JPH082997Y2 - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ

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JPH082997Y2
JPH082997Y2 JP1991105788U JP10578891U JPH082997Y2 JP H082997 Y2 JPH082997 Y2 JP H082997Y2 JP 1991105788 U JP1991105788 U JP 1991105788U JP 10578891 U JP10578891 U JP 10578891U JP H082997 Y2 JPH082997 Y2 JP H082997Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はアルミニウム電解コンデ
ンサに関し、特に、オープンモードの保安機構を備えた
アルミニウム電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム電解コンデンサは、その単
位CV積に対する体積が小さく、また価格的にも有利で
あることから、民生用機器は勿論のこと、産業用機器に
まで使用されており、その代表的な構造を図7に示す。
この図に示すアルミニウム電解コンデンサ21におい
て、陰極箔、電解紙および陽極箔が巻回されたコンデン
サ素子22は、電解液が含浸された状態でアルミニウム
ケース23に収容されており、その開放端側にはアルミ
ニウムケース23の内部を密封状態とするための封口板
24が、アルミニウムケース23のカール部によって固
定されている。この封口板24には、その外側に外部端
子25a,25bがアルミニウムリベット26a,26
bによって固着されており、これらのアルミニウムリベ
ット26a,26bの下方端には、コンデンサ素子22
の陽極箔および陰極箔から引き出された陽極用リード2
7および陰極用リード28が固着されている。ここで、
封口板24は、表面側のラバー層24aとフェノール樹
脂板24bからなる二層構造になっている。かかる構成
のアルミニウム電解コンデンサ21も含めて、アルミニ
ウム電解コンデンサにおいては、漏れ電流などによって
水素ガスが発生し、アルミニウムケース23の内部の圧
力が上昇するという共通の欠点を有する。かかる内部圧
力の上昇は、例えば、封口板24が爆音を伴って飛び出
すなどの原因となる。そこで、通常、アルミニウムケー
ス23の底面側に形成した肉薄部23aやフェノール樹
脂板24bに形成した孔24cなどを利用して、アルミ
ニウムケース23の内部の圧力が異常に高くなる前に内
部のガスを放出するための保安機構としての防爆弁構造
が構成されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の構造の防爆弁構造を採用した場合であっても、内部の
ガスを放出させる機構を採用する限り、この弁の作動と
共にコンデンサ素子22に含浸されていた電解液はミス
ト状に吹き出してしまう。もとより、電解液としては導
電性のものが使用され、しかも可燃性のものが使用され
るため、噴出した電解液が回路パターンなどに付着する
と、パターン間をショートさせ、場合によっては発火源
となる危険性がある。
【0004】それ故、アルミニウム電解コンデンサが寿
命に達したとき、あるいは異常が発生したときに、コン
デンサ自身でオープン状態となるものが望まれている。
かかる要請に応えるために、各種の構造が検討されてい
るが、いずれも、コンデンサ内部に大きなスペースを必
要とするもの、または、極めて複雑な構成を有するもの
であるため、アルミニウム電解コンデンサの小型で安価
であるという特長を犠牲とするものであった。
【0005】以上の問題点に鑑みて、本考案の課題は、
アルミニウム電解コンデンサの小型で安価であるという
特長を活かしたままで、オープンモードの保安機能を発
揮可能なアルミニウム電解コンデンサを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案に係るアルミニウム電解コンデンサにおいて
講じた手段は、以下のとおりである。コンデンサ素子が
