JPH08300350A - プリプレグの製造方法 - Google Patents

プリプレグの製造方法

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JPH08300350A
JPH08300350A JP11593995A JP11593995A JPH08300350A JP H08300350 A JPH08300350 A JP H08300350A JP 11593995 A JP11593995 A JP 11593995A JP 11593995 A JP11593995 A JP 11593995A JP H08300350 A JPH08300350 A JP H08300350A
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prepreg
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curing
dryer
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JP11593995A
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Masakazu Aoi
応和 青井
Koji Kusada
晃司 草田
Minoru Uno
稔 宇野
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熟練した作業者を必要とせず省力化すること
ができると共に品質の安定化を高く得ることができる。 【構成】 長尺の基材1を連続して送りつつ、基材1に
ワニス2を含浸させた後に乾燥機3に通して加熱乾燥す
ることによってプリプレグ4を製造する。このようにし
て製造するにあたって、乾燥機3から出てきたプリプレ
グ4の硬化度を近赤外分光分析法で測定し、この測定結
果に基づいて乾燥機3による乾燥条件を調整する。プリ
プレグ4をサンプリングする必要なく乾燥機3から出て
きたプリプレグ4から近赤外分光分析法で硬化度を直接
測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺の基材をワニスに
含浸・乾燥する工程を含むプリプレグの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板などの積層板の製造に用
いられるプリプレグは一般的に次のようにして製造され
ている。すなわち、ガラス布等の長尺の基材を連続して
送りながら、ワニス槽に通して基材に熱硬化性樹脂のワ
ニスを含浸させ、次にこのワニスを含浸した基材を連続
して送りつつ乾燥機に通して加熱することによって、ワ
ニス中の溶剤を蒸発させると共に熱硬化性樹脂をBステ
ージ状態に乾燥させ、そしてこれを所定寸法に切断する
ことによって、プリプレグを製造することができる。
【0003】上記のようにしてプリプレグを製造するに
あたって、作業環境での温度や湿度の変化等に応じて、
プリプレグの樹脂の硬化度が変動するおそれがあり、放
置しておくとプリプレグの品質が安定しなくなる。そこ
で従来は、所定寸法に切断したプリプレグをサンプリン
グしてその硬化度を測定し、硬化度の測定結果に基づい
て乾燥機による乾燥条件、つまり乾燥温度や乾燥時間を
調整することによって、硬化度を一定にコントロールす
るようにしている。例えば、サンプリングしたプリプレ
グの硬化度が規定された数値よりも高いときは、乾燥機
の乾燥温度を下げたり、乾燥機に通す時間を短くしたり
調整して、以後に製造されるプリプレグの硬化度を低下
させるようにし、またサンプリングしたプリプレグの硬
化度が規定された数値よりも低いときは、乾燥機の乾燥
温度を上げたり、乾燥機に通す時間を長くしたり調整し
て、以後に製造されるプリプレグの硬化度を高めるよう
にし、プリプレグの硬化度を規定の数値に維持するよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし硬化度の測定
は、サプリングしたプリプレグをビニール袋に入れて人
手で揉むことによって先ずプリプレグを粉状にして試料
を作成し、この試料を自動樹脂硬化時間測定装置(例え
ば伊予電子社製「ゲルタイマー2238−001」な
ど)に投入してゲル化時間を計測することによって行な
うようにしており、硬化度(ゲル化時間)の測定結果が
得られるまで5分程度の時間が必要であった。
【0005】従って、硬化度の測定や乾燥条件の調整の
