JPH08301014A - 車輌等の視界拡大方法及び視界拡大装置 - Google Patents

車輌等の視界拡大方法及び視界拡大装置

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JPH08301014A
JPH08301014A JP14506795A JP14506795A JPH08301014A JP H08301014 A JPH08301014 A JP H08301014A JP 14506795 A JP14506795 A JP 14506795A JP 14506795 A JP14506795 A JP 14506795A JP H08301014 A JPH08301014 A JP H08301014A
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JP
Japan
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concave lens
window glass
column
vehicle
glass
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JP14506795A
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Hiromi Inoue
弘美 井上
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】車輌の窓枠等でブラインドされて運転席から見
えなくなる範囲を狭めて、広い視野範囲を得る。 【構成】フロントガラス2や運転席右側の窓3におい
て、凹レンズ柱を凹レンズ柱42が設けられるフロント
ガラス右端近傍配置する。凹レンズ柱とは凹レンズ形の
断面形状が一方向にのみ連続するように形成された柱状
レンズで、ガラス部の端部近傍に配置される本発明の凹
レンズ柱は線対称な凹レンズ形断面形状のうち略中心か
ら片側だけの断面形状を有する凹レンズ柱であり、かつ
凹レンズ断面形状の中心部に相当する側が窓部の中央部
の方向に向けて配置される。該凹レンズ柱は車輌等の窓
ガラスと一体に形成されるか、或いは別体として形成さ
れた凹レンズ柱が窓ガラス等に貼り付けて用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乗用車やトラック等の車
輌の運転席から見えない部分すなわちブラインドされる
範囲を狭めて視界を広げ、車輌運転時の安全性及び快適
性を向上するための方法及びそれに用いる部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図2は通常の運転装置(図示せず)を備
えた従来の乗用車を例にとって上から見た図である。同
図において1は通常運転時の運転者の目の位置、2はフ
ロントガラス、3は運転席右横の窓部、4はフロントガ
ラス2と窓部3の間の支柱、5はリアガラスである。図
2の車輌では例えば光線6と7に挟まれた部分は支柱4
に光線が遮られるため、通常の運転姿勢の運転者には車
外の状況が確認できず、ブラインドされた状態となる。
この光線6と7で形成される角度は支柱4の幅や運転者
の体格、姿勢及び位置等に依るが、一般に10度ないし
20度程度となることが多い。従来の車輌等の構造では
光線6と7に挟まれた部分以外に、光線8と9、光線1
0と11、及び光線12と13で挟まれた部分等にも支
柱でブラインドされる部分が生じる。また図2には図示
していないが、左右両サイドの中央に設けられる支柱に
よっても同様にブラインドされる部分が生じる。
【0003】図3は図2の車輌を横から見た図である。
同図において図2と同じ内容を示す部分には同じ番号を
付けてある。例えば運転者の視角範囲がボンネット14
やトランクフード15等によって制限される場合は車輌
の構造及び性能上やむを得ないが、特に小柄な運転者で
は目の位置1が低くなるためハンドルやダッシュボード
等の運転装置類の上端部16や後部座席の上端部17等