収容されたコンデンサケースと、コンデンサ素子とアル
ミニウムリベットとを接続するアルミニウムリード板
と、前記コンデンサケースの開放端側に固定されて、そ
の内部を密封する封口板とを有し、該アルミニウムリー
ド板は、中継端子とコンデンサ素子とを接続する、第1
のアルミニウムリード板と、中継端子とアルミニウムリ
ベットとを接続する第2のアルミニウムリード板とから
なり、第2のアルミニウムリード板の張設状態を、前記
コンデンサケース内の圧力上昇による、前記封口板の外
方に向けての変形により、第2のアルミニウムリード板
を切断可能な状態に規定する、張設状態規定板を前記封
口板の裏面に配し、第2のアルミニウムリード板におい
て、アルミニウムリベットと前記中継端子との間に切断
位置を規定する脆弱箇所が形成され、かつ、第2のアル
ミニウムリード板が、各々上記の中継端子の間を経由す
るよう、リード案内用スリットが前記張設状態規定板に
形成されていることを特徴とするアルミニウム電解コン
デンサである。
【0007】なお、本考案においては、封口板には、コ
ンデンサケース内の圧力上昇による変形形状を規定する
肉薄部を形成しておき、確実にアルミニウムリード板を
切断できるようにしておくことが効果的である。この肉
薄部とは、封口板の外形に溝が形成されているものは勿
論のこと、封口板が複層構造の場合には、そのうちのい
ずれかの層に肉薄部が形成されている場合も含む。
【0008】また、封口板は、変形時にはその中心側が
盛り上がるように反るので、その変位距離を最大限利用
して、第2のアルミニウムリード板の切断を確実なもの
とするために、張設状態規定板は、脆弱箇所が形成され
た第2のアルミニウムリード板を封口板の内周側を経由
させるリード案内用スリットを備えていることが好まし
い。また、封口板の下面の中心側にはダミーターミナル
を配し、このダミーターミナルを介して、脆弱箇所が形
成された第2のアルミニウムリード板をアルミニウムリ
ベットに接続することが望ましい。
【0009】そして、組立の容易性を配慮しながら、張
設状態規定板と封口板との位置関係を確実に規定するた
め、張設状態規定板は、その外周輪郭が封口板の外周形
状に対応しており、これらの張設状態規定板および封口
板は、重ね合わされた状態でコンデンサケースの開放端
側の上カール部および横カール部によって固定されてい
ることが好ましい。この場合には、張設状態規定板の上
面側または封口板の下面側には、その外周側に突条部を
備え、その突条部を介して重ね合わされた状態にあるこ
とが好ましい。
【0010】なお、当然のこととして、コンデンサケー
ス内に張設状態規定板が配置された状態で、その両面
側、すなわち、封口板側とコンデンサ素子側とは連通状
態になっており、この連通状態は、張設状態規定板に形
成された連通部またはその外周側輪郭によって形成され
る。
【0011】
【作用】本考案においては、アルミニウム電解コンデン
サの内部圧力が上昇して、封口板が外方に向けて変形す
ると、この変形に伴って、コンデンサ素子から引き出さ
れた第2のアルミニウムリード板は引っ張られる。ここ
で、封口板とコンデンサ素子との間には張設状態規定板
が固定されており、その中継端子によって、第2のアル
ミニウムリード板は、これが接続されるアルミニウムリ
ベットとコンデンサ素子との間で位置規定されて、切断
可能な張設状態になっている。従って、この張設状態に
対応する封口板の変形が発生したとき、すなわち、コン
デンサケース内の圧力が所定の圧力に達したときに、第
2のアルミニウムリード板は切断される。しかしなが
ら、このような自発的な切断動作のみであれば、切断箇
所によっては、切断された第2のアルミニウムリード板
の残片同士がショート状態となる。そこで、第2のアル
ミニウムリード板のアルミニウムリベットと中継端子と
の間に、その切断箇所を規定する脆弱箇所を形成してお
く。従って、予め、その切断箇所が設定でき、このアル
ミニウムリベット切断後のアルミニウム電解コンデンサ
は、完全にオープン状態になる。
【0012】
【実施例】次に、本考案の実施例について、添付図面を
参照して、以下の通り説明する。
【0013】 〔実施例1〕図1は、本考案の実施例1に係るアルミニ
ウム電解コンデンサの断面図であり、図において、アル