ために熟練した作業者が必要であって作業の省力化の上
で問題があり、また測定に要する時間の間、不良品が続
行するおそれがあって品質の安定化の上でも問題があっ
た。本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、熟
練した作業者を必要とせず省力化することができると共
に品質の安定化を高く得ることができるプリプレグの製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプリプレグ
の製造方法は、請求項1のように、長尺の基材1を連続
して送りつつ、基材1にワニス2を含浸させた後に乾燥
機3に通して加熱乾燥することによってプリプレグ4を
製造するにあたって、乾燥機3から出てきたプリプレグ
4の硬化度を近赤外分光分析法で測定し、この測定結果
に基づいて乾燥機3による乾燥条件を調整することを特
徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、近赤外分光分析計
のセンサー5をプリプレグ4の幅方向の中央部及び両側
部に配置して、プリプレグ4の幅方向の中央部と両側部
での硬化度を近赤外分光分析法で測定するようにしたこ
とを特徴とするものである。また請求項3の発明は、近
赤外分光分析計のセンサー5をプリプレグ4の幅方向に
スキャニングしながらプリプレグ4の硬化度を近赤外分
光分析法で測定するようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0008】また請求項4の発明は、近赤外分光分析計
として反射式のものを用いることを特徴とするものであ
る。さらに請求項5の発明は、乾燥機3から出てきたプ
リプレグ4をロール6の外周に沿って送ると共に、この
ロール6の近傍において近赤外分光分析計のセンサー5
を配設してプリプレグ4の硬化度を近赤外分光分析法で
測定するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】請求項1の発明は、乾燥機3から出てきたプリ
プレグ4の硬化度を近赤外分光分析法で測定し、この測
定結果に基づいて乾燥機3による乾燥条件を調整するよ
うにしているものであり、プリプレグ4をサンプリング
する必要なく乾燥機3から出てきたプリプレグ4から近
赤外分光分析法で硬化度を直接測定することができる。
【0010】請求項2の発明は、近赤外分光分析計のセ
ンサー5をプリプレグ4の幅方向の中央部及び両側部に
配置して、プリプレグ4の幅方向の中央部と両側部での
硬化度を近赤外分光分析法で測定するようにしているも
のであり、プリプレグ4の幅方向で平均化して硬化度を
測定することが可能になる。また請求項3の発明は、近
赤外分光分析計のセンサー5をプリプレグ4の幅方向に
スキャニングしながらプリプレグ4の硬化度を近赤外分
光分析法で測定するようにしているものであり、プリプ
レグ4の幅方向で平均化して硬化度を測定することが可
能になる。
【0011】また請求項4の発明は、近赤外分光分析計
として反射式のものを用いるようにしているものであ
り、高い精度で硬化度を検出することができる。さらに
請求項5の発明は、乾燥機3から出てきたプリプレグ4
をロール6の外周に沿って送ると共に、このロール6の
近傍において近赤外分光分析計のセンサー5を配設して
プリプレグ4の硬化度を近赤外分光分析法で測定するよ
うにしているものであり、プリプレグ4と近赤外分光分
析計のセンサー5との間の距離を一定に保った状態で安
定して硬化度を測定することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。図
1はプリプレグ4を製造する装置の全体の概略の構成を
示すものであり、ガラス布や紙等で形成される長尺の基
材1がロールに巻いた状態で送り出し装置11にセット
してある。この長尺の基材1は送り出し装置11から連
続して繰り出されるようになっており、バッファロール
12を通した後に、連続して送りつつ第1のワニス槽1
2を通過させる。
【0013】第1のワニス槽12にはエポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂のワニス2が供給されており、第1のワニ
ス槽12に基材1を通過させることによって、基材1の
片面からワニス2を浸透させて含浸させることができ
る。第1のワニス槽12に通された基材1はさらに第2
のワニス槽13を通過させ、上記と同種(異種のもので
も可)のワニス2を基材1に含浸させる。このように基
材1にワニス2を含浸させた後に、一対のスクイズロー