によって制限され、フロントガラス2やリアガラス5の
見通せる下端部分すなわち18や19と目の位置1とを
結んだ線20及び21がボンネット14やトランクフー
ド15からかなり上を通り、線20及び21より下側の
ブラインドされる範囲が大きくなる。このように従来の
車輌では水平方向や垂直方向にブラインドされる範囲が
比較的大きいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図2の支柱4等の幅は
できるだけ細く工夫されているが、車輌の屋根を支えた
りフロントガラス2や窓ガラス3を装着し、保持するた
めには所定の強度が必要であり、そのため支柱4の幅は
一般に約10cm程度以上であることが多い。更に透過
率の低い雨よけフードを設置するとフードを加えた約1
5cm程度以上の範囲がブラインドされる。一方運転者
の目の位置1は運転者の体格やブレーキペダル等の位置
に依るが、一般に支柱4から40cmから60cm位で
あることが多い。これらの条件からブラインド範囲は一
般に10度から20度程度となり、特に体格の小さい運
転者では支柱4までの距離が短くブラインド範囲が大き
くなるため運転上の安全ポテンシャルが低くなる。例え
ば図2の直線6と7で挟まれた部分が進行方向となる右
折路や右カーブ道路等では、通常の運転姿勢では進行方
向がブラインドされるので体勢を前傾させてフロントガ
ラス2を通して進行方向の状況を確認したり、体勢を後
方に反らせて窓3を通して確認する必要がある。しかし
このような不自然な体勢は他の部分への注意力が不十分
となり易く、安全運転上問題となる。
【0005】上記図2の直線6と7で挟まれた部分の
他、直線8と9、直線10と11及び直線12と13で
挟まれた部分等でもブラインド部分が生じ、また左右両
サイドの中央の支柱でも同様にブラインド部分が生じ
る。これらはいずれも安全運転上好ましくはないが、最
も運転者に近くかつ頻繁に車輌外の状況確認が必要な運
転席右前方と、一般に支柱の幅が広くかつ車輌のバック
時に安全確認が必要な後方左右のブラインド部分が安全
運転上特に好ましくない。
【0006】また図3のように垂直方向についても運転
者の目の位置1が低いと車輌近くの地上付近の広い部分
がブラインドされるため、特に車輌の発進時や所定位置
への停車時等に十分な安全確認が容易にはできなくな
る。なお運転座席位置を変更する等の工夫もされている
が、これだけではハンドルやブレーキペダル等と最適な
の位置関係に保ちながら十分に視界を確保できない場合
があった。
【0007】本発明は車輌等の運転上の安全性を高め、
また運転時の疲労を軽減するために上記水平及び垂直方
向のブラインド範囲を光学的手段によって狭め或いは解
消することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では第1に上記車
輌の支柱4等によってブラインドされる範囲を小さくし
水平方向の視界を広げるために、例えばフロントガラス
2等の右又は左の端部に或いは左右両方の端部に凹レン
ズ作用を持たせる。この凹レンズ作用は通常の凹レンズ
のように点対称ではなく、水平方向について特に強い凹
レンズ作用を持たせる。具体的には上下(垂直)方向に
相似の断面形状を持つ凹レンズ柱をフロントガラス2の
端部に沿って設ける。いわゆる蒲鉾レンズ或いはレンチ
キュラーレンズと呼ばれる棒状の凸レンズ柱が知られて
いるが、本発明で用いる凹レンズ柱はこの凸レンズ柱に
対応し、上記レンチキュラーレンズの凸レンズ作用を凹
レンズ作用に変えたものである。この凹レンズ柱はフロ
ントガラスの端部だけでなく窓ガラス3の端部等に設け
ても良い。
【0009】凹レンズ柱の焦点距離すなわち表面形状の
曲率半径が小さ過ぎると、そのレンズ柱を通した像が小
さくなり過ぎたりまた大きく歪むことがあるので好まし
くない。適切な焦点距離等の設定等は設計事項に属する
が、一般には像の歪が許容できかつ支柱4によるブライ
ンド部分が車輌から数十m離れた地点で解消できればそ
の効果は十分であり、もしブラインド部分が完全には解
消できなくてもブラインド部分の角度が半減できればブ
