JPH083022B2 - 水素添加ブロック共重合体組成物及びそのホットメルト型粘着剤組成物 - Google Patents

水素添加ブロック共重合体組成物及びそのホットメルト型粘着剤組成物

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JPH083022B2
JPH083022B2 JP28198091A JP28198091A JPH083022B2 JP H083022 B2 JPH083022 B2 JP H083022B2 JP 28198091 A JP28198091 A JP 28198091A JP 28198091 A JP28198091 A JP 28198091A JP H083022 B2 JPH083022 B2 JP H083022B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定構造を有する水素
添加ブロック共重合体組成物とその粘着剤組成物に関す
る。本発明の組成物はホットメルト型粘着剤に要求され
る低溶融粘度と優れた粘着特性(タック、剥離強度、保
持力)、熱安定性を有し、特に紙おむつ、生理用ナプキ
ン等の衛生材料の分野における粘着材料として有効であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、粘着剤は粘着テープ・ラベル
等種々の用途に使用されてきている。これらのテープ類
への粘着剤の塗布は一般に粘着剤を溶剤に溶かした粘着
剤溶液をロール,スプレー等の手段によって基材へ塗布
する方法がとられている。しかし、このような溶剤の使
用は、大気汚染、火災、衛生等の面から多くの問題を含
んでおり、社会問題として重大視されるようになってき
ている。そこで、かかる不都合を解決する手段として、
非溶剤型のホットメルト型粘着剤が注目されている。
【0003】ホットメル型粘着剤の中でも、現在非常に
伸びているのが紙おむつやナプキン等の衛生関連市場に
おける粘着剤としての使用である。このようなホットメ
ルト粘着剤への要求特製としては、 塗布安定性が優れていること。このためには、流動性
が良いことが必要である。(低溶融粘度) 粘着特性が良いこと。(タック、剥離強度、保持力) 加熱による粘度変化や着色が無いこと。(熱安定性) 等が挙げられる。
【0004】そして、最近では、加工性を良くするため
にさらに溶融粘度の低いホットメルト型粘着剤が求めら
れているのであるが、低粘度化すると、肝心の粘着特性
が低下してしまうという問題点がある。従って、従来の
ホットメルト型粘着剤よりもさらに低粘度で、しかも優
れた粘着特性を有するホットメルト型粘着剤の出現が望
まれているのであるが、従来のホットメルト型粘着剤で
は、上記要求を全て満たすような優れたものがないのが
実情である。
【0005】例えば、特公昭44−17037号公報及
び特公昭47−21720号公報にはスチレン−ブタジ
エン−スチレンあるいはスチレン−イソプレン−ブタジ
エンからなるブロック共重合体を用いたホットメルト型
粘着剤が開示されている。しかしながら、それらは優れ
た粘着力を有するものの、加熱による劣化が激しく、そ
のような環境では使用できない。その点を改良すべく、
共役ジエン部分を水素添加し、スチレン−エチレン/ブ
チレン−スチレンブロック共重合体とした粘着剤が、米
国特許第3427269号及び特公昭55−7875号
公報に開示されている。
【0006】ところが、これらも水素添加することによ
り、粘着力が著しく低下し、さらに高温での溶融粘度が
高く、使用は著しく限定される。その他、米国特許第4
286077号には、水素添加ブロック共重合体とし
て、低スチレン含有マルチブロック共重合体、あるいは
低スチレンジブロック共重合体を用いた例が開示されて
いる。しかし、これも低溶融粘度化されてはいるが、保
持力が著しく低下し、性能として不十分である。また、
特開平2−1788号公報にも、水素添加ブロック共重
合体として、トリブロック構造と特定構造のブロック共
重合体とを組み合せた開示がある。しかしながら、ここ
に開示された組成物も溶融粘度とタックのバランスが不
十分である。
【0007】このように、前記した要求特性を全て満た
すホットメルト型粘着剤は現在のところ見つかっておら
ず、種々の問題をかかえながら使用しているのが現状で
ある。特に、低溶融粘度であって塗布安定性が優れ、か
つ優れた粘着特性を有するホットメルト型粘着剤の開発
が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低溶
融粘度でありながら優れた粘着特性を有し、かつ熱安定
性が良く、紙おむつやナプキン等に用いる粘着剤に適し
た水素添加ブロック共重合体組成物とそれを含有するホ
ットメルト型粘着剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ビニル芳
香族化合物ブロック−共役ジエン化合物ブロック共重合
体の水素添加物のポリマー構造とその粘着剤特性の相関
について、鋭意検討を進めた。その結果、特定構造の水