ル14間に基材1を通過させ、余分なワニス2を絞っ
て、ワニス2を含浸した基材1の厚みを一定に規制す
る。この一対のスクイズロール14は基材1が通過する
クリアランスを調整できるように、近接離反する方向で
開閉調節ができるようになっている。
【0014】このようにしてワニス2を含浸した基材1
をさらに連続して送りつつ、乾燥機3に通す。図1の実
施例には、乾燥機3は加熱器15を縦に配置して基材1
を縦方向に送る縦型乾燥機として形成したものが例示し
てあり、基材1を乾燥機3に通して加熱することによっ
て、ワニス2中の溶剤を蒸発させると共に樹脂分をBス
テージ状態にまで硬化させて乾燥し、プリプレグ4を得
ることができる。そしてこの長尺状態のプリプレグ4を
さらに連続して送りつつ、切断装置16で所定寸法に切
断することによって、一定寸法の大きさのプリプレグ4
を得ることができるものである。
【0015】そして本発明では、乾燥機3から出てきた
プリプレグ4の樹脂の硬化度を、乾燥機3と切断装置1
6との間において近赤外分光分析法で測定するようにし
てある。近赤外線は波長が700nm〜2500nmの
電磁波であり、試料に近赤外線を照射すると、図7に示
すような近赤外吸収スペクトルが得られる。物質の構成
成分の分子は固有の振動をしており、これに近赤外線を
照射するとその振動と同調する周波数が吸収される。こ
の吸収の強さは成分の量や濃度に関係する。従って、プ
リプレグ4の近赤外吸収スペクトルと樹脂の硬化度とは
相関関係を有しており、近赤外吸収スペクトルを分析す
ることによって、プリプレグ4の樹脂の硬化度を測定す
ることができる。
【0016】図2(a)(b)はブランルーベ社から市
販されて提供されている近赤外分光分析計のセンサー5
の原理構成を示すものであり、20は積分球、21はミ
ラー、22は検出器、23,24,25はレンズ、26
はアパーチャー、27は干渉フィルター、28はチョッ
パー、29は光源であり、また30は拡散反射光、31
はリファレンス光を示す。そして硬化度が異なるプリプ
レグ4を作成して各プリプレグ4から15水準程度の硬
化度を有する試料32を調製し、積分球20と反射板3
3との間に試料32をセットして、光源から発光された
光のうち、干渉フィルター27により選択した波長の光
を試料32に照射し、反射した光を検出器22で検出す
ることによって、試料32の近赤外吸収スペクトルを得
ることができる。
【0017】一方、同じ試料32についてそれぞれ、従
来から行われている既知の方法で硬化度を実測する。例
えば既述の自動樹脂硬化時間測定装置を用いてゲル化時
間を計測することによって硬化度を実測する測定する。
図9は自動樹脂硬化時間測定装置(伊予電子社製自動ゲ
ル化試験機「ゲルタイマー2238−001」)の原理
を示すものであり、180℃前後に温調した熱盤46の
上に粉にした試料32を載せ、トルクモータ47にてス
ティック48を回転させ、スティック48の回転トルク
が予め設定したトルクに達するまでの時間をゲル化時間
として計測することによって、硬化度を測定することが
できる。そしてこのように測定して得られた15水準程
度の試料32の硬化度(ゲル化時間)の実測値と、近赤
外分光分析計による吸光度の値から、両者の関係式(検
量線)を重回帰分析により求める。
【0018】検量線は、偏回帰係数を所定値に設定して ゲル化時間(s)=K0 +K1 F(λ1 )+K2 F(λ2 ) +K3 F(λ3 )+〜+Kn F(λn ) …(1) (K:偏回帰係数、F(λ):波長λnmの吸光度)と
して得ることができる。そしてこの検量線を用いて未知
の試料32の硬化度を推定することができる。すなわ
ち、硬化度が未知の試料32について近赤外吸収スペク
トルをとって波長λ1 ,λ2 ,λ3 ,〜λn の吸光度を
求め、これらの波長の吸光度F(λ1 ),F(λ2 ),
F(λ3 ),〜F(λn )を(1)式の検量線に代入す
ることによって、その試料の硬化度(ゲル化時間)を推
定することがきるのである。
【0019】ここで、吸光度を測定する波長λ1
λ2 ,λ3 …λn は、実測値と検量線から求める推定値
の間の誤差が最も小さくなる波長を選択して設定するの
が好ましく、この波長は実験により経験的に求めること
ができる。また、検量線に用いる波長の数が多いと硬化
度の測定時間が長くなり、しかも測定対象でないプリプ
レグ4の固有波長でないものが選択される可能性が高く
なるので、検量線に用いる波長の数は3つに限定するの
が好ましい。
【0020】例えば、あるプリプレグ4について実験に