ラインドされている部分の状況をより正しく推定でき、
運転時の安全性を向上できると共に運転に伴う疲労を軽
減できる。
【0010】本発明では第2に図3に示した垂直方向の
ブラインド部分を小さくするために上記凹レンズ柱をフ
ロントガラス2或いは/及びリアガラス5の下端部付近
に横長方向に設け、これによって車輌近くの地上付近の
視界を拡大する。
【0011】本発明で用いる凹レンズ柱は表裏の両面が
凹面形状の両凹レンズ柱であっても良く、いずれか一方
が平面のいわゆる平凹レンズ柱であっても良い。また一
般の近視用眼鏡のように凹面と凸面を組み合わせたもの
であっても総合的に凹レンズ柱として作用するものであ
れば良い。更に通常のガラス板等と同じくレンズ柱部分
の厚さもほぼ一定に保つために、微小レンズの集合体と
して構成されるいわゆるフレネル凹レンズ柱を形成する
ものであっても良く、また屈折率を連続的に制御して凹
レンズ柱効果を得るものであっても良い。また支柱4等
によるブラインド部分の光線を運転者の目の位置1に従
来より多く入力させるという本発明の所期の目的を達成
するために、上記凹レンズ柱の代わりにプリズム柱を用
いても良い。プリズム柱からの出射場所によって運転者
の目の位置1に届く出射光線角度が異なることを利用し
て、従来の一定厚さのフロントガラスの場合より広い入
射光線も有効に運転者の目の位置1の方向に曲げること
ができ、ブラインド範囲を狭くする構成であっても良
い。なお例えば水平方向の視界を拡大するために本発明
の凹レンズ柱或いはプリズム柱は例えばフロントガラス
2の右或いは左の端部等に基本的にはフロントガラス2
等に沿って上下方向に配置されるがフロントガラス2等
の左右端部の上端から下端まで一様に配置されるとは限
らず、特に本発明の必要性が低い上端部では前記凹レン
ズ作用を弱くしたり或いは無くしても良い。
【0012】
【作用】凹レンズは周知のように光線の進行方向を曲
げ、かつ凹レンズの外径を見込む角度より広い範囲の光
線を通過させる。凹レンズ柱はこの凹レンズ作用を一方
向のみに連続して持たせて柱状に形成したもので、柱の
軸方向には基本的には凹レンズ作用は持たない。この凹
レンズ柱を例えばフロントガラス2の端部に一体に形成
し、或いは貼り付ける等によって支柱4によるブライン
ド範囲を狭めることができ、広い視界を得ることができ
る。但し凹レンズは周知のようにレンズ中心を対称に上
下左右に同等の効果を持つので視界の拡大という初期の
目的を達成するには、例えばフロントガラスの右端に凹
レンズ柱を形成する時は凹レンズの中心より右側の部分
を用いる必要がある。同様にフロントガラスの左端に凹
レンズ柱を設ける時は凹レンズの中心より左側の部分を
形成すれば良く、またフロントガラス2やリアガラス5
の下端に水平方向に凹レンズ柱を設けて垂直方向の視界
を広げるには凹レンズの中心より下側の部分を形成すれ
ば良い。凹レンズ柱の代わりにプリズム柱を用いる時は
プリズムの頂角部が窓の中央部を向くように設置すれば
良い。
【0013】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示し以下説明
する。図1において1は運転者の通常の目の位置、2は
フロントガラスの一部、3は運転者右側の窓の一部で、
4は支柱である。すなわち図1は図2の車輌の部分断面
図で、運転者席とその前方及び右側の近傍を含む部分の
断面を示している。従来の車輌のフロントガラスや窓ガ
ラスは一般に平板ガラスではなく車輌の外側にわずかに
凸となるカーブを持っているが、ガラスの厚みは一般に
どこでも同じでありいわゆるレンズ作用はほとんど持た
ない。すなわち従来の車輌のフロントガラスや窓ガラス
では図1の破線6と7で示した光線がほぼ直進して運転
者の目1に到達し、支柱4等によるブラインド領域が広
く生じる。そのため運転者は破線6と7の間の車輌外の
状況はそのままの姿勢では見ることができない。
【0014】しかし図1の実施例ではフロントガラス2
の右端近傍22のガラスが徐々に厚く形成され、凹レン
ズの中心から右半分の部分に相当するレンズが形成され
