JPH08300347A - 半導体単結晶棒のスライシング方法およびその装置 - Google Patents

半導体単結晶棒のスライシング方法およびその装置

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JPH08300347A
JPH08300347A JP13291095A JP13291095A JPH08300347A JP H08300347 A JPH08300347 A JP H08300347A JP 13291095 A JP13291095 A JP 13291095A JP 13291095 A JP13291095 A JP 13291095A JP H08300347 A JPH08300347 A JP H08300347A
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和昭 小松
Yoshiki Kitamura
芳樹 北村
Kazunari Takaishi
和成 高石
Keiichiro Asakawa
慶一郎 浅川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤソーでの切断異常の発生を防止し、安
定した高収率を確保する。スライシング条件の最適値を
得る。 【構成】 ワイヤソーを半導体単結晶棒の外面に当接さ
せ、ワイヤソーを駆動して単結晶棒を軸線と垂直な平面
で切断する。切断時、ワイヤソーの駆動モータの負荷電
圧を連続的に測定し、測定データに基づいて切断での異
常(ソーマーク)を検出する。切断時、モータの負荷電
圧には一定のパターンが生じる。このパターンを正常切
断時のものと比較し、異常を検出する。そして、この切
断異常を除去する。例えばワイヤソーへのスラリーの供
給を制御してソーマークを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばワイヤソーよ
るシリコンインゴットの切断時の切断状況を、ワイヤソ
ー駆動モータへの負荷電流−電圧特性を連続して測定・
管理することにより、切断抵抗を安定に管理し、かつ、
切断工程で発生する不良項目を未然に予測し、切断収率
を向上するための半導体単結晶棒のスライシング技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶製造工程により作製され
たシリコンインゴットには、外周研削後、方位確定のた
めのオリエンテーションフラット(OF)加工が施され
る。この後、スライシング工程(切断工程)に移る。こ
の工程で、インゴットは、切断用のワイヤソー・バンド
ソー等によりウェーハ形状に加工される。この切断工程
では、所定の条件を組み込んだシーケンスを制御装置が
実行し、これが完了するまで、ワイヤソーは、その制御
範囲内で動作することとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合、切断中にお
いてはスライシング不良の監視・制御は特別には行って
いなかった。このため、切断時の異常、特にソーマーク
の発生に関してはその切断終了後にしか確認することが
できなかった。
【0004】そこで、この発明者らは、上記課題を解決
すべく検討を重ねた結果、ワイヤソーでの切断に使用さ
れるワイヤボビンモータの負荷電流−電圧特性を検出し
これを一定レベルの値に監視することにより、常にその
切断状況を把握し、異常発生に対して未然に対応するこ
とができる管理方法を案出した。この結果、スライシン
グでの安定した高収率を確保すると同時に、ワイヤソー
でのスライシング条件の最適値を検出・設定することが
できる。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ワイヤソーを用いて半導体単結晶棒を軸線と略直交
する平面で切断する半導体単結晶棒のスライシング方法
において、半導体単結晶棒の切断時、上記ワイヤソーの
駆動負荷を連続的に測定し、この測定データに基づいて
切断の異常を検出する半導体単結晶棒のスライシング方
法である。
【0006】請求項2に記載の発明は、上記ワイヤソー
の駆動負荷の測定は、ワイヤソーを駆動するモータの負
荷電流値および/または負荷電圧値を連続的に採取して
行う請求項1に記載の半導体単結晶棒のスライシング方
法である。
【0007】請求項3に記載の発明は、上記切断異常の
検出を、上記モータの負荷電流値または負荷電圧値の変
化に基づいて行う請求項2に記載の半導体単結晶棒のス
ライシング方法である。
【0008】請求項4に記載の発明は、上記検出した切
断異常を除去する請求項1、請求項2または請求項3の
いづれか1項に記載の半導体単結晶棒のスライシング方
法である。
【0009】請求項5に記載の発明は、上記切断時の異
常はソーマークである請求項1、請求項2、請求項3ま
たは請求項4のいづれか1項に記載の半導体単結晶棒の
スライシング方法である。
【0010】請求項6に記載の発明は、駆動されて半導
体単結晶棒を切断するワイヤソーと、このワイヤソーの
駆動負荷を測定する負荷測定手段と、この測定した負荷