素添加ブロック共重合体は、非常に低溶融粘度であり、
粘着剤組成物とした場合、優れた加工性と粘着特性を有
することを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】即ち、本発明は、 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと少なくとも2個の共役ジエン化合
物を主体する重合体ブロックBを有し、かつ少なくとも
1個の重合体ブロックBがポリマー鎖の末端にある高分
子量のブロック共重合体を水素添加して得られる水素添
加ブロック共重合体と、 (b)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックCと少なくとも1個の共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックDを有し、かつ少なくと
も1個の重合体ブロックDがポリマー鎖の末端にある低
分子量のブロック共重合体を水素添加して得られる水素
添加ブロック重合体とからなり、且つ (a)と(b)の各々のビニル芳香族化合物の含量が2
5〜40重量%、 (a)と(b)の重量%の割合が80/20〜20/8
0、 (a)と(b)との平均分子量(Mn)が20,000
〜80,000、 (a)と(b)の分子量比((a)のMn/(b)のM
n)が1.5〜4.5である水素添加ブロック共重合体
組成物、及び上記水素添加ブロック共重合体組成物を含
有するホットメルト型粘着剤組成物である。
【0011】本発明の主たる特徴は、ポリマー鎖の末端
が共役ジエンブロックである高分子量のブロック共重合
体を水素添加した共重合体と、ポリマー鎖の末端が共役
ジエンブロックである低分子量のブロック共重合体を水
素添加した共重合体の両方を用い、しかもその平均分子
量と分子量比を特定範囲に規定したことにある。このよ
うな構造にすることにより、接着剤組成物として用いた
場合、低溶融粘度と優れた粘着特性を有するホットメル
ト型粘着剤組成物が得られたのである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
水素添加ブロック共重合体は高分子量ブロック共重合体
(a)と低分子量ブロック共重合体(b)の構造、ビニ
ル芳香族化合物量や水添前のビニル結合量等のミクロ構
造は、同一であってもよいし、異なるものであっても、
前記の範囲内であれば、かまわない。
【0013】ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックA又はCは、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物との重量比が100/0〜51/49、好ましくは
100/0〜70/30の組成範囲からなる重合体ブロ
ックであり、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物が
共重合した場合、このブロックにおける共役ジエン化合
物の分布は、ランダム、テーパー(分子鎖に沿ってモノ
マー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状
またはこれらの任意の組合せのいずれでもあってもよ
い。
【0014】また、共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックB又はDは、ビニル芳香族化合物と共役ジエ
ン化合物との重量比が0/100〜49/51、好まし
くは0/100〜30/70の組成範囲からなる重合体
ブロックであり、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合
物が共重合した場合、このブロックにおけるビニル芳香
族化合物の分布は、ランダム、テーパー(分子鎖に沿っ
てモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロ
ック状またはこれらの任意の組合せのいずれであっても
よい。
【0015】ここで供するビニル芳香族化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ンやp−ターシャリブチルスチレン等のアルキルスチレ
ン、パラメトキシスチレン、ビニルナフタレン等のうち
から1種または2種以上が選ばれ、中でもスチレン、p
−メチルスチレンが特に好ましい。また共役ジエン化合
物としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メ
チルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメ
チル−1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,
3−オクタジエン等のうちから1種または2種以上が選
ばれ、中でもブタジエンおよび/またはイソプレンが特
に好ましい。
【0016】ビニル芳香族化合物の含有量は、25〜4
0重量%の範囲が好ましく、25〜35重量%の範囲が
