチング等のコア上部、コア
側面、またはコア上部および側面、さらにはコアおよび
クラッドをエッチングすることで作製できる。
【0034】代表的なセル構造を図1ないし図5に示
す。
【0035】図中、11,21,31,41,51は、
屈折率変化を生じる液体を封入したセル、12,22,
32,42,52は、光導波路のコア、13,23,3
3,43,53は、光導波路のクラッド、14,24,
34,44,54は、液体セルを封止する剛直な板、1
5,25,35,45,55は、基板である。なお、各
図の(a)は平面図であり、(b)は(a)のb−b’
線に沿う断面構成図である。
【0036】それぞれのセル基本構造およびその動作方
法について詳述すると、図1はコア上部のクラッド層を
コアに沿って除去した構造であって、セル横幅はコア幅
以上であればよい。図2はコア両側面のクラッド層をコ
アに沿って除去したもので、幅はエバネッセント波の滲
みだし長より大きければよい。必ずしもコア両側面であ
る必要はなく、素子特性上片面でも構わない。また、セ
ル深さはコア底面と同じかまたはそれより深くてもよ
い。図3は図1および図2を組み合わせた構造である。
これら図1、図2および図3の動作方法は、各セルの封
止材の上部からセル全面に光照射し、セル中の液体の屈
折率を一様に変化させる方法である。図4はコア上部の
クラッド層を不連続に除去したものであって、各セルを
独立に光照射し、屈折率を変化させることができる。こ
こで、各セルのコア長手方向の長さは同一でも異なって
いてもよい。図5はコアおよびクラッドを不連続に除去
した構造であって、この場合の各セルのコア長手方向の
長さは、同一でも異なっていてもよく、各セルを独立に
光照射し、屈折率を変化させることができる。
【0037】実際の光導波路素子は、上述した屈折率制
御可能な基本構造を単独で用いるか、または合波回路、
分波回路、干渉回路等を組み合わせて、構成される。例
えば、図4または図5の構造の直線光導波路は、それぞ
れのセルを独立に制御することによって、可変位相シフ
ト素子となる。また、直線部分に図1、図2または図3
のいずれかの構造を組み込んだマッハツェンダ回路と3
dBカップラを組み合わせて、スイッチ素子ができる。
【0038】さらに、加工されたセル構造に対して液体
を注入する工程は、比較的幅広いセルにおいては、マイ
クロシリンジ等の微量液体を注入する器具を用いればよ
く、幅が数十μm以下の狭いセルでは、液体の表面張力
によってセル内を満たすことが可能である。従来のポリ
マー塗布による方法に比べ、非常に簡単な工程で素子が
できることがわかる。
【0039】このように本発明は、従来技術とは大きく
異なり、屈折率が変化する有機材料を含む液体を、クラ
ッド、またはクラッドおよびコアの一部を除去してなる
セル内に注入して封止した構成の光導波路型素子であっ
て、導波路材料と搭載する機能材料との界面の剥離、ず
れが生じず、かつ初期特性の低下がないことから、信頼
性の高い素子ができること、溶媒の屈折率は石英の屈折
率より低いものが多いため、整合しやすく、液体である
ため、導波路上に搭載しやすいなど、素子作製上簡易に
できるなどの特長を有している。
【0040】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、屈折
率変化を起こす液体で満たされたセルが、クラッド、ま
たはコアおよびクラッドに搭載された構成の光導波路型
素子であれば、本発明の範囲内に含まれる。
【0041】(実施例1)本発明の最も簡易な可変位相
シフト素子の模式図を、図6に示す。
【0042】図6の(a)は平面図、(b)は(a)の
b−b′線に沿う断面図である。また、図中、101は
屈折率変化を示す有機溶媒用セル、102は導波路のコ
ア、103は導波路のクラッド、104はセル封止用
板、105はシリコン基板、106は入力ポート、10
7は出力ポートである。
【0043】この素子を作製するには、従来の火炎堆積
法で作製した直線導波路素子をリアクティブイオンエッ
チング装置で幅50μm、長さ50μm、深さ30μm
のパターンを約200μm間隔で20個エッチングし、
溶液セル101を作製する。当該セル101にフォトク
ロミック材料である2,3−ビス(2,3,4−トリメ
チル−3−チエニル)マレイン酸無水物20重量部を、
メチルイソブチルケトン50重量部、クロルベンゼン3
0重量部の混合溶媒に溶解させて、マイクロピペットで
注入し、セル上部を長さ10mm、幅2mm、厚さ0.