に基づいて切断異常の発生を検出する異常検出手段とを
備えた半導体単結晶棒のスライシング装置である。
【0011】請求項7に記載の発明は、上記半導体単結
晶棒のスライシング装置は上記ワイヤソーを駆動するモ
ータを備え、上記負荷測定手段ではこのモータの負荷電
流値および/または負荷電圧値を測定するとともに、上
記異常検出手段は測定した負荷電流値および/または負
荷電圧値に基づいて切断異常の発生を検出する請求項6
に記載の半導体単結晶棒のスライシング装置である。
【0012】請求項8に記載の発明は、上記異常検出手
段は上記負荷電流値または負荷電圧値の変化に基づいて
切断異常の発生を検出する請求項7に記載の半導体単結
晶棒のスライシング装置である。
【0013】請求項9に記載の発明は、上記半導体単結
晶棒のスライシング装置であって、上記切断異常の原因
を除去する除去手段を備えた請求項6、請求項7または
請求項8のいづれか1項に記載の半導体単結晶棒のスラ
イシング装置である。
【0014】
【作用】請求項1に記載した発明では、ワイヤソーを半
導体単結晶棒の外面に当接させ、ワイヤソーを駆動して
移動し(例えばモータでワイヤソーを巻き取りながら単
結晶棒に押し当て)、半導体単結晶棒を軸線と垂直な平
面で切断する。この切断時、ワイヤソーの駆動負荷を連
続的に測定し、この測定データに基づいて切断での異常
を検出する。切断時のワイヤソーへの負荷には一定のパ
ターンが生じる。このパターンを正常切断時のものと比
較することにより、その異常を検出することとなる。
【0015】請求項2に記載した発明では、上記負荷と
して、ワイヤソーを駆動するモータの負荷電流値および
/または負荷電圧値を用いる。すなわち、スライシング
工程においてこのモータの負荷を連続的に採取する。こ
れらの値に基づいて切断での異常を検出する。
【0016】請求項3に記載した発明では、切断工程に
て連続して採取した上記モータの負荷電流値または負荷
電圧値の変化に基づいて切断異常の検出を行う。例えば
正常時の負荷電流値の変化と、採取したそれとを比較す
る。
【0017】請求項4・5に記載した発明では、上記の
ようにして検出した切断異常の原因を除去する。異常の
原因について適切な対応を行う。例えばスラリーの供給
を制御してソーマークを除去する。
【0018】請求項6に記載した発明では、ワイヤソー
を駆動して半導体単結晶棒の切断を行う。このとき、こ
のワイヤソーの駆動負荷を測定し、測定した負荷に基づ
いて異常の発生を検出する。
【0019】請求項7に記載した発明に係る半導体単結
晶棒のスライシング装置では、ワイヤソーをモータで駆
動して切断を行う。そして、このモータに印加する電流
値および/または電圧値を測定し、測定値に基づいて切
断異常の発生を検出する。切断の異常には、例えばソー
マーク発生がある。
【0020】請求項8に記載した発明では、このモータ
への負荷電流値または負荷電圧値の変化に基づいて切断
異常の発生を検出する。
【0021】請求項9に記載した発明では、以上のよう
にして検出した切断異常の原因を除去する。切断異常の
内容に対応した処理を行うものである。例えばモータの
駆動系のチェック、スラリーの供給を制御するなどであ
る。これにより切断異常の発生を阻止し、安定した切断
を行うことができる。
【0022】
【実施例】以下、図を用いてこの発明の一実施例を説明
する。図1は、ワイヤソーボビンモータの負荷電圧−電
流値を連続的に採取し、この結果をスラリー自動追加供
給機構へフィードバックするためのスライシング装置シ
ステムの概要図である。これにより採取した切断負荷電
流値の推移を図2に示した。8インチ径インゴット切断
時の最大電圧値の変動を示したものである。図中負荷電
圧値は切断量の増加とともに徐々に増加し、190mm
切断時に最大値を形成していることが判る。また、この
装置で切断が正常に行われた場合の信号パターンも同時
に示している。図3は、負荷電圧値に対する不良枚数
(ソーマーク)の相関を示している。図2および図3の
関係から今回は自動スラリー増加供給作動リミットの負
荷電流値を1.8Vとして、これらのシステムの装着さ
れていないものとの不良発生率を比較した。比較結果を
図4に示す。その結果、従来のものに比較して不良発生
率を1桁程度低減できることが確認された。
【0023】図1に示すように、この装置ではワーク
(シリコン単結晶棒)11を切断位置にて支持し、ボビ
ン12・13間に掛け渡したワイヤソー14でこれを切
断する。ワイヤソー14はボビン駆動モータ15により
ボビン13に巻き取られる構成である。
【0024】モータ15は制御装置16からの指令信号
に基づいて制御・駆動されている。このモータ15の負
荷電流・負荷電圧は制御装置16によって測定・検出さ
れている。制御装置16は、例えばCPU・ROM・R
AM・I/O・モニタなどを有して構成されている。
【0025】制御装置16は、ワーク11よりも上流側
のワイヤソー14にスラリーを供給するスラリー供給機
構17の制御をも行っている。すなわち、制御装置16
は入力されたデータ(電流値・電圧値)に基づいて切断
の異常を検出すると、例えばスラリー供給機構17を駆