更に好ましい。ビニル芳香族化合物の含有量が40重量
%を越える場合は、粘着剤組成物のタックが低下し、ま
た溶融粘度も高くなる。逆に25%未満の場合は、保持
力、クリープ特性が不十分となる。
【0017】共役ジエン部分のミクロ構造は、水添前の
ビニル結合量が30〜70%の範囲が好ましく、40〜
60%の範囲がより好ましく、50〜60%の範囲が更
に好ましい。(ビニル結合量とは、ブロック共重合体中
に1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合
様式で組込まれている共役ジエン化合物のうち、1,2
結合及び3,4−結合の結合様式で組み込まれているも
のの割合とする)ビニル結合量が30%未満であると溶
融粘度が不十分であり、またそれが70%を越えると、
得られる粘着剤組成物のタックが低下してくる。共役ジ
エン部分のミクロ構造は、赤外分光光度計(IR)や核
磁気共鳴装置(NMR)等により分析できる。
【0018】本発明の水素添加ブロック共重合体は、
(a)高分子量と(b)低分子量の水素添加ブロック共
重合体からなり、(a)/(b)の割合が80/20〜
20/80(重量%)であることが必要である。そし
て、総合の数平均分子量が20,000〜80,000
の範囲にあり、(a)と(b)の分子量比(a)のMn
/(b)のMnが1.5〜4.5の範囲にあれば、特別
は制約は受けない。
【0019】ここでいう総合の数平均分子量とは、
(a)と(b)の平均の分子量であり、個々の数平均分
子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー
(GPC)で常法により測定できる。その製法は、例え
ば、別々に高分子量水素添加ブロック共重合体と低分子
量水素添加ブロック共重合体を製造し、ブレンドしても
よい。また、重合途中において、重合触媒を追添加(触
媒分割による逐次重合法)して、分子量の異なるブロッ
ク共重合体の混合物として製造し、その後水素添加して
もよい。さらに、低分子量のブロック共重合体をカップ
リング反応させ、カップリング率を上記範囲にコントロ
ールして、その後水素添加して製造してもかまわない。
いずれの方法にせよ、本発明の構造を有するものであれ
ばよい。
【0020】粘着剤組成物にした場合、(a)の割合が
80重量%を越えると溶融粘度が高く、またタックも低
下し好ましくない。逆に(b)の割合が80重量%を越
えると保持力が低下するなど十分な粘着特性が得られな
い。また、総合の平均分子量が80,000を越える
と、著しく溶融粘度が上りホットメルト型粘着剤として
使用し難しくなり、20,000未満であると、十分な
保持力が得られない。
【0021】また、上記ブロック共重合体の分子構造
は、直鎖状、分岐状、放射状またはこれらの組合せなど
いずれでもよい。そして、ビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックあるいは共役ジエンを主体とするブ
ロックのそれぞれは、同一の構造であってもよいし、モ
ノマー成分含有量、それらの分子鎖における分布、ブロ
ックの分子量、ミクロ構造などの各構造が異なるもので
あってもよい。
【0022】ブロック共重合体の製造法としては、例え
ば特公昭36−19286号公報、特公昭43−149
79号公報、特公昭49−36957号公報などに記載
された方法が挙げられる。これらは、炭化水素溶剤中で
アニオン重合開始剤として有機リチウム化合物等を用
い、ビニル化剤としてジエチルエーテル、テトラヒドロ
フランの如きエーテル化合物、トリエチルアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの如き
第3級アミン、必要に応じカップリング剤としてエポキ
シ化ダイズ油、炭酸ジエチル、四塩化ケイ素の如き多官
能性化合物を用い、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物をブロック共重合する方法であり、直鎖状、分岐状
あるいは放射状の構造を有するブロック共重合体として
得られる。本発明においては、いかなる重合法で得られ
たものであっても、上記のものであれば使用可能であ
る。
【0023】上記のブロック共重合体を、公知の方法、
例えば、特公昭42−8704号公報に記載の方法で水
添することにより水添ブロック共重合体が得られる。本
発明は、共役ジエン部分の80%以上を水素添加させる
必要がある。水素添加の割合が低いと、熱安定性が劣
る。すなわち、加熱により粘度変化が起り、特性が低下
したり、色調が変化したりする。水素添加率は、赤外分
光光度計(IR)や、核磁気共鳴装置(NMR)等を用
いた機器分析、ヨード滴定法等による滴定分析などによ
り分析できる。
【0024】本発明で用いる水素添加ブロック共重合体
は、不飽和カルボン酸またはその誘導体との付加反応に
より変性させ、官能基を含有したものでもかまわない。
本発明の水素添加ブロック共重合体組成物は、粘着性樹
脂、軟化剤、必要に応じてその他の配合剤を含有させ、
粘着剤組成物として使用される。