ミニウム電解コンデンサ1は、陰極箔、電解紙および陽
極箔が巻回され、電解液が含浸されたコンデンサ素子2
と、このコンデンサ素子2が収容された円筒状のアルミ
ニウムケース3とを有する。このアルミニウムケース3
には、その開放端側に上カール部3aおよび横カール部
3bが形成されており、これらによって、アルミニウム
ケース3の内部を密封状態とするための封口板4と、張
設状態規定板5とが重ね合わされた状態で固定されてい
る。この封口板4は、上層側たるラバー層4aと、下層
側たるフェノール樹脂板4bとによって構成され、この
フェノール樹脂板4bには、その下面側の溝4cによっ
て肉薄部4dが形成されている。この溝4cは、円形の
封口板4の中心を通ってフェノール樹脂板4bの端縁近
傍にまで到達している。この溝4cによって区画された
状態にある封口板4の各領域に、L字状の陽極用外部端
子6aおよび陰極用外部端子6bが、アルミニウムリベ
ット7a,7bによって固着されている。
【0014】一方、張設状態規定板5は、図2に示すよ
うに、封口板4と外形寸法が同等の円板状のものであ
り、その中央部に貫通孔5aが形成され、これを配置し
た状態でも、その両面側、すなわち、封口板4の側と、
コンデンサ素子2の側とを連通状態としている。この張
設状態規定板5には、封口板4のアルミニウムリベット
7a,7bに対応する位置にアルミニウム製の中継端子
8a、8bが固着されており、それらの内側位置にリー
ド案内用スリット9a,9bが形成されている。なお、
張設状態規定板5は、その外周側の平坦部5bが封口板
4aの下面の外周側に接する。
【0015】かかる構成の張設状態規定板5に対し、図
1に示すように、コンデンサ素子2から引き出された陽
極アルミニウムリード板10a(第1のアルミニウムリ
ード板)および陰極アルミニウムリード板10b(第1
のアルミニウムリード板)が、中継端子8a、8bの下
端側にワッシャー加締めなどの方法によりそれぞれ固着
されている。さらに、これらの中継端子8a、8bの下
端側から封口板4のアルミニウムリベット7a,7bの
下端側へも、陽極アルミニウムリード板11a(第2の
アルミニウムリード板)および陰極アルミニウムリード
板11b(第2のアルミニウムリード板)が接続されて
いる。これらの陽極アルミニウムリード板11aおよび
陰極アルミニウムリード板11bの途中位置には、図2
にも示すように、脆弱箇所12a,12b(切断位置)
が形成されている。本例においては、この脆弱箇所12
a,12bは、リード案内用スリット9a,9bの上方
に位置するように形成されている。しかも、陽極アルミ
ニウムリード板11aおよび陰極アルミニウムリード板
11bは、いずれも、その一方端が中継端子8a、8b
の下端側に位置規定され、さらに、リード案内用スリッ
ト9a,9bを通ってアルミニウムリベット7a,7b
の下端側に接続されて、それらの張設状態が規定されて
いる。この張設状態は、後述するように、アルミニウム
ケース3の内部の圧力が所定の圧力以上に上昇して、封
口板4が肉薄部4dに沿って外側に反るように変形した
ときに、その変形に伴って、陽極アルミニウムリード板
11aおよび陰極アルミニウムリード板11bが外方に
向けて引っ張られ、陽極アルミニウムリード板11aお
よび陰極アルミニウムリード板11bが脆弱箇所12
a,12bで切断可能な状態に設定されている。なお、
この張設状態は陽極アルミニウムリード板11aおよび
陰極アルミニウムリード板11bが所定の条件下で切断
可能な状態であれば、緊張状態に限らず、緩みなどがあ
ってもよいものである。
【0016】以上の構成からなるアルミニウム電解コン
デンサ1においては、電解液を使用していることもあっ
て、印加状態に発生する漏れ電流などによって、寿命時
間に到達するにつれて内部圧力が上昇する。一方、アル
ミニウム電解コンデンサ1に対し、逆電圧印加や過電圧
印加などがあった場合には、短時間で内部圧力が上昇す
る。かかる圧力を利用してアルミニウム電解コンデンサ
1を確実にオープン状態とする。
【0017】まず、アルミニウム電解コンデンサ1の内
部圧力が上昇し、所定の圧力以上になると、封口板4が
外方に向けてわずかに反るように変形する。このときの
変形形状は、封口板4のフェノール樹脂板4bに形成さ