基づいて経験的に2166nm,2208nm,233
4nmの波長を選定したときには、 ゲル化時間(s)=−8095.217F(2166)+10470.359 F(2208)−2223.546F(2334)+74.068 …(2) の検量線が得られた。この(2)式の検量線の精度は実
測値との相関係数が0.982、実測値との標準誤差が
3.8秒である。
【0021】一方、最も相関係数が高くなるように3波
長を選択したときには、 ゲル化時間(s)=−1289.802F(1432)−18582.863 F(2160)+20617.07F(2196)−260.963…(3) の検量線が得られた。この(3)式の検量線の相関係数
は0.987、標準誤差4.6であり、相関係数は高い
が、検量線から推定される数値の誤差が大きくなってい
る。
【0022】また、最も相関係数が高くなるように6波
長を選択すると、 ゲル化時間(s)=−17533.559F(1384)+16053.35 4F(1408)−40649.066F(1432)+41244.199F (1440)−15909.691F(2160)+18220.510F(2 196)−591.831 …(4) の検量線が得られた。この(4)式の検量線の相関係数
は0.996、標準誤差2.9である。波長数が増える
と当然、標準誤差は小さくなるが、検量線によって推定
される測定値のばらつきは図8及び表1にみられるよう
に大きくなる。
【0023】図8(a)及び表1(a)は同じ試料32
について近赤外分光分析を繰り返して10回行なったと
きの、(2),(3),(4)式の検量線から得た推定
ゲル化時間を示すものであり、また図8(b)及び表2
(b)は一つのサンプル(プリプレグ)の10箇所から
採取した各試料32について近赤外分光分析を行なった
ときの、(2),(3),(4)式の検量線から得た推
定ゲル化時間を示すものである。この図8や表1にみら
れるように、式(2)の検量線から推定されるゲル化時
間はばらつきが小さいが、(3),(4)式の検量線か
ら推定されるゲル化時間のばらつきは大きく、特に
(4)式の検量線から推定されるゲル化時間はばらつき
が極めて大きい。従って、本発明においては、近赤外分
光分析計のセンサー5で測定した値を硬化度に変換する
検量線に用いる波長として、実験により経験的に求めた
3波長に限定するのが好ましい。
【0024】
【表1】
【0025】尚、図2は反射式の近赤外分光分析計のセ
ンサー5を示すものであり、このように反射式の近赤外
分光分析計を用いると、透過式のものよりも試料32を
近赤外線が通過する回数が2倍になるために、近赤外線
の吸収の傾向が出やすくなり、高い検出能力で硬化度を
測定することができるものである。しかして本発明にお
いて、近赤外分光分析計のセンサー5は乾燥機3と切断
装置16との間においてプリプレグ4の表面に近接させ
て配置してあり、センサー5を制御するコントローラ3
5及びセンサー5の出力を処理するマイクロコンピュー
タを内蔵する演算器36に接続することによって、硬化
度センサーシステム37を形成するようにしてある。そ
して乾燥機3から出てきたプリプレグ4に近赤外分光分
析計のセンサー5から近赤外線を照射して吸収スペクト
ルを計測することによって近赤外分光分析が常時行われ
るようにしてあり、設定された測定波長の吸光度がセン
サー5から演算器36に入力され、演算器36に登録さ
れている検量線にこの吸光度を代入して演算を行なうこ
とによってゲル化時間を推定し、このゲル化時間として
プリプレグ4の硬化度を測定するようにしてある。プリ
プレグ4の硬化度の測定は、測定波長が3波長の場合、
約10秒程度で完了し、しかもプリプレグ4に非接触で
且つ非破壊で行なうことができるものである。このよう
に近赤外分光分析計のセンサー5による硬化度の測定を
常時行なうようにする他に、所定時間毎に硬化度の測定
を行なうようにしてもよいのはいうまでもない。
【0026】このようにして近赤外分光分析計で測定し
たプリプレグ4の硬化度に基づいて演算器36によって
乾燥機3の加熱温度や基材1を送るロール38の回転速
度をフィードバック制御するようにしてある。すなわ
ち、プリプレグ4の硬化度の測定値が規定された数値よ
りも高いときは、乾燥機3の加熱器15の加熱温度を下
げたり、ロール38の回転速度を上げて基材1を乾燥機
3に通す時間を短くしたりする制御を行なって、加熱条
件を下げてプリプレグ4の硬化度を低下させるように
し、またプリプレグ4の硬化度の測定値が規定された数
値よりも低いときは、乾燥機3の加熱器15の加熱温度