【0025】粘着性樹脂は、従来粘着付与剤としてホッ
トメルト型粘着剤に使用されているものであり、例え
ば、クマロン・インデン樹脂、フェノール樹脂、p−第
三−ブチルフェノール・アセチレン樹脂、フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポ
リテルペン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、合
成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系
環状炭化水素樹脂、モノオレフィンやジオレフィンのオ
リゴマー、水素添加炭化水素樹脂、炭化水素系粘着化樹
脂、ポリブテン、ロジンの多価アルコールエステル、水
素添加テルベン樹脂、水素添加ロジン、水添ウッドロジ
ン、水素添加ロジンとモノアルコール又は多価アルコー
ルとのエステル、テレピン系粘着付与剤などがあげられ
る。
【0026】より詳細には、「ゴムプラスチック配合薬
品」(ラバーダイジェスト社編)に記載されたものが使
用できる。本発明において、粘着性樹脂は、一般に水素
添加ブロック共重合体100重量部に対して、40〜4
00重量部の範囲で使用される。
【0027】軟化剤は、石油系軟化剤,パラフィン,植
物油系軟化剤,可塑剤等であり、具体的には前述の「ゴ
ム・プラスチック配合薬品」に記載されている軟化剤が
使用できる。軟化剤は、一般に水素添加ブロック共合体
100重量部に対して20〜200重量部の範囲で使用
される。その他の配合剤として酸化防止剤、紫外線吸収
剤等をブロック共重合体100重量部に対し10重量部
以下の量を添加し、耐候・耐熱・耐酸化性を更に向上し
うるし、目的に応じ炭酸カルシウム、酸化チタンなどの
粉末フィラー、ガラス繊維、有機補強用繊維等の繊維状
フィラー等を混合していてもよい。
【0028】本発明の水素添加ブロック共重合体組成物
は、例えば上記各原料と共に、溶融撹拌混合釜に入れて
加熱混合すること等によってホットメルト型粘着剤組成
物とする。そして、ホットメルト型粘着剤組成物は、各
種シート,テープの粘着剤として有効で、特に紙おむ
つ,生理用ナプキン等の衛生材料の分野に使用できるも
のであり、産業上の利用価値は極めて大きい。
【0029】
【実施例】本発明をより具体的に説明するために、次に
実施例を示すが、本発明はこれらの例によって何ら限定
されるものではない。
【0030】(I)水素添加ブロック共重合体の調整 (1)n−ブチルリチウムを重合触媒とし、シクロヘキ
サン溶液中で、テトラヒドロフランをビニル含有量調節
剤として、スチレンとブタジエンをアニオンブロック共
重合することにより、表1に示したようなブロック共重
合体を合成した。尚、ポリマー構造はモノマーの仕込
み、分子量は触媒量、ビニル含量はビニル含量調節剤を
変化させることによりコントロールした。
【0031】また、c−1〜c−7については、触媒分
割による逐次重合法により重合を行った。例えば、(c
−1)では、3番目のブタジエンモノマ―の重合途中で
触媒を追添加してさらに重合を進めた。スチレン含有量
は紫外分光光度計(UV)を、ビニル含量は赤外分光光
度計(IR)を、数平均分子量はゲルパーミュエーショ
ンクロマトグラフィーを用いて測定した。
【0032】(2)次に各ブロック共重合体をナフテン
酸コバルトとトリエチルアルミニウムを触媒として、水
素圧70kg/cm2 、温度50℃で8時間水素添加を
行った。各サンプルの水素添加率(水添率)を表1の右
欄に示した。ブタジエンブロック部分の二重結合の90
%以上は水素添加され、スチレンブロック部分のベンゼ
ン環はほとんど水添されないで残った。尚、c−5はc
−4と同じポリマーで、水素添加反応を行なわなかった
ものである。水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)
を用いて測定した。
【0033】(II)粘着剤組成物の作製と各特性評価 表1に示したブロック共重合体と粘着性樹脂,軟化剤,
酸化防止剤を表2、表4に示した配合で、ニーダーを用
いて溶融混合し、ホットメルト型粘着剤を作製した。得
られた粘着剤を用いて、下記の特性を測定し、その結果
を表3、表5に示した。
【0034】溶融粘度 粘着剤組成物を、ブルックフィールド粘度計を使用し
て、180℃における溶融粘度を測定した。(回転数:
100rpm,ロータ:No.21)。
【0035】ループタック 250mm×15mm巾のループ状のサンプルを用い、
被着体をポリエチレンシートとし、以下の条件で粘着力
を測定した。(接着面積:15mm×50mm,接着時
間:3sec,接着および引はがし速度:500mm/
sec)。
【0036】剥離強度 25mm巾のサンプルをポリエチレンシートに貼り付
け、180°剥離力を測定した。(引はがし速度:30
0mm/min)。
【0037】保持力 25mm×25mmの接着面積を有する貼合せ部に1k
gの荷重をかけ、60℃で放置し、落下するまでの時間
を測定した。
【0038】熱安定性 180℃の温度雰囲気下で144時間放置し、その前後