ている。従ってフロントガラス2の右端に近づくほど光
線が大きく曲げられ、入射光線23がフロントガラス2
の右端部の凹レンズ効果によって運転者の目の位置1に
到達する。同様に窓ガラス3の前端近傍24のガラスが
徐々に厚く形成され、従って窓ガラス3の前端に近づく
ほど光線が大きく曲げられて入射光線25が窓ガラス3
の前端部の凹レンズ効果によって運転者の目の位置1に
到達する。すなわち図1の実施例のブラインド範囲は光
線23と25に挟まれた部分だけに制限され、従来の破
線6と7に挟まれた部分がブラインドされるのに比べる
と運転の安全性が大幅に向上され、また運転に伴う疲労
も大幅に軽減される。
【0015】なお図1は支柱4及びその周辺の所定の高
さでの断面図であるが、高さを変えても断面図はほぼ同
様の構造であり、従ってブラインド範囲低減効果も同様
に得られる。すなわちフロントガラス2の右端部及び/
又は窓ガラス3の前端部の凹レンズ形状及びその作用は
高さが変わっても原理的には同じである。このように高
さ方向等の一つの方向について同じ凹レンズ作用を示す
ものを凹レンズ柱と呼ぶ。なお図1ではフロントガラス
2と窓ガラス3の両方に凹レンズ作用を持たせたが、い
ずれか一方だけに持たせても本発明の目的であるブライ
ンド範囲低減効果が得られることは図1の光線軌跡から
明らかである。また図1では運転席右前の支柱4による
ブラインド範囲を低減する手段について説明したが、他
の支柱によるブラインド範囲も同じ原理によって低減で
きる。特に後部左右のブラインド範囲低減はバック時等
の車輛周囲の安全確認に大きな効果が得られる。なお本
発明の実施によって視界が拡大する分、フロントガラス
2や窓ガラス3の端部を通って見える像の大きさが小さ
くなるという副作用が伴う。しかしこの問題は例えば初
めて眼鏡をかけた時に物体が小さく見えたりして違和感
を覚えるのと同じであり、すぐに慣れて気にならなくな
る。また信号のない曲がり角等の路上に設置されている
左右確認用凸面鏡の像は遠くにありかつ歪んでいるが左
右の状況をほぼ正確に把握できる。さらにドアミラーや
一部のルームミラーはゆるやかな凸面鏡になっているが
これらの像の歪もほとんど気にはならない。像が歪んで
見える副作用より、見えない部分が見えるようになる安
全性向上効果の方がはるかに重要である。またレンズ部
の範囲22及び24を大きくして、ゆるやかな勾配をゆ
るやかにすると像の歪も小さくできる。なお車輌の窓部
がプラスチック等の硝子以外の透明性物質で構成されて
いる場合があるが、それらの場合でも凹レンズ柱等によ
る光線の屈折等は同じように考えることができるので、
本発明ではこれらの場合を含んで窓ガラス等と称する。
【0016】本発明の第2の実施例を図4に示し以下説
明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分には
同じ番号を付けてある。図1のフロントガラス2及び窓
ガラス3の端部近傍22及び24における凹レンズ柱は
内側と外側の両方が凹レンズ形状をした両凹レンズ柱で
あったが、図4の実施例ではフロントガラス2や窓ガラ
ス3の端部近傍22及び24で車輌の外側26は従来と
同じほぼ平面形状であるが内側27は凹レンズ形状の平
凹レンズ柱を形成している。この場合も図1と同様の凹
レンズ柱効果が得られる。
【0017】本発明の第3の実施例を図5に示し以下説
明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分には
同じ番号を付けてある。図5では図4とは逆にフロント
ガラス2や窓ガラス3の端部近傍22及び24における
凹レンズ柱が車輌の内側28は従来と同じほぼ平面形状
であるが外側29が凹レンズ形状の平凹レンズ柱を形成
している。この場合も同様の凹レンズ柱効果が得られ
る。
【0018】本発明の第4の実施例を図6に示し以下説
明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分には
同じ番号を付けてある。図1、4及び5のフロントガラ
ス2及び窓ガラス3の端部近傍22及び24における凹