を上げたり、ロール38の回転速度を下げて基材1を乾
燥機3に通す時間を長くしたりする制御を行なって、加
熱条件を高くしてプリプレグ4の硬化度を高めるように
し、プリプレグ4の硬化度を規定の数値に維持するよう
にしてある。
【0027】ここで、演算器36には予め実験的に求め
た、硬化度の規定値からの偏差と、乾燥機3の温度調整
やロール38の回転速度調整の関係式が登録してあり、
近赤外分光分析計で測定したプリプレグ4の硬化度に応
じてこの関係式に基づいて自動的に乾燥機3の加熱温度
やロール38の回転速度をフィードバック制御するよう
にしてある。従って、熟練した作業者が長年の感で調整
するような必要がなくなり、作業を省力化することがで
きることになるものである。また、近赤外分光分析法に
よるプリプレグ4の硬化度の測定は短時間で行なわれる
ために、リアルタイムでフィードバック制御して硬化度
の変動に迅速に対応することができ、プリプレグ4の硬
化度が規定から大きく外れるようなことを確実に防い
で、品質を安定化することができるものである。
【0028】上記のようにして近赤外分光分析計でプリ
プレグ4の硬化度を測定するにあたって、近赤外分光分
析計のセンサー5はプリプレグ4を送り、あるいはガイ
ドするロール6の近傍に配置するのが好ましい。乾燥機
3から出てきたプリプレグ4は長尺のシート状であるた
めに、プリプレグ4はばたついた状態(プリプレグ4の
面と垂直な方向に変位する状態)で送られることにな
り、プリプレグ4がこのようにばたついているとセンサ
ー5とプリプレグ4の表面との間の距離が変動し、プリ
プレグ4の硬化度を安定して測定できないおそれがあ
る。一方、プリプレグ4が図3のようにロール6の外周
に接している部分では、プリプレグ4はロール6で規制
されてばたつきが抑えられるために、近赤外分光分析計
のセンサー5をロール6の近傍に配置すると、センサー
5とプリプレグ4の表面との間の距離が一定になり、プ
リプレグ4の硬化度を安定して測定することができるも
のである。
【0029】また、近赤外分光分析計のセンサー5をプ
リプレグ4に近接させて配置するにあたって、図4の実
施例ではプリプレグ4の幅方向の中央部及び両側部の3
箇所にセンサー5を配置してあり、プリプレグ4の幅方
向の3箇所の硬化度を近赤外分光分析法で測定するよう
にしてある。このようにプリプレグ4の幅方向の3箇所
で硬化度を測定してその測定値の平均値を出すことによ
って、検量線による推定値と実際の値との誤差を小さく
することができ、硬化度の測定の精度を高めることがで
きるものである。図5の実施例では、プリプレグ4の長
手方向に直交する方向でガイドレール39が配置してあ
り、近赤外分光分析計のセンサー5をこのガイドレール
39に沿って往復移動駆動自在に取り付けてある。そし
てこのようにセンサー5をガイドレール39に沿って移
動させて、プリプレグ4の幅方向にスキャニングしなが
ら、プリプレグ4の中央部の範囲と、左右の各側部の範
囲について硬化度を近赤外分光分析法で測定するように
してある。このようにプリプレグ4の幅方向の3つの範
囲で硬化度を測定してその測定値の平均値を出すことに
よって、検量線による推定値と実際の値との誤差を小さ
くすることができ、硬化度の測定の精度を高めることが
できるものであり、しかもこの場合には近赤外分光分析
計のセンサー5は一つで済むことになる。
【0030】尚、図1において40はβ線ゲージであ
り、プリプレグ4の厚みをベータ線の透過量で測定する
ようにしてある。このベータ線ゲージ40は図6に示す
ようにベータ線ゲージ制御盤41に接続してあり、ベー
タ線ゲージ制御盤41はパソコン42を介してシーケン
サ43に接続してあると共にシーケンサ43はスクイズ
ロール14の開閉機構部に接続してある。そしてこのβ
線ゲージ40によるプリプレグ4の厚みの測定値に基づ
いて、スクイズロール14の開閉機構を作動させてスク
イズロール14間のクリアランスをマグネットスケール
44で検出しつつ制御し、基材1へのワニス2の含浸量
(レジンコンテント)を一定に保つことができるように
してある。
【0031】
【発明の効果】上記のように請求項1の発明は、長尺の
基材を連続して送りつつ、基材にワニスを含浸させた後
に乾燥機に通して加熱乾燥することによってプリプレグ
を製造するにあたって、乾燥機から出てきたプリプレグ
の硬化度を近赤外分光分析法で測定し、この測定結果に
基づいて乾燥機による乾燥条件を調整するようにしたの
で、プリプレグをサンプリングする必要なく乾燥機から
出てきたプリプレグから近赤外分光分析法で硬化度を短