の粘度を測定して、その前後における粘度の変化を求め
て、熱安定性の指標とした。 ◎:粘度変化率が10%未満 ○:粘度変化率が10%〜20% △:粘度変化率が20%〜50% ×:粘度変化率が50%以上 粘度変化率=V−V0 /V0 ×100(%) (V:熱履歴(180℃,144時間)後の溶融粘度) (V0 :熱履歴を受ける前の溶融粘度)。
【0039】実施例1〜4 表2に示す夫々の高分子量水素添加ブロック共重合体
(a)と低分子量水素添加ブロック共重合体(b)をブ
レンドし、その100重量部に対し、粘着性樹脂として
クリアロンP−105(安原社製)を300重量部、軟
化剤としてPW−90(出光興産社製)を100重量
部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバガ
イギー社製)を1重量部夫々に配合して、180℃にて
各粘着剤組成物を作製し、その結果を表3に示した。こ
れらは低溶融粘度でありながら、ループタック,剥離強
度,保持力のバランスに優れ、かつ熱安定性も優れた粘
着剤組成物であった。
【0040】実施例5〜8 実施例1〜4と同様にして、実施例5〜8に於ては、触
媒分割による逐次重合法で重合を行ったブロック共重合
体を用いて実施した。実施例1〜4と同様に優れた特性
を示すことがわかる。
【0041】以上に示した実施例は、全て本発明の構成
に含まれる組成物の例であり、ホットメルト型粘着剤に
適した低溶融粘度と優れた粘着剤特性と熱安定性を有す
るものである。その特性の優れている点は、以下の比較
例と比較することにより、一層明白となろう。また、構
造を規定した効果も明らかである。
【0042】比較例1〜3 高分子量水素添加ブロック共重合体(a)と低分子量ブ
ロック共重合体の比率が、本発明の範囲外であったもの
の例である。溶融粘度と粘着剤特性のバランスが劣るこ
とがわかる。
【0043】比較例4,5 ブロック共重合体がトリブロック構造のものの例であ
る。溶融粘度とタックが劣ることがわかる。
【0044】比較例6 本発明の実施例6と同じベースポリマーであって、水素
添加していないブロック共重合体(c−5)を用いた例
である。熱安定性が著しく劣り、また保持力も劣ったも
のとなっている。
【0045】比較例7 水素添加ブロック共重合体のビニル芳香族化合物が本願
発明の範囲外のものの例である。保持力が著しく劣るこ
とがわかる。水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香
族化合物含有量の重要性がわかる。
【0046】比較例8 平均分子量が高過ぎた場合の例である。粘着剤組成物の
溶融粘度が高くなり、またタックも著しく劣ることがわ
かる。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】本発明は、特定構造を有する水素添加ブ
ロック共重合体組成物と、それを含むホットメルト型粘
着剤組成物であり、ホットメルト型粘着剤に適した低溶
融粘度と優れた粘着剤特性(タック、剥離強度、保持
力)と熱安定性を有するという効果を持っている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化
    合物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも2個の
    共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを有
    し、かつ少なくとも1個の重合体ブロックBがポリマー
    鎖の末端にある高分子量のブロック共重合体を水素添加
    して得られる水素添加ブロック共重合体と、 (b)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
    る重合体ブロックCと少なくとも1個の共役ジエン化合
    物を主体とする重合体ブロックDを有し、かつ少なくと
    も1個の重合体ブロックDがポリマー鎖の末端にある低
    分子量のブロック共重合体を水素添加して得られる水素
    添加ブロック重合体とからなり、且つ (a)と(b)の各々のビニル芳香族化合物の含量が2
    5〜40重量%、 (a)と(b)の重量%の割合が80/20〜20/8
    0、 (a)と(b)との平均分子量(Mn)が20,000
    〜80,000、 (a)と(b)の分子量比((a)のMn/(b)のM
    n)が1.5〜4.5である水素添加ブロック共重合体
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水素添加ブロック共重
    合体組成物を含有するホットメルト型粘着剤組成物。
JP28198091A 1991-10-03 1991-10-03 水素添加ブロック共重合体組成物及びそのホットメルト型粘着剤組成物 Expired - Lifetime JPH083022B2 (ja)

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