レンズ柱はそれぞれの図に示すように両凹レンズ柱或い
は平凹レンズ柱であるが、これらのレンズ形状でかつ広
い面積の或いは十分に強い凹レンズ柱を得るには端部の
ガラスをかなり厚くする必要がある。ガラスを厚くしな
いでかつ広い面積の或いは強い作用を持つレンズを得る
方法として、レンズを微小領域ごとに分割して合成形成
するフレネルレンズがあり、一般にはフレネル凸レンズ
が良く利用されている。このフレネルレンズ手段を本発
明の凹レンズ柱に応用したのが図6の実施例である。す
なわち30に示すように凹レンズを微小領域ごとに分け
て鋸歯状に形成すればフロントガラス2や窓ガラス3の
端部近傍22及び24を厚くすることなくほぼ平面形状
に保ちながらかつ広い面積の或いは強い作用を持った凹
レンズ柱を形成できる。すなわち図6はフレネル凹レン
ズ柱30を形成している。なおフレネル凹レンズ柱のレ
ンズとしての効果は他の凹レンズ柱と同じであるが、細
かい溝にほこりや等が付き易いのでフレネル面には保護
シート31を設けることが望ましい。
【0019】本発明の第5の実施例を図7に示し以下説
明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分には
同じ番号を付けてある。図7のフロントガラス2及び窓
ガラス3の端部のガラス厚みは従来の車輌の場合とほぼ
同じである。しかしハッチング32を施した端部近傍2
2及び24の部分は窓ガラスの製造工程で金属イオン等
の異物が拡散され、かつその濃度が連続的に制御されて
いる。すなわち端部近傍では屈折率が連続的に変化し、
それぞれの端部で屈折率が最も大きくなっている。光の
速度は屈折率が大きいほど遅くなるので、フロントガラ
ス2等の端部に近いほど光の波面としての進行方向が大
きく曲げられ、その結果図7の実施例でも他の実施例と
同様に凹レンズ柱効果を得ることができる。
【0020】本発明の第6の実施例を図8に示し以下説
明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分には
同じ番号を付けてある。図8のフロントガラス2及び窓
ガラス3は他の実施例、例えば図1の実施例と同じく端
部の厚みが大きく、それらの端部近傍において凹レンズ
柱が形成されている。但し図8のフロントガラス2や窓
ガラス3の端部近傍33、34及び35等の断面形状は
円弧形状の一部分のみで形成されているのではなく、主
に非円弧形状の連続として断面形状が構成されている。
従ってレンズ作用の強度を非直線的かつ連続的に変える
このレンズ設計技術を適用すれば、レンズ設計の自由度
が大きくなるので像の歪が最も小さくかつ視界を最も有
効に広げられる凹レンズ柱を設計し、形成することがで
きる。また例えば左端から右端までのフロントガラス全
体をレンズ柱の対象として、人間工学的に最も適したレ
ンズ作用を持つフロントガラス2や窓ガラス3を設計す
ることができる。なお図1から図7までに示した他の実
施例でも凹レンズ柱部分の断面を完全な円弧形状の一部
のみで形成することは実際上かなり困難であり、図8の
ような非円弧形状という断面の特徴を合わせ持った凹レ
ンズ柱である場合が多い。本発明は上記変形実施例であ
っても実質的に凹レンズ柱としての作用を果たせばこれ
らも含む。
【0021】本発明の第7の実施例を図9に示し以下説
明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分には
同じ番号を付けてある。図9はフロントガラス2、窓ガ
ラス3、支柱4の他にハンドル36、タイヤ37等を含
み、運転席の右前方から車輌を見た斜視図が示されてい
る。本発明による凹レンズ柱は斜線38の部分を中心に
形成されており、例えば斜線の密度が濃いほど凹レンズ
作用が強いことを示している。すなわち図9ではフロン
トガラス2や窓ガラス3の水平方向端部において車輌の
屋根に近い上端部では凹レンズ作用が比較的小さく形成
されていることを示している。これは従来の車輌で支柱
4のブラインド範囲内であっても、通常の対向車や通行
人或いは路面の状況等を見るのに利用しない高い位置に