れた肉薄部4dに沿って変形する。この変形が小さな場
合には、陽極アルミニウムリード板11aおよび陰極ア
ルミニウムリード板11bがわずかに外方に向けて引っ
張られるだけで、それらの張設状態が高まるだけであ
る。そして、封口板4の変形が大きくなって、張設状態
がさらに高まると、図3に示すように、陽極アルミニウ
ムリード板11aおよび陰極アルミニウムリード板11
bは、脆弱箇所12a,12bにおいて切断される。こ
こで、脆弱箇所12a,12bは、リード案内用スリッ
ト9a,9bの上方位置、すなわち、封口板4の近傍で
切断されるため、切断後に封口板4の側に残る陽極アル
ミニウムリード板11aおよび陰極アルミニウムリード
板11bの残片は短く、互いにショートすることがな
い。このため、コンデンサ素子2への電圧の印加は、確
実に遮断されて、アルミニウム電解コンデンサ1は完全
にオープン状態となる。
【0018】このように、本例においては、アルミニウ
ム電解コンデンサ1の寿命または異常な使用態様により
内部圧力が高まることを利用して、陽極アルミニウムリ
ード板11aおよび陰極アルミニウムリード板11bが
所定の位置で切断されるようにしているため、切断以
降、コンデンサ素子2には電圧の印加が中断され、さら
に内部圧力が高まって、電解液が噴出することがない。
このため、配線基板上などに電解液が付着せず、機器の
異常動作や発火などの発生を防止できる。すなわち、オ
ープンモードの保安機構を備えたアルミニウム電解コン
デンサ1を実現できる。また、その保安機構は、封口板
4の変形および張設状態規定板5のみを利用して、アル
ミニウムリード板を切断するため、アルミニウム電解コ
ンデンサ1のサイズおよびコストにおけるメリットを最
大限維持できる。また、封口板4に肉薄部4dを設ける
ことによって、封口板4の変形状態を規定しながらも、
変形を最大限大きくしている。さらに、陽極アルミニウ
ムリード板11aおよび陰極アルミニウムリード板11
bは、リード案内用スリット9a,9bによって、封口
板4の内周側、すなわち2つの中継端子8a、8bの間
を経由させることにより、封口板4が盛り上がるように
反る変形状態に対応させている。それ故、陽極アルミニ
ウムリード板11aおよび陰極アルミニウムリード板1
1bの切断動作が確実である。そして、中継端子8a、
8bとアルミニウムリベット7a,7bの間で、第2の
アルミニウムリード板としての陽極アルミニウムリード
板11aおよび陰極アルミニウムリード板11bの張設
状態を規定することによって、コンデンサ素子2の側の
第1のアルミニウムリード板としての陽極アルミニウム
リード板10aおよび陰極アルミニウムリード板10b
に対する張設状態を規定する必要性をなくし、組立工程
の簡略化を実現している。さらに、封口板4と張設状態
規定板5とを一括して固定することによって、組立を容
易とすると共に、それらの位置関係の調整を容易なもの
とし、保安機構の動作の信頼性を高めている。
【0019】 〔実施例2〕次に、本考案の実施例2に係るアルミニウ
ム電解コンデンサについて、図4および図5を参照し
て、説明する。
【0020】図4は本例のアルミニウム電解コンデンサ
の断面図、図5はそれに用いた張設状態規定部材の斜視
図である。
【0021】本例のアルミニウム電解コンデンサは、実
施例1のアルミニウム電解コンデンサ1に対し、別の張
設状態規定部材を用いたものであり、他の構成は同様で
あり、対応する部位には同符号を付して、それらの説明
を省略する。
【0022】図4および図5において、アルミニウム電
解コンデンサ1に用いた張設状態規定板15は、封口板
4と外形寸法が同じ円板状を呈し、その外周側の段差部
15aに突条部15bを有する。また、中継端子8a、
8bの内側の段差部15cに陽極アルミニウムリード板
11a(第2のアルミニウムリード板)に対するリード
案内用スリット9a(アルミニウムリード板案内部)が
形成され、中継端子8bの外周側に、陰極アルミニウム
リード板11b(第2のアルミニウムリード板)に対す
るリード案内用スリット9b(アルミニウムリード板案
内部)が形成されている。
【0023】かかる構成の張設状態規定板15を用いた
アルミニウム電解コンデンサ1においても、内圧上昇に
伴って封口板4が変形すると、所定の張設状態とされて