2mmの石英板104で封止した。
【0044】ここで用いることのできるその他の有機フ
ォトクロミック材料としては、スピロピラン類、スピロ
オキサジン類、フルギド類、ジチエニルエテン類やジイ
ンドリルエテン類などである。具体的な基本構造名を列
挙すればスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2′−
インドリン]、スピロインドリノナフトピラン、スピロ
ベンゾインドリノベンゾピラン、スピロインドリノフェ
ナントロピラン、スピロインドリノアントラピラン、ス
ピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2′−ベンゾチア
ゾリン]、スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2′
−ベンゾオキサゾリン]、スピロ[2H−1,4−ベン
ゾオキサジン−2,2′−インドリン]、スピロ[2H
−1−ベンゾピラン−2,2′−[2H]ピリジン]、
スピロ[3H−ナフト[2,1−b]ピラン−3,2′
−[2H]ピリジン]などがある。さらに具体的な化合
物名を列挙すると、1′,3′,3′−トリメチル−6
−ニトロスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2′−
インドリン]、1′,3′,3′−トリメチル−6−ヒ
ドロキシスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2′−
インドリン]、1′,3′,3′−トリメチル−6−ブ
ロモスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2′−イン
ドリン]、1′,3′,3′−トリメチル−8−メトキ
シスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2′−インド
リン]、1′,3′,3′−トリメチルスピロ[インド
リン−2,3′−[3H]−ナフト[2,1−b1−ベ
ンゾピラン−2,2′−インドリン]などである。
【0045】上記作製法で得られた導波路素子の各セル
にセル上部からHeNeレーザ(光強度100μW/c
2 、ビーム径70μm)を照射し、フォトクロミック
反応による屈折率変化を起こし、コア内を導波する波長
1.55μmのレーザ光に対して、1セルあたり約π/
100の位相変化を与えることができた。
【0046】(実施例2)本発明を用いた光導波路型光
スイッチ素子の全体図を、図7に示す。
【0047】本素子は、高帯域3dBカップラ(図7中
の6C部分および6D部分)およびマッハツェンダ型干
渉回路から成り、マッハツェンダ型干渉回路の直線部分
(図中の6A部分および6B部分)に本発明の屈折率変
化を起こす有機材料を溶解した液体を封止したセルを搭
載する。
【0048】図中、61は入射ポート、62,63、お
よび64は出射ポート、65,66は導波路のコア、6
7,68は有機溶剤を封止したセル、69は導波路のク
ラッドである。また、6A,6Bは有機溶剤を封止した
セルを含むマッハツェンダ干渉回路の直線部分であり、
6C,6Dは高帯域3dBカップラである。
【0049】図7中の6Aまたは6Bのマッハツェンダ
干渉回路の直線部分の拡大図を、図8に示す。図8の
(a)は平面図、(b)は(a)のb−b′線に沿う断
面図である。また、図中、201は屈折率変化を示す有
機溶液用セル、202は導波路のコア、203は導波路
のクラッド、204は封止用板、205はシリコン基板
である。
【0050】この素子を作製するには、従来の火炎堆積
法で作製した導波路素子のマッハツェンダ回路における
両方の直線導波路に対して、コア両側をリアクティブイ
オンエッチング装置で幅50μm、長さ5mm、深さ3
0μmをエッチングし、溶液セルを作製する。当該セル
に、フォトクロミック材料である2,3−ビス(2,
4,5−トリメチル−3−チエニル)マレイン酸無水物
20重量部を、メチルイソブチルケトン50重量部、ク
ロルベンゼン30重量部の混合溶媒に溶解させて、マイ
クロピペットで注入し、セル上部を長さ10mm、幅2
mm、厚さ0.2mmの石英板で封止した。
【0051】上記作製法で得られた導波路型素子の溶液
セルに、セル上部の石英製封止板を通して、中心波長3
65nmの干渉フィルタで分光した水銀ランプ光を照射
し、フォトクロミック分子を開環状態から閉環状態に光
反応で変化させ、レーザ発振波長領域である可視部に吸
収を持たせた。
【0052】このようにして得られた光導波路型スイッ
チ素子の入力ポートから波長1.55μmのレーザ光を
導波させ、液体セル67に対してのみHeNeレーザ
(発振波長633nm、出力1mW)を照射しながら、
出力ポート63および出力ポート64の光強度を光検出
器で測定した。その結果を、図9に示す。照射量ととも
に両出力ポートの光強度が変化し、光スイッチが行われ
ていることを確認した。 (実施例3)実施例2と同等な全体構造を有し、マッハ
ツェンダ型干渉回路の直線部分のセル形状が異なる光導
波路型スイッチ素子を作製した。
【0053】すなわち、図7で示される全体構造を有
し、高帯域3dBカップラ(図7中の6C部分および6
D部分)およびマッハツェンダ型干渉回路から成り、マ
ッハツェンダ型干渉回路の直線部分(図中の6A部分お