まで強い凹レンズ作用を設ける必要がないからである。
すなわち本発明の凹レンズ柱は基本的には上下方向に同
じ凹レンズ作用を持つが、その凹レンズ作用の強さは上
下方向で異なることがあることを示している。
【0022】本発明の第8の実施例を図10に示し以下
説明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分に
は同じ番号を付けてある。図10はフロントガラス2や
窓ガラス3の端部近傍において凹レンズ柱が形成されて
いる部分39と形成されていない部分とが上下方向に交
互に繰り返して配置されている例を示している。これに
よって像に歪みのない状態と、視界を広くした状態との
両方で右前方の状況が確認できる。
【0023】本発明の第9の実施例を図11に示し以下
説明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分に
は同じ番号を付けてある。図1や図4等の実施例では凹
レンズ柱部分がフロントガラス2や窓ガラス3と一体に
形成されていたが、図11では基本的には従来と同じフ
ロントガラス2や窓ガラス3を持つ車輌に、別体として
形成した凹レンズ柱40を貼り付けた構造の実施例を示
している。このように従来と同じ特性を持つ窓ガラスに
凹レンズ柱40を貼り付けても図1や図4等の実施例の
同様な凹レンズ柱効果を得ることができる。
【0024】本発明の第10の実施例を図12に示し以
下説明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分
には同じ番号を付けてある。図12は図11の凹レンズ
柱40の代わりに別体として形成されたプリズム柱41
を貼り付けたものである。プリズムの断面形状は三角形
であるがフロントガラス2等の端部になるほど運転者の
目の位置1からプリズム41を見る角度すなわち光線の
出射角度が大きくなりフロントガラス2の端部で光線が
より大きく曲げられるので、プリズム柱41によって他
の実施例の凹レンズ柱と同様なブラインド範囲を小さく
するという効果が得られる。なおプリズム41をフロン
トガラス2や窓ガラス3と一体に形成しても当然同様の
効果が得られる。
【0025】本発明の第11の実施例を図13に示し以
下説明する。同図において他の図と同じ内容を示す部分
には同じ番号を付けてある。例えば小柄な運転者が従来
の大形の車輌等をバック操作しようとする時には後部座
席の上端部で視界がブラインドされて図13の破線21
より下の部分は見えないので、後方の安全を確認するに
は背伸びをする必要があった。しかし背伸びして車輌を
運転することはたいへん危険である。そこで図13では
リアウインドの下端部になるほどレンズが厚くなるよう
にしてリアガラス5の下端部近傍に本発明の凹レンズ柱
42を水平方向に設け他。この凹レンズ柱42により他
の実施例と同じ原理で光線43が運転者の目の位置1に
届くので、後方下方のブラインド範囲を狭くできる。図
13では凹レンズ柱42をリアガラス5と別体として形
成したが、これらを一体に形成しても良いことは当然で
ある。またこれをフロントガラスに適用しても同じ効果
が得られることは明らかである。
【0026】
【発明の効果】本発明を用いれば、例えばフロントガラ
スと窓ガラスとの間の支柱等によってブラインドされる
範囲や、フロントガラスやリアガラスの下端でブライン
ドされる範囲等を少なくでき或いは解消でき、より広い
視界が得られるので運転の安全性が向上できると共に運
転操作時の疲労を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図。
【図2】従来の車輌の運転席からの水平方向のブライン
ド範囲を示す図。
【図3】従来の車輌の運転席からの垂直方向のブライン
ド範囲を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例を示す図。
【図5】本発明の第3の実施例を示す図。
【図6】本発明の第4の実施例を示す図。
【図7】本発明の第5の実施例を示す図。
【図8】本発明の第6の実施例を示す図。