いた陽極アルミニウムリード板11aは、肉薄部16a
において切断され、保安機構としての機能を発揮する。
ここで、張設状態規定板15に形成されたリード案内用
スリット9a,9bはそれぞれ異なる位置に設けられ、
陽極アルミニウムリード板11aと陰極アルミニウムリ
ード板11bとの離間距離が大きく確保されている。従
って、切断後の陽極アルミニウムリード板11aと陰極
アルミニウムリード板11bの残片同士がショートしに
くくなっている。また、リード案内用スリット9a,9
bの形成位置が異なるため、陽極用と陰極用との識別が
容易になっている。なお、本例において、いずれのアル
ミニウムリード板11a,11bの張設状態は規定され
ているものの、封口板4の変形により切断されるのは、
陽極アルミニウムリード板11aのみである。しかしな
がら、切断すべきアルミニウムリード板11a,11b
は、いずれか一方、好ましくは陽極アルミニウムリード
板11aが切断されれば、充分に保安機能を満足する。
【0024】 〔実施例3〕次に、本考案の実施例3に係るアルミニウ
ム電解コンデンサについて、図6を参照して、説明す
る。
【0025】図6は本例のアルミニウム電解コンデンサ
の断面図である。
【0026】本例のアルミニウム電解コンデンサは、実
施例1のアルミニウム電解コンデンサ1に対し、張設状
態規定板および封口板を代えたものであり、他の構成は
同様であるため、対応する位置には同符号を付して、そ
れらの説明を省略する。なお、陽極アルミニウムリード
板11aの切欠部12aは、リード案内用スリット9a
の側壁の下方端側に形成されており、その角部に当接す
る状態になっている。また、陰極アルミニウムリード板
11bには切欠部が形成されていないものを用いてあ
る。
【0027】本例のアルミニウム電解コンデンサ1にお
いては、封口板17の中心側に、ダミーターミナル17
aを備え、陽極アルミニウムリード板11aはダミータ
ーミナル17aの下端側に固着された状態で、アルミニ
ウムリベット7a(アルミニウムリベット)に接続され
ている。また、張設状態規定板18の上面側には、位置
決め用突起18aが形成されており、位置決め用突起1
8aは陽極アルミニウムリード板11aの途中位置を封
口板17の側に位置決めして、その弛みなどを防止して
いる。なお、封口板17の肉薄部4dは、ダミーターミ
ナル17aに対し、アルミニウムリベット7bの側に形
成されている。
【0028】かかる構成のアルミニウム電解コンデンサ
1においても、内圧上昇に伴って封口板17が変形する
と、所定の張設状態とされていた陽極アルミニウムリー
ド板11aは切断され、保安機構としての機能を発揮す
る。また、陽極アルミニウムリード板11aはダミータ
ーミナル17aの下端側に固着されており、封口板17
が外方に向けて反るように変形したときに、陽極アルミ
ニウムリード板11aに確実に引張力が最大限に作用す
るようになっている。このため、陽極アルミニウムリー
ド板11aの切断がより確実にできる。
【0029】以上のとおり、いずれの実施例において
も、アルミニウム電解コンデンサに対し、そのサイズを
大きくすることなく、またコストを高めることなく、オ
ープンモードの保安機構を付与することができる。
【0030】なお、上記の実施例の構成に限らず、これ
らの構成を組み合わせてもよいものであり、使用すべき
各部材の材質、形状、リード部材の数、各部における固
着方法などは、アルミニウム電解コンデンサの定格、用
途などに応じて最適なものに設計されるべき性質のもの
であり、限定のないものである。たとえば本例のように
アルミニウムリード板として、第1のアルミニウムリー
ド板および第2のアルミニウムリード板からなるものを
用いてもよく、またコンデンサ素子からアルミニウムリ
ベットまで一体化しているものを用いてもよい。この場
合には、その途中位置で張設状態規定板の中間端子に固
定するようにする。
【0031】また、封口板については、上記実施例につ
いてはラバー貼フェノール樹脂板を使用したが、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、フェノール樹脂の
成形品など、内圧の上昇によって外方に向けて反る状態