時間で直接測定することができると共に、この測定結果
に基づいて乾燥条件の制御を行なうことができ、熟練し
た作業者を必要とせず省力化することができると共に品
質の安定化することができるものである。
【0032】また請求項2の発明は、近赤外分光分析計
のセンサーをプリプレグの幅方向の中央部及び両側部に
配置して、プリプレグの幅方向の中央部と両側部での硬
化度を近赤外分光分析法で測定するようにしたので、プ
リプレグの幅方向で平均化して硬化度を測定することが
でき、硬化度の測定の精度を高めることができるもので
ある。
【0033】また請求項3の発明は、近赤外分光分析計
のセンサーをプリプレグの幅方向にスキャニングしなが
らプリプレグの硬化度を近赤外分光分析法で測定するよ
うにしたので、プリプレグの幅方向で平均化して硬化度
を測定することができ、硬化度の測定の精度を高めるこ
とができるものである。また請求項4の発明は、近赤外
分光分析計として反射式のものを用いるようにしたの
で、透過式のものよりも高い傾向で近赤外線吸収スペク
トルを得ることができ、高い検出能力で硬化度を測定す
ることができるものである。
【0034】さらに請求項5の発明は、乾燥機から出て
きたプリプレグをロールの外周に沿って送ると共に、こ
のロールの近傍において近赤外分光分析計のセンサーを
配設してプリプレグの硬化度を近赤外分光分析法で測定
するようにしたので、プリプレグのばたつきが抑制され
ているロールの近傍において、プリプレグと近赤外分光
分析計のセンサーとの間の距離を一定に保った状態で硬
化度を測定することができ、硬化度の測定を安定して行
なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略図である。
【図2】同上の近赤外分光分析計のセンサーを示すもの
であり、(a)は拡大した一部の概略図、(b)は全体
の概略図である。
【図3】同上のセンサーの配置を示す側面図である。
【図4】本発明の他の実施例の斜視図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例の斜視図である。
【図6】ベータ線ゲージによる制御を示す概略図であ
る。
【図7】近赤外吸収スペクトルを示すグラフである。
【図8】ゲル化時間の測定結果を示すグラフであり、
(a)は試料を10回繰り返して測定したときのグラ
フ、(b)はサンプルの10箇所から採取した試料を測
定したときのグラフである。
【図9】自動樹脂硬化時間測定装置の原理を示す概略図
である。
【符号の説明】
1 基材 2 ワニス 3 乾燥機 4 プリプレグ 5 センサー 6 ロール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺の基材を連続して送りつつ、基材に
    ワニスを含浸させた後に乾燥機に通して加熱乾燥するこ
    とによってプリプレグを製造するにあたって、乾燥機か
    ら出てきたプリプレグの硬化度を近赤外分光分析法で測
    定し、この測定結果に基づいて乾燥機による乾燥条件を
    調整することを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 近赤外分光分析計のセンサーをプリプレ
    グの幅方向の中央部及び両側部に配置して、プリプレグ
    の幅方向の中央部と両側部での硬化度を近赤外分光分析
    法で測定するようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載のプリプレグの製造方法。
  3. 【請求項3】 近赤外分光分析計のセンサーをプリプレ
    グの幅方向にスキャニングしながらプリプレグの硬化度
    を近赤外分光分析法で測定するようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】 近赤外分光分析計として反射式のものを
    用いることを特徴とする請求項2又は3に記載のプリプ
    レグの製造方法。
  5. 【請求項5】 乾燥機から出てきたプリプレグをロール
    の外周に沿って送ると共に、このロールの近傍において
    近赤外分光分析計のセンサーを配設してプリプレグの硬
    化度を近赤外分光分析法で測定するようにしたことを特
    徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のプリプレグ
    の製造方法。
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