よび6B部分)に本発明の屈折率変化を起こす有機液体
を封止したセルを搭載する。
【0054】図7中の6Aまたは6Bのマッハツェンダ
干渉回路の直線部分の拡大図を、図10に示す。図10
の(a)は平面図、(b)は(a)のb−b′線に沿う
断面図である。また、図中、301は屈折率変化を示す
有機溶液用セル、302は導波路のコア、303は導波
路のクラッド、304は封止用板、305はシリコン基
板である。
【0055】この素子を作製するには、従来の火炎堆積
法で作製した導波路素子のマッハツェンダ回路における
両方の直線導波路に対して、リアクティブイオンエッチ
ングsoで幅20μm、長さ5mm、深さ22μmをエ
ッチングし、コア上部のクラッドを除去することによっ
て、溶液セルを作製する。当該セルに、フォトクロミッ
ク材料である2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−
3−チエニル)マレイン酸無水物20重量部を、メチル
イソブチルケトン50重量部、クロルベンゼン30重量
部の混合溶媒に溶解させて、マイクロピペットで注入
し、セル上部を長さ10mm、幅2mm、厚さ0.2m
mの石英板で封止した。
【0056】上記作製法で得られた導波路型素子の溶液
セルに、セル上部の石英製封止板を通して、中心波長3
65nmの干渉フィルタで分光した水銀ランプ光を照射
し、フォトクロミック分子を開環状態から閉環状態に光
反応で変化させ、レーザ発振波長領域である可視部に吸
収を持たせた。
【0057】このようにして得られた光導波路型スイッ
チ素子の入力ポートから波長1.55μmのレーザ光を
導波させ、HeNeレーザ(発振波長633nm、出力
1mW)を照射しながら、出力ポート1および出力ポー
ト2の光強度を光検出器で測定した。実施例3と同様
に、照射量とともに両出力ポートの光強度が変化し、光
スイッチが行われていることを確認した。
【0058】(実施例4)本発明を方向性結合器に用い
た光スイッチ素子を、図11に示す。
【0059】図11の(a)は平面図、(b)は(a)
のb−b′線に沿う断面図である。(a)において、7
1,72は入射ポート、73,74は出射ポート、7
5,76は導波路のコア、77は屈折率変化を示す有機
溶媒用セル、78は導波路のクラッドである。(b)に
おいて、401は屈折率変化を示す有機溶液用セル、4
02は導波路のコア、403は導波路のクラッド、40
4は封止用板、405はシリコン基板である。
【0060】この素子を作製するには、従来の火炎堆積
法で作製した導波路素子の方向性結合器部位の両導波路
間のクラッド部分を、リアクティブイオンエッチング装
置を用いて、深さ30μmまでエッチングし、溶液セル
を作製する。当該セルに、フォトクロミック材料である
スピロインドリノアントラピラン20重量部を、メチル
イソブチルケトン50重量部、クロルベンゼン30重量
部の混合溶媒に溶解させて、マイクロピペットで注入
し、セル上部を長さ10mm、幅2mm、厚さ0.2m
mの石英板で封止した。
【0061】上記作製法で得られた導波路型素子の溶液
セルに、セル上部の石英製封止板を通して、中心波長3
65nmの干渉フィルタで分光した水銀ランプ光を照射
し、フォトクロミック分子を開環状態から閉環状態に光
反応で変化させ、レーザ発振波長領域である可視部に吸
収を持たせた。
【0062】このようにして得られた光導波路型スイッ
チ素子の入力ポートから波長1.55μmのレーザ光を
導波させ、HeNeレーザ(発振波長633nm、出力
1mW)を照射しながら、出力ポート1および出力ポー
ト2の光強度を光検出器で測定した。照射量とともに両
出力ポートの光強度が変化し、光スイッチが行われてい
ることを確認した。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いるこ
とによって、光導波路回路上に屈折率変化を起こす有機
材料と搭載する場合、有機材料と導波路材料との界面の
剥離、ずれが生じず、且つ初期特性の低下がないことか
ら信頼性の高い素子ができること、溶媒の屈折率は石英
の屈折率より低いものが多いため整合しやすく、液体で
あるため導波路上に搭載しやすいなど素子作製上簡易に
できるなどの特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最も特長的な液体セルの構造の一例を
示したもので、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b′線に沿う断面図である。
【図2】本発明の最も特長的な液体セルの構造の一例を
示したもので、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b′線に沿う断面図である。
【図3】本発明の最も特長的な液体セルの構造の一例を
示したもので、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b′線に沿う断面図である。
【図4】本発明の最も特長的な液体セルの構造の一例を
示したもので、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b′線に沿う断面図である。
【図5】本発明の最も特長的な液体セルの構造の一例を
示したもので、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b′線に沿う断面図である。