に変形可能なように材質および厚さを設計すればよい。
一方、封口板自体の変形のみでは、所定の変形状態とす
ることができない材質または厚さなどの場合には、その
変形状態を規定するために肉薄部を設ける。この場合
も、肉薄部は、封口板の外周側に向けて延びる溝などの
他、断続的に形成されているもの、複数の肉薄部などが
形成されているものなど、限定のないものである。
【0032】
【考案の効果】以上のとおり、本考案に係るアルミニウ
ム電解コンデンサにおいては、コンデンサ素子と封口板
との間に、第2のアルミニウムリード板をアルミニウム
リベットとコンデンサ素子との間で位置規定する中継端
子を備える張設状態規定部材を固定し、これにより、こ
の中継端子からアルミニウムリベットまでの第2のアル
ミニウムリード板の張設状態を、コンデンサケース内の
圧力上昇による封口板の変形により第2のアルミニウム
リード板を切断可能な状態に規定しておくと共に、この
第2のアルミニウムリード板に、切断位置を規定する脆
弱箇所を設けておくことに特徴を有する。従って、本考
案によれば、以下の効果を奏する。
【0033】 コンデンサケース内の圧力上昇によっ
て、封口板が変形することを利用して、第2のアルミニ
ウムリード板を切断するため、自発的にオープンモード
の保安機能を発揮する。それ故、電解液の噴出などによ
る周囲への影響、例えば発火などの問題を解消できる。
【0034】 第2のアルミニウムリード板は、その
脆弱箇所によって切断位置が規定されているため、切断
後に第2のアルミニウムリード板の残片同士がショート
状態になることを防止できる。
【0035】 封口板の変形および第2のアルミニウ
ムリード板の切断など、従来よりコンデンサを構成して
いる部材を利用しているため、新たに追加すべき部材が
最小限に抑えられているので、アルミニウム電解コンデ
ンサのサイズおよびコストなどのメリットを損なうこと
がない。
【0036】 封口板に肉薄部が形成されている場合
には、その変形形状を規定できるので、確実に第2のア
ルミニウムリード板を切断することができ、保安機能を
確実に発揮する。
【0037】 張設状態規定板が第2のアルミニウム
リード板を封口板の内周側を経由させるリード案内用ス
リットを備えている場合、または、封口板の下面の中心
側はダミーターミナルを備えている場合には、封口板の
変形形状に対応させて、第2のアルミニウムリード板を
配置できるので、保安機構の動作をより確実なものにで
きる。
【0038】 アルミニウムリード板が、コンデンサ
素子側から位置規定部までの第1のアルミニウムリード
板と、そこからアルミニウムリベットまでの第2のアル
ミニウムリード板とからなっている場合、または、張設
状態規定板および封口板が重ね合わされた状態で固定さ
れている場合には、組立操作を容易なものにできると共
に、第2のアルミニウムリード板の張設状態をより確実
に規定できる。
【0040】 張設状態規定板および封口板は、いず
れかの方に形成された突条部を介して重ね合わされた状
態にある場合には、封口板の変形が容易であり、確実な
保安機能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例1に係るアルミニウム電解コン
デンサの断面図である。
【図2】図1に示すアルミニウム電解コンデンサに用い
た張設状態規定部材の斜視図である。
【図3】図1に示すアルミニウム電解コンデンサがオー
プン状態となった状態を示す断面図である。
【図4】本考案の実施例2に係るアルミニウム電解コン
デンサの断面図である。
【図5】図4に示すアルミニウム電解コンデンサに用い
た張設状態規定部材の斜視図である。
【図6】本考案の実施例3に係るアルミニウム電解コン
デンサの断面図である。
【図7】従来のアルミニウム電解コンデンサの断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・アルミニウム電解コンデンサ 2・・・コンデンサ素子 4,17・・・封口板 4d・・・肉薄部 5,18・・・張設状態規定板 7a,7b・・・アルミニウムリベット 8a,8b・・・中継端子 9a,9b・・・リード案内用スリット(アルミニウム
リード板案内部) 10a・・・陽極アルミニウムリード板(第1のアルミ