【図9】本発明の第7の実施例を示す図。
【図10】本発明の第8の実施例を示す図。
【図11】本発明の第9の実施例を示す図。
【図12】本発明の第10の実施例を示す図。
【図13】本発明の第11の実施例を示す図。
【符号の説明】
1:運転者の目の位置、2:フロントがラス、3:運転
席右側の窓、4:支柱、5:リアガラス、6〜13、2
0及び21:従来のブラインド領域境界の光線、16:
運転装置類の上端部、17:後部座席の上端部、22:
凹レンズ柱が設けられるフロントガラス右端近傍、2
3、25及び43:凹レンズ柱によるブラインド領域境
界の光線、24:凹レンズ柱が設けられる窓ガラスの前
端近傍、30:フレネル凹レンズ柱、31:保護シー
ト、32:窓ガラスの屈折率連続制御部分、38及び3
9:凹レンズ柱形成部、40:別体として形成された凹
レンズ柱、41:別体として形成されたプリズム柱、4
2:凹レンズ柱

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転席と、通常の運転装置と、光透過性の
    窓ガラスと不透明な材質の支柱或いは枠等から成る複数
    の窓部と、を備えた車輛において、少なくともひとつ以
    上の窓部についてかつ窓ガラスの略周辺を含む少なくと
    も一辺以上の所定の部分に、線対称形である凹レンズの
    断面形状のうち片側に相当する部分の断面形状だけを有
    する凹レンズ柱であってかつ該片側だけに相当する凹レ
    ンズ断面形状のうち凹レンズの中心部に相当する側が前
    記窓部の中央に向けて配置される凹レンズ柱を、前記窓
    ガラスと一体にして形成することを特徴とする車輌等の
    視界拡大方法。
  2. 【請求項2】凹レンズ柱部の断面の形状が、円弧形状の
    一部分のみではなく、主に非円弧形状の断面の連続とし
    て形成されている凹レンズ柱であることを特徴とした請
    求項1に記載の車輌等の視界拡大方法。
  3. 【請求項3】フレネル凹レンズ柱或いは屈折率分布形レ
    ンズ柱を用いることにより、窓ガラスの厚みに依らず、
    請求項1及び2に記載の凹レンズ柱と同等のレンズ柱作
    用を得ることを特徴とする車輌等の視界拡大方法。
  4. 【請求項4】運転席と、通常の運転装置と、光透過性の
    窓ガラスと不透明な材質の支柱或いは枠等から成る複数
    の窓部と、を備えた車輛において、少なくともひとつ以
    上の窓部についてかつ窓ガラスの略周辺を含む少なくと
    も一辺以上の所定の部分に、頂角側が前記窓部の中央に
    向けて配置されるプリズム柱を、前記窓ガラスと一体に
    して形成することを特徴とする車輌等の視界拡大方法。
  5. 【請求項5】窓ガラスとは別体として形成された凹レン
    ズ柱或いはプリズム柱を接着等の手段によって前記窓ガ
    ラスの略周辺を含む少なくとも一辺以上の所定の部分に
    形成することを特徴とする請求項1、2、3及び4に記
    載の車輌等の視界拡大方法。
  6. 【請求項6】車輛用の窓ガラスとは別体として形成さ
    れ、車輛の窓ガラスの略周辺を含む少なくとも一辺以上
    の所定の部分に、接着等の手段によって配置されること
    を特徴とする請求項5に記載の視界拡大用凹レンズ柱或
    いはプリズム柱。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980060922A (ko) * 1996-12-31 1998-10-07 박병재 전방시계 확대가능의 윈드 쉴드 글래스
JP2001315580A (ja) * 2000-05-11 2001-11-13 Masato Tanaka 死角防止レンズ装置
JP2010195248A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Murakami Corp 視野拡大構造

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