【図6】本発明の最も簡易な可変位相シフト素子の模式
図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b′線に沿う断面図である。
【図7】高帯域3dBカップラおよびマッハツェンダ型
干渉回路からなる光導波路型光スイッチ素子の平面構成
図である。
【図8】図7における6Aまたは6Bのマッハツェンダ
干渉回路の直線部分の拡大図であって、(a)は平面
図、(b)は(a)のb−b′線に沿う断面図である。
【図9】実施例2で得られた光導波路型スイッチ素子の
動作結果を示したグラフであって、横軸は測定時間(単
位は秒)、縦軸は各出力ポートにおける出力(単位はマ
イクロワット)である。図中のデータは、ポート63お
よび64における出力がレーザ光の照射時間とともに変
化する様子を示したものである。
【図10】実施例3の溶液セル部位の拡大図であって、
(a)は平面図、(b)は(a)のb−b′線に沿う断
面図である。
【図11】方向性結合器に用いた光スイッチ素子を示す
図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b′線に沿う断面図である。
【符号の説明】 11,21,31,41,51 屈折率変化を生じる液
体を封入したセル 12,22,32,42,52 光導波路のコア 13,23,33,43,53 光導波路のクラッド 14,24,34,44,54 液体セルを封止する剛
直な板 15,25,35,45,55 基板 61,62 入射ポート 63,64 出射ポート 65,66 導波路のコア 67,68 有機溶剤を封止したセル 69 導波路のクラッド 6A,6B 有機溶液を封止したセルを含むマッハツェ
ンダ干渉回路の直線部分 6C,6D 高帯域3dBカップラ 71,72 入射ポート 73,74 出射ポート 75,76 導波路のコア 77 屈折率変化を示す有機溶液用セル 78 導波路のクラッド 101 屈折率変化を示す有機溶液用セル 102 導波路のコア 103 導波路のクラッド 104 封止用板 105 シリコン基板 106 入力ポート 107 出力ポート 201 屈折率変化を示す有機溶液用セル 202 導波路のコア 203 導波路のクラッド 204 封止用板 205 シリコン基板 301 屈折率変化を示す有機溶液用セル 302 導波路のコア 303 導波路のクラッド 304 封止用板 305 シリコン基板 401 屈折率変化を示す有機溶液用セル 402 導波路のコア 403 導波路のクラッド 404 封止用板 405 シリコン基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光が導波するコアと該コアの周りに配置
    された該コアより屈折率の低いクラッドとを有してなる
    光導波路を有し、該光導波路に該光導波路の前記クラッ
    ドまたは前記コアまたは前記クラッドおよびコアの一部
    がくり抜かれたセル構造を有し、該セル内には屈折率変
    化を生じる液体が注入されており、該セルの開口部が剛
    直な材料で封じられていることを特徴とする光導波路型
    素子。
  2. 【請求項2】 前記屈折率変化を生じる液体が有機ホト
    クロミック材料と有機溶媒からなる液体であることを特
    徴とする請求項1に記載の光導波路型素子。
  3. 【請求項3】 前記剛直な材料が紫外から近赤外領域の
    光に対して透過性の高い材料であることを特徴とする請
    求項1に記載の光導波路型素子。
  4. 【請求項4】 光が導波するコアと該コアの周りに配置
    された該コアより屈折率の低いクラッドを有してなる光
    導波路の前記クラッドまたは前記コアまたは前記クラッ
    ドおよびコアの一部をくり抜いてセル構造を構成し、該
    セル内に屈折率変化を生じる液体を注入するとともに、
    該セルの開口部を剛直な材料で封じることを特徴とする
    光導波路型素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記屈折率変化を生じる液体として有機
    ホトクロミック材料と有機溶媒からなる液体を用いる特
    徴とする請求項4に記載の光導波路型素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記剛直な材料として紫外から近赤外領
    域の光に対して透過性の高い材料を用いることを特徴と
    する請求項4に記載の光導波路型素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008076884A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 National Institute For Materials Science 可逆光応答素子並びにそれを用いた撮像装置及び並列アナログ演算装置
JP2009526253A (ja) * 2006-02-09 2009-07-16 コミツサリア タ レネルジー アトミーク マイクロ技術的な光学素子に流体物質を充填可能とする空洞の形成方法

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