ニウムリード板) 10b・・・陰極アルミニウムリード板(第1のアルミ
ニウムリード板) 11a・・・陽極アルミニウムリード板(第2のアルミ
ニウムリード板) 11b・・・陰極アルミニウムリード板(第2のアルミ
ニウムリード板) 12a,12b・・・脆弱箇所 15b・・・突条部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9174−5E H01G 1/11 102

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサ素子(2)が収容されたコン
    デンサケース(3)と、コンデンサ素子(2)とアルミ
    ニウムリベット(7a,7b)とを接続するアルミニウ
    ムリード板と、前記コンデンサケース(3)の開放端側
    に固定されて、その内部を密封する封口板(4又は1
    7)とを有し、該アルミニウムリード板は、中継端子
    (8a,8b)とコンデンサ素子(2)とを接続する、
    第1のアルミニウムリード板(10a,10b)と、中
    継端子(8a,8b)とアルミニウムリベット(7a,
    7b)とを接続する第2のアルミニウムリード板(11
    a,11b)とからなり、第2のアルミニウムリード板
    (11a,11b)の張設状態を、前記コンデンサケー
    ス(3)内の圧力上昇による、前記封口板(4又は1
    7)の外方に向けての変形により、第2のアルミニウム
    リード板(11a,11b)を切断可能な状態に規定す
    る、張設状態規定板(5又は18)を前記封口板(4又
    は17)の裏面に配し、第2のアルミニウムリード板
    (11a,11b)において、アルミニウムリベット
    (7a,7b)と前記中継端子(8a,8b)との間に
    切断位置を規定する脆弱箇所(12a,12b)が形成
    され、かつ、第2のアルミニウムリード板(11a,1
    1b)が、各々上記の中継端子(8a,8b)の間を経
    由するよう、リード案内用スリット(9a,9b)が前
    記張設状態規定板(5又は18)に形成されていること
    を特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記封口板(4又は
    17)には、前記コンデンサケース(3)内の圧力上昇
    による変形形態を規定する肉薄部(4d)が形成されて
    いることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    封口板(4又は17)の下面の中心側にはダミーダーミ
    ナル(17a)を備え、前記脆弱箇所(12a,12
    b)が形成されたアルミニウムリード板(11a,11
    b)は、このダミーターミナル(17a)を介して対応
    するアルミニウムリベット(7a,7b)に接続されて
    いることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかの項に
    おいて、前記張設状態規定板(5又は18)は、その外
    周輪郭が前記封口板(4又は17)の外周形状に対応し
    ており、これらの張設状態規定板(5又は18)および
    封口板(4又は17)は、重ね合わされた状態で前記コ
    ンデンサケース(3)の開放端側の上カール部および横
    カール部によって固定されていることを特徴とするアル
    ミニウム電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記張設状態規定板
    (5又は18)の上面側および前記封口板(4又は1
    7)の下面側のうちのいずれか一方には、その外周側に
    突条部(15b)を備え、この突条部(15b)を介し
    て、前記張設状態規定板(5又は18)および前記封口
    板(4又は17)は重ね合わされた状態にあることを特
    徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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