動してスラリーの供給量をコントロールする。これによ
り切断異常(ソーマーク等)を解消するものである。
【0026】上記図2に示すパターンデータに基づいて
切断での条件を制御することにより、切断での異常発生
を可能な限り抑止することができる。そして、このよう
なデータに基づいてスライシング装置を運転したときの
不良発生率を図4に示した。この図から明らかなよう
に、この装置によれば、従来のスライシング装置よりも
安定した運転が可能である。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、切断異常の発生を未
然に防止することができ、切断での安定した高収率を確
保することができる。同時に、スライシング条件の最適
値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るスライシング装置を
示す概略図である。
【図2】この発明の一実施例に係るモータの負荷電圧値
の切断時の変化を示すグラフである。
【図3】この発明の一実施例に係るスライシング装置で
の負荷電圧と不良発生率との関係を示すグラフである。
【図4】この発明の一実施例に係るスライシング装置で
の効果を示すグラフである。
【符号の説明】
11 ワーク(シリコン単結晶棒) 14 ワイヤソー 15 モータ 16 制御装置 17 スラリー供給機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高石 和成 東京都千代田区大手町1丁目5番1号 三 菱マテリアルシリコン株式会社内 (72)発明者 浅川 慶一郎 東京都千代田区大手町1丁目5番1号 三 菱マテリアルシリコン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤソーを用いて半導体単結晶棒を軸
    線と略直交する平面で切断する半導体単結晶棒のスライ
    シング方法において、 半導体単結晶棒の切断時、上記ワイヤソーの駆動負荷を
    連続的に測定し、 この測定データに基づいて切断の異常を検出する半導体
    単結晶棒のスライシング方法。
  2. 【請求項2】 上記ワイヤソーの駆動負荷の測定は、ワ
    イヤソーを駆動するモータの負荷電流値および/または
    負荷電圧値を連続的に採取して行う請求項1に記載の半
    導体単結晶棒のスライシング方法。
  3. 【請求項3】 上記切断異常の検出を、上記モータの負
    荷電流値または負荷電圧値の変化に基づいて行う請求項
    2に記載の半導体単結晶棒のスライシング方法。
  4. 【請求項4】 上記検出した切断異常を除去する請求項
    1、請求項2または請求項3のいづれか1項に記載の半
    導体単結晶棒のスライシング方法。
  5. 【請求項5】 上記切断時の異常はソーマークである請
    求項1、請求項2、請求項3または請求項4のいづれか
    1項に記載の半導体単結晶棒のスライシング方法。
  6. 【請求項6】 駆動されて半導体単結晶棒を切断するワ
    イヤソーと、 このワイヤソーの駆動負荷を測定する負荷測定手段と、 この測定した負荷に基づいて切断異常の発生を検出する
    異常検出手段とを備えた半導体単結晶棒のスライシング
    装置。
  7. 【請求項7】 上記半導体単結晶棒のスライシング装置
    は上記ワイヤソーを駆動するモータを備え、 上記負荷測定手段ではこのモータの負荷電流値および/
    または負荷電圧値を測定するとともに、上記異常検出手
    段は測定した負荷電流値および/または負荷電圧値に基
    づいて切断異常の発生を検出する請求項6に記載の半導
    体単結晶棒のスライシング装置。
  8. 【請求項8】 上記異常検出手段は上記負荷電流値また
    は負荷電圧値の変化に基づいて切断異常の発生を検出す
    る請求項7に記載の半導体単結晶棒のスライシング装
    置。
  9. 【請求項9】 上記半導体単結晶棒のスライシング装置
    であって、上記切断異常の原因を除去する除去手段を備
    えた請求項6、請求項7または請求項8のいづれか1項
    に記載の半導体単結晶棒のスライシング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006075939A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Toyo Advanced Technologies Co Ltd スラリの劣化検知方法、スラリ交換方法およびワイヤソー
JP2011148027A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Shin Etsu Handotai Co Ltd インゴットの切断方法及びワイヤソー
CN115837714A (zh) * 2022-11-21 2023-03-24 无锡连强智能装备有限公司 一种半导体多功能截断自动化控制系统及控制方法

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